<システム構成>
本発明の実施の形態における服薬支援システム1は、図1のシステム全体構成図に示すように、服薬支援端末2、薬剤ディスペンサ装置3、患者携帯端末4、データサーバ5、センタ端末6、病院端末7及び薬局端末8を含んで構成される。
服薬支援端末2は、患者宅に設置され、適切な時刻に患者に対して服薬を促す端末である。薬剤ディスペンサ装置3は、服薬支援端末2からの指示に基づき、適切な薬剤を患者に対して排出する装置である。患者携帯端末4は、患者によって携帯される端末であり、外出時において患者が薬剤を服用した旨を入力するための端末である。データサーバ5はデータセンタに設置され、各種情報を記録する装置である。センタ端末6は管理センタに設置されており、病院端末7は病院等の医療機関に設置されており、薬局端末8は調剤局に設置されている。
服薬支援システム1を構成する各装置は、通信ネットワークNによって接続されており、装置間で各種の情報が送受信される。通信ネットワークNとして、インターネット、携帯電話会社の通信網、電話回線、等が用いられる。また、通信ネットワークNは、有線接続により実現されてもよいし、無線接続により実現されてもよい。
服薬支援端末2と薬剤ディスペンサ装置3は、赤外線通信やブルートゥース(登録商標)等の近距離通信を用いて接続してもよい。また、本実施の形態では、服薬支援端末2と薬剤ディスペンサ装置3が別々の装置により構成されているが、それらは一体化されてもよい。
以下、図1及び図2を参照して、服薬支援システム1の各構成について詳しく説明する。
<薬剤ディスペンサ装置3>
薬剤ディスペンサ装置3は、患者宅に設置され、医師によって処方された薬剤を収納しており、適宜、適切かつ適量の薬剤を患者に対して提供する。本実施の形態では、薬剤ディスペンサ装置3は、服薬支援端末2からの指示に従って、患者に対して薬剤を提供する。薬剤ディスペンサ装置3は、図2の機能ブロック図に示すように、薬剤収納部31、薬剤排出部32及び通信部33を含んで構成される。なお、薬剤ディスペンサ装置3は、本実施の形態における装置に限定されるものではなく、適宜、服用1回分の薬剤を患者に提供し、提供した薬剤名、薬剤の量及び提供した時刻を把握できるものであればよい。
薬剤収納部31は、医師から処方された薬剤を収納する。本実施の形態では、薬剤収納部31は、一例として、所定期間分(例えば2週間分)の薬剤を収納する。例えば、服用1回分の薬剤を1個のケースに予め収納しておき、所定期間分に相当するケースを薬剤収納部31に収納しておく。以下、服用1回分の薬剤がケースに収納されたものを「薬剤カートリッジ」と称することとする。例えば、朝服用する薬剤、昼服用する薬剤、及び、夜服用する薬剤がそれぞれ処方された場合、42個の薬剤カートリッジ(2週間分×朝・昼・夜の3回分=42個)が薬剤収納部31に収納される。
本実施の形態では、服用するタイミングが早い薬剤カートリッジから順に、高さ方向に積層されて薬剤収納部31に収納される。薬剤ディスペンサ装置3は、服薬支援端末2から薬剤を排出する旨の指示を受けると、後述する薬剤排出部32にて、積層順の下から1つ目の薬剤カートリッジを装置外へ排出する。これにより、適切な服用順に服用1回分の薬剤が患者に提供される。
なお、薬剤ディスペンサ装置3は、本実施の形態における装置に限られない。例えば、薬剤カートリッジにRFIDを取り付けておき、そのRFIDから読み取った薬剤カートリッジの識別情報(例えばID)を参照して、適切な薬剤が収納された薬剤カートリッジを選択して排出する装置が用いられてもよい。別の例として、薬剤カートリッジを使用せずに、薬剤ディスペンサ装置3内で服用1回分の薬剤を配分して装置外に排出してもよい。
薬剤排出部32は、薬剤収納部31に収納されている薬剤の中から、適宜、服用1回分の薬剤を薬剤ディスペンサ装置3外に排出する。本実施の形態では、服薬支援端末2からの指示に従って制御が開始され、薬剤収納部31から薬剤が排出される。
薬剤ディスペンサ装置3には、薬剤を排出したことを検出するセンサが設置されていてもよい。また、薬剤の排出を検出するセンサではなく、提供した薬剤を患者が取り出したことを検出するセンサが、薬剤ディスペンサ装置3に設置されていてもよい。なお、薬剤の排出や取り出しを検出するセンサは、公知のセンサを用いればよい。薬剤ディスペンサ装置3は、薬剤の排出や取り出しが検出された場合、検出した時刻を排出時刻として、通信部33を介して、服薬支援端末2に送信する。
また、本実施の形態では、服薬予定時刻になっても排出する旨の指示が与えられなかった場合、薬剤ディスペンサ装置3は、排出される予定であった薬剤カートリッジ(不服用になって廃棄指示の対象となる薬剤カートリッジ)を、装置内に設けられた廃棄スペースに収納する。これにより、薬剤収納部31の薬剤カートリッジの積層順が正常化される。つまり、服用順に薬剤カートリッジが積層される。
通信部33は、外部の装置との間で各種情報の送受信を行う。通信部33は、服薬支援端末2とのみ接続してもよいし、通信ネットワークNを介して服薬支援システム1を構成する各装置と接続して、情報を送受信してもよい。
<服薬支援端末2>
服薬支援端末2は、患者宅に設置され、患者に対して適切な時間に服薬を促し、患者からの薬剤の排出操作を受け付ける端末である。服薬支援端末2は、例えば、タブレット端末、スマートフォン又は携帯電話等である。
服薬支援端末2は、患者が身体に不調を感じた際に、患者の症状を示す症状情報を入力する機能を有している。これにより、服薬支援端末2は、患者の症状を症状情報として取得する。なお、患者の症状が「患者の状態」の一例に相当し、症状情報が「状態情報」の一例に相当する。後述するように、患者によって入力された症状情報に対して、当該症状の入力時刻、薬剤ディスペンサ装置3にて排出された薬剤の名称(「薬剤名」と称する)、及び、薬剤の服用時刻が関連付けられ、これにより、症状リストが生成される。なお、薬剤名が「薬剤情報」の一例に相当し、入力時刻が「状態取得時刻」の一例に相当する。服用時刻は、薬剤の服用に関連する時刻であり、患者が薬剤を実際に服用した時刻であってもよいし、薬剤ディスペンサ装置3から薬剤が排出された時刻であってもよいし、薬剤ディスペンサ装置3から排出された薬剤が患者によって取り出された時刻であってもよい。また、薬剤の服用時刻として、後述する患者携帯端末4から取得された薬剤の服用時刻が用いられてもよい。症状リストの生成処理については後で詳しく説明する。生成された症状リストは、データセンタのデータサーバ5に送信され、データサーバ5にて記録及び管理される。症状リストは、必要に応じて、データサーバ5を介して、服薬支援システム1を構成する各装置に提供される。
服薬支援端末2は、図2の機能ブロック図に示すように、患者からの入力を受け付ける入力部21、入力された症状を示す症状情報を取得する症状取得部22、各種情報を記憶する記憶部23、排出操作部24、外出排出操作部25、服用時刻関連付け部26、症状リスト生成部27、表示部28及び通信部29を含んで構成される。
入力部21は、患者が服薬支援端末に症状を入力する際に操作する入力ボタンである。入力部21は、患者の音声を入力するマイクであってもよい。
症状取得部22は、入力部21の入力結果から症状に関するキーワードを取得する。本実施の形態では、症状取得部22は、入力ボタン(入力部21)の操作に基づいて、症状に関するキーワードを取得する。なお、キーワードは、予め、後述する症状キーワードテーブルに登録されている。具体的には、患者は、症状キーワードテーブルに基づいて表示部28に表示される症状の候補群の中から、入力ボタン(入力部21)を操作してキーワードを選択し、症状取得部22は、患者によって選択されたキーワードを取得する。そして、症状取得部22は、取得したキーワードと当該キーワードが入力された時刻(「入力時刻」と称する)とを関連付けて、後述する服用時刻関連付け部26に出力する。
なお、入力部21としてマイクが用いられる場合、症状取得部22は、音声認識によってキーワードを取得する。具体的には、症状取得部22は、マイク(入力部21)に入力された音声データから特徴を抽出し、抽出した特徴を、予め記憶された症状に関連するキーワードの音声特徴(当該音声特徴は例えば症状キーワードテーブルに記憶されている)と比較し、抽出した特徴に類似する音声特徴に対応するキーワードを取得する。
音声認識によってキーワードを取得する場合、取得されたキーワード、及び、当該キーワードが入力された時刻(入力時刻)とともに、音声データもそれらに関連付けて後述する服用時刻関連付け部26に出力してもよい。また、音声データの入力は、何らかの操作(例えば入力ボタンの操作)をトリガにして実行されてもよいし、患者の日常会話を集音できるよう常時実行されてもよい。
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ、ハードディスク等のメモリ装置によって構成される。記憶部23は、服薬支援端末2において各処理を実行するためのプログラム、設定データや生成されたデータ等の各種データを記憶する。例えば、記憶部23は、症状キーワードテーブル、服薬スケジュール情報テーブル、服薬履歴情報テーブル、及び、薬剤症状対応テーブルを記憶する。以下、これらのテーブルについて詳しく説明する。
症状キーワードテーブルは、図3に示すように、予め用意された症状に関するキーワードの一覧である。なお、キーワードを音声認識によって取得する場合、その音声特徴もあわせて症状キーワードテーブルに登録される。症状キーワードテーブルは、患者の病名に合わせて用意されてもよいし、患者毎に用意されてもよい。この場合、患者を識別するための患者IDが症状キーワードテーブルに対応付けられる。別の例として、症状キーワードテーブルは、病名によらず複数の患者に対して共通のテーブルであってもよい。
服薬スケジュール情報テーブルは、図4に示すように、患者が服用する薬剤名と服薬予定時刻とが関連付けられた情報である。服薬スケジュール情報テーブルは患者毎に用意され、患者IDに対応付けられて記憶部23に予め記憶されている。服薬スケジュール情報テーブルはデータサーバ5に記憶されて、データサーバ5から服薬支援端末2にダウンロードされるようにしてもよい。
服薬履歴情報テーブルは、図5に示すように、服薬予定時刻と、薬剤ディスペンサ装置3によって排出された薬剤の名称(薬剤名)と、服用状態と、排出時刻と、薬剤の服用時刻と、が関連付けられた情報である。排出時刻は、薬剤ディスペンサ装置3から薬剤が排出された時刻、又は、患者が薬剤ディスペンサ装置3から薬剤を取り出した時刻である。服薬履歴情報テーブルは患者毎に生成され、患者IDに対応付けられる。なお、服薬履歴情報テーブルが「履歴リスト」の一例に相当する。
後述する排出操作部24の指示により薬剤ディスペンサ装置3から薬剤が排出された場合、服用状態が「通常」に設定され、薬剤の排出時刻が服用時刻として服薬履歴情報テーブルに登録される。後述する外出排出操作部25の指示により薬剤ディスペンサ装置3から薬剤が排出された場合、服用状態が「外出」に設定され、患者携帯端末4にて入力された服用時刻が服薬履歴情報テーブルに登録される。服薬予定時刻において薬剤が排出されなかった場合、服用状態が「不服用」に設定され、排出時刻と服用時刻は登録されない。
なお、服薬履歴情報テーブルは、図5に示したものに限られず、他の情報が記憶されていてもよい。例えば、上記以外の情報として、提供された薬剤の量、患者の症状、薬剤を服用したことにより患者の症状が改善したことを示す情報、等が記憶されてもよい。
薬剤症状対応テーブルは、図6に示すように、症状に関するキーワードと、当該症状に関連する薬剤の名称(薬剤名)と、が関連付けられた情報である。症状と薬剤名との関連付けは、患者が薬剤を服用したことにより現れ得る症状(副作用に相当する症状)に基づいて行われる。例えば、患者が薬剤Aを服用した場合には「うっ血性心不全」の副作用が発症する可能性があり、その症状である「動くと息が苦しい」、「疲れやすい」、「足がむくむ」、「急に体重が増えた」、「咳とピンク色の痰」というキーワードが、薬剤Aにそれぞれ対応付けられている。
また、本実施の形態では、副作用だけではなく、薬剤の効果がないために現れ得る症状(薬剤で抑制できなかった症状)を「不奏功症状」として、薬剤症状対応テーブルに更に関連付けてもよい。例えば、薬剤D,Eには「不奏功症状」が関連付けられている。例えば、薬剤Dは、「浮腫」を治療する薬剤であるが、薬の効果がないために「むくみ」という浮腫の症状が抑制されずに発現する場合がある。そのため、薬剤症状対応テーブルには、薬剤Dについて、「むくみ」という症状キーワードと症状名「浮腫」とが関連付けられている。
薬剤症状対応テーブルは、予め用意されて記憶部23に記憶される。薬剤症状対応テーブルは、患者の病名に合わせて患者毎に用意されてもよい。この場合、患者IDが薬剤症状対応テーブルに対応付けられる。別の例として、薬剤症状対応テーブルは、病名によらずに複数の患者に対して共通のテーブルであってもよい。なお、薬剤症状対応テーブルが「薬剤状態関連付けリスト」の一例に相当する。
図2に戻って、服薬支援端末2について説明する。
排出操作部24は、患者が服薬予定時刻において、その時刻に服用する薬剤を取得するために操作する操作部である。排出操作部24は、例えば、排出操作ボタンと排出操作制御手段とを含んで構成される。
排出操作ボタンは、タッチパネル式のモニタ等の表示部28に表示されたアイコンであってもよいし、物理的なボタンであってもよい。
排出操作制御手段によって服薬スケジュール情報テーブル(図4参照)が参照され、服薬予定時刻が到来すると、排出操作ボタンの操作が可能となる。例えば、服薬予定時刻から所定時間が経過するまでの間、排出操作ボタンの操作が可能となる。または、服薬予定時刻が到来すると、排出操作制御手段は、薬剤ディスペンサ装置3の薬剤排出部32が制御可能な状態になるように、通信部29を介して、薬剤排出部32に指示を出力してもよい。
患者によって排出操作ボタンが操作されると、排出操作制御手段は、薬剤ディスペンサ装置3から薬剤が排出されるように、薬剤ディスペンサ装置3の薬剤排出部32に指示を出力する。
排出操作制御手段は、排出操作ボタンが操作されたとき、薬剤を排出した時刻(排出時刻)と排出した薬剤の名称(薬剤名)を服薬履歴情報テーブルに登録する。すなわち、薬剤ディスペンサ装置3が薬剤を提供したことに応じて、薬剤名と排出時刻を関連付ける。また、排出操作制御手段は、排出時刻を「服用時刻」とし、その服用時刻と服用状態「通常」を服用履歴情報テーブルに登録する。ここで、薬剤名については、記憶部23に記憶されている服薬スケジュール情報テーブルを参照することにより取得される。なお、排出操作制御手段が「履歴リスト生成手段」の一例に相当する。
服薬予定時刻から所定時間(例えば30分)が経過しても排出操作ボタンが操作されない場合、排出操作制御手段は、服薬スケジュール情報テーブルを参照し、排出されなかった薬剤の名称(薬剤名)と対応付けて服用状態「不服用」を服薬履歴情報テーブルに登録する。そして、排出操作制御手段は、薬剤ディスペンサ装置3の薬剤排出部32を制御する。具体的には、排出操作制御手段は、通信部29を介して薬剤ディスペンサ装置3の薬剤排出部32に廃棄指示を出力する。
なお、薬剤ディスペンサ装置3の薬剤排出部32において、薬剤の排出が行われたことや排出された薬剤を患者が取り出したことをセンサによって検出し、排出操作制御手段は、当該検出結果を取得して、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブルに、排出時刻を「服用時刻」として、排出された薬剤の名称(薬剤名)と対応付けて登録するようにしてもよい。また、排出した薬剤の名称を薬剤ディスペンサ装置3が服薬支援端末2に対して出力するようにしてもよい。
外出排出操作部25は、患者が外出先で服用する薬剤を事前に入手するために操作する操作部である。外出排出操作部25は、例えば、外出排出操作ボタンと外出排出操作制御手段とを含んで構成される。
外出搬出操作ボタンは、服薬予定時刻になる前であっても操作可能なボタンである。外出排出操作ボタンは、タッチパネル式のモニタ等の表示部28に表示されたアイコンであってもよいし、物理的なボタンであってもよい。患者によって外出排出操作ボタンが操作されると、外出排出制御手段は、薬剤ディスペンサ装置3から薬剤が排出されるように、薬剤ディスペンサ装置3の薬剤排出部32に指示を出力する。
また、外出排出操作制御手段は、外出排出操作ボタンが操作されると、薬剤ディスペンサ装置3から排出された薬剤の名称(薬剤名)と、外出排出操作ボタンが操作された時刻を服薬履歴情報テーブルに登録する。ここで、薬剤名については、記憶部23に記憶されている服薬スケジュール情報テーブルを参照することにより取得される。また、外出排出操作制御手段は、服用状態「外出」を服薬履歴情報テーブルに登録する。なお、外出排出操作制御手段が「履歴リスト生成手段」の一例に相当する。また、「外出」の服用状態が「外出情報」の一例に相当する。
また、外出排出操作によって薬剤が薬剤ディスペンサ装置3から排出された場合、外出排出制御手段は、記憶部23に記憶されている服薬スケジュール情報テーブルを参照し、通信部29を介して、患者携帯端末4に対して、当該薬剤の服薬予定時刻等の情報を含んだ通知指示信号を送信する。通知指示信号を受信した患者携帯端末4は、当該薬剤の服薬予定時刻が到来すると表示部42に服薬を促す通知を表示する。それによって薬剤を服用した患者が患者携帯端末4を操作して当該薬剤を服用した旨を入力すると、外出排出操作制御手段は、当該服用した旨の信号と、当該服用した旨が入力された時刻(手動入力された服用時刻)と、を患者携帯端末4から取得し、当該時刻を「服用時刻」として、外出操作によって排出された薬剤の名称(薬剤名)と対応付けて服薬履歴情報テーブルに登録する。
また、外出排出操作制御手段は、服薬予定時刻から所定時間(例えば30分)が経過しても患者携帯端末4から「服用した旨」の信号を受信しなかった場合、服用スケジュール情報テーブルを参照し、外出排出操作にて排出された薬剤の名称(薬剤名)と対応付けて服用状態「不服用」を服薬履歴情報テーブルに登録する。
また、外出排出操作が行われた場合には、患者携帯端末4にて服用時刻を手動入力する態様に限らず、外出排出操作制御手段は、服用スケジュール情報テーブル中の服薬予定時刻を取得し、その服薬予定時刻を服用時刻として服薬履歴情報テーブルに登録するようにしてもよい。
服用履歴情報テーブルは、排出操作制御手段や外出操作制御手段によって情報が追加されると、通信部29を介してデータサーバ5に送信されて記憶される。
服用時刻関連付け部26は、患者によって入力された症状情報(取得されたキーワード)、症状情報の入力時刻、服用した薬剤の名称(薬剤名)、及び、当該薬剤の服用時刻を関連付ける。
症状取得部22にて症状に関するキーワードが取得されると、服用時刻関連付け部26は、記憶部23に記憶されている薬剤症状対応テーブル(図6参照)を参照して、取得されたキーワードに対応する薬剤名を取得し、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブル(図5)を参照して、当該薬剤の服用時刻(直近の服用時刻)を取得する。直近の服用時刻は、入力時刻から遡って一番最近の当該薬剤の服用時刻である。そして、服用時刻関連付け部26は、キーワード(症状)、入力時刻、薬剤名及び服用時刻を関連付けて、症状リスト生成部27に出力する。ここで、服用時刻関連付け部26は、服用時刻から入力時刻までの経過時間(時間差)を算出し、その経過時間をキーワード等に関連付けるようにしてもよい。
症状リスト生成部27は、服用時刻関連付け部26にて関連付けられた「キーワード(症状)」、「入力時刻」、「薬剤名」及び「服用時刻」を対応付けて症状リストを生成し、その症状リストを記憶部23に記憶する。症状リストは、患者IDにも対応付けられる。また、症状リスト生成部27は、通信部29を介して、症状リストをデータサーバ5に送信する。なお、症状リスト生成部27が「状態リスト生成手段」の一例に相当し、症状リストが「状態リスト」の一例に相当する。
キーワードの入力時刻と服用時刻との関係から、症状が副作用と明らかに関係がなさそうな場合、例えば、入力時刻と服用時刻との時間差が所定時間以上の場合、症状リスト生成部27は、その入力時刻等を症状リストに追加しないようにしてもよい。
また、入力時刻と服用時刻との関係性が高い場合、例えば、入力時刻と服用時刻との時間差が所定時間未満の場合、症状リスト生成部27は、他の項目よりも目立たせるように表示態様を変えてもよい。具体的には、薬剤症状対応テーブル(図6参照)において、薬剤名毎及び症状毎(キーワード毎)に、副作用が起こりやすい時間等を監視時間として予め設定しておき、症状リスト生成部27は、入力時刻が監視時間内であるか否かに応じて、表示態様や症状リストへの追加の有無を決定するようにしてもよい。
図7には、症状リストの一例が示されている。症状リストにおいては、「患者ID」、「症状(キーワード)」、「入力時刻」、「薬剤名」、「服用時刻」、及び、「経過時間」が関連付けられている。
症状リストを参照すると、患者が薬剤Bを服用した後に、副作用の症状「めまい」が発現していることがわかる。また、外出用に持ち出された薬剤B(2015/12/1 12:36)については、関連付けられている「服用時刻」が図5に示した「排出時刻」ではなく、患者携帯端末4にて手動入力された「服用時刻」が採用されていることがわかる。
また、症状リストを参照すると、患者が薬剤Eを服用した後に、薬剤Eで抑制するはずの症状が発現していることがわかる。なお、薬剤Eは、最初に処方された2週間分の薬剤がなくなった後に、医師によって新たに処方された薬剤であるものとする。このように、患者が服薬治療を行っている間、症状リストに情報が追記されていく。
新たな症状が症状リストに追加される度に、記憶部23に記憶されている症状リストの内容が更新され、更新された症状リストが、通信部29を介してデータサーバ5に送信される。
上記の例とは別の例として、症状取得部22にて症状に関するキーワードが取得されると、服用時刻関連付け部26は、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブル(図5)を参照して、入力時刻の直近の時刻として関連付けられている服用時刻と、その服用時刻に関連付けられている薬剤名を取得してもよい。この場合も、服用時刻関連付け部26は、キーワード(症状)、入力時刻、薬剤名及び服用時刻を関連付けて、症状リスト生成部27に出力し、症状リスト生成部27は、それらの情報を対応付けて症状リストを生成する。直近の時刻は、入力時刻から遡って一番最近の服用時刻である。入力時刻の直近の時刻に服用された薬剤は、入力された症状を発症する薬剤である可能性がある。従って、その薬剤名と服用時刻とを服薬履歴情報テーブルから取得して症状リストを生成することにより、薬剤症状対応テーブルにおいて、症状に対応する薬剤が対応付けられていない場合であっても、その症状を発症する可能性のある薬剤の名称(薬剤名)とその服用時刻とを含む症状リストを生成することが可能となる。
更に別の例として、服用時刻関連付け部26は、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブル(図5)を参照して、入力時刻から遡って所定時間内の時刻として関連付けられている服用時刻と、その服用時刻に関連付けられている薬剤名を取得してもよい。この場合も、服用時刻関連付け部26は、キーワード(症状)、入力時刻、薬剤名及び服用時刻を関連付けて、症状リスト生成部27に出力し、症状リスト生成部27は、それらの情報を対応付けて症状リストを生成する。入力時刻から遡って所定時間内に服用された薬剤は、入力された症状を発症する薬剤である可能性がある。従って、その薬剤名と服用時刻とを服薬履歴情報テーブルから取得して症状リストを生成することにより、薬剤症状対応テーブルにおいて、症状に対応する薬剤が対応付けられていない場合であっても、その症状を発症する可能性のある薬剤の名称(薬剤名)とその服用時刻とを含む症状リストを生成することが可能となる。
表示部28は、症状リストや服薬を促す通知等、患者に提供する各種情報を表示するモニタと、当該モニタへの表示を制御する表示制御手段と、を含んで構成される。なお、モニタは、タッチパネル方式のモニタであってもよい。
患者が症状リストを確認したいタイミングで服薬支援端末2を操作すると、表示制御手段は、記憶部23に記憶されている症状リストを読み出してモニタに表示させる。
また、表示制御手段は、服薬支援システム1の各装置からガイダンス情報を受信すると、その内容をモニタに表示させる。表示制御手段は、例えば、後述する発症率や頻出経過時間等の情報をモニタに表示させる。
また、表示制御手段は、記憶部23に記憶されている服薬スケジュール情報テーブルを参照し、服薬予定時刻になると、患者に対して服薬を促す通知をモニタに表示させる。なお、服薬支援端末2にスピーカーを設置し、服薬を促す音をスピーカーから発生させるようにしてもよい。
また、服薬を促す通知が表示された後に、排出操作部24にて排出操作が行われない場合、表示制御手段は、所定時間の間(例えば30分間)、服薬を促す通知をモニタに繰り返し表示させてもよい。
通信部29は、外部の装置(例えば、薬剤ディスペンサ装置3、患者携帯端末4及びセンタ端末6等、服薬支援システム1を構成する各装置)との間で、各種情報を送受信する。
症状取得部22、服用時刻関連付け部26及び症状リスト生成部27は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MCU(Micro Control Unit)等の少なくとも1つのプロセッサ及びその周辺回路を含んで構成される。
<患者携帯端末4>
患者携帯端末4は、患者が外出したときに所持し、薬剤を服用した旨を入力する端末である。服薬支援端末2が持ち運び可能な端末の場合、患者携帯端末4を服薬支援端末2に組み込んでもよい。患者携帯端末4は、例えば、タブレット端末、スマートフォン又は携帯電話等である。
患者携帯端末4は、図2の機能ブロック図に示すように、入力部41、表示部42、服用時刻出力部43、記憶部44及び通信部45を含んで構成される。
入力部41は、患者が患者携帯端末4を操作するために用いる物理的なボタンである。入力部41は、例えば、患者が外出用に持ち出した薬剤を服用した旨を入力するために用いられる。なお、表示部42としてタッチパネル式モニタが用いられる場合、入力部41と表示部42は一体化されていてもよい。
また、入力部41は、服薬支援端末2のように症状を入力する機能を有していてもよい。この場合、患者携帯端末4は、通信部45を介して、入力部41から入力された内容を服薬支援端末2の症状取得部22に送信すればよい。
表示部42は、患者に対して薬剤の服用を促す通知等を表示するモニタと、当該モニタへの表示を制御する表示制御手段と、を含んで構成される。
表示制御手段は、通信部45を介して服薬支援端末2の外出操作制御手段(外出排出操作部25)から通知指示信号を受信すると、当該通知指示信号に基づき、服薬予定時刻が到来すると患者に対して薬剤の服用を促す通知をモニタに表示させる。なお、患者携帯端末4にスピーカーを設置し、服薬を促す音をスピーカーから発生させるようにしてもよい。
また、表示制御手段は、通信部45を介して服薬支援端末2から症状リストを取得し、その症状リストをモニタに表示させるようにしてもよい。
服用時刻出力部43は、CPU、DSP、MCU等の少なくとも1つのプロセッサ及びその周辺回路を含んで構成される。服用時刻出力部43は、入力部41が操作されて薬剤を服用した旨が入力されると、通信部45を介して、服薬支援端末2に対して「服薬した旨」を示す情報と「手動入力された服用時刻(服薬した旨が入力された時刻)」を送信する。このとき、服薬支援端末2において、手動入力された服用時刻が服薬履歴情報テーブル中の他の情報に対応付けられるように、服用時刻出力部43は、通信部45を介して、服用した薬剤の名称(薬剤名)や服薬予定時刻等の情報も付加して、服薬支援端末2に送信する。また、対応付けを容易にするために、服薬履歴の項目をIDで管理してもよい。
記憶部44は、服薬支援端末2から送信された通知指示信号に含まれる情報を記憶する。記憶部44は、例えば、通知が必要な薬剤名とその服薬予定時刻を記憶する。また、記憶部44は、服用した旨が患者によって入力された時刻を、通知指示信号に含まれている通知が必要な薬剤名に対応付けて記憶する。なお、患者携帯端末4は、服薬支援端末2から服薬スケジュール情報テーブルを取得して記憶部44に記憶するようにしてもよい。また、記憶部44は、服薬支援端末2から取得された症状リストを記憶するようにしてもよい。
通信部45は、外部の装置(例えば服薬支援システム1を構成する各装置)との間で、各種情報を送受信する。
<データサーバ5>
データサーバ5は、図1のシステム全体構成図に示すように、データセンタに設置される。
データセンタは、1又は複数の装置を含んで構成されており、服薬支援システム1を構成する各装置から各種情報を受信してデータサーバ5に記憶したり、記憶した情報を要求に応じて各装置に送信したりする。これにより、データサーバ5に記憶される情報は、通信ネットワークNを介して、服薬支援システム1を構成する各装置間で共有されることになる。
データサーバ5は、服薬支援端末2によって生成された症状リストを記憶する。このとき、患者毎の症状リストが患者IDによって管理される。データサーバ5は、更新された症状リストを服薬支援端末2から受け取ると、その症状リストに対応付けられている患者IDと同一の患者IDが対応付けられている症状リストを更新する。また、データサーバ5は、各患者の服薬履歴情報テーブルを記憶するとともに、各患者の服薬履歴情報テーブルを更新する。
<センタ端末6>
センタ端末6は、図1のシステム全体構成図に示すように、管理センタに設置される。
管理センタでは、患者への服薬支援を集中的に管理する。管理センタには、医学知識を有する監視員が常駐しており、その監視員が、患者からの各種相談に対応し、病院や調剤薬局等と連携して、適切な対応をとる。
センタ端末6は、服薬支援システム1を構成する各装置と通信ネットワークNを介して接続されており、各種データや対応に関する指示のやり取りを実行する。
また、管理センタにおいては、電話回線を通じて、患者、医師、薬剤師等と連絡を取ることも可能である。患者や病院等への連絡先は、例えば、データセンタのデータサーバ5等で管理されている。
本実施の形態では、センタ端末6は、表示部61、症状リスト解析部62及び通信部63を含んで構成される。
表示部61は、各種情報を表示するモニタと、当該モニタへの表示を制御する表示制御手段と、を含んで構成される。例えば、監視員が症状リストを表示させたいタイミングでセンタ端末6を操作すると、表示制御手段は、通信部63を介して、データサーバ5から症状リストを取得し、その症状リストをモニタに表示させる。
症状リスト解析部62は、症状リストを解析することにより、症状への対応に利用できる情報を算出する。例えば、症状リスト解析部62は、その情報として、症状の発症率や、服用時刻からの頻出経過時間(服用後に患者に症状が現れる時間帯)を算出する。症状リスト解析部62は、CPU、DSP、MCU等の少なくとも1つのプロセッサ及びその周辺回路を含んで構成される。なお、症状リスト解析部62が「解析手段」の一例に相当する。
症状リスト解析部62は、1人の患者(例えば指定された患者)の症状リストを解析することにより、当該患者における症状の発症率や頻出経過時間を算出してもよいし、複数の患者の症状リストを解析することにより、複数の患者における症状の発症率や頻出経過時間を算出してもよい。
症状の発症率を求める場合、症状リスト解析部62は、例えばデータサーバ5に記憶されている服薬履歴情報テーブルを参照し、算出対象の薬剤を服用したことのある患者の症状リストをデータサーバ5から取得する。そして、症状リスト解析部62は、算出対象の薬剤を服用して算出対象の症状が症状リストに含まれる患者の数を、算出対象の薬剤を服用したことのある患者の数で除算することにより、百分率で発症率を算出する。なお、算出対象の薬剤や症状は、例えば、センタ端末6、病院端末7、薬局端末8等を用いて、監視員、医師、薬剤師等によって指定される。また、一種類の薬剤を算出対象とするだけでなく、薬剤と薬剤の組み合わせを算出対象としてもよい。
例えば、薬剤Bによって発生する「めまい」の発症率を算出する場合において、薬剤Bが服薬履歴情報テーブルに含まれている患者の数が100人であり、そのうちの9人の症状リストに「めまい」が関連付けられている場合、発症率は9パーセントである。
頻出経過時間を求める場合、症状リスト解析部62は、算出対象の薬剤を服用して算出対象の症状が発症した患者の症状リストを、データサーバ5から取得する。そして、症状リスト解析部62は、各症状リストから経過時間を取得し、症状の出現頻度の正規分布を仮定し、例えば平均値±2標準偏差を当該症状の頻出経過時間として算出する。
例えば、薬剤Bによって発生する「めまい」の頻出経過時間を算出する場合において、平均値が2時間1分であり、2標準偏差が47分であった場合、薬剤Bの服用から1時間14分〜2時間48分の間が、頻出する時間帯となる。
算出された発症率や頻出時間帯は、センタ端末6の表示部61に表示されたり、通信部63を介して病院端末7や薬局端末8に送信されてそれぞれの表示部に表示されたりする。この情報は、監視員、医師、薬剤師等によって確認され、患者への対応、処方内容の変更、服薬指導、薬剤対策等に利用される。算出された情報は、データサーバ5に記憶されるようにしてもよい。
また、算出された発症率や頻出時間帯を症状の説明(ガイダンス情報)として、服薬支援端末2や患者携帯端末4を介して患者に対して通知するようにしてもよい。
本実施の形態では、症状リスト解析部62はセンタ端末6に設けられているが、これに限らず、症状リスト解析部62は、服薬支援端末2に設けられてもよいし、服薬支援システム1を構成する他の装置に設けられてもよい。
通信部63は、外部の装置(例えば服薬支援システム1を構成する各装置)との間で、各種情報を送受信する。
<病院端末7>
病院端末7は、図1のシステム全体構成図に示すように、病院に設置される。病院端末7は、症状リスト、症状の発症率、頻出経過時間等の各種情報を表示し、医師がそれらの情報を確認するための端末である。病院端末7は、表示部71と通信部72とを含んで構成される。
表示部71は、各種情報を表示するモニタと、当該モニタへの表示を制御する表示制御手段と、を含んで構成される。例えば、医師が症状リストを表示させたいタイミングで病院端末7を操作すると、表示制御手段は、通信部72を介して、データサーバ5から症状リストを取得し、その症状リストをモニタに表示させる。
通信部72は、外部の装置(例えば服薬支援システム1を構成する各装置)との間で、各種情報を送受信する。
<薬局端末8>
薬局端末8は、図1のシステム全体構成図に示すように、調剤薬局に設置される。薬局端末8は、症状リスト、症状の発症率、頻出経過時間等の各種情報を表示し、薬剤師がそれらの情報を確認するための端末である。薬局端末8は、表示部81と通信部82とを含んで構成される。
表示部81は、各種情報を表示するモニタと、当該モニタへの表示を制御する表示制御手段と、を含んで構成される。例えば、薬剤師が症状リストを表示させたいタイミングで薬局端末8を操作すると、表示制御手段は、通信部82を介して、データサーバ5から症状リストを取得し、その症状リストをモニタに表示させる。
通信部82は、外部の装置(例えば服薬支援システム1を構成する各装置)との間で、各種情報を送受信する。
なお、本実施の形態において、服薬支援端末2や患者携帯端末4に表示される症状リストと、それ以外の装置に表示される症状リストとを異ならせてもよい。例えば、服薬支援端末2にて生成された症状リストに音声データが含まれている場合において、センタ端末6、病院端末7又は薬局端末8にて症状リストを表示する場合、当該音声データを除いて、それらの端末に症状リストを表示するようにしてもよい。具体的には、センタ端末6、病院端末7又は薬局端末8は、音声データが除外された症状リストをデータサーバ5から取得して表示する。
また、服薬支援端末2において、医師や薬剤師に対して患者が報告したくない項目を症状リストから除外できるようにしてもよい。例えば、患者が服薬支援端末2を操作することにより、センタ端末6、病院端末7又は薬局端末8に送信する症状リストの項目を選択できるようにする。これにより、患者によって選択された項目のみが含まれる症状リストが生成され、その症状リストがセンタ端末6等に送信されて表示される。例えば、症状に関係のない日常会話が音声認識によって症状リストに含まれてしまった場合、そのような日常会話に関する音声データが、報告したくない項目として選択され、その音声データが除外された症状リストが生成されて送信される。
以下、本実施の形態における服薬支援システム1の動作について説明する。まず、図8を参照して、服薬履歴情報テーブルの生成処理について説明する。
服薬支援端末2は、記憶部23に予め記憶されている服薬スケジュール情報テーブルを参照し、服薬予定時刻が到来したか否かを判定する(S101)。服薬予定時刻が到来した場合(S101,YES)、服薬支援端末2は、服薬を促す通知を表示部28に表示する(S102)。このとき、排出操作部24は、操作が可能な状態になる。
その後、患者が排出操作部24を利用して排出操作を行った場合(S104,YES)、通信部29を介して、服薬支援端末2から薬剤ディスペンサ装置3に排出指示信号が送信され、薬剤ディスペンサ装置3から所定の薬剤が排出される(S105)。そして、服薬支援端末2は、薬剤ディスペンサ装置3にて排出された薬剤の名称(薬剤名)を、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブルに記憶するとともに、排出操作を行った時刻を服用時刻として服薬履歴情報テーブルに記憶する(S106)。また、服薬支援端末2は、服用状態を「通常」として服薬履歴情報テーブルに記憶する(S106)。
一方、患者によって排出操作が行われない場合(S104,NO)、服薬支援端末2は、服薬予定時刻から所定時間(例えば30分)が経過するまで、表示部28において服薬を促す表示を繰り返す(S107,NO)。
服薬予定時刻から所定時間が経過した場合(S107,YES)、服薬支援端末2は、排出する予定の薬剤の名称(薬剤名)を、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブルに記憶するとともに、服用状態を「不服用」として服薬履歴情報テーブルに記憶する(S108)。また、服薬支援端末2は、薬剤ディスペンサ装置3に対して、廃棄指示信号を送信する。
患者が外出排出操作部25を利用して外出排出操作を行った場合(S103,YES)、通信部29を介して、服薬支援端末2から薬剤ディスペンサ装置3に対して信号が送信され、薬剤ディスペンサ装置3から所定の薬剤が排出される(S109)。そして、服薬支援端末2は、排出された薬剤の名称(薬剤名)と、外出排出操作を行った時刻、及び、服用状態「外出」を、記憶部23に記憶されている服薬履歴情報テーブルに記憶する(S110)。
それと同時に、服薬支援端末2は、通信部29を介して、患者携帯端末4に対して、外出用に排出した薬剤の服薬予定時刻を含む通知指示信号を送信する(S111)。これにより、患者携帯端末4では、当該通知指示信号に含まれる服薬予定時刻が記憶部44に記憶され、服薬予定時刻が到来すると、服薬を促す通知が表示部42に表示される。
患者が、外出時に持ち出した薬剤を服用し、患者携帯端末4の入力部41を操作して当該薬剤を服用した旨を入力した場合(S112,YES)、患者携帯端末4は、患者が薬剤を服用した旨を入力した時刻を、薬剤名に対応付けて記憶し、通信部45を介して、それらの情報を服薬支援端末2に送信する。服薬支援端末2は、当該情報を受信すると、患者によって入力された時刻を、服薬履歴情報テーブルにおいて服薬情報が「外出」となっている薬剤名の服用時刻として記憶する(S113)。
また、服薬支援端末2は、服薬予定時刻から所定時間(例えば30分)が経過しても、患者携帯端末4から服用をした旨の信号を受信しなかった場合(S112,NO、S114,YES)、排出された薬剤名と対応付けて、服用状態を「不服用」として服薬履歴情報テーブルに記憶する(S115)。
次に、図9を参照して、症状リストの生成処理について説明する。
服薬支援端末2にて、気になる症状が患者によって入力された場合(S201,Yes)、服薬支援端末2は、入力された症状と入力時刻とを関連付ける(S202)。
次に、服薬支援端末2は、記憶部23に記憶されている薬剤症状対応テーブルの中に、入力された症状が含まれているか否かを判断する(S203)。入力された症状が薬剤症状対応テーブルの中に含まれている場合(S203,YES)、服薬支援端末2は、薬剤症状対応テーブルから、当該入力された症状に対応する薬剤名を取得する(S204)。また、当該対応する薬剤の服薬履歴が存在する場合、つまり、当該対応する薬剤の服薬履歴が服薬履歴情報テーブルに記憶されている場合(S205,YES)、服薬支援端末2は、当該対応する薬剤の直近の服用時刻を服薬履歴情報テーブルから取得する。また、服薬支援端末2は、服用時刻から入力時刻までの経過時間を算出する。
服薬支援端末2は、入力された症状と入力時刻と薬剤名とを関連付け(S206)、更に、それらに服用時刻と経過時間とを関連付けることにより、症状リストを生成する(S207)。服薬支援端末2は、症状リストを記憶部23に記憶し、また、症状リストをデータセンタのデータサーバ5に送信する(S208)。なお、症状リストは更新される。
入力された症状が薬剤症状対応テーブルに登録されていない場合(S203,NO)、又は、対応する薬剤が患者によって服用されていない場合(服用履歴が服薬履歴情報テーブルに記憶されていない場合)(S205,NO)、処理はステップS201に戻る。この場合、服薬支援端末2は、症状及び当該情報が入力された時刻のみを、症状リストに記憶するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態における服薬支援システム1によると、患者は服薬支援端末2を操作して症状を入力するだけで、その症状、症状の入力時刻、その症状を発現する可能性のある薬剤の名称(薬剤名)、及び、その薬剤の服用時刻を関連付けた症状リストが生成される。生成された症状リストは、患者や医療関係者に対して提供される。症状リストは、例えば、副作用の有無を判断するための情報として利用される。本実施の形態によると、患者の負担を軽減しつつ、副作用等への対応に活用できる精度の高い情報を医療関係者に提供することが可能となる。つまり、薬剤ディスペンサ装置3が有する情報、服薬スケジュール情報テーブル、服薬履歴情報テーブル、薬剤症状対応テーブル等を利用することにより、症状リストが生成されるので、患者は、服用した薬剤の名称や服用時刻等を逐一記憶し、それらを入力する必要がない。それ故、患者の負担を軽減することが可能となる。また、患者によって間違った情報(例えば薬剤名や服用時刻等)が入力されることがないため、精度の高い症状リストを生成することが可能となる。
また、症状の発症率や頻出時間帯を算出することにより、実績情報に基づいた副作用等の頻出タイミングや発症率を、医療関係者に提供することが可能となる。これにより、これらの情報を、処方する薬剤の選択や患者に副作用等が発生した際の対応等に活用することが可能となる。
また、薬剤が外出用に排出された場合、患者携帯端末4にて入力された時刻が服用時刻として用いられて症状リストが生成される。これにより、患者が外出用の薬剤を事前に取得した場合であっても、正確な服用時刻を用いて症状リストを生成することが可能となる。それ故、薬剤の事前取得を許容することが可能となる。また、患者が外出先で薬剤を服用した場合であっても、服薬履歴情報テーブル等を用いて症状リストが生成される。それ故、患者は薬剤名を記憶しておく必要がない。服用時に患者が薬剤名を入力する必要がないので、患者が、外出先で服用した薬剤名を忘れてしまった場合であっても、正確な情報に基づいて症状リストを生成することが可能となる。