JP2017164045A - 神経刺激電極 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、神経を刺激するための医療用電気リードであって、血管内でのリードの回転や動きを最小限にすると共に、安定した信頼性の高い長期療法の送達を可能にする技術が開示されている。
特許文献1に記載の医療用電気リードは、パルス発生器に接続するように構成された基端を有する導電性リード本体と、血管壁を越えて電気パルスを送るように構成された少なくとも1つの電極を具備する先端部と、リードアンカーとを具備している。特許文献1に記載の医療用電気リードの先端部はリードアンカーの外側に結合されている。
特許文献1に開示されたリードアンカーは、折り畳まれた形状から、予め形成された拡張形状へと拡がるように構成されている。リードアンカーの先端部は、折り畳み形状のとき、折り畳まれたリードアンカーの有効長と実質的に等しい有効長を有する。リードアンカーは、拡張形状のとき、リードが配置されている血管の血管壁にリード先端部を押しつける。リードアンカーは、血管内において、リードの先端部の位置を固定する。固定されたリードの電極は近接する血管に電気刺激を印加する。印加された電気刺激は、血管を介して迷走神経を刺激する。
術者は、血管内挿入された医療用電気リードから電気刺激を与えながら、血管内で医療用電気リードを回転する。その際、術者は、心拍数の変化を測定して、心拍数が最大になるように留置位置の探索を行う。
このため、医療用電気リードの体内留置に時間がかかるという問題がある。
本発明の第1の実施形態の神経刺激電極について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極の全体構成を示す模式図である。図2は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極の主要部の構成を示す模式図である。図3は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極のリード部の固定部材および操作シースの遠位端部を示す模式的な斜視図である。
なお、各図面は模式図のため、形状および寸法は誇張あるいは簡素化されている(以下の図面も同様)。
神経刺激電極1を挿入する脈管の種類は、張り出し部を有していれば特に限定されない。以下では、一例として、神経刺激電極1が、血管内に挿入される場合の例で説明する。例えば、上大静脈は、気管と並行しているため、気管との当接部位に上大静脈の内側への張り出し部が形成されている。この張り出し部は、上大静脈の周方向の一部に形成され、上大静脈の走行方向に沿って延びている。神経刺激電極1は、上大静脈に連通する血管を通して挿入される。
神経刺激電極1と電気刺激装置70とは、神経刺激システム200を構成する。
リード部20は、線状に形成され、刺激電極部11、10に電気的に接続された後述の配線を挿通する。リード部20の第1端部(図1における左側の端部)には、後述する弾性支持体25が設けられる。リード部20の第2端部(図1における右側の端部)には、電気刺激装置70が連結される。
刺激電極部10、11は、弾性支持体25において第3のワイヤ26Cに配置されている。
弾性支持体25の詳細構成は後述する。
弾性支持体25の図示右側の端部は、後述する固定部材22を介してリード部20の第1端部に固定されている。
弾性支持体25においては、リード部20に対する遠位側を先端側、リード部20に対する近位側を基端側と言う場合がある。
操作シース50は、抜去シース60よりも先端側に配置される。操作シース50は、弾性支持体25を血管内に配置する際、弾性支持体25を血管内で進退および回転させる操作が可能である。
操作シース50は、先端側から、係合部53、シース本体51、およびハブ52を備える。
シース本体51は、内部にリード部20を挿通する筒状部材である。シース本体51は、リード部20に対して相対的に摺動可能である。
シース本体51は、例えば、基端部を手に持って回転させるなどして、与えられる回転トルクを係合部53に伝達できる程度のねじり剛性を備える。
ハブ52は、シース本体51の内部空間と連通し、チューブ56が接続される。チューブ56の他端には、ルアーロックコネクタなどのコネクタ57が設けられる。このコネクタ57を介して、例えば、ヘパリン加生理食塩水等の薬液の供給源に接続すれば、薬液を操作シース50内に供給することができる。
抜去シース60は、弾性支持体25およびリード部20を抜去する際、弾性支持体25を縮径状態で収容し、患者の体外に搬出する部材である。抜去シース60によれば、弾性支持体25およびリード部20を抜去する際、弾性支持体25が拡径状態で血管の開口を通過することがないため、弾性支持体25が血管壁を傷つけることを防止できる。
抜去シース60は、弾性支持体25およびリード部20の留置期間中、弾性支持体25およびリード部20とともに、血管内に留置される。
シース本体61は、内部にリード部20と、縮径した弾性支持体25とを挿通する筒状部材である。
ハブ62は、シース本体61の内部空間と連通し、チューブ66が接続される。チューブ66の他端には、ルアーロックコネクタなどのコネクタ69が設けられる。このコネクタ69を介して、例えば、ヘパリン加生理食塩水等の薬液の供給源に接続すれば、薬液を抜去シース60内に供給することができる。
リード本体21は、ポリアミド樹脂等の生体適合性を有する材料で形成された管状部材である。例えば、リード本体21の外径は0.8mm以上2mm以下である。例えば、リード本体21の長さは500mm以上1000mm以下である。リード本体21の管路内には、図示略の配線が挿通される。
例えば、配線は、耐屈曲性を有するニッケルコバルト合金からなる撚り線を、電気的絶縁材で被覆して形成することができる。
リード本体21の表面には、適宜のコーティングを施してもよい。例えば、リード本体21の表面に抗血栓コーティングを施してもよい。例えば、リード本体21の表面に摺動性を向上するコーティングを施してもよい。
柔軟部21Aは、リード本体21の先端部から一定の長さの範囲に形成される。柔軟部21Aは、第1の屈曲性を有する。
非柔軟部21Bは、リード本体21において柔軟部21Aを除く基端側の範囲に形成される。非柔軟部21Bは、第1の屈曲性よりも小さい(より曲がりにくい)第2の屈曲性を有する。非柔軟部21Bが有する第2の屈曲性は、非柔軟部21Bの基端部において非柔軟部21Bの軸線方向に加えた力を、非柔軟部21Bの先端部に伝達することができる程度の剛性を意味する。
しかし、リード本体21の一部である柔軟部21Aが十分に軟らかい場合、柔軟部21Aを血管内でたるませて設置することができる。この結果、基端側に生じた外力を柔軟部21Aにおいて吸収することにより、弾性支持体25の位置移動を防ぐことができる。
第1の屈曲性とは、血管内において、例えば、体動などによって基端側に発生する外力を吸収できる程度にたるむことができる屈曲性を意味する。
貫通孔22cにおける図示略の基端側には、第3のワイヤ26Cから延びる後述の配線が挿通される。
固定部材22の外周部には、円筒面状の外周面22bから、係合突起22aが突出している。
係合突起22aの形状は、後述する操作シース50の先端部と軸線C回りに係合可能な非円形の形状であれば、特に限定されない。本実施形態では、一例として、外周面22bの一部が径方向外側に張り出し、軸線Cに沿う固定部材22の長手方向に延ばされた形状を有する。本実施形態における係合突起22aは、外周面22bを周方向に4等分する4箇所に設けられている。
固定部材22は、生体適合性に優れた金属、例えば、チタンなどによって形成できる。
固定部材22の表面には、抗血栓コーティングを施してもよい。
係合溝53aは、操作シース50の長手方向に延びている。このため、固定部材22は、係合部53に挿入されると、操作シース50に対して、軸線C方向に移動可能、かつ軸線C回りの周方向に移動不能に係合される。固定部材22と係合部53とが係合すると、操作シース50をその中心軸線回りに回転させることによって、弾性支持体25に回転トルクを伝達することができる。
コネクタ23としては、例えば公知のIS−1コネクタやその他の防水型コネクタなどを用いることができる。ただし、神経刺激電極1において、コネクタ23は必須ではない。神経刺激電極1において、リード部20のリード本体21に挿通される配線と電気刺激装置70とは、直接的に接続されてもよい。
図4は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極の弾性支持体の構成を示す模式的な正面図である。図5は、図4におけるA1方向から見た側面図である。
ここで「籠状(バスケット状)」とは、線状体が張る立体形状であって、先端側が開口し、外形が基端側に向かって縮径する形状を意味する。ただし、「先端側が開口する」とは、先端側に軸線C回りの閉ループ部が形成され、閉ループ部の内側において径方向に弾性線状体が渡されていないことを意味する。
弾性支持体25の先端側の開口の形状は、軸線Cの軸線方向から見て略円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
弾性支持体25の基端側の外形は、より基端側に向かうにつれて外径が小さくなる円錐状または擬似円錐状であってもよい。擬似円錐状とは、側面が真の円錐に比べて膨らみを有するかまたは細っている形状である。
図4に示すように、本実施形態の弾性支持体25の外形は、先端側で略円筒状であり、基端側では、真の円錐よりも膨らみを持った擬似円錐状である。すなわち、本実施形態の弾性支持体25の外形は、基端側に頂部を有する砲弾型である。
図6は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第1のワイヤの構成を示す模式的な斜視図である。図7は、図6におけるA2方向から見た平面図である。図8は、図6におけるA3方向から見た側面図である。図9は、図8におけるA4方向から見た側面図である。図10は、図8におけるA5方向から見た側面図である。
ここで、「第1のワイヤ26A単体の自然状態」とは、第1のワイヤ26Aに外力が作用しないか、作用しても変形が無視できる状態である。「第2のワイヤ26B(第3のワイヤ26C)単体の自然状態」も同様である。
図6〜8に示すように、第1のワイヤ26Aは、一端部から他端部に向かって、連結端部26aA、基端側線状部26bA、中間屈曲部27fA、先端側線状部26cA、中間屈曲部27hA、基端側線状部26dA、および連結端部26eAを、この順に備える。
連結端部26aA、26eAは、それぞれ第1軸線O1に沿って直線状に延ばされている。連結端部26aA、26eAは、第1軸線O1を挟んで平行かつ互いに近接して配置されている。
連結端部26aA、26eAは、固定部材22に固定される際、第1軸線O1が軸線Cに一致する姿勢で配置される。
連結端部26aA、26eAと固定部材22との固定方法は、特に限定されない。連結端部26aA、26eAと固定部材22との固定方法は、固定部材22の材質に応じて、例えば、接着、溶接、カシメなどの固定方法から選択してもよい。
カシメによって、連結端部26aA、26eAと固定部材22とが固定される場合、固定部材22の係合突起22a、外周面22bは、カシメ時に、カシメ用の金型によって形成されてもよい。
すなわち、図7に示すように、基端側線状部26bA、26dAは、それぞれ、連結端部26aA、26eAの先端から、互いに離間するように、先端側(図7における図示左側)に向かって斜め方向に延ばされている。基端側線状部26bA、26dAは、先端側に向かうにつれてそれぞれ第1軸線O1から漸次離間している。基端側線状部26bA、26dAは、それぞれの先端部では、第1軸線O1と略平行(平行の場合を含む)になっている。
本実施形態では、基端側線状部26bAの形状は、一例として、連結端部26aAに近い基端側領域b1では、先端側線状部26cAに近い先端側領域b2に比べて、第1軸線O1に対する傾斜の平均変化率がより大きい曲線形状である。
基端側線状部26dAは、第1軸線O1に関して、基端側線状部26bAと線対称な形状である。
基端側線状部26bA、26dAの先端側端部は、第1のワイヤ26A単体の自然状態において、第1のワイヤ26Aの第1軸線O1と直交する方向の最大幅となる部位になっている。
本明細書では、「U字状」は、平行な2つの直線部が円弧状の湾曲部で接続された形状には限定されない。例えば、2つの直線部は非平行に並行していてもよく、湾曲部は円弧以外の曲線で湾曲していてもよい。さらに、湾曲部は、直線または曲線からなる折れ線で構成されていてもよい。例えば、図9に示す本実施形態のように、2つの直線部の端部で屈曲された1つの直線部からなる形状(コ字状)であってもよい。
本実施形態の中間屈曲部27hAは、第1部分h1、第2部分h2、および第3部分h3を備える。
第1部分h1の屈曲角度φ1は、90°±30°の範囲(60°以上120°以下の範囲)としてもよい。第1部分h1の長さは、刺激電極部10の長手方向よりも長い。第1部分h1の長さの例としては、例えば、4.5mm以上7.0mm以下でもよい。
ここで、屈曲角度φ1は、第1部分h1と基端側線状部26dAの先端部とのなす角のうち、小さい方の角度(曲げ内で測った角度)である。ただし、図9では、見易さのため、寸法引き出し線は、屈曲角度φ1の対頂角の位置に記載している。
第2部分h2の長さは、例えば、3.0mm以上7.0mm以下としてもよい。
第3部分h3の屈曲角度φ2は、90°±30°の範囲(60°以上120°以下の範囲)としてもよい。
ここで、屈曲角度φ2は、第3部分h3と第2部分h2とのなす角のうち、小さい方の角度である。ただし、図9では、見易さのため、寸法引き出し線は、屈曲角度φ2の同位角の位置に記載している。
第3部分h3の先端部は、本実施形態では、平面S2上に位置する。
図10に示すように、中間屈曲部27fAは、基端側線状部26bAの先端部と、後述する先端側線状部26cAの基端部との間にU字状に形成された部位である。中間屈曲部27fAは、中間屈曲部27hAと同様に、平面S2に関して先端側線状部26cAと反対側に突出する。
本実施形態の中間屈曲部27fAは、第1部分f1、第2部分f2、および第3部分f3を備える。
中間屈曲部27fAの外形は、第1軸線O1を含み平面S2と直交する平面S1(図6参照)を挟んで対向する位置に設けられた中間屈曲部27hAと異なっていてもよい。しかし、本実施形態では、中間屈曲部27fAの外形は、平面S1に関して、中間屈曲部27hAと面対称である。
すなわち、第1部分f1、第2部分f2、および第3部分f3は、それぞれ中間屈曲部27hAにおける第1部分h1、第2部分h2、および第3部分h3と、平面S1に関して互いに面対称である。
先端側線状部26cAは、第3部分f3の先端部から第3部分h3の先端部に向かって、傾斜部c1、ガイド部c3、および傾斜部c5がこの順に連結されている。先端側線状部26cAの形状は、平面S1に関して面対称である。
傾斜部c1(c5)は、先端側に向かうにつれて、第3部分f3(h3)と反対側に向かって平面S2から離れていき、かつ平面S1に近づくように傾斜する。
図6に示すように、傾斜部c1、c5は、平面S2内の第3軸線O3を含み平面S2に対して角度θをなして交差する平面S3上に配置される。ここで、第3軸線O3は、平面S2内にあって、第3部分f3、h3の先端部を通り第1軸線O1に直交する軸線である。
平面S3の角度θは、5°以上90°以下としてもよい。
後述するように、ガイド部c3の湾曲形状およびガイド部c3の長さは、ガイド部c3が気管の外形に沿って径方向内側に張り出す上大静脈の張り出し部にならって変形できる湾曲形状および長さである。
ガイド部c3は、湾曲した曲線状の線状部で形成されてもよいし、複数の折れ線部によって形成された疑似的な曲線状の線状部でもよい。
図11は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第2のワイヤの構成を示す模式的な斜視図である。図12は、図11におけるA6方向から見た平面図である。図13は、図11におけるA7方向から見た側面図である。図14は、図13におけるA8方向から見た側面図である。
第2のワイヤ26Bは、一端部から他端部に向かって、連結端部26aB、基端側線状部26bB、中間屈曲部27fB、先端側線状部26cB、中間屈曲部27hB、基端側線状部26dB、および連結端部26eBを、この順に備える。
ここで、先端側線状部26cBを除く各部は、それぞれ、符号の添字Bを添字Aに置き換えた第1のワイヤ26Aの各部とまったく同様に構成されるため、これら各部の説明は省略する。
以下、先端側線状部26cBについて、先端側線状部26cAと異なる点を中心に説明する。
先端側線状部26cBは、先端側線状部26cAのガイド部c3に代えて、凸状部c6を備える。先端側線状部26cBの形状は、平面S1に関して面対称である(図12、図13参照)。
凸状部c6と平面S1との交差部には、第3軸線O3から最も遠い頂部26gBが形成されている。
凸状部c6と、傾斜部c1、c5とは、滑らかに接続されていてもよいし、屈曲部を介して接続されていてもよい。
先端側線状部26cBは、先端部に凸状部c6を有するため、先端側に凸状に曲げられた形状を有する。
図15は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第3のワイヤの主要部の構成を示す側面図である。
第3のワイヤ26Cは、一端部から他端部に向かって、連結端部26aC、基端側線状部26bC、中間屈曲部27fC、先端側線状部26cC、中間屈曲部27hC、基端側線状部26dC、および連結端部26eCを、この順に備える。
ここで、第3のワイヤ26Cの外形は、それぞれ、符号の添字Cを添字Bに置き換えた第2のワイヤ26Bの各部とまったく同様に構成されるため、これら各部の説明は省略する。
中間屈曲部27hCにおいて、第3部分h3上には刺激電極部10が配置される。第1部分h1には刺激電極部11が配置される。本実施形態では、刺激電極部10(11)は、第3部分f3(第1部分f1)の長手方向の中間部に配置されている。
刺激電極部10、11は、第1軸線O1に沿う方向(以下、第1軸線O1方向と言う場合がある)において隣り合って配置されている。第1軸線O1方向において、刺激電極部10、11は、例えば、3mmから20mm程度の間をあけて配置される。刺激電極部10、11の間隔は、刺激電極部10、11の間のインピーダンスを考慮して決められる。好ましいインピーダンスは、例えば、生理食塩水中で200Ω程度である。
第3のワイヤ26C単体では、刺激電極部10、11は、中間屈曲部27fCにおいて、中間屈曲部27hCと反対側の表面に露出している。
図16は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極における刺激電極部を示す側面図である。図17は、図16におけるA10−A10断面図である。図18は、図17におけるA11−A11断面図である。
図17に示すように、第3のワイヤ26Cは、ワイヤ部33の外周面が、電気的絶縁性を有する被覆34で覆われた線状体で構成される。
ワイヤ部33の長手方向に直交する断面形状は、特に限定されない。例えば、ワイヤ部33の長手方向に直交する断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形などを採用することができる。ワイヤ部33の外径または辺寸法は、0.2mm以上0.5mm以下程度としてもよい。
本実施形態では、ワイヤ部33の長手方向に直交する断面は、例えば0.3mm角(辺寸法が0.3mm)の正方形に形成されている(図18参照)。ワイヤ部33の材質としては、形状記憶合金、超弾性ワイヤ等を用いることができる。
ワイヤ部33の外周面には、樹脂被膜を設けてもよい。樹脂被膜の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂などを用いることができる。樹脂被膜の厚さは、例えば、50μm以上500μm以下であってもよい。
刺激電極部10の露出形状の長手幅L、短手幅W、および露出面積は、刺激電極部11との間のインピーダンスを考慮して適宜設定することができる。刺激電極部10の長手幅Lは、刺激ターゲットを捉えやすくするためには、なるべく長くすることが好ましい。刺激電極部10の露出面積は、例えば、1mm2以上5mm2以下であってもよい。
刺激電極部10の露出方向は、第3のワイヤ26Cを弾性支持体25に組み立てた際に、弾性支持体25の径方向外側に向く方向である(図4参照)。弾性支持体25の径方向外側に向く方向とは、軸線Cに直交する直線に沿って、軸線Cから遠ざかる方向である。
刺激電極部10とワイヤ部33との間は、被覆34により電気的に絶縁されている。被覆34とワイヤ部33との間の電気的な絶縁をより確実にするために、刺激電極部10とワイヤ部33との間に樹脂製の絶縁部材を設けてもよい。
刺激電極部10の内周面には、配線35が溶接等により電気的に接続される。配線35は、被覆34内に配置されてワイヤ部33に沿って延び、連結端部26eAの基端部から、リード部20側に延出される。例えば、配線35は、耐屈曲性を有するニッケルコバルト合金からなる撚り線を、電気的絶縁材で被覆して形成することができる。
図17、図18には、刺激電極部10に接続された配線35が示されているが、刺激電極部11にも同様な構成を有する他の配線35が接続されている。第3のワイヤ26Cにおいて刺激電極部11よりも基端側では、後述する被覆34内に2本の配線35が並行して配置される。これらの配線35は互いに電気的に絶縁された状態である。
第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cは、弾性支持体25として組み立てられる。
図5に示すように、弾性支持体25において、第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cは、各第1軸線O1が軸線Cに重なる。かつ第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cの頂部26gA、26gB、26gCは、軸線Cに関する周方向において、等間隔(120°間隔)に離間するようにして配置される。
第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、第3のワイヤ26Cは、それぞれの先端側線状部26cA、26cB、26cCの張り出し方向が軸線Cに関して径方向外側に向くように配置される。図5に示すように、弾性支持体25の先端側から見たときに、第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、第3のワイヤ26Cは、反時計回りに第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、第3のワイヤ26Cの順に配置されている。
図4に示すように、中間屈曲部27fA、27hBと、中間屈曲部27fB、27hCと、中間屈曲部27fC、27hAとは、それぞれのU字における開口同士が対向している。
中間屈曲部27fA、27hBは、押圧部40を構成する。同様に、中間屈曲部27fB、27hCは、押圧部41を構成し、中間屈曲部27fC、27hAは、押圧部42を構成する。
押圧部40、41、42は、血管内に弾性支持体25が配置されたときに、血管の内面に当接し、血管の内面を径方向外側に付勢する。
第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26Bと、第2のワイヤ26B、第3のワイヤ26Cと、第3のワイヤ26C、第1のワイヤ26Aとがそれぞれ交差した部分は、ワイヤ固定部38によって固定されている。
弾性支持体25においては、第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cが、互いに交差し、かつワイヤ固定部38によって互いに固定される。このため、弾性支持体25の自然状態においては、第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cは、第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cの各自然状態からある程度変形していてもよい。
弾性支持体25の第1のワイヤ26A、第2のワイヤ26B、および第3のワイヤ26Cの基端部は、リード部20の固定部材22に固定される。
この籠形状における開口は、ワイヤ固定部38の間に延びる先端側線状部26cA、26cB、26cCの部分からなる閉ループ部LPによって形成される。
図5に示すように、閉ループ部LPは、先端側線状部26cAの先端部からなるループ部分LPA(ガイド線状部)と、先端側線状部26cBの先端部からなるループ部分LPB(山形線状部)と、先端側線状部26cCの先端部からなるループ部分LPC(山形線状部)とからなる。
軸線C方向から見ると、ループ部分LPAは、ガイド部c3を有するため、径方向内側に凹んでいる。
このため、閉ループ部LPは、軸線Cに関して回転対称性を有しない。閉ループ部LPは、ループ部分LPB、LPCが固定されるワイヤ固定部38と、ループ部分LPAの頂部26gAと、を通る直線に関して面対称である。
弾性支持体25の自然状態において、周方向における刺激電極部10、11の位置は、周方向におけるガイド部c3の位置と、径方向において重なっている。本実施形態では、刺激電極部10、11の露出部分の全体が径方向において、ガイド部c3の位置と重なっている。
例えば、電気刺激装置70は、周波数10Hz以上20Hz以下(周期tは、0.05sec以上0.1sec以下)、パルス幅50μsec以上400μsec以下のプラス数ボルトからマイナス数ボルトの刺激パルスを発生する。
刺激パルスは、リード部20内の配線35を通して、刺激電極部10、11に伝達される。
電気刺激装置70は、このような刺激パルス群を、印加時間Ton、印加周期Tで繰り返し印加することができる。例えば、印加時間Tonは、3sec以上20sec以下、印加周期Tは、60secに設定してもよい。刺激パルスを集中的に印加したい場合には、印加時間Tonと印加周期Tとを同一として、連続的な印加を行ってもよい。
図19は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極が上大静脈に留置された状態を示す模式図である。図20は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極が上大静脈に留置された状態を示す模式的な詳細図である。図21は、図20におけるA12−A12断面図である。図22は、図21におけるA13方向から見た模式的な部分拡大図である。
まず、患者Pの体外で、リード部20に対して操作シース50を先端側に移動させて、固定部材22に操作シース50の係合部53を係合させる。心拍数を計測するための心電計を患者に取付ける。
図19に示すように、患者Pの頚部P1の近傍を小切開して開口P2を形成する。この開口P2に、公知のイントロデューサ(図示略)を取付ける。イントロデューサは、その先端部が弾性支持体25の留置位置である上大静脈V1(脈管)に達するように取り付ける。
弾性支持体25および操作シース50は、イントロデューサの内周面と摺動して挿入される。
挿入時には、X線透視下で神経刺激電極1の刺激電極部10、11、および弾性支持体25のワイヤ部33等の位置を確認する。
図19は、弾性支持体25の留置後の様子を示すため、操作シース50はすでに除去された状態が描かれている。
縮径されていた弾性支持体25は、弾性復元力によって拡径する。弾性支持体25の自然状態の外径は、上大静脈V1の内径よりも大きいため、弾性支持体25は上大静脈V1の内面を押圧する。
刺激電極部10、11は、弾性支持体25の径方向外側に露出しているため、上大静脈V1の内面と当接する。
このようにして、弾性支持体25が上大静脈V1に概略配置される。
気管P9は上大静脈V1に比べて硬いため、図21に示すように、上大静脈V1の内面には、気管P9の外形に沿って径方向内側に張り出す張り出し部V1a(脈管の張り出し部)が形成されている。
気管P9と当接していない上大静脈V1は、例えば、肺P8などの柔らかい組織に囲まれている。このため、張り出し部V1aを除く上大静脈V1の内面は、略円筒状である。
迷走神経P6は、気管P9と上大静脈V1とが接する部分に形成される溝部に沿って、並走している。
例えば、上大静脈V1の近傍には、心臓P7(図19参照)へとつながる迷走神経P6の心臓枝が存在する。迷走神経P6から分岐する心臓枝は一般的に上顎心臓枝、下顎心臓枝、胸心臓枝で構成される。しかし、心臓枝の走行経路および走行本数は患者によっても変わるため、図20には、一例として、模式的に複数の心臓枝P6a、P6b、P6c、P6d(神経の心臓枝)が模式的に描かれている。
心臓枝P6a、P6b、P6c、P6dは、上大静脈V1と気管P9との間を通って図示略の神経叢を経て心臓P7(図示略)へと向かう。
心臓枝P6a、P6b、P6cは、上大静脈V1の走行方向に離間しているが、いずれも、張り出し部V1aの裏側を張り出し部V1aの短手方向に横断している。
以下、迷走神経P6において、心臓枝P6a、P6b、P6c、P6dの分岐元であり、上大静脈V1に並走する部位を迷走神経本管P6mと言う。
術者が、操作シース50およびリード部20の基端部を把持して、操作シース50を軸線回りに回転させると、操作シース50の先端部の係合部53が同方向に回転する。この結果、係合部53に係合された固定部材22も同方向に回転し、リード部20および弾性支持体25も同方向に回転する。
閉ループ部LPにおいて、ループ部分LPB、LPCは、自然状態で径方向外側に凸である。このため、図21に示すように縮径すると、ループ部分LPB、LPCは、円筒状の上大静脈V1の内面に全体的に当接する。ループ部分LPB、LPCは、張り出し部V1aに位置すると、張り出し部V1aに押されて径方向内側にたわむ。
ループ部分LPB、LPCは、とりたてて張り出し部V1aにならいやすい形状ではなく、上大静脈V1の内面に引っ掛かる形状でもない。このため、ループ部分LPB、LPCでは、上大静脈V1の内面のどの位置でも、軸線C回りの回転に対する抵抗は安定している。
ガイド部c3が張り出し部V1aに向かい合う位置では、ガイド部c3が張り出し部V1aの湾曲に沿って容易に変形する。ガイド部c3は、全体的に張り出し部V1aに密着する。さらに、ガイド部c3の両端の屈曲部c2、c4は、周方向における張り出し部V1aの端部に形成されている上大静脈V1の溝状部に嵌り込む。
このため、閉ループ部LP全体としては、ガイド部c3が張り出し部V1aからずれている状態よりも、ガイド部c3が張り出し部V1aにならっている状態の方が、変形量が少なく力学的により安定した状態である。
このような安定状態から弾性支持体25を軸線C回りに回転するには、屈曲部c2、c4の近傍の凸状部のいずれかが張り出し部V1aを乗り越えるまで閉ループ部LPが変形しなくてはならない。このため、安定状態から弾性支持体25を軸線C回りに回転すると、閉ループ部LPに作用する回転に対する抵抗が急峻に大きくなる。
この安定状態は、弾性支持体25の回転に要する抵抗変化によって、術者には容易に感知される。術者は、安定状態を感知したら、ただちに回転動作を停止する。
このようにして、弾性支持体25は、図21に示すような張り出し部V1aに対する周方向における安定位置に配置される。
図22に示すように、弾性支持体25の安定位置では、中間屈曲部27fC、27hBが張り出し部V1a上に当接する。
本実施形態では、中間屈曲部27fCにおける刺激電極部10、11の露出部分の全体は、弾性支持体25の自然状態において、周方向におけるガイド部c3の位置と、径方向において重なっている。このため、弾性支持体25が縮径しても、刺激電極部10、11は、ガイド部c3と同様の位置関係にある。このため、刺激電極部10、11の露出部分は、張り出し部V1aに密着している。
刺激電極部10、11は、上大静脈V1の径方向から見ると、上大静脈V1の走行方向に沿って移動するだけで、張り出し部V1aの裏面側を通って張り出し部V1aを横断する心臓枝とは交差したり重なったりすることが可能である。しかし、刺激電極部10、11は、上大静脈V1内で回転しない限りは、迷走神経本管P6mとは、交差することも重なることもできない位置関係にある。
例えば、図22に示す例では、刺激電極部10が心臓枝P6aと交差している。これに対して、刺激電極部11は心臓枝とは交差していない。
したがって、この状態で、刺激電極部10、11に刺激パルスを印加すると、心臓枝P6aに電気刺激が与えられる。心臓枝P6aへの刺激パルスは、心臓枝P6aを通して心臓に伝播する。
一方、心臓枝P6b等の他の心臓枝と、迷走神経本管P6mとは、刺激電極部10、11のいずれとも交差する位置関係にないため、ほとんど電気刺激が与えられない。
上大静脈V1の走行方向における留置位置は、張り出し部V1aの裏側の心臓枝のいずれかに刺激電極部10、11からの電気刺激が印加される配置位置である。
術者は、電気刺激装置70を操作し、刺激パルスを刺激電極部10、11に印加する。この刺激パルスは、従来の留置位置探索に用いられるのと同様の刺激パルスでよい。
刺激パルスは、張り出し部V1aの位置で、上大静脈V1の内面に伝達される。
この状態で、術者は、操作シース50およびリード部20の基端部を把持して、前進または後退させる。これにより、先端側の弾性支持体25が上大静脈V1の走行方向に沿って移動する。このとき、術者は、弾性支持体25を軸線C回りには回転させない。
ここで、前進は、操作シース50を先端側(遠位端側)に向かって押し出す移動、後退は、リード部20を基端側(近位端側)に戻す移動をいう。
例えば、刺激電極部10、11の少なくとも一方が心臓枝と交差するかまたは重なる位置関係になると、刺激電極部10、11から印加される電気刺激が心臓枝に伝播して患者Pの心拍数が低下する。
術者は、患者Pの心拍数が最も低下するように、上大静脈V1の走行方向における弾性支持体25の位置(以下、挿入位置と言う)を調整する。
体動などによって、刺激電極部10、11の位置がずれても、電気刺激が継続されるように、留置位置は、前進または後退に対してある程度余裕があるか確かめながら探索する。
刺激電極部10、11が互いに非平行であると、一方の刺激電極部が心臓枝と平行になっても、他方の刺激電極部は平行にならない。このため、弾性支持体25を上大静脈V1の走行方向に前進または後退させれば、他方の刺激電極部が心臓枝に交差するように配置される。
複数の心臓枝に電気刺激が印加されると、1本の心臓枝が刺激される場合に比べて、個々の心臓枝への刺激パルスのエネルギーが小さくても、患者Pの心拍数を低下せることができる。このため、患者Pへの負荷をより低減することができる。
同時に刺激する複数の心臓枝は、刺激電極部10、11に個別に交差する2本の心臓枝でもよい。
術者は、リード部20を把持して、リード部20の長手方向の位置を固定する。この状態で、術者は、操作シース50のみを後退させることによって、固定部材22と係合部53との係合を解除する。
術者は、さらに操作シース50を後退させる。例えば、術者は、操作シース50を弾性支持体25から100mm程度後退させる。このとき、操作シース50を後退させるとともに、リード部20を前進させる操作を行うと、弾性支持体25の位置ずれをより確実に防止することができる。リード部20の基端側を前進させても、リード部20の先端側には柔軟部21Aが形成されているため、基端側の非柔軟部21Bを前進させても、柔軟部21Aがたるむのみで、弾性支持体25の位置は変動しない。
操作シース50を後退した後、術者は、リード部20を前進させて上大静脈V1内に送り込む。これは、患者Pの血管内で柔軟部21Aの適宜量のたるみを形成し、患者Pの血管内のリード部20の長さに余裕を持たせるためである。
柔軟部21Aをたるませておくことにより、例えば、患者Pの体動などによって、基端側のリード部20が動いても、弾性支持体25には、基端側のリード部20の動きが伝わらない。この結果、弾性支持体25の留置位置を安定させることができる。
弾性支持体25の位置ずれが生じなかった場合には、術者は、操作シース50をリード部20から外し、患者Pの血管内から除去する。
術者は、操作シース50を除去した後、イントロデューサを除去しかつ抜去シース60を開口P2に挿入する。術者は、抜去シース60をイントロデューサの除去後に挿入してもよいが、イントロデューサを除去するのと同時に抜去シース60を挿入してもよい。
このようにして、弾性支持体25およびリード部20が患者Pの血管内に留置される。
上大静脈V1に留置された弾性支持体25は、電気刺激装置70によって電気刺激を印加することによって、患者Pに神経刺激治療を行うことができる。
具体的には、術者は、リード部20を基端側に引っ張って、弾性支持体25を抜去シース60のシース本体61内に引き込む。リード部20が引っ張られると、弾性支持体25は、血管内に沿って後退する。このとき、弾性支持体25は、基端側がすぼまる籠状であることによって、円滑に後退することができる。弾性支持体25は、シース本体61の内周面に沿って縮径し、抜去シース60内に収納される。
術者は、開口P2を通して右内頚静脈P3から、抜去シース60を引き抜く。このようにすれば、開口P2には、一定外径のシース本体61が通過するのみであるため、開口P2の血管壁を押し広げることなく弾性支持体25を引き抜くことができる。すなわち、弾性支持体25を単独で開口P2から引き抜く場合のように、開口P2を通過する際に弾性支持体25が拡径して開口P2の血管壁を押し広げ、開口P2の血管壁にダメージを与えることがない。このため、術者は、患者Pに負荷を与えることなく神経刺激電極1を抜去することができる。神経刺激電極1を抜去したら、術者は、穿刺部の皮膚に対し、縫合や圧迫など、一般的な止血処置を行い、治療を終了する。
このように、本実施形態では、神経刺激電極1の抜去を行うために、外科的な再手術は必要とされない。
弾性支持体25の留置位置は、上大静脈V1の走行方向に弾性支持体25を進退させながら刺激パルスを印加することで探索される。弾性支持体25が進退する際、ガイド部c3は、上大静脈V1内の張り出し部V1aに沿って移動する。このため、弾性支持体25の回転位置が張り出し部V1aに対してずれることがない。
刺激電極部10、11は、張り出し部V1aに密着しているため、留置位置の探索時においても留置後の治療時においても、迷走神経本管P6mから離間しており、迷走神経P6の心臓枝を刺激するのみである。
迷走神経本管P6mに与えられた電気刺激は、心臓枝を通して心臓P7に伝達される。
しかし、治療のために迷走神経本管P6mに高強度の電気刺激が与えられると、迷走神経P6の種々の枝にも電気刺激が伝播する。
例えば、迷走神経P6は、胃のような腹部の臓器とつながる様々な神経を含んでいる。そのため、迷走神経本管P6mをターゲットとして電気刺激を行うと、ターゲット以外の神経も活性化してしまう可能性がある。
例えば、迷走神経刺激部位の中枢方向に存在する反回神経(図示略)に刺激が伝達すると、気管や食道等につながる神経が活性化してしまう。反回神経に刺激が伝達されると、咳、吐気、食欲不振などの副作用が発生してしまう。
本実施形態の神経刺激電極1によれば、留置位置の探索時においても留置後の治療時においても、迷走神経本管P6mを直接刺激せず、迷走神経P6の心臓枝を刺激するのみであるため、このような副作用が防止できる。このため、患者Pの負担が軽減される。
また、迷走神経P6の心臓枝は、張り出し部V1aの裏側に多く走行しているため、弾性支持体25の軸線方向における刺激電極部10、11の大きさや、弾性支持体25の留置位置によっては、複数の心臓枝を同時に刺激することもできる。この場合、複数の心臓枝から心臓P7に刺激が伝播するため、より小さな電気刺激によっても治療効果を上げることができる。
上記第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第1のワイヤの変形例(第1変形例)について説明する。
図23は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第1ワイヤの変形例(第1変形例)を示す模式的な断面図である。
上記第1の実施形態における第1のワイヤ26Aのガイド部c3が平面S3上に配されているのに対して、本変形例におけるガイド部c3は、平面S3に対して傾斜した平面S4上に配置される。
平面S4は、屈曲部c2、c4(図23には、屈曲部c2のみ図示)を通り、平面S1に平行な平面に対して角度ψだけ傾斜された平面である。ここで、角度ψは、第1のワイヤ36Aの先端側から基端側に向かって、図23における図示反時計回りに測った角度である。
角度ψは、90°以上180°未満であって、(90°+θ)を除く角度である。
さらに、上記第1の実施形態と同様、刺激電極部10、11から迷走神経P6の心臓枝に電気刺激を印加することができるため、迷走神経本管P6mを通した電気刺激が反回神経などの他の神経に伝播することによる患者Pへの副作用を防止できる。さらに、上記第1の実施形態と同様、迷走神経P6の心臓枝を通して効率的に電気刺激を印加することができるため、電気刺激の強度を低減することができる。
上記第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第1のワイヤの変形例(第2変形例)について説明する。
図24は、本発明の第1の実施形態の神経刺激電極に用いる第1のワイヤの変形例(第2変形例)を示す模式的な斜視図である。
ガイド部c43は、ガイド部c3と同様の内部構造を有しており、屈曲部c2から屈曲部c4まで真直に延びる直線状に形成された点のみがガイド部c3と異なる。
第1のワイヤ46Aは、上記第1の実施形態の弾性支持体25における第1のワイヤ26Aに代えて用いることができる。
さらに、上記第1の実施形態と同様、刺激電極部10、11から迷走神経P6の心臓枝に電気刺激を印加することができるため、迷走神経本管P6mを通した電気刺激が反回神経などの他の神経に伝播することによる患者Pへの副作用を防止できる。さらに、上記第1の実施形態と同様、迷走神経P6の心臓枝を通して効率的に電気刺激を印加することができるため、電気刺激の強度を低減することができる。
本発明の第2の実施形態の神経刺激電極について説明する。
図25は、本発明の第2の実施形態の神経刺激電極の主要部の構成を示す模式的な正面図である。図26は、図25におけるA14方向から見た側面図である。図27は、本発明の第2の実施形態の神経刺激電極に用いる第1のワイヤの構成を示す模式的な正面図である。図28は、図27におけるA15方向から見た下面図である。図29は、図27におけるA16方向から見た側面図である。
弾性支持体85は、上記第1の実施形態と同様、内向きの張り出し部を有する脈管内に配置することができる。以下では、一例として、弾性支持体85を上大静脈V1に配置する場合の例で説明する。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
弾性支持体85の外周部は、ループワイヤ部86A、86B、86Cによって、部分円筒部85aと、ガイド部85bと、縮径部85cと、が形成されている。
弾性支持体85の自然状態におけるガイド部85bの湾曲の曲率は、上大静脈V1内で張り出し部V1aに沿って変形できれば特に限定されない。例えば、ガイド部85bの平均曲率は、自然状態において、張り出し部V1aの曲率以下でもよいし、張り出し部V1aの曲率より大きくてもよい。
本実施形態では、軸線C方向から見たガイド部85bの周方向における長さは、軸線C方向から見た張り出し部V1aの周方向の表面長さと略同じである。
添字A、B、Cのみが異なる符号が付された部位において、特に説明無きは、ループワイヤ部86Aの対応部位と同一の形状を有する。
ループワイヤ部86A、86B、86Cの内部構造は、特に図示しないが、上記第1の実施形態の第1のワイヤ26Aと同様である。
以下では、ループワイヤ部86A単体の自然状態におけるループワイヤ部86Aの形状について説明する。
ループワイヤ部86Aは、先端側から基端側に向かって、先端ループ部87A、基端ループ部88A、および基端側線状部89Aを備える。
基端側線状部89Aは、弾性支持体85の縮径部85cの一部を構成する線状部である。
基端側線状部89Aの基端側には、上記第1の実施形態におけると同様の第1軸線O1に沿って第1の実施形態におけると同様の連結端部26aA、26eAが平行に延ばされている。
図28において、先端ループ部87Aは、第1軸線O1に斜めに交差して配置されている。図27のA16方向から見ると、図29に示すように、先端ループ部87Aは、第1軸線O1を中心とする円の一部が径方向内側に凹んだ形状の閉ループである。したがって、先端ループ部87Aの実形状は、楕円の一部が径方向内側に凹んだ形状である。
A16方向から見た先端ループ部87Aの円状の部位の外径は、部分円筒部85aの外径に等しい。
本実施形態では、先端ループ部87Aの周方向の一部に、径方向内側に凹んだ湾曲部87aAが形成されている。湾曲部87aAは、ガイド部85bの一部を構成する。
A16方向から見た基端ループ部88Aの円弧状部の外径は、部分円筒部85aの外径に等しい。
A16方向から見た基端ループ部88Aの円弧形状は、中心角が240°の範囲に形成されている。
本実施形態では、基端ループ部88Aに、径方向内側に凹んだ湾曲部88aAが形成されている。湾曲部88aAは、ガイド部85bの一部を構成する。
図26に示すように、弾性支持体85の組立状態においては、ループワイヤ部86A、86B、86Cは、それぞれの基端側線状部89A、89B、89Cの位置が軸線C回りに120°ずつずれるように、配置されている。
ループワイヤ部86B単体において第1軸線O1から見た湾曲部87aB、88aBの形状は、上述の湾曲部87aA、88aAと同様である。ただし、ループワイヤ部86B単体における湾曲部87aB、88aBの周方向の形成位置は、湾曲部87aA、88aAとは120°ずれている。
ループワイヤ部86C単体において第1軸線O1から見た湾曲部87aCの形状は、上述の湾曲部87aAと同様である。ただし、ループワイヤ部86C単体における湾曲部87aAの周方向の形成位置は、湾曲部87aAとは240°ずれている。
ループワイヤ部86Bの湾曲部87aB上には、径方向外側に露出する刺激電極部10が形成されている。
刺激電極部10は、基端側に隣り合うループワイヤ部86Aの湾曲部87aAにおける刺激電極部11と軸線C方向において互いに対向している。
本実施形態では、縮径部85cは、軸線Cから円錐面に沿って3方向に放射状に延びる2本ずつの基端側線状部によって構成されている。
さらに、弾性支持体85の組立状態では、ループワイヤ部86A、86B、86Cは、それぞれ、他のループワイヤ部と3箇所のワイヤ固定部によって互いに固定されている。図25において、符号FXY(ただし、X、Yは、A、B、Cのいずれかであり、かつX≠Y)は、ループワイヤ部86X、86Y同士のワイヤ固定部を示す。各ワイヤ固定部FXYは、いずれもワイヤ固定部FAAと同様に形成されている。
上述のように点w2にはワイヤ固定部FAAが形成されている。
基端ループ部88Aにおいて、点w2と基端ループ部88Aの各基端部との間の点w1、w7には、それぞれ、ワイヤ固定部FAB、FCAが形成されている。
先端ループ部87Aにおいて、点w2から、図示反時計回り離間する点w3、w4、w5、w6には、それぞれ、ワイヤ固定部FCA、FAB、FCA、FABが形成されている。
例えば、閉ループ部LP1は、先端側に位置するワイヤ固定部FCA、FAB、FBCで挟まれた先端ループ部87A、87B、87Cの一部分によって形成されている。
同様にして、互いに交差する先端ループ部87A、87B、87Cの一部分によって、閉ループ部LP2、LP3が形成されている。
さらには、互いに交差する基端ループ部88A、88B、88Cの一部分によって、閉ループ部LP4が形成されている。
閉ループ部LP1、LP2、LP3、LP4の一部には、それぞれ、ガイド部85bを構成する湾曲部87aC、87aB、87aA、88aAが形成されている。
ループワイヤ部86Bの基端ループ部88Bには、部分円筒部85aの一部を構成する湾曲部88aBが形成されている。
図30は、本発明の第2の実施形態の神経刺激電極が上大静脈に留置された状態を示す模式図である。図31は、図30におけるA17−A17断面図である。
このため、弾性支持体85は、上記第1の実施形態の弾性支持体25同様、縮径されることによってイントロデューサおよび抜去シース60の内部に格納可能である。
弾性支持体85は、イントロデューサから押し出されると、上大静脈V1内で拡径し、上大静脈V1の内面を径方向外側に付勢する。このため、図30に示すように、弾性支持体85は、上記第1の実施形態の神経刺激電極1と同様にして、上大静脈V1内に概略配置される。
この安定状態では、ガイド部85bを構成する湾曲部87aC、87aB、87aA、88aAが、張り出し部V1aに当接する。このため、湾曲部87aC、87aB、87aA、88aAは、それぞれ、上記第1の実施形態におけるガイド部c3と同様な作用を有する。この結果、本実施形態では複数の湾曲部によって、より強固な安定状態が形成されるため、より安定的な安定状態が形成される。
さらに、上記第1の実施形態と同様、刺激電極部10、11から迷走神経P6の心臓枝に電気刺激を印加することができるため、迷走神経本管P6mを通した電気刺激が反回神経などの他の神経に伝播することによる患者Pへの副作用を防止できる。さらに、上記第1の実施形態と同様、迷走神経P6の心臓枝を通して効率的に電気刺激を印加することができるため、電気刺激の強度を低減することができる。
本発明の第3の実施形態の神経刺激電極について説明する。
図32は、本発明の第3の実施形態の神経刺激電極の主要部の構成を示す模式的な正面図である。図33は、図32におけるA18方向から見た側面図である。図34は、本発明の第3の実施形態の神経刺激電極に用いる第1のワイヤの構成を示す模式的な斜視図である。図35は、本発明の第3の実施形態の神経刺激電極に用いる第2(第3)のワイヤの構成を示す模式的な斜視図である。
弾性支持体95は、上記第1の実施形態と同様、内向きの張り出し部を有する脈管内に配置することができる。以下では、一例として、弾性支持体95を上大静脈V1に配置する場合の例で説明する。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
基端側線状部96bAは、平面S2上で、上記第1の実施形態の基端側線状部26bAが傾斜部c1の基端部まで延ばされた線状部である。
基端側線状部96dAは、平面S2上で、上記第1の実施形態の基端側線状部26bAが傾斜部c5の基端部まで延ばされた線状部である。
基端側線状部96bBは、平面S2上で、上記第1の実施形態の基端側線状部26bBが傾斜部c1の基端部まで延ばされた線状部である。
基端側線状部96dBは、平面S2上で、上記第1の実施形態の基端側線状部26bBが傾斜部c5の基端部まで延ばされた線状部である。
刺激電極部10、11は、弾性支持体95の径方向外側に露出している。このため、本実施形態における刺激電極部10、11は、それぞれの長手方向において互いに対向している。刺激電極部10、11の長手方向は、基端側線状部96dBの延在方向に一致している。
刺激電極部10、11の極性は、上記第1の実施形態と同様、挿入方向における先端側に配置された刺激電極部10がプラス電極、挿入方向における基端側に配置された刺激電極部11がマイナス電極である。ただし、刺激電極部10がマイナス電極、刺激電極部11がプラス電極であってもよい。
第3のワイヤ96Cは、刺激電極部10、11を有しない点のみが第2のワイヤ96Bと異なる。
第1のワイヤ96A、第2のワイヤ96B、および第3のワイヤ96Cの頂部26gA、26gB、26gCは、上記第1の実施形態と同様、軸線Cに関する周方向において、等間隔(120°間隔)に離間するようにして配置されている。
本実施形態においても、第1のワイヤ96A、第2のワイヤ96B、および第3のワイヤ96Cの基端部である、連結端部26aA、26eA、26aB、26eB、26aC、26eCは、上記第1の実施形態と同様に、固定部材22によって固定されている。
ただし、本実施形態では、ワイヤ固定部38の形成位置が、上記第1の実施形態よりも頂部26gA、26gB、26gC側に移動されている。
このため、図33に示すように、基端側線状部96bA、96dB、96bC、96dA、96bB、96dCは、軸線C方向から見ると、軸線Cを中心として、径方向外側に延びる放射状に配置されている。基端側線状部96bA、96dB、96bC、96dA、96bB、96dCは、周方向を略等分するように配置されている。
弾性支持体95において、基端側線状部26bA、26dB、26bB、26dC、26bC、26dAが張る立体形状は、先端側から基端側に向かって縮径する擬似円錐状である。
このため、本実施形態の閉ループ部LPも、上記第1の実施形態におけると同様、軸線Cに関して回転対称性を有しない。閉ループ部LPは、ループ部分LPB、LPCが固定されるワイヤ固定部38と、ループ部分LPAの頂部26gAと、を通る直線に関して面対称である。
弾性支持体95の自然状態における外径および軸線C方向の長さは、上記第1の実施形態における弾性支持体25と同様である。
れる。
刺激電極部10、11は、並行線状部である基端側線状部96dBの長手方向に互いに隣り合って配置されている。
図36は、本発明の第3の実施形態の神経刺激電極が上大静脈に留置された状態を示す模式図である。図37は、図36におけるA19−A19断面図である。
一方、上記第1の実施形態とは異なり、弾性支持体95では、刺激電極部10、11が基端側線状部96dBの長手方向に互いに隣り合って配置されている。
このため、弾性支持体95は、上記第1の実施形態の弾性支持体25同様、縮径されることによってイントロデューサおよび抜去シース60の内部に格納可能である。
弾性支持体95は、イントロデューサから押し出されると、上大静脈V1内で拡径し、上大静脈V1の内面を径方向外側に付勢する。このため、図36に示すように、弾性支持体95は、上記第1の実施形態の神経刺激電極1と同様にして、上大静脈V1内に概略配置される。
張り出し部V1aの裏側を走行する迷走神経P6の心臓枝は、張り出し部V1aをその短手方向に横断して図示略の心臓P7に向かっている。このため、本実施形態の刺激電極部10、11は、上大静脈V1の走行方向に弾性支持体95を前進または後退させることによって、上大静脈V1の径方向から見て迷走神経P6のいずれかと確実に交差することができる。
上記第1の実施形態と同様、この探索時および留置後において、上記第1の実施形態と同様、迷走神経本管P6mが直接的に電気刺激を受けることはない。
例えば、図36に示す例では、刺激電極部10が心臓枝P6bと、刺激電極部11が心臓枝P6aとそれぞれ交差する位置関係に配置されている。このため、刺激電極部10、11に電気刺激が印加されると心臓枝P6a、P6bの両方に刺激パルスが伝達される。
刺激電極部10(11)の長手幅Lが長いと挿入位置の探索が簡単になる。さらに、複数の心臓枝を同時に刺激できる可能性が増大するため、低いエネルギーで神経を活性化できる可能性が高くなる。さらに、体動などによって刺激電極部10(11)が上大静脈V1の走行方向にずれても、刺激電極部10(11)が心臓枝に重なっている可能性が高くなる。このため、体動などによっても神経刺激の効果の低下が起こりにくくなる。
さらに、上記第1の実施形態と同様、刺激電極部10、11から迷走神経P6の心臓枝に電気刺激を印加することができるため、迷走神経本管P6mを通した電気刺激が反回神経などの他の神経に伝播することによる患者Pへの副作用を防止できる。さらに、上記第1の実施形態と同様、迷走神経P6の心臓枝を通して効率的に電気刺激を印加することができるため、電気刺激の強度を低減することができる。
例えば、上記第1の実施形態の神経刺激電極1の弾性支持体25に代えて、図38に示す弾性支持体115を備えてもよい。
図38は、本発明の第1の実施形態の変形例(第3変形例)の神経刺激電極の主要部の構成を示す模式的な正面図である。
刺激電極部110、111は、それぞれ刺激電極部10、11と同様に構成される。刺激電極部110、111は、それぞれ中間屈曲部27hBの第3部分h3、第1部分h1に配置される。刺激電極部110、111は、弾性支持体115において、径方向外側に露出している。
ただし、対をなす刺激電極部は、必ずしも軸線C方向において隣り合う湾曲部に配置しなくてもよい。例えば、各湾曲部に、一方がプラス電極、他方がマイナス電極となって回路を形成する刺激電極部の対を配置してもよい。
しかし、脈管内において、体動等の外力によって、弾性支持体が軸線C回りに容易に回転しない程度の付勢力が得られれば、張り出し部V1aの周方向長さは、平均的な張り出し部V1aの長さと一致していなくてもよい。すなわち、軸線C方向から見たガイド部の周方向長さは、どの患者Pの張り出し部V1aの周方向長さに対しても、短くなる長さ、あるいは長くなる長さとしてもよい。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上記第2の実施形態における湾曲部87aA、88aA、87aB、87aCは、直線状の線状部(直線部)に置き換えられてもよい。
10、11、110、111 刺激電極部
20 リード部
25、85、95、115 弾性支持体
26A、36A、46A、96A 第1のワイヤ(弾性線状体)
26B、96B 第2のワイヤ(弾性線状体)
26C、96C 第3のワイヤ(弾性線状体)
26cA、26cB、26cC 先端側線状部
26gA、26gB、26gC 頂部
27fA、27fB、27fC、27hA、27hB、27hC 中間屈曲部
38、FAA、FBB、FCC、FAB、FBC、FCA ワイヤ固定部
85b、c3、c43 ガイド部
50 操作シース
60 抜去シース
70 電気刺激装置
85a 部分円筒部
86A、86B、86C ループワイヤ部(弾性線状体)
87aA、87aB、87aC 湾曲部
96bA、96bB、96bC、96dA、96dB、96dC 基端側線状部(並行線状部)
200 神経刺激システム
C 軸線
c2、c4 屈曲部
c6 凸状部
LP、LP1、LP2、LP3、LP4 閉ループ部
LPA ループ部分(ガイド線状部)
LPB、LPC ループ部分(山形線状部)
O1 第1軸線
O3 第3軸線
P 患者
P2 開口
P3 右内頚静脈(脈管)
P6 迷走神経(神経)
P6a、P6b、P6c、P6d 心臓枝(神経の心臓枝)
P6m 迷走神経本管
P7 心臓
S1、S2、S3、S4 平面
P9 気管
V1 上大静脈(脈管)
V1a 張り出し部(脈管の張り出し部)
Claims (5)
- 弾性線状体によって形成されており、内向きの張り出し部を有する脈管内で弾性変形することによって前記脈管の内面を前記脈管の径方向に付勢する弾性支持体と、
前記弾性支持体に配置された少なくとも一対の刺激電極部と、
前記弾性支持体の基端部に固定されたリード部と、
を備え、
前記弾性支持体には、
前記弾性線状体によって、前記基端部から先端部に向かう軸線回りに周回する閉ループ部が形成されており、
前記閉ループ部の一部には、
前記脈管内の前記張り出し部にならうガイド部が形成されている、
神経刺激電極。 - 前記ガイド部がならう前記張り出し部は、気管と並行して形成され、前記気管との間に神経の心臓枝が通っている上大静脈における張り出し部であり、
前記刺激電極部は、
前記弾性支持体の自然状態において前記弾性支持体を前記先端部から前記基端部に向かって見るとき、前記軸線回りの周方向における位置が、前記軸線に関する径方向において前記ガイド部と重なるように配置されている、
請求項1に記載の神経刺激電極。 - 前記弾性支持体の前記閉ループ部は、
前記弾性支持体の前記先端部に配されており、
前記弾性支持体の自然状態において、
先端側に向かって凸状に曲げられた複数の山形線状部と、
先端に2つの屈曲部を有し、前記2つの屈曲部の間に前記ガイド部が形成されたガイド線状部と、
を備え、
前記ガイド部は、
前記2つの屈曲部より、先端側にも径方向外側にも突出することなく、前記2つの屈曲部の間で直線状または曲線状に延ばされている、
請求項1または2に記載の神経刺激電極。 - 前記弾性支持体は、
自然状態において、
前記閉ループ部と前記基端部との間に、前記軸線に沿って並行する並行線状部を備え、
一対をなす前記刺激電極部は、
前記並行線状部の長手方向に互いに隣り合って配置されている
請求項3に記載の神経刺激電極。 - 前記弾性支持体は、
前記閉ループ部を複数有し、
前記閉ループ部は、
前記軸線に沿う方向に並んでおり、
かつ、前記弾性支持体の自然状態において前記軸線に沿う方向から見るとき形状が共通の、直線部または径方向内側に湾曲する湾曲部を各外周部に有しており、
前記ガイド部は、
複数の前記閉ループ部における前記直線部または前記湾曲部によって形成されている、
請求項1または2に記載の神経刺激電極。
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