JP2017154772A - 注出キャップ - Google Patents
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Abstract
Description
この種のキャップは、容器本体をスクイズすることなく、そのまま傾け、開口部から注出筒を介して内容液を注ぎ出す(自然吐出)ものであり、内容液の粘性などを考慮して開口部の穴径を決定している。
このため、少量注出する場合には、容器本体の傾け角度を小さくする必要があるが、この場合、容器本体の傾け角度の調整が難しく、傾け過ぎると内容液が出過ぎたり、思わぬ方向に内容液が飛び出したりすることがある。
そこで、キャップ本体に流量調整部材を備える注出キャップが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、注出後、流量調整部材内に内容液が残った場合には、再注出の際に、内容液より先に残液が飛び出して、汚してしまうという問題があった。
また、注出後、流量調整板に内容液がとどまることがなく、速やかに容器本体内に戻すことができる注出キャップを提供することを目的とする。
キャップ本体の具体的実施形態として、開口部の穴径は、8〜14mmであることを特徴とする構成を採用する。
また、流量調整板の別の具体的実施形態として、流量調整板は、整流壁が中心に向かって上方に傾斜するテーパー状であることを特徴とする構成を採用する。
さらに、キャップ本体の別の具体的実施態様として、流路部は、装着部上端から上方に連設される流路筒と、流路筒の上端縁から内方に延設される天壁とを有することを特徴とする構成を採用する。
特に、内容液が低粘度の液体の場合に好適である。
装着部6は、装着時に口筒部1の上端面と当接する環状の上壁8と、上壁8の外周縁から垂設される外筒9と、上壁8の内周縁から垂設される内筒10とから構成されている。
外筒9の内周面下端部には、口筒部1の係合突条4と係合する係合突部11が形成されている。
さらに、流路筒12は、外周面に、後述するオーバーキャップCを螺合するための雄ネジ13が形成され、内周上端に、後述する流量調整板Dを取り付けるための嵌合凹部12aが全周にわたって形成されている。
なお、流量調整板Dを取り付けるための嵌合凹部12aは、嵌合凸部として形成されていても構わない。
注出筒15には、その内周近傍に沿って形成される円形の隔壁16が破断可能な薄肉の弱化部17を介して接続され、隔壁16の上面には、支柱18を介してプルリング19が連設されている。
頂壁21の裏面から閉蓋時に注出筒15の内周を密封する筒状の密封リング23が垂設されている。
さらに、頂壁21の裏面には、密封リング23の外側に、閉蓋時にキャップ本体Bと螺合するための筒状の装着筒24が垂設され、装着筒24の内周面には、雌ネジ25が形成されている。
なお、本実施例では、整流壁30は、中心に向かって上方に傾斜するテーパー状をなしているが、傾斜のない平坦な形状でも構わない。
取付部33は、キャップ本体Bに取り付けるための嵌合凸部34が外周上端部に形成されているが、キャップ本体Bに取り付けるための嵌合凸部34は、嵌合凹部として形成されていても構わない。
なお、流路孔32の個数は、4〜10程度が好ましく、流路孔32の形状は、円形や長円形状に限らず、三角形状、矩形状などでも構わない。
本実施例では、各形状の孔35、36および37が形成される流路孔32は、整流壁30の外縁部から所定距離Sだけ内方の円周上に位置するように配置されているが、流路孔32は、外周側の近傍であれば、取付部33の内周に接して配置されていても構わない。
このため、図1に示すように、整流壁30の上面と取付部33の内周との接続部には、整流壁30の外周側から流路孔32に向けて下方に傾斜する環状の傾斜部38が形成されている。
本実施例の注出キャップは、容器本体Aの口筒部1に装着する前に、キャップ本体Bの流路筒12の内周面に流量調整板Dを組み付ける必要があり、装着筒12の内周に流量調整板Dの取付部33を押し込むと、取付部33の嵌合凸部34は、流路筒12の内周面と摺接しながら天壁14に向けて入り込み、最終的に嵌合凹部12aに保持される。
打栓工程の後、キャップ本体Bの流路筒12に、オーバーキャップCの装着筒24を螺合させて、キャップ本体BをオーバーキャップCで被冠する閉蓋工程を終了する。
なお、打栓工程の前に閉蓋工程を行っても構わない。
最後に、隔壁16を抜栓し、注出筒15の内側に開口部を開口する。
注出筒15の内側に開口部が開口された後、容器本体Aを任意の注出方向に傾けることによって、容器本体A内の内容液を注出筒15を介して注出することができる。
また、本実施例の注出キャップは、内容液に注出後に容器本体Aを正立状態に戻したとき、流量調整板Dの整流壁30が中心に向かって上方に傾斜するテーパー状をなすとともに、整流壁30の外周側から流路孔32に向けて下方に傾斜する傾斜面が形成されることにより、注出後に整流壁30の上面に残った内容液を速やかに流路孔32に案内し、流路孔32から内容液を容器本体A内に回収することができる。
さらに、流路孔32が対向する位置に天壁14が存在することにより、流路孔32が大きい場合でも、流路空間Fに流入した内容液が天壁14に衝突して、その勢いが弱められ、注出筒15から注出される。
また、整流壁30の内容液が接触しない上側の流路孔32が空気の流通路となり、容器本体A外内との空気置換がされるので、内容液の脈動を防止し、内容液を安定して流路筒12内に流入させることができる。
さらに、流路孔32の流量調整板D(E)に対する開口率を計算すると、流量調整板(a)は13.5%、流量調整板(b)は27%、流量調整板(c)は25%であり、開口部の穴径Mの流量調整板D(E)の整流壁30の直径Rに対する比率を計算すると、穴径8mmでは0.35、穴径10mmでは0.43、穴径12mmでは0.52、穴径14mmでは0.61である。
実験方法は、500mlのボトルに約500mlのウスターソース(粘度:0.2Pa・s未満)を充填し、図5に示すように、ボトルを正立状態から傾け角度θ1=100°で傾けたときと、傾け角度θ2=145°で傾けたときに、ウスターソースの注出状態を観察した。
つぎに、500mlのボトルに約500mlの内容液を中濃ソース(粘度:0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満)を充填した場合は、開口部の穴径が8mmおよび10mmのときは、横長孔36の流量調整板(b)の場合だけが流出させることができ、流量調整板を取り付けなかった場合と、流量調整板(a)および(c)の場合は、中濃ソースを流出できなかった。
これに対して、開口部の穴径が12mmおよび14mmのときは、丸孔35の流量調整板(a)の場合だけが流出させることができなかった。
この比較実験の結果を表1に示す。
なお、表中で×印は、注出できないことを示す。
(1)内容液がウスターソースであり、安定した流量で少なめに注出したい場合は、流量調整板(a)が最も好適であり、流路孔32の形状として、丸孔35が好ましい。
(2)内容液がウスターソースであり、安定した流量で多めに注出したい場合は、流量調整板(c)が最も好適であり、流路孔32の形状として、径方向に長径を有する縦長孔37が好ましい。
(3)内容液が中濃ソースであり、安定した流量で注出したい場合は、流量調整板(b)が最も好適であり、流量調整板(b)も開口部の穴径が12mmおよび14mmのときは好適であり、流路孔32の形状として、周方向に長径を有する横長孔36か、または径方向に長径を有する縦長孔37が好ましい。
その際、キャップ本体Bの注出筒15の内周に、オーバーキャップCの密封リング23の外周が密接し、注出筒15より内方を密封する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
栓体40は、上部中央に筒状壁41が立設され、筒状壁41の上端内周には、嵌合突条42が形成されるとともに、筒状壁41の外周には、縦方向に形成された外歯43が複数本配設されている。
また、栓体40の下端面は、流量調整板Eの装着時に流量調整板Eの突部31の上端面と近接するようになっている。
密封リング46の内周面には、栓体40を抜栓する抜栓機構として、縦方向に形成されたラチェット歯47が複数本配設されている。
その他の構成については、第1実施例と同様である。
本実施例の注出キャップは、キャップ本体BにオーバーキャップCを被冠する閉蓋工程において、オーバーキャップCの装着筒24をキャップ本体Bの流路筒12に螺合すると、密封リング46のラチェット歯47と栓体40の外歯43と当接するが、ラチェット歯47は、閉蓋時に空回りして栓体40の外歯43と噛み合うことがない。
次に、オーバーキャップCを初めて開蓋する際は、オーバーキャップCを回すことにより、オーバーキャップCのラチェット歯47と栓体40の外歯43とが噛み合い、栓体40を注出筒15の内周下端から切り離すとともに、嵌入ボス部45が筒状壁41の嵌合突条42と係合することにより、切り離された栓体40をオーバーキャップC側に保持する。
その他の構成については、第1実施例と同様であり、作用効果も同様である。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
その他の構成については、第1実施例と同様であり、作用効果も同様である。
特に、本発明の注出キャップは、内容液が粘度の低いウスターソースなどの調味料液体の容器に用いるのに好適である。
B キャップ本体
C オーバーキャップ(蓋体)
D、E 流量調整板
F 流路空間
M 開口部の穴径
R 流量調整板の直径
S 外縁部からの距離
θ1、θ2 傾け角度
1 口筒部
2 肩部
3 胴部
4 係合突条
5 ネックリング
6 装着部
7 流路部
8 上壁
9 外筒
10 内筒
11 係合突部
12 流路筒
12a 嵌合凹部
13 雄ネジ
14 天壁
15 注出筒
16 隔壁
17 弱化部
18 支柱
19 プルリング
21 頂壁
22 外周壁
23 密封リング
24 装着筒
25 雌ネジ
30 整流壁
31 突部
32 流路孔
33 取付部
34 嵌合凸部
35 丸孔
36 横長孔
37 縦長孔
38 傾斜面
40 栓体
41 筒状壁
42 嵌合突条
43 外歯
45 嵌入ボス部
46 密封リング
47 ラチェット歯
Claims (6)
- 内容液が充填される容器本体の口筒部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体の開口部を閉塞する蓋体とからなる注出キャップであって、
キャップ本体は、容器本体の口筒部に装着される装着部と、装着部に連設され、天壁を貫通する円形の開口部が設けられる流路部とを備え、
流路部は、開口部の周囲に立設される注出筒と、流路を遮るように設けられる流量調整板を備え、
流量調整板は、円形状の整流壁と、整流壁の外周側の近傍に周方向で等間隔に複数形成され、それぞれ同一の開口面積を有する流路孔とを備えることを特徴とする注出キャップ。 - 内容液の粘度が0.2Pa・s未満のとき、流量調整板の開口率は、13.5〜27%で、流路孔の合計開口面積は、55〜105mm2 であることを特徴とする請求項1に記載の注出キャップ。
- 内容液の粘度が0.2以上2.0未満のとき、流量調整板の開口率は、25〜27%で、流路孔の合計開口面積は、105〜120mm2 であることを特徴とする請求項1に記載の注出キャップ。
- 開口部の穴径は、8〜14mmであることを特徴とする請求項2または3に記載の注出キャップ。
- 流量調整板は、整流壁が中心に向かって上方に傾斜するテーパー状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の注出キャップ。
- 流路部は、装着部上端から上方に連設される流路筒と、流路筒の上端縁から内方に延設される天壁とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の注出キャップ。
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