JP2017157319A - 車両用照明装置、および車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、板状のフランジと;前記フランジの一方の面に設けられ、前記フランジ側とは反対側の端面に開口する第1の凹部を有する装着部と;前記装着部の前記端面と交差する面に設けられたバヨネットと;前記第1の凹部の底面に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;前記フランジの前記装着部が設けられる面と交差する面、前記装着部の前記端面と交差する面、前記第1の凹部の底面、および、前記バヨネットの前記装着部側とは反対側の面の少なくともいずれかに設けられ、突起、凹み、および面が荒れた領域の少なくともいずれかである痕跡部と;を具備している。
【選択図】図5
Description
車両用照明装置に設けられるソケットには、発光モジュールにおいて発生した熱の放熱性が高く、且つ、軽量であることが望まれている。
そのため、高熱伝導性樹脂から形成されたソケットが提案されている。
ところが、高熱伝導性樹脂には酸化アルミニウムなどからなるフィラーが添加されるので、流動性が低下する場合がある。
そのため、射出成形法により高熱伝導性樹脂を含むソケットを成形すると、充填不足やひけなどの成形不良が発生するおそれがある。この場合、ソケットの、発光モジュールが設けられる側の端部にひけが生じると、発光モジュールとソケットとの間に空間が生じ熱伝導性の低下、ひいては発光モジュールの放熱が著しく阻害されるおそれがある。
そこで、発光モジュールとソケットとの間の熱伝導性を向上させることができる技術の開発が望まれていた。
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図2は、図1において車両用照明装置1をA方向から見た模式図である。
図3は、図1における車両用照明装置1のB−B線方向の模式断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1〜図3においては痕跡部200aを省いて描いている(痕跡部200aは図5を参照)。
ソケット10は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11a(第1の凹部の一例に相当する)を有する。凹部11aの底面11a1には発光モジュール20が設けられる。
孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。そのため、孔10bの断面形状は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状に適合したものとなっている。
そのため、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い酸化アルミニウムや炭素などからなる繊維や粒子を混合させたものである。
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14が一体に形成されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。
そのため、射出成形法により高熱伝導性樹脂を含むソケット10を成形すると、充填不足やひけなどの成形不良が発生するおそれがある。
痕跡部201a、201b、201cは、射出成形の金型に設けられたゲート200と接続されていた位置に設けられている。図4においては、装着部11の端面11bに設けられた一対の痕跡部201aと、バヨネット12のフランジ13と対向する面12aに設けられた一対の痕跡部201bと、放熱フィン14の端面14aに設けられた痕跡部201cとの、3種類の痕跡部を同時に記載しているが、少なくとも1種類の痕跡部がゲート200との接続に使用される。ゲート200は、射出成形法によりソケット10を成形する際に、高熱伝導性樹脂が金型の内部に流れ込む入り口である。
ソケット10には、絶縁部31を挿入する孔10aや、コネクタ105を挿入する孔10bが設けられる。
そのため、図4に示すように、装着部11の端面11bに痕跡部201aを設ける場合や、バヨネット12のフランジ13と対向する面12aに痕跡部201bを設ける場合は、金型の、孔10aや孔10bの位置にある突出部分により高熱伝導性樹脂の流れが妨げられるので、凹部11aの底面11a1にひけ11a2が生じるおそれがある。凹部11aの底面11a1にひけ11a2が生じると、発光モジュール20とソケット10との間に空間が生じ熱伝導性の低下、ひいては発光モジュール20の放熱が著しく阻害されるおそれがある。
バヨネット12の面12aに痕跡部201bが設けられていると、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に装着する際に引っかかるなどの不具合が生じるおそれがある。この場合、切削加工などを施して痕跡部201bを除去することもできるが、製造コストが増大することになる。
図6(a)〜(d)は、図5においてソケット10をC方向から見た模式図である。図6(a)〜(d)は、痕跡部200dの位置を例示するための図であるため、200a、200b、200c、200eは省略している。
また、痕跡部200a、200b、200c、200d、200eは、射出成形の金型に設けられたゲート200と接続されていた部分である。そのため、痕跡部200a、200b、200c、200d、200eは、突起、凹み、面が荒れた領域などとなる。
この場合、図6(a)〜(d)に示すように、痕跡部200dは、発光モジュール20(基板21)が設けられる領域の外側に設けられている。なお、図6(a)〜(d)には、1〜4つの痕跡部200dが設けられる場合を例示したが、痕跡部200dの数や配置には特に限定はない。
また、痕跡部200a、200b、200c、200eの数や配置にも特に限定はない。
図8(a)〜(d)は、図7においてソケット10をD方向から見た模式図である。図8(a)〜(d)は、痕跡部200dの位置を例示するための図であるため、200a、200b、200c、200eは省略している。
図7および図8に示すように、発光モジュール20(基板21)が設けられる領域に痕跡部200dを設ける場合には、凹部11a3(第2の凹部の一例に相当する)を設け凹部11a3の底面に痕跡部200dを設けるようにすればよい。なお、凹部11a3は、凹部11aの底面11a1の発光モジュール20(基板21)が設けられる領域に設けられている。そのため、発光モジュール20(基板21)とソケット10との間の熱伝導性を阻害しないように、凹部11a3はなるべく小さくすることが好ましい。
図8に例示をしたように、発光モジュール20(基板21)が設けられる領域に痕跡部200dを設ける場合には、凹部11a3を設け凹部11a3の底面に痕跡部200dを設けるようにする。
この場合、図9に示すように、凹部11a3の内部に封止部210を設けるようにすることが好ましい。封止部210は、例えば、熱伝導率の高い樹脂などから形成することができる。熱伝導率の高い樹脂は、例えば、樹脂と無機材料からなるフィラーを含むものなどとすることができる。封止部210は、例えば、溶媒などで溶解させた樹脂を凹部11a3の内部に充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
封止部210を設ける様にすれば、発光モジュール20において発生した熱をソケット10に伝達するのが容易となる。また、凹部11a3の内部に充填した樹脂が硬化する前に発光モジュール20(基板21)を載置すれば、樹脂が硬化することにより発光モジュール20(基板21)とソケット10とを接合することができる。
基板21は、凹部11aの底面11a1に設けられている。基板21は、平板状を呈している。基板21の表面には、配線パターンが設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
発光素子22は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。
発光素子22は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。
例えば、発光素子22が青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22から出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が車両用照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類や発光素子22の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
発光素子22の光の出射面である上面は、車両用照明装置1の正面側に向けられており、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
なお、図1および図3に例示をした制御素子23は、表面実装型の抵抗器である。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
絶縁部31は、孔10aの内部に設けられている。絶縁部31は、孔10aに圧入することもできるし、孔10aの内部に接着することもできる。また、絶縁部31は、ソケット10と一体に形成することもできる。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図10に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
例えば、図10に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている(図3を参照)。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。
Claims (7)
- 板状のフランジと;
前記フランジの一方の面に設けられ、前記フランジ側とは反対側の端面に開口する第1の凹部を有する装着部と;
前記装着部の前記端面と交差する面に設けられたバヨネットと;
前記第1の凹部の底面に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
前記フランジの前記装着部が設けられる面と交差する面、前記装着部の前記端面と交差する面、前記第1の凹部の底面、および、前記バヨネットの前記装着部側とは反対側の面の少なくともいずれかに設けられ、突起、凹み、および面が荒れた領域の少なくともいずれかである痕跡部と;
を具備した車両用照明装置。 - 前記フランジの前記装着部が設けられる面と交差する面、前記装着部の前記端面と交差する面、前記第1の凹部の底面、および、前記バヨネットの前記装着部側とは反対側の面の少なくともいずれかには、第2の凹部が設けられ、
前記痕跡部は、前記第2の凹部の底面に設けられている請求項1記載の車両用照明装置。 - 前記第2の凹部の内部に設けられ、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む封止部をさらに備えた請求項2記載の車両用照明装置。
- 前記フランジ、前記装着部、および、前記バヨネットは、一体に形成され、樹脂と無機材料からなるフィラーを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記第2の凹部は、前記第1の凹部の底面の前記発光モジュールが設けられる領域に設けられている請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記痕跡部は、射出成形の金型に設けられたゲートと接続されていた位置に設けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた装着部を保持する筐体と;
を具備した車両用灯具。
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