JP2017137214A - アミノ基含有炭素材料の製造方法、及びアミノ基含有炭素材料 - Google Patents

アミノ基含有炭素材料の製造方法、及びアミノ基含有炭素材料 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なアミノ基含有炭素材料、及び、そのアミノ基含有炭素材料を簡便かつ安定に得られる製造方法を提供する。
【解決手段】炭素材料と、超臨界状態のアンモニアと、を反応させて、炭素材料にアミノ基が結合したアミノ基含有炭素材料を得る工程(X)を有する、アミノ基含有炭素材料の製造方法。好ましくは、工程(X)において、アンモニアが超臨界状態となる温度及び圧力下で、炭素材料とアンモニア水とを反応させる製造方法を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アミノ基含有炭素材料の製造方法、及びアミノ基含有炭素材料に関する。
ナノ構造を有する炭素材料(ナノ炭素材料)は、情報通信、環境・エネルギー、バイオテクノロジー等の産業分野を支える新規な材料としてその技術開発が盛んに行われている。炭素材料としては、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン、グラファイト又はこれらの酸化物等が挙げられる。
ナノ炭素材料の特性を高めるため、炭素材料に対し、ナノマテリアル、バイオマテリアルその他有機化合物で表面処理を施す方法が開発されている。
例えば、従来、下記の方法(a)〜(d)を用い、炭素材料としてグラフェン又は酸化グラフェンにアミノ基が導入されたアミノ基含有炭素材料が得られている(非特許文献1〜4参照)。
(a)プラズマ、アーク放電及びマイクロ波を採用する方法
(b)アミン化合物としてヒドラジン(毒物)を反応させる方法
(c)アミン化合物としてジシアンジアミドを用いた湿式化学法
(d)含浸法
Huang-Chin Chen, Shen-Chuan Lo, Li-Jiaun Lin, Pin-Chang Huang, Wen-Ching Shih, I-Nan Lin, and Chi-Young Lee,"The 3D-tomography of the nano-clusters formed by Fe-coating and annealing of diamond films for enhancing their surface electron field emitters,"AIP Advances 2 (2012), 032153. Brian Seger and Prashant V. Kamat,"Electrocatalytically Active Graphene-Platinum Nanocomposites. Role of 2-D Carbon Support in PEM Fuel Cells,"113 (2009), 7990-7995. Jan M. Englert, Christoph Dotzer, Guang Yang, Martin Schmid, Christian Papp, J. Michael Gottfried, Hans-Peter Steinruck, Erdmann Spiecker, Frank Hauke, Andreas Hirsch,"Covalent bulk functionalization of graphene,"Nature Chemistry, 3(2011), 279-286. Santhana Krishna Kumar, Shruti Singh Kakan, N. Rajesh,"A novel amine impregnated graphene oxide adsorbent for the removal of hexavalent chromium," Chemical Engineering Journal 230 (2013) 328-337.
しかしながら、従来の方法(a)〜(d)においては、表面処理をかなりの高温高圧な条件とする必要がある、アミン化合物の取扱い性が悪いなどの問題がある。また、得られる反応生成物においては、電気化学性能が不充分である、熱に不安定である等の問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、新規なアミノ基含有炭素材料、及び、そのアミノ基含有炭素材料を簡便かつ安定に得られる製造方法を提供すること、を課題とする。
本発明者らは検討により、炭素材料に対する表面処理剤として「超臨界アンモニア」を選択することにより、炭素材料表面にアミノ基を容易に導入できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアミノ基含有炭素材料の製造方法は、炭素材料と、超臨界状態のアンモニアと、を反応させて、前記炭素材料にアミノ基が結合したアミノ基含有炭素材料を得る工程(X)を有することを特徴とする。
本発明のアミノ基含有炭素材料の製造方法としては、前記工程(X)において、アンモニアが超臨界状態となる温度及び圧力下で、炭素材料とアンモニア水とを反応させる製造方法が好ましい。
また、本発明のアミノ基含有炭素材料は、炭素材料にアミノ基が結合したアミノ基含有炭素材料において、炭素/窒素で表されるモル比率が、15以下であることを特徴とする。
本発明によれば、新規なアミノ基含有炭素材料、及び、そのアミノ基含有炭素材料を簡便かつ安定に得られる製造方法を提供することができる。
酸化グラフェン(GO)及びアミノ基含有酸化グラフェン(FGO)の各赤外吸収スペクトルを示す図である。 GO及びFGOの各熱重量変化を示すグラフである。 GO及びFGOの各X線回折パターンを示すグラフである。 GO及びFGOの各ラマン分光スペクトルを示す図である。 GO及びFGOの各SEM像を示す図であり、図5(a)はGOの表面形態のSEM像、図5(b)はFGO(反応時間が1時間)の表面形態のSEM像、図5(c)はFGO(反応時間が4時間)の表面形態のSEM像をそれぞれ示す図である。
(アミノ基含有炭素材料の製造方法)
本発明のアミノ基含有炭素材料の製造方法は、炭素材料と、超臨界状態のアンモニアと、を反応させて、前記炭素材料にアミノ基(−NH)が結合したアミノ基含有炭素材料を得る工程(X)を有する。
炭素材料としては、例えば、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン又はこれらの酸化物が挙げられる。中でも、アミノ基を導入しやすいことから、前記これらの酸化物が好ましく、酸化グラフェンがより好ましい。
前記これらの酸化物としては、従来公知の合成方法により得たもの、市販品等を用いることができる。例えば、酸化グラフェンは、ハマー法(Hummer’s method)により製造できる。
超臨界状態のアンモニアとは、臨界温度及び臨界圧力をいずれも超えた温度及び圧力下にあるアンモニアをいう。
本実施形態においては、温度132.0℃以上、かつ、圧力11.0MPa以上にあるアンモニアを、超臨界状態のアンモニアというものとする。
<工程(X)>
工程(X)では、炭素材料と、超臨界状態のアンモニアと、を反応させる。この反応により、前記炭素材料にアミノ基(−NH)が結合したアミノ基含有炭素材料が生成する。
前記工程(X)を有する製造方法としては、例えば、以下に示す第1実施形態の製造方法が挙げられる。
[第1実施形態]
かかる第1実施形態では、まず、耐圧性容器内で、直接に、炭素材料とアンモニア水とを接触させる。
アンモニア水は、水にアンモニアを溶解して調製すればよい。このアンモニア水の濃度は、特に限定されないが、アミノ基をより導入しやすいことから、水への溶解度(溶解する限度)に近いほど好ましい。例えば、アンモニア水の濃度(25℃)は、5質量%以上が好ましく、20〜30質量%がより好ましく、さらに30質量%に近いほど好ましい。
耐圧性容器としては、例えば、最高温度500℃、最大圧力50MPaまで設定できるものを用いればよい。
次いで、耐圧性容器内を、アンモニアが超臨界状態となる温度及び圧力に設定し、炭素材料とアンモニア水とを反応させる。このとき、アンモニア水中のアンモニアは超臨界状態となり、炭素材料と反応して、アミノ基含有炭素材料が生成する。尚、アンモニア水中の水は、亜臨界状態となり、炭素材料に作用する。
その際、好ましい温度条件は、150℃以上であり、より好ましくは200〜350℃であり、さらに好ましくは250〜300℃である。温度条件が前記範囲の好ましい下限値以上であると、炭素材料にアミノ基をより導入しやすくなる。
好ましい圧力条件は、11.3MPa以上であり、より好ましくは12〜40MPaであり、さらに好ましくは15〜30MPaである。圧力条件が前記範囲の好ましい下限値以上であると、炭素材料にアミノ基をより導入しやすくなる。
好ましい反応時間は、0.5時間以上であり、より好ましくは1〜4時間である。反応時間が前記範囲の好ましい下限値以上であると、炭素材料にアミノ基をより導入しやすくなる。加えて、反応生成物の表面全体が一様な形態をとりやすくなる。
以上説明した第1実施形態の製造方法によれば、耐圧性容器内で炭素材料とアンモニア水とを接触させるだけの簡便な方法により、アミノ基含有炭素材料を製造できる。
第1実施形態の製造方法においては、アミン化合物として、汎用のアンモニア水を用いればよいため、アミン化合物の取扱い性に優れる。
加えて、アミノ基含有炭素材料の製造において、本実施形態を採用することで作業効率の向上をより図れる。
また、第1実施形態の製造方法によれば、後述のように、熱に安定なアミノ基含有炭素材料を製造できる。かかる製造方法により、ナノ炭素材料としての特性を高めることのできる、炭素材料を提供できる。
[その他実施形態]
上述の第1実施形態では、耐圧性容器内で、直接に、炭素材料とアンモニア水とを接触させているが、これに限定されず、例えば、耐圧性容器内に、炭素材料とアンモニア水とを別個に配置し、耐圧性容器内を、アンモニアが超臨界状態となる温度及び圧力に設定して、反応を行うこともできる。このとき、アンモニア水中のアンモニアは超臨界状態となり、この超臨界状態のアンモニアが炭素材料と接触して、両者が反応する(第2実施形態)。
かかる第2実施形態の製造方法は、炭素材料とアンモニア水とを接触させる操作が不要であり、より簡便な方法である。また、炭素材料に、超臨界状態のアンモニアが直接に、すなわち、水中での接触に比べて高いアンモニア濃度で接触するため、炭素材料にアミノ基をさらに導入しやすい。
本発明のアミノ基含有炭素材料の製造方法について、第1実施形態及び第2実施形態を説明したが、かかる製造方法は、これらに限定されず、その他実施形態で実施することも可能である。
<任意の工程>
上述した実施形態の製造方法においては、炭素材料とアンモニア水とを反応させた後、耐圧性容器内を、平常の温度及び常圧に調整することで、反応生成物を耐圧性容器内から取り出すことができる。その際、超臨界状態となった余剰のアンモニアは、元のアンモニア水の溶媒である水に再び溶解してアンモニア水となる。
このように、実施形態の製造方法は、アンモニアによる環境汚染を生じにくい方法でもある。
次いで、耐圧性容器内から取り出した反応生成物に対し、必要に応じて、従来公知の方法で洗浄、濾過及び乾燥等を行うことにより、目的のアミノ基含有炭素材料を得てもよい。
上記のようにして得られたアミノ基含有炭素材料の構造は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)観察、又は、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)、X線回折法(XRD)、熱重量分析法(TGA)、元素分析法(EA)、ラマン分光分析法、X線光電子分光法(XPS)若しくは核磁気共鳴(NMR)分光法等の有機分析法により同定できる。
(アミノ基含有炭素材料)
本発明のアミノ基含有炭素材料は、炭素材料にアミノ基が結合した化合物であり、例えば上述した実施形態の製造方法によって製造されたものが挙げられる。
かかるアミノ基含有炭素材料において、炭素/窒素で表されるモル比率は、15以下であり、好ましくは2〜10である。
この炭素/窒素で表されるモル比率が前記範囲の上限値以下であれば、充分に多くのアミノ基が炭素材料に結合していることが認められる。
また、炭素材料として酸化物が用いられている場合、そのアミノ基含有炭素材料において、酸素/窒素で表されるモル比率は、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは1〜3である。
炭素材料として酸化グラフェンを用い、上述した第1実施形態の製造方法によって製造される場合、炭素/窒素で表されるモル比率が2〜10のアミノ基含有炭素材料が容易に得られる。
また、この場合、酸素/窒素で表されるモル比率が1〜3のアミノ基含有炭素材料が容易に得られる。
アミノ基含有炭素材料に含まれる元素(炭素、窒素、酸素)の割合は、X線回折法(XRD)、元素分析法(EA)により測定できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<アミノ基含有炭素材料の製造>
(実施例1)
炭素材料として酸化グラフェン(GO)を用いて、第1実施形態の製造方法により、酸化グラフェン(GO)にアミノ基が結合したアミノ基含有酸化グラフェン(FGO)を製造した。
尚、前記のように、酸化グラフェンを「GO」、アミノ基含有酸化グラフェンを「FGO」とも表記する。
≪酸化グラフェン(GO)の合成≫
GOは、ハマー法(Hummer’s method)により、以下のようにして製造した。グラファイト、濃硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム及び30質量%アンモニア水は、いずれも、和光純薬工業株式会社から入手したものを用いた。
グラファイト4gに、濃硫酸184mLと硝酸ナトリウム(4g)とを加え、氷浴中で30分間撹拌して、溶液を得た。
得られた溶液に、過マンガン酸カリウム20gをゆっくりと加え、水浴中35℃で40分間撹拌した。次いで、蒸留水184mLを加え、油浴中95℃で15分間撹拌した。次いで、蒸留水400mLと過酸化水素とを加え、4000rpmで10分間撹拌して、混合物を得た。
得られた混合物に、5質量%塩酸を加え、4000rpmで10分間の撹拌(洗浄操作)を3回繰り返した。次いで、蒸留水を加え、4000rpmで30分間の撹拌(洗浄操作)を3回繰り返した。次いで、音波による剥離処理を4〜6時間行った。次いで、10000rpmで30分間の遠心分離操作を行い、分離した上層部分を抽出し、これをオーブン中60℃で3〜4日間乾燥して、目的のGOを得た。
≪工程(X)≫
耐圧性の反応容器(Inconel batch reactor)内で、GOと、30質量%アンモニア水と、を混合しつつ、前記反応容器内を、温度250℃、圧力30MPa(アンモニアが超臨界状態となる条件)に設定し、混合操作を1〜4時間続けた。
前記の混合操作の後、反応生成物を回収して洗浄し、濾過した後、濾物をオーブン中で一晩乾燥して、アミノ基含有酸化グラフェン(FGO)を得た。
<アミノ基含有炭素材料の評価>
得られたGO及びFGOについて、化学組成、熱的安定性、構造、表面形態をそれぞれ以下のようにして評価した。
[化学組成の解析]
得られたGO及びFGO(反応条件:温度250℃、圧力30MPa、反応時間1時間)について、フーリエ変換赤外分光光度計(JASCO FTIR−4100)を用い、FT−IRによって赤外吸収スペクトルを測定した。
図1は、GO及びFGOの各赤外吸収スペクトルを示す。
図1において、上側の曲線AはGOの赤外吸収スペクトル、下側の曲線BはFGOの赤外吸収スペクトルである。
GOの赤外吸収スペクトルにおいて、波長3439cm−1にヒドロキシ基(OH)に由来するピーク、波長1739cm−1にカルボニル基(C=O)に由来するピーク、波長1635cm−1に芳香環を構成する炭素間結合(C=C)に由来するピーク、波長1414cm−1にカルボキシ基(O=C−O)に由来するピーク、波長1207cm−1にエポキシ基(C−O−C)に由来するピーク、波長1063cm−1にアルコキシ基(C−O)に由来するピークが認められる。
一方、FGOの赤外吸収スペクトルにおいては、GOの赤外吸収スペクトルでは認められないピーク、すなわち、波長1709cm−1、1650cm−1及び1547cm−1にアミド基(N−C=O)に由来するピーク、波長1269cm−1に芳香族アミン(C−N)に由来するピークが認められる。
加えて、波長2917cm−1及び波長2854cm−1にピークが認められ、新たに炭素−水素結合(C−H)が形成されていることも認められる。
下記の表1は、XPSによって定量された、GO及びFGOの各組成を示している。
XPSによる測定には、Perkin Elmer PhI 1600 ESCA systemを用いた。結合エネルギー284.4eVのピークを炭素、398.9eVのピークを窒素、532.6eVのピークを酸素とし、これらの相対的なピーク強度比から定量を行った。その結果を表1に示す。
表1の結果より、GOではNがほとんど含まれていないのに対し、FGOではNが約10%含まれていること、が確認できる。
また、FGOは、GOに比べて、Cが多く、Oが少ないことも確認できる。
前記工程(X)の操作(GOと超臨界状態のアンモニアとの反応)では、
・GOに存在するカルボキシ基にアンモニアが求核攻撃して、アミド基[−C(=O)(NH)]が形成すること;
・GOに存在するエポキシ基又はヒドロキシ基にアンモニアが求核攻撃して、芳香族アミンが形成すること;
により、酸化グラフェンにアミノ基が導入される、と推測される。
[熱的安定性の解析]
得られたGO及びFGO(反応条件:温度250℃、圧力30MPa、反応時間1時間)について、熱重量分析装置(EXTAR 6000 TG/DTA 6300)を用い、TGAによって熱重量変化を測定した。測定条件を以下の通りとした。
測定条件:温度範囲35〜500℃、昇温速度20℃/min、窒素雰囲気。
図2は、GO及びFGOの各熱重量変化を示す。
図2において、下側の曲線AはGO、上側の曲線BはFGOの熱重量変化をそれぞれ示している。縦軸は初期の重量に対する割合(%)、横軸は加熱温度(℃)である。
GOは、500℃付近では完全に熱分解していた。一方、FGOは、500℃付近でも、初期の80%を超える重量が維持されていた。
かかる熱重量変化の測定の結果から、前記工程(X)の操作(GOと超臨界状態のアンモニアとの反応)によって製造されたFGOは、熱に安定な化合物であること、が確認できる。
[構造の解析]
得られたGO及びFGO(反応条件:温度250℃、圧力30MPa、反応時間1時間)について、X線回折法(XRD)及びラマン分光分析法による各測定を行った。
XRDによる測定は、X線回折計(リガク社)を用い、2〜90°を走査速度100/minにて行った。
ラマン分光分析法による測定は、レーザラマン分光光度計(JASCO NRS−3100)を用いて行った。
図3は、GO及びFGOの各X線回折パターンを示す。
図3において、曲線AはGO、曲線BはFGOのX線回折パターンをそれぞれ示している。
GOにおいては、10°付近に高い強度のピークが認められる。
一方、FGOにおいては、10°付近にピークは見られず、25°付近にブロードのピークが認められる。このブロードのピークは、GOへのアミノ基導入による、炭素構造の規則性の乱れ、に由来していると推測される。
図4は、GO及びFGOの各ラマン分光スペクトルを示す。
図4において、曲線AはGO、曲線BはFGOのラマン分光スペクトルをそれぞれ示している。
GOにおいては、D bandの強度と、G bandの強度と、がほとんど同じであった。これは、GOが規則的な構造を有しているため、と考えられる。
一方、FGOにおいては、D bandの強度がG bandの強度に比べてわずかに高い結果となった。この結果は、FGOでは炭素構造の乱れが生じていること、を示唆している。
[表面形態の解析]
得られたGO及びFGO(反応条件:温度250℃、圧力30MPa、反応時間1時間及び4時間)について、走査電子顕微鏡(SEM)観察を行い、表面形態を評価した。
SEM観察は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−7600F)を用い、倍率を10000倍にして行った。
図5は、GO及びFGOの各SEM像を示す。
図5(a)はGOの表面形態、図5(b)はFGO(反応時間が1時間)の表面形態、図5(c)はFGO(反応時間が4時間)の表面形態をそれぞれ示している。
図5(a)において、GOの表面形態を示すSEM像には、滑らかなエッジが見られる。
一方、図5(b)において、FGO(反応時間が1時間)の表面形態は、GOの表面形態に比べて荒れた状態であり、GOとは異なる表面形態であった。
図5(c)において、FGO(反応時間が4時間)の表面形態は、荒れた状態であるものの、FGO(反応時間が1時間)よりも表面全体が一様な形態であった。
以上の化学組成、構造及び表面形態の解析結果から、前記工程(X)の操作(GOと超臨界状態のアンモニアとの反応)によって、酸化グラフェンにアミノ基が導入されて、アミノ基含有酸化グラフェンが製造されていること、が確認された。
加えて、熱的安定性の解析結果から、前記工程(X)の操作によって製造されたアミノ基含有酸化グラフェンは、熱に安定な化合物であること、も確認された。
超臨界流体を活用した、本発明に係るアミノ基含有炭素材料の製造方法は、例えば、二酸化炭素の回収及び貯留(CCS)の技術、ドラッグデリバリーシステム(DDS)技術、ポリマー複合体、光電子工学、バイオメディカル分野、化粧品分野等での利用が可能である。

Claims (3)

  1. 炭素材料と、超臨界状態のアンモニアと、を反応させて、前記炭素材料にアミノ基が結合したアミノ基含有炭素材料を得る工程(X)を有する、アミノ基含有炭素材料の製造方法。
  2. 前記工程(X)において、アンモニアが超臨界状態となる温度及び圧力下で、炭素材料とアンモニア水とを反応させる、請求項1に記載のアミノ基含有炭素材料の製造方法。
  3. 炭素材料にアミノ基が結合したアミノ基含有炭素材料において、
    炭素/窒素で表されるモル比率が、15以下である、アミノ基含有炭素材料。
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