JP2017147397A - キャパシタ - Google Patents

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将任 岩崎
星児 一▲柳▼
Seiji Ichiyanagi
星児 一▲柳▼
裕登 中屋
Hiroto Nakaya
裕登 中屋
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敬章 鶴見
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Abstract

【課題】小型化、軽量化を図りながら、静電容量を効果的に向上させることができるキャパシタを提供すること。【解決手段】キャパシタ1は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層31と、固体電解質層31を介して対向するように配置された第1内層電極(第1電極)41及び第2内層電極(第2電極)42と、を有する基体2を備えている。第1内層電極41は、固体電解質層31の第1主面311において、第1主面311に接するように配置された第1金属層411である。第2内層電極42は、固体電解質とニッケルを含む金属とを含む複合材料により構成され、かつ、固体電解質層31の第2主面312において、第2主面312に接するように配置された複合層422と、複合層422を被覆するように配置された第2金属層421と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、キャパシタに関する。
従来、電解質材料を用いた、電荷を蓄えたり放出したりするキャパシタが知られている。例えば、特許文献1には、イオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層の両主面に一対の電極を設けたキャパシタが開示されている。また、特許文献2には、電極にイオン伝導性元素を含む物質を50体積%未満含有させたキャパシタが開示されている。
特開2008−130844号公報 国際公開第2015/012101号
しかしながら、上記特許文献1に開示されたキャパシタは、静電容量の大きさが十分であるとは言えない。また、上記特許文献2に開示されたキャパシタは、電極にイオン伝導性元素を含む物質を含有させているが、静電容量を向上させる効果が十分であるとは言えない。また、電極の厚みを厚くして静電容量を向上させる方法もあるが、この場合にはキャパシタの体積増加、重量増加を招いてしまうため、単位体積当たりの静電容量、単位重量当たりの静電容量を向上させるのに効果的とは言えない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、小型化、軽量化を図りながら、静電容量を効果的に向上させることができるキャパシタを提供する。
本発明の一の態様であるキャパシタは、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層と、固体電解質層を介して対向するように配置された第1電極及び第2電極と、を有する基体を備えたキャパシタであって、第1電極は、固体電解質層の厚み方向の一方側主面において、一方側主面に接するように配置された第1金属層であり、第2電極は、固体電解質とニッケルを含む金属とを含む複合材料により構成され、かつ、固体電解質層の厚み方向の他方側主面において、他方側主面に接するように配置された複合層と、複合層を被覆するように配置された第2金属層と、を有する。
上記キャパシタは、固体電解質層の他方側主面に、固体電解質と金属とを含む複合材料により構成された複合層が設けられている。そのため、固体電解質層及び第2電極における固体電解質と金属との接触面積を増加させ、静電容量を向上させることができる。なお、固体電解質層及び第2電極における固体電解質と金属との接触面積には、固体電解質層及び複合層中の固体電解質と複合層及び第2金属層中の金属との接触面積が含まれる。
また、上記キャパシタは、固体電解質層の両主面の片側のみに、複合層が設けられている。そのため、体積増加及び重量増加を抑制しながら、静電容量を向上させることができる。これにより、小型化、軽量化を図りながら、単位体積当たりの静電容量、単位重量当たりの静電容量を効果的に向上させることができる。
また、複合層を構成する複合材料にニッケルが含まれているため、製造工程における焼成時に、固体電解質(例えばリチウムイオン伝導性酸化物)と金属(ニッケル)との反応を抑制できる。これにより、キャパシタの一部又は全部を同時焼成により作製することが容易となる。なお、焼成時の固体電解質と金属との反応には、複合層中の固体電解質と金属との反応、固体電解質層中の固体電解質と複合層中の金属との反応が含まれる。
上記キャパシタにおいて、基体は、固体電解質層と第1電極及び第2電極とを有するキャパシタ部を複数積層して構成され、基体には、複数の第1電極と電気的に接続された第1外部電極と、複数の第2電極と電気的に接続された第2外部電極と、が設けられていてもよい。この場合には、静電容量の大きいキャパシタが得られる。また、第1外部電極及び第2外部電極に電圧を印加することにより、キャパシタに電荷を蓄えることができる。
また、基体は、キャパシタ部が積層される積層方向の両端面と、該両端面の間に形成された側面と、を有し、第1外部電極及び第2外部電極は、基体の側面において、基体を介して対向するように配置され、第2外部電極は、複合材料により構成され、基体の側面に接するように配置されていてもよい。この場合には、第2外部電極が複合材料により構成されているため、固体電解質層、第2電極及び第2外部電極における固体電解質と金属との接触面積を増加させ、静電容量をさらに向上させることができる。なお、固体電解質層、第2電極及び第2外部電極における固体電解質と金属との接触面積には、固体電解質層、複合層及び第2外部電極中の固体電解質と、複合層、第2金属層及び第2外部電極中の金属との接触面積が含まれる。
また、固体電解質は、LiLaZr12及びLi3xLa2/3−xTiO(但し、xは0.04以上0.16以下)の少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合には、固体電解質のリチウムイオン伝導性を高めることができる。
また、複合層における金属の含有量は、20体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましい。この場合には、固体電解質と金属との接触面積を増加させ、静電容量を向上させる効果を十分に得ることができる。一方、複合層における金属の含有量が50体積%を超える場合には、固体電解質と金属との接触面積増加効果が小さくなるだけでなく、固体電解質よりも比重が大きい金属の含有量が多くなることによるキャパシタの重量増加のおそれがある。したがって、複合層における金属の含有量は、50体積%以下であることが好ましい。
また、上記キャパシタを蓄電用キャパシタとして適用する場合には、第1電極を正極、複合層を含む第2電極を負極として用いることが好ましい。リチウムイオン伝導性を有する固体電解質は、Liイオンのみが移動するシングルイオン伝導であるため、複合層を含む第2電極を負極としたほうがキャパシタの静電容量を効果的に向上させることができる。
実施形態1のキャパシタを示す斜視図である。 実施形態1のキャパシタの積層方向に沿った断面を示す断面図である。 実施形態2のキャパシタの積層方向に沿った断面を示す断面図である。 実施例1〜3のキャパシタの積層方向に沿った断面を示す断面図である。 (A)は比較例1のキャパシタの積層方向に沿った断面を示す断面図であり、(B)は比較例2、3のキャパシタの積層方向に沿った断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(実施形態1)
図1、図2に示すように、本実施形態のキャパシタ1は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層31と、固体電解質層31を介して対向するように配置された第1内層電極(第1電極)41及び第2内層電極(第2電極)42と、を有する基体2を備えている。
第1内層電極41は、固体電解質層31の第1主面311において、第1主面311に接するように配置された第1金属層411である。第2内層電極42は、固体電解質とニッケル(Ni)を含む金属とを含む複合材料により構成され、かつ、固体電解質層31の第2主面312において、第2主面312に接するように配置された複合層422と、複合層422を被覆するように配置された第2金属層421と、を有する。以下、このキャパシタ1について詳細に説明する。
なお、本実施形態では、図1のX方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向として説明をする。なお、これらの方向は、キャパシタ1の各部の相対的な位置関係の説明を容易とするために規定した方向にすぎず、実際にキャパシタ1がどのような方向に向けて配置されるかは任意である。
図1、図2に示すように、キャパシタ1は、積層セラミックチップコンデンサである。キャパシタ1は、平板形状(直方体形状)の基体2を備えている。基体2は、上下方向Zの両端面である上端面201及び下端面202と、上端面201と下端面202との間に形成された左側面203及び右側面204を含む4つの側面とを有する。
基体2は、複数の固体電解質層31、複数の第1内層電極41及び複数の第2内層電極42を積層して構成されている。基体2は、複数のキャパシタ部21を備えている。キャパシタ部21は、1つの固体電解質層31、1つの第1内層電極41及び1つの第2内層電極42を有する。
キャパシタ部21において、固体電解質層31の厚み方向(上下方向Z)の一方側主面である第1主面311には、第1主面311のうち基体2の左側面203側の一部を除いて、第1内層電極41が設けられている。第1内層電極41は、金属により構成された第1金属層411である。第1金属層411は、固体電解質層31の第1主面311に接するように配置されている。第1金属層411は、基体2の右側面204に露出するように設けられている。
キャパシタ部21において、固体電解質層31の厚み方向(上下方向Z)の他方側主面である第2主面312には、第2主面312のうち基体2の右側面204側の一部を除いて、第2内層電極42が設けられている。第2内層電極42は、複合層422及び第2金属層421により構成されている。
複合層422は、固体電解質層31の第2主面312に接するように配置されている。第2金属層421は、金属により構成されている。第2金属層421は、複合層422における固体電解質層31とは反対側の表面に、複合層422を被覆するように配置されている。複合層422及び第2金属層421は、基体2の左側面203に露出するように設けられている。
キャパシタ部21において、第1内層電極41(第1金属層411)と第2内層電極(複合層422、第2金属層421)とは、固体電解質層31を介して、上下方向Zに対向するように配置されている。第1金属層411と第2金属層421との間には、固体電解質層31が配置されている。固体電解質層31と第2金属層421との間には、複合層422が配置されている。
複数のキャパシタ部21は、上下方向Zにおいて積層されている。なお、本実施形態では、隣接するキャパシタ部21同士は、1つの第1金属層411又は第2金属層421を共有している。すなわち、隣接するキャパシタ部21の一部同士が重なり合った状態で、複数のキャパシタ部21が積層されている。
基体2の上端部及び下端部、すなわち複数のキャパシタ部21が積層された部分の積層方向の両側には、それぞれ1つのカバー層32が配置されている。2つのカバー層32は、それぞれ基体2の上端面201と下端面202とを形成している。
基体2において、固体電解質層31は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質により構成されている。固体電解質は、リチウムイオン伝導性酸化物であるLiLaZr12(以下、適宜、LLZという)である。カバー層32は、固体電解質層31と同様に、LLZにより構成されている。
第1内層電極41(第1金属層411)は、ニッケルにより構成されている。第2内層電極42のうち、複合層422は、固体電解質と金属とを含む複合材料により構成されている。本実施形態では、LLZとニッケルとの複合材料により構成されている。複合層422における金属(ニッケル)の含有量は、20体積%以上50体積%以下である。また、第2金属層421は、ニッケルにより構成されている。
基体2には、第1外部電極51及び第2外部電極52が設けられている。第1外部電極51及び第2外部電極52は、それぞれ基体2の右側面204及び左側面203において、基体2を介して左右方向Xに対向するように配置されている。
第1外部電極51は、基体2の右側面204全体を覆うように設けられている。第1外部電極51は、基体2の右側面204に露出している複数の第1内層電極41(第1金属層411)と電気的に接続されている。第1外部電極51は、ニッケルにより構成されている。
第2外部電極52は、基体2の左側面203全体を覆うように設けられている。第2外部電極52は、基体2の左側面203に露出している複数の第2内層電極42(複合層422、第2金属層421)と電気的に接続されている。第2外部電極52は、ニッケルにより構成されている。
次に、キャパシタ1の製造方法について説明する。
キャパシタ1を製造するに当たっては、固体電解質層31及びカバー層32となるLLZグリーンシートを作製した。また、第1内層電極41(第1金属層411)、第2内層電極42の第2金属層421、第1外部電極51及び第2外部電極52となるNiペーストを作製した。また、第2内層電極42の複合層422となるLLZ/Niペーストを作製した。
LLZグリーンシートの作製においては、まず、炭酸リチウム、水酸化ランタン及び酸化ジルコニウムをLLZの組成となるように所定量秤量し、所定量のエチルアルコールと共に、ナイロンポット及びジルコニア球石を用いて混合・粉砕し、乾燥させて混合粉末を得た。そして、アルミナ坩堝に入れた混合粉末を、大気雰囲気下、最高温度1000℃、10時間保持の条件で仮焼し、LLZ仮焼粉末を得た。
このLLZ仮焼粉末を、メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤と共に、ナイロンポット及びジルコニア球石を用いて混合・粉砕し、乾燥させてLLZ粉末を得た。このLLZ粉末を、分散剤、可塑剤、バインダ、有機溶剤等と共に混合し、LLZスラリーを得た。そして、LLZスラリーを用いてドクターブレード法により、LLZグリーンシートを得た。LLZグリーンシートは、所定の形状となるように切断した。これにより、LLZグリーンシートを作製した。
Niペーストの作製においては、Ni粉末を、可塑剤、バインダ、有機溶剤等と共に混合することにより、Niペーストを作製した。
LLZ/Niペーストの作製においては、上述したLLZ仮焼粉末とNi粉末とを所定の比率となるように秤量し、所定量のメチルエチルケトン/トルエン混合溶剤と共に、ナイロンポット及びジルコニア球石を用いて混合・粉砕し、乾燥させて複合粉末を得た。この複合粉末を、可塑剤、バインダ、有機溶剤等と共に混合することにより、LLZ/Niペーストを作製した。
次いで、固体電解質層31となる上述のLLZグリーンシート上に、第1内層電極41(第1金属層411)となる上述のNiペーストを所定のパターンでスクリーン印刷した。これにより、Niペーストを印刷した複数のLLZグリーンシート(以下、第1グリーンシートという)を得た。
また、固体電解質層31となる上述のLLZグリーンシート上に、複合層422となる上述のLLZ/Niペースト、第2金属層421となる上述のNiペースト、複合層422となる上述のLLZ/Niペーストを順に所定のパターンでスクリーン印刷した。これにより、LLZ/Niペースト、Niペースト、LLZ/Niペーストを順に印刷した複数のLLZグリーンシート(以下、第2グリーンシートという)を得た。
次いで、第1グリーンシート、第2グリーンシート及びカバー層32となる上述のLLZグリーンシートを所定の順序で積層し、積層体を作製した。このとき、第1グリーンシート、第2グリーンシート、第2グリーンシート、第1グリーンシートの順に積層することにより、積層方向において対称性を持たせ、後述の焼成時の焼成反りを抑制できる。そして、積層体を、WIP(Warm Isostatic Press)により高圧プレスした。その後、積層体を所定の形状に切断し、未焼成の平板形状(直方体形状)の中間体を作製した。
次いで、中間体の側面に、第1外部電極51及び第2外部電極52となる上述のNiペーストを塗布した。そして、水素/窒素混合雰囲気下、最高温度1200℃、2時間保持の条件で中間体を焼成した。以上により、図1、図2に示すキャパシタ1を得た。
次に、本実施形態のキャパシタ1の作用効果について説明する。
本実施形態のキャパシタ1は、固体電解質層31の第2主面312に、固体電解質と金属とを含む複合材料により構成された複合層422が設けられている。そのため、各キャパシタ部21の固体電解質層31及び第2内層電極42における固体電解質と金属との接触面積を増加させ、静電容量を向上させることができる。なお、固体電解質層31及び第2内層電極42における固体電解質と金属との接触面積には、固体電解質層31及び複合層422中の固体電解質と複合層422及び第2金属層421中の金属との接触面積が含まれる。
また、キャパシタ1は、固体電解質層31の両主面の片側のみに、複合層422が設けられている。そのため、体積増加及び重量増加を抑制しながら、静電容量を向上させることができる。これにより、小型化、軽量化を図りながら、単位体積当たりの静電容量、単位重量当たりの静電容量を効果的に向上させることができる。
また、複合層422を構成する複合材料にニッケルが含まれているため、製造工程における焼成時に、固体電解質(LLZ)と金属(ニッケル)との反応を抑制できる。これにより、キャパシタ1の一部又は全部を同時焼成により作製することが容易となる。なお、焼成時の固体電解質と金属との反応には、複合層422中の固体電解質と金属との反応、固体電解質層31中の固体電解質と複合層422中の金属との反応が含まれる。
また、本実施形態のキャパシタ1において、基体2は、固体電解質層31と第1内層電極41及び第2内層電極42とを有するキャパシタ部21を複数積層して構成されている。基体2には、複数の第1内層電極41と電気的に接続された第1外部電極51と、複数の第2内層電極42と電気的に接続された第2外部電極52と、が設けられている。そのため、静電容量の大きいキャパシタ1が得られる。また、第1外部電極51及び第2外部電極52に電圧を印加することにより、キャパシタ1に電荷を蓄えることができる。
また、固体電解質層31及び複合層422に含まれる固体電解質は、LiLaZr12(LLZ)である。そのため、固体電解質のリチウムイオン伝導性を高めることができる。
このように、本実施形態によれば、小型化、軽量化を図りながら、静電容量(具体的には、体積当たりの静電容量、重量当たりの静電容量)を効果的に向上させることができるキャパシタ1が得られる。
(実施形態2)
本実施形態は、図3に示すように、キャパシタ1の第2外部電極52の構成を変更した例である。なお、上述した実施形態1と同様の構成及び作用効果については説明を省略する。
第2外部電極52は、固体電解質と金属とを含む複合材料により構成されている。本実施形態では、第2外部電極52は、第2内層電極42の複合層422と同様に、LLZとニッケルとを含む複合材料により構成されている。
本実施形態では、第2外部電極52が複合材料により構成されているため、各キャパシタ部21の固体電解質層31、第2内層電極42及び第2外部電極52における固体電解質と金属との接触面積を増加させ、静電容量をさらに向上させることができる。なお、固体電解質層31、第2内層電極42及び第2外部電極52における固体電解質と金属との接触面積には、固体電解質層31、複合層422及び第2外部電極52中の固体電解質と、複合層422、第2金属層421及び第2外部電極52中の金属との接触面積が含まれる。
(実施例)
以下、本発明のキャパシタの実施例を比較例と対比しながら説明し、本発明の効果を実証する。以下に示す実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
ここでは、構造の異なる複数のキャパシタ(実施例1〜3、比較例1〜3)を作製し、これらについて性能評価を行った。以下、実施例及び比較例のキャパシタの構造、作製方法及び評価方法について説明する。
<キャパシタの構造>
実施例1〜3のキャパシタ1は、図4に示すように、固体電解質層31と、固体電解質層31の第1主面311及び第2主面312に設けられた第1電極41及び第2電極42とを備えている。第1電極41は、第1金属層411であり、第2電極42は、複合層422及び第2金属層421を有する。キャパシタ1は、上述の実施形態1、2のキャパシタ部21(図2、図3参照)を1つ有する構造である。キャパシタ1は、固体電解質層31の両主面の片側のみに複合層422が設けられている。
比較例1のキャパシタ91Aは、図5(A)に示すように、固体電解質層31と第1電極41及び第2電極42とを備えている。第1電極41は、第1金属層411であり、第2電極42は、第2金属層421である。キャパシタ91Aは、固体電解質層31の両主面のどちら側にも複合層が設けられていない。
比較例2、3のキャパシタ91Bは、図5(B)に示すように、固体電解質層31と第1電極41及び第2電極42とを備えている。第1電極41は、複合層412及び第1金属層411を有し、第2電極42は、複合層422及び第2金属層421を有する。第1電極41の複合層412は、第2電極42の複合層422と同様である。キャパシタ91Bは、固体電解質層31の両主面の両側に複合層412、422が設けられている。
また、実施例1〜3及び比較例1〜3のキャパシタにおいて、固体電解質層31は、LLZにより構成されている。第1金属層411及び第2金属層421は、金(Au)により構成されている。複合層412、422は、LLZとニッケルとの複合材料により構成されている。複合層412、422における金属(ニッケル)の含有量は、表1に示すとおりである。また、固体電解質層31及び複合層412、422の厚さは、表1に示すとおりである。
<キャパシタの作製方法>
実施例及び比較例のキャパシタを製造するに当たっては、まず、炭酸リチウム、水酸化ランタン及び酸化ジルコニウムをLLZの組成となるように所定量秤量し、所定量のエチルアルコールと共に、ナイロンポット及びジルコニア球石を用いて混合・粉砕し、乾燥させて混合粉末を得た。そして、アルミナ坩堝に入れた混合粉末を、大気雰囲気下、最高温度1000℃、10時間保持の条件で仮焼し、LLZ仮焼粉末を得た。
次いで、LLZ仮焼粉末とNi粉末とを所定の比率となるように秤量し、所定量のメチルエチルケトン/トルエン混合溶剤と共に、ナイロンポット及びジルコニア球石を用いて混合・粉砕し、乾燥させた。これにより、複合層となる複合粉末を得た。なお、上述のLLZ仮焼粉末は、固体電解質層となるものである。
次いで、内径12mmの円筒形状の金型内に、各キャパシタの構造に合わせて、LLZ仮焼粉末及び複合粉末を所定の位置に充填し、5MPaの圧力で一軸プレスし、さらに150MPaの圧力で静水圧プレス(CIP:Cold Isostatic Press)した。これにより、円板状のペレットを得た。このペレットを0.13体積%の水素を含む窒素雰囲気下、最高温度1200℃、12時間保持の条件で焼成し、中間焼成体を得た。その後、中間焼成体の両端面に、Auスパッタにより第1金属層及び第2金属層を形成した。以上により、実施例及び比較例の各キャパシタを得た。
<性能評価方法>
実施例及び比較例のキャパシタの性能評価として、定電流法(JIS規格:C5160−1)によって直流容量を測定した。具体的には、充電電圧1Vとして1時間充電し、放電電流1μAで放電し、直流容量を測定した。なお、実施例1〜3は、第1電極を正極側、第2電極を負極側とした。比較例1〜3は、第1電極及び第2電極のうち、一方を正極側、他方を負極側とした。そして、測定した直流容量を体積で除することにより体積容量密度を算出し、重量で除することにより重量容量密度を算出した。

実施例及び比較例のキャパシタの評価結果を表1に示す。
実施例1〜3のキャパシタは、固体電解質層の両主面の片側のみに複合層を設けているため、体積容量密度が40mF/cm以上、重量容量密度が8F/kg以上であり、比較例1〜3に比べて十分に高い値となった。なお、実施例1〜3の結果から、複合層における金属の含有量が多くなるほど体積容量密度及び重量容量密度が高くなるが、50体積%程度で容量密度向上効果が少し小さくなることがわかった。
一方、比較例1のキャパシタは、固体電解質層の両主面のどちら側にも複合層を設けていないため、体積容量密度及び重量容量密度がどちらも非常に小さい値となり、共に不十分な結果となった。
また、比較例2のキャパシタは、固体電解質層の両主面の両側に複合層を設けているため、体積容量密度が40mF/cm未満、重量容量密度が8F/kg未満となり、共に不十分な結果となった。
また、比較例3のキャパシタは、固体電解質層の両主面に複合層を設け、その複合層の厚みを厚くしたため、体積容量密度が40mF/cmをやや上回ったが、重量容量密度が8F/kg未満となり、総合的に不十分な結果となった。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)キャパシタにおいて、キャパシタ部の数は、上述の実施例(実施例1〜3のキャパシタ、図4参照)のように1つであってもよいし、上述の実施形態1、2(図2、図3参照)のように複数であってもよい。すなわち、キャパシタ部の数は、適宜変更することができる。
(2)固体電解質層に含まれる固体電解質としては、上述の実施形態1、2、実施例のように、LiLaZr12(LLZ)を用いることができるが、Li3xLa2/3−xTiO(但し、xは0.04以上0.16以下)(LLT)を用いることもできる。これら以外にも、例えば、Li1+xAlGe2−x(PO、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)、LiZrNb(PO(LZNP)、Li1.2Zr1.9Ca0.1(PO(LZCP)、Li7−xLaZr2−xNb12(LLZN)、Li7−xLaZr2−xTa12(LLZT)、LiBaLaTa12(LBLT)、LiBO、LiPO4−x(LiPON)、LiS−P(LPS)、Li10GeP12(LGPS)等のリチウムイオン伝導体を採用することができる(一般式中のX、Y及びZは任意の数)。
(3)固体電解質層は、上述の実施形態1、2、実施例のように、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質のみで構成されていてもよいし、固体電解質層に固体電解質以外の材料が所定量(例えば50体積%未満の範囲)含まれていてもよい。すなわち、固体電解質層は、固体電解質が主成分として含まれ、さらに固体電解質以外の材料が含まれていてもよい。
固体電解質層に含まれる固体電解質以外の材料としては、例えば、チタン酸バリウム(BT)等の電気絶縁性(すなわち電子伝導性及びイオン伝導性に関する電気絶縁性)を有する材料を採用することができる。電気絶縁性を有する材料としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、アルミナ、ジルコニア、シリカ等の金属酸化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、アクリル、エポキシ、ポリイミド等の樹脂等が挙げられる。
固体電解質層に含まれる固体電解質以外の材料には、固体電解質を構成する元素の酸化物も採用することができる。固体電解質を構成する元素の酸化物材料としては、例えば、AlPO、TiO、LaTiO等が挙げられる。
(4)複合層の材料としては、上述した固体電解質層に含まれる固体電解質と金属とを含む複合材料を採用することができる。複合材料中の金属には、少なくともNi(ニッケル)が含まれる。複合材料中の金属には、Ni以外にAu、Pt、Pd、Ag、Cu等が含まれていてもよい。
(5)第1金属層及び第2金属層の材料としては、Au、Pt、Pd、Ag、Ni、Cu等、周知の各種の金属(導電材料)を採用することができる。また、第1金属層及び第2金属層の材料としては、複合層を構成する複合材料中の金属であってもよいし、別の金属であってもよい。
(6)上述の実施形態1、2では、カバー層の材料として、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いたが、リチウムイオン伝導性を有しない材料を用いることができる。例えば、BaTiO(BT)等の誘電体セラミック(焼結体)を用いることができ、それ以外に、チタン酸ストロンチウム、アルミナ、ジルコニア、シリカ等の金属酸化物等のリチウムイオン伝導性を有しない材料を用いることもできる。
(7)上述の実施形態2では、第1外部電極及び第2外部電極のうち、第2外部電極のみが固体電解質と金属とを含む複合材料により構成されているが、第1外部電極及び第2外部電極の両方が複合材料により構成されていてもよい。また、第1外部電極のみが複合材料により構成されていてもよい。なお、第1外部電極及び第2外部電極を構成する複合材料は、複合層と同様の複合材料であってもよいし、別の複合材料であってもよい。
1…キャパシタ
2…基体
31…固体電解質層
311…第1主面(固体電解質層の厚み方向の一方側主面)
312…第2主面(固体電解質層の厚み方向の他方側主面)
41…第1内層電極(第1電極)
411…第1金属層
42…第2内層電極(第2電極)
421…第2金属層
422…複合層

Claims (4)

  1. リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層と、該固体電解質層を介して対向するように配置された第1電極及び第2電極と、を有する基体を備えたキャパシタであって、
    前記第1電極は、前記固体電解質層の厚み方向の一方側主面において、該一方側主面に接するように配置された第1金属層であり、
    前記第2電極は、前記固体電解質とニッケルを含む金属とを含む複合材料により構成され、かつ、前記固体電解質層の厚み方向の他方側主面において、該他方側主面に接するように配置された複合層と、該複合層を被覆するように配置された第2金属層と、を有する、キャパシタ。
  2. 前記基体は、前記固体電解質層と前記第1電極及び前記第2電極とを有するキャパシタ部を複数積層して構成され、前記基体には、前記複数の第1電極と電気的に接続された第1外部電極と、前記複数の第2電極と電気的に接続された第2外部電極と、が設けられている、請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記基体は、前記キャパシタ部が積層される積層方向の両端面と、該両端面の間に形成された側面と、を有し、前記第1外部電極及び前記第2外部電極は、前記基体の前記側面において、前記基体を介して対向するように配置され、前記第2外部電極は、前記複合材料により構成され、前記基体の前記側面に接するように配置されている、請求項2に記載のキャパシタ。
  4. 前記固体電解質は、LiLaZr12及びLi3xLa2/3−xTiO(但し、xは0.04以上0.16以下)の少なくとも一方を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャパシタ。
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