JP2017133605A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間に亘って密封性を確保することができる転がり軸受を提供する。【解決手段】 内輪と、外輪と、内外輪間の環状空間に転動可能に配置された複数の転動体と、前記環状空間を密封する密封部材とを備えた転がり軸受であって、前記外輪の内周面は、内側内周面とその端部に設けられた面取り面とからなり、前記密封部材は、前記内側内周面に固定された円筒状の芯金嵌合部を有する環状の芯金と、前記芯金に固定された弾性材料からなる環状のシール部材とを有し、前記シール部材は、外周面に前記芯金嵌合部より軸方向外方で前記外輪の内周面と接触する複数条の環状の凸条を備え、前記外輪の内周面に固定された固定シール部を有し、複数条の前記凸条は、前記内側内周面に締まり嵌めされる内側凸条、及び、前記内側凸条より軸方向外方にあり前記内側内周面に締まり嵌めされる部分と前記面取り面に接触する部分とを有する外側凸条を含む転がり軸受。【選択図】 図2

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
自動車等の車両の車輪が取り付けられる転がり軸受(ハブユニット)として、例えば、内輪と、この内輪に転動体を介して外嵌された外輪とを備えたものがある。この転がり軸受では、内輪と外輪との間の環状空間を密封するための密封部材が、環状空間の端部に装着されている。
ハブユニットは、泥水等に晒される環境で使用されるため、ハブユニットに装着された密封部材は、軸受内部に泥水等が侵入することを防止することが求められている。
ハブユニットに用いられる密封部材として、例えば、特許文献1には、図5に示すように、外輪122の一端部の内周面122aに所定のシメシロを介して圧入される芯金112と、この芯金112に接合されたシール部材128とからなる密封部材125が開示されている。
この密封部材125では、芯金112が、外輪122に圧入される円筒状の嵌合部112aと嵌合部112aから径方向内方に延びる内径部112bとを有し、シール部材128が、内径部112bから嵌合部112aにわたる外表面を覆うように接合されている。更に、シール部材128の外周側には、嵌合部112aの外径よりも僅かに大径の環状凸部129が1箇所突出して形成されており、この環状凸部129も外輪122に圧入されている。また、シール部材128は、内輪123と摺接する第1〜第3のリップ部128a〜128cを有している。
特開2012−112494号公報
特許文献1に開示された密封部材では、シール部材の外周側に外輪に圧入される環状凸部を設けることにより、密封部材による密封性の向上を図っている。
このような環状凸部を有する密封部材では、外輪とこの外輪に嵌合するシール部材との密着性を高めることができるため、使用初期の密封性は向上させることができる。
一方、ハブユニットに装着された密封部材は、使用環境上、ブレーキ等からの熱の影響を受けやすく、熱履歴によりシール部材の弾性が損なわれると密封性を確保することができなくなり、その場合、泥水等が環状空間内に侵入してしまうという問題があった。
そのため、長期間に亘って泥水等の侵入を抑制し、密封性が確保される密封部材を備えた転がり軸受が求められているが、特許文献1に開示された密封部材ではこの要求を充分に満足することができなかった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、熱の影響を受けやすい環境下で使用する場合であっても長期間に亘って密封性を確保することができる転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、上記内輪と上記外輪との間の環状空間に転動可能に配置された複数の転動体と、上記外輪の少なくとも一端部に取付けられた上記環状空間を密封する密封部材とを備えた転がり軸受であって、
上記外輪の内周面は、上記密封部材が取り付けられた端部に設けられた面取り面と、上記面取り面より軸方向内方に設けられた内側内周面とからなり、
上記密封部材は、上記内側内周面に嵌合されて上記外輪に固定された円筒状の芯金嵌合部を有する環状の芯金と、上記芯金に固定された弾性材料からなる環状のシール部材とを有し、
上記シール部材は、外周面に上記芯金嵌合部より軸方向外方で上記外輪の内周面と接触する複数条の環状の凸条を備え、上記外輪の内周面に固定された固定シール部を有し、
複数条の上記凸条は、上記内側内周面に締まり嵌めされる内側凸条、及び、上記内側凸条より軸方向外方にあり上記内側内周面に締まり嵌めされる部分と上記面取り面に接触する部分とを有する外側凸条を含む、ことを特徴とする。
本発明の転がり軸受によれば、芯金が有する芯金嵌合部と、シール部材が有する固定シール部とによって、外輪の内周面と密封部材の外周面との間から水等が浸入することを抑制することができる。
更に、上記シール部材が有する固定シール部の外周面は外輪の内周面と接触する環状の凸条を複数条備えている。これらの複数条の凸条は、内側内周面と面取り面とからなる内周面を備えた外輪に対して、上記内側内周面に締まり嵌めされる内側凸条と、上記内側内周面に締まり嵌めされる部分と上記面取り面に接触する部分とを有する外側凸部とを含んでいる。この場合、上記内側凸条のように全体が締まり嵌めで取り付けられた凸条と、上記外側凸条のように締まり嵌めされた部分と上記面取り面に接触した部分とを有するように取り付けられた凸条とでは、外輪からの締め付け状態が異なるため、凸条が劣化するまでに掛かる時間(シール性能に必要な弾性が失われるまでの時間、以下劣化時間ともいう)が異なっている。上記状態で取り付けられた密封部材では、内側凸条の劣化時間が短く、上記外側凸条の劣化時間が長くなる。
そのため、上記密封部材において、固定シール部の外周面に設けられた複数条の凸条が、熱の影響等によって時間の経過とともに劣化していく際に、上記内側凸条が劣化してその部分の密封性が損なわれても、その時点では、上記外側凸条の弾性はそれほど低下しておらず、上記外側凸条による密封性は確保されたままである。
従って、本発明の転がり軸受では、上記内側凸条の密封性が劣化により損なわれた後も、上記外側凸条によって密封性を確保することができる。その結果、上記転がり軸受では、上記密封部材の寿命が長くなり、長期間に亘って密封性を確保することができる。
また、上記転がり軸受は、上記外側凸条が外輪の内側内周面に締まり嵌めされつつ、面取り面にも接触しているため、内側内周面と面取り面との境界部分も確実にシールすることができる。
上記転がり軸受において、上記密封部材の上記固定シール部は、上記外輪の上記内側内周面に接触する内側接触部と、上記外輪の上記面取り面に接触する外側接触部を有し、
上記外側接触部は、上記面取り面に沿って軸方向外方に拡径した外周面を有し、上記面取り面のみに接触する上記凸条を上記外周面に少なくとも1つ備える、ことが好ましい。
このような転がり軸受では、上記固定シール部が、上述した形状の外側接触部を備えているため、上記外輪の内周面と上記固定シール部の外周面との間から水等がより浸入しにくくなる。
更に、内側接触部より外径の大きい上記外側接触部に設けられた上記面取り面と接触する凸条(拡径凸条)は、上記内側内周面とは接触しないため、内側内周面に締まり嵌めされた上記内側凸条や上記外側凸条に比べて劣化時間が長い。そのため、上記密封部材では、上記内側凸条や上記外側凸条の密封性が損なわれた後は、上記拡径凸条によって密封性を確保することができる。よって、上記転がり軸受は、より長期間に亘って密封性を確保することができる。
上記転がり軸受では、上記固定シール部の外周面において、隣接する上記凸条同士に挟まれた部分が、グリースを保持していることが好ましい。
この場合、上記外輪の内周面と上記密封部材の外周面との間からの水の浸入をより効果的に抑制することができる。また、上記密封部材を組み付ける際にシール部材の外周面にかじれ等が生じることを抑制することができ、上記転がり軸受は、部品の組付け性が良好となる。
本発明によれば、長期間に亘って密封性を確保することができる転がり軸受を提供することができる。
第1実施形態に係る転がり軸受を示す断面説明図である。 (a)は図1の転がり軸受が備える一方の密封部材を示す断面説明図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図1の転がり軸受が備える他方の密封部材を示す断面説明図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)、(b)ともに、第2実施形態に係る転がり軸受の密封部材が備える固定シール部の要部拡大図である。 従来の密封部材を示す断面説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る転がり軸受及び密封部材を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る転がり軸受を示す断面説明図である。図2(a)は図1の転がり軸受が備える一方の密封部材を示す断面説明図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。図3は、図1の転がり軸受が備える他方の密封部材を示す断面説明図である。
なお、図2(a)及び図3(a)には、内軸と外輪との間に取り付けられてシール部材が変形する前の自由状態の密封部材を示している。一方、図2(b)及び図3(b)には、それぞれ図2(a)及び図3(a)に示した密封部材が取り付けられた後の状態を示している。
また、これらの図における左右方向を軸方向といい、上下方向を径方向という。更に、た、軸方向に関して、転がり軸受1の内部から外部へ向かう側(又は方向)を軸方向外側(又は軸方向外方)といい、転がり軸受1の外部から内部へ向かう側(又は方向)を軸方向内側(又は軸方向内方)という。
図1に示すように、転がり軸受1は、車両の車輪が取り付けられる内輪7と、この内輪7の径方向外方に設けられた外輪3と、内輪7と外輪3との間に設けられた複列の転動体4、5とを備えている。
内輪7は、内軸2と内輪構成部材6とからなり、内軸2は車両アウタ側(図1における左側)の端部に車輪側部材(図示せず)を取り付けるためのフランジ2aを有している。内軸2の車両インナ側(図1における右側)には、小径部2bが形成されており、その小径部2bに内輪構成部材6が外嵌されている。内輪構成部材6はその外周面に車両インナ側の転動体5用の内輪軌道6aが形成されている。また、内軸2の軸方向中間部の中径部2cに車両アウタ側の転動体4用の内軸軌道2dが形成されている。更に、内軸2は、車両インナ側の端部に、径方向外方へ拡開状に折曲されたかしめ部2eを有しており、このかしめ部2eによって内輪構成部材6が内軸2に対して抜け止め固定されている。
外輪3は、複列の転動体4、5を介して内輪7と同軸心状に設けられている。この外輪3の内周面は、内側内周面3aと内側内周面3aの両端部に設けられた面取り面3dとからなる。さらに、内側内周面3aには、複列の転動体4、5用の外輪軌道3cが形成されている。また、外輪3の外周面にはフランジ3bが形成されており、このフランジ3bが図示しない車体側部材に取り付けられることによって、転がり軸受1が車体側部材に固定される。したがって、外輪3が固定側とされ、内輪7が軸心回りに回転する回転側(回転部材)とされる。そして、内輪7と外輪3との間の環状空間Rを封止するために、軸方向両端部に環状の密封部材8,9が設けられている。
車両アウタ側(図1中、左側)の密封部材8は、図2(a)に示すように、内軸2のフランジ2aの車両インナ側の面(以下、フランジ面という)2f及びこのフランジ面2fから連続して形成されている大径部の外周面2gと、外輪3との間に設けられている。
密封部材8は、転がり軸受1の外部から転動体4、5側への泥水等の異物の侵入と、転動体4、5側である転がり軸受1の内部からの潤滑剤の漏洩とを防止する。
図2(a)、(b)に示すように、密封部材8は、芯金12とシール部材13とを備える。
芯金12は、外輪3の内側内周面3aに嵌合されて固定される円筒状の芯金嵌合部12aと、この芯金嵌合部12aの軸方向外側(図2における左側)の端部から軸方向外方へ縮径しながら延びる縮径円筒部12bと、縮径円筒部12bの軸方向外側の端部から径方向内方へ屈曲して延びる第1円環部12cと、第1円環部12cの径方向内側に位置する円筒状の連結部12dと第2円環部12eとからなり、第1円環部12cの径方向内側の端部と第2円環部12eの径方向外側の端部とは連結部12dを介して連結されている。
芯金12は全体が環状となっており、例えば、冷延鋼板であるSPCC,SPCD,SPCE等をプレス加工することで形成される。
シール部材13は、合成ゴム等の弾性材料からなり、主として、芯金12の軸方向外側に芯金12と一体となるよう固着されている。
シール部材13は、芯金12の縮径円筒部12bの外周側に、外輪3の内側内周面3aに圧接される固定シール部13aを備えている。固定シール部13aの外周面には、芯金嵌合部12a側に位置する環状の内側凸条13bと、内側凸条13bの軸方向外側に位置する環状の外側凸条13cとが設けられている。内側凸条13bと外側凸条13cとは、ともに断面台形状を有しており、つぶれ代は略同一である。内側凸条13bは全体が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされており、外側凸条13cは一部分13c1が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされ、他の一部分13c2が外輪3の面取り面3dに接触している(図2(b)参照)。
また、内側凸条13bと外側凸条13cとの間に挟まれた部分(窪み13d)の底部も外輪3の内側内周面3aに接触している。
また、この窪み13dは内側内周面3aとの間にグリースを保持している。このグリースは、密封部材8の組み付け前に窪み13dに封入しておけばよい。そのため、密封部材8は、外輪3に組み付ける際に固定シール部13aにかじれ等が生じることを抑制することができる。更には、上記グリースを保持することにより、外輪3の内周面とシール部材13の外周面との間から水等が侵入することをより効果的に抑制することができる。
シール部材13は、更に、芯金12の第1円環部12cの径方向内端部近傍に位置する第1基部13eから延び、内軸2のフランジ面2fに摺接するサイドリップ13fと、芯金12の第2円環部12eの径方向内端部近傍に位置する第2基部13gから延び、フランジ面2fから連続して形成されている大径部の外周面2gに摺接する主リップ13h及び副リップ13iとを備えている。
密封部材8は、外側凸条13cの一部分(外側凸条13cの上面のほぼ半分)13c1が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされ、他の一部分13c2が面取り面3dと接触するように外輪3に取り付けられている。一方、内側凸条13bは全体が内側内周面3aに締まり嵌めされている。内側凸条13b及び外側凸条13cの外輪3の内周面に対する接触状態をこのような状態にするには、例えば、密封部材8を外側凸条13cの一部分まで芯金嵌合部12a側から転がり軸受1(外輪3)に圧入すればよい。外側凸条13cの一部分まで圧入すれば外側凸条13cの他の一部分は面取り面3dに接触する。
密封部材8では、内側凸条13bは全体が内側内周面3aに締まり嵌めされているのに対し、外側凸条13cは一部分13c1のみが内側内周面3aに締まり嵌めされている。そのため、外側凸条13cの劣化時間は、内側凸条13bの劣化時間に比べて長くなる。そのため、内側凸条13bの密封性が熱等による劣化によって損なわれた後は、外側凸条13cで密封性を確保することができる。
さらに、密封部材8では、窪み13dも内側内周面3aに接触している。一方、窪み13dは、外輪3からの締め付けが弱いため、その劣化時間は内側凸条13bや外側凸条13cに比べてより長くなる。そのため、外側凸条13cの密封性が損なわれた後は、窪み13dで密封性を確保することができる。
従って、密封部材8では、内側凸条13bの密封性が熱等による劣化によって損なわれた後は、外側凸条13cで密封性を確保することができ、内側凸条13b及び外側凸条13cの密封性が損なわれた後は、窪み13dで密封性を確保することができる。これにより、密封部材8による密封性は、長期間に亘って良好となる。
車両インナ側(図1中、右側)の密封部材9は、図3(a)に示すように外輪3の内側内周面3aと内輪構成部材6の外周面6bとの間に設けられ、転がり軸受1の外部から転動体4、5側への泥水等の異物の侵入と、転動体4、5側である転がり軸受1の内部からの潤滑剤の漏洩とを防止する。
図3(a)、(b)に示すように、密封部材9は、外輪3に固定されるシール本体20と、内輪構成部材6に固定されるスリンガ21とを備えている。シール本体20は、芯金22とシール部材23とを備える。
芯金22は、外輪3の内側内周面3aに嵌合されて固定される円筒状の芯金嵌合部22aと、この芯金嵌合部22aの軸方向外側(図3における右側)の端部から軸方向外方へ延びる外径が芯金嵌合部22aより少し小さい外側円筒部22bと、芯金嵌合部22aの軸方向内側の端部から径方向内方へ屈曲して延びる円環部22cとからなり、断面略L字型に形成されている。
芯金22は全体が環状となっており、例えば、冷延鋼板であるSPCC,SPCD,SPCE等をプレス加工することで形成される。
シール部材23は、合成ゴム等の弾性材料からなり、主として、芯金22の外側円筒部22bの外周面、芯金嵌合部22a及び外側円筒部22bの内周面、並びに、円環部22cの軸方向外側の側面に芯金22と一体となるよう固着されている。
シール部材23は、外側円筒部22bの外周面に、外輪3の内側内周面3aに圧接される固定シール部23aを備えている。固定シール部23aの外周面には、芯金嵌合部22a側に位置する環状の内側凸条23bと、内側凸条23bの軸方向外側に位置する環状の外側凸条23cとが設けられている。内側凸条23bと外側凸条23cとは、ともに断面台形状を有しており、つぶれ代は略同一である。内側凸条23bは全体が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされており、外側凸条23cは一部分23c1が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされ、他の一部分23c2が外輪3の面取り面3dに接触している(図3(b)参照)。
また、内側凸条23bと外側凸条23cとの間に挟まれた部分(窪み23d)の底部も外輪3の内側内周面3aに接触している。
また、この窪み23dは内側内周面3aとの間にグリースを保持している。これにより、密封部材8と同様、組み付け性に優れるともに、水等の侵入をより効果的に抑制することができる。
シール部材23は、更に、芯金22の円環部22cの径方向内端部近傍に位置する基部23eから延び、後述するスリンガ21の円筒部21aの外周面に摺接する主リップ23f及び副リップ23gと、基部23eから延び、スリンガ21の円環部21bの軸方向内側の側面に摺接するサイドリップ23hとを備えている。
スリンガ21は、内輪構成部材6の外周面6bに外嵌された円筒形状の円筒部21aと、この円筒部21aの軸方向外側の端部から径方向外方へ略垂直に屈曲して延びる円環部21bとからなり、断面略L字型に形成されている。このスリンガ21は、全体が環状となっており、例えばステンレス鋼等の金属板をプレス加工(絞り加工)することで形成される。
密封部材9(シール本体20)は、外側凸条23cの一部分(外側凸条23cの上面のほぼ半分)23c1が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされ、他の一部分23c2が面取り面3dと接触するように外輪3に取り付けられている。一方、内側凸条23bは全体が内側内周面3aに締まり嵌めされている。内側凸条23b及び外側凸条23cの外輪3の内周面に対する接触状態をこのような状態にするには、例えば、シール本体20を外側凸条23cの一部分まで芯金嵌合部22a側から転がり軸受1(外輪3)に圧入すればよい。
また、スリンガ21は、円筒部21aが芯金22の芯金嵌合部22aに間隔をあけて対向し、円環部21bが芯金22の円環部22cに間隔をあけて対向するように、内輪構成部材6に外嵌されている。
密封部材9では、内側凸条23bは全体が内側内周面3aに締まり嵌めされているのに対し、外側凸条23cは一部分23c1のみが内側内周面3aに締まり嵌めされている。そのため、外側凸条23cの劣化時間は、内側凸条23bの劣化時間に比べて長くなる。また、窪み23dも内側内周面3aに接触しており、その劣化時間は内側凸条23bや外側凸条23cに比べてより長くなる。
従って、密封部材9では、密封部材8と同様に、内側凸条23bの密封性が熱等による劣化によって損なわれた後は、外側凸条23cで密封性を確保することができ、内側凸条23b及び外側凸条23cの密封性が損なわれた後は、窪み23dで密封性を確保することができる。そのため、密封部材8による密封性は、長期間に亘って良好となる。
(第2実施形態)
本実施形態に係る転がり軸受は、車両アウタ側の密封部材38が、第1実施形態の密封部材8と異なる以外は、第1実施形態に係る転がり軸受と同様の構成を備える。
詳細には、密封部材38のシール部材33が有する固定シール部33aの構成が、第1実施形態の固定シール部13aと異なる以外は、第1実施形態の密封部材8と同様である。
よって、ここでは第1実施形態の密封部材8と異なる構成についてのみ説明する。
図4(a)、(b)には、密封部材38が備える固定シール部33a付近の形状のみを図示する。ここで、第1実施形態の密封部材8と同一の部材については同一の符号を付与している。
図4は、(a)、(b)ともには、第2実施形態に係る転がり軸受の密封部材が備える固定シール部33aの要部拡大図である。なお、図4(a)、(b)は同じ部分を示しており、(a)には、密封部材38が内軸と外輪との間に取り付けられてシール部材(固定シール部)が変形する前の自由状態を示し、(b)には、密封部材38が内軸と外輪との間に取り付けられた後の状態を示している。
図4(a)、(b)に示すように、本実施形態の密封部材38において、シール部材33は、芯金12と一体となるよう固着されており、芯金12の縮径円筒部12bの外周側に外輪3の内側内周面3aに圧接される固定シール部33aを備えている。
固定シール部33aは、外輪3の内側内周面3aと接触する内側接触部34と、内側接触部34より軸方向外方(図4中、左側)に設けられ、外輪3の面取り面3dと接触する外側接触部35とを備えている。外側接触部35は、外輪3に設けられた面取り面3dに沿って軸方向外方に拡径した外周面を備える。
内側接触部34の外周面には、芯金嵌合部12a側に位置する環状の内側凸条34aと、内側凸条34aの軸方向外側に位置する環状の外側凸条34bとが設けられている。ここで、外側凸条34bは、内側接触部34の外周面と外側接触部35の外周面とに跨って設けられている。内側凸条34aは全体が外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされている。一方、外側凸条34bは、上述した通り、内側接触部34の外周面と外側接触部35の外周面とに跨って設けられており、外側凸条34bの一部分34b1は外輪3の内側内周面3aに締まり嵌めされ、他の一部分34b2は外輪3の面取り面3dに接触している(図4(b)参照)。
また、内側凸条34aと外側凸条34bとの間に挟まれた部分(窪み34c)の底部も外輪3の内側内周面3aに接触している。この窪み34cは内側内周面3aとの間にグリースを保持している。このグリースにより、第1実施形態と同様、組み付け性の向上、及び、水の侵入を抑制する性能の向上が図られている。
外側接触部35の外周面には、内側接触部34側に位置する環状の第1凸条35aと、この第1凸条35aより軸方向外側に位置する環状の第2凸条35bとが設けられている。これらの凸条35a,35bはともに外輪3の面取り面3dと接触している。
このように、内側接触部34の軸方向外側に面取り面3dに沿って拡径する外側接触部35を設け、さらに、外側接触部35の外周面に凸条を設けることにより、外輪3の内周面と密封部材38との間の密封性がさらに向上し、水等がより侵入しにくくなる。
外側凸条34bと第1凸条とに挟まれた部分(窪み34d)及び、第1凸条35aと第2凸条35bとの間に挟まれた部分(窪み35c)の底部も外輪3の面取り面3dに接触している。これらの窪み34d,35cは面取り面3dとの間にグリースを保持している。このグリースにより、水等の侵入を抑制する性能はさらに向上する。
密封部材38では、内側凸条34aは全体が内側内周面3aに締まり嵌めされているのに対し、外側凸条34bは一部分34b1のみが内側内周面3aに締まり嵌めされている。そのため、外側凸条34bの劣化時間は、内側凸条34aの劣化時間に比べて長くなる。さらに、外側接触部35の外周面には第1及び第2凸条35a,35bが設けられている。第1及び第2凸条35a,35bは、内側接触部34の外周面に設けられた内側凸条34a及び外側凸条34bよりも芯金嵌合部12aから軸方向外方に離れ、かつ径方向外方の位置で外輪3の内周面(面取り面3d)と接触しているため、内側凸条34a及び外側凸条34bと比べて劣化時間が長くなっている。
従って、密封部材38では、内側凸条34aの密封性が熱等による劣化によって損なわれた後は外側凸条34bで密封性を確保することができ、更に内側凸条34a及び外側凸条34bの密封性が損なわれた後は、外側接触部35の外周面に設けられた第1及び第2凸条35a,35bで密封性を確保することができる。
密封部材38では、更に、隣接する各凸条の間に挟まれた窪み34c,34d,35cも外輪3の内周面(内側内周面3a又は面取り面3d)と接触している。そのため、各凸条の密封性が損なわれた後は、これらの窪みで密封性を確保することもできる。
このような密封部材38の密封性は、第1実施形態に係る密封部材8,9と同様、長期間に亘って良好となる。
更に、密封部材38では、固定シール部33aが外輪3の面取り面3dと接触するのに適した外側接触部35を備えているため、密封部材38の外周面の間からの水の侵入をより効果的に抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明の実施形態は、これらの実施形態に限定されることなく特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更できるものである。
例えば、本発明の実施形態に係る転がり軸受は、第1実施形態の転がり軸受において、車両アウタ側の密封部材8及び車両インナ側の密封部材9のうちのいずれか一方が上述した本発明の実施形態の密封部材であり、他方が他の構成の密封部材であってもよい。
また、第2実施形態の転がり軸受は、車両アウタ側の密封部材として、シール部材の固定シール部が内側接触部と外側接触部とを備えた密封部材を採用しているが、本発明の実施形態の転がり軸受では、車両インナ側の密封部材に、固定シール部が内側接触部と外側接触部とを備えた密封部材が採用されてもよいし、車両アウタ側及び車両インナ側の両方の密封部材に、固定シール部が内側接触部と外側接触部とを備えた密封部材が採用されてもよい。
また、本発明の実施形態に係る転がり軸受では、隣接する凸条同士の間に挟まれた部分(窪み)が必ずしも外輪の内周面に接触していなくてもよい。
また、本発明の実施形態に係る転がり軸受では、固定シールの外周面に形成される環状の凸条の条数も第1、第2実施形態の条数に限定されない。そのため、例えば、軸方向において内側凸条と外側凸条とに挟まれた別の凸条を有していてもよい。また、各凸条の断面形状も第1、第2実施形態で示した形状に限定されるわけではない。
第1及び第2実施形態に係る転がり軸受では、密封部材が固定シール部の外周面に環状の凸条を備え、隣接する凸条同士の間に環状の窪みが形成されているが、本発明の実施形態において、この窪みは必ずしも周方向全体において連続した環状の窪みである必要はなく、周方向において断続的に形成された窪みであってもよい。この場合も窪みにグリースが封入されていてもよい。
本発明の実施形態に係る転がり軸受は、車両の車輪が取り付けられる転がり軸受(ハブユニット)に限定されず、トランスミッション用の転がり軸受等、他の用途の転がり軸受であってもよい。
1:転がり軸受、2:内軸、3:外輪、3a:内側内周面、3d:面取り面、4,5:転動体、6:内輪構成部材、7:内輪、8,9,38:密封部材、12,22:芯金、12a,22a:芯金嵌合部、13,23,33:シール部材、13a,23a,33a:固定シール部、13b,23b,34a:内側凸条、13c,23c,34b:外側凸条、13d,23d,34c,34d,35c:窪み、34:内側接触部、35:外側接触部、35a:第1凸条、35b:第2凸条

Claims (3)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間の環状空間に転動可能に配置された複数の転動体と、前記外輪の少なくとも一端部に取付けられた前記環状空間を密封する密封部材とを備えた転がり軸受であって、
    前記外輪の内周面は、前記密封部材が取り付けられた端部に設けられた面取り面と、前記面取り面より軸方向内方に設けられた内側内周面とからなり、
    前記密封部材は、前記内側内周面に嵌合されて前記外輪に固定された円筒状の芯金嵌合部を有する環状の芯金と、前記芯金に固定された弾性材料からなる環状のシール部材とを有し、
    前記シール部材は、外周面に前記芯金嵌合部より軸方向外方で前記外輪の内周面と接触する複数条の環状の凸条を備え、前記外輪の内周面に固定された固定シール部を有し、
    複数条の前記凸条は、前記内側内周面に締まり嵌めされる内側凸条、及び、前記内側凸条より軸方向外方にあり前記内側内周面に締まり嵌めされる部分と前記面取り面に接触する部分とを有する外側凸条とを含む、ことを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記密封部材の前記固定シール部は、前記外輪の前記内側内周面に接触する内側接触部と、前記外輪の前記面取り面に接触する外側接触部を有し、
    前記外側接触部は、前記面取り面に沿って軸方向外方に拡径した外周面を有し、前記面取り面のみに接触する前記凸条を外周面に少なくとも1つ備える、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記固定シール部の外周面において、隣接する前記凸条同士に挟まれた部分は、グリースを保持している請求項1又は2に記載の転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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