JP2017166384A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関から発せられる燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで、更に燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制することを目的とする。【解決手段】本発明では、コモンレールと、レール圧調整手段と、燃料噴射弁と、を有する内燃機関の制御装置において、燃焼騒音低減レール圧制御を実行する制御手段と、デポジット付着抑制レール圧と噴孔相関温度との相関関係と現在の噴孔相関温度とに基づいて現在のデポジット付着抑制レール圧を算出するデポジット付着抑制レール圧算出手段と、を備え、前記制御手段が、燃焼騒音低減レール圧制御の実行時に、所定の条件において、レール圧を現在のデポジット付着抑制レール圧に制御する。【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
高圧化された燃料を蓄えるコモンレールと気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁とを備えた内燃機関において、前記コモンレールにおける前記燃料の圧力(以下、「レール圧」と称する)を低下させ、燃焼騒音を低減させる技術が開示されている(特許文献1)。
また、上記のような燃料の筒内直接噴射型の内燃機関では、継続的な運転で燃料噴射弁の噴孔にデポジットが付着することが知られている。ここで、デポジットとは、気筒内で燃料や潤滑油等が燃え残った煤状の物質である。そして、特許文献2には、燃料噴射弁の先端部の温度が所定の運転状態で所定温度以上になると、デポジットが付着し易くなる旨が記載されている。
また、燃料噴射弁のノズル推定温度と、燃料噴射弁の先端に堆積するデポジットが増大するノズル推定温度として設定されるデポジット増大温度と、に基づいてパージ制御を行う技術が特許文献3に開示されている。当該技術では、燃料噴射圧力に応じてデポジット増大温度が設定されている。
特開2001−123872号公報 特開2008−157037号公報 特開2012−021455号公報 特開2008−180111号公報 特開平9−096262号公報
従来技術によれば、内燃機関から発せられる燃焼騒音を低減させるために、レール圧を低下させる制御が行われているが、レール圧を低下させると燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着が発生し易くなる。そして、燃焼騒音を低減させたうえで更に燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制する技術は、これまでに明らかにされていない。
本発明は、内燃機関から発せられる燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで、更に燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、燃焼騒音が発生し易くなる所定条件が成立している場合において、レール圧が、燃焼騒音を低減させるためのレール圧であって、内燃機関の通常運転時のレール圧よりも低い圧力に設定されるレール圧(以下、「燃焼騒音低減レール圧」と称する場合もある。)に制御される従来の内燃機関に対して、該所定条件が成立している場合においても、燃料噴射弁が該燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着が発生し易くなる状態(例えば、燃料噴射弁の噴孔近傍の温度が、デポジットの付着が発生し易くなる所定温度範囲内にあると推定され、且つレール圧が低い状態)にある場合には、現在のレール圧を、燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制するためのレール圧(以下、「デポジット付着抑制レール圧」と称する場合もある。)に制御する。このこと
により、燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制することができる。そして、本発明の発明者は、現在のデポジット付着抑制レール圧を、該デポジット付着抑制レール圧と燃料噴射弁の噴孔近傍の温度に相関する所定のパラメータ(以下、「噴孔相関温度」と称する場合もある。)との相関に基づいて算出し、現在のレール圧をこのように算出された現在のデポジット付着抑制レール圧に制御することによって、燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで更に燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制することができることを見出した。
より詳細には、本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料を高圧化して圧送する高圧ポンプと、前記高圧ポンプによって高圧化された前記燃料を蓄えるコモンレールと、前記コモンレールにおける前記燃料の圧力であるレール圧を調整するレール圧調整手段と、前記コモンレールの前記燃料を内燃機関の気筒内に噴射する燃料噴射弁と、を有する前記内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の燃焼騒音を抑制する前記レール圧である燃焼騒音低減レール圧を算出する燃焼騒音低減レール圧算出手段と、所定条件が成立している場合に、前記所定条件が成立していない場合に対して前記レール圧調整手段を用いて前記レール圧を前記燃焼騒音低減レール圧算出手段によって算出される前記燃焼騒音低減レール圧に低下させる制御である燃焼騒音低減レール圧制御を実行する制御手段と、前記燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制する前記レール圧であるデポジット付着抑制レール圧と、前記燃料噴射弁の噴孔近傍の温度に相関する所定のパラメータである噴孔相関温度と、の相関関係を記憶している記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係と、前記燃焼騒音低減レール圧と、に基づいて、前記噴孔相関温度の所定範囲の下限値である所定第一温度と、前記所定範囲の上限値である所定第二温度とを算出する算出手段と、現在の前記噴孔相関温度を推定する噴孔相関温度推定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係と、前記噴孔相関温度推定手段によって推定された現在の前記噴孔相関温度と、に基づいて、現在の前記デポジット付着抑制レール圧を算出するデポジット付着抑制レール圧算出手段と、を備え、前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、前記噴孔相関温度が前記デポジット付着抑制レール圧の最大圧力に対応する前記噴孔相関温度である所定温度よりも高いときに、前記デポジット付着抑制レール圧は前記噴孔相関温度が低くなるのに応じて高くなり、一方前記噴孔相関温度が前記所定温度以下であるときに、前記デポジット付着抑制レール圧は前記噴孔相関温度が低くなるのに応じて低くなるものであり、前記制御手段が、前記燃焼騒音低減レール圧制御の実行時に、前記燃焼騒音低減レール圧が前記記憶手段に記憶されている前記相関関係における前記デポジット付着抑制レール圧の最大圧力よりも低い場合であって、且つ前記噴孔相関温度推定手段によって推定された現在の前記噴孔相関温度が前記算出手段によって算出された前記所定第一温度よりも高くて且つ前記所定第二温度よりも低い場合には、前記レール圧を前記デポジット付着抑制レール圧算出手段によって算出された現在の前記デポジット付着抑制レール圧に制御する。
本発明によれば、内燃機関から発せられる燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで、更に燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制することができる。
本発明の実施例に係る内燃機関とその吸排気系およびその燃料系の概略構成を示す図である。 本発明の実施例に係る燃料噴射弁のノズルの概略構成を示す断面図である。 本発明の実施例に係るデポジット付着相関を示す図である。 燃焼騒音低減レール圧と冷却水温との相関を示す図である。 本発明の実施例に係るデポジット付着相関と現在の推定ノズル温度とに基づいて算出される現在のデポジット付着抑制レール圧の算出手法を示す図である。 本発明の実施例に係るレール圧制御フローを示すフローチャートである。 本発明の実施例に係るレール圧制御を行う場合のタイムチャートを示す図である。 本発明の実施例に係るレール圧制御を行う場合のレール圧と推定ノズル温度との関係を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
(概略構成)
図1は、本実施例に係る内燃機関とその吸排気系およびその燃料系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。各気筒2には該気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3が設けられている。
各燃料噴射弁3にはコモンレール31から燃料が供給される。コモンレール31には、高圧ポンプによって圧送された燃料が高圧の状態で貯留されている。コモンレール31には、該コモンレール31内の燃料圧力(以下、「レール圧」と称する場合もある。)を調整するためのリリーフ弁32が設けられている。リリーフ弁32には、コモンレール31から燃料タンクに燃料を戻すためのリターン通路が接続されている。また、低圧ポンプと高圧ポンプとの間の燃料通路には、高圧ポンプへの燃料供給量を調節することによりレール圧を調整する流量制御弁33が設けられている。また、コモンレール31には、レール圧を検出する圧力センサ34が設けられている。なお、本実施例においては、レール圧を調整するリリーフ弁32または流量制御弁33が、本発明におけるレール圧調整手段に相当する。
また、内燃機関1には、インテークマニホールド5およびエキゾーストマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド5には吸気通路4が接続されている。エキゾーストマニホールド7には排気通路6が接続されている。また、吸気通路4にはターボチャージャ8のコンプレッサ8aが設置されている。排気通路6にはターボチャージャ8のタービン8bが設置されている。
吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも上流側にはエアフローメータ26が設けられている。エアフローメータ26は、吸気通路4内を流れる吸気(空気)の量(質量)に応じた電気信号を出力する。吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも下流側にはスロットル弁9が設けられている。スロットル弁9は、吸気通路4内の通路断面積を変更することで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。また、排気通路6は、タービン8bよりも下流側の図示しない触媒(例えば、SCR触媒など)や消音器を経由して大気中に開放されている。
また、内燃機関1の吸排気系にはEGR装置11が設けられている。EGR装置11は、EGR通路12およびEGR弁13を備えている。EGR通路12は、その一端がエキゾーストマニホールド7に接続されており、その他端が吸気通路4におけるスロットル弁9よりも下流側に接続されている。EGR弁13は、EGR通路12に設けられており、該EGR通路12を通ってエキゾーストマニホールド7から吸気通路4に導入されるEGRガスの流量を調整する。
そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20は、内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU20には、上記のエアフローメータ26、クランクポジションセンサ21、およびアクセルポジションセンサ22等の各種センサが電気的に接続されている。クランクポジションセンサ21は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力するセンサである。アクセルポジションセンサ22は、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。そして、これらのセンサの出力信号がECU20に入力される。ECU20は、クランクポジションセンサ21の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。また、ECU20は、アクセルポジションセンサ22の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出する。
また、ECU20には、燃料噴射弁3、リリーフ弁32、流量制御弁33、スロットル弁9、およびEGR弁13等の各種装置が電気的に接続されている。ECU20によって、これら各種装置が制御される。例えば、ECU20は、圧力センサ34の検出値に基づいてリリーフ弁32または流量制御弁33を制御することで、レール圧を所望の圧力に調整する。
次に、本実施例に係る燃料噴射弁3のノズル330の構成について図2に基づいて説明する。図2(a)は本実施例に係る燃料噴射弁3のノズル330の概略構成を示す断面図であり、図2(b)は一般的な燃料噴射弁のノズルの概略構成を示す断面図である。本実施例に係る燃料噴射弁3は、噴孔331に座ぐり形状の凹部332が形成された座ぐり噴孔付きノズル330を有する。なお、本実施例では、必ずしも燃料噴射弁3のノズル330が座ぐり噴孔付きノズル330に限定されるわけではない。
(レール圧制御)
本実施例に係る内燃機関の制御装置では、現在のレール圧を変更制御するレール圧制御が実行される。そして、本実施例では、ECU20によって、本実施例に係るレール圧制御の一つである、現在のレール圧を燃焼騒音低減レール圧にする制御(以下、「燃焼騒音低減レール圧制御」と称する場合もある。)が実行されるか否かの判別が所定の演算周期で繰り返し行われる。ここで、燃焼騒音低減レール圧制御の実行時に、更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる状態(例えば、燃料噴射弁3の噴孔331近傍の温度が、デポジットの付着が発生し易くなる所定温度範囲内にあると推定され、且つレール圧が低い状態)になっているときには、ECU20によって、現在のレール圧をデポジット付着抑制レール圧にする制御(以下、「デポジット付着抑制レール圧制御」と称する場合もある。)が実行される。ここで、燃焼騒音低減レール圧制御やデポジット付着抑制レール圧制御といったレール圧制御は、上述したように、ECU20が圧力センサ34の検出値に基づいてリリーフ弁32または流量制御弁33(上述したレール圧調整手段)を制御することによって行われる。なお、本実施例においては、ECU20が、リリーフ弁32または流量制御弁33(上述したレール圧調整手段)を用いてレール圧を制御することで、本発明に係る制御手段として機能する。
上述したように、本発明者は、デポジット付着抑制レール圧と噴孔相関温度との相関関係であるデポジット付着相関に基づいて現在のデポジット付着抑制レール圧を算出し、デポジット付着抑制レール圧制御を行うことによって、燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができることを見出した。以下、デポジット付着相関について、説明する。
図3(a)は、デポジット付着相関を示す図である。図3(a)において、横軸は、燃料噴射弁3の噴孔331近傍の温度に相関する所定のパラメータである燃料噴射弁3のノズル330の温度の推定値(以下、「推定ノズル温度」と称する場合もある。)を表し、
縦軸はデポジット付着抑制レール圧を表している。本実施例では、上述した噴孔相関温度として推定ノズル温度を用いて、以下説明する。
ここで、推定ノズル温度は、下記式1を用いて算出される。
Tnz=C1・NE+C2・Qi+C3・IGT+C4・Pi ・・・式1
Tnz:推定ノズル温度
NE:機関回転速度
Qi:気筒2内への燃料噴射量
IGT:着火時期
Pi:気筒2内への燃料噴射圧力
C1、C2、C3、C4:定数
ECU20は、上記パラメータを用いて推定ノズル温度Tnzを算出する。ただし、推定ノズル温度Tnzの算出方法はこれに限らず、周知の技術を用いることもできる。なお、本実施例においては、ECU20が、推定ノズル温度を算出することで、本発明に係る噴孔相関温度推定手段として機能する。
また、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着は、推定ノズル温度が所定温度範囲内(後述する推定ノズル温度T1´以上で推定ノズル温度T2´以下の範囲内)にある場合に発生し易くなる。これは、前記所定温度範囲においては、燃料噴射弁3の先端部に付着した燃料のうち軽質分が蒸発することによって該燃料の重質化が進み、重質化した燃料が燃料噴射弁3の先端部に対してバインダとして作用するからである。このとき、レール圧が所定圧より高い場合には、燃料の噴射圧力によって重質化した燃料が燃料噴射弁3の先端部にとどまることを抑制することができる。その結果、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。つまり、デポジット付着抑制レール圧は、上記作用によって燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができるレール圧を表している。また、推定ノズル温度が前記所定温度範囲よりも低い場合には、燃料が燃料噴射弁3の先端部に単に付着するだけで、付着した該燃料は煤状の物質に酸化し難い状態であるので、デポジットが付着し難くなる。また、推定ノズル温度が前記所定温度範囲よりも高い場合には、燃料噴射弁3の先端部に付着した燃料は速やかに蒸発するとともに、該燃料は自身の燃焼により酸化除去され易い状態にあるので、デポジットが付着し難くなる。
ここで、図3(a)において推定ノズル温度T1´は、上述した燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる前記所定温度範囲の下限の温度を示している。また、推定ノズル温度T2´は、前記所定温度範囲の上限の温度を示している。そして、曲線C1は、デポジット付着相関を示す線である。ここで、上述したように、推定ノズル温度が推定ノズル温度T1´以上で推定ノズル温度T2´以下の範囲内にある場合に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなるが、このときのレール圧が曲線C1で示されるレール圧になると燃料の噴射圧力によって重質化した燃料が燃料噴射弁3の先端部にとどまることを抑制することができる。つまり、レール圧が曲線C1以上になる領域は、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる領域を示し、曲線C1によって囲まれる領域A1は、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生してしまう領域を示している。ここで、図3(a)では、推定ノズル温度が推定ノズル温度T1´と推定ノズル温度T2´との概中間の温度である推定ノズル温度T3のときに、デポジット付着抑制レール圧が該デポジット付着抑制レール圧の最大圧力(以下、「所定最大レール圧PCdsmax」と称する場合もある。)となっている。
ここで、本実施例ではデポジット付着相関を図3(a)に示す線に限定する意図はなく、デポジット付着相関は内燃機関1の構造やその構成部品の形状等によって変化し得るも
のであり、例えば、図3(b)における線L1および線L2で示されるような線であってもよい。図3(a),(b)において、所定最大レール圧PCdsmaxは、領域A1におけるデポジット付着抑制レール圧の最大値であり、このときの推定ノズル温度T3が、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が最も発生し易い温度(以下、「デポジット最多付着温度」と称する場合もある。)であることを意味している。つまり、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3のときに、燃料噴射弁3の先端部に付着した燃料の重質化が進み易く重質化した該燃料が燃料噴射弁3の先端部にとどまり易くなるので、重質化した該燃料に起因する燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制するためには高いレール圧(すなわち、所定最大レール圧PCdsmax)が必要とされる。
そして、デポジット付着相関について、より詳しくは、推定ノズル温度が推定ノズル温度T2´よりも低くてデポジット最多付着温度T3よりも高いときに、デポジット付着抑制レール圧は推定ノズル温度が低くなるのに応じて高くなり、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3以下であって推定ノズル温度T1´よりも高いときに、デポジット付着抑制レール圧は推定ノズル温度が低くなるのに応じて低くなる。すなわち、燃焼騒音低減レール圧制御の実行時に、更にデポジット付着抑制レール圧制御が行われる場合には、燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制するために、デポジット付着抑制レール圧は、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3のときに所定最大レール圧PCdsmaxになり、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3よりも高いとき及び低いときには所定最大レール圧PCdsmaxよりも低くなるように定義される。なお、本実施例においては、所定最大レール圧PCdsmaxが、本発明におけるデポジット付着抑制レール圧の最大圧力に相当し、デポジット最多付着温度T3が、本発明におけるデポジット付着抑制レール圧の最大圧力に対応する所定温度に相当する。
ここで、本実施例では、デポジット最多付着温度を図3(a),(b)に示される推定ノズル温度T3のように推定ノズル温度T1´と推定ノズル温度T2´との概中間の温度に限定する意図はなく、例えば、図3(c)における推定ノズル温度T3´に示されるように、推定ノズル温度T1´と推定ノズル温度T2´との概中間の温度よりも高い温度であってもよい。
本実施例に係る内燃機関の制御装置では、デポジット付着相関が上述したように定義されることによって、該相関に基づいて算出される現在のデポジット付着抑制レール圧が、燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができるレール圧として定義される。ここで、デポジット付着相関は実験等に基づき予め定められ、マップまたは関数としてECU20のROMに記憶されている。なお、本実施例においては、ECU20のROMが、本発明におけるデポジット付着抑制レール圧と噴孔相関温度との相関関係に相当するデポジット付着相関を記憶していることで、本発明に係る記憶手段として機能する。
ところで、上述したように、本実施例に係る内燃機関の制御装置では、ECU20によって燃焼騒音低減レール圧制御が実行される。ここで、燃焼騒音低減レール圧は、内燃機関1の運転状態に応じて変化する値であり、内燃機関1を冷却する冷却水の温度(以下、単に「冷却水温」と称する場合もある。)、内燃機関1が吸入する空気の温度(以下、単に「吸気温」と称する場合もある。)、機関回転速度、機関負荷等と相関を有する。図4は、上記相関の一例として、燃焼騒音低減レール圧と冷却水温との相関を示す図である。図4に示すように、燃焼騒音低減レール圧と相関のある他のパラメータが同一であれば、冷却水温が低くなるほど燃焼騒音低減レール圧は低くなる。ここで、冷却水温が低くなるほど燃料噴射弁3から噴射される燃料の着火遅れが長くなる。その結果、燃焼騒音が大きくなる。つまり、冷却水温が低くなるほど大きくなる燃焼騒音を低減させるためのレール
圧として図4に示される相関が導出される。ここで、例えば図4に示す燃焼騒音低減レール圧と冷却水温との相関は、実験等に基づき予め定められ、マップまたは関数としてECU20のROMに記憶されている。なお、本実施例においては、ECU20が、燃焼騒音低減レール圧を算出することで、本発明に係る燃焼騒音低減レール圧算出手段として機能する。
このように、燃焼騒音低減レール圧は、内燃機関1の運転状態に応じて変化する値であるので、上述したデポジット付着相関における所定最大レール圧PCdsmaxよりも燃焼騒音低減レール圧が高くなる場合も起こり得る。そして、本実施例では、燃焼騒音低減レール圧が所定最大レール圧PCdsmaxよりも低くなる場合であって、且つ推定ノズル温度が後述する第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い場合において、本実施例に係るデポジット付着抑制レール圧制御が実行される。一方、燃焼騒音低減レール圧が所定最大レール圧PCdsmax以上になる場合には、燃焼騒音低減レール圧制御の実行中に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着は発生しないので、本実施例に係るデポジット付着抑制レール圧制御は実行されない。
そして、図5は、燃焼騒音低減レール圧が所定最大レール圧PCdsmaxよりも低くなる場合における、デポジット付着相関と現在の推定ノズル温度とに基づいて算出される現在のデポジット付着抑制レール圧の算出手法を示す図である。図5において、横軸は推定ノズル温度を表し、縦軸はレール圧を表している。
ここで、図5において、線L3は燃焼騒音低減レール圧PCcnを示している。そして、上述したデポジット付着相関を示している曲線C1と線L3との交点のうち、推定ノズル温度がより低い側の交点における推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1として算出され、推定ノズル温度がより高い側の交点における推定ノズル温度が第二推定ノズル温度T2として算出される。そして、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い場合には、レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnであるとき、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる。このように、第一推定ノズル温度T1および第二推定ノズル温度T2は、レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnであるときの燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる温度範囲を画定するものである。なお、本実施例においては、ECU20が、第一推定ノズル温度T1および第二推定ノズル温度T2を算出することで、本発明に係る算出手段として機能する。そして、本実施例においては、第一推定ノズル温度T1が、本発明における所定第一温度に相当し、第二推定ノズル温度T2が、本発明における所定第二温度に相当し、第一推定ノズル温度T1以上で第二推定ノズル温度T2以下の推定ノズル温度の温度範囲が、本発明における噴孔相関温度の所定範囲に相当する。
このとき、図5に示すように、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも低い場合、または、推定ノズル温度が第二推定ノズル温度T2よりも高い場合には、デポジット付着相関が表すデポジット付着抑制レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnよりも低くなる。つまり、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも低い場合、または、推定ノズル温度が第二推定ノズル温度T2よりも高い場合には、レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnとなっていても、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。
一方、図5において、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い場合には、デポジット付着相関が表すデポジット付着抑制レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnよりも高くなる。つまり、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い場合には、レール圧が、デポジット付着相関が表すデポジット付着抑制レール圧となっているときに、燃料噴射
弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。また、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1と等しいとき、または、推定ノズル温度が第二推定ノズル温度T2と等しいときには、上述したようにデポジット付着相関が表すデポジット付着抑制レール圧は燃焼騒音低減レール圧PCcnと等しくなり、このときにも燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。
以上より、本実施例においては、燃焼騒音低減レール圧PCcnが所定最大レール圧PCdsmaxよりも低くなる場合であって、且つ推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い場合に、ECU20のROMに記憶されているデポジット付着相関と、上記式1を用いて算出される現在の推定ノズル温度と、に基づいて現在のデポジット付着抑制レール圧が算出される。そして、現在のレール圧をこのようにして算出された現在のデポジット付着抑制レール圧に制御するデポジット付着抑制レール圧制御が実行されることによって、燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。このデポジット付着抑制レール圧制御が実行されているとき、現在の推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3のときに、現在のレール圧は所定最大レール圧PCdsmaxとなる。また、現在の推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3よりも高いときに、現在の推定ノズル温度が低くなるのに応じて現在のレール圧は高くなり、現在の推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3以下であるときに、現在の推定ノズル温度が低くなるのに応じて現在のレール圧は低くなる。なお、本実施例においては、ECU20が、現在のデポジット付着抑制レール圧を算出することで、本発明に係るデポジット付着抑制レール圧算出手段として機能する。
(レール圧制御フロー)
本実施例に係る内燃機関における、レール圧制御フローについて図6に基づいて説明する。図6は、本実施例に係る内燃機関における、レール圧制御フローを示すフローチャートである。本実施例では、ECU20によって、本フローが内燃機関1の運転中に所定の演算周期で繰り返し実行される。
本フローでは、先ず、S101において、ECU20が、冷却水温Thw、吸気温Tha、燃料噴射量Qi、燃料噴射圧力Pi等のレール圧制御を実行するのに必要な各種パラメータを取得する。
次に、S102において、燃焼騒音低減レール圧制御が実行されるか否かを判別する閾値である冷却水温閾値Thwth、吸気温閾値Thathが算出される。冷却水温閾値Thwth、吸気温閾値Thathは、機関回転速度、機関負荷等と相関を有する。そして、ECU20のROMには、これら相関がマップまたは関数として予め記憶されている。S102では、これらマップまたは関数を用いて冷却水温閾値Thwth、吸気温閾値Thathが算出される。そして、S103において、冷却水温Thwが冷却水温閾値Thwth以下であるか否か、または、吸気温Thaが吸気温閾値Thath以下であるか否かが判別される。S103において肯定判定された場合、ECU20はS104の処理へ進む。一方、S103において否定判定された場合、本フローの実行が終了される。すなわち、燃焼騒音低減レール圧制御、またはデポジット付着抑制レール圧制御は実行されない。なお、本実施例においては、S103において肯定判定される場合が、本発明における、燃焼騒音低減レール圧制御が実行される所定条件が成立している場合に相当し、S103において否定判定される場合が、本発明における該所定条件が成立していない場合に相当する。
S103において肯定判定された場合、次に、S104において、燃焼騒音低減レール圧PCcnが算出される。ECU20のROMには、例えば図4に示すような燃焼騒音低
減レール圧PCcnと冷却水温Thwとの相関がマップまたは関数として予め記憶されている。S104では、ECU20のROMに記憶されている、燃焼騒音低減レール圧PCcnと、冷却水温、吸気温、機関回転速度、機関負荷等との相関に基づくマップまたは関数を用いて燃焼騒音低減レール圧PCcnが算出される。そして、S105において、燃焼騒音低減レール圧PCcnが所定最大レール圧PCdsmaxより小さいか否かが判別される。ここで、所定最大レール圧PCdsmaxは、デポジット付着相関とともにECU20のROMに記憶されている。また、上述したように、燃焼騒音低減レール圧PCcnが所定最大レール圧PCdsmaxよりも小さい場合にデポジット付着抑制レール圧制御が実行される。つまり、S105において、デポジット付着抑制レール圧制御が実行されるか否かの一次判別が行われる。S105において肯定判定された場合、ECU20はS106の処理へ進み、S105において否定判定された場合、ECU20はS112の処理へ進む。
S105において肯定判定された場合、次に、S106において、現在の推定ノズル温度Tnzが算出される。S106では、上記式1が表す関数または上記式1に基づくマップを用いて、現在の推定ノズル温度Tnzが算出される。次に、S107において、第一推定ノズル温度T1および第二推定ノズル温度T2が算出される。S107では、図5で説明したように、ECU20のROMに記憶されているデポジット付着相関と、S104において算出される燃焼騒音低減レール圧PCcnと、に基づいて、第一推定ノズル温度T1および第二推定ノズル温度T2が算出される。
次に、S108において、現在の推定ノズル温度Tnzが第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低いか否かが判別される。ここで、上述したように、レール圧が所定最大レール圧PCdsmaxよりも低い燃焼騒音低減レール圧PCcnのときに、現在の推定ノズル温度Tnzが第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い場合に、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる。そして、このような場合に、デポジット付着抑制レール圧制御が実行されることによって、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が抑制される。つまり、S108において、デポジット付着抑制レール圧制御が実行されるか否かの二次判別が行われる。S108において肯定判定された場合、ECU20はS109の処理へ進み、S108において否定判定された場合、ECU20はS111の処理へ進む。
S108において肯定判定された場合、すなわち、燃焼騒音低減制御時に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなるのでデポジット付着抑制レール圧制御が実行される必要があると判別された場合、次に、S109において、現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsが算出される。S109では、ECU20のROMに記憶されているデポジット付着相関と、S106において算出される現在の推定ノズル温度Tnzと、に基づいて現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsが算出される。そして、S110において、現在のレール圧PCを現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsにする、デポジット付着抑制レール圧制御が実行される。S110では、ECU20によって、リリーフ弁32または流量制御弁33が制御されることにより、現在のレール圧PCが現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsに制御される。そして、S110の処理の後、本フローの実行が終了される。
また、S108において否定判定された場合、次に、S111において、現在のレール圧PCを、S104において算出され所定最大レール圧PCdsmaxよりも低くなっている燃焼騒音低減レール圧PCcnにする、燃焼騒音低減レール圧制御が実行される。S111では、ECU20によって、リリーフ弁32または流量制御弁33が制御されることにより、現在のレール圧PCが燃焼騒音低減レール圧PCcnに制御される。そして、S111の処理の後、本フローの実行が終了される。
また、S105において否定判定された場合、次に、S112において、現在のレール圧PCを、S104において算出された所定最大レール圧PCdsmax以上の圧力である燃焼騒音低減レール圧PCcnにする、燃焼騒音低減レール圧制御が実行される。上述したように、燃焼騒音低減レール圧PCcnが所定最大レール圧PCdsmax以上になるときには、本実施例に係るデポジット付着抑制レール圧制御は実行されない。S112では、ECU20によって、リリーフ弁32または流量制御弁33が制御されることにより、現在のレール圧PCが燃焼騒音低減レール圧PCcnに制御される。そして、S112の処理の後、本フローの実行が終了される。
本実施例によれば、上述したレール圧制御フローに基づいて、現在のレール圧PCを現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsに制御することによって、内燃機関から発せられる燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで、更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。
次に、上述したレール圧制御が実行されているときの、レール圧と燃焼騒音との関係について、図7Aのタイムチャートを用いて説明する。以下に説明するタイムチャートは、燃焼騒音低減レール圧制御が実行されているときに更にデポジット付着抑制レール圧制御が実行される場合と、従来技術のレール圧制御による場合、すなわち図6に示す本実施例に係るレール圧制御が実行されない場合と、を示している。
図7Aは、内燃機関1の機関負荷を下げていく過程における、気筒2内への燃料噴射量(以下、単に「燃料噴射量」と称する場合もある。)、レール圧、推定ノズル温度、燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着量(以下、単に「デポジット付着量」と称する場合もある。)、および燃焼騒音のタイムチャートを示すものである。図7Aに示す運転状態は、内燃機関1の機関負荷の低下によって燃焼騒音が発生し易くなる状態(例えば、機関負荷の低下に起因する冷却水温の低下によって、燃焼騒音が発生し易くなる状態)となっていて、燃焼騒音低減レール圧制御が実行される。ここで、図7Aにおいて、燃焼騒音低減レール圧制御が実行されているときに更にデポジット付着抑制レール圧制御が実行される場合を実線で表し、従来技術のレール圧制御による場合、すなわち図6に示す本実施例に係るレール圧制御が実行されない場合を破線で表している。
図7Aに示すように、内燃機関1の機関負荷の低下をうけて、時刻t1および時刻t2において、レール圧を下げる燃焼騒音低減レール圧制御が実行される。このとき、レール圧の低下によって、時刻t1および時刻t2において燃焼騒音が低減され、レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnとなる時刻である時刻t2においては、燃焼騒音が抑制された状態となっている。そして、推定ノズル温度は、時刻t2経過後に継続して低下していき、該推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1よりも低くなった状態(後述する時刻t4経過後の状態)でほぼ一定温度となる。ここで、図7Bに、図7Aに示すレール圧制御を行う場合のレール圧と推定ノズル温度との関係を示す。そして、図7Bにおける第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い温度範囲が、燃焼騒音を低減させるためにレール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnとされたときに燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる温度範囲を示している。
そして、図7A,図7Bに示すように、内燃機関1の機関負荷を下げていく過程で推定ノズル温度は低下する。このとき、推定ノズル温度は、第一推定ノズル温度T1よりも高くて第二推定ノズル温度T2よりも低い上記温度範囲を通って、第一推定ノズル温度T1よりも低くなった状態でほぼ一定温度となる。つまり、燃料噴射弁3は、所定期間、上述した燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着が発生し易くなる状態になることになる。このとき、デポジット付着抑制レール圧制御が実行されない場合、すなわち、図7
Aにおけるレール圧のタイムチャートの破線で示されるように、時刻t2経過後においてレール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnに制御される場合には、図7Aにおけるデポジット付着量のタイムチャートの破線で示されるように、推定ノズル温度が低下していき該温度が第二推定ノズル温度T2となる時刻である時刻t3において、デポジット付着量は該付着量がほぼ0の状態から増加し始める。そして、時刻t3から、推定ノズル温度が更に低下していき該温度が第一推定ノズル温度T1となる時刻である時刻t4にかけて、デポジット付着量が増加していく。そして、時刻t4経過後においては、燃料噴射弁3の噴孔331にデポジットが堆積したままの状態となる。
一方で、デポジット付着抑制レール圧制御が実行される場合には、図7Aにおけるレール圧のタイムチャートの実線で示されるように、時刻t3経過後においてレール圧が現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsに制御される。詳しくは、時刻t3以前には燃焼騒音低減レール圧PCcnに制御されていたレール圧が、時刻t3経過後に該燃焼騒音低減レール圧PCcnよりも高い圧力である現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsに制御される。このとき、先ず、レール圧は、推定ノズル温度の低下に応じて高くなり、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3になるとき所定最大レール圧PCdsmaxとなる。そして、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3よりも低下していくときには、レール圧は、推定ノズル温度の低下に応じて所定最大レール圧PCdsmaxよりも低くなっていき、推定ノズル温度が第一推定ノズル温度T1以下となるとき、レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnになる。
上記のようにデポジット付着抑制レール圧制御が実行される場合には、図7Aにおけるデポジット付着量のタイムチャートの実線で示されるように、デポジット付着量は該付着量がほぼ0の状態を維持する。そして、デポジット付着抑制レール圧制御が実行される場合の燃焼騒音は、図7Aにおける燃焼騒音のタイムチャートの実線で示されるように、レール圧が燃焼騒音低減レール圧PCcnから現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsに増加するのに伴って、やや増加する。このとき、デポジット付着抑制レール圧制御が実行されるときの燃焼騒音の時間履歴は、現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsの時間履歴と相関を有する。
ここで、本実施例においては、図7A,図7Bに示すように、推定ノズル温度が第二推定ノズル温度T2よりも低くてデポジット最多付着温度T3よりも高い場合に、レール圧は、推定ノズル温度が低くなるのに応じて高くなり、推定ノズル温度がデポジット最多付着温度T3以下であって第一推定ノズル温度T1よりも高い場合に、レール圧は、推定ノズル温度が低くなるのに応じて低くなる。つまり、本実施例では、現在のデポジット付着抑制レール圧PCdsが上述したように燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制するレール圧として定義されることによって、上述した燃焼騒音の増加における増加代が最小限に抑えられる。
以上に述べたように、本実施例によれば、内燃機関1から発せられる燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで、更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。
<変形例1>
実施例1は、燃料噴射弁3の噴孔331近傍の温度に相関する所定のパラメータとして推定ノズル温度を用いる例である。これに対し、本変形例は、前記所定のパラメータとして、インテークマニホールド5の熱の授受により推定されるインテークマニホールド5の温度(以下、「推定インマニ温度」と称する場合もある。)を用いる例である。本変形例において、上記実施例1と実質的に同一の構成、実質的に同一の制御処理については、その詳細な説明を省略する。
ここで、推定インマニ温度は、インテークマニホールド5に流入する空気やEGRガスの熱量、インテークマニホールド5から流出する空気やEGRガスの熱量、内燃機関1からインテークマニホールド5への熱伝導による伝熱量、およびインテークマニホールド5の表面から周囲へ放熱する放熱量等に基づいて、ECU20によって算出される。さらに、デポジット付着相関はデポジット付着抑制レール圧と推定インマニ温度との相関として定義される。
そして、噴孔相関温度として推定インマニ温度を用いる本変形例では、噴孔相関温度として推定ノズル温度を用いる上記実施例1と同様にして、現在のデポジット付着抑制レール圧が算出されることによって、内燃機関から発せられる燃焼騒音をできるだけ低減させたうえで、更に燃料噴射弁3の噴孔331へのデポジットの付着を抑制することができる。
1・・・内燃機関
3・・・燃料噴射弁
4・・・吸気通路
5・・・インテークマニホールド
6・・・排気通路
20・・ECU
31・・コモンレール
32・・リリーフ弁
33・・流量制御弁
34・・圧力センサ

Claims (1)

  1. 燃料を高圧化して圧送する高圧ポンプと、前記高圧ポンプによって高圧化された前記燃料を蓄えるコモンレールと、前記コモンレールにおける前記燃料の圧力であるレール圧を調整するレール圧調整手段と、前記コモンレールの前記燃料を内燃機関の気筒内に噴射する燃料噴射弁と、を有する前記内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の燃焼騒音を抑制する前記レール圧である燃焼騒音低減レール圧を算出する燃焼騒音低減レール圧算出手段と、
    所定条件が成立している場合に、前記所定条件が成立していない場合に対して前記レール圧調整手段を用いて前記レール圧を前記燃焼騒音低減レール圧算出手段によって算出される前記燃焼騒音低減レール圧に低下させる制御である燃焼騒音低減レール圧制御を実行する制御手段と、
    前記燃料噴射弁の噴孔へのデポジットの付着を抑制する前記レール圧であるデポジット付着抑制レール圧と、前記燃料噴射弁の噴孔近傍の温度に相関する所定のパラメータである噴孔相関温度と、の相関関係を記憶している記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記相関関係と、前記燃焼騒音低減レール圧と、に基づいて、前記噴孔相関温度の所定範囲の下限値である所定第一温度と、前記所定範囲の上限値である所定第二温度とを算出する算出手段と、
    現在の前記噴孔相関温度を推定する噴孔相関温度推定手段と、
    前記記憶手段に記憶されている前記相関関係と、前記噴孔相関温度推定手段によって推定された現在の前記噴孔相関温度と、に基づいて、現在の前記デポジット付着抑制レール圧を算出するデポジット付着抑制レール圧算出手段と、を備え、
    前記記憶手段に記憶されている前記相関関係は、前記噴孔相関温度が前記デポジット付着抑制レール圧の最大圧力に対応する前記噴孔相関温度である所定温度よりも高いときに、前記デポジット付着抑制レール圧は前記噴孔相関温度が低くなるのに応じて高くなり、一方前記噴孔相関温度が前記所定温度以下であるときに、前記デポジット付着抑制レール圧は前記噴孔相関温度が低くなるのに応じて低くなるものであり、
    前記制御手段が、前記燃焼騒音低減レール圧制御の実行時に、前記燃焼騒音低減レール圧が前記記憶手段に記憶されている前記相関関係における前記デポジット付着抑制レール圧の最大圧力よりも低い場合であって、且つ前記噴孔相関温度推定手段によって推定された現在の前記噴孔相関温度が前記算出手段によって算出された前記所定第一温度よりも高くて且つ前記所定第二温度よりも低い場合には、前記レール圧を前記デポジット付着抑制レール圧算出手段によって算出された現在の前記デポジット付着抑制レール圧に制御する、内燃機関の制御装置。
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