JP2018041917A - キャパシタ - Google Patents

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星児 一▲柳▼
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将任 岩崎
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敬章 鶴見
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Abstract

【課題】例えば実用周波数帯における誘電損失を低減できるキャパシタを提供すること。【解決手段】キャパシタ1は、一対の主面5、11を有し、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質(例えばLLZ)を主成分とする中央固体電解質層3と、一対の主面5、11に配置された一対の内部電極層7、13と備えており、特に、中央固体電解質層3は、ニッケルからなる金属粒子を含んでいる。従って、例えば40Hz〜110MHzのような実用周波数帯において、キャパシタ1の誘電損失を低減できるという効果がある。つまり、ニッケルからなる金属粒子を中央固体電解質層3に含有させることにより、誘電損失は固体電解質のみで構成したものより低くなるという効果を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、電荷を蓄えたり放出したりするキャパシタ(コンデンサ)に関し、特にリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を用いたキャパシタに関する。
従来、例えば、固体電解質または誘電体の表面に一対の電極を設けた固体キャパシタが知られている(下記特許文献1〜5参照)。
例えば特許文献1には、電極間に固体電解質を用いた電気2重層キャパシタについて、基本的な構造や特性が開示されている。
特許文献2には、固体電解質の薄層化により、従来の電解液を利用した電気2重層キャパシタと比較して、静電容量が向上した固体イオンキャパシタが得られることが開示されている。
特許文献3には、Liイオン伝導性化合物を含む誘電体層の膜厚を薄くする事により、周波数特性に優れたコンデンサが得られることが開示されている。
特許文献4、5には、電極間の誘電体に、金属粒子を含有させて高容量化する技術が開示されている。この特許文献4、5には、金属含有量や粒径に関する記載はあるが、電極間の厚みに対する金属粒径の比率についての記載はない。なお、一般的に、誘電体に金属粒子を含有させても、キャパシタの低損失化(即ち誘電損失の低減)は起こらないことが知られている。
特開2008−130844号公報 国際公開第2013/111804号 特開2013−225534号公報 特開2015−43389号公報 特開2006−287203号公報
しかしながら、上述した従来技術では、下記のような問題があり、その改善が望まれている。
具体的には、固体キャパシタの電極間に固体電解質を配置した場合には、一般的に、粒界の緩和周波数(即ち誘電損失が大きくなる周波数)が、例えば40Hz〜110MHzのような実用周波数帯にあるので、固体キャパシタの誘電損失が大きくなるという問題がある。
そのため、上述した実用周波数帯で固体キャパシタを使用する場合に、例えば十分な性能が得られない等の制約が出る恐れがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、例えば実用周波数帯における誘電損失を低減できるキャパシタを提供することにある。
(1)本発明の第1局面は、一対の主面を有し、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を主成分とする固体電解質層と、一対の主面に配置された一対の電極層と、備えたキャパシタであって、固体電解質層が金属粒子を含んでいる。
このように、本第1局面では、固体電解質層が金属粒子を含んでいるので、後述する実験例からも明らかなように、例えば40Hz〜110MHzのような実用周波数帯において、キャパシタの誘電損失を低減できるという効果がある。
つまり、金属粒子を固体電解質層に含有させることにより、誘電損失は固体電解質のみで構成したものより低くなるという効果を有する。
なお、本発明者等の研究により、実際に実用周波数帯で低損失のキャパシタが得られていることから、固体電解質層に金属粒子を含ませることが低損失化に寄与していると考えられるが、その詳細な原理等については、明らかではない。
(2)本発明の第2局面では、固体電解質層中における金属粒子の含有量が、1体積%以上、30体積%以下であり、一対の電極層の間における固体電解質層の厚みT1に対する金属粒子の平均粒径D1の比率(D1/T1)が0.5以下である。
本第2局面では、金属粒子の含有量及び前記比率(D1/T1)が、上述した範囲であるので、後述する実験例からも明らかなように、例えば実用周波数帯において、キャパシタの誘電損失を大きく低減できるという効果がある。
(3)本発明の第3局面では、固体電解質層中における金属粒子の含有量が、10体積%以上、30体積%以下である。
本第3局面では、金属粒子の含有量が、上述した範囲であるので、後述する実験例からも明らかなように、例えば実用周波数帯において、キャパシタの誘電損失を大きく低減できるという効果がある。
(4)本発明の第4局面では、比率(D1/T1)が、0.05以上、0.5以下である。
本第4局面では、前記比率(D1/T1)が、上述した範囲であるので、後述する実験例からも明らかなように、例えば実用周波数帯において、キャパシタの誘電損失を大きく低減できるという効果がある。
(5)本発明の第5局面では、固体電解質は、LiLaZr12である。
本第5局面は、固体電解質の好ましい例を示している。
具体的には、LiLaZr12(LLZ)は、例えばNi電極と同時に還元焼成を行うことができ、イオン伝導度が高いという利点がある。
<以下、本発明の各構成について説明する>
・「固体電解質層」とは、固体電解質としての特性、即ち、外部から加えられた電場によってイオン(ここではリチウムイオン)を移動させることができる特性(イオン伝導性)を有する層である。
・「主成分」とは、該当する成分が最も多い成分(例えば50体積%以上)であることを示している。
・「一対の主面」とは、固体電解質層の厚み方向の端部に形成された一方の表面及び他方の表面を示している。
・「金属粒子」は、単体の金属又は合金の金属からなり、電極層と接しておらず、電気的に独立している。この金属粒子の形状については、何ら限定されるものではなく、種々の形状を採用することができる。
第1実施形態のキャパシタを示す斜視図である。 第1実施形態のキャパシタを各層の積層方向(Z方向)に破断しその破断面を示す断面図(A―A断面図)である。 (a)は図2のB−B断面図、(b)は図2のC−C断面図である。 第1実施形態のキャパシタの製造工程を1個のキャパシタについて説明する説明図である。 第2実施形態のキャパシタを各層の積層方向(Z方向)に破断しその破断面を示す断面図である。
[1.第1実施形態]
[1−1.キャパシタの構成]
まず、本第1実施形態のキャパシタの構成について説明する。
なお、以下の説明では、図の上下左右の各方向を利用して説明を行うが、各方向は、各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向にすぎず、実際にキャパシタがどのような方向に向けられるかは任意である。例えば、以下の記載で方向を示す「上、下、左、右」とは、図2における「上、下、左、右」の各方向と同じである。
図1に示すように、本第1実施形態のキャパシタ1は、直方体形状の積層セラミックチップコンデンサである。
具体的には、図2に模式的に示すように、キャパシタ1は、その積層方向(図2の上下方向:Z方向)の中央部分に、1層の固体電解質層(即ち中央固体電解質層)3が配置されている。
また、中央固体電解質層3の一方の主面(第1主面5)、即ち前記積層方向の一方の側(図2の上側:以下上側と称する)の表面には、内部電極層(即ち第1内部電極層)7が配置されている。
更に、第1内部電極層7の上側の表面及び中央固体電解質層3の上側の露出表面(即ち第1内部電極層7で覆われていない部分)には、他の固体電解質層(即ち第1外側固体電解質層)9が配置されている。
一方、中央固体電解質層3の他方の主面(第2主面11)、即ち前記積層方向の他方の側(図2の下側:以下下側と称する)の表面には、前記第1内部電極層7と同様な他の内部電極層(即ち第2内部電極層)13が配置されている。
更に、第2内部電極層13の下側の表面及び中央固体電解質層3の下側の露出表面(即ち第2内部電極層13で覆われていない部分)には、前記第1外側固体電解質層9と同様な他の固体電解質層(即ち第2外側固体電解質層)15が配置されている。
そして、これらの各層3、7、9、13、15が積層されることにより、直方体形状の基体17が構成されている。
また、キャパシタ1の左右方向(図2の左右方向:X方向)の両側、即ち基体17の左右方向の両側を覆うように、それぞれ外部電極19が全面にわたり形成されている。つまり、図2の左側には、第1外部電極19aが形成されるとともに、図2の右側には、第2外部電極19bが形成されている。
以下、各構成について更に詳しく説明する。
中央固体電解質層3は、例えばLiLaZr12(以下LLZと記すこともある)を主成分とし、その内部に例えばニッケル(Ni)等の金属粒子が分散している。
また、中央固体電解質層3の厚みT1は、例えば1〜30μmの範囲の例えば20μmである。
中央固体電解質層3における金属粒子の含有量は、1体積%〜30体積%(好ましくは10体積%〜30体積%)の範囲(例えば10体積%)である。
この金属粒子の平均粒径D1は、例えば0.1〜10μmの範囲の例えば4μmである。
さらに、中央固体電解質層3の厚みT1に対する金属粒子の平均粒径D1の比率(D1/T1)は、0.5以下(好ましくは0.05〜0.5)の範囲の例えば0.2である。
図3(a)に示すように、前記第1内部電極層7は、例えばニッケルからなる矩形状の導電層である。
この第1内部電極層7は、第1外部電極19aに接続されるとともに、第2外部電極19b側に延びて、中央固体電解質層3の上面の大部分(例えば表面積の70%)を覆っている。但し、第1内部電極層7は、第2外部電極19bとは接続されておらず、第1内部電極層7と基体17の外周との間には隙間21があり、この隙間21にて中央固体電解質層3と第1外側固体電解質層9とが接合している。
同様に、図3(b)に示すように、前記第2内部電極層13は、例えばニッケルからなる矩形状の導電層である。
この第2内部電極層13は、第2外部電極19bに接続されるとともに、第1外部電極19a側に延びて、中央固体電解質層13の下面の大部分(例えば表面積の70%)を覆っている。但し、第2内部電極層13は、第1外部電極19aとは接続されておらず、第2内部電極層13と基体17の外周との間には隙間23があり、この隙間23にて中央固体電解質層3と第2外側固体電解質層15とが接合している。
図2に戻り、前記第1外側固体電解質層9は、第1内部電極層7及び中央固体電解質層3の上面の露出部分の全面を覆うように形成されている。
この第1外側固体電解質層9は、中央固体電解質層3と同様な固体電解質の材料、即ち、LLZからなるが、金属粒子は含まれていない。なお、第1外側固体電解質層9の厚みは、例えば140μmである。
同様に、前記第2外側固体電解質層15は、第2内部電極層13及び中央固体電解質層3の下面の露出部分の全面を覆うように形成されている。
この第2外側固体電解質層15は、中央固体電解質層3と同様な固体電解質の材料、即ち、LLZからなるが、金属粒子は含まれていない。なお、第2外側固体電解質層15の厚みは、例えば140μmである。
[1−2.キャパシタの製造方法]
次に、本第1実施形態のキャパシタ1の製造方法について説明する。
なお、ここでは、複数のキャパシタ1を一括して作製するために、平板形状の母材を用いる場合を例に挙げて説明するが、これに限るものではない。例えば単独にキャパシタ1を作製してもよい。
<仮焼粉末作製工程>
まず、固体電解質体であるLiLaZr12(LLZ)を製造するために、LLZのモル比となる様に、出発原料として、炭酸リチウム、水酸化ランタン、酸化ジルコニウムを、所定量秤量し、混合して混合材料を作製した。
その混合材料を、エチルアルコールと共に、ナイロンポットとジルコニア球石を用いて混合した。その混合物を乾燥した後に、アルミナ製のルツボを用いて、大気雰囲気中にて、1100℃で10時間保持して仮焼を行い、LLZの仮焼粉末を作製した。
<粉砕粉末作製工程>
次に、LLZの仮焼粉末を、メチルエチルケトンと共に、ナイロンポットとジルコニア球石を用いて、36時間粉砕を行い、乾燥して、LLZの粉砕粉末を作製した。
<スラリー作製工程>
次に、LLZの粉砕粉末と、バインダ(ブチラール樹脂)と、可塑剤(フタル酸ジオクチル)とを、メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤と共に混合して、LLZのスラリーを作製した。
<シート作製工程>
次に、LLZのスラリーを、ドクターブレード法で、片面にシリコン(Si)処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)製のキャリアフィルムに塗布して、厚さ約30μmのシート(即ち初期シート)を作製した。
<内部電極印刷工程>
次に、この初期シートを、所定のサイズ(例えば所定寸法の矩形状)に打ち抜いて、後に積層するシート(以下このシートを単にシートと記す)とした。
次に、図4(a)に1つのキャパシタ1に対応する部分を示すように、あるシート31の一方の表面に、Ni電極の材料を用いたスクリーン印刷によって、例えば第1内部電極層7となる第1電極パターン33を形成した。
同様に、図4(b)に示すように、他のシート35の一方の表面に、Ni電極の材料を用いたスクリーン印刷によって、例えば第2内部電極層13となる第2電極パターン37を形成した。
なお、多数のキャパシタ1を一括して作製するために、各シート31、35上には、各電極パターン33、37をそれぞれ多数形成した。また、Ni電極の材料は、周知のように、Ni粉末にバインダと溶剤を加えてペースト状にしたものである。
<固体電解質層形成工程>
次に、図4(c)に示すように、一方の電極パターン(例えば第1電極パターン33)が印刷されたシート31の表面を覆うように、中央固体電解質層3となる中央LLZ層39の材料を、焼成後の中央固体電解質層3の厚みが20μmとなる様にスクリーン印刷し、その後乾燥した。
ここで、中央LLZ層39の材料とは、LLZ粉砕粉末とNi粉末に、周知のバインダ(例えばエチルセルロース)と溶剤(例えばターピネオール)を加えてペースト状にしたものである。
詳しくは、後述する評価に用いる実施例1〜10とするために、実施例1〜10の中央固体電解質層3の材料として、Ni粉末の粒径と添加量を変えた中央LLZ層39の材料を用いた。また、比較例の中央固体電解質層3の材料は、Ni粉末を添加せずに中央LLZ層39の材料を作製したものである。
<積層体作製工程>
次に、図4(d)に示すように、例えば第1電極パターン33上に中央LLZ層39の材料がスクリーン印刷された1枚のシート31と、例えば第2電極パターン37のみが形成された1枚のシート35とを、シート面同士で貼り合わせて積層した。即ち、印刷された中央LLZ層39と例えば第2電極パターン37とが面するようにして貼り合わせて積層した。
その後、図示しないが、貼り合わされた一方のシート31の露出側の表面のPET製のキャリアフィルムを剥がした後、打抜いただけのシートを所定枚数(例えば6枚)順次積層した。同様に、貼り合わされた他方のシート35の露出側の表面のPET製のキャリアフィルムを剥がした後、打抜いただけのシートを所定枚数(例えば6枚)順次積層した。
このようにして、焼成後に図2に示す構造(積層構造)となるように、LLZの積層体を作製した。
そして、作製した積層体(母材)を、WIP(Warm Isostatic Press)により80℃に加熱しながら、196MPaにて1000秒保持して高圧プレスをした。
その後、高圧プレスした積層体に対して、COレーザ加工機を用いて、製品形状に沿ってブレーク加工をして、ブレーク溝に沿って破断し個片化した。
次に、個片化した部材(素子)に対して、第1、第2内部電極層7、13が露出している各側面に、それぞれ第1、第2外部電極19a、19bとなるNi電極の材料を塗布した。
<焼成工程>
次に、各側面にNi電極の材料を塗布した焼成前の素子を、大気雰囲気で300℃に加熱して、脱バインダ処理をした。その後、水素−窒素混合雰囲気にて、最高温度1200℃で2時間保持して焼成して、上述した寸法の平板形状のキャパシタ1を作製した。
[1−3.キャパシタの評価]
次に、キャパシタの性能を確認するための評価(実験例)について説明する。
まず、上述した製造方法によって得られた各試料(実施例1〜10、比較例)について、Agilent製4294Aを用いて、測定電圧0.1V、測定周波数40Hz〜110MHzにて、交流インピーダンス測定等を行った。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)によるSEM観察等を行った。詳しくは、焼結体断面(即ちキャパシタを厚み方向に沿って破断した断面)に対して、クロスセクションポリシャ(CP)加工もしくはそれに準ずる鏡面研磨加工を行った。そして、その研磨面に対して、SEMの500倍の拡大視野にて、元素分析マッピングもしくは反射電子像撮影を行い、固体電解質とNiの境界が区別できる画像を取得した。
その後、前記画像の画像解析を行い、ニッケル粒子(Ni粒子)のカウント数が50以上となる範囲を指定し、粒子径(粒径)を計測し、その平均値をNi粒子径とした。また、中央固体電解質層を構成するLLZの材料に添加したNi粉末量から、中央固体電解質層における体積当たりのNi含有量[体積%]を計算した。
また、Ni粒子径(D1)と中央固体電解質層の厚み(T1)との比(Ni粒子径/中央固体電解質層の厚み=D1/T1)を求めた。
さらに、低損失化の評価として、比較例(固体電解質層にNiを含んでいない場合)のtanδに対する実施例1〜10各試料のtanδの改善の程度を調べるために、tanδの低下率を求めた。このtanδの低下率は、測定周波数100kHzにおいて、{1−(各試料のtanδ)/(比較例のtanδ)}×100として計算した。
ここで、tanδとは、誘電損失のことを表しており、特定の周波数におけるインピーダンスの(実数部)/(虚数部)の絶対値である。
さらに、見かけの比誘電率(εr)(表1では単に比誘電率と記す)は、測定周波数100kHzにおける電気容量Cと対向する一対の内部電極層の重なり部分の面積Sと中央固体電解質層の厚みdを用いて、εr=Cd/Sεにて計算した。なお、εは真空の誘電率である。
これらの結果を、下記表1に記す。なお、表1の「低損失化の効果」においては、△が「tanδの低下率が5%未満」、○が「tanδの低下率が50%未満」、◎が「tanδの低下率が50%以上」を示している。
Figure 2018041917
この表1から明らかなように、実施例1は、低損失化の効果が5%未満であり、低損失化の効果が僅かに見られた。実施例2〜3と実施例7〜9より、Ni含有量が同じでも、Ni粒子径/固体電解質層の厚みを小さくすると、tanδの低下率が大きくなる傾向にあることが分かる。また、実施例3〜7と実施例10より、Ni粒子径/固体電解質層の厚みが同じでも、Ni含有量が多くなるとtanδの低下率が大きくなる傾向にあることが分かる。これは、Ni粒子径/固体電解質層の厚み(D1/T1)が小さく、Ni含有量が多いほど、低損失化の効果が大きくなることを示唆している。
これらの結果より、Ni含有量が1体積%未満でも低損失化の効果が見られ、Ni粒子径/固体電解質層の厚み(D1/T1)が0.5以下で、Niの含有量が1体積%以上であれば、tanδの低下率が5%以上となり低損失化の効果が現れることが分かる。
特にNiの含有量が10体積%以上であれば、tanδの低下率が50%以上となり、より大きな効果が得られることが分かる。
また、キャパシタの見かけの比誘電率は、B特性を満足する一般的なMLCC材料であるチタン酸バリウム(BT)の比誘電率(3000)以上であった。
[1−4.効果]
次に、本第1実施形態のキャパシタ1の効果について説明する。
本第1実施形態のキャパシタ1は、一対の主面5、11を有し、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質(ここではLLZ)を主成分とする中央固体電解質層3と、一対の主面5、11に配置された一対の内部電極層7、13と備えており、特に、中央固体電解質層3は、ニッケルからなる金属粒子を含んでいる。
従って、上述した実験例からも明らかなように、例えば40Hz〜110MHzのような実用周波数帯において、キャパシタ1の誘電損失を低減できるという効果がある。
つまり、ニッケルからなる金属粒子を中央固体電解質層3に含有させることにより、誘電損失は固体電解質のみで構成したものより低くなるという効果を有する。さらに、比誘電率は、一般的なMLCC材料であるチタン酸バリウム以上となる。
また、本第1実施形態では、中央固体電解質層3中における金属粒子の含有量を、1体積%以上(好ましくは10体積%以上)、30体積%以下とし、一対の内部電極層7、13の間における中央固体電解質層3の厚みT1に対する金属粒子の平均粒径D1の比率(D1/T1)を0.5以下(好ましくは0.05以上)とすることができる。
これにより、上述した実験例からも明らかなように、例えば実用周波数帯において、キャパシタ1の誘電損失を大きく低減できるという効果がある。
なお、固体電解質としてLLZを用いることにより、ニッケルからなる内部電極層7、13と還元焼成を行うことができるので、イオン伝導度を高めることができるという利点がある。
[1−5.特許請求の範囲との対応関係]
本第1実施形態の、中央固体電解質層3、内部電極層7、13は、それぞれ、本発明の、固体電解質層、電極層の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡略化する。
図5に示すように、第2実施形態のキャパシタ51は、その厚み方向の中央側に、(第1実施形態と同様な)Ni粒子を含む固体電解質体からなる複数の中央固体電解質層53を備えている。さらに、各中央固体電解質層53の厚み方向の両側には、それぞれ(第1実施形態と同様な)内部電極層55が形成されている。なお、一対の中央固体電解質層53に挟まれた内部電極層55は共有されている。
また、その他の構成は、第1実施形態と同様であり、キャパシタ51の厚み方向の一方には、Ni粒子を含まない固体電解質体からなる第1外側固体電極層59が形成され、他方には、Ni粒子を含まない固体電解質体からなる第2外側固体電極層59が形成されている。
なお、キャパシタ51の側面(図5の左右の側面)には、(第1実施形態と同様な)外部電極61が形成されている。
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
なお、複数の中央固体電解質層の数や配置は、第2実施形態の構成に限定されるものではない。
[3.他の実施形態]
本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、固体電解質としては、LiLaZr12(LLZ)を用いることができるが、他のリチウムイオン伝導体を用いることができる。
例えば、Li1+xAlGe2−x(PO、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)、LiZrNb(PO(LZNP)、Li1.2Zr1.9Ca0.1(PO(LZCP)、Li7−xLaZr2−xNb12(LLZN)、Li7−xLaZr2−xTa12(LLZT)、Li3xLa2/3−xTi1/3−x(LLT)、LiBaLaTa12(LBLT)、LiBO、LiPO4−x(LiPON)、LiS−P(LPS)、Li10GeP12(LGPS)などのリチウムイオン伝導体を採用できる。
(2)また、固体電解質層としては、上述したリチウムイオン伝導性を有する固体電解質のみからなるものが好ましいが、固体電解質層に固体電解質以外の材料を、50体積%未満の範囲で含むものも採用できる。
なお、固体電解質層に含まれる固体電解質以外の材料としては、例えばチタン酸バリウム(BT)などの電気絶縁性(即ち電子伝導性及びイオン伝導性に関する電気絶縁性)を有する材料を採用できる。電気絶縁性を有する材料としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの金属酸化物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、アクリル、エポキシ、ポリイミドなどの樹脂などが挙げられる。
更に、固体電解質体に含まれる固体電解質以外の材料には、固体電解質を構成する元素の酸化物も採用できる。固体電解質を構成する元素の酸化物材料としては、例えば、AlPO、TiO、LaTiOなどが挙げられる。
(3)固体電解質体層を形成する方法としては、上述した固体電解質の材料を含むスラリー等を用いてグリーンシートを作製し、そのグリーンシートを所定の条件で焼成して固体電解質体層(従って積層体)とする方法など、周知の各種の方法を採用できる。
(4)金属粒子を構成する金属としては、金属単体や合金が挙げられる。例えば、Ni以外に、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Cuが挙げられる。また、例えば、Au、Pt、Pd、Ag、Ni、Cuの合金が挙げられる。
(5)内部電極層の材料としては、Au、Pt、Pd、Ag、Ni、Cu等、周知の各種の導電材料を採用できる。この内部電極層を形成する方法としては、前記導電材料を含むスラリーやペーストを用いたスクリーン印刷法等、周知の各種の方法を採用できる。例えば薄膜法、塗布法、溶射法、スパッタ法、メッキ法等を採用できる。なお、外部電極についても、内部電極層と同様な材料、同様な形成方法を採用できる。
(6)前記各実施形態の構成を適宜組み合わせることができる。
1、51…キャパシタ
3、53…中央固体電解質層
5…第1主面
7…第1内部電極層
11…第2主面
13…第2内部電極層
19、61…外部電極層

Claims (5)

  1. 一対の主面を有し、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を主成分とする固体電解質層と、前記一対の主面に配置された一対の電極層と、備えたキャパシタであって、
    前記固体電解質層が金属粒子を含む、キャパシタ。
  2. 前記固体電解質層中における前記金属粒子の含有量が、1体積%以上、30体積%以下であり、
    前記一対の電極層の間における前記固体電解質層の厚みT1に対する前記金属粒子の平均粒径D1の比率(D1/T1)が0.5以下である、請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記固体電解質層中における前記金属粒子の含有量が、10体積%以上、30体積%以下である、請求項1または2に記載のキャパシタ。
  4. 前記比率(D1/T1)が、0.05以上、0.5以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  5. 前記固体電解質は、LiLaZr12である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャパシタ。

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