JP2017158622A - 蓄積一括事後処理による3次元体積ドプライメージング装置、3次元体積ドプライメージング方法、およびプログラム - Google Patents

蓄積一括事後処理による3次元体積ドプライメージング装置、3次元体積ドプライメージング方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被検体内を容易に観察することができる超音波観察装置を提供する。
【解決手段】被検体に照射された超音波に対する反射波のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報である1以上の分布情報が格納される格納部104と、分布情報を用いて、1以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である変換分布情報を取得する取得部105と、取得部105が取得した変換分布情報に応じた出力を行なう出力部107とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて反射波のドプラ成分により被検体内を観察するための情報等を取得する装置等に関するものである。例えば、本発明は、ドプラ血流像観測装置に関し、特に体積的な対象物の一括観測において撮像時に試行錯誤する過程を捨象した該装置に関するものである。
従来の技術として、例えば、医用超音波装置、特にBモードおよびTMモード等の断属写真撮影装置において、運動物体(または反射源)の位置および強度を観測表示すると共に、該運動物体の有する視線速度成分に関する情報をその方向性をも含めて表示する運動物体検出表示装置であって、エコー像を表示しつつ該表示像の表示色を変更することにより、視線速度成分の存在を表示すると共に、その方向、速度等も表示しうるものが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の技術として、超音波パルスビームを一定の繰返し周波数で生体内に送信し反射波を受信増幅して表示する超音波診断装置が知られていた(例えば、特許文献2参照)。
特公昭57−003372号公報(第1頁、第1図等) 特公昭62−044494号公報(第1頁、第1図等)
しかしながら、従来の技術においては、被検体内を容易に観察することができない、という課題があった。
例えば、従来においては、いわゆるカラードプラつきの断層写真装置で観測面をずらしながら、観察対象物を探していたため、施術者の時間と手数の点で実際的ないし実用的でない場合が多々起こりえていた。また、例えば、中小血行系が主役となる領域(例えば骨盤腔、骨格筋組織、大寸法実質臓器など)等の観察においては、その血行分布を一括して一望のもとに観察することが容易ではなかった。
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、超音波のドプラ成分を利用した観察において、被検体内を容易に観察することができる超音波観察装置等を提供することを目的とする。
本発明の超音波観察装置は、被検体に照射された超音波に対する反射波のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報である1以上の分布情報が格納される格納部と、分布情報を用いて、1以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である変換分布情報を取得する取得部と、取得部が取得した変換分布情報に応じた出力を行なう出力部とを備えた超音波観察装置である。
かかる構成により、格納された分布情報を用いて事後的に、異なる平面についての変換分布情報を取得して出力することができ、分布情報を取得する際の操作等に依存することなく、被検体内を容易に観察することができる。また、分布情報を取得した直後に出力(例えば、表示)するいわゆるリアルタイムの観測等では、一の時点で取得された分布情報について一の平面(例えば、焦点面)からみた場合の観察画像しか出力できないため、さまざまな位置から観察するためには、非常に時間がかかるが、本発明においては、一旦格納された分布情報に対して、事後処理として、異なる焦点面から見た複数の変換分布情報を、適宜、あるいはまとめて取得して出力することにより、観察対象等をさまざまな位置から観察することができ、被検体内を容易に観察することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、格納部には、連続して取得された複数の分布情報が格納されており、取得部が変換分布情報を取得するために用いる分布情報を指定する情報である指定情報を受け付ける指定受付部を更に備え、取得部は、指定情報が示す分布情報について変換分布情報を取得する超音波観察装置である。
かかる構成により、連続して取得された分布情報を用いて事後的に、異なる平面についての変換分布情報を取得して出力することができ、被検体内を容易に観察することができる。また、観察に適した分布情報を適宜指定して観察することが可能となる。例えば、血行系のドプラ信号は心拍周期に同期した拍動性があり、1つの観測断面に関してそこに血行系のドプラ信号ないしドプライメージが含まれるかどうかは目視観測ないし聴診観測においては少なくとも2、3拍分の時間をかけて観測せねばならないため、適切な位置から観察する場合には、更に時間や手数がかかっていたが、本発明においては、事後的に適切な時点に取得された分布情報を指定して、変換分布情報を取得することができるため、適切な時点において、適切な位置からみた変換分布情報を取得することができるため、被検体内を容易に観察を行なうことができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、所望の平面を特定するための特定情報を受け付ける受付部を更に備え、取得部は、特定情報を用いて変換分布情報を取得する超音波観察装置である。
かかる構成により、事後的に所望の平面について変換分布情報を取得することができ、容易に観察することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、複数の所望の平面を特定するための複数の特定情報を順次受け付ける受付部と、を更に備え、取得部は、受付部が特定情報を受け付ける毎に、受け付けた特定情報を用いて指定情報が示す分布情報について変換分布情報を取得する超音波観察装置である。
かかる構成により、一の分布情報に対して、事後的に、複数の平面についてそれぞれ変換分布情報を取得することができ、複数の位置から容易に観察することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、取得部は、分布情報に対してフレネル変換を行なって変換分布情報を取得する超音波観察装置である。
かかる構成により、事後的に所望の平面についての変換分布情報を取得することができ、被検体内を容易に観察することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、フレネル変換は、平面波球面波変換を行なうための位相分布を用いて行なわれる超音波観察装置である。
かかる構成により、事後的に所望の平面についての変換分布情報を取得することができ、被検体内を容易に観察することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、取得部は、格納部に格納された分布情報について、チャンネル毎に予め決められた条件を満たすか否かを判断し、条件を満たす場合に、分布情報の条件を満たすと判断されたチャンネルにより取得された情報を、変換分布情報を取得する際に用いないようにする超音波観察装置である。
かかる構成により、分布情報の、品質の基準を満たさないチャンネルの情報を、変換分布情報を取得する際に用いないようにすることができ、品質のよい変換分布情報を取得することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、予め決められた条件は、(a)他のチャンネルと比べて信号レベルが閾値以上異なる、(b)他のチャンネルと比べて信号対雑音比が閾値以上小さい、(c)観測される信号の周期性が他のチャンネルの信号の周期性に対して、閾値以上異なる、(d)観測される信号の周波数成分または周波数成分の分布が他のチャンネルと比べて閾値以上異なる、(e)予め決められた干渉成分ないし妨害成分が観測される、および(f)予め決められた好ましくない成分の混入が認められる、のうちの、予め決められたいずれか1つまたは2以上の組合せである超音波観察装置である。
かかる構成により、分布情報の、品質の基準を満たさないチャンネルの情報を、変換分布情報を取得する際に用いないようにすることができ、品質のよい変換分布情報を取得することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、連続して取得された複数の分布情報は、心拍2周期以上の期間内において連続して取得された複数の分布情報である超音波観察装置である。
かかる構成により、取得した複数の分布情報に、ドプラ成分を有する分布情報が含まれるようにして、ドプラ成分を有する分布情報を用いて観察に適した変換分布情報を取得するできるようにすることができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、連続して取得された複数の分布情報は、心拍のタイミングを示す時刻に対して予め決められた時間だけ異なる時刻において取得された分布情報である超音波観察装置である。
かかる構成により、取得した分布情報が、ドプラ成分を有する分布情報として、ドプラ成分を有する分布情報を用いて観察に適した変換分布情報を取得することができる。
また、本発明の超音波観察装置は、前記超音波観察装置において、被検体に超音波を照射する照射部と、超音波の、被検体からの反射波が入射される二次元受波器アレイと、二次元受波器アレイを構成する各受波器が取得した受波信号からドプラ成分を示す信号であるドプラ信号を取得し、ドプラ信号を用いて分布情報を取得して格納部に蓄積するドプラ受信器アレイとを更に備えた記載の超音波観察装置である。
かかる構成により、被検体から超音波を用いて取得した分布情報を用いて、事後的に適切な観察を行なうことができる。
本発明による超音波観察装置等によれば、被検体内を容易に観察することができる。
本発明の実施の形態における超音波観察装置の一例を示すブロック図 同超音波観察装置における複数の分布情報を説明するための模式図 同超音波観察装置における変換分布情報を取得する処理の一例を説明するための模式図 同超音波観察装置の動作を説明するためのフローチャート 同超音波観察装置の分布情報の取得タイミングを説明するための模式図 同コンピュータシステムの外観の一例を示す図 同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
以下、超音波観察装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態)
本実施の形態は、例えば、従来のような逐次観測による2次元画像の積み上げによる3次元的観測を行なうようにする代わりに、観測したい体積に対し超音波を一括照射し、この体積から一括してエコーを募り、その受波信号中から一括事後分析によりドプラ成分の所在の確認、その同定、および必要な数値的観測等を行えるようにしたものである。本実施の形態の特徴とするところは、例えば、体積一括観測を事前の先入観的な準備なしにいきなり行う点である。また、例えば、このようにして一括採集されたエコーデータ群から事後発見的に推定される心拍周期と、該周期に対応する周期性を持つドプラ成分と、而してその成すドプラ画像とを計算処理により探し出す点である。また、例えば、そのデータ採取の時間長を大略2心拍程度ないしそれ以上とすることにある。
図1は、本実施の形態における超音波観察装置1のブロック図である。
超音波観察装置1は、照射部101、二次元受波器アレイ102、ドプラ受信器アレイ103、格納部104、取得部105、受付部106、指定受付部107、出力部108、テンプレート発生部109を備える。ここでは、一例として、照射部101と二次元受波器アレイ102とがケース110内に設置されている場合について説明する。
ケース110の材質や形状等は問わない。ケース110は、例えば、等音声の箔壁で構成されている。ケース110は、例えば、透音性の液体(例えば、水、鉱油、グリセリン水和物など)を満たした液室構造体である。ただし、ケース110は、中まで透音性のプラスチックを有する、いわゆるソリッドな構造体であってもよい。
照射部101は、被検体10に超音波を照射する。照射部101は、例えば、送波振動子や送波器で実現される。送波振動子は、照射振動子とも呼ばれる。照射部101が照射する超音波1011は、例えば、平面波、円筒面波または球面波である。超音波1011は、例えば、連続波である。ただし、超音波1011は、パルスであってもよい。照射部101が照射する超音波は、例えば、予め決められたレベルの超音波や、ユーザにより指定されたレベルの超音波である。レベルは、例えば、強度である。本実施の形態の超音波観察装置1の典型例について説明すると、観測超音波周波数は2MHzないし3MHzであり、目的領域の関心部位における照射密度は、例えば、2mW/cmないし10mW/cm程度である。ただし、照射部101が照射する超音波の周波数は問わない。例えば、照射部101は、通常の超音波エコーに利用される周波数の超音波を照射する。なお、図1において、超音波1011の矢印は、超音波の進行方向を示す。
被検体10は、例えば、検査対象である。被検体10は、例えば、人体や動物等の生体である。照射部101は、例えば、被検体10内の観察対象部位9に対して超音波を照射する。観察対象部位9は、観察対象の部位と考えてもよい。観察対象部位9は、通常、生体の内部の部位であり、例えば、生体の表面から観察できない、あるいは観察が困難な部位である。観察対象部位9は、例えば、中径ないし細径の血行群である。
なお、図1には図示していないが、例えば、高周波発信器および電力増幅器が、超音波観察装置1の外部に配置され、照射部101に対して、超音波を照射するために用いられる高周波信号を供給する。なお、高周波発振器や電力増幅器も超音波観察装置1の一部と考えてもよい。高周波発信器、および電力増幅器については、公知技術であるため、ここでは説明を省略する。
例えば、図1に示すようなケース110の照射部101が照射する超音波1011が出射される面を、被検体10に当接させた状態で、照射部101から超音波1011を照射させることで、被検体10内部の観察対象部位9に対して、超音波を照射させることが可能である。なお、ケース110の、少なくとも被検体10に当接される部分は、超音波の透過性が高い材質や構造を有していることが好ましい。
二次元受波器アレイ102には、照射部101が照射した超音波の、被検体10からの反射波1012が入射される。二次元受波器アレイ102には、例えば、被検体10内の観察対象部位9による反射波1012が入射される。二次元受波器アレイ102は、反射波1012が入射される入射面を有している。この二次元受波器アレイ102の入射面に、反射波1012が結像されるといえることから、二次元受波器アレイ102の反射波1012が入射される面は、焦点面と考えてもよい。なお、超音波観察装置1が、焦点距離を調節するための音響レンズ等を有していても良い。
二次元受波器アレイ102は、通常、反射波1012が入射される位置に配置されている。反射波1012は、例えば、ケース110の被検体10に当接される部分からケース110内に入射され、二次元受波器アレイ102に入射される。なお、図1において、反射波1012の矢印は、反射波1012の進行方向を示す。
二次元受波器アレイ102は、入射された反射波1012を受波する。二次元受波器アレイ102は、複数の受波器1021を有している。二次元受波器アレイ102が有する複数の受波器1021は、例えば、二次元方向に配列されている。二次元受波器アレイ102の反射波1012が入射される面には、例えば、複数の受波器1021の反射波が入射される面が二次元方向に配列されている。二次元受波器アレイ102を構成する複数の受波器1021は、例えば、それぞれ、受波した反射波(超音波)の強度に応じた信号である受波信号を取得する。強度に応じた信号は、例えば、強度に応じた電流や電圧のレベルの信号である。受波器1021は、二次元受波器アレイ102のエレメントと考えてもよい。二次元受波器アレイ102は、例えば、受波振動子アレイ、焦点面アレイ、フォーカルプレンアレイ等であってもよい。二次元受波器アレイ102は、例えば、受波面が口径約32mmの円形、または約32×32mmの正方形を成し、その各々を構成するエレメントである受波器1021は、例えば、受波面が約2×2mmの寸法である。二次元受波器アレイ102は、例えば、全体として総数16×16=256の受波器1021で構成される。もしくは、端部を切り捨てて円形に近似するならば、二次元受波器アレイ102は、そのπ/4倍の200エレメントで構成される。ただし、これは一例であり、二次元受波器アレイ102の形状や、サイズ、アレイを構成する受波器1021数等は問わない。
二次元受波器アレイ102は、異なる時期に入射された反射波1012を受波して、異なる時期毎に受波信号を取得しても良い。二次元受波器アレイ102は、例えば、連続的に入射された反射波1012を受波して、連続的に受波信号を取得しても良い。
なお、二次元受波器アレイ102や、受波器1021については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ドプラ受信器アレイ103は、二次元受波器アレイ102を構成する各受波器1021が取得した受波信号からドプラ信号を取得する。ドプラ信号は、ドプラ成分を示す信号である。ドプラ成分は、例えば、ドプラシフト成分である。例えば、ドプラ受信器アレイ103は、複数のドプラ受信器1031を有しており、各ドプラ受信器1031が、それぞれに対応する各受波器1021が取得した受波信号からドプラ信号を取得する。
ドプラ受信器アレイ103が有する複数の各ドプラ受信器1031は、例えば、二次元受波器アレイ102を構成する各受波器1021とそれぞれ、図示しない配線等により接続され、各ドプラ受信器1031は、各受波器1021から出力される受波信号からドプラ信号を取得する。ドプラ受信器アレイ103が有する複数のドプラ受信器1031のそれぞれは、ドプラ受信器アレイ103のエレメントと考えてもよい。ドプラ信号を取得するということは、ドプラ信号のレベルを示す情報(例えば、値)を取得することと考えてもよい。ドプラ信号のレベルは、例えば、ドプラ信号の強度であり、例えば、電流値や電圧値である。ドプラ受信器1031が、例えば、ドプラセンサである場合、ドプラ信号は、このドプラセンサが出力する信号のレベルや、信号の値であってもよい。ドプラ受信器アレイ103が取得するドプラ信号は、ドプラ信号を予め決められたルール等に応じて変換して得られる信号や、この信号のレベルを示す値等の情報であってもよい。
各ドプラ受信器1031は、例えば、各受波器1021が取得した受波信号を入力とする低雑音アンプ10311と、直交検波器10212と、ドプラフィルタ10213とを備えている。また、ドプラ受信器アレイ103は、複数の受波器1021が有するドプラフィルタ10213の出力をA/D変換するA/D変換器1021を備えている。このドプラ受信器アレイ103の構成は伝統的な思考に従い、受波信号をエレメント毎に直交検波しフィルタしてベースバンドに落として保存するという構成であるが、等価な物が受波超音波信号(高周波信号)をそのまま必要十分な程度の密度でサンプリングないしA/D変換して記憶し、いくつかの初期フィルタの手続きまで含めて必要な処理は全部ディジタル的にサンプル点列信号処理の形で実行することでも実現できる。
なお、記憶された信号データの観点からはかかるベースバンド方式(BB,baseband sampling system)、高周波方式(RF,RF sampling system)、さらには一旦扱いやすい中間周波数信号にヘテロダイン変換して扱う中間周波数方式(IF,IF sampling system)、等の違いはサンプル点列データの並び方(並べ方)の定義ないし解釈の問題でしかないことは、信号処理学としは自明である。このため、本願においては、上記の記述を、どのようなハードウエアで、またどのようなサンプル点列信号処理で実現してもよい。また、本実施の形態の超音波観察装置1がRFシステムであるか、IFシステムであるか、BBシステムであるか等は問わない。
ドプラ受信器アレイ103は、上記のように取得したドプラ信号を用いて、ドプラ成分に関する二次元分布を示す情報(以下、分布情報と称す)を取得し、格納部104に蓄積する。分布情報は、例えば、上述した二次元受波器アレイ102の焦点面における分布情報と考えてもよい。分布情報は、例えば、ドプラ信号のレベルの分布を示す情報である。ドプラ信号のレベルの分布は、例えば、ドプラ信号のレベルを示す値の分布である。分布情報は、例えば、上述したような各ドプラ受信器1031が取得したドプラ信号のレベルを示す情報(例えば、レベルの値)、あるいは、この情報に対して予め決められた変換や演算等を行なって取得された情報を、各ドプラ受信器1031のドプラ受信器アレイ103内における二次元配置と対応付けて分布させた情報である。ドプラ信号のレベルを示す情報等を二次元配置と対応付けて分布させた情報とは、例えば、各ドプラ受信器1031が取得したドプラ信号のレベルを示す情報等を、ドプラ受信器1031の二次元配置に対応する座標や、配列順を示す情報等と対応付けた情報である。あるいは、ドプラ信号のレベルを示す情報等を二次元配置と対応付けて分布させた情報は、例えば、ドプラ信号のレベルを示す情報を、ドプラ受信器1031の配置に対応する画素の画素値として有する二次元の画像情報であってもよい。なお、ドプラ受信器アレイ103は、複数の受信器1031以外に、この複数の受信器103が取得したドプラ信号等に対して、予め指定された処理等を行なう手段等を有していてもよい。ドプラ受信器アレイ103は、例えば、ドプラ信号等に対して、適宜、A/D変換等を行なうようにしてもよい。
ドプラ受信器アレイ103は、例えば、上記のように二次元受波器アレイ102が異なる時期にそれぞれ取得した受波信号毎に分布情報を取得して、格納部104に蓄積してもよい。ドプラ受信器アレイ103は、例えば、上記のように二次元受波器アレイ102が連続的に取得した受波信号毎に分布情報を取得して、格納部104に蓄積してもよい。ドプラ受信器アレイ103は、例えば、二次元受波器アレイ102が連続的に取得した受波信号を適宜用いて、一の分布情報を取得する処理を順次繰り返して複数の分布情報を順次取得しても良く、このようにして得られた複数の分布情報を、連続的に取得した分布情報と考えてもよい。
ドプラ受信器アレイ103は、例えば、取得した分布情報に、分布情報を取得した時刻や反射波を受信した時刻等の、分布情報に関連した時刻の情報を対応付けて格納部104に蓄積してもよく、分布情報の取得順番を示す連番等の情報を対応付けて蓄積してもよく、予め決められたルール等に応じて取得されたファイル名や識別子等の情報を対応付けて蓄積してもよい。時刻の情報は、標準時等の絶対的な時刻であってもよく、タイマーやカウンター等により取得される相対的な時刻であってもよい。
なお、ドプラ受信器アレイ103やドプラ受信器1031等の構成や、ドプラ信号等は、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
格納部104には、1または2以上の分布情報が格納される。分布情報は、上述したように、被検体10に照射された超音波に対する反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である。例えば、格納部104には、ドプラ受信器アレイ103が取得した分布情報が蓄積される。ただし、格納部104に分布情報が蓄積される過程等は問わない。例えば、他の装置等から入力された分布情報が蓄積されてもよく、図示しない記録媒体から読み出された分布情報が蓄積されてもよい。
格納部104には、例えば、異なる時刻に対応する複数の分布情報が格納されていてもよい。異なる時刻に対応する分布情報とは、例えば、異なる時刻に取得された分布情報である。異なる時刻に取得された分布情報は、分布情報を取得した時刻が異なる分布情報であってもよく、分布情報を取得するために用いる反射波を受波した時刻等であってもよい。例えば、格納部104に格納される複数の分布情報は、同じ観察対象部位9について異なる時刻に取得された分布情報であってもよい。例えば、上記のようにドプラ受信器アレイ103が異なる時刻にそれぞれ取得した受波信号毎にドプラ受信器アレイ103が取得した分布情報が、格納部104に蓄積されてもよい。例えば、格納部104には、上述したように連続的に取得された分布情報が蓄積されてもよい。連続的に取得された分布情報とは取得した時刻が連続している分布情報である。ただし、取得した時刻が連続している分布情報は、例えば、予め決められた時間間隔、あるいは予め決められた時間以内の時間間隔を隔てて取得された分布情報を含むと考えてもよい。また、連続的に取得された分布情報は、ドプラ受信器アレイ103等が一の分布情報を取得する処理を順次繰り返して取得した分布情報であってもよい。
図2は格納部104に格納されている複数の分布情報200のデータ構造の一例を説明するための模式図である。
例えば、図2においては、予め決められたサンプリング時刻毎に取得された複数の分布情報200は、時間軸方向に配列して示している。ただし、実際には、このように配列されていなくてもよい。複数の分布情報200を構成する各分布情報201は、例えば、8×8の各エレメントが取得した受波信号のサンプル値で構成されている。各サンプル値は、例えば、複素数データである。
格納部104は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
なお、以下、本実施の形態においては、格納部104に格納された1または2以上の分布情報が、ドプラ受信器アレイ103が取得した分布情報である場合を例に挙げて説明する。
取得部105は、格納部104に格納されている1以上の分布情報を用いて、1または2以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報(以下、変換分布情報と称す)を取得する。
取得部105は、例えば、格納部104に格納されている分布情報のうちの、後述する指定受付部107が受け付けた指定情報により指定された分布情報について変換分布情報を取得する。例えば、取得部105は、新たな指定情報を後述する指定受付部107が受け付ける毎に、この指定情報が指定する分布情報について変換分布情報を取得するようにしても良い。また、予め決められたデフォルトで指定された順番(例えば、最新のものから時間を遡る順番、あるいは最も古いものから新しいものに向かう順番)で格納部104に格納された分布情報を順次読出して変換分布情報を順次取得しても良い。
所望の平面は、通常、仮想の平面である。所望の平面は、例えば、被検体10内の超音波が照射される部分(例えば、観察対象部位9)に対向する平面である。所望の平面は、例えば、被検体10内の観察対象部位9を観察する任意の方向に対して垂直な平面である。所望の平面は、例えば、変換分布情報の取得に用いられる分布情報が示す平面とは、少なくとも方向が異なる平面であることが好ましい。ここでの方向は、例えば、平面の方向であり、平面の向きを示す方向である。ここでの平面の方向は、例えば、平面が焦点面である場合、焦点面の方向である。平面の方向(例えば、焦点面の方向)は、例えば、平面から、被検体10方向に向かって垂直に伸びる方向である。方向は、例えば、反射波の入射方向やフレネル変換の対象となる分布情報に対応する面(例えば、焦点面)から、被検体10内の観察対象部位9に向かう方向を基準として表される。この場合の方向は、例えば、観察方向と考えてもよい。方向は、例えば方向ベクトルで表される。また、方向を、方位角や、仰角や、方位角と仰角との組合せで表すようにしてもよい。
所望の平面は、例えば、焦点面である。所望の平面は、例えば、後述するコンボリューション積分を用いた処理や、後述するフレネル変換等において新たな焦点面として用いられる所望の焦点面である。所望の平面は、例えば、変換分布情報の取得に用いられる分布情報を取得した際の焦点面とは異なる焦点面である。所望の平面は、例えば、変換分布情報の取得に用いられる分布情報(例えば、フレネル変換の対象となる分布情報)が示す焦点面とは、焦点距離および方向の少なくとも一方が異なる焦点面である。例えば、所望の平面は、例えば、フレネル変換の対象となる分布情報が示す焦点面とは平行ではない所望の焦点面であってもよい。
取得部105は、例えば、後述する受付部106が受け付ける所望の平面を特定するための情報(以下、特定情報と称す)を用いて変換分布情報を取得する。特定情報は、例えば、所望の平面を特定するための1以上の変数を有する情報である。この変数が、例えば、上述したフレネル変換に用いられる。この所望の平面を特定する変数は、例えば、焦点距離や、平面の方向を指定する情報である。平面の方向は、平面が向く方向と考えてもよい。平面の方向は、例えば、観察方向と考えててもよい。平面の方向は、例えば、上述したような焦点面の方向である。平面の方向を指定する情報は、例えば、方向ベクトルや、方位角である。所望の平面は、例えば、この方向を指定する情報が示す方向を向く面となる。特定情報により焦点距離だけを変更した場合も、実質的に焦点面は、フレネル変換の対象として用いられる分布情報が示す焦点面とは、異なるものとなる。ただし、特定情報が有する変数は、どのような変数であってもよい。
取得部105は、後述する受付部106が特定情報を受け付ける毎に、受け付けた特定情報を用いて変換分布情報を取得しても良い。例えば、取得部105は、後述する受付部106が特定情報を受け付ける毎に、受け付けた特定情報を用いて、指定情報が示す分布情報について変換分布情報を取得しても良い。
なお、ここでは、特定情報を用いることで、所望の平面についての変換分布情報を取得する場合について説明したが、変換分布情報を取得するための所望の平面は、どのように特定されてもよい。例えば、取得部105は、デフォルト等で特定された平面について変換分布情報を取得しても良い。特定情報は、例えば、予め図示しない格納部等に格納されているようにし、取得部105は、この特定情報を読み出して用いることでフレネル変換を行なっても良い。
変換分布情報は、例えば、ドプラ受信器アレイ103が取得する情報と同様のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である。変換分布情報は、例えば、ドプラ信号のレベルの二次元分布を示す情報である。変換分布情報は、ドプラ信号のレベルの二次元分布を示す画像の情報であってもよい。
取得部105が、一の分布情報からどのように1または2以上の変換分布情報を取得するかは問わない。例えば、取得部105は、コンボリューション積分を行なうことで、変換分布情報を取得するようにしてもよい。
図3は、コンボリューション積分を用いて変換分布情報を取得する処理を説明するための模式図である。以下、コンボリューション積分を用いて変換分布情報を取得する処理について説明する。格納部104に格納された一以上の分布情報200から所望の時刻(あるいは時間帯)の分布情報201を読出し、この分布情報201と、別途、テンプレート発生部109が発生させたフレネルパターン状のテンプレート1091とコンボリューション積分を行って、変換分布情報である表示用の画像202の1つのピクセルを得る。読出す分布情報201は、例えば、後述する指定受付部107が受け付ける指定情報により指定された分布情報201である。
テンプレート発生部109は、例えば、予め決められた焦点距離について、観察方向(例えば、方位角)を変えながら、テンプレート1091を必要個数(必要回数)分発生させる。予め決められた焦点距離や観察方向等は、例えば、後述する受付部106が受け付ける特定情報により特定される。ただし、予め決められた焦点距離や観察方向等は、デフォルト等で決められていてもよい。演算を行うとその焦点距離すなわち観測される面の深度に対応するドプラ画像がとして作成される。これにより、観察者(操作者)(図示せず)はこの表示用画像202を図示しない表示デバイスにより可視化して観察する。ここで観察者は、観測される時刻、すなわち格納部104から呼び出される分布情報を、指定受付部107が受け付ける指定情報により指定することができ、観察者が、指定情報を介して手動的あるいは自動的に操作することでもって表示画面上に目的とする血流分布のドプラ画像等を視認することができる。これを半自動行程として実行する場合、時間軸方向には自動繰り返し走査としておいて焦点距離を手動操作として模索することが一つの好ましい利用形態であることができる。
なお、変換分布情報を取得する際に、テンプレートを用いる必要がない場合、テンプレート発生部109は、省略してもよい。
また、例えば、取得部105は、一以上の分布情報に対してフレネル変換を行なうことで、変換分布情報を取得してもよい。反射波のドプラ成分に関する二次元分布は、上述したように、例えば、反射波におけるドプラ信号レベルの二次元分布である。例えば、取得部105は、フレネル変換により、所望の平面に焦点を合わせた場合のドプラ成分の二次元分布(例えば、ドプラ信号レベルの二次元分布)を示す情報を取得する。ここでのフレネル変換は、例えば、二次元フレネル変換と考えてもよい。例えば、取得部105は、フレネル変換により、所望の平面を焦点面とした場合のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報、例えば、二次元分布を示す表示用の画像を取得することができる。例えば、上記と同様に、後述する受付部106が受け付ける特定情報等が示す焦点距離や観察方向を用いてフレネル変換を行なうことで、所望の平面を焦点面とした場合のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報を取得することができる。観察者(操作者)(図示せず)はこの表示用画像202を図示しない表示デバイスにより可視化して観察する。フレネル変換は、例えば、テンプレート発生部109が発生するテンプレート1091を用いて行なわれる。また、観察者は、上記と同様に、観測される時刻、すなわち格納部104から呼び出される分布情報を、例えば、指定受付部107が受け付ける指定情報により指定することができる。
フレネル変換は、観測開口の被観測点(すなわち実現したい焦点距離)に対するFナンバー(F値)が過小(例えば2以下)でなければ、例えば、平面波球面波変換を行なうための位相分布を用いて行なわれる。具体的には、フーリエ変換に平面波−球面波間の変換用位相分布を付加適用することで行なわれる。平面波球面波変換を行なうための位相分布は、例えば、図示しない記憶媒体等に予め格納されている。もしくは各々適切なパラメーター設定のフーリエ変換を2回(2段階)立て続けに適用することで、フレネル変換を行うことができる。この手法によれば全体的な計算の負荷は、上記のようなコンボリューション積分を必要回数繰り返すより遙かに節約される。
この処理は、例えば、電子フォーカスによる被観測面全体の2次元対2次元結像であると言い換えても良い。この処理は、また、Fナンバーを制限するための開口制限付きの波の伝播の逆工程処理と理解してもよく、さらにそれは空間重み付けされたフーリエ変換と言う意味でガーボア変換であると解釈しても良い。同じ概念を、もしくは同程度の精度の近似計算を、ないしは同程度の精度に帰結する計算項目の打ち切りを持つ変換を、数学的には色々な表現で表現することができるので、本発明においてはこれらを代表して修正されたフレネル変換(modified Fresnel transform)と呼ぶ。なお、本実施の形態において行なわれる「変換」の名前(nomenclature)は実用上等価な結果が得られる変換処理であれば、すべてが等価置換物の概念の中に収まるものとする。
観測開口の被観測点に対するFナンバーが大き過ぎる場合(すなわち至近距離の場合)には計算処理に付与するデータの領域を制限して適切なFナンバーに収まるようにする。この手法はパルスエコー方式の超音波断層写真装置で行われていた至近距離観測における開口制限の思想(例えば、米国特許第4180790号)と同じ思想である。至近距離という場合、究極的には観測開口に密着してしまっているエコー源の場合に縮退する。そのような観測開口に密着してしまっているエコー源に対してはビームフォーミングや位相付与加算の必要は消失し、エレメントのデータがそのまま画像データになる、言い換えれば要するに「密着写真」システムになるまでのことである。しかしながら本発明の実用的実務的な実施においては、例えば、大概の場合において観測したい体積臓器とその内部の血流分布は少なくとも観測開口の密着的な目の前や至近距離ではないので、この、あまり貢献しない大きな方位角になるエレメントの除外処理およびそれに関連する問題は切実な問題にはならず、基本的に全ての生きているエレメントを計算に貢献させることで好ましい結果が得られる。
なお、取得部105は、格納部104に格納された1または2以上の分布情報について、先ず血流の脈動性を発見するための周期性の発見(推定と考えてもよい)の作業を行うようにしてもよい。このことは、例えば、脈動の周期性を推定することと考えてもよい。そして、周期性が推定できた場合、その周期性に最も良く合致する周期を持つ周波数成分に関して選択的に、平面情報に対して、上述した変換分布情報を取得する処理、例えば、焦点距離を選択した二次元フレネル変換を行なうようにしてもよい。
この血流の脈動性を発見するための周期性の発見の処理は典型的にはデータの時間軸方向に向けて選択された観測項目(例えば信号振幅)の自己相関を検索することなどで行われる。かかる自己相関による周期性発見の手法は数学的には公知汎用の技法であるが、ここでは観測項目の選択により手法上改良された該行程を実施する。観測項目ないし観測の視点の選択とは、例えば空間的に選択されたエレメントないしエレメント群に関してのみそれを実施すること、または周波数軸上で選択された領域においてそれを実施すること、などであり、このような選択により処理の洗練を得ることができる。
この予備的な周期性の検出はさらに参考用に入力される情報を援用することで改良するようにしてもよい。参考用に入力される情報とは、例えば同じ生体の心電信号、心音信号、脈波信号等の情報である。
ここで、上述したような開口制限の問題よりも切実な問題となり得る問題と、その回避ないし退避の方策に関して、以下若干説明する。すなわち変換分布情報を示す画像の汚染ないし品質低下は、多くの場合、動作しないエレメントや、常時雑音を出しているエレメントや、さらには干渉や妨害を受けているエレメント等に多くの場合起因することから、以下のいくつかの品質管理の施策を、単独、あるいは適切な組み合わせで行なうことが有効な場合がある。すなわち、取得部105は、画像化のための変換に用いられるエレメントのデータ、例えばチャンネルのデータを、予め決められた品質基準を満たさなかった場合、除外するようにしてもよい。チャンネルとは、例えば、各受波器1021と、各受波器1021に接続されたドプラ受信器1031とで構成される、各受波器1021が受波した信号が流れる経路である。
具体的には、取得部105は、格納部104に格納された分布情報について、チャンネル毎に予め決められた条件を満たすか否かを判断し、条件を満たす場合に、分布情報の条件を満たすと判断されたチャンネルにより取得された情報を、変換分布情報を取得する際に用いないようにしてもよい。例えば、この予め決められた条件は、
(a)他のチャンネルと比べて信号レベルが閾値以上異なる、
(b)他のチャンネルと比べて信号対雑音比が閾値以上小さい、
(c)観測される信号の周期性が他のチャンネルの信号の周期性に対して、閾値以上異なる、
(d)観測される信号の周波数成分または周波数成分の分布が他のチャンネルと比べて閾値以上異なる、
(e)予め決められた干渉成分ないし妨害成分が観測される、
(f)予め決められた好ましくない成分の混入が認められる、
のうちの、予め決められたいずれか1つまたは2以上の組合せである。
(e)の予め決められた干渉成分ないし妨害成分は、例えば、特徴的な、連続的、周期的あるいは散発的な干渉成分ないし妨害成分である。(f)の予め決められた好ましくない成分とは、例えば、システム運用の設計上好ましくないと定義された成分等である。
このような準備と変換により選択された時刻あるいは時相の(選択された分布情報やフレームの、と言っても良い)画像が得られる段階になったら、前記の最初の段階で取得した周期性の推定値を利用してその周期性推定値だけ時間的に離れた画像が良い相関性を持つか検証する。この検証は画面全体を用いなくてもその中の目立つ部分、例えば輝度が最大になる小領域が照合もしくはほぼ照合するかという程度でよい。また別な切り口から言うと輝度の極大が見つかった処理フレームから周期性推定値だけ離れたフレームで酷似した位置に酷似した値の輝度極大点が見つかるか、という検証と考えても良い。ここでの「裏を取る」プロセスを行なうことが重要であり、裏を取るための検証のプロセスはどのように行なうようにしてもよい。。
なお、上記のような周期性の推定値だけ離れた分布情報において、例えば、酷似した位置に酷似した値の輝度極大点が見つかるか、という検証等を行えるようにするためには、格納部104に格納される2以上の分布情報は、時間軸上で少なくとも心拍の2周期分程度より長い長さであることが好ましいが、あまり長くても無駄であるから2周期分程度に留めるのが好ましい。例えば、格納部104に格納される連続して取得された複数の分布情報は、心拍2周期以上の長さの期間内において連続的に取得された複数の分布情報であることが好ましい。心拍2周期分の時間長とは、ヒトの場合、限界的に生存し得る非健常者の場合も含めると心拍数30BPMは存在し得る数値なので、1周期が2秒、2周期で4秒が実装上の候補値となる。
受付部106は、上述したような所望の平面を特定するための特定情報を受け付ける。受付部106は、例えば、ユーザから、特定情報を受け付ける。ここでの受付けは、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルやメニュー画面などの入力デバイスから入力された情報の受け付けである。例えば、焦点距離を示す値や、方向を指定する値等については、回転ハンドルやレバー、スライダ等のインターフェースを動かすことで、例えば、連続的に、異なる値を受け付けるようにしてもよい。
受付部106は、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現される。
指定受付部107は、取得部105が変換分布情報を取得するために用いる分布情報を指定する情報(以下、指定情報と称す)を、ユーザ等から受け付ける。指定情報は、格納部104に格納されている分布情報を指定する情報である。指定情報は、例えば、分布情報を特定するための情報として、分布情報に対応付けられたファイル名や識別子、分布情報に関連する時刻の情報や、分布情報の取得順番を示す情報を有していても良い。
例えば、格納部104に、上述したような異なる時刻に対応する分布情報(例えば、異なる時刻に取得された分布情報)が格納されている場合、異なる分布情報を指定する指定情報を受け付けることによって、変換分布情報を取得するために用いる分布情報を、異なる時刻に取得された分布情報に切り替えて、異なる時刻における変換分布情報を取得することができる。例えば、格納部104に、上述したような連続して取得された複数の分布情報が格納されている場合、異なる分布情報を指定する指定情報を、指定受付部107が順次受け付けることによって、変換分布情報を取得するために用いる分布情報を、異なる時刻に取得された分布情報に順次切り替えて、異なる時刻における変換分布情報を順次取得することができる。これにより、例えば、後述する出力部108により表示する変換分布情報に応じた画像を、異なる時刻に取得された分布情報に応じた画像に順次切り替えて表示することができる。特に、時間軸に沿った異なる時刻に取得された変換分布情報を、時刻の増加方向または現象方向において順次指定する指定情報を受け付けることで、異なる時刻に取得された分布情報を時刻の増加方向または減少方向に向かって順次出力、例えば表示させることができる。このような異なる指定情報を順次受け付けるための入力手段は、上述したような回転ハンドルやレバー、スライダ等のインターフェースが利用可能である。
指定受付部107は、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現される。
出力部108は、取得部105が取得した変換分布情報に応じた出力を行なう。出力部108は、例えば、変換分布情報が取得された場合に、変換分布情報に応じた出力、例えば変換分布情報に対応する画像の表示等を行なう。変換分布情報に応じた出力とは、例えば、変換分布情報をそのまま出力することであってもよく、変換分布情報を用いて生成した情報や、変換分布情報に対して、予め決められた変換を行なって取得した情報を出力することであってもよい。ここでの出力とは、通常、ディスプレイへの表示であるが、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどであってもよい。例えば、出力部108は、変換分布情報を用いて、この変換分布情報に対応する画像を生成し、生成した画像をモニタ(図示せず)等に表示したり、プリンタ(図示せず)等から印刷する。例えば、出力部108は、変換分布情報が示すドプラ成分のレベルを示す値を画素値等に変換して画像を生成する。
なお、ドプラ信号成分の分布等を示す情報を用いて、画像を生成する処理等は、超音波ソナー等の技術において公知であるため、ここでは、詳細な説明は省略する。
出力部108が行なう出力が表示である場合において適切であると考えられる表示の例を2つ挙げる。1つは全自動繰り返し、すなわちいわゆる「シネ」表示、もう1つは上記において既に説明したスクロールバー等のGUI手段などを用いた手動操作による用手的な時刻指定や、焦点距離の指定の変更による指定の行きつ戻りつ表示、である。
また、上記のように検証に合格しなかった場合、つまり周期性が認められなかった場合、顕在的に見えているのは1発現象としてのノイズもしくはアーティファクトであるということになる。この場合画像を表示してもよく、表示しなくてもよい。
なお、出力部108は、更に、格納部104に格納されている分布情報を読み出して、変換分布情報と同様に出力してもよい。
出力部108は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部108は、例えば、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現される。
次に、超音波観察装置1の動作の一例について図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)照射部101は、超音波の照射を開始する。
(ステップS102)二次元受波器アレイ102は、反射波の受波を行なう。
(ステップS103)ドプラ受信器アレイ103は、ステップS102で受波器1021毎に取得された受波信号を用いてドプラ信号を取得する。
(ステップS104)ドプラ受信器アレイ103は、ステップS103で取得したドプラ信号を用いて、分布情報を取得する。
(ステップS105)ドプラ受信器アレイ103は、受信した分布情報を、格納部104に蓄積する。
(ステップS106)超音波観察装置1は、分布情報の取得を終了するか否かを判断する。例えば、ユーザから図示しない受付部等を介して終了する指示を受け付けた場合に、終了することを決定する。終了する場合、ステップS107に進み、終了しない場合、ステップS102に戻る。
(ステップS107)指定受付部107は、格納部104に格納されている分布情報の一つを指定する指定情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS108に進み、受け付けていない場合、ステップS107に戻る。
(ステップS108)受付部106は、特定情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS109に進み、受け付けていない場合、ステップS108に戻る。
(ステップS109)取得部105は、ステップS106で受け付けた指定情報が示す分布情報を格納部104から読み出して、この分布情報に対して、ステップS108において受け付けた特定情報を用いてフレネル変換を行なって、変換分布情報を取得する。フレネル変換は、例えば、テンプレート発生部109が発生するテンプレート1091を用いて行なわれる。
(ステップS110)出力部108は、ステップS109において取得された変換分布情報に応じた出力を行なう。例えば、出力部108は、変換分布情報を用いて、変換分布情報を示す画像を生成し、生成した画像を、図示しないモニタ等に表示させる。
(ステップS111)指定受付部107は、変換分布情報の取得に用いる分布情報の変更を受け付けたか否かを判断する。例えば、指定受付部107は、新たな指定情報を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合、分布情報の変更を受け付けたと判断し、受け付けていない場合、分布情報の変更を受け付けていないと判断する。変更を受け付けた場合、ステップS108に進み、受け付けていない場合、ステップS112に進む。
(ステップS112)受付部106は、特定情報の変更を受け付けたか否かを判断する。例えば、受付部106は、新たな特定情報を受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合、特定情報の変更を受け付けたと判断し、受け付けていない場合、特定情報の変更を受け付けていないと判断する。変更を受け付けた場合、ステップS109に進み、受け付けていない場合、ステップS113に進む。
(ステップS113)超音波観察装置1は、処理を終了するか否かを判断する。例えば、ユーザ等から図示しない受付部を介して、変換分布情報の取得等の処理を終了する指示を受け付けた場合に、超音波観察装置1は、処理を終了する。処理を終了しない場合、ステップS111に戻る。
なお、上記のフローチャートにおいて、ステップS108を省略して、最初のステップS107で分布情報の指定を受け付けた後は、デフォルト等で設定されている特定情報を用いて、ステップS109でフレネル変換を行なうようにし、その後、ステップS112のいて、特定情報の変更を受け付けた場合に、この特定情報を用いて、ステップS109において、フレネル変換を行なうようにしてもよい。
なお、本実施の形態において、例えば、以下のいくつかの工夫を加えるようにすることも、好ましい実施の形態であり得る。
まず、データ採取時におけるビューファインダモードについて述べる。分布情報を取得する際に、直感的に「この辺だろう」で照射部101と二次元受波器アレイ102とを有する容器110を観察の目的領域に当接してデータ採取を行うよりは、やはり少なくとも何らかの方法で信号源(例えば、観察対象)がその領域に存在することを確認ないし推察するに足りる情報を得ながら行うほうが好ましい。
そこで、上述したように、フレネル変換による画像化に用いられる特定情報を、典型的な焦点距離にプリセットしたままでリアルタイムに観察を続けながら、それらしい信号が画面中に見られたらその時点で照射部101と二次元受波器アレイ102とを有する容器110の方向(例えば、超音波の照射方向や反射波が入射される方向)を大略維持しつつ予定された時間帯に渡ってデータ採取を行うように運用する。このリアルタイム動作は二次元受波器アレイ102の全エレメント(つまり、全ての受波器1021)を使わなくても十分で、適当に参加エレメント数を間引き、または開口制限をおこなって処理速度を上げることでリアルタイム性を実現することで目的を達することができる。ここでのリアルタイムとは、例えば、リアルタイムに対して、画像等を表示するための情報処理にかかる時間だけ遅延して表示等の処理が行なわれることも含む概念である。
このような採取時のビューファインダモードは、最も簡素化された状態で聴診モードであることもできる。すなわち固定焦点で、ただし画像を獲得するのではなく焦点における1点ビームフォーミングに相当する1チャンネルのドプラオーディオ信号を得て、それを聴診しながら行うようにすることもできる。画像の観察と比べてかかる1点の聴診は信号源の発見に多少とも習熟を要するが、習熟の程度に応じてより簡素なシステムで信号源の存在を事前に確認しながらのデータ採取を行うことができる。
次に間引きモードについて述べる。上述した実施の形態においては、分布情報のデータ採取は目的時間帯の全長に渡って満遍なく行い、また可変焦点的な、フレネル変換による事後観察も目的時間帯の全長に渡って満遍なく行うようにしてもよいが、医療診断の段階まで含めての実務的な見地からはそれでは贅沢すぎるので、適宜データ採取や事後観察を時間帯選択的に間引くことはコスト面で、また処理に要する時間、計算量、操作社の労力などの面で好ましい改良であり得る。すなわち、1枚のドプラ画像を矛盾やごまかしを合せ得るためのデータはドプラ信号の分析帯域幅に必要十分程度の時間幅(すなわち時間軸上のサンプル数、アレイのデータで言うとフレーム数)があれば足りるので、この観測単位は時間軸上で連続である必要はなく、判断に足りる程度に駒落しであることができる。例えば4ないし8サンプル(またはフレーム)でドプラ画像としては視認に耐える画像が得られることは、いわゆるカラードプラモードを具備する通常の断層写真装置で経験済み、また広く実施されている選択肢の中に含まれるので、本発明の実施においても毎秒15枚ないし30枚程度のドプラ画像を欲しい場合であっても毎秒15回ないし30回、4ないし8サンプル数(フレーム数)のデータ採取および一時記憶を行えば足りる。これは全時間をドプラ観測帯域分相当のデータ採取を敢行することに比して数十分の1の間引きでも目的に合うことを意味する。このようにして、間引きモードによって間引くことで取得された複数の分布情報も連続して取得された分布情報を考えてもよい。
また、例えば、心拍のタイミングを示す時刻に対して予め決められた時間だけ異なる時刻において取得された分布情報が、格納部104に蓄積されるようにしてもよい。つまり、格納部104に格納された連続して取得された複数の分布情報が、心拍のタイミングを示す時刻に対して予め決められた時間だけ異なる時刻において取得された分布情報となるようにしてもよい。心拍周期情報が予め入手できる場合には時間的に狙いを定めて血流が(特に拍動性の動脈血流が)目立って存在し得る時間帯に限ってそのようなデータ採取するという、心拍同期(cardiac gated)モードとすることもでき、さらに処理のための計算量の低減に貢献する。すなわち、図5に略示する如く、動脈血流に注目するならば(臨床上は多くの場合それが最優先事項である)拍動する動脈血流62の最も顕著に見えるのは心活動の収縮期(駆出期)60の中央部またはその近傍である。これは常套手法として同じ患者の心電信号61のR時刻を基準に適切な予め決められた遅延時間64を以て推定することができるので、その時刻を観測時刻63としてその前後においてドプラ画像獲得に足りるだけのサンプル数(フレーム数)だけ分布情報のデータを採取し処理すれば良いことになる。この心活動の収縮期の中央部の認識または予測は、このような公知の心電信号準拠の心拍同期作業でも良く、また自身のシステムにより得られつつあるドプラ信号に準拠した心拍同期作業でも良い。この段階でどのような手法で心拍同期を行うかは問わない。なお、上述した心拍のタイミングを示す時刻は、例えば、心電信号のR時刻である。また、予め決められた時間は、例えば、心活動の収縮期の中央近傍の時刻までの時間である。
また、上記実施の形態において、受波開口面に鑑みて欠陥や欠損のない緻密なアレイであることを前提に説明したが、本発明はアレイの構造として欠陥のある、あるいは意図的に間引いたアレイ、すなわち粗なるアレイ(sparse array)であっても実施可能である。さらにこの粗雑さ(sparsity)には観測のタイミングすなわちサンプリング時刻ごとに時変性があっても実施可能である。すなわち、かかる欠陥や間引きを意図的に導入した状態でも、その間引きは信号対雑音比に影響するだけで集束性能や方位分解能には影響ない実施が可能である。この手法によれば限られた受信チャンネル数でより大きな受波開口を実現することができ、それに呼応して合成される受波焦点の微細化を、すなわち方位角空間の分解能の向上を得ることができる。なお、本実施の形態においては、どのように空間的、あるいは時間的に間引きを行なうかは問わない。
以上、本実施の形態によれば、格納された分布情報を用いて事後的に、異なる平面についての変換分布情報を取得して出力することができ、分布情報を取得する際の操作等に依存することなく、被検体内を容易に観察することができる。また、分布情報を取得した直後に出力(例えば、表示)するいわゆるリアルタイムの観測等では、一の時点で取得された分布情報について一の平面(例えば、焦点面)からみた場合の観察画像しか出力できないため、さまざまな位置から観察するためには、さまざまな位置について分布情報を取得する必要があり、作業に非常に時間や手間がかかるが、本発明においては、一旦格納された分布情報に対して、事後処理として、異なる焦点面から見た複数の変換分布情報を、適宜、あるいはまとめて取得して出力することにより、観察対象等をさまざまな位置から観察することができ、被検体内を容易に観察することができる。
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
なお、上記各実施の形態における超音波観察装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、被検体に照射された超音波に対する反射波のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報である1以上の分布情報が格納される格納部にアクセス可能なコンピュータを、分布情報を用いて、1以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である変換分布情報を取得する取得部と、取得部が取得した変換分布情報に応じた出力を行なう出力部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図6は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による超音波観察装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図6において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図7は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図7において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による超音波観察装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による超音波観察装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる超音波観察装置等は、被検体内の観察を行なう装置等として適しており、特に、超音波を用いて被検体内の観察を行なう装置等として有用である。
1 超音波観察装置
101 照射部
102 二次元受波器アレイ
103 ドプラ受信器アレイ
104 格納部
105 取得部
106 受付部
107 指定受付部
108 出力部
1021 受波器
1031 ドプラ受信器

Claims (13)

  1. 被検体に照射された超音波に対する反射波のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報である1以上の分布情報が格納される格納部と、
    前記分布情報を用いて、1以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である変換分布情報を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した変換分布情報に応じた出力を行なう出力部とを備えた超音波観察装置。
  2. 前記格納部には、連続して取得された複数の分布情報が格納されており、
    前記取得部が変換分布情報を取得するために用いる分布情報を指定する情報である指定情報を受け付ける指定受付部を更に備え、
    前記取得部は、前記指定情報が示す分布情報について前記変換分布情報を取得する請求項1記載の超音波観察装置。
  3. 前記所望の平面を特定するための特定情報を受け付ける受付部を更に備え、
    前記取得部は、前記特定情報を用いて前記変換分布情報を取得する請求項1または請求項2記載の超音波観察装置。
  4. 複数の所望の平面を特定するための複数の特定情報を順次受け付ける受付部と、を更に備え、
    前記取得部は、前記受付部が特定情報を受け付ける毎に、受け付けた特定情報を用いて前記指定情報が示す分布情報について変換分布情報を取得する請求項2記載の超音波観察装置。
  5. 前記取得部は、分布情報に対してフレネル変換を行なって変換分布情報を取得する請求項1から請求項4いずれか一項記載の超音波観察装置。
  6. 前記フレネル変換は、平面波球面波変換を行なうための位相分布を用いて行なわれる請求項5記載の超音波観察装置。
  7. 前記取得部は、前記格納部に格納された分布情報について、チャンネル毎に予め決められた条件を満たすか否かを判断し、条件を満たす場合に、前記分布情報の当該条件を満たすと判断されたチャンネルにより取得された情報を、変換分布情報を取得する際に用いないようにする請求項1から請求項6いずれか一項記載の超音波観察装置。
  8. 前記予め決められた条件は、
    (a)他のチャンネルと比べて信号レベルが閾値以上異なる、
    (b)他のチャンネルと比べて信号対雑音比が閾値以上小さい、
    (c)観測される信号の周期性が他のチャンネルの信号の周期性に対して、閾値以上異なる、
    (d)観測される信号の周波数成分または周波数成分の分布が他のチャンネルと比べて閾値以上異なる、
    (e)予め決められた干渉成分ないし妨害成分が観測される、
    (f)予め決められた好ましくない成分の混入が認められる、
    のうちの、予め決められたいずれか1つまたは2以上の組合せである請求項7記載の超音波観察装置。
  9. 前記連続して取得された複数の分布情報は、心拍2周期以上の期間内において連続して取得された複数の分布情報である請求項2または請求項4記載の超音波観察装置。
  10. 前記連続して取得された複数の分布情報は、心拍のタイミングを示す時刻に対して予め決められた時間だけ異なる時刻において取得された分布情報である請求項2、請求項4、または請求項9いずれか一項記載の超音波観察装置。
  11. 被検体に超音波を照射する照射部と、
    前記超音波の、被検体からの反射波が入射される二次元受波器アレイと、
    前記二次元受波器アレイを構成する各受波器が取得した受波信号からドプラ成分を示す信号であるドプラ信号を取得し、当該ドプラ信号を用いて分布情報を取得して前記格納部に蓄積するドプラ受信器アレイとを更に備えた請求項1から請求項10いずれか一項記載の記載の超音波観察装置。
  12. 被検体に照射された超音波に対する反射波のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報である1以上の分布情報が格納される格納部と、取得部と、出力部とを用いて行なわれる超音波観察方法であって、
    前記取得部が、前記分布情報を用いて、1以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である変換分布情報を取得する取得ステップと、
    前記出力部が、前記取得ステップで取得した変換分布情報に応じた出力を行なう出力ステップとを備えた超音波観察方法。
  13. 被検体に照射された超音波に対する反射波のドプラ信号成分に関する二次元分布を示す情報である1以上の分布情報が格納される格納部にアクセス可能なコンピュータを、
    前記分布情報を用いて、1以上の所望の平面における反射波のドプラ成分に関する二次元分布を示す情報である変換分布情報を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した変換分布情報に応じた出力を行なう出力部として機能させるためのプログラム。
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