JP2017146194A - 二次電池の診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の使用時における電流および電圧の測定値から内部抵抗値を算出して二次電池の劣化率を求める場合に、高精度の劣化率を求める。【解決手段】記憶部から現時点tを起点に一定期間Ttp遡った測定期間内の二次電池の電池電流Ibおよび電池電圧Vbの測定時系列データを読み出す(S100)。互いに異なる複数の基準電流パターン(n=1〜N)のそれぞれについて、電池電流Ibの測定時系列データと、基準電流パターンnの時系列データとの相関度を算出し(S104)、相関度が第1閾値よりも高くなった場合(S106:Yes)には、電池電流Ibおよび電池電圧Vbの測定時系列データに基づいて二次電池の内部抵抗値Rを算出し、算出された内部抵抗値Rと基準電流パターンnに応じた初期内部抵抗値RSnとの比較に基づいて二次電池の劣化率を算出する(S110)。以上の処理を、予め定められた時間の間隔で行う。【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池の診断装置に関する。
二次電池は、充電と放電を繰り返すことで劣化が進行し、内部抵抗値が増加すると共に電池容量が減少する。したがって、最終的には交換が必要になる。特許文献1には、蓄電池(二次電池)の複数の使用条件に応じた劣化率予測値をデータベースに記憶しておき、その劣化率予測値を用いて、稼働中の蓄電池の劣化予測を行う蓄電池状態監視装置について記載されている。また、特許文献1には、二次電池の内部抵抗値を用いて、二次電池の劣化率を算出することについて記載されている(特許文献1の請求項4)。
特許文献2には、ハイブリット車用の二次電池の充電時と放電時における、充電率(SOC:State Of Charge)が略同一であると推定される時点での、電圧および電流を測定し、それらの充電時と放電時における電圧と電流の測定値に基づいて、内部抵抗値を算出することが記載されている。電流―電圧座標上に、充電時の電圧と電流とによって定まる点と、放電時の電圧と電流とによって定まる点とをプロットし、これら2点の傾きを求めることによって内部抵抗値を算出するものである(I−Vプロット法)。二次電池の内部抵抗値は、二次電池の充電率に依存して変化するため、特許文献2では、充電率が略同一であると推定される時点で、上記の2点を測定することにより、正確に内部抵抗値を算出しようとするものである。
しかし、二次電池の内部抵抗値は、二次電池の充電率(SOC)に依存する他、充放電時の電流条件(電流レベル、および、当該電流レベルの持続時間)によって、大きく変化する。
図10には、電池電流Ibの連続的な変化に対する電池電圧Vbの変化を示している。図10に示すように、電池電流Ibを連続的に変化させながら電池電圧Vbを測定すると、傾き(ΔVb/ΔIb)、すなわち、算出される内部抵抗値Rは、電流レベルに応じて異なることがわかる。
図11には、電流持続時間の違いに応じた電圧波形の違いを示してある。図11に示すように、期間T1およびT2(T2>T1)の各々において同レベルの電流で放電が持続された場合における電池電圧Vbの波形から、放電電流の持続時間が長いほど電圧降下が大きいことがわかる。したがって、期間T2における電池電流Ibおよび電池電圧Vbから算出された内部抵抗値Rは、期間T1における電池電流Ibおよび電池電圧Vbから算出された内部抵抗値Rよりも大きくなる。
このように、電流条件(電流レベル、および、当該電流レベルの持続時間)によって内部抵抗値が変動すると、内部抵抗値に基づいて正確な劣化率を算出することができない。
そこで、特許文献3に記載されている二次電池の劣化診断は、予め二次電池の入出力電力のパターンを定義しておき、二次電池の電力の入出力要求が、その入出力電力のパターンに一致した時に限り、入出力の終了直後の二次電池の蓄電量、電流、および電圧から内部抵抗値を算出することで、算出される内部抵抗値の変動をなくすようにしている。
また、特許文献4には、車両のイグニッションスイッチがオンされた直後に所定の周波数で二次電池をパルス放電させ、当該パルス放電における電圧および電流の測定値に基づいて、内部抵抗値を含む二次電池の等価回路定数を算出することが記載されている。
特開2015−121520号公報 特開2000−21455号公報 特開2004−72927号公報 特開2013−160613号公報
特許文献3の方法では、二次電池の電力の入出力要求が、予め定義された入出力電力のパターンに一致していても、実際に現れる入出力電力のパターンは、二次電池が使用される環境等によって変化するため、算出される内部抵抗値が変動する。したがって、内部抵抗値に基づいて正確な劣化率を算出することができない。
また、特許文献4の方法では、内部抵抗値の算出タイミングがイグニッションスイッチのオン直後に限定され、実際の二次電池の使用状態において内部抵抗値を得ることができず、使用状態で劣化率が得られない。
そこで、本発明の目的は、二次電池の使用時における電流および電圧の測定値から内部抵抗値を算出し、内部抵抗値に基づいて二次電池の劣化率を算出する場合において、劣化率を高精度に算出することである。
本発明の二次電池の診断装置は、一定期間の電流値の時系列データである基準電流パターンであって、互いに異なる複数の基準電流パターンのそれぞれを二次電池に印加することによって測定された電圧値の複数の電圧時系列データと、複数の前記基準電流パターンの前記時系列データとに基づいて算出された複数の初期内部抵抗値を予め記憶しておく二次電池の診断装置であって、前記二次電池の電池電流を測定するための電流センサと、前記二次電池の電池電圧を測定するための電圧センサと、現時点を起点に前記一定期間遡った測定期間内の前記電池電流および前記電池電圧の測定時系列データを記憶する記憶部と、を備え、前記電池電流の前記測定時系列データと、複数の前記基準電流パターンの前記時系列データのそれぞれとの相関度を算出し、前記相関度が第1閾値よりも高くなった前記基準電流パターンである対象基準電流パターンがある場合には、前記電池電圧の前記測定時系列データと、前記電池電流の前記測定時系列データとに基づいて前記二次電池の内部抵抗値を算出し、前記対象基準電流パターンに応じた前記初期内部抵抗値と、前記算出された内部抵抗値との比較に基づいて、前記二次電池の劣化率を求める処理を予め定められた時間の間隔で行う。
本発明の二次電池の診断装置によれば、二次電池の実際の使用時における電池電流および電池電圧から内部抵抗値を算出し、内部抵抗値に基づいて高精度の二次電池の劣化率を算出することができる。
二次電池の診断装置が適用される電源システムの構成の概略を示すブロック図である。 二次電池の診断装置が実行する劣化率算出処理の流れを示すフローチャートである。 二次電池の診断装置が実行する劣化率算出処理を説明するための波形図である。 基準電流パターン(電流波形テンプレート)の例を示す図である。 I−Vプロット法による初期内部抵抗値の算出を説明するための電流パターンを示す図である。 I−Vプロット法による初期内部抵抗値の算出を説明するためのグラフである。 I−Vプロット法による初期内部抵抗値の算出を説明するためのグラフである。 放電時のみの電流パターンを用いた初期内部抵抗値の算出を説明するための電流パターンと当該電流パターンに応じた電圧変化を示す図である。 放電時のみの電流パターンを用いたI−Vプロット法による初期内部抵抗値の算出を説明するためのグラフである。 電池電流Ibの連続的な変化に対する電池電圧Vbの変化を示すグラフである。 電池電流Ibが所定レベルで持続した時の持続時間の違いに応じた電池電圧Vbの波形を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の二次電池10の診断装置が適用される、二次電池10を電源とする電源システム200の構成の概略を示すブロック図である。図示するように、電源システム200は、リチウムイオン電池等の二次電池10と、電動機である負荷50と、二次電池10の電池電流Ibを測定するための電流センサ20と、二次電池10の電池電圧Vbを測定するための電圧センサ30と、二次電池10の電池温度Tbを測定するための温度センサ40と、負荷制御装置60と、記憶部80と、電子制御装置(ECU)100とを備える。
電源システム200は、電気自動車やハイブリッド車等に搭載される。二次電池10は負荷50に駆動電力を供給し、負荷50は電動機の回生電力により二次電池10を充電する。
ECU100は、マイクロプロセッサ、A/D変換器、D/A変換器などを含み、記憶部80等に予め格納されているプログラムを実行することによって、センサ等からの入力信号・データを用いた所定の演算処理を実行して、演算処理結果に基づく出力信号・データを生成する。ECU100は、電流センサ20、電圧センサ30、および温度センサ40によって測定された電池データ(電池電流Ib、電池電圧Vbおよび電池温度Tb)に基づき、充電率(SOC:State Of Charge)に代表される電池情報を生成し、負荷制御装置60に送出する。
負荷制御装置60は、電池情報に基づいて、負荷50の駆動を制御するための制御指令を生成する。例えば、二次電池10の充電率が低下した場合には、負荷50の使用電力を制限する制御指令が生成され、二次電池10の充電率が高い場合には、負荷50の回生電力の発生を抑制させる制御指令が生成される。
本実施形態の二次電池10の診断装置は、ECU100が、プログラムを実行することによって、二次電池10の劣化率を算出する。
本実施形態の二次電池10の診断装置は、劣化率算出処理(後述する図2に示す一連の処理)を実行する前に、あらかじめN個の初期内部抵抗値RS1〜RSNを記憶部80に記憶しておく。ここで、Nは、本実施形態の二次電池10の診断装置が用いる、後述する基準電流パターン(電流波形テンプレート)の総数である。基準電流パターン1〜N毎に、それぞれに応じた初期内部抵抗値RS1〜RSNが存在する。
基準電流パターン(電流波形テンプレート)は、予め規定された、一定期間Ttpにわたる電流値の時系列データである。本実施形態の二次電池10の診断装置は、互いに異なる複数の基準電流パターン1〜Nを用いる。なお、複数の基準電流パターン1〜Nは、予め記憶部80に記憶しておく。
図4には、互いに異なる複数の基準電流パターン(電流波形テンプレート)の例として、ハイブリット車に搭載された二次電池10の電池電流Ibとして現れることが想定される電流波形の例を3つ示してある。本実施形態では、電流については、二次電池10の放電時には正値で示され、充電時には負値で示されるものとしている。図4(A)はEV走行からエンジン始動に切り換わった時の電流波形であり、図4(B)はパワーチャージ状態(充電状態)からEV走行に切り換わった時の電流波形であり、図4(C)はWOT(Wide Open Throttle)加速時の電流波形である。
初期内部抵抗値RSnは、対応する基準電流パターンnの時系列データと、基準電流パターンnを二次電池10に印加することによって測定された電圧値の電圧時系列データと、に基づいて算出される。具体的な、初期内部抵抗値RSnの算出方法について、次に説明する。
図5は、基準電流パターンnの一例を示す波形図である。図5では、期間ta〜tbにおいて放電がされており、二次電池10から電流I1が出力されている(I1>0)。また、期間tc〜tdにおいて充電がされており、二次電池10へ電流I2が入力されている(I2<0)。
例えば、基準電流パターンnを二次電池10に印加して、電流I1による放電が終了する時間tbにおける電池電圧Vbとして電圧V1が測定され、電流I2による充電が終了する時間tdにおける電池電圧Vbとして電圧V2が測定される。
図6には、図5における電流I1時の電圧V1の点402と、電流I2時の電圧V2の点404とがプロットされている。図6に示すように、電池電圧Vbは、二次電池10が放電する場合(Ib>0)には内部抵抗の影響によって開放電圧(OCV)から低下し、二次電池10を充電する場合(Ib<0)には内部抵抗の影響によって開放電圧(OCV)から上昇する。
図6において、点402および点404を結ぶ直線の傾きが、二次電池10の初期内部抵抗値RSnに相当する。すなわち、内部抵抗値RSnは、以下の(数1)式に基づいて算出することができる。
Sn=(V2−V1)/(I1−I2) (数1)
なお、上記のように、放電が終了する時間tbにおける電池電圧Vbを、電流I1による放電時の電圧V1とする他、放電終了時(時間tb)から一定時間経過後(電流=0の間)における電池電圧Vbに基づいて、放電時の電圧V1を求めてもよい。あるいは、ある時点での電池電圧Vbではなく、放電期間ta〜tbと関連する期間内での電池電圧Vbの平均値に基づいて、放電時の電圧V1を求めてもよい。充電時の電圧V2についても同様である。
また、図7に示すように、V1、V2を明確に定めることなく、図5の基準電流パターンnの波形中の同一タイミングで測定された電池電圧VbをI−V座標状にプロットして得られる複数の点412(期間ta〜tbにおける電池電流Ib、電池電圧Vb)および複数の点414(期間tc〜tdにおける電池電流Ib、電池電圧Vb)について、最小二乗法等によって回帰直線415(一次関数)を求めることによって、当該直線の傾きから初期内部抵抗値RSnを算出することができる。さらに、期間tb〜tc(Ib=0)における電池電流Ib、電池電圧Vbの点を加えて、回帰直線を求めても良い。
上記の図5の例は、放電および充電の両方が現れる基準電流パターンnの例であったが、放電または充電のみが現れる基準電流パターンnについても、初期内部抵抗値RSnを算出することができる。
図8は、放電のみが現われる基準電流パターンnの一例と、その基準電流パターンnを二次電池10に印加して測定された電池電圧Vbの変化を示す波形図である。期間tx〜tyにおいて、二次電池10は、電流I0で放電を継続的に行う。この期間tx〜tyでの電池電圧Vbが低下していく波形から、電圧変化量ΔVを得ることにより、以下の(数2)式に基づいて初期内部抵抗値RSnを算出することができる。
Sn=|ΔV|/|I0| (数2)
二次電池10の充電時(Ib<0)には、電池電圧Vbは上昇することになる。この場合にも、電流I0および電圧変化量ΔVを用いて、(数2)式に基づいて初期内部抵抗値RSnを算出することができる。
また、図9に示すように、図7の例に倣って、放電の前後(tx以前またはty以後)のIb=0の時における電池電流Ib、電池電圧Vbによる複数の点424および、放電中(期間tx〜ty)における電池電流Ib、電池電圧Vbによる複数の点422に対して、最小二乗法等によって回帰直線425を求めることによって、初期内部抵抗値RSnを求めることも可能である。
N個の初期内部抵抗値RS1〜RSNは、代表的には、新品の二次電池10の出荷検査時に、以上のような方法によって算出され、記憶部80に記憶される。しかし、新品の二次電池10の出荷検査時に限らず、例えば、二次電池10の出荷から1年後に、以上のような方法によって算出され、記憶部80に記憶されても良い。
次に、本実施形態の二次電池10の診断装置が行う劣化率算出処理について説明する。図2は、二次電池10の劣化率算出処理の流れを示すフローチャートである。図2のフロー(以下、劣化率算出処理という)は、予め定められた時間の間隔ΔtCで繰り返し実行される。
図2のS100において、ECU100は、記憶部80に記憶されている現時点tを起点に一定期間Ttp遡った測定期間内の電池電流Ibおよび電池電圧Vbの測定時系列データを、読み出す。
電池電流Ibの測定時系列データは、例えば、予め定められた時間の間隔ΔtDで電流センサ20から取得された複数の電池電流Ibのデータからなる。同様に、電池電圧Vbの測定時系列データは、例えば、予め定められた時間の間隔ΔtDで電圧センサ30から取得された複数の電池電圧Vbのデータからなる。なお、記憶部80には、逐次、電池電流Ibのデータと、電池電圧Vbのデータが記憶されていき、少なくとも現時点tを起点に一定期間Ttp遡った測定期間内の電池電流Ibおよび電池電圧Vbのデータ(測定時系列データ)が記憶されている。
S100で、測定時系列データを読み出した後は、S102に進む。前述したように、本実施形態の二次電池10の診断装置は、互いに異なる複数の基準電流パターン1〜Nを用いる。したがって、S102以降は、基準電流パターンが1つずつ取り上げられて処理(以下、個別劣化率算出処理という)が行われる。まず、1番目の基準電流パターンである基準電流パターン1について個別劣化率算出処理を行うため、S102では、nに1をセットする。
S102の次は、S104に進む。S104では、電池電流Ibの測定時系列データと、n=1番目の基準電流パターンである基準電流パターンn=1の時系列データとの相関度を算出する。本実施形態では、相関度の指標として誤差パラメータPcを用いる。
誤差パラメータPcは、次のように算出することができる。電池電流Ibの測定時系列データは、一定期間Ttpの長さの時系列データであり、例えば、予め定められた時間の間隔ΔtDでデータが存在する時系列データである。同様に、基準電流パターンは一定期間Ttpの時系列データであり、例えば、予め定められた時間の間隔ΔtDでデータが存在する時系列データである。そこで、両者の同一時刻での電流差ΔIiを用いて、以下の(数3)式の演算を行うことにより、誤差パラメータPcを算出することができる。
Figure 2017146194
(数3)式において、Mは、電流差ΔIiの総数を表している。(数3)式は、いわゆるRMS(Root Mean Square)法であり、算出された誤差パラメータPcが相関度を表す。具体的には、誤差パラメータPcが小さい程、電池電流Ibの測定時系列データは、基準電流パターンnの時系列データとが類似している、すなわち、相関度が高いと判断することができる。
また、誤差パラメータPcを算出する式として、以下の(数4)式を用いてもよい。
Figure 2017146194
(数4)式では、電流差ΔIiの絶対値平均を求めることにより、誤差パラメータPcを算出する。(数4)式は、いわゆるSAD(Sum of Absolute Difference)法であり、この方法でも、誤差パラメータPcを算出できる。
また、誤差パラメータPcの算出方法は、上記のRMS法およびSAD法以外の方法であってもよい。電池電流Ibの測定時系列データと、基準電流パターンnの時系列データとの間の相関度(類似度)を定量的に評価可能であれば、ECU100の演算能力等を考慮して、任意の方法を適用することが可能である。
図2に戻り、S104では、現在nは1なので、電池電流Ibの測定時系列データと、基準電流パターン1の時系列データとの相関度、具体的には、誤差パラメータPcが算出され、S106に進む。S106では、相関度が第1閾値より高いか否かが判別される。本実施形態では、誤差パラメータPcが、閾値Ptより小さい場合には、相関度が第1閾値より高いと判断する。
S106において、相関度が第1閾値より高くない場合(S106:No)は、内部抵抗値Rの算出(S108)および劣化率の算出(S110)を行わず、S112にジャンプする。つまり、この場合は、基準電流パターン1については、劣化率の算出をしないことになる。
一方、S106において、相関度が第1閾値より高い場合(S106:Yes)は、S108に進み、電池電流Ibおよび電池電圧Vbの測定時系列データに基づき内部抵抗値Rを算出する。このように、本実施形態の二次電池10の診断装置は、基準電流パターンnと相関度が高い電池電流Ibの波形が現れたとき、すなわち、基準電流パターンnと類似した電池電流Ibの波形が現れたときに限って内部抵抗値Rを算出するため、電流条件(電流レベル、および、当該電流レベルの持続時間)の違いによって生じる内部抵抗値Rの算出値の変動がない。
S108において、内部抵抗値Rは、上記において説明した初期内部抵抗値RSnの算出方法と同じ方法によって算出される。
S108において内部抵抗値Rが算出された後は、S110に進む。S110では、内部抵抗値Rと、前述した記憶部80に記憶されている基準電流パターンnに応じた初期内部抵抗値RSnとの比較に基づいて劣化率を算出する。具体的には、例えば、以下の(数5)式に示すように、内部抵抗値Rを被除数とし、初期内部抵抗値RSnを除数とした、除算を行って劣化率を算出する。
劣化率=R/RSn (数5)
一般的に、二次電池10は劣化が進むと内部抵抗値Rが増加する傾向にあるため、内部抵抗値Rは、初期内部抵抗値RSnより大きくなってくる。したがって、(数5)式で算出された劣化率を用いれば、劣化率の値が大きい程、二次電池10の劣化が進んでいると診断することが可能である。
本実施形態の二次電池10の診断装置は、上記したように内部抵抗値Rと初期内部抵抗値RSnとの算出方法が同じであり、内部抵抗値Rと初期内部抵抗値RSnとの比較に基づいて劣化率を算出するため、正確な劣化率を得ることができる。
図2に戻り、現在nは1なので、S108で内部抵抗値Rが算出された後、S110において、内部抵抗値Rと、記憶部80に記憶されている基準電流パターン1に応じた初期内部抵抗値RS1との比較に基づいて劣化率を算出する。S110の次は、S112に進み、2番目の基準電流パターンである基準電流パターン2の個別劣化率算出処理を行うため、nをインクリメントする。そして、S114において、nが、基準電流パターンの総数Nより大きいか否か、すなわち、全ての基準電流パターン1〜Nについて個別劣化率算出処理を行ったか否か、を判別する。全ての基準電流パターン1〜Nについて個別劣化率算出処理を行っていない場合(S114:No)は、S104に戻り、次の基準電流パターン、ここでは、基準電流パターン2の個別劣化率算出処理を行う。
このようにして、全ての基準電流パターン1〜Nについて個別劣化率算出処理を行うと、S114がYesとなり、図2のフロー(劣化率算出処理)が一旦終わるが、図2のフロー(劣化率算出処理)は予め定められた時間の間隔ΔtCで繰り返し実行されるため、ΔtC後には、再び、劣化率算出処理が開始される。
例えば、1回目の劣化率算出処理を実行した時点がt1であった場合には、2回目の劣化率算出処理を実行する時点は(t1+ΔtC)となる。したがって、2回目の劣化率算出処理の実行におけるS100では、現時点(t1+ΔtC)を起点に一定期間Ttp遡った測定期間内の電池電流Ibおよび電池電圧Vbの測定時系列データを読み出し、S102以降の個別劣化率算出処理を行うことになる。このように、起点を逐次移動させながら、劣化率算出処理を実行する。
続いて、図3を用いて、劣化率算出処理が予め定められた時間の間隔ΔtCで繰り返し実行された時の、本実施形態の二次電池10の診断装置の動作例を説明する。本実施形態の二次電池10の診断装置は、互いに異なる複数の基準電流パターン1〜Nを用いるが、ここでは、1つの基準電流パターンnを取り上げて、動作を説明する。
図3には、上から順番に、電池電流Ibの測定時系列データ(実電流)の波形図、基準電流パターンnの時系列データの波形図、誤差パラメータPcが示されている。図3では、実電流の波形図を固定して、太い黒矢印のように、劣化率算出処理が実行される毎に基準電流パターンnの波形図を時間軸に沿ってシフトさせることで、基準電流パターンnと対比させる実電流を更新していく、すなわち、劣化率算出処理(図2のフロー)のS100の現時点tの起点を更新していく様子を示している。
時刻がt1に達するまでは、電池電流Ibの測定時系列データの量が一定期間Ttpだけ存在しないので、劣化率算出処理が実行されず、誤差パラメータPcの算出が行われていないが、時刻がt1以降は、劣化率算出処理が実行されて、誤差パラメータPcの算出が行われている。
図3の例では、t2〜t3間において、基準電流パターンnと類似した実電流の波形が現れている。したがって、時刻t2以降では、誤差パラメータPcが低下し始め、時刻t3において、誤差パラメータPcが閾値Ptよりも小さくなっている。つまり、時刻t3で、t3を起点に一定期間Ttp遡った測定期間、すなわち、t2〜t3の測定期間の電池電流Ibの測定時系列データと、基準電流パターンnの時系列データとの相関度が第1閾値よりも高いと判断される(図2のS106:Yes)。
時刻がt3に達するまでは、誤差パラメータPcが閾値Ptよりも小さくない、すなわち、相関度が第1閾値よりも高くないため(図2のS106:No)、内部抵抗値Rの算出(S108)と、劣化率の算出(S110)とは行われないが、時刻がt3に達したところで、内部抵抗値Rの算出(S108)と、劣化率の算出(S110)とが行われる。具体的には、t2〜t3間の電池電流Ibの測定時系列データと、電池電圧Vbの測定時系列データとを用いて、内部抵抗値Rが算出される(S108)。そして、算出された内部抵抗値Rと、記憶部80に記憶されている基準電流パターンnに応じた初期内部抵抗値RSnとの比較に基づいて劣化率が算出される(S110)。
図3では、1つの基準電流パターンnについて説明を行ったが、他の基準電流パターンについても同様に、予め定められた時間の間隔ΔtCで、相関度が算出され(図2のS104)、相関度が第1閾値よりも高くなった場合には(S106:Yes)、内部抵抗値Rの算出(S108)と、劣化率の算出(S110)とが行われる。
以上説明した本実施形態の二次電池10の診断装置によれば、電池電流Ibの波形と、基準電流パターンnとの相関度が高くなった際、すなわち、類似した際には、記憶部80に記憶されている基準電流パターンnに応じた初期内部抵抗値RSnと同じ算出方法によって、使用時の電池電流Ibと電池電圧Vbから内部抵抗値Rと算出し、内部抵抗値Rと初期内部抵抗値RSnとの比較に基づいて劣化率を算出するため、高精度の劣化率が得られる。
また、本実施形態の二次電池10の診断装置は、互いに異なる複数の基準電流パターン1〜Nを用いるため、実際の電池電流Ibの波形が、いずれかの基準電流パターンと相関度が高くなる(相関度が第1閾値より高くなる)、すなわち、類似となる可能性が高く、劣化率を算出する機会を確実に得られる可能性が高い。
例えば、ハイブリット車に搭載された二次電池10の電池電流Ibの波形は、走行環境、道路、運転者などの走行条件により様々であり、予め走行条件に対応する基準電流パターン(電流波形テンプレート)を1つだけ決めておくことは難しい。つまり、基準電流パターン(電流波形テンプレート)を1つだけ用いる場合には、電池電流Ibの波形が、基準電流パターンと類似となる機会が得られず、内部抵抗値Rが算出されず、劣化率が算出されないことが考えられる。しかし、本実施形態の二次電池10の診断装置では、図4に示すような、ハイブリット車に搭載された二次電池10の電池電流Ibとして現れることが想定される電流波形を、基準電流パターン(電流波形テンプレート)として複数用いることで、劣化率を算出する機会を高めている。
以上説明した本実施形態の二次電池10の診断装置では、相関度が第1閾値より高くなった場合には、逐次、劣化率が算出される。したがって、長い期間、劣化率算出処理を繰り返し実行すると、複数の劣化率が得られる可能性が高い。そこで、それらの複数の劣化率を暫定劣化率として扱い、複数の暫定劣化率の平均値を算出することによって、1つの劣化率を求めてもよい。例えば、二次電池10が搭載されたハイブリット車の場合は、1トリップの期間(イグニッションスイッチがOFFからONになってから、次にOFFになるまでの期間)中に算出された暫定劣化率を、逐次、記憶部80に記憶して、1トリップ後に、記憶部80から読み出して、複数の暫定劣化率の平均値を算出して1つの劣化率を求めるとしてもよい。
また、複数の基準電流パターン1〜Nのうち、どの基準電流パターンと相関度が高くなることによって得られた暫定劣化率かを識別できるようにして、暫定劣化率を記憶部80に記憶し、記憶部80から読み出して複数の暫定劣化率から1つの劣化率を算出する際に、特定の基準電流パターンと相関度が高くなることによって得られた暫定劣化率の重みを大きくして、加重平均によって劣化率を算出してもよい。
10 二次電池、20 電流センサ、30 電圧センサ、40 温度センサ、50 負荷、60 負荷制御装置、80 記憶部、100 ECU、200 電源システム、310,310a,310b,310c 基準電流パターン(電流波形テンプレート)。

Claims (1)

  1. 一定期間の電流値の時系列データである基準電流パターンであって、互いに異なる複数の基準電流パターンのそれぞれを二次電池に印加することによって測定された電圧値の複数の電圧時系列データと、複数の前記基準電流パターンの前記時系列データとに基づいて算出された複数の初期内部抵抗値を予め記憶しておく二次電池の診断装置であって、
    前記二次電池の電池電流を測定するための電流センサと、
    前記二次電池の電池電圧を測定するための電圧センサと、
    現時点を起点に前記一定期間遡った測定期間内の前記電池電流および前記電池電圧の測定時系列データを記憶する記憶部と、を備え、
    前記電池電流の前記測定時系列データと、複数の前記基準電流パターンの前記時系列データのそれぞれとの相関度を算出し、
    前記相関度が第1閾値よりも高くなった前記基準電流パターンである対象基準電流パターンがある場合には、
    前記電池電圧の前記測定時系列データと、前記電池電流の前記測定時系列データとに基づいて前記二次電池の内部抵抗値を算出し、前記対象基準電流パターンに応じた前記初期内部抵抗値と、前記算出された内部抵抗値との比較に基づいて、前記二次電池の劣化率を求める処理を予め定められた時間の間隔で行う、
    二次電池の診断装置。
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