JP2017155696A - 燃料供給ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】プランジャと軸シールとのフリクションを抑制し、焼き付きを防止できる燃料供給ポンプの提供。
【解決手段】プランジャ7bとバックポンピング室形成部材8との間に形成される環状隙間をシールするシール部9を有する高圧燃料供給ポンプであって、シール部9は、プランジャ7bの軸部7b2に摺接する軸シール10と、軸シール10を保持する内周部21、及び、バックポンピング室形成部材8に当接する外周部22を備えるシールホルダ20と、を有し、外周部22には、軸シール10が保持されている領域Xの少なくとも一部とバックポンピング室形成部材8との間に環状隙間を形成する凹部23が形成されている、という構成を採用する。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料供給ポンプに関するものである。
シリンダの内部を往復移動し、加圧室に溜まった燃料を加圧するプランジャと、プランジャが下死点に向かうときに、燃料を加圧室に供給するバックポンピング室を形成するバックポンピング室形成部材と、プランジャとバックポンピング室形成部材との間に形成される環状隙間をシールするシール部と、を有する燃料供給ポンプとして、例えば、下記特許文献1に記載の高圧燃料供給ポンプが知られている。
この高圧燃料供給ポンプのシール部は、シールホルダと、プランジャシール(軸シール)とを有する。プランジャシールは、シリンダホルダ(バックポンピング室形成部材)の内側円筒面部に圧入固定されたシールホルダによって、シリンダホルダの下端に保持されている。また、プランジャシールは、シリンダホルダの内側円筒面部によって、軸を円筒嵌合部の軸と同軸に保持されている。そして、プランジャとプランジャシールは、シリンダの下端部において摺動可能に接触する状態で設置されている。
特開2011−80389号公報
ところで、上記従来技術では、シールホルダの外周部全体をバックポンピング室の内側円筒面部に圧入しているため、シールホルダのプランジャに対する追従性が小さいという問題がある。例えば、プランジャの軸が少し傾くと、プランジャと軸シールとフリクション(摩擦)が過大となり、焼き付きが生じてしまう虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、プランジャと軸シールとのフリクションを抑制し、焼き付きを防止できる燃料供給ポンプの提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、シリンダの内部を往復移動し、加圧室に溜まった燃料を加圧するプランジャと、前記プランジャが下死点に向かうときに、燃料を前記加圧室に供給するバックポンピング室を形成するバックポンピング室形成部材と、前記プランジャと前記バックポンピング室形成部材との間に形成される環状隙間をシールするシール部と、を有する燃料供給ポンプであって、前記シール部は、前記プランジャの軸部に摺接する軸シールと、前記軸シールを保持する内周部、及び、前記バックポンピング室形成部材に当接する外周部を備えるシールホルダと、を有し、前記外周部には、前記軸シールが保持されている領域の少なくとも一部と前記バックポンピング室形成部材との間に環状隙間を形成する凹部が形成されている、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記凹部は、前記軸シールが保持されている領域よりも大きく形成されている、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記シールホルダは、前記凹部の一方の側壁を形成し、前記バックポンピング室を形成する第1周壁部と、前記凹部の他方の側壁を形成する第2周壁部と、を有し、前記第2周壁部の径は、前記第1周壁部の径よりも小さい、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記第2周壁部は、前記第1周壁部から離れるに従って漸次縮径するテーパー部を有する、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記凹部に配置されたスポンジ材を有する、という構成を採用する。
本発明においては、プランジャの軸が傾いた場合、シールホルダの外周部に凹部が形成されているため、シールホルダがプランジャに追従して動き易く(変形し易く)なり、軸シールもプランジャに追従でき、プランジャと軸シールとのフリクションを抑制できる。また、シールホルダの外周部に凹部が形成されると、シールホルダがバックポンピング室形成部材に当接する面積が減るため、高圧のバックポンピング室からの燃料漏れ対策に、凹部に燃料を溜め、凹部の圧力を外部とバックポンピング室との中間程度の圧力にすることで、バックポンピング室からの燃料の漏れを抑制することができる。また、凹部に溜めた燃料は、軸シールを外側から冷却する冷却液として機能するため、プランジャと軸シールとの焼き付きを効果的に防止できる。
このように、本発明によれば、プランジャと軸シールとのフリクションを抑制し、焼き付きを防止できる燃料供給ポンプが得られる。
本発明の実施形態における高圧燃料供給ポンプの断面構成図である。 図1における領域Aの拡大図である。 本発明の別実施形態におけるシール部の断面構成図である。
以下、本発明の燃料供給ポンプについて図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、燃料供給ポンプの一実施形態として、直噴型エンジンに向けて高圧燃料を供給する高圧燃料供給ポンプを例示する。
図1は、本発明の実施形態における高圧燃料供給ポンプPの断面構成図である。
高圧燃料供給ポンプPは、図示しない低圧ポンプから供給された燃料(低圧燃料)の圧力を所定の圧力(例えば数十MPa)まで昇圧する。直噴型エンジンを備えたエンジンシステムでは、燃料タンク内の燃料を低圧燃料ポンプで一次的に昇圧して高圧燃料供給ポンプPに供給し、この高圧燃料供給ポンプPで二次的に昇圧して得られた高圧燃料を、高圧配管を介して各気筒のインジェクタに供給して燃焼させる。
このような高圧燃料供給ポンプPは、図1に示すように、第1ボディ1、第2ボディ2、吐出部材4、電磁弁5、吐出弁6、プランジャ機構7、バックポンピング室形成部材8、シール部9等を備えている。第1ボディ1は、略円筒状の金属部材であり、中心部に略円筒状の加圧室Kが同軸状に形成され、また当該加圧室Kを挟んで対向するように燃料吸入流路Riと燃料吐出流路Roとが形成されている。
第1ボディ1の内部には、半径方向において中心軸線Lから所定距離だけ離れた位置に中心軸線Lと同一方向に延在する上昇流路R2及び図示しない下降流路が形成されている。さらに、この第1ボディ1は、中心軸線Lに直交する平面として下面1aを備えている。このような第1ボディ1には、吐出部材4及び電磁弁5が加圧室Kを取り囲むように取り付けられている。
第2ボディ2は、第1ボディ1の下部に同心状に取り付けられた略円筒状の金属部材である。この第2ボディ2は、第1ボディ1の下面1aと当接すると共に中心軸線Lに直交する上面2aを備えており、この上面2aには中心軸線Lの周囲を囲むように環状溝2bが形成されている。この環状溝2bは、第1ボディ1の下面1aと共に環状流路R3を構成している。
環状流路R3は、中心軸線Lの周りに環状に延在すると共に、上昇流路R2と連通する流路である。また、環状流路R3は、低圧燃料ポンプから高圧燃料供給ポンプP内に燃料を取り込む図示しない下降流路と連通する流路である。
吐出部材4は、第1ボディ1に取り付けられた管状部材であり、燃料吐出流路Roに連通する。この吐出部材4は、第1ボディ1の半径方向に設けられた燃料の吐出口である。
電磁弁5は、駆動部5a、弁座5b(シート部)及び弁体5c等を備え、駆動部5aによって弁座5bに対する弁体5cの位置を可変することにより燃料吸入流路Riと加圧室Kとの連通/遮断を切り替える制御弁である。この電磁弁5は、弁座5b及び弁体5c等からなる開閉部が燃料吸入流路Ri内に設けられており、弁体5cが弁座5bに当接することにより燃料吸入流路Riと加圧室Kとを遮断する一方、弁体5cが弁座5bから離間することにより燃料吸入流路Riと加圧室Kとを連通させる。
吐出弁6は、弁座6a(シート部)及び弁体6b等を備え、加圧室Kの燃料圧力に応じて開閉する逆止弁である。すなわち、この吐出弁6は、燃料吐出流路Ro内に設けられており、加圧室Kの燃料圧力が所定の燃料圧力よりも高くなると、弁体6bが弁座6aから離間して加圧室Kと燃料吐出流路Roとを連通させる。また、この吐出弁6は、加圧室Kの燃料圧力が所定の燃料圧力よりも低くなると、弁体6bが弁座6aに当接して加圧室Kと燃料吐出流路Roとを遮断する。
プランジャ機構7は、シリンダ7a、プランジャ7b、保持部材7c、戻しバネ7d及びカム7e等を備えている。シリンダ7aは、第1ボディ1及び第2ボディ2内に中心軸線Lと同軸状に収容された略円筒状の金属部材である。このシリンダ7aは、加圧室Kに連通する空洞を形成するものであり、加圧室Kの下方に位置する。
プランジャ7bは、先端部が加圧室Kに臨む状態でシリンダ7a内に収容される棒状部材であり、加圧室Kに対して前進/後退する。プランジャ7bは、シリンダ7aの内周面に摺動する本体部7b1と、本体部7b1の後端部に接続され、本体部7b1よりも径が小さい軸部7b2と、を有する。本体部7b1とシリンダ7aとの間には所定のクリアランス(隙間)が設けられ、当該隙間には潤滑油が存在する。この潤滑油は、燃料の一部である。
保持部材7cは、プランジャ7bの軸部7b2の後端部に設けられ、戻しバネ7dの下端部を係止する円板状部材である。戻しバネ7dは、下端部が保持部材7cに係合する一方、上端部がバックポンピング室形成部材8の下部に形成された係合溝8aに係合するコイルバネである。この戻しバネ7dは、プランジャ7bを下方、つまりプランジャ7bの先端部が加圧室Kから離間する方向(加圧室Kの容積を増大させる方向)に付勢する圧縮バネである。
カム7eは、戻しバネ7dによって下方に付勢されたプランジャ7bを上方に間欠駆動させるものである。すなわち、プランジャ7bの軸部7b2は、戻しバネ7dの付勢力によってカム7eに向けて押し付けられており、カム7eが回転するとプランジャ7bはシリンダ7aの内部を往復移動する。
このように構成された高圧燃料供給ポンプPでは、電磁弁5及びプランジャ機構7が作動することにより、低圧燃料ポンプから供給された低圧燃料が昇圧され、高圧燃料として吐出部材4から吐出される。すなわち、低圧燃料は、図示しない下降流路から環状流路R3を経由して上昇流路R2に流れ込み、さらに上昇流路R2から燃料吸入流路Riを経由して加圧室Kに流れ込む。電磁弁5は、駆動部5aへの駆動電流の非通電時に開状態、つまり弁体5cが弁座5bから離間して燃料吸入流路Riと加圧室Kとを連通させる状態となる。したがって、初期段階では、駆動部5aが作動しない状態において燃料吸入流路Riと加圧室Kとは連通状態である。
そして、この燃料吸入流路Riと加圧室Kとは連通状態でプランジャ機構7が作動してプランジャ7bが加圧室Kに向かって前進することにより、加圧室Kの容積が徐々に減少して加圧室K内の低圧燃料が緩やかに圧縮(昇圧)される。この緩やかな昇圧過程において、電磁弁5の駆動部5aに駆動電流が通電されると、電磁弁5の弁体5cが弁座5bに当接して燃料吸入流路Riと加圧室Kとが遮断され、この結果として加圧室Kは密室状態となる。
そして、この密室状態においてプランジャ7bが加圧室Kに向かってさらに前進することにより、加圧室K内の低圧燃料は急激に昇圧されて高圧燃料となる。この急激な昇圧によって加圧室K内の高圧燃料の圧力(燃料圧力)が所定の燃料圧力よりも高くなると、吐出弁6の弁体6bが弁座6aから離間して加圧室Kと燃料吐出流路Roとを連通させ、この結果として吐出弁6を経由して吐出部材4に高圧燃料が供給され、以って吐出部材4から高圧燃料が吐出される。
バックポンピング室形成部材8は、上記燃料吐出後、プランジャ7bが下死点に向かうときに、燃料を加圧室Kに供給するバックポンピング室Bを形成するものである。このバックポンピング室形成部材8は、第2ボディ2の下部に同心状に取り付けられた金属部材である。バックポンピング室形成部材8は、第2ボディ2の下部に形成された環状の嵌合溝2cに嵌合する環状の嵌合部8bと、嵌合部8bの中央に配置され、シール部9を収容する円筒状の円筒収容部8cと、を有する。
バックポンピング室Bは、第2ボディ2、バックポンピング室形成部材8及びシール部9によって区画形成されている。このバックポンピング室Bは、連通流路Rbを介して、燃料吸入流路Riと連通している。なお、図1において連通流路Rbは、視認性を向上させるため第1ボディ1及び第2ボディ2の外部に図示されているが、実際には第1ボディ1及び第2ボディ2の内部を貫通して形成されている。電磁弁5によって加圧室Kが密室状態になった状態でプランジャ7bが上死点に向かうとき、燃料は燃料吸入流路Riから連通流路Rbを介してバックポンピング室Bに導入される。
一方、プランジャ7bが下死点に向かうとき、本体部7b1と軸部7b2との段差によってバックポンピング室Bの容積が減少し、バックポンピング室Bに導入された燃料が押し出され、押し出された燃料が連通流路Rbを介して燃料吸入流路Riに導入される。このように、プランジャ7bが下死点に向かうときに、バックポンピング室Bからも燃料吸入流路Riに燃料が導入されるため、電磁弁5を開いて燃料吸入流路Riを経由して燃料を加圧室Kに流れ込ませるときに、加圧室Kを速やかに燃料で満たすことができ、加圧室Kの圧力低下を低減し、燃料吸入不良を防止できる。
シール部9は、プランジャ7bとバックポンピング室形成部材8との間に形成される環状隙間をシールするものである。このシール部9は、バックポンピング室形成部材8の円筒収容部8cに収容される。円筒収容部8cは、有底円筒状に形成されており、その底部8c1の中央にプランジャ7bの軸部7b2が挿通される挿通孔8c2を有する。シール部9は、円筒収容部8cに圧入されて挿通孔8c2からの燃料漏れを防止すると共に、プランジャ7bの軸部7b2を摺動自在に支持する。
図2は、図1における領域Aの拡大図である。
シール部9は、図2に示すように、プランジャ7bの軸部7b2に摺接する軸シール10と、軸シール10を保持するシールホルダ20と、を有する。
軸シール10は、軸部7b2に対して摺動可能な円筒状の金属部材である。シールホルダ20は、略円筒状の樹脂部材であり、その内周部21に軸シール10を保持する。
シールホルダ20の内周部21の径は、軸シール10の外径よりも僅かに小さく設計されており、軸シール10は、内周部21に圧入されることで、シールホルダ20に保持される。この内周部21は、有頂円筒状に形成されており、軸シール10の上端面を覆う頂部21aを備える。頂部21aの中央には、プランジャ7bの軸部7b2が挿通される挿通孔21bが形成されている。挿通孔21bの径は、軸部7b2の径よりも大きく、シールホルダ20は、軸部7b2と摺接しないようになっている。
シールホルダ20は、バックポンピング室形成部材8の円筒収容部8cに当接する外周部22を備える。外周部22には、軸シール10が保持されている領域Xの少なくとも一部とバックポンピング室形成部材8との間に環状隙間を形成する凹部23が形成されている。領域Xとは、中心軸線Lと同一方向における軸シール10と対向する領域を意味し、また、軸シール10のシール長を意味する。本実施形態の凹部23は、図2に示すように、中心軸線Lと同一方向において幅Wを有し、軸シール10が保持されている領域Xよりも大きく形成されている。
シールホルダ20は、凹部23の一方の側壁を形成する第1周壁部24と、凹部23の他方の側壁を形成する第2周壁部25と、を有する。第1周壁部24は、バックポンピング室Bを形成するものであり、凹部23の上側の側壁を形成する。第1周壁部24は、バックポンピング室形成部材8(円筒収容部8cの内周面8c3)に当接(圧入)する。また、第2周壁部25は、凹部23の下側の側壁を形成するものであり、バックポンピング室形成部材8(円筒収容部8cの内周面8c3)に当接(圧入)する。
この第2周壁部25の径は、第1周壁部24の径よりも小さい。詳しくは、第1周壁部24及び第2周壁部25は、いずれもバックポンピング室形成部材8の円筒収容部8cの内径(内周面8c3)よりも僅かに大きく設計されて圧入されてはいるが、第2周壁部25の圧入代が、第1周壁部24の圧入代よりも小さくなっている。なお、図2においては、視認性を向上させるため、第2周壁部25とバックポンピング室形成部材8との間に隙間を設けているが、両者は実際には当接している。
第2周壁部25は、凹部23に燃料を溜めさせる貯溜部30を形成する。第2周壁部25(貯溜部30)は、外部の圧力よりも比較的高圧のバックポンピング室Bから、第1周壁部24とバックポンピング室形成部材8との隙間を介して漏れ出した燃料(図2において符号Fで示す)を、凹部23に滞留させる。すなわち、凹部23に燃料を溜めることで、凹部23の圧力が外部とバックポンピング室との中間程度の圧力になり、凹部23に燃料を溜めないとき(外部の圧力)と比べてバックポンピング室Bとの圧力差が小さくなるため、バックポンピング室Bからの燃料の漏れを抑制することができる。なお、貯溜部30は、シールホルダ20の下端部と円筒収容部8cの底部8c1とを当接させて形成してもよい。
続いて、上記構成のシール部9の作用について説明する。
プランジャ7bは、図1に示すように、上部の本体部7b1がシリンダ7aに摺動自在にホールドされているが、下部の軸部7b2は本体部7b1よりも比較的フリーである。この軸部7b2は、カム7eに向かって押圧されており、カム7eが回転すると、カム7eの回転方向に沿って左右に振れ易い。軸部7b2が振れると、本体部7b1がシリンダ7aにホールドされていることから、プランジャ7bの軸が微小に傾く。
ここで、本実施形態のシール部9には、図2に示すように、シールホルダ20の外周部22に、軸シール10が保持されている領域Xの少なくとも一部とバックポンピング室形成部材8との間に環状隙間を形成する凹部23が形成されている。このように、シールホルダ20の外周部22に凹部23を形成することで、プランジャ7bの軸が傾いた場合、シールホルダ20がプランジャ7bに追従して動き易く(変形し易く)なり、軸シール10もプランジャ7bに追従できる。このため、プランジャ7bと軸シール10とのフリクション(摩擦)が過大になることがなく、焼き付きを抑制できる。
また、シールホルダ20の外周部22に凹部23が形成されると、シールホルダ20がバックポンピング室形成部材8に当接する面積が減るため、本実施形態では、高圧のバックポンピング室Bからの燃料漏れ対策に、貯溜部30を設けている。貯溜部30によって凹部23に燃料を溜め、凹部23の圧力を外部とバックポンピング室Bとの中間程度の圧力にすることで、バックポンピング室Bからの燃料の漏れを抑制することができる。また、凹部23に溜めた燃料は、軸シール10を外側から冷却する冷却液として機能するため、プランジャ7bと軸シール10との焼き付きをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の凹部23は、軸シール10が保持されている領域Xよりも大きく形成されている。この構成によれば、軸シール10が保持されている領域X全体がプランジャ7bに追従して動き易く(変形し易く)なり、シールホルダ20の変形自由度を高めることができる。このため、シールホルダ20は、プランジャ7bに追従し易くなり、軸シール10もプランジャ7bに追従できるため、プランジャ7bと軸シール10とのフリクションをより効果的に低減できる。
さらに、本実施形態においては、シールホルダ20は、凹部23の一方の側壁を形成し、バックポンピング室Bを形成する第1周壁部24と、凹部23の他方の側壁を形成し、貯溜部30を形成する第2周壁部25と、を有する。この構成によれば、シールホルダ20の第2周壁部25が貯溜部30として機能するため、凹部23に燃料を溜めさせる貯溜部30を別部材(例えばガスケット等)で追加設置する必要が無くなり、コストダウンが図れる。また、第2周壁部25の径は、第1周壁部24の径よりも小さいため、シールホルダ20の上下の圧入代の調整によって、シールホルダ20の下部(領域X)におけるプランジャ7bに対する追従性を確保することができる。
このように、上述の本実施形態によれば、シリンダ7aの内部を往復移動し、加圧室Kに溜まった燃料を加圧するプランジャ7bと、プランジャ7bが下死点に向かうときに、燃料を加圧室Kに供給するバックポンピング室Bを形成するバックポンピング室形成部材8と、プランジャ7bとバックポンピング室形成部材8との間に形成される環状隙間をシールするシール部9と、を有する高圧燃料供給ポンプPであって、シール部9は、プランジャ7bの軸部7b2に摺接する軸シール10と、軸シール10を保持する内周部21、及び、バックポンピング室形成部材8に当接する外周部22を備えるシールホルダ20と、を有し、外周部22には、軸シール10が保持されている領域Xの少なくとも一部とバックポンピング室形成部材8との間に環状隙間を形成する凹部23が形成されている、という構成を採用することによって、プランジャ7bと軸シール10とのフリクションを抑制し、焼き付きを防止できる高圧燃料供給ポンプPが得られる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本発明は、図3に示すような構成を採用することができる。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図3は、本発明の別実施形態におけるシール部9の断面構成図である。
図3(a)に示すシールホルダ20Aは、第2周壁部25が、第1周壁部24から離れるに従って漸次縮径するテーパー部26を有する。テーパー部26は、予め力を低減させる形状であるため、シールホルダ20Aのバックポンピング室形成部材8に対する過圧入を抑制することができる。
図3(b)に示すシールホルダ20Bは、凹部23に複数の凸部27が形成されている。複数の凸部27は、バックポンピング室形成部材8に物理的に非接触のラビリンスシールを形成し、貯溜部30として機能する。この構成によれば、第2周壁部25をバックポンピング室形成部材8に接触させずに、凹部23に燃料を溜めさせることができ、シールホルダ20Bの下部におけるプランジャ7bに対する追従性を高めることができる。
図3(c)に示すシールホルダ20Cの凹部23には、スポンジ材28が配置されている。スポンジ材28は、内部の空隙に燃料を保持(吸収)すると共に、シールホルダ20Cがプランジャ7bに追従する動きを阻害しないように弾性変形可能であり、貯溜部30として機能する。この構成によれば、第2周壁部25をバックポンピング室形成部材8に接触させずに、凹部23に燃料を溜めさせることができ、シールホルダ20Cの下部におけるプランジャ7bに対する追従性を高めることができる。
また、例えば、上記実施形態では、図1に示すように、バックポンピング室Bと燃料吸入流路Riとが連通流路Rbによって直接連通しているが、例えば、上述した先行技術文献のように、金属ダイアフラムダンパ(符号9)が配置されている吸入室(符号10c)を介して電磁駆動型弁機構(符号30)の吸入ポート(符号30a)と連通している高圧燃料供給ポンプにおいても、本発明が適用できることは言うまでもない。
7a シリンダ
7b プランジャ
7b2 軸部
8 バックポンピング室形成部材
9 シール部
10 軸シール
20 シールホルダ
21 内周部
22 外周部
23 凹部
24 第1周壁部
25 第2周壁部
26 テーパー部
28 スポンジ材
30 貯溜部
B バックポンピング室
K 加圧室
P 高圧燃料供給ポンプ(燃料供給ポンプ)
X 領域

Claims (5)

  1. シリンダの内部を往復移動し、加圧室に溜まった燃料を加圧するプランジャと、前記プランジャが下死点に向かうときに、燃料を前記加圧室に供給するバックポンピング室を形成するバックポンピング室形成部材と、前記プランジャと前記バックポンピング室形成部材との間に形成される環状隙間をシールするシール部と、を有する燃料供給ポンプであって、
    前記シール部は、
    前記プランジャの軸部に摺接する軸シールと、
    前記軸シールを保持する内周部、及び、前記バックポンピング室形成部材に当接する外周部を備えるシールホルダと、を有し、
    前記外周部には、前記軸シールが保持されている領域の少なくとも一部と前記バックポンピング室形成部材との間に環状隙間を形成する凹部が形成されている、ことを特徴とする燃料供給ポンプ。
  2. 前記凹部は、前記軸シールが保持されている領域よりも大きく形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給ポンプ。
  3. 前記シールホルダは、
    前記凹部の一方の側壁を形成し、前記バックポンピング室を形成する第1周壁部と、
    前記凹部の他方の側壁を形成する第2周壁部と、を有し、
    前記第2周壁部の径は、前記第1周壁部の径よりも小さい、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料供給ポンプ。
  4. 前記第2周壁部は、前記第1周壁部から離れるに従って漸次縮径するテーパー部を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の燃料供給ポンプ。
  5. 前記凹部に配置されたスポンジ材を有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料供給ポンプ。
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