JP2017154696A - ハブユニットの製造方法 - Google Patents

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淑人 高田
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Abstract

【課題】組み付け性を低下させることなく、シール装置のシール性能を高めることが可能なハブユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】車輪12が取り付けられるフランジ部21を有するハブ軸2と、内輪3及び外輪4の間に転動体5が配置された軸受部10と、第1シール装置6とを備えたハブユニット1の製造方法であって、第1シール装置6は、弾性シール部材61及びダストカバー62とを有し、弾性シール部材61は、軸方向に延在する延在部612のフランジ部21側の端部から外側に突出する環状の突部613とを有し、ダストカバー62は、突部613を覆って外輪4側に延在する筒状部622を有し、筒状部622の先端部の内径が突部613の外径よりも小さく、組付工程において、弾性シール部材61の突部613は、ダストカバー62の筒状部622の先端部に当接して縮径し、筒状部622の先端部を通過した後に弾性復帰して縮径前の外径に戻る。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輪を回転可能に支持するハブユニットの製造方法に関する。
従来、車体に対して車輪を回転自在に支持するハブユニットは、車体側の支持部材に取り付けられる筒状の外輪と、外輪の内側に配置される内輪と、外輪と内輪との間で転動可能な複数の転動体とを備えている。車輪は、内輪に挿通された回転部材に固定され、転動体の転動によって車体側の支持部材に対して円滑に回転する。このようなハブユニットには、外輪と内輪との間への異物の侵入を防ぐためのシール装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のハブユニット(車軸用軸受)には、外輪と内輪との間にダストシールが配置されると共に、ダストシールと軸方向に並んでデフレクタプレートが配置されている。デフレクタプレートは、アクスルシャフトの外周面に嵌合される円筒状の嵌合部と、嵌合部の一端部から外側に折り返された外套部とを有している。外套部の内側には、外輪を抜け止めするためのリテーナプレートの筒状部が延在して配置されている。リテーナプレートの筒状部は、車輪が取り付けられるアクスルシャフトのフランジ部に向かって、外輪の側面に向かい合う板面から延在している。このように、リテーナプレートの筒状部がデフレクタプレートの外套部に覆われたシール構造により、リテーナプレートの筒状部の内側への異物の侵入が抑制されている。
特開2002−144806号公報(段落[0010]、図2,7)
特許文献1に記載のシール構造では、デフレクタプレートの外套部ならびにリテーナプレートの筒状部は、共に内輪の回転軸線と平行な円筒状であるので、異物の侵入抑制効果が必ずしも十分ではない。つまり、小石等の比較的大きな異物は、デフレクタプレートの外套部とリテーナプレートの筒状部との間に入り込むことができないが、水沫や粉塵等の細かな異物は、デフレクタプレートの外套部とリテーナプレートの筒状部との間を通過して、重力等によってリテーナプレートの筒状部の内側に容易に侵入してしまう。
このような異物の侵入を抑制するためには、リテーナプレートの筒状部におけるフランジ部側の端部に外方に突出する突起を設けると共に、デフレクタプレートの外套部の先端部(フランジ部とは反対側の端部)を内方に向かって縮径させることが望ましい。しかし、このような構造を採用した場合には、組み付けの際に外套部の先端部とリテーナプレートの筒状部に設けられた突起とが干渉してしまい、組み付けが困難となるおそれがある。
そこで、本発明は、組み付け性を低下させることなく、シール装置のシール性能を高めることが可能なハブユニットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、車輪を取り付けるフランジ部、及び前記フランジ部から前記車輪側とは反対側に延在する軸部を有するハブ軸と、前記ハブ軸の前記軸部に外嵌された内輪、前記内輪の外周に配置された外輪、及び前記内輪と前記外輪の間で転動可能な複数の転動体を有する軸受部と、前記外輪と前記フランジ部との間に配置されるシール装置とを備えたハブユニットの製造方法であって、前記シール装置は、前記外輪に対して固定された弾性体からなる弾性シール部材と、前記フランジ部に固定されたダストカバーとを有し、前記弾性シール部材は、前記フランジ部側に向かって軸方向に延在する円筒状の延在部と、前記延在部における前記フランジ部側の端部から径方向外側に向かって突出する環状の突部とを有し、前記ダストカバーは、前記突部を外方から覆って前記外輪側に延在する筒状部を有し、前記筒状部の前記外輪側の先端部の内径が前記弾性シール部材の前記突部の外径よりも小さく、前記ハブユニットを組み立てる工程は、前記軸受部を組み立てる工程と、前記外輪に前記弾性シール部材を固定する工程と、前記ハブ軸における前記フランジ部の前記外輪側の側面に前記ダストカバーを取り付ける工程と、前記軸受部を前記ハブ軸に対して相対移動させ、前記軸部に前記内輪を外嵌して前記ハブ軸と前記軸受部とを組み合わせる工程とを有し、前記軸受部を前記ハブ軸に対して相対移動させる際、前記弾性シール部材の前記突部は、前記ダストカバーにおける前記筒状部の前記先端部に当接して縮径し、かつ当該先端部を通過した後に弾性復帰して前記縮径前の外径に戻る、ハブユニットの製造方法を提供する。
本発明に係るハブユニットの製造方法によれば、組み付け性を低下させることなく、シール装置のシール性能を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る製造方法により製造されたハブユニットが車両に搭載された状態を示す断面図である。 図1の一部を拡大して示す拡大図である。 (a)〜(c)は、ハブユニットの組立工程における弾性シール部材とダストカバーとの相対的な動きを示す説明図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る製造方法により製造されたハブユニットが車両に搭載された状態を、その周辺部と共に示す断面図である。図2は、図1の一部を拡大して示す拡大図である。
(ハブユニットの構成)
ハブユニット1は、貨物車等の大型車両に多く採用される車軸懸架式(半浮動式)の懸架装置に支持された車軸管11の端部に配置され、車輪12を回転可能に支持する。図1では、車輪12のホイールの中心部分を示している。
車軸管11は、断面円形のパイプ状であり、車幅方向に延在して配置される。車軸管11の端部には、筒状のブラケット14が例えば溶接によって固定されている。車軸管11及びブラケット14には、ディファレンシャル装置に連結された駆動軸13が挿通されている。駆動軸13は、ハブユニット1を構成するハブ軸2と一体に形成され、エンジン等の駆動源の駆動力を車輪12に伝達する。ハブ軸2及び駆動軸13は、回転軸線Oを中心として回転する。以下、回転軸線Oと平行な方向を軸方向という。なお、ハブ軸2は駆動軸13と別体であってもよい。この場合、ハブ軸2と駆動軸13とが例えばスプライン嵌合により相対回転不能に連結される。
ハブユニット1は、ハブ軸2と、ハブ軸2の外周に配置された軸受部10と、第1シール装置6及び第2シール装置7とを有している。このうち、第1シール装置6は、請求項1に係る発明の「シール装置」に対応する。第2シール装置7は軸受部10に配置される。
ハブ軸2は、車輪12を取り付けるフランジ部21と、フランジ部21から車輪12側とは反対側に延在する軸部22とを有している。フランジ部21には、車輪12と共にブレーキロータ15が固定される。フランジ部21には、ハブボルト81が圧入される複数のボルト挿通孔210が形成されている。ハブボルト81は、先端部に雄ねじが形成された軸部811と、軸部811よりも大径の頭部812とを有している。
ハブボルト81の軸部811は、フランジ部21のボルト挿通孔210ならびにブレーキロータ15及び車輪12のそれぞれに形成された貫通孔150,120を貫通している。また、ハブボルト81の軸部811は、ボルト挿通孔210に圧入されてフランジ部21に固定されている。軸部811の先端部には、ホイールナット82が螺着し、その締め付け力によって車輪12及びブレーキロータ15がフランジ部21に固定される。
軸受部10は、ハブ軸2の軸部22に外嵌された内輪3、内輪3の外周に配置された外輪4、及び内輪3と外輪4との間で転動可能な複数の転動体5を有している。内輪3は、軸方向に並置された第1内輪部材31及び第2内輪部材32からなる。第1内輪部材31は、第2内輪部材32よりも車輪12側に配置され、その側面がハブ軸2の軸部22に形成された段差面22aに当接している。第1内輪部材31及び第2内輪部材32の軸方向への移動は、ハブ軸2の軸部22の外周面に圧入して嵌合されたリテーナリング91により規制されている。リテーナリング91と第2内輪部材32の側面との間には環状の間座92が配置されている。すなわち、第1内輪部材31及び第2内輪部材32は、段差面22aと間座92及びリテーナリング91との間に挟まれて、軸方向の位置が固定されている。
第1内輪部材31の外周面には、第1内側軌道面31aが周方向に形成され、第2内輪部材32の外周面には、第2内側軌道面32aが周方向に形成されている。外輪4の内周面には、第1内側軌道面31aと対向する第1外側軌道面4a、及び第2内側軌道面32aと対向する第2外側軌道面4bが形成されている。外輪4は、第1外側軌道面4a及び第2外側軌道面4bが形成された筒状部41と、ブラケット14への取り付けのための取付フランジ42とを有している。取付フランジ42には、ブラケット14に形成されたボルト挿通孔140を挿通したボルト93が螺合するねじ孔420が形成されている。ねじ孔420は、取付フランジ42の複数箇所に形成されており、図1ではこのうち1つのねじ孔420を図示している。
複数の転動体5は、複列に配置され、第1内側軌道面31aと第1外側軌道面4aとの間、及び第2内側軌道面32aと第2外側軌道面4bとの間に配置されている。第1内側軌道面31aと第1外側軌道面4aとの間に配置された複数の転動体5は、第1保持器51に回転可能に保持されている。第2内側軌道面32aと第1外側軌道面4bとの間に配置された複数の転動体5は、第2保持器52に回転可能に保持されている。本実施の形態では、転動体5が球体である。ただし、転動体5の形状は球形に限らず、転動体5が例えば円錐ころであってもよい。
第2シール装置7は、第1内側軌道面31a及び第1外側軌道面4aよりも車輪12側における第1内輪部材31の外周面と外輪4の内周面との間に配置されている。第2シール装置7は、図2に示すように、第1内輪部材31の外周面に固定されたスリンガ71と、外輪4の内周面に固定された芯金72と、芯金72に取り付けられたシールゴム73とを有している。シールゴム73には、スリンガ71に摺接する複数のシールリップが設けられている。第2シール装置7は、複数の転動体5が配置された内輪3と外輪4との間の軸受内部空間への異物(水や粉塵など)の侵入、及び軸受内部空間からのグリスの漏出を抑止している。
第1シール装置6は、軸受部10とハブ軸2のフランジ部21との間に配置され、外輪4とフランジ部21との間からの異物の侵入を抑制している。この第1シール装置6によって第2シール装置7に到達する異物が抑制されるので、第2シール装置7のシールゴム73の摩耗等が抑えられ、耐久性が向上する。
第1シール装置6は、外輪4に嵌着された芯金60と、芯金60に固着されたゴム等の弾性体からなる弾性シール部材61と、ハブ軸2のフランジ部21に固定されたダストカバー62とを有している。芯金60、弾性シール部材61、及びダストカバー62は、その中心部にハブ軸2を挿通させる環状である。
芯金60は、外輪4の筒状部41の内側に圧入される円筒部601と、円筒部601の一端部から内方に延出された環板部602と、円筒部601の他端部から外方に延出された鍔部603とを有している。鍔部603は筒状部41の軸方向端面に当接し、環板部602は筒状部41の奥側(第2シール装置7側)に配置される。なお、本実施の形態では、弾性シール部材61が芯金60を介して外輪4に対して固定されているが、弾性シール部材61を直接的に外輪4に固定してもよい。この場合には、芯金60を省略することができる。
弾性シール部材61は、芯金60に加硫接着された基部611と、円筒状の延在部612と、延在部612から径方向外側に突出する環状の突部613とを一体に有している。延在部612は、基部611からハブ軸2のフランジ部21側に向かって軸方向に延在している。突部613は、延在部612におけるフランジ部21側の端部から径方向外側に向かって突出している。弾性シール部材61の材質としては、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)やその水素化物等のニトリルゴム、あるいはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のエチレンプロピレンゴムを用いることができる。
延在部612は、その外周面612aが回転軸線Oと平行であり、内周面612bは、フランジ部21側ほど内径が大きくなるテーパ状である。突部613は、その外周面が第1傾斜面613a及び第2傾斜面613bによって形成されている。第1傾斜面613aは、第2傾斜面613bよりもフランジ部21側に設けられ、フランジ部21側ほど外径が小さくなるテーパ状である。第2傾斜面613bは、第1傾斜面613aとは反対側に傾斜したテーパ状である。第1傾斜面613aと第2傾斜面613bとの境界部には、頂部613cが形成されている。突部613の外径は、回転軸線Oを中心とする頂部613cの直径により規定される。
ダストカバー62は、例えばステンレス鋼板や防錆処理が施されたSPCC等の冷間圧延鋼板にプレス加工等を施すことにより形成されている。ダストカバー62は、ハブ軸2のフランジ部21に固定される固定部621と、固定部621から外輪4側に延在する筒状部622とを有している。筒状部622には、外輪4側の端部に、内方に突出する内鍔部623が設けられている。すなわち、内鍔部623は、筒状部622における外輪4側の先端部である。筒状部622は、弾性シール部材61の突部613を、延在部612の一部と共に外方から覆っている。
固定部621は、ハブ軸2のフランジ部21における車輪12側とは反対側の側面21aに当接する平板状である。固定部621には、フランジ部21のボルト挿通孔210と連通する複数の貫通孔620が形成され、この貫通孔620をハブボルト81の軸部811が挿通している。固定部621は、フランジ部21の側面21aとハブボルト81の頭部812との間に挟まれて、フランジ部21に固定されている。
筒状部622は、外輪4側ほど内外径が小さくなるように軸方向に対して傾斜している。弾性シール部材61の突部613の第1傾斜面613a及び第2傾斜面613bに対向する筒状部622の内周面622aは、外輪4側ほど内径が小さくなるテーパ状である。内鍔部623の内周面623aは、弾性シール部材61における延在部612の外周面612aと径方向に対向する。
第1シール装置6は、弾性シール部材61及びダストカバー62によってラビリンスシールを構成し、弾性シール部材61の内側への異物の侵入を抑制する。
(ハブユニットの製造方法)
ハブユニット1は、以下に述べる組立工程によって製造される。ハブユニット1を組み立てる工程は、第1乃至第4工程を有している。
第1工程は、軸受部10を組み立てる工程である。この第1工程では、まず外輪4の第1外側軌道面4aの内側に配置された第1保持器51に複数の転動体5を保持させると共に、第2外側軌道面4bの内側に配置された第2保持器52に複数の転動体5を保持させる。次に、外輪4の内側に第1内輪部材31及び第2内輪部材32を軸方向の両端部から配置する。その後さらに、外輪4と第1内輪部材31との間に第2シール装置7を配置する。
第2工程は、外輪4に芯金60及び弾性シール部材61を固定する工程である。この第2工程では、予め弾性シール部材61の基部611が接合された芯金60の円筒部601を外輪4の筒状部41に圧入する。
第3工程は、ハブ軸2におけるフランジ部21の外輪4側の側面21aにダストカバー62を取り付ける工程である。この第3工程では、ダストカバー62の固定部621をフランジ部21の側面21aに対向させ、ダストカバー62の貫通孔620にハブボルト81の軸部811を挿通させる。ハブボルト81の軸部811がボルト挿通孔210に圧入されると、ダストカバー62の固定部621がハブボルト81の頭部812によってフランジ部21の側面21aに押し付けられる。これにより、ダストカバー62がフランジ部21に固定される。
なお、第3工程は、第1工程及び第2工程よりも先に行ってもよく、第1工程及び第2工程の後に行ってもよい。また、第3工程と第1工程及び第2工程とを並行して行ってもよい。次に述べる第4工程は、第1乃至第3工程の後に行われる。
第4工程は、第1工程で組み立てられた軸受部10をハブ軸2に対して相対移動させ、ハブ軸2の軸部22に内輪3を外嵌してハブ軸2と軸受部10とを組み合わせる工程である。この第4工程では、軸受部10を駆動軸13にハブ軸2とは反対側の端部から嵌め合せ、内輪3の第1内輪部材31の側面を段差面22aに対向させる。その後、間座92及びリテーナリング91を順次ハブ軸2の軸部22に嵌め合せ、内輪3を固定する。内輪3が固定されると、第1内輪部材31の側面が段差面22aに当接した図2に示す状態となる。
以上の第1乃至第4工程により組み立てられたハブユニット1は、外輪4がボルト93によってブラケット14に固定されて、車両に組み付けられる。
図3(a)〜(c)は、第4工程における弾性シール部材61とダストカバー62との相対的な動きを示す説明図である。
弾性シール部材61が軸受部10と共にハブ軸2に対して軸方向移動すると、弾性シール部材61の突部613の第1傾斜面613aがダストカバー62の内鍔部623の角部623bに突き当たる。図3(a)は、このときの状態を示している。このように、弾性シール部材61の突部613は、ダストカバー62の内鍔部623に当接する当接面が、フランジ部21側の端部ほど外径が小さくなる第1傾斜面613aによって形成されている。第1傾斜面613aの軸方向に対する傾斜角θは、例えば30〜60°である。
この状態からさらに弾性シール部材61が軸方向移動すると、第1傾斜面613aが内側に押し付けられ、弾性シール部材61が図3(b)に示すように弾性変形する。この際、弾性シール部材61の突部613は、第1傾斜面613aがダストカバー62の内鍔部623に摺接して縮径する。これにより、突部613が縮径してダストカバー62の内鍔部623の内側を通過する。
図3(c)は、突部613が内鍔部623の内側を通過して、ハブユニット1の組み立てが完了した状態を示している。突部613が内鍔部623の内側を通過すると、一旦弾性変形した弾性シール部材61が元の形状に復元する。すなわち、第4工程では、弾性シール部材61の突部613がダストカバー62の内鍔部623に当接して縮径し、かつ内鍔部623を通過した後に弾性復帰して縮径前の外径に戻る。
この状態において、内鍔部623の内周面623aと弾性シール部材61における延在部612の外周面612aとの間には、空隙Sが形成される。また、ダストカバー62における筒状部622の内周面622aと突部613の第2傾斜面613bとの間には、空隙Sが形成される。弾性シール部材61及びダストカバー62の径方向における空隙S,Sの幅は、例えば1mm以下である。本実施の形態では、筒状部622の内周面622aと第2傾斜面613bとが互いに平行であるが、筒状部622の内周面622aと第2傾斜面613bとは必ずしも平行でなくともよい。
図3(c)に示すように、弾性シール部材61における突部613の外径をdとし、ダストカバー62における内鍔部623の内径をdとすると、dはdよりも大きい。dとdとの差は、例えば0.5〜1.0mmである。これにより、突部613が内鍔部623の内側を通過した後、突部613の頂部613cは、内鍔部623の内周面623aよりも径方向の外側に位置する。このため、空隙Sを通過した異物は、弾性シール部材61の径方向外側に移動して突部613を乗り越えなければ空隙Sを通過することができないため、空隙Sを通過し難くなっている。すなわち、dがdよりも大きいことにより、第1シール装置6のシール性能が高められている。
ここで、dは、頂部613cにおける突部613の外径であり、第1傾斜面613aの最大径である。また、図3(c)に示すように、第1傾斜面613aのフランジ部21側の端部の外径(第1傾斜面613aの最小径)をdとすると、dはdよりも小さい。dとdとの差は、例えば0.5〜1.0mmである。これにより、軸受部10を弾性シール部材61と共にハブ軸2及びダストカバー62に対して相対移動させる際、第1傾斜面613aがダストカバー62の内鍔部623の角部623bに突き当たる。
(実施の形態の効果)
以上説明した本実施の形態によれば、ダストカバー62の筒状部622における外輪4側の先端部の内径が弾性シール部材61の突部613の外径よりも小さいので、前述のように第1シール装置6のシール性能が高められる。また、第4工程において、弾性シール部材61の突部613は、ダストカバー62の内鍔部623に当接して縮径し、内鍔部623を通過する。このため、軸受部10をハブ軸2に対して相対移動させるだけで弾性シール部材61の突部613をダストカバー62の筒状部622の内側に配置することができる。このため、組み付けが容易である。このように、本実施の形態によれば、組み付け性を低下させることなく、第1シール装置6のシール性能を高めることが可能である。
また、第4工程において、弾性シール部材61の突部613は、その第1傾斜面613aがダストカバー62の内鍔部623に当接する。このため、第1傾斜面613aがダストカバー62の内鍔部623に摺接することによって、突部613を円滑に縮径させることが可能である。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、内輪3がそれぞれ転動体5を転動させる第1内輪部材31及び第2内輪部材を有する場合について説明したが、複列に配置された転動体5のうち、一方列の転動体5は、ハブ軸2の外周面を転動させてもよい。
また、上記実施の形態では、車軸懸架式の懸架装置を有する車両にハブユニット1を搭載した場合について説明したが、これに限らず、独立懸架式の懸架装置を有する車両にハブユニット1を搭載することも可能である。
1…ハブユニット 10…軸受部
12…車輪 2…ハブ軸
21…フランジ部 22…軸部
3…内輪 4…外輪
5…転動体 6…第1シール装置(シール装置)
61…弾性シール部材 612…延在部
613…突部 613a…第1傾斜面(当接面)
62…ダストカバー 622…筒状部
623…内鍔部(筒状部における外輪側の先端部)

Claims (2)

  1. 車輪を取り付けるフランジ部、及び前記フランジ部から前記車輪側とは反対側に延在する軸部を有するハブ軸と、前記ハブ軸の前記軸部に外嵌された内輪、前記内輪の外周に配置された外輪、及び前記内輪と前記外輪の間で転動可能な複数の転動体を有する軸受部と、前記外輪と前記フランジ部との間に配置されるシール装置とを備えたハブユニットの製造方法であって、
    前記シール装置は、前記外輪に対して固定された弾性体からなる弾性シール部材と、前記フランジ部に固定されたダストカバーとを有し、
    前記弾性シール部材は、前記フランジ部側に向かって軸方向に延在する円筒状の延在部と、前記延在部における前記フランジ部側の端部から径方向外側に向かって突出する環状の突部とを有し、
    前記ダストカバーは、前記突部を外方から覆って前記外輪側に延在する筒状部を有し、前記筒状部の前記外輪側の先端部の内径が前記弾性シール部材の前記突部の外径よりも小さく、
    前記ハブユニットを組み立てる工程は、
    前記軸受部を組み立てる工程と、
    前記外輪に前記弾性シール部材を固定する工程と、
    前記ハブ軸における前記フランジ部の前記外輪側の側面に前記ダストカバーを取り付ける工程と、
    前記軸受部を前記ハブ軸に対して相対移動させ、前記軸部に前記内輪を外嵌して前記ハブ軸と前記軸受部とを組み合わせる工程とを有し、
    前記軸受部を前記ハブ軸に対して相対移動させる際、前記弾性シール部材の前記突部は、前記ダストカバーにおける前記筒状部の前記先端部に当接して縮径し、かつ当該先端部を通過した後に弾性復帰して前記縮径前の外径に戻る、
    ハブユニットの製造方法。
  2. 前記弾性シール部材の前記突部は、前記ダストカバーにおける前記筒状部の前記先端部に当接する当接面が、前記フランジ部側の端部ほど外径が小さくなる傾斜面によって形成され、
    前記軸受部を前記ハブ軸に対して相対移動させる際、前記弾性シール部材の前記突部は、前記当接面が前記ダストカバーにおける前記筒状部の前記先端部に摺接して縮径する、
    請求項1に記載のハブユニットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113170599A (zh) * 2018-12-28 2021-07-23 住友电装株式会社 电子模块

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