JP2017135560A - 車両用通信システム、車載機及び携帯機 - Google Patents

車両用通信システム、車載機及び携帯機 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズ環境にあっても携帯機の位置特定精度の低下を抑えることができ、携帯機の位置を高精度に特定することができる車両用通信システムを提供する。【解決手段】車両用通信システムは、車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信する車載機1と、携帯機2とを備える。携帯機2は周囲のノイズレベルを検出し、その検出結果を送信する。車載機1は、ノイズレベル小の場合、携帯機2における受信信号強度を測定させるための第1信号を送信し、ノイズレベル大の場合、携帯機2の受信の成否を判定させるための第2信号を送信する。携帯機2は、第1信号の受信信号強度を測定し、応答信号を送信する。また、携帯機2は、第2信号の受信の成否を判定し、応答信号を送信する。車載機1は、応答信号を受信し、ノイズレベル小の場合、受信信号強度に基づいて携帯機2の位置を特定し、ノイズレベル大の場合、受信成否に基づいて携帯機2の位置を特定する。【選択図】図1

Description

本発明は、携帯機の位置を検出する車両用通信システム、車載機及び携帯機に関する。
メカニカルキーを用いずに車両ドアの施錠及び解錠を行う車両用通信システムが実用化されている。具体的には、使用者が所持する携帯機を用いた無線遠隔操作により車両ドアの施錠又は解錠を行うキーレスエントリシステム、携帯機を所持した使用者が車両に近づき、又はドアハンドルを握るだけで車両ドアの解錠を行うスマートエントリー(登録商標)システム等が実用化されている。
また、メカニカルキーを用いずに車両のエンジン始動を行う車両用通信システムも実用化されている。具体的には、携帯機を所持した使用者がエンジンスタートスイッチを押すだけでエンジンの始動を行うスマートスタート(登録商標)システムが実用化されている。
以上の通信システムにおいて車載機は、携帯機と無線通信を行い、認証を行った後に解錠、施錠、エンジン始動等の所定の動作に関する制御を行うが、不正な操作を防止するため、当該動作実施前に携帯機が所定の位置に存在するか確認を行う。
特許文献1には、車両に設けられた複数のアンテナから送信される信号を携帯機が受信し、車載機は、携帯機が受信した各信号の受信信号強度に基づいて携帯機の位置を特定するキーレスエントリシステムが開示されている。特に特許文献1においては、携帯機がノイズ環境にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて携帯機の位置判定アルゴリズムを変更する技術が開示されている。
特開2013−194439号公報
しかしながら、特許文献1のキーレスエントリシステムにおいては、アルゴリズムを変更する構成であるが、受信信号強度を用いた判定であることには変わりが無く、携帯機の位置を誤判定する可能性がある。また、車外にある携帯機を、車内にあると誤判定することを防止する技術が開示されているが、車内にある携帯機を、車外にあると誤判定することを防止する技術は開示されてない。
本願の目的は、ノイズ環境にあっても携帯機の位置特定精度の低下を抑えることができ、携帯機の位置を高精度に特定することができる車両用通信システム、車載機及び携帯機を提供することにある。
本態様に係る車両用通信システムは、車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信する車載機と、該車載機から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた応答信号を送信する携帯機とを備え、前記車載機は前記携帯機から送信された前記応答信号を受信する車両用通信システムであって、前記車載機は、前記携帯機が受信した信号の受信信号強度を測定させるための第1信号又は前記携帯機における受信の成否を判定させるための第2信号を送信する車載送信部を備え、前記携帯機は、前記第1信号及び第2信号を受信する携帯側受信部と、前記第1信号の受信信号強度を測定する受信信号強度測定部と、前記第2信号の受信の成否を判定する成否判定部と、前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記受信信号強度測定部によって測定された受信信号強度又は前記成否判定部にて判定された受信の成否を示した前記応答信号、及び前記ノイズレベル検出部によるノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を送信する携帯側送信部とを備え、前記車載機は、前記応答信号及び検出結果信号を受信する車載受信部と、ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号の受信信号強度に基づいて、前記携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが高い場合、前記第2信号の受信の成否に基づいて、前記携帯機の位置を特定する位置特定部とを備える。
本態様に係る車載機は、車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信し、該信号に応じて携帯機から送信された応答信号を受信する車載機であって、前記携帯機が受信した信号の受信信号強度を測定させるための第1信号又は前記携帯機における受信の成否を判定させるための第2信号を送信する車載送信部と、前記携帯機によって測定された前記第1信号の受信信号強度又は前記第2信号の受信の成否を示した前記応答信号、並びに前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯機が受信する信号に係るノイズレベルを検出して得た検出結果を含む検出結果信号を受信する車載受信部と、ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号の受信信号強度に基づいて、前記携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが高い場合、前記第2信号の受信の成否に基づいて、前記携帯機の位置を特定する位置特定部とを備える。
本態様に係る携帯機は、車両から送信される信号を受信し、受信した信号に応じた応答信号を送信する携帯機であって、受信信号強度測定用の第1信号又は受信成否判定用の第2信号を受信する携帯側受信部と、前記第1信号の受信信号強度を測定する受信信号強度測定部と、前記第2信号の受信の成否を判定する成否判定部と、前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記受信信号強度測定部によって測定された受信信号強度又は前記成否判定部にて判定された受信の成否を示した前記応答信号、並びに前記ノイズレベル検出部によるノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を送信する携帯側送信部とを備える。
上記によれば、ノイズ環境にあっても携帯機の位置特定精度の低下を抑えることができ、携帯機の位置を高精度に特定することができる車両用通信システム及び車載機を提供することができる。
実施形態に係る車両用通信システムの一構成例を示すブロック図である。 車載機の一構成例を示すブロック図である。 携帯機の一構成例を示すブロック図である。 携帯機の位置検出に係る処理手順を示すフローチャートである。 携帯機の位置検出に係る処理手順を示すフローチャートである。 エンジンスタートスイッチ操作時において、受信信号強度を測定させるための第1信号の送信タイミング及びノイズレベル検出期間を示すタイミングチャートである。 エンジンスタートスイッチ操作時において、受信信号強度を測定させるための第1信号を示す概念図である。 エンジンスタートスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号の送信タイミング及びノイズレベル検出期間を示すタイミングチャートである。 エンジンスタートスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号を示す概念図である。 ドアスイッチ操作時において、受信信号強度を測定させるための第1信号を示す概念図である。 ドアスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号の送信タイミング及びノイズレベル検出期間を示すタイミングチャートである。 ドアスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号を示す概念図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本態様に係る車両用通信システムは、車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信する車載機と、該車載機から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた応答信号を送信する携帯機とを備え、前記車載機は前記携帯機から送信された前記応答信号を受信する車両用通信システムであって、前記車載機は、前記携帯機が受信した信号の受信信号強度を測定させるための第1信号又は前記携帯機における受信の成否を判定させるための第2信号を送信する車載送信部を備え、前記携帯機は、前記第1信号及び第2信号を受信する携帯側受信部と、前記第1信号の受信信号強度を測定する受信信号強度測定部と、前記第2信号の受信の成否を判定する成否判定部と、前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記受信信号強度測定部によって測定された受信信号強度又は前記成否判定部にて判定された受信の成否を示した前記応答信号、及び前記ノイズレベル検出部によるノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を送信する携帯側送信部とを備え、前記車載機は、前記応答信号及び検出結果信号を受信する車載受信部と、ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号の受信信号強度に基づいて、前記携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが高い場合、前記第2信号の受信の成否に基づいて、前記携帯機の位置を特定する位置特定部とを備える。
本態様によれば、車載機は携帯機の位置を特定するための信号として、第1信号又は第2信号を車載送信部にて送信する。第1信号は、携帯機における第1信号の受信信号強度を測定させるための信号である。第2信号は、携帯機における第2信号の受信の成否を判定させるための信号である。車載送信部は、第1信号及び第2信号の双方を送信しても良いし、第1信号及び第2信号の一方を選択的に送信しても良い。なお、第1信号及び第2信号の双方を送信する場合、その送信順序は特に限定されるものでは無い。また、第1信号及び第2信号は、各信号の目的を達成することが可能であれば同一の信号であっても良い。
携帯機は、車載機から送信された第1信号及び第2信号を受信する携帯側受信部を備えており、携帯機は第1信号の受信信号強度を測定する。また、携帯機は、車載機から送信された第2信号の受信の成否を判定する。更に、携帯機は、車載機が第1信号及び第2信号を送信していない期間に、携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルをノイズレベル検出部にて検出する。そして、携帯機は、受信信号強度又は受信の成否を示す応答信号と、ノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を車載機へ送信する。ここで応答信号は、携帯機が第1信号のみを受信しているときは、受信信号強度を示す信号であり、携帯機が第2信号のみを受信しているときは、受信の成否を示す信号である。また、応答信号は、携帯機が第1信号及び第2信号の双方を受信している場合、受信信号強度及び受信の成否の双方を示す信号である。ノイズレベルは、車載機から送信される第1信号及び第2信号以外の他の信号であって、各信号のノイズとなる信号の強度レベルである。ノイズレベルは、携帯機の位置特定方法を選択する指標になる情報である。なお、携帯機が、応答信号及び検出結果信号を送信する順序は特に限定されるものでは無く、応答信号及び検出結果信号を一体の信号として送信しても良い。
車載機は、携帯機から送信された応答信号及び検出結果信号を受信し、位置特定部は、検出結果信号が示すノイズレベルが小さい場合、第1信号の受信信号強度に基づいて、携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが大きい場合、第2信号の受信の成否に基づいて、携帯機の位置を特定する。第1信号の受信信号強度に基づく位置特定精度は、第2信号の受信の成否に基づく位置特定精度に比べて高いため、ノイズレベルが小さな環境においては、車載機は、携帯機の位置を高精度で特定することができる。
他方、ノイズレベルが大きな環境においては、第2信号の受信の成否に基づく位置特定精度の方が第1信号の受信信号強度に基づく位置特定精度よりも高い傾向にある。そこで、車載機は、ノイズレベルが大きい場合、第2信号の受信の成否に基づいて携帯機の位置特定を行うことによって、位置特定精度の低下を抑えることができる。
(2)前記携帯側送信部は、前記第1信号及び前記第2信号を受信する前に、前記検出結果信号を前記車載機へ送信するようにしてあり、前記車載送信部は、ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号を送信し、前記ノイズレベルが大きい場合、第2信号を送信する構成が好ましい。
本態様によれば、携帯機は、車載機が第1信号及び第2信号を送信する前段階で、ノイズレベルの検出を行い、ノイズレベルに係る検出結果信号を車載機へ送信する。車載機は、ノイズレベルが小さい場合、第1信号を送信し、ノイズレベルが大きい場合、第2信号を送信する。車載機及び携帯機は、ノイズレベルに応じた適切な信号を送受信し、不要な信号を送受信しない構成であるため、車載機は携帯機の位置を速やかに特定することができる。また、無駄な電力消費を抑えることができる。
(3)前記車載送信部は、前記携帯機を起動させるための起動信号を送信した後、所定期間、前記第1信号及び第2信号を送信しないようにしてあり、前記携帯機は、前記起動信号を受信した場合に起動し、前記ノイズレベル検出部は、前記起動信号を受信した後、前記所定期間におけるノイズレベルを検出する構成が好ましい。
本態様によれば、携帯機は、車載機から送信された起動信号によって起動し、起動後の所定期間において、ノイズレベルを検出する。車載機は、前記所定期間において、第1信号及び第2信号を送信しない。従って、携帯機は、ノイズレベルの検出タイミングを誤るおそれが無く、起動後、速やかにノイズレベルを検出することができる。
(4)前記第1信号の強度は、前記第2信号の強度よりも大きい構成が好ましい。
本態様によれば、車載機は、車両に設けられた複数のアンテナから送信される第1信号の受信信号強度を携帯機が測定できるよう、大きな信号強度の第1信号を送信する。他方、車載機は、車両に設けられたアンテナから送信される第2信号を携帯機が受信できる通信範囲内に、携帯機が存在するか否かを判定することにより、携帯機の位置を特定する。このため、車載機は、当該通信範囲に応じた信号強度に抑えた第2信号を携帯機へ送信する。
(5)前記第1信号を送信する前記アンテナ及び前記第2信号を送信する前記アンテナは異なる構成が好ましい。
本態様によれば、車載機は、受信信号強度を用いて携帯機の位置を特定するために、複数のアンテナから第1信号を送信する。他方、車載機は、第2信号を携帯機が受信できる通信範囲内に、携帯機が存在するか否かを判定するために、当該通信範囲内に対応する一又は複数のアンテナから第2信号を送信する。このように、車載機は、携帯機の位置特定方法に応じて、第1信号及び第2信号を送信するアンテナを適宜切り替えることができる。
(6)本態様に係る車載機は、車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信し、該信号に応じて携帯機から送信された応答信号を受信する車載機であって、前記携帯機が受信した信号の受信信号強度を測定させるための第1信号又は前記携帯機における受信の成否を判定させるための第2信号を送信する車載送信部と、前記携帯機によって測定された前記第1信号の受信信号強度又は前記第2信号の受信の成否を示した前記応答信号、並びに前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯機が受信する信号に係るノイズレベルを検出して得た検出結果を含む検出結果信号を受信する車載受信部と、ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号の受信信号強度に基づいて、前記携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが高い場合、前記第2信号の受信の成否に基づいて、前記携帯機の位置を特定する位置特定部とを備える。
本態様に係る車載機によれば、態様(1)のように、ノイズ環境にあっても携帯機の位置特定精度の低下を抑えることができ、携帯機の位置を高精度に特定することができる車両用通信システムを構成することができる。
(7)本態様に係る携帯機は、車両から送信される信号を受信し、受信した信号に応じた応答信号を送信する携帯機であって、受信信号強度測定用の第1信号又は受信成否判定用の第2信号を受信する携帯側受信部と、前記第1信号の受信信号強度を測定する受信信号強度測定部と、前記第2信号の受信の成否を判定する成否判定部と、前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、前記受信信号強度測定部によって測定された受信信号強度又は前記成否判定部にて判定された受信の成否を示した前記応答信号、並びに前記ノイズレベル検出部によるノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を送信する携帯側送信部とを備える。
本態様に係る携帯機によれば、態様(1)のように、ノイズ環境にあっても携帯機の位置特定精度の低下を抑えることができ、携帯機の位置を高精度に特定することができる車両用通信システムを構成することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る車両用通信システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、実施形態に係る車両用通信システムの一構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る車両用通信システムは、車両Cに設けられた複数のLF送信アンテナ3及びRF受信アンテナ4を用いて各種信号を送受信する車載機1と、該車載機1との間で該信号を送受信する携帯機2とを備える。使用者によるエンジン始動操作、ドアスイッチ操作があった場合、車載機1は、携帯機2との間で無線通信を行うことによって、認証を行い、当該携帯機2が特定の位置に存在することを確認した上で、エンジン始動、ドアの施錠及び解錠等の所定の制御を行う。
複数のLF送信アンテナ3は、例えば、車両Cの前部に配された第1LF送信アンテナ31、車両Cの後部に配された第2LF送信アンテナ32、運転席側のピラーに配された第3LF送信アンテナ33、助手席側のピラーに配された第4LF送信アンテナ34、車両Cのバックドアに配された第5LF送信アンテナ35等である。各LF送信アンテナ3はLF帯の電波を用いて信号を送信する。
図2は、車載機1の一構成例を示すブロック図である。車載機1は、該車載機1の各構成部の動作を制御する車載制御部11を備える。車載制御部11は、例えば一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU等を有するマイコンである。車載制御部11には、車載受信部12、車載送信部13、車載記憶部14及び出力部15が設けられている。
車載制御部11は、車載記憶部14に記憶されている後述の制御プログラムを実行することにより、各構成部の動作を制御し、携帯機2の位置を特定し、エンジン始動、ドアの施錠及び解錠等を指示する。
車載記憶部14は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。車載記憶部14は、車載制御部11が車載機1の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の位置を特定し、エンジン始動、ドアの施錠及び解錠等を指示するための制御プログラムを記憶している。
車載受信部12はRF受信アンテナ4に接続されており、携帯機2からUHF帯の電波を用いて送信された各種応答信号を受信し、車載制御部11へ出力する。UHF帯の電波で通信可能な領域は広いため、車両CにおけるRF受信アンテナ4の配置は特に限定されない。
車載送信部13は複数のLF送信アンテナ3に接続されており、車載制御部11の制御に従って、携帯機2の位置を特定するための信号を送信する。例えば、車載送信部13は、車載制御部11の制御に従って、携帯機2を起動させるための起動信号をLF送信アンテナ3から送信する。また、車載送信部13は、車載制御部11の制御に従って、携帯機2の位置を検出するための第1信号又は第2信号を送信する。車載送信部13は、送信する信号の強度を変更する信号強度変更部13aを備える。
第1信号は、携帯機2における当該第1信号の受信信号強度に基づいて、当該携帯機2の位置を特定するための信号である。第1信号は例えば変調されていない搬送波であり、第1信号は、第1乃至第5LF送信アンテナ31、32、33、34、35から送信される。各LF送信アンテナ3から送信される第1信号の強度は、携帯機2が少なくとも2つ以上のLF送信アンテナ3からの信号を受信できるように設定されている。本実施形態では、第1信号の強度は、各LF送信アンテナ3から送信可能な最大強度の信号であるものとする。第1信号の強度は、信号強度変更部13aによって調整される。
第2信号は、携帯機2における当該第2信号の受信の成否に基づいて、当該携帯機2の位置を特定するための信号である。第2信号は例えば変調された搬送波であり、第2信号は用途に応じた特定のLF送信アンテナ3から送信される。具体的には、エンジン始動を行う場合、車載機1は、主に車内に信号を送信する第1及び第2LF送信アンテナ31、32から第2信号を送信する。第1及び第2LF送信アンテナ31、32から送信される第2信号の信号強度は、携帯機2が第2信号を受信できる範囲が、車内空間に対応するような強度であり、一般的には第1信号よりも低い強度の信号である。また車載機1は、ドアの施錠及び解錠を行う場合、主に車外に信号を送信する第3乃至第5LF送信アンテナ33、34、35から第2信号を送信する。第3乃至第5LF送信アンテナ33、34、35から送信される第2信号の信号強度は、携帯機2が第2信号を受信できる範囲が車外の一定範囲内になるような強度であり、一般的には第1信号よりも低い強度の信号である。第2信号の強度は、信号強度変更部13aによって調整される。
出力部15にはドアECU7が接続されており、出力部15は、車載制御部11の制御に従って、ドアの施錠又は解錠を指示する施解錠信号をドアECU7へ出力する。ドアECU7には、ドアの図示しない施解錠機構を動作させるアクチュエータに接続されており、車載機1の出力部15から出力された施解錠信号に従って、当該アクチュエータを駆動させ、ドアを施錠又は解錠させる。
また、出力部15にはエンジンECU8が接続されており、出力部15は、車載制御部11の制御に従って、エンジンの始動を指示するエンジン始動信号をエンジンECU8へ出力する。エンジンECU8は、車載機1の出力部15から出力されたエンジン始動信号に従って、エンジンを始動させる。
車載制御部11には、エンジンスタートスイッチ5及びドアスイッチ6が接続されており、該エンジンスタートスイッチ5及びドアスイッチ6に対応した施解錠操作信号及び始動操作信号が車載制御部11に入力する。車載制御部11は施解錠操作信号に基づいて、ドアスイッチ6の操作状態を認識することができる。車載制御部11は、ドアスイッチ6が操作された場合、携帯機2が車外にあることを確認し、施解錠信号を、出力部15を介してドアECU7へ出力し、ドアを施錠又は解錠させる。
また、車載制御部11は、始動操作信号に基づいて、エンジンスタートスイッチ5の操作状態を認識することができる。車載制御部11は、エンジンスタートスイッチ5が操作された場合、携帯機2が車内にあることを確認し、エンジン始動信号を、出力部15を介してエンジンECU8へ出力し、エンジンを始動させる。
図3は、携帯機2の一構成例を示すブロック図である。携帯機2は、該携帯機2の各構成部の動作を制御する携帯側制御部21を備える。携帯側制御部21は、例えば一又は複数のCPU、マルチコアCPU等を有するマイコンである。携帯側制御部21には、携帯側受信部22、携帯側送信部23、携帯側記憶部24、受信信号強度測定部25及びノイズレベル検出部26が設けられている。
携帯側制御部21は、携帯側記憶部24に記憶されている後述の制御プログラムを読み出し、各構成部の動作を制御することにより、各構成部の動作を制御し、車載機1に対する携帯機2の位置特定に必要な情報を車載機1へ送信する処理を実行する。
携帯側記憶部24は、車載記憶部14と同様の不揮発性メモリである。携帯側記憶部24は、携帯側制御部21が携帯機2の各構成部の動作を制御することにより、携帯機2の位置特定に必要な情報を含む応答信号等を車載機1へ送信する処理を実行するための制御プログラムを記憶している。
携帯側受信部22はLF受信アンテナ22aに接続されており、車載機1からLF帯の電波を用いて送信された起動信号、第1信号及び第2信号等の各種信号を受信し、携帯側制御部21へ出力する。LF受信アンテナ22aは例えば3軸アンテナであり、車両Cに対する携帯機2の向き又は姿勢に拘わらず、一定の受信信号強度が得られる。
受信信号強度測定部25は、複数のLF送信アンテナ3から送信され、LF受信アンテナ22aが受信した第1信号の受信信号強度を検出し、検出した受信信号強度を携帯側制御部21へ出力する回路である。
ノイズレベル検出部26は、LF受信アンテナ22aが受信するノイズ信号のノイズレベルを検出し、検出したノイズレベルを携帯側制御部21へ出力する回路である。ノイズレベルは、LF受信アンテナ22aが受信する第1信号及び第2信号以外のノイズ信号の強度である。なお、受信信号強度測定部25をノイズレベル検出部26として利用しても良い。
携帯側送信部23はRF送信アンテナ23aに接続されており、携帯側制御部21の制御に従って、携帯機2から送信された信号に応じた信号を送信する。第1信号又は第2信号を携帯機2が受信した場合、携帯側制御部21の制御に従って携帯側送信部23は、車載機1に対する携帯機2の位置特定に必要な情報として、受信信号強度測定部25が測定した第1信号の受信信号強度を含む応答信号、又は携帯側受信部22による第2信号の受信の成否を示した応答信号を送信する。また、携帯側送信部23は、ノイズレベル検出部26にて検出したノイズレベルを示した検出結果信号を送信する。携帯側送信部23はUHF帯の電波を用いて応答信号を送信する。なおUHF帯は信号を送信する電波帯域の一例であり、必ずしもこれに限定されない。
<エンジン始動処理>
図4及び図5は、携帯機2の位置検出に係る処理手順を示すフローチャートである。車載制御部11は、エンジンスタートスイッチ5の操作をトリガとして以下の処理を実行する。エンジンスタートスイッチ5の操作を検出した車載制御部11は、携帯機2を起動させるための起動信号を、車載送信部13にて第1LF送信アンテナ31から送信させる(ステップS11)。第1LF送信アンテナ31から送信される起動信号は、主に車内前部に送信される。
携帯機2は、車載機1から送信された起動信号を携帯側受信部22にて受信し(ステップS12)、起動信号を受信した携帯側制御部21は起動する(ステップS13)。詳細は省略するが、携帯機2の起動時に車載機1及び携帯機2は認証処理を実行している。起動信号を送信後、認証処理を終えた車載制御部11は、計時を開始し、所定期間、第1信号及び第2信号、その他一切の信号を送信しない状態になる。携帯側制御部21は、起動及び認証処理後、計時を開始し、当該所定期間において、ノイズレベル検出部26にてLF受信アンテナ22aが受信する信号の強度、即ちノイズレベルを検出する(ステップS14)。なお、所定期間の計時は必須では無く、単純に起動及び認証処理後、携帯機2がノイズレベルを検出する構成でも良い。
そして、携帯側制御部21は、検出したノイズレベルの信号に基づいて、ノイズレベルの大小を判定する(ステップS15)。ノイズレベルの大小を判定するための閾値の大きさは特に限定されるものでは無いが、例えば、第1信号の受信信号強度に基づく携帯機2の位置特定精度と、第2信号の受信の成否に基づく携帯機2の位置特定精度とが逆転するときの、ノイズ信号の強度を閾値として設定すれば良い。
次いで、携帯側制御部21は、ノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を、携帯側送信部23にて送信する(ステップS16)。検出結果信号は、ノイズレベルそのものを示すものであっても良いし、ステップS15にて判定されたノイズレベルの判定結果を示すものであっても良い。なお、ステップS16の処理を実行する携帯側制御部21は、第2信号の受信の成否を判定する成否判定部として機能する。
車載制御部11は、携帯機2から送信された検出結果信号を、車載受信部12にて受信する(ステップS17)。そして、車載制御部11は、検出結果信号に基づいて、ノイズレベルが小さいか否かを判定する(ステップS18)。つまり、車載制御部11は、車両周辺のノイズ信号の強度が小さいか否かを判定する。ノイズレベルが小さいと判定した場合(ステップS18:YES)、車載制御部11は、信号強度変更部13aにて送信する信号の強度を最大に設定し、受信信号強度測定用の第1信号を、車載送信部13にて各LF送信アンテナ3から送信させる(ステップS19)。携帯側制御部21は、各LF送信アンテナ3から送信された第1信号の受信信号強度を、受信信号強度測定部25にて測定する(ステップS20)。次いで、携帯側制御部21は、各LF送信アンテナ3から送信された第1信号の受信信号強度それぞれを示した応答信号を、携帯側送信部23にて車載機1へ送信する(ステップS21)。
車載制御部11は、携帯機2から送信された応答信号を、車載受信部12にて受信する(ステップS22)。そして、車載制御部11は、応答信号に含まれる受信信号強度に基づいて、携帯機2の位置を特定する(ステップS23)。
具体的には、車載制御部11は、受信した応答信号に含まれる受信信号強度に基づいて、応答信号の送信元である携帯機2と、車内及び車外との統計距離を算出する。
応答信号に含まれる受信信号強度はベクトルである。該ベクトルの成分は、各LF送信アンテナ3から送信される複数の第1信号それぞれの受信信号強度である。本実施形態においては、5本のLF送信アンテナ3から送信される複数の第1信号それぞれに対応する受信信号強度を成分として有するため、上記のベクトルは5次元である。車載機1の車載記憶部14は、例えば、車内の複数箇所で携帯機2が検出した受信信号強度のサンプル群に基づいて求められる受信信号強度の平均ベクトル、分散行列又は逆分散行列等の統計値を記憶している。車載制御部11は、車内にある携帯機2が検出する受信信号強度のサンプル群と、ステップS22で受信した応答信号に含まれる受信信号強度のベクトルとの統計距離を算出する。言い換えると、ステップS22で受信した応答信号に含まれる受信信号強度と、車内に配置した携帯機2が検出する受信信号強度との類似度に対応する値を算出する。統計距離は、例えばマハラノビス距離であるが、特に限定されるものでは無い。
同様にして車載機1の車載記憶部14は、車外の複数箇所で携帯機2が検出した受信信号強度のサンプル群に基づいて求められる受信信号強度の平均ベクトル、分散行列又は逆分散行列等の統計値を記憶している。車載制御部11は、車外にある携帯機2が検出する受信信号強度のサンプル群と、ステップS22で受信した応答信号に含まれる受信信号強度のベクトルとの統計距離を算出する。そして、車載制御部11は、応答信号に含まれる受信信号強度と、車外にある携帯機2が検出する受信信号強度のサンプル群との統計距離が、車内にある携帯機2が検出する受信信号強度のサンプル群との統計距離に比べて短い場合、携帯機2は車外にあると判定する。車載制御部11は、応答信号に含まれる受信信号強度と、車内にある携帯機2が検出する受信信号強度のサンプル群との統計距離が、車外にある携帯機2が検出する受信信号強度のサンプル群との統計距離に比べて短い場合、携帯機2は車内にあると判定する。
なお、統計距離を用いて携帯機2の位置特定方法は一例であり、携帯機2が車内にあるか否かを判定するための判定式を予め車載記憶部14に記憶させておき、受信信号強度が判定式を満たすか否かを確認することによって、携帯機2が車内にあるか否かを判定しても良い。
ステップS18において、ノイズレベルが大きいと判定した場合(ステップS18:NO)、車載制御部11は、受信成否判定用の第2信号を、車載送信部13にて送信する(ステップS24)。例えば、車載制御部11は、車載送信部13にて第1及び第2LF送信アンテナ31、32から第2信号を送信させる。第2信号は、所定の情報にて変調された搬送波の信号である。第2信号の強度は、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から送信される第2信号を携帯機2が受信し、復調可能な通信範囲が車内空間に対応するように設定されている。車載記憶部14は、エンジン始動時における携帯機2の位置特定に要する第2信号の強度を予め記憶しており、車載制御部11は、車載記憶部14が記憶する強度を参照し、信号強度変更部13aにて第2信号の強度を調整する。
携帯側制御部21は、車載機1から送信された第2信号を、携帯側受信部22にて受信し、復調する(ステップS25)。そして、携帯側制御部21は、車載受信部12にて、第2信号の受信の成否、即ち復調の成否を判定する(ステップS26)。次いで、携帯側制御部21は、第2信号の受信の成否を示した応答信号を、携帯側送信部23にて送信する(ステップS27)。例えば、携帯側制御部21は、第2信号の復調に成功した場合、第2信号を受信したことを示す応答信号を携帯側送信部23に送信させる。第2信号の復調に失敗した場合、携帯側送信部23は応答信号を送信しない。なお、携帯側制御部21は、復調に失敗したことを示す応答信号を、携帯側送信部23に送信させても良い。
車載制御部11は、携帯機2から送信された応答信号を、車載制御部11にて受信する(ステップS28)。そして、車載制御部11は、携帯機2における第2信号の受信の成否に基づいて、携帯機2の位置を特定する(ステップS29)。具体的には、車載制御部11は、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から送信された第2信号の少なくとも一方の受信に成功している場合、携帯機2は車内にあると判定する。車載制御部11は、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から送信される第2信号の双方の受信に失敗している場合、携帯機2は車外にあると判定する。
より具体的には、車載制御部11は、携帯機2から送信された応答信号を受信した場合、携帯機2が車内にあると判定し、応答信号を受信しない場合、携帯機2が車外にあると判定する。
ステップS23又はステップS29の処理を終えた車載制御部11は、ステップS23又はステップS29の位置特定結果に基づいて、携帯機2が車内にあるか否かを判定する(ステップS30)。携帯機2が車内に無いと判定した場合(ステップS30:NO)、車載制御部11は処理を終える。携帯機2が車内にあると判定した場合(ステップS30:YES)、車載制御部11は、エンジンECU8へエンジン始動信号を送信することによって、エンジンを始動させ(ステップS31)、処理を終える。
以上の処理を実行する車載機1及び携帯機2の動作を説明する。まず、ノイズレベルが小さい場合の動作を説明する。
図6は、エンジンスタートスイッチ操作時において、受信信号強度を測定させるための第1信号の送信タイミング及びノイズレベル検出期間を示すタイミングチャート、図7は、エンジンスタートスイッチ操作時において、受信信号強度を測定させるための第1信号を示す概念図である。図6中、横軸は時間を示す。図6最上部のタイミングチャートは、エンジンスタートスイッチ5が操作されたタイミングを示しており、粗な左斜め上がりハッチングが付されたブロックは施解錠信号が車載機1に入力されたタイミングを示している。車載機1に施解錠信号が入力されると、車載機1は、携帯機2の位置特定に係る処理を開始する。
図6中段部分の5つのタイミングチャートは、第1乃至第5LF送信アンテナ31、32、33、34、35から送信される信号の送信タイミングを示している。密な左斜め上がりのハッチングが付されたブロックは、起動信号等の送信タイミングを示している。また、破線で囲まれた時間帯は、車載機1から信号が送信されない所定期間を示している。
施解錠信号が入力されると、携帯機2の起動信号、認証処理に必要な信号等が第1LF送信アンテナ31から送信される。その後、LF送信アンテナ3から信号が所定期間送信されない状態になる。
図6最下部のタイミングチャートは、携帯機2から送信される信号の送信タイミングを示しており、クロス状のハッチングが付されたブロックは、ノイズレベルの検出結果を示している。
携帯機2は、所定期間において、ノイズレベルを検出し、ノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を車載機1へ送信する。
ノイズレベルが小さい場合、車載機1は、図7に示すように、第1乃至第5LF送信アンテナ31、32、33、34、35から第1信号を携帯機2へ送信する。図6中、白抜きのブロックは、第1乃至第5LF送信アンテナ31、32、33、34、35から送信される第1信号の送信タイミングを示している。
図6中、黒塗りのブロックは、携帯機2の位置検出に必要な情報を含む応答信号の送信タイミングを示している。携帯機2は、各LF送信アンテナ3から送信された第1信号の受信信号強度を測定し、測定して得た受信信号強度を含む応答信号を車載機1へ送信する。
このようにして、ノイズレベルが小さい場合、車載機1は、各LF送信アンテナ3から第1信号を送信し、携帯機2から送信された応答信号を受信し、受信して得た応答信号に含まれる受信信号強度に基づいて、携帯機2の位置を高精度に特定することができる。
次に、ノイズレベルが大きい場合の動作を説明する。
図8は、エンジンスタートスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号の送信タイミング及びノイズレベル検出期間を示すタイミングチャート、図9は、エンジンスタートスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号を示す概念図である。
車載機1が検出結果信号を受信するまでの処理の流れは、ノイズレベルの大小に拘わらず、同じである。検出結果信号に基づく判定の結果、ノイズレベルが大きいと判定された場合、車載機1は、図9に示すように、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から第2信号を携帯機2へ送信する。第2信号の通信範囲は、車内空間に略一致している。
図8中、右斜め上がりのハッチングは、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から送信される第2信号の送信タイミングを示している。携帯機2は、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から送信された第2信号の受信の成否を判定し、その判定結果を含む応答信号を車載機1へ送信する。なお、図8に示す例では、第2信号を第1及び第2LF送信アンテナ31、32から同時的に送信しているが、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から第2信号を順次送信するように構成しても良い。
このようにして、ノイズレベルが大きい場合、車載機1は、第1及び第2LF送信アンテナ31、32から第2信号を送信し、携帯機2から送信された応答信号を受信し、第2信号の受信の成否に基づいて、携帯機2の位置を特定することができる。第2信号の受信の成否に基づく携帯機2の位置特定処理は、受信信号強度を利用した位置特定処理に比べて、耐ノイズ性が高いため、ノイズ環境においても携帯機2の位置を精度良く特定することができる。
<ドア施解錠>
次に、ドアスイッチ6が操作されたときの動作を説明する。車載機1及び携帯機2の処理手順は、図5及び図6に示す処理手順と同様であり、処理開始のトリガ、第2信号を送信するLF送信アンテナ3の位置、ステップS30及びステップS31の処理手順が異なる。具体的には、ドアの施解錠に係る処理は、ドアスイッチ6の操作をトリガとして開始される。第2信号を送信するアンテナは、第3乃至第5LF送信アンテナ33、34、35である。また、車載機1は、携帯機2が車外にある場合、ドアの施解錠を行う。
図10は、ドアスイッチ操作時において、受信信号強度を測定させるための第1信号を示す概念図である。ノイズレベルが小さい場合、車載機1及び携帯機2の間で送受信される信号は、エンジン始動時と同様であり、車載機1は、図10に示すように、第1乃至第5LF送信アンテナ31、32、33、34、35から第1信号を携帯機2へ送信する。携帯機2は、各LF送信アンテナ3から送信された第1信号の受信信号強度を測定し、測定して得た受信信号強度を含む応答信号を車載機1へ送信する。ノイズレベルが小さい場合、車載機1は、各LF送信アンテナ3から送信された第1信号を送信し、携帯機2から送信された応答信号を受信し、受信して得た応答信号に含まれる受信信号強度に基づいて、携帯機2の位置を高精度に特定することができる。そして、車載機1は、携帯機2が車外にある場合、施解錠信号をドアECU7へ出力することによって、ドアを施解錠する。
次に、ノイズレベルが大きい場合の動作を説明する。
図11は、ドアスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号の送信タイミング及びノイズレベル検出期間を示すタイミングチャート、図12は、ドアスイッチ操作時において、受信の成否を判定させるための第2信号を示す概念図である。
車載機1が検出結果信号を受信するまでの処理の流れは、ノイズレベルの大小に拘わらず、同じである。検出結果信号に基づく判定の結果、ノイズレベルが大きいと判定された場合、車載機1は、図12に示すように、第3乃至第5LF送信アンテナ33、34、35から第2信号を携帯機2へ送信する。第2信号の通信範囲は、車両Cの運転席ドア周囲、助手席ドア周囲及びバックドア周囲に略一致している。携帯機2は、第3乃至第5LF送信アンテナ33、34、35から送信された第2信号の受信の成否を判定し、その判定結果を含む応答信号を車載機1へ送信する。
このようにして、ノイズレベルが大きい場合、車載機1は、第3乃至第5LF送信アンテナ33、34、35から第2信号を送信し、携帯機2から送信された応答信号を受信し、第2信号の受信の成否に基づいて、携帯機2の位置を特定することができる。第2信号の受信の成否に基づく携帯機2の位置特定処理は、受信信号強度を利用した位置特定処理に比べて、耐ノイズ性が高いため、ノイズ環境においても携帯機2の位置を精度良く特定することができる。そして、車載機1は、携帯機2が車外にある場合、ドアを施解錠する。
このように構成された車両用通信システムによれば、ノイズ環境にあっても携帯機2の位置特定精度の低下を抑えることができ、携帯機2の位置を高精度に特定することができる。
また、車載機1は、ノイズレベルの大小に応じて、第1信号及び第2信号を選択的に送信する構成であるため、不要な信号を送受信すること無く、車載機1は携帯機2の位置を速やかに特定することができる。
更に、不要な信号を送受信しないため、車載機1及び携帯機2の無駄な電力消費を抑えることができる。
更にまた、携帯機2は、車載機1から信号が送信されないタイミングである起動信号受信時にノイズレベルを検出する構成であるため、ノイズレベルの検出タイミングを誤るおそれが無く、起動後、速やかにノイズレベルを検出し、車載機1に通知することができる。
なお、実施形態では、ノイズレベルに応じて、受信信号強度を基づく携帯機2の位置特定方法と、受信の成否に基づく携帯機2の位置特定方法とを選択的に用いているが、ノイズレベルを3段階に区分けし、ノイズレベルが高い場合、携帯機2の位置特定を行わないように構成しても良い。つまり、車載機1は、ノイズレベルが低い場合は、第1信号の受信信号強度を用いて携帯機2の位置特定を行い、ノイズレベルが中程度の場合、第2信号の受信の成否に基づいて携帯機2の位置特定を行い、ノイズレベルが高い場合、携帯機2の位置特定を行わないように構成しても良い。
また、車載機1は、ノイズレベルに応じて、位置特定用の信号である第1信号及び第2信号のいずれか一方を送信する構成を説明したが、車載機1から第1信号及び第2信号を順次送信するように構成しても良い。この場合、携帯機2は、第1信号の受信信号強度を測定し、第2信号の受信の成否を判定する。携帯機2は、受信信号強度及び受信の成否の双方を情報として含む応答信号を車載機1へ送信しても良いし、ノイズレベルに応じて、いずれか一方の情報を含む応答信号を車載機1へ送信しても良い。
更に、ノイズレベルの検出及び検出結果信号の送信タイミングは一例であり、携帯機2の位置特定を行う前に、ノイズレベルに係る情報を車載機1が取得できる構成であれば、そのタイミングは特に限定されるものでは無い。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車載機
2 携帯機
3 LF送信アンテナ
4 RF受信アンテナ
5 エンジンスタートスイッチ
6 ドアスイッチ
7 ドアECU
8 エンジンECU
11 車載制御部
12 車載受信部
13 車載送信部
13a 信号強度変更部
14 車載記憶部
15 出力部
21 携帯側制御部
22 携帯側受信部
22a LF受信アンテナ
23 携帯側送信部
23a RF送信アンテナ
24 携帯側記憶部
25 受信信号強度測定部
26 ノイズレベル検出部
31 第1LF送信アンテナ
32 第2LF送信アンテナ
33 第3LF送信アンテナ
34 第4LF送信アンテナ
35 第5LF送信アンテナ
C 車両

Claims (7)

  1. 車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信する車載機と、該車載機から送信された信号を受信し、受信した信号に応じた応答信号を送信する携帯機とを備え、前記車載機は前記携帯機から送信された前記応答信号を受信する車両用通信システムであって、
    前記車載機は、
    前記携帯機が受信した信号の受信信号強度を測定させるための第1信号又は前記携帯機における受信の成否を判定させるための第2信号を送信する車載送信部を備え、
    前記携帯機は、
    前記第1信号及び第2信号を受信する携帯側受信部と、
    前記第1信号の受信信号強度を測定する受信信号強度測定部と、
    前記第2信号の受信の成否を判定する成否判定部と、
    前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、
    前記受信信号強度測定部によって測定された受信信号強度又は前記成否判定部にて判定された受信の成否を示した前記応答信号、及び前記ノイズレベル検出部によるノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を送信する携帯側送信部と
    を備え、
    前記車載機は、
    前記応答信号及び検出結果信号を受信する車載受信部と、
    ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号の受信信号強度に基づいて、前記携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが高い場合、前記第2信号の受信の成否に基づいて、前記携帯機の位置を特定する位置特定部と
    を備える車両用通信システム。
  2. 前記携帯側送信部は、
    前記第1信号及び前記第2信号を受信する前に、前記検出結果信号を前記車載機へ送信するようにしてあり、
    前記車載送信部は、
    ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号を送信し、前記ノイズレベルが大きい場合、第2信号を送信する
    請求項1に記載の車両用通信システム。
  3. 前記車載送信部は、
    前記携帯機を起動させるための起動信号を送信した後、所定期間、前記第1信号及び第2信号を送信しないようにしてあり、
    前記携帯機は、
    前記起動信号を受信した場合に起動し、前記ノイズレベル検出部は、前記起動信号を受信した後、前記所定期間におけるノイズレベルを検出する
    請求項1又は請求項2に記載の車両用通信システム。
  4. 前記第1信号の強度は、前記第2信号の強度よりも大きい
    請求項1〜請求項3までのいずれか一項に記載の車両用通信システム。
  5. 前記第1信号を送信する前記アンテナ及び前記第2信号を送信する前記アンテナは異なる
    請求項1〜請求項4までのいずれか一項に記載の車両用通信システム。
  6. 車両に設けられた複数のアンテナから信号を送信し、該信号に応じて携帯機から送信された応答信号を受信する車載機であって、
    前記携帯機が受信した信号の受信信号強度を測定させるための第1信号又は前記携帯機における受信の成否を判定させるための第2信号を送信する車載送信部と、
    前記携帯機によって測定された前記第1信号の受信信号強度又は前記第2信号の受信の成否を示した前記応答信号、並びに前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯機が受信する信号に係るノイズレベルを検出して得た検出結果を含む検出結果信号を受信する車載受信部と、
    ノイズレベルが小さい場合、前記第1信号の受信信号強度に基づいて、前記携帯機の位置を特定し、ノイズレベルが高い場合、前記第2信号の受信の成否に基づいて、前記携帯機の位置を特定する位置特定部と
    を備える車載機。
  7. 車両から送信される信号を受信し、受信した信号に応じた応答信号を送信する携帯機であって、
    受信信号強度測定用の第1信号又は受信成否判定用の第2信号を受信する携帯側受信部と、
    前記第1信号の受信信号強度を測定する受信信号強度測定部と、
    前記第2信号の受信の成否を判定する成否判定部と、
    前記第1信号及び第2信号が送信されていない期間に前記携帯側受信部が受信する信号に係るノイズレベルを検出するノイズレベル検出部と、
    前記受信信号強度測定部によって測定された受信信号強度又は前記成否判定部にて判定された受信の成否を示した前記応答信号、並びに前記ノイズレベル検出部によるノイズレベルの検出結果を含む検出結果信号を送信する携帯側送信部と
    を備える携帯機。
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