JP6335025B2 - 医療用電気刺激電極 - Google Patents

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Description

本発明は医療用電気刺激電極に関する。
従来、神経組織や筋肉等の生体組織(線状組織)に電気的刺激を与えて治療を行う刺激発生装置が知られている。このような刺激発生装置の例としては、例えば、神経刺激装置、疼痛緩和装置、てんかん治療装置、および筋肉刺激装置等を挙げることができる。
これらの刺激発生装置は、電気的刺激を伝達する電極リードを生体内の刺激対象と密着させるため、電極リード(医療用電気刺激電極)を生体に埋め込んで使用される場合がある。
一般に、電極リードは、生体組織に電気的刺激を与え、もしくは生体組織に生じる電気的興奮を検出するための少なくとも1つの電極部と、刺激発生装置と電気的に接続するための電気コネクタと、電極部と刺激発生装置との間に設けられ電気的刺激を伝達するためのリードボディとを有している。
このような電極リードの例として、例えば、特許文献1には、パルス発生器に接続するように構成された基端を有する導電性リード本体と、血管壁を越えて電気パルスを送るように構成された少なくとも1つの電極を具備する先端部と、リードアンカーとを具備する神経細胞刺激用リードが記載されている。
この神経細胞刺激用リードにおけるリードアンカーは、折り畳まれた形状から予め形成された拡張形状へと拡がるように構成されており、折り畳み形状のとき、先端部は、折り畳まれたリードアンカーの有効長と実質的に等しい有効長を有する。先端部はリードアンカーの外側に結合されており、拡張形状のとき、リードアンカーが、リードが拡張配置されている血管の少なくとも1つの血管壁にリードの先端部を押しつけて、血管内でリード先端部を配備し、固定する。
また、リードの先端部は、リード本体と同じ、またはリード本体よりも硬い構成が記載され、リードアンカーは、超弾性材料のワイヤからなることが記載されている。
特表2010−516405号公報
しかしながら、上記のような従来の医療用電気刺激電極には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の神経細胞刺激用リードは、電極を有するリードの先端部を外側とするケージ状またはバスケット状のリードアンカーを血管内で拡張させることにより、リードの先端部の電極を血管壁に押圧して当接させている。
しかし、リードアンカーが超弾性材料からなるワイヤの集合体であるのに対して、リードの先端部は、リード本体と同様に柔らかいか、リード本体よりも硬い構成であり、外径もワイヤよりも明らかに大きい。したがって、リードの先端部の剛性は、リードアンカーの剛性とは異なっている。
リードの先端部は、電極と反対側からリードアンカーによって押圧されて血管壁に当接しているため、リードアンカーの変形に応じて常に適切な方向に押圧力が作用しないと、電極を安定した状態で血管壁に当接することができない。
特許文献1では、リードアンカーの先端と基端とで各ワイヤを集合させて、中間部で拡径し、両端部で集束するケージ状またはバスケット状の形状をとることにより、径方向外側に向かう押圧力を発生させている。
このような構成では、リードアンカーの先端と基端との両方において、複数のワイヤが血管の内部を横断するように配置される構成となり、血流が阻害されやすくなっている。
このため、さらに押圧力を安定させるため、ワイヤの配置数を増やしたり、太いワイヤを用いたりすると、血栓が発生する可能性が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、血流を阻害しにくく、刺激電極部を血管の内壁に安定して押圧することができる医療用電気刺激電極を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の医療用電気刺激電極は、血管内から神経を刺激するための医療用電気刺激電極であって、血管の内壁を通して電気刺激を与えるための刺激電極部と、該刺激電極部に電気的に接続された配線を挿通する線状のリード部と、該リード部の端部に配置され、3以上の線状の弾性部材を組み合わせることにより、前記リード部の端部からその中心軸線に沿って前方に進むにつれて漸次拡径してから略一定の外径に収束する弾性変形可能な籠状に形成され、前記外径は前記血管の内径よりも大きく、前記血管内において前記中心軸線に関する径方向内側に弾性変形することで生じる押圧力によって前記血管の前記内壁を押圧する電極支持体部と、を備え、前記弾性部材は、単体の自然状態において、前記リード部の端部と連結する一対の連結端部を有し、該連結端部のそれぞれから延びて、第1の平面に関して略面対称なループ形状に形成され、前記第1の平面に直交する第2の平面において、前記第1の平面を挟んで対向する第1の線状部と、前記第2の平面の側方に張り出す凸状に湾曲した第2の線状部と、前記第1の線状部の端部と前記第2の線状部の端部とを連結する屈曲部と、を有し、前記電極支持体部は、組立状態の自然状態において、前記中心軸線回りに回転対称となるように配置されるとともに、前記第2の線状部が、隣接する他の第2の線状部と交差することにより、前記第2の線状部の頂部が前記中心軸線の同心円上に整列するとともに、前記第2の線状部によって前記中心軸線を中心とする伸縮可能な閉ループ状の開口部が形成され、前記刺激電極部は、前記電極支持体部のうち、前記屈曲部または前記屈曲部の周辺であって、かつ前記血管の前記内壁に接触可能な位置に、前記中心軸線に関して径方向外側に向いて配置された構成とする。
上記医療用電気刺激電極においては、前記刺激電極部は、対をなす電極が、前記屈曲部の1つにおいて屈曲された部位を間に挟んで配置されていることが好ましい。
上記医療用電気刺激電極においては、前記屈曲部は、前記第1の線状部の端部から前記第2の線状部の張り出し方向と反対側に張り出す第3の線状部と、前記第2の線状部の端部から、該第2の線状部の張り出し方向と反対側に張り出す第4の線状部と、前記第3の線状部および前記第4の線状部を接続する中間線状部と、を備えるU字状に形成されていることが好ましい。
上記医療用電気刺激電極においては、前記刺激電極部は、対をなす電極が、前記屈曲部の1つにおいて、前記第3の線状部と、前記第4の線状部に1つずつ配置されていることが好ましい。
上記医療用電気刺激電極においては、前記弾性部材は、他の前記弾性部材と、互いの前記中間線状部において固定されていることが好ましい。
上記医療用電気刺激電極においては、前記弾性部材は、他の前記弾性部材と、互いの前記第1の線状部の少なくとも一部において固定されていることが好ましい。
上記医療用電気刺激電極においては、前記弾性部材は、他の前記弾性部材と、互いの前記第2の線状部が交差する位置において固定されていることが好ましい。
本発明の医療用電気刺激電極は、第1の線状部と第2の線状部とを有する3以上の弾性部材を回転対称に配置して、第2の線状部により伸縮可能な閉ループ状の開口部が形成された籠状の電極支持体部に刺激電極部を配置するため、血流を阻害しにくく、刺激電極部を血管の内壁に安定して押圧することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の構成を示す模式的な構成図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。 図2におけるA視の側面図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図である。 図4におけるB視の平面図である。 図4におけるC視の側面図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の刺激電極部の構成を示す模式的な平面図、およびそのD−D断面図である。 図2におけるE視図、およびそのF−F断面図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極を患者の体内に留置した際の患者の体外の様子を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極を上大静脈に留置した状態を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の血管内の変形の状態を示す模式図、およびそのG視の側面図である。 本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極を患者の体内から抜去する際の様子を示す模式図、およびそのU視図、W視図である。 本発明の第2の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。 図13におけるH視の側面図である。 本発明の第2の実施形態の医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図、およびそのJ視図である。 本発明の第3の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。 図16におけるK視の側面図である。 本発明の第3の実施形態の医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図、そのL視の側面図、およびこの側面図におけるM視図である。 本発明の第4の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。 図19におけるN視の側面図である。 本発明の第4の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の血管内の変形の状態を示す模式図、およびそのQ視の側面図である。 本発明の第5の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。 図22におけるR視の側面図である。 本発明の第6の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。 図24におけるS視の側面図である。 本発明の第6の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の血管内の変形の状態を示す模式図、およびそのT視の側面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の構成を示す模式的な構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。図3は、図2におけるA視の側面図である。図4は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図である。図5は、図4におけるB視の平面図である。図6は、図4におけるC視の側面図である。図7(a)は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の刺激電極部の構成を示す模式的な平面図である。図7(b)は、図7(a)におけるD−D断面図である。図8(a)は、図2におけるE視図である。図8(b)は、図8(a)におけるF−F断面図である。
図1に示す本実施形態の電気刺激システム100は、患者の血管内に一定期間留置させ、血管の内壁を通して周囲の神経組織に電気的刺激を印加するためのものである。なお、電気刺激システム100は、体内にシステム全体を植え込んで長期間にわたって神経刺激を行うシステムとは異なり、短期間、神経刺激を行うことに適している。
電気刺激システム100は、血管内から神経を刺激するための医療用電気刺激電極1と、医療用電気刺激電極1に刺激パルスを印加する電気刺激装置8とを備える。
医療用電気刺激電極1は、血管の内壁を通して電気刺激を与えるための刺激電極21、22(刺激電極部、電極)と、刺激電極21、22に電気的に接続された図示略の配線を挿通する線状のリード部3と、リード部3の先端部3b(リード部の端部)に配置された電極支持体部2と、を備える。
医療用電気刺激電極1は、リード部3が管状のガイドシース7に挿通され、電極支持体部2をガイドシース7の先端に折りたたんで収容した状態で、患者の血管内に導入され、留置位置において、電極支持体部2がガイドシース7から押し出されることにより、患者の血管内に留置される。
なお、電気刺激システム100において、患者の血管内に挿入される部材や部位には、血栓の発生を抑制するため、血液と接触する表面に、抗血栓コーティングを施しておくことが好ましい。
ガイドシース7は、例えば、ポリウレタン製又はポリアミド製のチューブを採用することができる。
本実施形態におけるガイドシース7の管状部の寸法は、一例として、外径2.8mm、内径2mm、長さ400mmである。
ガイドシース7の基端部には、分岐部7bが設けられ、この分岐部7bの側部に、ガイドシース7の内部に形成された管路を通して、例えば、抗血栓防止剤であるヘパリンなどの薬液を持続投与するための送液管6が接続されている。
分岐部7bの端部には、ガイドシース7内の管路の水密を保ちつつ、リード部3を挿通するため、例えば、Oリングなどからなるシール部7aが設けられている。
送液管6における分岐部7bと反対側の端部には、図示略の送液手段、例えば、シリンジピストンポンプなどを接続するルーアロックコネクタなどからなるコネクタ6aが設けられている。
リード部3は、軟性の管状部材であるリードチューブ3aの両端部に、それぞれ硬質の先端部3bと、送液管5が接続された分岐部3cとが設けられ、リードチューブ3aの内部に、刺激電極21、22と電気的に接続された配線部3dが挿通されている。
配線部3dは、分岐部3cの開口から外部に延出されており、端部には、電気刺激装置8と電気的に接続するため、例えば、公知のIS1型などのコネクタ3eが連結されている。
リードチューブ3aは、例えば、外径1mm〜3mm、全長500mm程度の樹脂製チューブ、例えば、生体適合性に優れるポリウレタンチューブなどからなる。
ただし、リードチューブ3aの外径は、ガイドシース7の内径よりも小径でガイドシース7の内周面との間に隙間ができ、かつガイドシース7のシール部7aに進退可能に嵌合できる寸法とする。例えば、ガイドシース7の内径が2.8mmの場合、2.5mm程度が好適である。
先端部3bは、電極支持体部2を装着する管状の部位であり、一端の中心部に後述する電極支持体部2の集束部27を係合する係合穴3fを有し、他端がリードチューブ3aに接続されている。
先端部3bの外径は、リードチューブ3aの外径と略同一(同一の場合を含む)であり、外周面における段差は0mm以上0.2mm以下である。
このため、先端部3bは、ガイドシース7の先端部(遠位端側)において進退可能に挿通することができる。
本実施形態では、先端部3bの材質は、チタンを採用している。係合穴3fの穴形状として、後述する集束部27の外形に対応して六角穴を採用している。
リード部3は、ガイドシース7の基端部(近位端側)のシール部7aに進退可能に挿通されてガイドシース7の外部に露出されている。
分岐部3cは、ガイドシース7の外部に露出されたリード部3の基端部に設けられている。
送液管5は、リード部3内の図示略の管路および先端側に設けられた図示略の放出口を通して、抗血栓防止剤であるヘパリンなどの薬液を持続投与するためものである。
送液管5におけるリード部3と反対側の端部には、図示略の送液手段、例えば、シリンジピストンポンプなどを接続するルーアロックコネクタなどからなるコネクタ5aが設けられている。
図2、3に示すように、電極支持体部2は、本実施形態では、線状弾性部材20A、20B、20C(線状の弾性部材)を組み合わせ、集束部27で固定された構成を有する。
電極支持体部2の外形状は、リード部3の先端部3bからその中心軸線Oに沿って前方(遠位端側、図2の図示左側)に進むにつれて漸次拡径してから略一定の外径に収束する弾性変形可能な籠状に形成されている。
電極支持体部2の外径は、電極支持体部2を留置する血管内で、血管の内壁を押圧できるように、血管の内径よりも大径とされている。
以下では、電極支持体部2に関する相対位置を説明する場合、中心軸線Oに沿う方向を軸方向、中心軸線O回りに周回する方向を周方向、中心軸線Oに直交する平面において中心軸線Oに交差する線に沿う方向を径方向と称する。
軸方向においては、近位端側となる先端部3bに近い方を基端部(側)、遠位端側となる先端部3bから遠い方を先端部(側)と称する場合がある。
径方向においては、中心軸線Oから離れる方を径方向外方(外側)、中心軸線Oに近づく方を径方向内方(内側)と称する場合がある。
線状弾性部材20A、20B、20Cの形状は、線状弾性部材20Aのみに刺激電極21、22が配置されている点を除けば、いずれも同様の形状を有する。
以下では、特に断らない限り、線状弾性部材20Aの形状について説明し、線状弾性部材20B、20Cの説明は、同形状の部位に「数字+英小文字」からなる共通の符号を付して説明を省略する。また、各部位が、線状弾性部材20A、20B、20Cのいずれの部位を指すか区別する場合には、この符号の英小文字に続けて、添字A、B、Cを付す。
例えば、線状弾性部材20B(20C)における連結端部20aB(20aC)は、線状弾性部材20Aにおける連結端部20aAと対応する同一形状の部位を指す。
また、添字A、B、Cによって区別している部材、部位を特に区別する必要がなくどれにも当てはまる場合には、明細書の記載の簡素化のために添字A、B、Cを省略する場合がある。ただし、図面では見にくくなるため、添字A、B、Cを付した符号のみを記載する。
例えば、「線状弾性部材20」、「連結端部20a」は、それぞれ、線状弾性部材20A、20B、20Cのいずれか、連結端部20aA、20aB、20aCのいずれかを表す。また、「各線状弾性部材20」、「各連結端部20a」は、それぞれ、線状弾性部材20A、20B、20Cのすべて、連結端部20aA、20aB、20aCのすべてを表す。
線状弾性部材20Aは、1本の線状の弾性部材を折り曲げることにより、立体的なループ形状が形成された部材である、以下では、図4〜6を参照して、線状弾性部材20A単体の自然状態の形状について説明する。ここで、自然状態とは、例えば、重力を除く外力が作用しない状態であり、線状弾性部材20Aの変形が無視できる状態である。
線状弾性部材20Aは、図4に示すように、一端部から他端部に向かって、連結端部20aA、基端側線状部20bA(第1の線状部)、先端側線状部20cA(第2の線状部)、基端側線状部20dA(第1の線状部)、および連結端部20eAを、この順に備える。
連結端部20aA、20eAは、線状弾性部材20Aを後述する集束部27に固定され、集束部27を介して先端部3bと係合するための部位であり、本実施形態では、それぞれ第1軸線O1に沿って直線状に延ばされ、第1軸線O1を挟んで平行かつ互いに近接して配置されている。
連結端部20aA、20eAは、先端部3bの中心軸線Oに、第1軸線O1が整列するように、集束部27を介して先端部3bと係合される。
連結端部20aA、20eAと集束部27との固定方法は特に限定されず、集束部27の材質に応じて、例えば、接着、溶接、カシメなどの固定方法を適宜選択することができる。
基端側線状部20bA、20dAは、図5に示すように、第1軸線O1を含み、連結端部20aA、20eAの中心軸線を通る平面S2(第2の平面)において、第1軸線O1に関して互いに線対称をなして配置され、全体としてU字状とされた部位である。
基端側線状部20bA、20dAにおいて先端側線状部20cAの端部と接する端部(以下、先端側端部と称する)を通る第3軸線O3は、第1軸線O1と直交する位置関係にある。
すなわち、基端側線状部20bA、20dAは、それぞれ、連結端部20aA、20eAに接続する端部(基端側端部)から、互いに離間するように、前方(図5における図示左側)に向かって斜め方向に延ばされ、それぞれ第1軸線O1から漸次離間している。そして、先端側端部の近傍では、第1軸線O1と略平行(平行の場合を含む)になっている。
基端側線状部20bA(20dA)は、第1軸線O1から離間する方向に凸となる曲線部、折れ線部、またはこれら曲線部と折れ線部との組み合わせによって構成することができる。
本実施形態では、基端側線状部20bA(20dA)の形状は、一例として、連結端部20aA(20eA)に近い基端側領域b1(d1)では、先端側線状部20cAに近い先端側領域b2(d2)に比べて、第1軸線O1に対する傾斜の平均変化率がより大きくなる曲線形状を採用している。
基端側領域b1(d1)と、先端側線状部20cAとの境界における曲率の変化は、連続的でもよいし、不連続でもよい。
基端側線状部20bA、20dAの先端側端部の近傍における曲率や向きは、留置位置における血管内での変形状態や血管の内壁に対する押圧力を考慮して、適宜設定することができる。
本実施形態では、基端側線状部20bA、20dAは、先端側端部に向かうにつれて互いに離間するように傾斜する形状を採用している。このため、基端側線状部20bA、20dAの先端側端部は、自然状態において、線状弾性部材20Aの第1軸線O1と直交する方向の最大幅となる部位になっている。
先端側線状部20cAは、図4に示すように、基端側線状部20bA、20dAの先端側端部から、さらに先端側に向かうにつれて、平面S2の側方に向かって、張り出す凸状に湾曲した部位である。
本実施形態では、先端側線状部20cAは、一例として、第3軸線O3を含み平面S2に対して角度θをなして交差する平面S3上に整列し、第1軸線O1を含み平面S2と直交する平面S1(第1の平面)に関して面対称なC字状に形成されている。
このため、平面S1、S3の交線からなる第2軸線O2が、先端側線状部20cAと交差する位置に、先端側線状部20cAの頂部20gAが形成されている。
平面S3の角度θは、5°以上90°以下が好ましい。
先端側線状部20cAは、第3軸線O3から離間する方向に凸となる曲線部、折れ線部、またはこれら曲線部と折れ線部との組み合わせによって構成することができる。
本実施形態では、図5、6に示すように、先端側線状部20cAの形状は、一例として、基端側線状部20bA(20dA)に近い基端側領域c1(c3)では、基端側線状部20bA(20dA)の先端側端部から平面S1に向かって傾斜する曲線状または直線状に延ばされている。
また、基端側領域c1、c3の間の先端側領域c2では、頂部20gAを頂点とする山形の形状を有する。先端側領域c2における山形は、例えば、円弧、楕円弧などの曲線からなる山形や、複数の折れ線で形成された山形も可能である。本実施形態では、一例として、頂部20gAの曲率が最大となり頂部20gAの近傍に屈曲状の部位が形成された曲線形状を採用している。
図4、5に示すように、先端側線状部20cAと基端側線状部20bA(20dA)との接続部の近傍には、第3軸線O3との交点を屈曲点とするV字状の屈曲部20fA(20hA)が形成されている。
このような構成により、線状弾性部材20Aは、平面S1に関して面対称な形状になっている。
本実施形態では、図2に示すように、屈曲部20hAにおける先端側線状部20cAの端部において、中心軸線Oに関する径方向外側に向いて、刺激電極21が配置されている。また、屈曲部20hAにおける基端側線状部20dAの端部において、中心軸線Oに関する径方向外側に向いて、刺激電極22が配置されている。
ここで、線状弾性部材20Aの内部構造と、刺激電極21、22の構成とについて説明する。
図7(a)、(b)に示すように、線状弾性部材20Aは、ワイヤ部23の外周面が外部被覆26で覆われた線状体で構成される。
ワイヤ部23は、金属ワイヤからなるワイヤ本体23aと、ワイヤ本体23aの外周面を覆って絶縁する内部被覆23bとからなる。
ワイヤ本体23aは、電極支持体部2を折りたたんでガイドシース7内に収容する際に受ける外力によっても塑性変形せず、外力が解除されると自然状態に戻る良好な弾性を有する適宜の金属ワイヤを採用することができる。ワイヤ本体23aに好適な金属ワイヤとしては、例えば、形状記憶合金や超弾性ワイヤなどを挙げることができる。ワイヤ本体23aの外径は、例えば、0.1mm〜0.4mmに設定される。
本実施形態では、ワイヤ本体23aは、一例として、直径0.3mmの超弾性ワイヤを採用している。
内部被覆23bは、ワイヤ本体23aとともに変形可能であって電気絶縁性を有する適宜の合成樹脂材料、例えば、ポリウレタン樹脂などを採用することができる。
外部被覆26は、刺激電極21、22の露出部位を除いては、線状弾性部材20Aの最外周面を形成する被覆部材である。したがって、外部被覆26は、血管内に導入されると、外周面が血液、血管の内壁等の生体組織と接触する。
このため、外部被覆26は、ワイヤ部23とともに変形可能な絶縁性材料であって、生体適合性に優れる材料で形成される。また、外部被覆26の表面は、血栓を生じさせないように滑らかに形成される。
外部被覆26に好適な材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを採用することができる。
外部被覆26は、熱融着により、ワイヤ部23との間に空気層を含まないように溶融結合されている。
内部被覆23b、外部被覆26の厚さは、例えば、50μm〜400μmとなるように形成されている。
刺激電極21、22は、線状弾性部材20Aにおける配置位置が異なるのみで、いずれも同様の構成を有する。
刺激電極21(22)は、例えば、白金イリジウム合金などの生体適合性を有する金属管で形成され、一部が外部被覆26の開口26aを通して、線状弾性部材20Aの外周に露出されている。この露出部分は、外部被覆26の外周面に沿う曲率を有する円筒面状であり、露出部分の第3軸線O3に沿う方向から見た(図7(a)の紙面垂直方向から見た)形状が略矩形状である。
本実施形態では、一例として、刺激電極21(22)として、直径0.8mm、長さ4mmの円筒状の管部材を採用し、露出部分の形状は、幅0.5mm、長さ3.8mmとしている。ここで、露出部分の長手方向は、外部被覆26の延在方向に一致されている。
ただし、ただし、刺激電極21(22)の露出形状はこれには限定されず、例えば、ワイヤ部23の軸線方向に長い長円形状や楕円形状などの形状も可能である。
刺激電極21(22)の内部には、ワイヤ部23との短絡を防止するための管状の絶縁部材24が挿通されており、この絶縁部材24内にワイヤ部23が挿通されている。
また、外部被覆26に埋没された刺激電極21(22)の内周面には、配線部3dを構成する配線25が電気的に接続されている。
配線25としては、例えば、耐屈曲性を有するニッケルコバルト合金(35NLT25%Ag材)からなる撚り線を、電気的絶縁材(例えば、厚さ20μmのETFE(ポリテトラフルオロエチレン)等)で被覆したものを好適に用いることができる。
配線25は、外部被覆26内に配置されてワイヤ部23に沿って延び、それぞれ、連結端部20aA、20eAの基端部から、リード部3側に延出されている。
このような構成の刺激電極21、22は、図2に示すように、それぞれの露出部の長手方向が、屈曲部20hAにおける先端側線状部20cA、基端側線状部20dAの中心軸線に沿って、互いに鈍角をなす非平行状態で、離間して並んでいる。
電気刺激を効率的に印加するには、刺激電極21、22の間隔が離間しすぎないことが重要である。このため、刺激電極21、22は、線状弾性部材20Aの自然状態において、それぞれの露出部分の最短距離dが3mm〜8mm程度になる位置に、配置することが好ましい。
このような構成を有する線状弾性部材20A、20B、20Cは、図3に示すように、各第1軸線O1が中心軸線Oと整列するとともに、頂部20gA、20gB、20gCが、中心軸線Oに関する周方向において、等間隔に離間するようにして配置されている。
そして、図8(a)に示すように、連結端部20aA、20eA、20aB、20eB、20aC、20eCが集束部27によって一体に束ねられた集合状態で固定されている。
集束部27は、例えば、チタンからなる管状部材の内部に、各連結端部20a、各連結端部20eを挿入した後、カシメ加工を行うことにより、外形が六角形に形成された六角柱状の部材である。
集束部27は、図8(b)に示すように、先端部3bにおいて中心軸線Oと同軸に形成された六角形形状の係合穴3fに挿入されて周方向に係合され、例えば、接着などによって先端部3bと固定されている。このため、集束部27の外形は、係合穴3fと嵌合可能な六角柱状に形成されている。
このように、集束部27と先端部3bとは、互いに嵌合する六角形断面を有する軸部と穴部との関係にあり、中心軸線O回りに回転不能に係合されている。このため、リード部3を中心軸線O回りに回転させると、リード部3の回転角度に応じて、電極支持体部2も中心軸線O回りに回転するようになっている。
先端部3bの内部において、連結端部20aA、20eA(図8(b)では不図示)から延出された配線25は、先端部3bの内部を通って、リードチューブ3aの内部に延出され、配線部3dとしてまとめられている。
配線部3dは、リードチューブ3a内の固定部3gで位置が固定され、リードチューブ3aの基端部まで延ばされて、分岐部3cから外部に延出されている(図1参照)。
このように組み立てられて先端部3bに固定された電極支持体部2は、自然状態では、中心軸線Oを回転対称軸として3回回転対称の立体形状を有する。
このため、図3に示すように、中心軸線Oに沿う方向から見ると、基端側線状部20bA、20dC、20bB、20dA、20bC、20dBが、円周を6等分する放射状に配置されている。
また、図2に示すように、中心軸線Oに交差する方向から見ると、各基端側線状部20b、各基端側線状部20dは、中心軸線Oを中心としてU字形を回転してできる半紡錘形の立体形状に沿って配置され、籠状をなしている。
なお、このような電極支持体部2の組立状態の自然状態では、電極支持体部2としては、重力以外の外力は作用していない。しかし、線状弾性部材20A、20B、20Cは互いに交差して一部が接触しており、特定の線状弾性部材20は、他の線状弾性部材20から外力を受ける関係にある。
したがって、電極支持体部2の組立状態の自然状態では、各線状弾性部材20は、それぞれの単体の自然状態の形状とは異なる形状に変形している。ただし、各線状弾性部材20の配置位置は、中心軸線Oに関して3回回転対称になっているため、各線状弾性部材20の変形形状はまったく同じになる。このため、電極支持体部2は、組立状態の自然状態では、中心軸線Oに関して3回回転対称の立体形状になる。
先端側線状部20cA、20cB、20cCは、図3に示すように、中心軸線Oに沿う方向から見ると、この順に隣り合って配置され、それぞれの端部において隣り合う他の先端側線状部の端部と重なり合っている。
頂部20gA、20gB、20Cは、中心軸線Oを中心とする同心円上に整列している。
図2に示すように、中心軸線Oから交差する方向から見ると、先端側線状部20cAは、先端側線状部20cBと点X1において、先端側線状部20cBよりも径方向内側となるように交差している。
同じく先端側線状部20cBは、先端側線状部20cCと点X2において、先端側線状部20cCよりも径方向内側となるように交差している。
同じく先端側線状部20cCは、先端側線状部20cAと点X3において、先端側線状部20cAよりも径方向内側となるように交差している。
したがって、これら先端側線状部20cA、20cB、20cCは、これらの交差点である点X1、X2、X3の間の領域が、中心軸線Oに沿う方向から見ると、図3に示すように、中心軸線Oを中心とする円状または円形に近い3回回転対称の閉ループ状の開口部LPを構成している。
開口部LPは、電極支持体部2の自然状態において、電極支持体部2の先端部に形成された最大の開口部である。
電気刺激装置8は、医療用電気刺激電極1が血管内に留置された際に、術者の操作に基づいて、一対の刺激電極21、22間に電気刺激を発生する装置部分である。電気刺激装置8の詳細構成の図示は省略するが、少なくとも、パルス状の信号波形を出力する電源と、信号波形を生成し、印加タイミングを制御する制御部とを備えている。
電気刺激装置8は、図1に示すように、コネクタ3eを介して、リード部3内の配線部3dと電気的に接続されている。
電気刺激装置8が出力する信号波形は、本実施形態では、定電流方式又は定電圧方式のバイフェージック波形群が、所定の間隔を有して発生される。信号波形の条件は、電気刺激に必要に応じて適宜設定することができる。具体的には、例えば、周波数20Hz、パルス幅50μsecから400μsecのプラス数ボルトからマイナス数ボルトのバイフェージック波形を1分間あたり3sec〜20secの間、発生させる、といった信号波形の出力が可能である。
このような信号波形の出力時に、刺激電極21、22は、一方がプラス側電極として作用し、他方がマイナス側電極として作用する。
このような電気刺激システム100を用いて、血管内から電気刺激を行うには、例えば、医療用電気刺激電極1の電極支持体部2を患者の上大静脈に導入し、留置位置を探索した後、上大静脈に留置する。
また、必要な電気刺激が終了したら、電極支持体部2を患者の体外に抜去する。
以下では、電気刺激システム100の作用について、このような留置および抜去における作用を中心として説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極を患者の体内に留置した際の患者の体外の様子を示す模式図である。図10は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極を上大静脈に留置した状態を示す模式図である。図11(a)は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の血管内の変形の状態を示す模式図である。図11(b)は、図11(a)におけるG視の側面図である。図12(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の医療用電気刺激電極を患者の体内から抜去する際の様子を示す模式図である。図12(c)は、図12(a)におけるU視図である。図12(d)は、図12(b)におけるW視図である。
まず、術者は、図9に示すように、患者Pの頸部近傍を切開して開口P1を形成する。この開口P1に、公知のイントロデューサーやダイレーター(図示略)を装着して、ガイドシース7に収容された医療用電気刺激電極1をガイドシース7とともに導入する。このとき、X線下でワイヤ部23、配線25、電極支持体部2(図9では図示略)などの位置を確認することで、医療用電気刺激電極1(図9では図示略)の位置を確認しながら導入する。
右外頚静脈P2(血管)を通って、ガイドシース7の先端が上大静脈P3(血管)における留置位置の近傍に到達したら、医療用電気刺激電極1の電極支持体部2をガイドシース7の外側に押し出す。そして、ガイドシース7を近位端側に引き抜いて、図10に示すように、医療用電気刺激電極1のみを血管内に残す。
上大静脈P3内に押し出された電極支持体部2は、弾性復元力により自然状態の形状に戻ろうとするため、上大静脈P3内で拡径する。
電極支持体部2の自然状態の外径は、上大静脈P3の内径よりも大きいため、電極支持体部2は、上大静脈P3の内壁V1に押しつけられる。
これにより、電極支持体部2は、自然状態よりも小径とされ、内壁V1からの反作用によって弾性的に変形している。また、内壁V1は、電極支持体部2からの押圧力を受けて変形しつつ、電極支持体部2の外周部に密着している。
このため、電極支持体部2は、摩擦力により当接した上大静脈P3の内壁V1に係止されている。
このときの電極支持体部2の変形状態の一例を図11(a)、(b)に示す。
電極支持体部2は、径方向の最外部となる部分から、内壁V1に当接し、これらの当接部から径方向内側に反作用を受ける結果、線状弾性部材20A、20B、20Cが変形する。
具体的には各頂部20gが径方向内側に押圧されることで、それぞれ内壁V1に食い込むとともに、各先端側線状部20cがそれぞれの基端部を回転中心として径方向内側にたわみ変形する。これにより、各先端側線状部20cが、全体的に、内壁V1に沿って当接する。
その際、自然状態におけるそれぞれの交差点である点X1、X2、X3は、図11(a)に示すように、電極支持体部2の先端側にずれた点X1’、X2’、X3’に移動する。中心軸線Oに沿う方向から見ると、開口部LPは、図11(b)に示すように、内壁V1の内径に略等しい開口部LP’に変化する。
このように電極支持体部2の各先端側線状部20cにおける交差点は、変形状態によって位置が変わるが、交差した部位で、力を及ぼし合うことにより、血管内における各先端側線状部20cの変形を連動させる作用がある。
このような変形により、各先端側線状部20cの基端側となる各屈曲部20f、各屈曲部20hは、それぞれの屈曲角がわずかに大きくなり、周方向において、隣り合う先端側線状部20cにおける屈曲部20f、20hが接近する方向に移動する。
例えば、図11(a)に示すように、互いに周方向に隣接する屈曲部20hC、20fAは、各屈曲点同士がより近づくような周方向に移動する。
このため、各基端側線状部20b、各基端側線状部20dは、例えば、基端側線状部20bAの先端側領域d2と、基端側線状部2dCの先端側領域b2とが、自然状態と比べると、周方向により接近した状態で、内壁V2と当接している。
このようにして電極支持体部2は、上大静脈P3内で縮径するように変形しても、変形後の形状は、中心軸線Oを回転対称軸とする3回回転対称の形状になっている。
本実施形態では、例えば、基端側線状部20bBにおける頂部20gBを通り、中心軸線Oに平行な軸線に沿って延びる領域Y2に、先端側線状部20cBの先端部、屈曲部20hC、20fA、基端側線状部20bAの先端部、および基端側線状部20dCの先端部が集まる。これにより、押圧力が大きくなる部位が領域Y2に集中する。
変形の対称性から、図11(b)に示すように、領域Y2から120°回転した、領域Y1、Y3にも、同様に押圧力が集中する領域が発生する。
すなわち、電極支持体部2から内壁V1には、中心軸線Oを中心として円周を3等分する位置に形成された領域Y1、Y2、Y3から、径方向外側に均等な押圧力が作用し、先端部3bは、上大静脈P3の中心に保持されている。
このような変形の対称性によって、刺激電極21、22が設けられた、屈曲部20hAは、径方向外側に安定した押圧力で押圧されて内壁V1に当接し、外部被覆26から露出した刺激電極21、22は、内壁V1に密着する。
また、本実施形態の電極支持体部2は、半紡錘形の形状に沿う外形を有する。
このため、円形、紡錘形に沿う形状など長手方向の中間部のみで血管に当接する形状に比べて、電極支持体部2内で、内壁V1への押圧力が発生する部位が多くなるため、同じ押圧力で同じ押圧範囲を押圧する場合に、より小型化を図ることができる。
また、各線状弾性部材20が、互いに交差して籠状を形成しているため、1つの線状弾性部材20が受ける外力が交差位置を通して、他の線状弾性部材20にも伝達されて、変形状態が連動し、各線状弾性部材20の間に変形量が分散される。
このため、特定の線状弾性部材20が外力を受けた場合でも、半紡錘形の回転対称の形状が崩れにくくなるため、例えば、円弧状の弾性部材が周方向に離間して配置された場合に比べると、より安定して内壁V1を付勢することができる。
このようにして、図10に示すように、電極支持体部2が上大静脈P3に概略配置される。この上大静脈P3に隣接して、刺激対象の神経の一例である迷走神経P6(神経)が併走している。
続いて、図9に示すように、患者Pの体外において、配線部3dのコネクタ3eに電気刺激装置8を、送液管6のコネクタ6aに薬液が満たされシリンジピストンポンプを有するディスペンサ9を、それぞれ接続する。また、図9では図示略の送液管5のコネクタ5aにも、図示略のディスペンサを接続する。
そして、刺激電極21、22を電気刺激位置に位置合わせする周知の探索動作を行う。
以下の動作中は、送液管5、6を通して、適宜、抗血栓防止剤などの薬液を持続的に供給し、血管内に流通させておく。
探索動作では、電気刺激装置8から電気刺激を発生させつつ、体外から医療用電気刺激電極1を操作し、電極支持体部2の位置を、血管の軸方向と周方向とにおいて調整する。例えば、図示略の心電計などにより得られる心拍数をモニターすれば、最も顕著に心拍数の低下が確認された位置が、刺激電極21、22が迷走神経と対向する位置になるため、最適な刺激位置を容易に見つけることができる。
このような探索動作において、電極支持体部2は、内壁V1を、軸対称な3方向に均等に押圧しているため、刺激電極21、22もまた、内壁V1に付勢されており、内壁V1に確実に当接されている。このため、刺激電極21、22から血液側への電気エネルギーの漏洩が抑制される。
電気刺激位置の位置合わせが終了し、留置位置が決定したら、適宜のタイミングによって、電気刺激装置8によって電気刺激を与えるためのバイフェージック信号を印加し、迷走神経P6の電気刺激を行う。これにより、患者Pの心拍数を適正な範囲に抑制するなどの効果が得られる。
この留置状態では、電極支持体部2は、先端側の開口部LP’が、内壁V1に沿って形成され、開口部LP’を構成する各先端側線状部20cの部位が略内壁V1に当接している。このため、電極支持体部2の先端部において、血流が阻害されることはない。
また、先端部3bは、内壁V1の中心部に保持され径方向には、先端部3bに比べて細径の各基端側線状部20b、各基端側線状部20dが放射状に配置され、周方向には互いに離間しているため、血液が円滑に流れる。
このため、弾性ワイヤが先端部と基端部との両方で集合されて固定されている従来技術に比べると、先端側に開口部LP’が形成されている分だけ、より確実に血流が阻害されにくくなっている。これにより、電極支持体部2の留置状態において、血栓が発生することを、より確実に防止することができる。
電気刺激装置8により必要な期間、迷走神経P6に電気的な刺激を印加し続けたら、医療用電気刺激電極1を、挿入した経路と逆方向に引き抜くことで、患者Pの体外に抜去する。このとき、電極支持体部2は、外周部が先端部3bに向かって縮径する半紡錘形に沿う形状であるため、円滑に引き抜くことが可能である。
その際、図10に示すように、血管の内径は、上大静脈P3における内壁V1、鎖骨下静脈付近の内壁V2、右外頚静脈P2の内壁V3の順に小さくなっていく。
このため、例えば、図12(a)、(b)に示すように、内壁V2、V3に到達すると、それぞれの内径の変化に応じて縮径が進んでいく。
このとき、電極支持体部2は3回回転対称の形状を保って均等に縮径しようとして変形する。例えば、内壁V2に到達した場合、図12(c)に示すように、内壁V1よりも縮径しているが、開口部LP’’は、内壁V2にほぼ沿って円状に開口している。
しかし、右外頸静脈P2まで移動すると、図12(d)に示すように、内壁V3の内径は上大静脈P3の内径の1/3程度まで小さくなるため、各先端側線状部20cが、血管の軸方向に沿って長細く屈曲される。このため、各頂部20gが内壁V3から離間し、中心軸線Oから見ると、開口部LP’’’の形状が、内壁V3に内接する三角形状になる。これにより、変形した電極支持体部2の先端部においては、単に縮径するのみならず、各頂部20gが径方向内側に近接して、先端がすぼまる構造になる。
すなわち、開口部LP’’’の面積が血管の内径や基端側の電極支持体部2の外形に比べて狭くなって、先端が閉塞状態に近い籠状になる。このため、万一、電極支持体部2に血栓が形成されて剥離した場合でも、電極支持体部2の内部に取り込まれて、電極支持体部2とともに外部に排出されやすくなる。
また、このように、縮径するにつれて、電極支持体部2の各線状弾性部材20は、中心軸線Oに沿う直線状に延びていくため、引っ張り方向の抵抗が軽減されていく。
このようにして、本実施形態の医療用電気刺激電極1は、患者Pの血管内に留置され、適宜の電気刺激を行った後、患者Pの体外に抜去することができる。
医療用電気刺激電極1は、基端側線状部20b、20d、先端側線状部20cをそれぞれ有する線状弾性部材20A、20B、20Cを回転対称に配置して、各先端側線状部20cにより伸縮可能な開口部LPが形成された籠状の電極支持体部2に刺激電極21、22を配置している。このため、血流を阻害しにくく、刺激電極21、22を血管の内壁に安定して押圧することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の医療用電気刺激電極について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。図14は、図13におけるH視の側面図である。図15(a)は、本発明の第2の実施形態の医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図である。図15(b)、(c)は、図15(a)におけるJ視図である。
図13、14に自然状態の形状を示す本実施形態の医療用電気刺激電極31は、血管内から神経を刺激するためのもので、上記第1の実施形態の電気刺激システム100の医療用電気刺激電極1に代えて用いることができる。
医療用電気刺激電極31は、上記第1の実施形態の電極支持体部2に代えて、電極支持体部32を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電極支持体部32は、上記第1の実施形態の電極支持体部2の線状弾性部材20A、20B、20Cに代えて、線状弾性部材33A、33B、33C(線状の弾性部材)を備える。
ここで、線状弾性部材33A、33B、33Cは、線状弾性部材33Aが、刺激電極21、22を備える点を除いて同様な形状を有する。このため、以下では、電極支持体部32に関しては、上記第1の実施形態と同様にして、同形状の部材、部位に「数字+英小文字」の符号を用いて適宜説明を省略し、互いに区別する必要がある場合には、添字A、B、Cを付して表す。添字A、B、Cの省略表記の規則は上記第1の実施形態と同様である。
線状弾性部材33A(33B、33C)は、図15(a)に単体の自然状態の形状を示すように、上記第1の実施形態における線状弾性部材20A(20B、20C)の屈曲部20hA(20hB、20hC)に代えて、屈曲部33hA(33hB、33hC)を備える。
屈曲部33hAは、図15(b)に示すように、基端側線状部20dAの先端部と、先端側線状部20cAの基端側領域c3の基端部との間において、平面S2に関して先端側線状部20cAと反対側に突出するU字状に形成された部位である。
本明細書では、「U字状」は、平行な2つの直線部が円弧状の湾曲部で接続された形状には限定されない。例えば、2つの直線部は非平行に並行していてもよく、湾曲部は円弧以外の曲線で湾曲していてもよい。さらに、湾曲部は、直線または曲線からなる折れ線で構成されていてもよいし、本実施形態のように、2つの直線部の端部で屈曲された1つの直線部からなる形状(コ字状)であっていてもよい。
本実施形態の屈曲部33hAは、第1部分h1(第3の線状部)、第2部分h2(中間線状部)、および第3部分h3(第4の線状部)を備える。
第1部分h1は、基端側線状部20dAの先端部にて屈曲された線状部である。第1部分h1は直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、本実施形態では、一例として、直線状である。
第1部分h1の屈曲角度φ1は、90°±30°の範囲内程度が好ましく、長さは、刺激電極22の長手方向よりも長く、例えば、4.5mm〜7.0mmが好ましい。
第2部分h2は、第1部分h1の突出方向の端部において、屈曲された線状部であり、平面S2の法線方向から見て基端側線状部20dAの延長線上となる位置で、平面S2に平行に延ばされている。第2部分h2は直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、本実施形態では、一例として、直線状である。
第2部分h2の長さは、例えば、3.0mm〜7.0mmが好ましい。
第3部分h3は、第2部分h2の延出方向の端部において、屈曲されて、先端側線状部20cAの基端側領域c3側の端部に接続された線状部である。第3部分h3は直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、本実施形態では、一例として、直線状である。
第3部分h3の屈曲角度φ2は、90°±30°の範囲内程度が好ましい。
先端側線状部20cAとの接続部は、屈曲していてもよいし、角度θの大きさによっては、屈曲しない構成も可能である。
刺激電極21は、その長手方向が、第1部分h1の中心軸線方向に沿うように、第1部分h1の中間部に配置され、第1軸線O1に関して径方向外側となる表面に一部が露出するように設けられている。
刺激電極22は、その長手方向が、第3部分h3の中心軸線方向に沿うように、第3部分h3の中間部に配置され、第1軸線O1に関して径方向外側となる表面に一部が露出するように設けられている。
また、刺激電極21、22の第1部分h1、第2部分h2の軸線方向の位置は、刺激対称の神経組織に電気刺激を与えることができれば、特に限定されない。ただし、迷走神経P6のように、血管に併走している場合には、電極支持体部32の軸方向に対向するように配置することが好ましい。
また、刺激電極21、22の間の距離の好ましい範囲は、上記第1の実施形態と同様である。このため、第2部分h2の長さは、刺激電極21、22の間の距離の好ましい範囲になる長さに設定する。
図15(c)に示すように、線状弾性部材33B(33C)の屈曲部33hB(33C)は、屈曲部33hAにおいて、刺激電極21、22を削除したものである。
このような構成により、各線状弾性部材33は、屈曲部33hおよびこれと径方向に対向する部位の非対称性を除けば、平面S1に関して面対称な形状を有している。すなわち、線状弾性部材33は、平面S1に関して一部は面対称ではないが、全体としては面対称に近い形状になっている。
本明細書では、面対称な形状と、一部分のみが面対称でなく全体としては面対称に近い形状とを合わせて、「略面対称」と称する。
このような構成の電極支持体部32は、各線状弾性部材33が、それぞれ屈曲部33hを備え、線状弾性部材33Aでは、屈曲部33hAに刺激電極21、22が設けられた点のみが、上記第1の実施形態の電極支持体部2と異なる。
このため、医療用電気刺激電極31は、基端側線状部20b、20d、先端側線状部20cをそれぞれ有する線状弾性部材33A、33B、33Cを回転対称に配置して、各先端側線状部20cにより伸縮可能な開口部LPが形成された籠状の電極支持体部32に刺激電極21、22を配置している。このため、上記第1の実施形態と同様に、血流を阻害しにくく、刺激電極21、22を血管の内壁に安定して押圧することができる。
また、特に、各線状弾性部材33には、各屈曲部20fとそれぞれ略径方向に対向する位置に、周方向に突出したU字状の屈曲部33hがそれぞれ設けられて、これにより、血管の内壁が押圧される。
このように、屈曲部33hを有することで、血管への押圧力が高くなる部位の線長が上記第1の実施形態に比べて増大するため、血管との接触面積が増えて、より安定した押圧、係止が可能となる。
また、屈曲部33hの近傍では、屈曲部33hのU字状の外形からなる片状の小領域に押圧力が集中しやすくなる点でも、より安定した押圧が可能になる。
また、刺激電極21、22は、4箇所の屈曲点を有する屈曲部33hAに設けられているため、電極支持体部32における軸方向の距離が、略第2部分h2の長さで規定される。このため、上記第1の実施形態のように屈曲点を1つしか有しない屈曲部20hAに設けられている場合に比べて、刺激電極21、22間の距離や相対位置の変化がより少なくなる。
このため、探索動作の動きや、刺激印加時の体動によって、電極支持体部32が変形しても、刺激電極21、22の相対位置が安定し、安定した電気刺激を発生させやすくなる。
また、本実施形態では、刺激電極21、22の長手方向が、電極支持体部32の軸方向に交差し、略周方向に沿って配列されている。このため、電極支持体部32を上大静脈P3に留置した際に、刺激電極21、22が迷走神経P6を横断しやすくなり、刺激位置に配置しやすくなる。
特に、刺激電極21、22が電極支持体部32の軸方向に沿って対向する位置関係に配置すれば、刺激電極21、22の両方が迷走神経P6を横断する幅が広くなり、電極支持体部32の周方向の回転に対する配置自由度が増大するためより好ましい。この場合、刺激電極21、22を刺激位置に配置することがより容易となる。また、電極支持体部32の周方向の位置ズレの余裕が増えて、より安定した電気刺激を行うことが可能になる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の医療用電気刺激電極について説明する。
図16は、本発明の第3の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。図17は、図16におけるK視の側面図である。図18(a)は、本発明の第3の実施形態の医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図である。図18(b)は、図18(a)におけるL視の側面図である。図18(c)は、図18(b)におけるM視図である。
図16、17に自然状態の形状を示す本実施形態の医療用電気刺激電極41は、血管内から神経を刺激するためのもので、上記第1の実施形態の電気刺激システム100の医療用電気刺激電極1に代えて用いることができる。
医療用電気刺激電極41は、上記第2の実施形態の電極支持体部32に代えて、電極支持体部42を備える。
以下、上記第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電極支持体部42は、上記第2の実施形態の電極支持体部32の線状弾性部材33A、33B、33Cに代えて、線状弾性部材43A、43B、43C(線状の弾性部材)を備える。
ここで、線状弾性部材43A、43B、43Cは、線状弾性部材43Aが、刺激電極21、22を備える点を除いて同様な形状を有する。このため、以下では、電極支持体部42に関しては、上記第1の実施形態と同様にして、同形状の部材、部位に「数字+英小文字」の符号を用いて適宜説明を省略し、互いに区別する必要がある場合には、添字A、B、Cを付して表す。添字A、B、Cの省略表記の規則は上記第1の実施形態と同様である。
線状弾性部材43A(43B、43C)は、図18(a)に単体の自然状態の形状を示すように、上記第2の実施形態における線状弾性部材33A(33B、33C)の屈曲部20fA(20fB、20fC)に代えて、屈曲部43fA(43hB、43hC)を備える。
屈曲部43fAは、図18(c)に示すように、基端側線状部20bAの先端部と、先端側線状部20cAの基端側領域c1の基端部との間において、平面S2に関して先端側線状部20cAと反対側に突出するU字状に形成された部位である。
本実施形態の屈曲部43fAは、第1部分f1(第3の線状部)、第2部分f2(中間線状部)、および第3部分f3(第4の線状部)を備える。
屈曲部43fAの外形は、径方向に対向する位置に設けられた屈曲部33hAと異なっていてもよいが、本実施形態では、平面S1に関して、屈曲部33hAと面対称な形状を採用している。
このため、本実施形態の各線状弾性部材43の外形は、いずれも、平面S1に関して面対称な形状を有しており、第1部分f1、第2部分f2、および第3部分f3は、それぞれ屈曲部33hAにおける第1部分h1、第2部分h2、および第3部分h3と同じ外形状を有する。
ただし、屈曲部43fAは、屈曲部33hAとは異なり、刺激電極21、22は設けられていない。
このような構成の電極支持体部42は、各線状弾性部材43が、上記第2の実施形態における各屈曲部33hに対して平面S1を挟んで、略径方向に対向する部位に、同様な形状の屈曲部43fをそれぞれ備える点のみが、上記第2の実施形態の電極支持体部32と異なる。
このため、医療用電気刺激電極41は、基端側線状部20b、20d、先端側線状部20cをそれぞれ有する線状弾性部材43A、43B、43Cを回転対称に配置して、各先端側線状部20cにより伸縮可能な開口部LPが形成された籠状の電極支持体部42に刺激電極21、22を配置している。このため、上記第1および第2の実施形態と同様に、血流を阻害しにくく、刺激電極21、22を血管の内壁に安定して押圧することができる。
また、特に、各線状弾性部材43には、各屈曲部33hと平面S1を挟んで略径方向に対向する位置に、周方向に突出したU字状の屈曲部43fがそれぞれ設けられて、これにより、血管の内壁が押圧される。
このため、屈曲部33hの径方向反対側でも、屈曲部43fにより、屈曲部33hと同様の作用が得られるため、より安定した押圧が可能になる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の医療用電気刺激電極について説明する。
図19は、本発明の第4の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。図20は、図19におけるN視の側面図である。図21(a)は、本発明の第4の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の血管内の変形の状態を示す模式図である。図21(b)は、図21(a)におけるQ視の側面図である。
図19、20に自然状態の形状を示す本実施形態の医療用電気刺激電極51は、血管内から神経を刺激するためのもので、上記第1の実施形態の電気刺激システム100の医療用電気刺激電極1に代えて用いることができる。
医療用電気刺激電極51は、上記第3の実施形態の電極支持体部42に代えて、電極支持体部52を備える。
以下、上記第1および第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電極支持体部52は、上記第3の実施形態の電極支持体部42の線状弾性部材43A、43B、43Cにおいて、屈曲部33hと他の線状弾性部材43の屈曲部43fとを、第2部分h2、f2において固定した点のみが異なる。
すなわち、屈曲部33hAの第2部分h2と、屈曲部43fBの第2部分f2とが、弾性部材固定部54によって固定され、屈曲部33hBの第2部分h2と、屈曲部43fCの第2部分f2とが、弾性部材固定部54によって固定され、屈曲部33hCの第2部分h2と、屈曲部43fAの第2部分f2とが、弾性部材固定部54によって固定されている。
各弾性部材固定部54は、各線状弾性部材43の外部被覆26同士を融着、溶着したり、接着剤などによって接着したりすることで形成することができる。
なお、各弾性部材固定部54は、各第2部分h2、f2の全長にわたって設けてもよいし、長手方向に離間した複数の点状に設けてもよい。
このような構成の電極支持体部52は、各屈曲部33h、43fが各弾性部材固定部54によって固定されることにより、自然状態において最外周に、径方向外側から見てH字状の押圧部55が形成されている。
例えば、図19に示すように、屈曲部33hAと屈曲部43fBとで形成された押圧部55は、基端側では、基端側線状部20dA、20bBの2つの線状部によって弾性的に支持されており、先端側では、先端側線状部20cA、20cBの2つの線状部に接続されている。
また、図20に示すように、自然状態における開口部LPは、各押圧部55よりも径方向内側に形成されている。
図21(a)、(b)に示すように、電極支持体部52を上大静脈P3に挿入すると、まず、各押圧部55が内壁V1に当接して径方向内側に押圧される。これにより、各先端側線状部20cの端部が接続された押圧部55の周方向の距離が狭まることにより、それぞれの頂部20gの部位で屈曲する変形が起こる。これにより、各頂部20gが径方向外側に移動して、内壁V1に当接し、各頂部20gも内壁V1を押圧する。
例えば、屈曲部33hAと屈曲部43fBとで形成された押圧部55と、頂部20gCの近傍の先端側線状部20cBとは、電極支持体部52の周方向において略同位置であって、軸方向に離間した位置で内壁V1と当接する。他の部位においては、これと3回回転対称な形状に変形している。
このため、自然状態とは異なり、開口部LP’は、内壁V1と略整列した領域に形成される。
ここで、各押圧部55に作用する押圧力について考察する。
このように変形した状態の電極支持体部52においては、弾性部材固定部54で固定された2つの線状弾性部材20の押圧部55と、他の線状弾性部材20の頂部20gとが、軸方向に離間してなる2つの主要な当接部が、周方向に120°離れて、3組形成されている。これにより、内壁V1を3方向に均等に押圧している。
例えば、屈曲部33hAと屈曲部43fBとで形成された押圧部55は、基端側に延びて、先端部3bと接続された基端側線状部20bA、20dBの2つの線状部によって弾性支持されている。また、この押圧部55は、先端側に延びる先端側線状部20cA、20cBの2つの線状部がそれぞれ頂部20gA、20gBで内壁V1に当接されることによって弾性支持されている。
このように、押圧部55は、当接する内壁V1と反対側の内壁V1と先端部3bとに支持された2つの湾曲した線状部の中間部に位置しており、このような一対の線状部の弾性復元力によって内壁V1を押圧している。
このため、第3の実施形態のように、各屈曲部33h、43fがそれぞれ1つの湾曲した線状部の弾性復元力によって押圧されているのとは異なり、一対の線状部の弾性復元力によって押圧されている。言い換えれば、第3の実施形態では、押圧力が周方向の6箇所に分散されているのに対して、本実施形態では、周方向の3箇所に集約されているため、より強固に押圧することができる。
これにより、刺激電極21、22をより確実に安定して内壁V1に押圧することができる。
また、各押圧部55は、屈曲部33h、43fからなるため、上記第3の実施形態のように、屈曲部33h単独、屈曲部43f単独で押圧する場合に比べて、H字状をなす押圧部55の押圧範囲が広く、かつ1箇所当たりの内壁V1との接触長さも増える。この点でも、より安定して押圧することができ、固定位置を安定させることができる。
このように、電極支持体部52によれば、屈曲部33h、43fが弾性部材固定部54によって固定されて押圧部55が形成され、押圧部55の一つに刺激電極21、22が設けられている点のみが、上記第3の実施形態の電極支持体部42と異なる。
このため、医療用電気刺激電極51は、上記第3の実施形態と同様に、血流を阻害しにくく、刺激電極21、22を血管の内壁に安定して押圧することができる。
特に、押圧部55が形成されることで、血管内に挿入する際に、主要な押圧部位が、血管内壁を周方向に3等分する3箇所に形成されているため、より安定した押圧が可能となる。このため、留置位置をより安定させることができるとともに、より安定した電気刺激を行うことができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態の医療用電気刺激電極について説明する。
図22は、本発明の第5の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。図23は、図22におけるR視の側面図である。
図22、23に自然状態の形状を示す本実施形態の医療用電気刺激電極61は、血管内から神経を刺激するためのもので、上記第1の実施形態の電気刺激システム100の医療用電気刺激電極1に代えて用いることができる。
医療用電気刺激電極61は、上記第3の実施形態の電極支持体部42に代えて、電極支持体部62を備える。
以下、上記第1および第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電極支持体部62は、上記第3の実施形態の電極支持体部42の線状弾性部材43A、43B、43Cにおいて、基端側線状部20bと他の線状弾性部材43の基端側線状部20dとを、基端側で固定した点のみが異なる。
すなわち、基端側線状部20dA、20bC、基端側線状部20bA、20dB、および基端側線状部20dC、20bBの基端側の部位が、弾性部材固定部64によって固定されている。
弾性部材固定部64の位置、長さは、変形時の押圧力のバランスを考慮して適宜設定することができる。
本実施形態では、一例として、各基端側線状部20b、20dにおいて、先端部3b側から2/3までの範囲を固定している。
各弾性部材固定部64は、各線状弾性部材43の外部被覆26同士を融着、溶着したり、接着剤などによって接着したりすることで形成することができる。
なお、弾性部材固定部64は、基端側線状部20b、20dの長手方向に途切れることなく設けてもよいが、長手方向に離間した複数の点状に設けてもよい。
このような構成の電極支持体部62は、基端側線状部20bと他の線状弾性部材43の基端側線状部20dとを基端側で固定している。このため、互いに固定された基端側線状部20b、20dに接続する屈曲部33h、43fの一体性が、上記第3の実施形態に比べると増大するため、より押圧力が向上される。また、屈曲部33h、43fが互いに固定された状態に近くなるため、上記第4の実施形態の作用に近い作用が得られる。
また、図23に示すように、中心軸線Oに沿う方向から見ると、先端部3bから径方向外側に放射状に延びる各基端側線状部20b、20dの基端側が、2つずつ束ねられて、3組の線状部が放射状に延びている。
このため、線状部の間の周方向の隙間が広くなるため、血流がより阻害されにくくなる。
このように、医療用電気刺激電極61によれば、電極支持体部62を備えるため、上記第3の実施形態と同様に、血流を阻害しにくく、刺激電極21、22を血管の内壁に安定して押圧することができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態の医療用電気刺激電極について説明する。
図24は、本発明の第6の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の構成を示す模式的な正面図である。図25は、図24におけるS視の側面図である。図26(a)は、本発明の第6の実施形態の医療用電気刺激電極の電極支持体部の血管内の変形の状態を示す模式図である。図26(b)は、図26(a)におけるT視の側面図である。
図24、25に自然状態の形状を示す本実施形態の医療用電気刺激電極71は、血管内から神経を刺激するためのもので、上記第1の実施形態の電気刺激システム100の医療用電気刺激電極1に代えて用いることができる。
医療用電気刺激電極71は、上記第5の実施形態の電極支持体部62に代えて、電極支持体部72を備える。
以下、上記第1および第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。
電極支持体部72は、上記第5の実施形態の電極支持体部62の点X1、X2、X3において、互いに交差する先端側線状部20cを固定する弾性部材固定部74を設けた点のみが異なる。
このため、図23に示すように、各弾性部材固定部74よりも先端側には、先端側線状部20cA、20cB、20cCの先端側部分で構成される開口部LPが形成されている。
各弾性部材固定部74は、各線状弾性部材43の外部被覆26同士を融着、溶着したり、接着剤などによって接着したりすることで形成することができる。
弾性部材固定部74、64は、電極支持体部72の対称性から、中心軸線Oを含み互いに120°で交差する平面上に一組ずつ整列している。
各弾性部材固定部74、64の間には、先端側線状部20cの基端側部分と、屈曲部33h、43fと、基端側線状部20b、20dの先端側部分とで構成される押圧部75が形成されている。
押圧部75は、径方向外側から径方向に見ると、8つの屈曲点と、弾性部材固定部74、64による2つの固定点の間に線状部が延びる十角形形状を有する閉ループ状に形成されている。
図24に示すように、例えば、線状弾性部材43A、43Cによって形成された押圧部75は、先端側線状部20cAの基端側部分と、屈曲部33hAと、基端側線状部20dAの先端側部分とで構成される折れ線部が、周方向の一方に突出されている。
また、先端側線状部20cCの基端側部分と、屈曲部43fBと、基端側線状部20bCの先端側部分とで構成される折れ線部が、周方向の他方に突出されている。
このうち、屈曲部33hA、43fBは、第1部分h1、f1、第3部分h3、f3が、電極支持体部72の周方向に略沿って延ばされ、第2部分h2、f2が、周方向に離間するとともに、軸方向に略平行に延ばされている。
このため、図25に示すように、屈曲部33hA、43fBは、電極支持体部72の最外周に配置されており、血管内に挿入したときに、血管の内壁に確実に当接する部位になっている。
他の押圧部75は、線状弾性部材43B、43Aと、線状弾性部材43C、43Bと、によってそれぞれ同様な形状に形成されている。
このため、電極支持体部72の外形は、中心軸線Oを回転対称軸として、3回回転対称となる形状を有している。
また、自然状態における開口部LPは、各押圧部75における屈曲部33h、43fよりも径方向内側に形成されている。
図26(a)、(b)に示すように、電極支持体部72を上大静脈P3に挿入すると、まず、各押圧部75が、主に屈曲部33h、43fの部位において内壁V1に当接して径方向内側に押圧される。これにより、各弾性部材固定部74を介して、開口部LPが径方向内側に圧縮され、開口LP’(図26(b)参照)のように変形することで、内壁V1の内径に応じて各先端側線状部20cの先端側が屈曲し、径方向外方に延びる。これにより、各先端側線状部20cの各頂部20gが、内壁V1に近接または当接し、当接する場合には各頂部20gも内壁V1を押圧する。
なお、図26(a)、(b)では、T視の図示を見やすくするため、内壁V1がやや大径の場合に対応して、各頂部20gがわずかに内壁V1から離れている状態を図示している。
ただし、本実施形態の開口部LPは、弾性部材固定部74によって固定されることにより線長が一定の閉ループ状になっており、径方向に伸縮可能なリング状のばね部材になっている。このため、図示のように、各頂部20gが内壁V1に当接していない状態でも、変形による弾性復元力による反作用が弾性部材固定部74に加わり、押圧部75を径方向外側に付勢している。内壁V1に対する各頂部20gの距離は、各弾性部材固定部74を設ける交差位置を適宜設定して、ばね部材としての剛性を調整することで適宜変更することができる。
このような構成により、各押圧部75は、電極支持体部72における軸方向の先端および基端がそれぞれ2つの線状部によって弾性支持された状態になっており、上記第4の実施形態の押圧部55と同様に、内壁V1を3方向に均等に押圧している。
このように、電極支持体部72では、押圧部75が周方向の3箇所に集約されているため、より強固に押圧することができる。
これにより、刺激電極21、22をより確実に安定して内壁V1に押圧することができる。
また、各押圧部75は、主に屈曲部33h、43fからなるため、それぞれのU字形の開口部同士が互いに対向した帯状の領域で内壁V1が押圧されるため、上記第3の実施形態のように、屈曲部33h単独、屈曲部43f単独で押圧する場合に比べて、押圧範囲が広く、かつ1箇所当たりの内壁V1との接触長さも増える。この点でも、より安定して押圧することができ、固定位置を安定させることができる。
このように、電極支持体部72によれば、隣り合う先端側線状部20cが交差位置で弾性部材固定部74によって固定されて押圧部75が形成され、押圧部75の一つに刺激電極21、22が設けられている点のみが、上記第5の実施形態の電極支持体部62と異なる。
このため、医療用電気刺激電極71は、開口部LP’が内壁V1に近接もしくは当接しているため、上記第5の実施形態と同様に、血流を阻害しにくく、刺激電極21、22を血管の内壁に安定して押圧することができる。
特に、押圧部75が形成されることで、血管内に挿入する際に、主要な押圧部位が、血管内壁を周方向に3等分する3箇所に形成されているため、より安定した押圧が可能となる。このため、留置位置をより安定させることができるとともに、より安定した電気刺激を行うことができる。
なお、上記各実施形態の説明では、線状の弾性部材が3つの組み合わせからなる場合の例で説明したが、線状の弾性部材を4つ以上組み合わせて4回回転対称以上の形状に構成することも可能である。
上記各実施形態の説明では、一例として、刺激電極部が、1つの弾性部材に一対のみ設けられている場合の例で説明したが、刺激電極部の個数は、二対以上であってもよく、他の線状の弾性部材にも刺激電極部を設けることが可能である。
上記各実施形態、および各変形例の説明では、刺激電極部が、上大静脈に配置されて迷走神経を刺激する場合の例で説明したが、これは一例であり、刺激電極部は迷走神経以外の神経を刺激するものであってもよい。また、この場合、刺激電極部は、刺激を行う神経に刺激を伝達できる適宜の血管内に配置することが可能である。
また、上記に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり、削除したりして実施することができる。
例えば、上記第2の実施形態のように、刺激電極21、22を屈曲部33hAに設けると、刺激電極21、22の長軸方向(長手方向)と迷走神経の走行方向が交差するため、電極支持体部2の周方向の回転移動に対して安定に刺激可能となるため好ましいが、各屈曲部33hに代えて、上記第3の実施形態の各屈曲部43fを備え、屈曲部43fAに刺激電極21、22を設けることも可能である。
1、31、41、51、61、71 医療用電気刺激電極
2、32、42、52、62、72 電極支持体部
3 リード部
3a リードチューブ
3b 先端部(リード部の端部)
3d 配線部
8 電気刺激装置
20、20A、20B、20C、33、33A、33B、33C、43、43A、43B、43C 線状弾性部材(線状の弾性部材)
20a、20aA、20aB、20aC、20e、20eA、20eB、20eC 連結端部
20b、20bA、20bB、20bC、20d、20dA、20dB、20dC 基端側線状部(第1の線状部)
20c、20cA、20cB、20cC 先端側線状部(第2の線状部)
20f、20fA、20fB、20fC、20h、20hA、20hB、20hC、33h、33hA、33hB、33hC、43f、43fA、43hB、43hC 屈曲部
20g、20gA、20gB、20gC 頂部
21、22 刺激電極(刺激電極部、電極)
23 ワイヤ部
23a ワイヤ本体
25 配線
26 外部被覆
26a 開口
27 集束部
54、64、74 弾性部材固定部
55、75 押圧部
100 電気刺激システム
b1、d1、c1、c3 基端側領域
b2、d2 先端側領域
f1、h1 第1部分(第3の軸状部)
f2、h2 第2部分(中間軸状部)
f3、h3 第3部分(第4の軸状部)
LP、LP’、LP’’、LP’’’ 開口部
O 中心軸線
O1 第1軸線
O2 第2軸線
O3 第3軸線
P 患者
P2 右外頚静脈(血管)
P3 上大静脈(血管)
P6 迷走神経(神経)
S1 平面(第1の平面)
S2 平面(第2の平面)
S3 平面
V1、V2、V3 内壁

Claims (7)

  1. 血管内から神経を刺激するための医療用電気刺激電極であって、
    血管の内壁を通して電気刺激を与えるための刺激電極部と、
    該刺激電極部に電気的に接続された配線を挿通する線状のリード部と、
    該リード部の端部に配置され、3以上の線状の弾性部材を組み合わせることにより、前記リード部の端部からその中心軸線に沿って前方に進むにつれて漸次拡径してから略一定の外径に収束する弾性変形可能な籠状に形成され、前記外径は前記血管の内径よりも大きく、前記血管内において前記中心軸線に関する径方向内側に弾性変形することで生じる押圧力によって前記血管の前記内壁を押圧する電極支持体部と、
    を備え、
    前記弾性部材は、単体の自然状態において、
    前記リード部の端部と連結する一対の連結端部を有し、該連結端部のそれぞれから延びて、第1の平面に関して略面対称なループ形状に形成され、
    前記第1の平面に直交する第2の平面において、前記第1の平面を挟んで対向する第1の線状部と、
    前記第2の平面の側方に張り出す凸状に湾曲した第2の線状部と、
    前記第1の線状部の端部と前記第2の線状部の端部とを連結する屈曲部と、
    を有し、
    前記電極支持体部は、組立状態の自然状態において、
    前記中心軸線回りに回転対称となるように配置されるとともに、前記第2の線状部が、隣接する他の第2の線状部と交差することにより、
    前記第2の線状部の頂部が前記中心軸線の同心円上に整列するとともに、前記第2の線状部によって前記中心軸線を中心とする伸縮可能な閉ループ状の開口部が形成され
    前記刺激電極部は、前記電極支持体部のうち、前記屈曲部または前記屈曲部の周辺であって、かつ前記血管の前記内壁に接触可能な位置に、前記中心軸線に関して径方向外側に向いて配置された、医療用電気刺激電極。
  2. 前記刺激電極部は、
    対をなす電極が、前記屈曲部の1つにおいて屈曲された部位を間に挟んで配置されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の医療用電気刺激電極。
  3. 前記屈曲部は、
    前記第1の線状部の端部から前記第2の線状部の張り出し方向と反対側に張り出す第3の線状部と、
    前記第2の線状部の端部から、該第2の線状部の張り出し方向と反対側に張り出す第4の線状部と、
    前記第3の線状部および前記第4の線状部を接続する中間線状部と、
    を備えるU字状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の医療用電気刺激電極。
  4. 前記刺激電極部は、
    対をなす電極が、前記屈曲部の1つにおいて、前記第3の線状部と、前記第4の線状部に1つずつ配置されている
    ことを特徴とする、請求項3に記載の医療用電気刺激電極。
  5. 前記弾性部材は、
    他の前記弾性部材と、互いの前記中間線状部において固定されている
    ことを特徴とする、請求項3または4に記載の医療用電気刺激電極。
  6. 前記弾性部材は、
    他の前記弾性部材と、互いの前記第1の線状部の少なくとも一部において固定されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用電気刺激電極。
  7. 前記弾性部材は、
    他の前記弾性部材と、互いの前記第2の線状部が交差する位置において固定されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用電気刺激電極。
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