以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
(実施形態)
以下に述べる本実施形態の超音波診断装置では、装置本体の表示部に表示されるプローブ選択画面を用いて選択された所望超音波プローブの位置情報を検出し、得られた位置情報を当該超音波プローブのプローブ情報及びプローブモデルと共に予め作成された装置本体あるいは操作パネルの装置モデルに付加することによりガイド画面を作成する。そして、上述の表示部に表示されたガイド画面に基づいて操作パネルのプローブホルダに保持されている各種超音波プローブの中から取り出した所望超音波プローブを用いて被検体に対する超音波検査を行なう。
尚、以下の実施形態では、異なる口径サイズ、超音波周波数、振動素子数等を有した複数からなるセクタ走査方式の超音波プローブとこれらの超音波プローブに対応した送受信部を有する超音波診断装置について述べるが、コンベックス走査方式やリニア走査方式等に対応した複数の超音波プローブあるいは異なる走査方式に対応した複数の超音波プローブと、これらの超音波プローブに対応した送受信部を有する超音波診断装置であっても構わない。
又、以下では、説明を簡単にするために、超音波診断装置に接続されたセクタ走査方式に対応する3つの超音波プローブ2a乃至2cの中から当該超音波検査に好適な超音波プローブ2aを選択する場合について述べるが、超音波診断装置に接続される超音波プローブや選択される超音波プローブは上述に限定されない。
(装置の構成及び機能)
本実施形態における超音波診断装置の構成と機能につき図1乃至図11を用いて説明する。尚、図1は、超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図3及び図4は、この超音波診断装置が備える送受信部及び受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図である。
図1に示す本実施形態の超音波診断装置100は、被検体の検査対象領域に対して送信超音波(超音波パルス)を放射し、この送信超音波により上述の検査対象領域から得られた受信超音波(超音波反射波)を電気的な受信信号に変換する複数個の振動素子を備えた超音波プローブ2a乃至2cと、後述の入力部16から供給された選択情報に基づいて超音波プローブ2a乃至2cの中から所望の超音波プローブ2aを選択するプローブ選択部20と、前記検査対象領域の所定方向に対して送信超音波を放射するための駆動信号を選択された超音波プローブ2aが備える振動素子へ供給し、これらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する送受信部3と、整相加算後の受信信号を信号処理してBモードデータ及びカラードプラデータを生成する受信信号処理部4と、超音波の送受信方向単位で得られた上述のBモードデータ及びカラードプラデータに基づいてBモード画像データ及びカラードプラ画像データを生成する画像データ生成部5と、超音波プローブ2a乃至2cに取り付けられたプローブ位置センサ21a乃至21cの出力信号に基づいて装置本体50に対する超音波プローブ2a乃至2cの相対的な位置情報を検出する位置情報検出部6を備えている。
又、超音波診断装置100は、超音波プローブ2a乃至2cをはじめとする各種超音波プローブの情報(例えば、超音波プローブの名称及び型番、超音波周波数、口径サイズ、振動素子数等)がプローブ識別情報を付帯情報として予め保管されているプローブ情報保管部7と、各種超音波プローブに対する2次元/3次元のプローブモデルや装置本体50に対する2次元/3次元の装置モデルが予め保管されているモデル保管部8と、位置情報検出部6から供給された超音波プローブ2aの位置情報、プローブ情報保管部7から読み出した超音波プローブ2aのプローブ情報及びモデル保管部8から読み出した超音波プローブ2aのプローブモデル及び装置本体50の装置モデルに基づいてプローブ位置の表示を目的としたガイド画面を作成するガイド画面作成部9と、超音波プローブ2a乃至2cの中から超音波プローブ2aを選択する際に用いるプローブ選択画面及び各種撮影条件の設定をする際に用いる撮影条件設定画面が予め保管されている選択/設定画面保管部10と、上述のガイド画面に基づいて装置本体50の入力部16に設けられている図示しないプローブホルダから取り出された超音波プローブ2aのプローブ位置情報変化量を計測する位置情報変化量計測部11と、プローブホルダから取り出されることによりその位置情報が変化した超音波プローブ2aのプローブ識別情報(プローブID)とプローブ選択画面において選択された超音波プローブ2aのプローブIDとを比較することにより、選択された超音波プローブ2aと取り出された超音波プローブ2aとが一致しているか否かを判定するプローブ選択判定部12とを備えている。
更に、超音波診断装置100は、入力部16から供給された指示信号あるいは位置情報変化量計測部11から供給されたプローブ位置情報変化量の計測結果に基づいてプローブ選択画面表示モード、ガイド画面表示モード及び撮影条件設定画面表示モードの切り替えを制御する表示モード制御部13と、画像データ生成部5において生成された画像データ、ガイド画面作成部9において作成されたガイド画面、選択/設定画面保管部10から読み出したプローブ選択画面及び撮影条件設定画面、更には、プローブ選択判定部12から供給されたプローブ選択の判定結果等を表示する表示部14と、被検体に対する超音波走査の開始タイミングや超音波送受信方向を制御する走査制御部15と、被検体情報の入力、超音波プローブ2aの選択、撮影条件の設定、各種指示信号の入力等を行なう入力部16と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部17を備えている。
尚、上述の超音波診断装置100は、図2に示すように、当該被検体に対して超音波送受信を行なう複数個の振動素子が内蔵されたセクタ走査方式の超音波プローブ2a乃至2cと、超音波プローブ2a乃至2cの何れかによって収集された受信信号に基づいて画像データの生成と表示を行なう装置本体50と、超音波プローブ2a乃至2cと装置本体50とを接続するプローブコネクタ25a乃至25cを備えている。
そして、プローブコネクタ25a乃至25cは、超音波プローブ2a乃至2cのプローブケーブル22a乃至22cに接続されたプローブ側コネクタ23a乃至23cと装置本体50のプローブ選択部20に接続された装置本体側コネクタ24a乃至24cを有し、装置本体50の入力部16から供給された選択情報に基づいてプローブ選択部20が超音波プローブ2a乃至2cの中から選択した超音波プローブ2aがプローブ側コネクタ23a及び装置本体側コネクタ24aを介して装置本体50の送受信部3と接続される。
又、超音波検査が行なわれていない場合における超音波プローブ2a乃至2cの各々は、通常、装置本体50の入力部16を構成する操作パネルのプローブホルダに保持され、超音波検査時には、プローブ選択部20により超音波プローブ2a乃至2cの中から選択された超音波プローブ2aが上述のプローブホルダから取り出される。
以下、超音波診断装置100が備える上記ユニットの具体的な構成とその機能につき更に詳しく説明する。
超音波プローブ2a乃至2cの各々は、1次元配列あるいは2次元配列されたN個の図示しない振動素子をその先端部に有し、この先端部を患者の体表に接触させて超音波送受信を行なう。そして、前記振動素子の各々は、多芯のプローブケーブル22a乃至22c、プローブコネクタ25a乃至25c(図2参照)及び装置本体50のプローブ選択部20を介して送受信部3に接続されている。これらの振動素子は電気音響変換素子であり、送信時には駆動信号(電気パルス)を送信超音波(超音波パルス)に変換し、受信時には受信超音波(超音波反射波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
又、超音波プローブ2a乃至2cの内部あるいは周辺部には、装置本体50に対する相対的な位置情報(位置及び方向)を検出するためのプローブ位置センサ21a乃至21cが備えられている。
次に、図3に示す送受信部3は、被検体内の所定方向に対し各種撮影モード(Bモード及びカラードプラモード)に対応した送信超音波を放射するための駆動信号を選択された超音波プローブ2aの振動素子へ供給する送信部31と、これらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する受信部32を備え、送信部31は、レートパルス発生器311、送信遅延回路312及び駆動回路313を備えている。
レートパルス発生器311は、被検体内に放射する送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを、システム制御部17から供給された基準信号を分周することによって生成し、得られたレートパルスを送信遅延回路312へ供給する。送信遅延回路312は、例えば、超音波プローブ2aに内蔵されたN個の振動素子の中から選択されたNt個の送信用振動素子と同数の独立な遅延回路から構成され、送信において細いビーム幅を得るために所定の深さに送信超音波を集束するための集束用遅延時間と所定方向に対して前記送信超音波を放射するための偏向用遅延時間をレートパルス発生器311から供給された上述のレートパルスに与える。駆動回路313は、超音波プローブ2に内蔵されたNt個の送信用振動素子を駆動する機能を有し、送信遅延回路312から供給されたレートパルスに基づいて上述の集束用遅延時間及び偏向用遅延時間を有する駆動信号を生成する。
一方、受信部32は、超音波プローブ2に内蔵されたN個の振動素子の中から選択されたNr個の受信用振動素子に対応するNrチャンネルのプリアンプ321、A/D変換器322及び受信遅延回路323と加算器324を備え、Bモード及びカラードプラモードにおいて受信用振動素子からプリアンプ321を介して供給されたNrチャンネルの受信信号はA/D変換器322にてデジタル信号に変換されて受信遅延回路323へ送られる。受信遅延回路323は、所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間と所定方向に対して強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間をA/D変換器322から出力されたNrチャンネルの受信信号の各々に与え、加算器324は、受信遅延回路323から出力されたNrチャンネルの受信信号を加算合成する。即ち、受信遅延回路323と加算器324により、所定方向からの受信超音波に対応した受信信号は整相加算される。
次に、図1に示した受信信号処理部4の具体的な構成につき図4のブロック図を用いて説明する。この受信信号処理部4は、受信部32の加算部324から出力された整相加算後の受信信号を処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41とカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部42を備えている。
Bモードデータ生成部41は、加算部324から出力された整相加算後の受信信号に対して包絡線検波を行なう包絡線検波器411と、包絡線検波後の受信信号に対し対数変換処理を行なうことにより小さな信号振幅が相対的に強調されたBモードデータを生成する対数変換器412を備えている。
カラードプラデータ生成部42は、π/2移相器421、ミキサ422−1及び422−2、LPF(低域通過フィルタ)423−1及び423−2を備え、受信部32の加算部324から出力された受信信号を直交位相検波して複素信号(I信号及びQ信号)を生成する。
更に、カラードプラデータ生成部42は、ドプラ信号記憶部424、MTIフィルタ425及び自己相関演算器426を備え、直交位相検波によって得られた複素信号は、ドプラ信号記憶部424に一旦保存される。一方、高域通過用デジタルフィルタであるMTIフィルタ425は、ドプラ信号記憶部424に保存された上述の複素信号を読み出し、この複素信号に含まれた臓器の固定反射体あるいは臓器の呼吸性移動や拍動性移動等に起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。そして、自己相関演算器426は、MTIフィルタ425によって抽出された血流情報のドプラ成分に対して自己相関値を算出し、更に、この自己相関値に基づいて血流の平均流速値、分散値、パワー値等を算出してカラードプラデータを生成する。
図1へ戻って、画像データ生成部5は、図示しない超音波データ記憶部と画像処理部を備え、受信信号処理部4から供給されたBモードデータ及びカラードプラデータは、超音波送受信方向に対応させて超音波データ記憶部に保存することにより画像データ(Bモード画像データ及びカラードプラ画像データ)を生成する。そして、上述の画像処理部は、超音波データ記憶部において生成された画像データに対しフィルタリング処理等の画像処理を必要に応じて行なう。
次に、位置情報検出部6は、装置本体50に対する超音波プローブ2a乃至2cの相対的な位置情報を検出する機能を有し、超音波プローブ2a乃至2cの内部あるいは周辺部に設けられたプローブ位置センサ21a乃至21cの出力信号に基づいて入力部16のプローブホルダに置かれた超音波プローブ2a乃至2cの位置情報を検出する。
超音波プローブの位置検出法として各種の方法が既に考案されているが、検出精度や検出ユニットのコスト及び大きさを考慮した場合、超音波センサあるいは磁気センサを位置センサとして用いる方法が好適である。磁気センサを用いた超音波プローブの位置情報検出部6は、例えば、特開2000−5168号公報等に記載されているように磁気を発生するトランスミッタ(磁気発生部)と、この磁気を検出したプローブ位置センサ21a乃至21cにおける磁気センサの出力信号を処理して超音波プローブ2aの位置情報を算出する位置情報算出部(何れも図示せず)を備えている。
尚、磁気を発生するトランスミッタは、装置本体50の所定部位に取り付けられ、この磁気を検出するプローブ位置センサ21a乃至21cは、既に述べたように超音波プローブ2a乃至2cの内部や周辺部に取り付けられる。そして、上述の位置情報算出部は、プローブ位置センサ21a乃至21cの各々が有する複数個の磁気センサの各々とトランスミッタとの距離を磁気センサの出力信号に基づいて算出し、更に、この算出結果を用いて装置本体50に対する超音波プローブ2a乃至2cの相対的な位置情報を算出する。
プローブ情報保管部7には、超音波プローブ2a乃至2cをはじめとする装置本体50に接続可能な各種超音波プローブのプローブ情報がプローブID等のプローブ識別情報を付帯情報として予め保管されている。この場合のプローブ情報として、例えば、超音波プローブの名称や型番、超音波周波数、口径サイズ、振動素子数等があり、又、超音波プローブに対応する画質調整機能の名称であってもよい。
モデル保管部8は、図示しないプローブモデル保管部と装置モデル保管部を有し、プローブモデル保管部には、上述のプローブ情報に対応した各種超音波プローブのプローブモデルがプローブ識別情報を付帯情報として予め保管されている。そして、装置本体50に接続されている超音波プローブ2a乃至2cの中から選択された超音波プローブ2aのプローブ識別情報と同一のプローブ識別情報を有するプローブモデルがプローブモデル保管部から読み出されてガイド画面の作成において用いられる。
図5は、モデル保管部8のプローブモデル保管部に保管されている各種プローブモデルの具体例を示したものであり、例えば、セクタ走査に適用可能な超音波プローブ2a乃至2cの3次元プローブモデルがプローブIDとしての「PSE−01」、「PSE−02」及び「PSE−03」を付帯情報として保管されている。
一方、モデル保管部8の装置モデル保管部には、装置本体50を示す装置モデルや装置本体50の入力部16に設けられた操作パネルを示す装置モデルが保管されている。特に、装置本体50を示す2次元あるいは3次元の装置モデルは、異なる複数の視線方向に対して作成され、装置モデル保管部に保管されたこれら複数の装置モデルの中から好適な装置モデルが超音波プローブ2aの位置情報に基づいて読み出されガイド画面の作成において用いられる。
図6及び図7は、装置モデル保管部に保管されている装置モデルの具体例を示したものであり、装置本体50の外観を示す図6の3次元装置モデルでは、超音波プローブ2aの選択、撮影条件の設定、各種指示信号の入力等を行なう入力部16の操作パネル51、画像データを表示する表示部14の第1の表示部14a及びプローブ選択画面、ガイド画面、撮影条件設定画面等を表示する表示部14の第2の表示部14b等が示されている。
一方、入力部16の操作パネル51を示す図7の2次元装置モデルでは、超音波プローブ2a乃至2cを保持するプローブホルダ53−1乃至53−6や超音波プローブの選択、撮影条件の設定、各種指示信号の入力等を行なうトラックボール、選択/入力ボタン、設定レバー等の入力デバイスが示されている。そして、図7に示すように複数のプローブホルダ53−1乃至53−6が操作パネル51の右端部及び左端部に設けられ、これらのプローブホルダの中から任意に選択されたプローブホルダにおいて超音波プローブ2a乃至2cは保持される。
次に、図1のガイド画面作成部9は、装置本体50あるいは操作パネル51と超音波プローブ2aとの位置関係を示すガイド画面を作成する機能を有し、モデル保管部8から読み出した装置本体50の装置モデルあるいは操作パネル51の装置モデルに位置情報検出部6から供給された超音波プローブ2aの位置情報を重畳する図示しないデータ合成部を備えている。
即ち、ガイド画面作成部9のデータ合成部は、位置情報検出部6からシステム制御部17を介して供給された超音波プローブ2aの位置情報を、モデル保管部8の装置モデル保管部から読み出した装置本体50あるいは装置本体50の入力部16が備える操作パネル51の装置モデルに重畳し、更に、上述のプローブモデル保管部から読み出した超音波プローブ2aのプローブモデルやプローブ情報保管部7から読み出した超音波プローブ2aのプローブ情報を必要に応じて付加することによりガイド画面を作成する。
図8は、ガイド画面作成部9によって作成された第1のガイド画面Db−1の具体例を示したものであり、この第1のガイド画面Db−1では、矢印(⇒)で示す装置本体50の左前方から収集した3次元装置モデルに位置情報検出部6において検出された超音波プローブ2a(PSE−01)の位置情報を示す位置マーカ(★)が重畳され、更に、モデル保管部8のプローブモデル保管部から読み出した超音波プローブ2aの3次元プローブモデルやプローブ情報保管部7から読み出した超音波プローブ2aのプローブ情報が必要に応じて付加される。
尚、超音波プローブ2aが操作パネル51の右端部に設けられたプローブホルダ53−1乃至53−3の何れかにおいて保持される場合には、図8に示すような装置本体50の左前方から収集した装置モデルに対して超音波プローブ2aの位置情報が重畳されるが、操作パネル51の左端部に設けられたプローブホルダ53−4乃至53−6の何れかにおいて保持される場合には、装置本体50の右前方から収集した装置モデルに対して超音波プローブ2aの位置情報が重畳される。
一方、図9は、ガイド画面作成部9によって作成された第2のガイド画面Db−2の具体例を示したものであり、この第2のガイド画面Db−2では、操作パネル51を示す2次元装置モデルに位置情報検出部6において検出された超音波プローブ2a(PSE−01)の位置情報を示す位置マーカ(★)が重畳され、更に、モデル保管部8のプローブモデル保管部から読み出した超音波プローブ2aの3次元プローブモデルやプローブ情報保管部7から読み出した超音波プローブ2aのプローブ情報が付加される。
図1へ戻って、選択/設定画面保管部10は、図示しないプローブ選択画面保管部と撮影条件設定画面保管部を備えている。そして、プローブ選択画面保管部には、装置本体50に接続されている超音波プローブ2a乃至2cの中から当該超音波検査に好適な超音波プローブとして超音波プローブ2aを選択する際に用いるプローブ選択画面が予め保管され、撮影条件設定画面保管部には、各種撮影条件の設定をする際に用いる撮影条件設定画面が予め保管されている。
図10は、プローブ選択画面の具体例を、又、図11は、撮影条件設定画面の具体例を示したものであり、図10のプローブ選択画面Daには、装置本体50に接続されている超音波プローブ2a乃至2cのプローブID「PSE−01」乃至「PSE−03」と、超音波プローブ2a乃至2cの3次元プローブモデルと、超音波プローブ2a乃至2cの中から所望の超音波プローブ2aを選択するための選択ボタンBo−1乃至Bo−3が示されている。
尚、プローブ選択画面Daに示される超音波プローブ2a乃至2cのプローブモデルは、モデル保管部8のプローブモデル保管部に予め保管されている2次元あるいは3次元のプローブモデルであってもよいが特に限定されない。又、プローブ情報保管部7から読み出した超音波プローブ2a乃至2cのプローブ情報をプローブ選択画面Daに付加しても構わない。
一方、図11は、撮影モードとしてBモードが選択された場合に用いられる撮影条件設定画面Dcの具体例を示したものであり、この撮影条件設定画面Dcの上段領域には、撮影モードとしてのBモード、カラードプラモード、Mモード及びスペクトラムドプラモードの選択に用いる撮影モード選択用アイコン「2D」、「CDI」、「M」及び「PW/CW」が配置され、中段領域には、画像データのサイズや走査範囲の設定に用いるアイコン「2D−Size」及び「2D−Scan Range」や画像データの左右/上下反転に用いるアイコン「Up/Down」及び「Left/Right」、更には、複数の撮影条件が予め設定された各種プリセット条件の選択に用いるプリセット条件選択用アイコン「Preset A」乃至「Preset D」が配置されている。
又、撮影条件設定画面Dcの下段領域には、表示部14のガンマ特性、AGC(自動利得制御)特性、平滑化特性、輪郭強調特性、ダイナミックレンジ等の調整に用いる調整用アイコン「Post Process」、「AGC」、「Time Smooth」、「Edge Enhance」、「DR」等が配置されている。
次に、図1の位置情報変化量計測部11は、操作パネル51の端部に設けられたプローブホルダ53に保持されている超音波プローブ2aの位置情報とこのプローブホルダ53から取り出された前記超音波プローブ2aの位置情報の変化量を、位置情報検出部6からシステム制御部17を介して供給された位置情報の検出結果に基づいて計測する。
一方、プローブ選択判定部12は、図示しない警告信号発生部を備え、操作パネル51のプローブホルダ53から取り出されることによりその位置情報が変化した超音波プローブ2aのプローブIDとプローブ選択画面において選択された超音波プローブ2aのプローブIDとを比較することにより、プローブホルダ53から実際に取り出された超音波プローブ2aとプローブ選択画面Daにおいて選択された超音波プローブ2aとが一致しているか否かを判定する。そして、これらの超音波プローブ2aが一致していない場合、上述の警告信号発生部は、その旨を示す文言や音声/光等を用いた警告信号を発生する。
次いで、表示モード制御部13は、入力部16から供給された指示信号あるいは位置情報変化量計測部11から供給された位置情報変化量の計測結果に基づいて、表示部14の第2の表示部における表示モードの切り替えを制御する。尚、本実施形態の第2の表示部における表示モードとしてプローブ選択画面表示モード、ガイド画面表示モード、撮影条件設定画面表示モードがあり、これらの表示モードは、上述の指示信号や計測結果に基づいて切り替えられる。
即ち、表示モード制御部13は、先ず、入力部16からシステム制御部17を介して供給されたプローブ選択画面表示指示信号に基づいて選択/設定画面保管部10から読み出したプローブ選択画面(図10参照)を第2の表示部に表示し、このプローブ選択画面に示された超音波プローブ2a乃至2cの中から超音波プローブ2aが選択された場合、ガイド画面作成部9が作成した装置本体50の装置モデルに超音波プローブ2aの位置情報等が付加された第1のガイド画面(図8参照)あるいは操作パネル51の装置モデルに超音波プローブ2aの位置情報等が付加された第2のガイド画面(図9参照)を上述のプローブ選択画面に替わって第2の表示部に表示する。
次いで、位置情報変化量計測部11において計測されたプローブホルダ53における超音波プローブ2aの位置情報とこのプローブホルダ53から取り出された超音波プローブ2aの位置情報との変化量が所定の閾値αより大きくなった場合、選択/設定画面保管部10から読み出した撮影条件設定画面(図11参照)を上述のガイド画面に替わって第2の表示部に表示する。そして、この撮影条件設定画面を用いた当該超音波検査における各種撮影条件の設定/更新が表示部14の第1の表示部に表示された画像データの観察下で行なわれる。
次に、表示部14は、画像データ生成部5が生成したBモード画像データやカラードプラ画像データを表示する第1の表示部と、ガイド画面作成部9が作成したガイド画面、選択/設定画面保管部10から読み出したプローブ選択画面及び撮影条件設定画面、更には、プローブ選択判定部12から供給されたプローブ選択の判定結果や警告信号等を表示する第2の表示部を有し、夫々の表示部は、図示しない表示データ生成部、変換処理部及びモニタを備えている。
そして、第1の表示部が備える表示データ生成部は、画像データ生成部5から供給された上述の画像データを所定の表示フォーマットに変換することにより第1の表示データを生成する。一方、第2の表示部が備える表示データ生成部は、上述のガイド画面、プローブ選択画面、撮影条件設定画面、プローブ選択の判定結果及び警告信号を所定の表示フォーマットに変換することにより第2の表示データを生成する。
次いで、上述の変換処理部は、表示データ生成部によって生成された第1の表示データ及び第2の表示データに対してD/A変換やTVフォーマット変換等の変換処理を行なってモニタに表示する。
走査制御部15は、暫定的な撮影条件が予め設定された撮影条件設定画面の各種パラメータを更新することにより新たに設定された撮影条件に基づき、被検体に対して超音波走査を行なうための遅延時間制御を送信部31の送信遅延回路312及び受信部32の受信遅延回路323に対して行ない、更に、位置情報変化量計測部11から供給された超音波プローブ2aの位置情報変化量に基づき、被検体に対する超音波送受信の開始タイミング制御を送受信部3の送信部31に対して行なう。
入力部16は、操作パネル51の上面に図7に示すようなトラックボール、選択/入力ボタン、設定レバー等の入力デバイスや図示しないキーボード、マウス等の入力デバイスを備え、被検体情報の入力、撮影モードの選択、プローブ選択画面における超音波プローブ2aの選択、撮影条件設定画面における撮影条件の設定、閾値αの設定、画像データ生成/表示条件の設定、各種指示信号の入力等を行なう。
システム制御部17は、図示しないCPUと入力情報記憶部を備え、入力部16において入力/選択/設定された上述の各種情報は入力情報記憶部に保存される。一方、CPUは、上述の各種情報を用いて超音波診断装置100が備える各ユニットを統括的に制御することにより超音波プローブ2aの選択に有効なガイド画面の作成/表示を実行させ、更に、このガイド画面に基づいて操作パネル51のプローブホルダ53から取り出した超音波プローブ2aを用いて得られる受信信号に基づいて画像データの生成と表示を実行させる。
(画像データの生成/表示手順)
次に、本実施形態における画像データの生成/表示手順を図12のフローチャートに沿って説明する。当該被検体に対する超音波検査に先立ち、超音波診断装置100の操作者は、入力部16において被検体情報の入力、撮影モードの選択、画像データ生成/表示条件及び閾値αの設定等を行なった後、プローブ選択画面表示指示信号を入力する。そして、システム制御部17を介して上述の指示信号を受信した表示部14は、選択/設定画面保管部10に保管されているプローブ選択画面(図10参照)を読み出して第2の表示部に表示する(図12のステップS1)。
一方、操作者は、表示部14の第2の表示部に表示されたプローブ選択画面に示されている選択ボタンBo−1を入力部16の入力デバイスを用いて押下することにより超音波プローブ2aの選択を行ない(図12のステップS2)、位置情報検出部6は、超音波プローブ2aに設けられたプローブ位置センサ21aの出力信号を用いて装置本体50に対する超音波プローブ2aの相対的な位置情報を検出する(図12のステップS3)。
次いで、ガイド画面作成部9は、位置情報検出部6からシステム制御部17を介して供給された超音波プローブ2aの識別情報と位置情報に基づき、モデル保管部8の装置モデル保管部から読み出した装置本体50あるいは操作パネル51の操作モデルに上述した超音波プローブ2aの位置情報、プローブモデル保管部から読み出した超音波プローブ2aのプローブモデル及びプローブ情報保管部7から読み出した超音波プローブ2aのプローブ情報を付加してガイド画面(図8及び図9参照)を作成する。
一方、表示モード制御部13は、入力部16から供給された超音波プローブ2aの選択情報に基づいて表示部14を制御することにより、第2の表示部において既に表示されているプローブ選択画面に替わってガイド画面作成部9が作成した上述のガイド画面を表示する(図12のステップS4)。
次に、操作者は、第2の表示部に表示されたガイド画面に示されている超音波プローブ2aの位置情報に基づいて操作パネル51のプローブホルダ53に保持されている超音波プローブ2a乃至2cの中から超音波プローブ2aを取り出し所望方向へ移動させる(図12のステップS5)。
一方、位置情報変化量計測部11は、このとき位置情報検出部6から時系列的に供給される位置情報に基づき、プローブホルダ53−1に保持されていた超音波プローブ2aの位置情報とプローブホルダ53−1から取り出された超音波プローブ2aの位置情報の変化量を検出し、その検出結果を表示モード制御部13へ供給する(図12のステップS6)。
そして、表示モード制御部13は、位置情報変化量計測部11から受信した超音波プローブ2aの位置情報変化量が所定の閾値αより小さい場合、ステップS5のプローブ移動とステップS6の位置情報変化量の計測を繰り返し、位置情報変化量が閾値αより大きくなった場合、表示部14を制御することにより、選択/設定画面保管部10から読み出した撮影条件設定画面(図11参照)を既に表示されているガイド画面に替わって第2の表示部に表示する(図12のステップS7)。
一方、上述の位置情報変化量が閾値αより大きくなった場合、その計測結果を受信した走査制御部15は、送受信部3を制御することにより被検体に対する超音波送受信を開始し、画像データ生成部5は、予め設定された暫定的な撮影条件と被検体の体表面に移動した超音波プローブ2aを用いて画像データを生成する。そして、得られた画像データは、表示部14の第1の表示部が備えるモニタにリアルタイム表示される(図12のステップS8)。
次いで、操作者は、入力部16の入力デバイスと第2の表示部の撮影条件設定画面を用いた当該超音波検査に好適な撮影条件の設定/更新を第1の表示部にリアルタイム表示されている画像データの観察下で行ない(図12のステップS9)、画像データ生成部5は、入力部16からシステム制御部17を介して供給される新たな撮影条件に基づいて診断用の画像データを生成する(図12のステップ10)。
一方、プローブ選択判定部12は、上述のステップS5において操作パネル51のプローブホルダ53−1から取り出されることによりその位置情報が変化した超音波プローブ2aのプローブIDとプローブ選択画面において選択された超音波プローブ2aのプローブIDとを比較することにより、プローブホルダ53−1から実際に取り出された超音波プローブ2aとプローブ選択画面において選択された超音波プローブ2aとが一致しているか否かを判定する(図12のステップS11)。そして、これらの超音波プローブ2aが一致していない場合、その旨を示す文言や音声/光等を用いた警告信号を発生して第2の表示部等に表示する(図12のステップS12)。
以上述べた本実施形態によれば、装置本体に接続された各種超音波プローブの中から所望の超音波プローブを選択して被検体に対する超音波検査を行なう際、超音波プローブの位置情報が示されたガイド画面を参照することにより所望超音波プローブの選択を正確かつ効率よく行なうことができる。このため、超音波検査の効率が改善されるのみならず当該超音波検査を担当する操作者の負担が軽減される。
特に、超音波プローブが保持されている装置本体あるいは操作パネルの装置モデルに当該超音波プローブの位置情報を付加させることにより、装置本体あるいは操作パネルと所望超音波プローブとの位置関係を正確に把握することができるため、誤ったプローブ選択を防止することが可能となる。又、上述のガイド画面に当該超音波プローブのプローブ情報やプローブモデルを付加することによりプローブ選択の精度を更に向上させることができる。
一方、操作パネルのプローブホルダに保持されていた超音波プローブの位置情報とこのプローブホルダから取り出された超音波プローブの位置情報との変化量に基づいてガイド画面から撮影条件設定画面への表示モード制御が行なわれるため、撮影条件設定画面を好適なタイミングで得ることが可能となり、連続した超音波検査を行なうことができる。
又、上述した超音波プローブの位置情報変化量に基づいて被検体に対する超音波送受信が開始されるため、省エネルギーに優れ効率的な超音波送受信が可能となり、被検体に対する不要超音波の照射を低減することができる。
更に、上述のプローブホルダから取り出されることによりその位置情報が変化した超音波プローブの識別情報とプローブ選択画面において選択された超音波プローブの識別情報とを比較することにより、取り出された超音波プローブと選択された超音波プローブとが一致しているか否かを判定することが可能なため、誤って取り出した超音波プローブによる超音波検査を未然に防止することができる。
以上、本開示の実施形態について述べてきたが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施形態では、複数からなるセクタ走査方式の超音波プローブ2a乃至2cとこれらの超音波プローブに対応した送受信部3を有する超音波診断装置について述べたが、コンベックス走査方式やリニア走査方式に対応した複数の超音波プローブあるいは異なる走査方式に対応した複数の超音波プローブと、これらの超音波プローブに対応した送受信部を有する超音波診断装置であってもよく、又、装置本体と超音波プローブが無線により接続された超音波診断装置であっても構わない。
又、装置本体50あるいは操作パネル51の装置モデルにプローブ選択画面Daにおいて選択された超音波プローブ2aの位置情報を重畳し、更に、超音波プローブ2aのプローブ情報及びプローブモデルを付加することによって第1のガイド画面Db−1あるいは第2のガイド画面Db−2を作成する場合について述べたが、例えば、図13に示すように、プローブ選択画面Daにおいて選択されなかった超音波プローブ2b及び超音波プローブ2cの位置情報、プローブ情報及びプローブモデルを必要に応じて付加することによりガイド画面Db−3を作成してもよい。この場合、超音波プローブ2aの各種情報と超音波プローブ2b及び超音波プローブ2cの各種情報は、異なる色調やサイズ等によって識別表示される。
更に、装置本体50あるいは操作パネル51の装置モデルに超音波プローブ2aの位置情報を重畳することによって第1のガイド画面Db−1あるいは第2のガイド画面Db−2を作成する場合について述べたが、例えば、図14に示すように、被検体150が載置された寝台や手術台等の位置情報を超音波プローブ2a乃至2cの位置情報と同様の手順によって検出し、予め作成された寝台モデル60や図示しない手術台モデルを検出された上述の位置情報に基づいて装置モデル50と共に配置することによりガイド画像Db−4を作成してもよい。この方法によれば、寝台や手術台に置かれた超音波プローブ2aの位置を、ガイド画面Db−4を観察することによって容易に把握することができる。尚、この場合も寝台モデルや手術台モデルに対し超音波プローブ2a乃至2cの各種情報を付加してガイド画面Db−4を作成してもよいが、超音波プローブ2aの各種情報のみを付加しても構わない。
一方、上述の実施形態では、受信信号を処理して得られたBモードデータ及びカラードプラデータに基づいて画像データを生成する場合について述べたが、画像データは、Bモードデータあるいはカラードプラデータの何れかに基づいて生成してもよく、又、Mモードデータやスペクトラムドプラデータ等の他の超音波データに基づいて生成することも可能である。
又、プローブ選択判定部12が発生する警告信号を表示部14の第2の表示部に表示する場合について述べたが、第1の表示部や他の専用表示部において表示しても構わない。更に、プローブホルダ53から取り出された超音波プローブ2aの位置情報変化量と閾値αとの比較結果に基づいて撮影条件設定画面への表示切り替えと被検体に対する超音波送受信を制御する場合について述べたが、前記位置情報変化量と異なる閾値との比較によって撮影条件設定画面への表示切り替えと超音波送受信の開始タイミングを制御してもよい。
尚、本実施形態の超音波診断装置100に含まれる各ユニットは、例えば、CPU、RAM、磁気記憶装置、入力装置、表示装置等で構成されるコンピュータをハードウェアとして用いることでも実現することができる。例えば、超音波診断装置100の各ユニットを制御するシステム制御部17は、上記のコンピュータに搭載されたCPU等のプロセッサに所定の制御プログラムを実行させることにより各種機能を実現することができる。この場合、上述の制御プログラムをコンピュータに予めインストールしてもよく、又、コンピュータ読み取りが可能な記憶媒体への保存あるいはネットワークを介して配布された制御プログラムのコンピュータへのインストールであっても構わない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。