JP2017132953A - 構造用接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性を低下させることなく、かつ、ホットアプライによる塗布作業性の低下やウエルドボンド工法における低温下での接合部の接着強度の低下を招くことなく、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度における粘度を向上させること。【解決手段】構造用接着剤組成物は、少なくともエポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有し、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂を配合重量比1:2〜2:1の範囲内で併用し、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子を45〜90重量部の範囲内、反応性希釈剤を18〜40重量部の範囲内で配合した。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車、産業用車両の車体パネル等の構造接着に使用する構造用接着剤組成物であって、特に、被塗布物に塗布する際に加熱によって減粘させて塗布する構造用接着剤組成物に関するものである。
近年、地球温暖化の抑制と地球環境の保護を究極の目標とした自動車等の車両の燃費の向上を主目的として、低燃費化の動きが加速しているのに伴い、車両の軽量化の検討が活発に試みられている。軽量化実現の一手段として、例えば、自動車等の車両の車体パネル等では、鋼板の厚みを薄くする薄肉化を行ったり、アルミニウム等の軽量な材料を使用したりすることで、軽量化する試みがなされている。
一方で、消費者のニーズに対応して自動車の高性能化や高級化も進んでおり、走行性能、操作性能、衝突安全性等の向上を目的として車体の剛性を高める検討もなされている。車体の剛性を高めるために、従来は構造部材の厚肉化や補強板の組み付け等が行われていたが、構造部材の厚肉化や補強板の組み付けは、車体の重量増加に繋がり、自動車の軽量化のトレンドに対応できないでいた。
そこで、車体の軽量化と剛性の向上を両立させる技術として、構造部材の接合を強化させる方法が試みられており、その接合方法の一つとして、接着剤とスポット溶接との併用による接合技術(ウエルドボンド工法)が注目されている。このウエルドボンド工法においては、一般的に、まず接合部位に接着剤が塗布され、次いでスポット溶接がなされる。ここでのスポット溶接は、接合部位に接着剤(接着剤組成物)が塗布された複数の鋼板等の構造部材を重ね合わせ、それらを棒状の電極で挟んで接合させる鋼板等の構造部材を圧着し、そこに大電流を流すことによって行われ、電極間に通電されたその抵抗熱で鋼板等の構造部材を高温化して溶接するものである。
スポット溶接前に接合部位に塗布される接着剤としては、エポキシ樹脂系の加熱硬化型接着剤(構造用接着剤)が広く用いられており、接合部位に塗布した接合部間の接着剤はスポット溶接直後に加熱によって硬化させることも可能であるが、工数の低減やコスト削減等の観点から、通常は、車体組み立て工程の後に行われる電着塗装工程後の塗装乾燥炉での電着塗膜の焼付と同時に、塗装乾燥炉の熱を利用して硬化される。
ところで、車体組み立て工程後に行われる電着塗装工程では、防錆を目的とした下地処理(電着塗装)の前処理として、一般的に、車体の洗浄が行われている。
ここで、上述したように、車体組立工程で接合部位に塗布した接着剤は電着塗装工程後の塗装乾燥炉の熱を利用して硬化させているため、電着塗装工程における洗浄処理の際には、かかる接着剤は未硬化の状態にある。
このため、電着塗装工程内において電着塗装の前処理で施される洗浄処理に使用される水流の力(流水圧)によって、接合部位に塗布した接着剤が千切れたり破壊されたりして、飛散、変形(位置ずれ)、流出、脱落等する恐れがある。
特に、鋼板等の接合部位に適用する接着剤は、接合強度、防錆性、塗布状態の管理の観点から、鋼板端部から食み出す程に接合部全面に塗布するのが好ましいが、鋼板の接合部位から食み出た接着剤が、電着塗装工程内の洗浄処理における流水圧によって飛散、流出等して車体表面に付着することで塗装不良を引き起こしたり、電着液を汚染したり、また、流水圧によって接着剤が変形(位置ずれ)等した場合には、後のシーラ塗布工程で不具合を生じさせたりする恐れがある。このため、現状では接着剤の適用は接合部位の一部採用に留まっている。
ここで、洗浄処理時の流水圧による接着剤の飛散等を防止する技術として、例えば、被接着体に接着剤を塗布したのち、電着塗装工程前に、短時間で高温加熱して疑似硬化を行うことが知られており、例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂と、ガラス転移温度−30℃以下の(メタ)アクリレート系重合体から成るコア及びガラス転移温度70℃以上の架橋性単量体単位を含有する(メタ)アクリレート系重合体から成るシェルから構成された重量平均粒子径が0.1〜3.0μmのコアを用いて得られるコアシェル型粉末状重合体と、エポキシ樹脂用潜在型硬化剤とを含有することで、疑似硬化性を有するエポキシ樹脂系接着性組成物が開示されている。
しかし、このような予備加熱による疑似硬化は、予備加熱作業及び加熱後の冷却作業等の煩雑な工程が必要で時間や手間を要し、工数とコストの増加を伴うものである。このため、工程上十分な加熱温度と時間をかけることができず、接着剤を十分に硬化させて、洗浄処理時の流水圧による飛散等を防止するにも限界が生じる。加えて、エポキシ系接着剤は、反応性が高く加熱によって発泡し易い傾向があることから、短時間で高温まで急激に加熱させる予備加熱によって疑似硬化させた場合、接着剤の層の内部に発泡が生じやすく、それによって接着強度が低下する恐れがある。
そこで、洗浄処理時の流水圧による接着剤の飛散、変形(位置ずれ)、流出、脱落等の対応として、洗浄処理工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度である40℃付近の温度領域における接着剤の粘度の高設定化が考えられる。
しかしながら、例えば、単純に、高粘度樹脂の多量添加により、または、コロイダル炭酸カルシウムやシリカゲル等のチキソ性(チキソトロピー)を付与する充填剤の多量添加等により高粘度化して電着塗装工程内の雰囲気温度での粘度が高くなるように設計しても、温度変化に対する粘度変動も大きくなることから、塗布時の温度環境条件下での粘度も高いものとなってしまい塗布作業性の低下を招くことになる。また、充填剤の多量添加によって、接着強度にも悪影響を及ぼすことが予想される。
ここで、接着剤の塗布時には作業性に優れるとともに、電着塗装工程あるいはその後の洗浄工程においては高粘度となって飛散・流出を防止できるとして、特許文献2では、ビスフェノールを原料として合成された20℃で液状の主エポキシ樹脂と、NBR及びSBRから選ばれる少なくとも一種からなり主エポキシ樹脂と反応しない固形ゴム成分と、加熱により活性化されるエポキシ樹脂用潜在性硬化剤とを含み、JIS−K2220に基づき剪断速度が15.5sec−1の条件で測定される見掛け粘度において、20℃における見掛け粘度(V20)が200〜500Pa・sの範囲にあり、40℃における見掛け粘度(V40)に対する20℃における見掛け粘度(V20)の比(V20/V40)の値が2.0以上かつ3.0未満の範囲にある構造用接着剤組成物を開示している。
また、塗布作業性、接着強度等の物性を損なうことなく、耐流水圧性に優れるとして、特許文献3において、少なくともエポキシ樹脂と、一次粒子と二次凝集体とが混在する分散形態をなすコアシェル型ゴム粒子と硬化剤とを含有する構造用接着剤組成物が開示されている。
特開平05−065391号公報 特開2013−253131号公報 特開2015−108077号公報
ところが、特許文献2においては、塗布時に加温しないことを前提としており、また、特許文献3でも、実施例において40℃の塗布作業性を評価基準としていることから、室温条件での塗布作業性を考慮すると、洗浄処理工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)での粘度を高くするにも限度があった。
ここで、一般的には未硬化状態の接着剤の粘度(材料粘度)を高く設定するほど温度変化に対する粘度変動も大きくなることから、電着塗装工程内の雰囲気温度条件での粘度が高くなるようにしようとすると、その他の温度領域の粘度も高くなる。このため、上述した接着剤とスポット溶接を併用して接合するウエルドボンド工法において、冬場の低温下では、接合部位に接着剤を塗布して重ね合わせた鋼板等の構造部材をスポット溶接時の電極で挟んだ際でも、鋼板等の構造部材の接合部位に塗布した接着剤が押しつぶされ難くなり、それによって、重ね合わせた鋼板等の構造部材が密着されずに通電不良が生じ、スポット溶接不良となって接合部の接合強度が低下する問題が生じる。
また、被塗布物に塗布する際に加熱によって減粘させて塗布するホットアプライとすることにより塗布作業性を改善できも、粘度が高すぎる場合には、塗布する際の加熱によって十分に減粘させることができず、良好な塗布作業性を確保できない。
そこで、本発明は、接着性を低下させることなく、かつ、ホットアプライによる塗布作業性の低下やウエルドボンド工法における低温下での接合強度の低下を招くことなく、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度における粘度を向上させることができる構造用接着剤組成物の提供を課題とするものである。
請求項1の構造用接着剤組成物は、少なくともエポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、硬化剤と、反応性希釈剤とを含有したものについて発明者らが追及すると、前記エポキシ樹脂として汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂を配合重量比1:2〜2:1の範囲内(1:1を中間として1:2以上、2:1以下)で併用し、前記コアシェル型ゴム粒子が45〜90重量部の範囲内(45重量部以上、90重量部以下)、前記反応性希釈剤が18〜40重量部の範囲内(18重量部以上、40重量部以下)で配合されたものが好適であることが確認された。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項2の構造用接着剤組成物は、発明者らの実験によれば、特に、好ましくは、前記汎用エポキシ樹脂と前記変性エポキシ樹脂は、それぞれ粘度が5000〜200000mPa・s/25℃の範囲内であるものである。
ここで、上記粘度は、JIS−K2220に基づき剪断速度15.5s-1の測定条件で測定されたものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項3の構造用接着剤組成物の前記汎用エポキシ樹脂は、ビフェノールA型エポキシ樹脂であり、前記変性エポキシ樹脂は、ウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であるものである。
請求項4の構造用接着剤組成物は、発明者らの実験によれば、特に、好ましくは、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内であるものである。
ここで、上記粘度は、JIS−K2220に基づき剪断速度15.5s-1の測定条件で測定されたものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項5の構造用接着剤組成物は、発明者らの実験によれば、特に、好ましくは、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であり、かつ、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であるものである。
ここで、上記粘度は、JIS−K2220に基づき剪断速度15.5s-1の測定条件で測定されたものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
請求項1の発明の構造用接着剤組成物によれば、少なくとも汎用エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有し、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合重量比を1:2〜2:1の範囲内とし、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子が45重量部〜90重量部の範囲内で配合され、反応性希釈剤が18重量部〜40重量部の範囲内で配合されている。
このように、エポキシ樹脂として汎用エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂を併用して、その配合バランスを所定の範囲内に制御し、また、コアシェル型ゴム粒子の配合量を所定量とし、更に、反応性希釈剤の配合量を所定量に規定することで、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度特性が向上し、しかも、温度変化に対する粘度変動は小さく、ホットアプライによる塗布作業性を確保でき、かつ、低温下でもウエルドボンド工法による接合部の接合強度を確保でき、硬化後の接着性も確保できる。
特に、高粘度特性を有する変性エポキシ樹脂を汎用エポキシ樹脂と併用し、その配合バランスが汎用エポキシ樹脂:変性エポキシ樹脂=1:2〜2:1の範囲内であり、更に、発明者らの実験によれば、特に、好ましくは、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子が45重量部〜90重量部の範囲内、反応性希釈剤が18重量部〜40重量部の範囲内であれば、40℃における粘度が例えば、500〜700Pa・sの高い粘度特性とすることができ、そのうえ、40℃の粘度に対する60℃の粘度比を例えば、0.28〜0.40とすることができて、60℃の粘度が例えば、140〜280Pa・sで、加熱塗布時に塗布に適度な粘度特性を有し良好な塗布作業性が得られる。また、40℃の粘度に対する5℃の粘度比を例えば、9.3〜12.3とすることができ、5℃の粘度が例えば、5000〜8000Pa・sで、冬場の低温下でもウエルドボンド工法においてスポット溶接に際して接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有し、接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、接合部において良好な接合強度が得られ、かつ、硬化後の接着性も良好に確保できる。
こうして、本発明の構造用接着剤組成物によれば、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度が極めて高いにも関わらず、温度変化に対する粘度変動が小さくて、硬化を生じさせない温度での加熱によって十分に減粘が可能な粘度特性を有し、また、低温下でもウエルドボンド工法における構造用接着剤組成物塗布後のスポット溶接に際して接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、良好な塗布作業性及び接合強度が得られ、更に、接着性も確保できる。
即ち、接着性を低下させることなく、かつ、ホットアプライによる塗布作業性や低温下でのウエルドボンド工法による接合強度の低下を招くことなく、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度における粘度を向上させることができる。
請求項2の発明の構造用接着剤組成物は、発明者らの実験によると、特に、好ましくは、前記汎用エポキシ樹脂と前記変性エポキシ樹脂は、それぞれ粘度が5000〜200000mPa・s/25℃の範囲内である。エポキシ樹脂の粘度が5000〜20000mPa・s/25℃の範囲内であれば、請求項1に記載の効果に加えて、所望とする粘度特性の調製が容易にできる。
請求項3の発明の構造用接着剤組成物によれば、前記汎用エポキシ樹脂は、ビフェノールA型エポキシ樹脂であり、前記変性エポキシ樹脂は、ウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、低コストで、高い剪断強度や剥離強度が得られて高い接着性を確保できる。
請求項4の発明の構造用接着剤組成物によれば、発明者らの実験によれば、特に、好ましくは、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内である。
40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度が極めて高いことで、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、耐流水圧性が極めて高くなり洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難くなるから、接合部位への塗布範囲を広げたり塗布厚みを増やしたりすることが可能である。即ち、接合部位への塗布範囲を広げることで、また、塗布厚みを増やすことで接合端部から接着剤組成物が食み出したとしても、その接着剤組成物の余剰部が洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難いことで車体に付着して塗装不良や電着液の汚染を招く恐れがない。
また、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であるから、低温下でもウエルドボンド工法のスポット溶接時において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、 また、適度な定着性で、高い接合強度が得られる。
更に、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内であるから、硬化を生じさせない温度での加熱によって塗布作業に適した粘度特性を有し、塗布後も垂れ難く形状保持性が高い。
請求項5の発明の構造用接着剤組成物は、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であり、かつ、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であるものである。
40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度が極めて高いことで、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、耐流水圧性が極めて高くなり洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難くなるから、接合部位への塗布範囲を広げたり塗布厚みを増やしたりすることが可能である。即ち、接合部位への塗布範囲を広げることで、また、塗布厚みを増やすことで接合端部から接着剤組成物が食み出したとしても、その接着剤組成物の余剰部が洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難いことで車体に付着して塗装不良や電着液の汚染を招く恐れがない。
また、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であるから、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度特性が極めて高くても温度変化に対する粘度変動が小さいことで、低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される粘度特性を有し、接合する構造部材同士を密着できて通電不良を生じさせることがなく、高い接合強度が得られる。
更に、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であるから、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度特性が極めて高くても温度変化に対する粘度変動が小さいことで、硬化を生じさせない温度での加熱によって十分に減粘が可能な粘度特性を有して塗布作業性を確保でき、塗布後も垂れ難いものとなっている。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の構造用接着剤組成物(以下、「接着剤組成物」と省略することもある)は、少なくとも汎用エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有するものである。
本実施の形態においては、エポキシ樹脂として汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂が併用される。
汎用エポキシ樹脂は、一般的に変性エポキシ樹脂と比較して、接着剤組成物硬化後の硬化物(接着剤組成物の塗膜)において高い柔軟性や強度を付与できるものであり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を始めとし、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂ビスフェノールP型エポキシ樹脂等のビスフェノール型のニ官能エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
中でも、入手が容易で安価であり、高粘度の選択が可能で粘度調整も容易にできることから、また、硬化した際の強度や硬さの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
変性エポキシ樹脂は、一般的に汎用エポキシ樹脂よりも高粘度特性を有し、硬化物(塗膜)において高い強靭性や可塑性を付与できるものであり、例えば、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、チオコール変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが可能である。中でも、ウレタン変性エポキシ樹脂や、CTBN変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂が、汎用エポキシ樹脂や硬化剤との相溶性にも優れ、また、入手が容易であり安価であることから好ましい。
なお、ウレタン変性エポキシ樹脂は、分子中にウレタン結合と2個以上のエポキシ基とを有する樹脂であればよく、例えば、水酸基を有するポリヒドロキシ化合物(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ヒドロキシカルボン酸とアルキレンオキシドの付加物等)及びイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等)の付加反応により得られるウレタン結合を有する化合物と、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ヒドロキシ基を有するエポキシ化合物)とを反応させて得られる樹脂が使用される。
また、ゴム変性エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2個以上有し、骨格がゴムであるエポキシ樹脂であればよく、骨格を形成するゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、両末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(カルボキシル基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム(carboxyl-terminated butadiene-nitrile rubber:CTBN))、両末端にアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(アミノ基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム(amino-terminated butadiene-nitrile rubber:ATBN))、両末端にカルボキシル基およびアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(カルボキシル基末端及びアミノ基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム)等が挙げられる。
このような汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂を併用することによって、接着剤組成物を硬化して得られる硬化物(接着剤組成物の塗膜)において、汎用エポキシ樹脂による適度な強度と柔軟性が付与され、また、変性エポキシ樹脂による適度な強靭性や可撓性が付与され、洗浄工程時の雰囲気温度条件下で所定の高粘度となり、かつ、良好な接着特性を確保できる。
なお、汎用エポキシ樹脂や変性エポキシ樹脂は、取扱性や接着剤組成物の調製の点から、室温で液状のものが好ましい。室温で液状の汎用エポキシ樹脂は、通常、数平均分子量が300〜1000、エポキシ当量が150〜600である。
さらに、本発明を実施する場合には、必要に応じて、汎用エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂の他に、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールまたはフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、鎖状・脂環式エポキシ樹脂等の三官能以上の多官能エポキシ樹脂を配合することも可能である。
また、コアシェル型ゴム粒子は、ゴム特性または弾性を有するコア層、及び、非ゴム弾性のシェル層の少なくとも2層を有し、シェル層によって中心のコア層を封じ込めた構造からなる粒状材料である。
ここで、コアシェル型ゴム粒子のコア層は、コアシェル型ゴム粒子の内側部分を意味し、コアシェル型ゴム粒子の内部のドメインを形成し得るものである。このコア層としては、ゴム弾性状物質であればよく、典型的には、エラストマーであり、例えば、共役ジエン及び/または低級アルキル(メタ)アクリレートが重合してなるポリマーや、これらと共重合可能なモノマーとが共重合したコポリマーや、ポリシロキサンゴム等からなることが好ましく、更に、エポキシ樹脂に不要であることが好ましい。
なお、共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができ、中でも、安価に入手でき、得られる重合体のゴムとしての性質が良好で重合が容易である点から、ブタジエンが特に好ましい。
低級アルキル(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートは、得られる重合体のゴムとしての性質が良好で、重合が容易である点から特に好ましい。
共役ジエンまたはアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル・シアン化ビニリデン、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を持ったモノマーを共重合させることもできる。例えば、エポキシ基を持つモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、カルボキシル基を持つモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられ、水酸基を持つモノマーとしては、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
加えて、このような共役ジエンまたはアルキル(メタ)アクリレートと共重合可能なモノマーに代えて、または、それらモノマーと併用して、ジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ、ジフェニルシリルオキシ等のアルキル或いはアリル2置換シリルオキシ単位から構成されるポリシロキサンゴムを使用することもできる。このようなポリシロキサンゴムを使用する場合には、必要に応じて、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用するか、ビニル反応性基を持ったシラン化合物をラジカル反応させること等により、予めポリシロキサンに架橋構造を導入しておくことが好ましい。
更に、コアシェル型ゴム粒子のコアを構成する成分として、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(イソ)シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、フタル酸ジアリル等の架橋性モノマー(多官能性モノマー)や、マレイン酸ジアリル、フマール酸モノアリル等の反応性の等しくない2つ以上の不飽和部位を有し反応部位の少なくとも1つは非共役であるグラフト用モノマーを用いることもできる。このような架橋性モノマーまたはグラフト用モノマーを少量、好ましくは、コアシェル型ゴム粒子全体の10重量%以下で用いた場合には、層間の結合が得られ、加熱時においても粒子が変形し難いものとなる。
一方、コアシェル型ゴム粒子のシェル層は、コアシェル型ゴム粒子の外側部分を形成するものであり、通常は、コアシェル型ゴム粒子の最外殻を形成し、エポキシ樹脂に対する親和性(相容性)を有している。このシェル層を構成する物質はゴム弾性を示さない材料であれば特に限定されないが、メチルメタクリレートおよび/またはスチレンのモノマーが重合してなるポリマー、またはこれらと共重合可能なモノマーとが共重合したコポリマーからなることが好ましい。これらは、安価に入手でき、また、良好なグラフト重合性とエポキシ樹脂に対する親和性の双方を可能にでき、広範囲の温度で接着強度を良好にできる。
なお、メチルメタクリレートまたはスチレンと共重合可能なモノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ブロモスチレン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等のビニル重合性モノマーを挙げることができる。中でもエチル(メタ)アクリレートまたはアクリロニトリルが好ましい。
更に、メチルメタクリレートまたはスチレンと共重合可能なモノマーとして、エポキシ基および/またはエポキシ基と反応する官能基、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を持ったモノマーを共重合させることによって、シェル層表面をエポキシ基および/またはエポキシ基と反応する官能基で修飾することも可能である。例えば、エポキシ基を持つモノマーとしては、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、カルボキシル基を持つモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられ、水酸基を持つモノマーとしては、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、シェル層において接着剤組成物が硬化する際に接着剤組成物を構成する他の成分との化学反応性を求める場合には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エポキシアルキル(メタ)アクリレート等の反応性側鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、エポキシアルキルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド(N−置換物を含む)、α,β−不飽和酸、α,β−不飽和酸無水物、及びマレイミド誘導体等からなるモノマー群より選ばれる1種以上の成分を共重合して得られる共重合体がより好ましい。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸無水物、マレイン酸イミド等が挙げられる。また、エポキシ樹脂や硬化剤等と反応する反応基、例えば、グリシジルメタクリレート等のモノマーによって提供されるグリシジル基や、エポキシ基等をシェル層中に含有させることによって反応性(相互作用性)を高めることも可能である。
また、シェル層は、コア層にグラフト及び/または架橋されていてもよく、メチルメタクリレートまたはスチレンと共重合可能なモノマーとして、架橋性モノマーまたはグラフト用モノマーを10重量%以下で用いることも可能である。層間の結合が得られ、加熱時においても粒子が変形し難いものとなる。架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物、ヘキサンジオールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ノルボルネンジメチロールジメタクリレート等のアルカンポリオールポリアクリレート等を挙げることができ、グラフト用モノマーとしては、例えば、アリルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等を挙げることができる。
なお、ゴム状のコア層は、ガラス転移点(Tg)が−20℃以下の物質であり、シェル層は、ガラス転移点(Tg)が50℃以上の物質であることが好ましい。低温での弾性率を下げ、剥離強度を上げることができ、また、高温下でも高い接着性や柔軟性が得られるからである。因みに、ガラス転移点(Tg)とは、動的な粘弾性測定におけるtanδのピーク値の温度をいう。
更に、本発明を実施する場合においては、コアシェル型ゴム粒子が、ゴム弾性を示すコア層が、ゴム弾性を示さないシェル層によって被覆された構造であれば、2層より多い層数で構成されていてもよい。例えば、1つのゴム状材料からなる中心コア層は、その内側に非弾性材料からなる別の層を設けてもよく、また、異なるゴム状材料からなる第2のコア層で囲まれていてもよい。更に、ゴム状コア層は異なる化学組成および/または特性を有する2つ以上のシェル層によって囲まれていてもよく、例えば、軟質(ソフト)コア層、硬質(ハード)シェル層、軟質シェル層、硬質シェル層の構造等とすることも可能である。
そして、このようなコアシェル型ゴム粒子は、その製造方法について特に問われるものではなく、例えば、乳化重合、濁重合、マイクロ懸濁重合等の手法によって製造された市販の製品を使用することが可能である。
なお、接着剤組成物中におけるコアシェル型ゴム粒子の分散形態は、粒子単体としての一次粒子状態、及び/または、単体の粒子が集まって不定形の凝集状態となった二次凝集体状態で分散される。また、コアシェル型ゴム粒子は、乾燥粉末状態の形態で接着剤組成物に添加してもよいし、エポキシ樹脂中に分散された状態で添加してもよい。好ましいコアシェル型ゴム粒子の一次平均粒径は、100nm〜500nmの範囲内であり、該範囲内であれば、分散性も良く、接着強度、粘度特性等の物性が安定的に得られる。
反応性希釈剤としては、エポキシ基を有するエポキシ系希釈剤が使用され、具体的には、一官能基型のn−ブタノールグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、テトラヒドロフルフリルグリシジルエーテル、フルフリルグリシジルエーテル、トリメトキシシリルグリシジルエーテル、その他高級アルコール系グリシジルエーテル、メタアクリル酸グリシジルエステル等や、多官能基型の1,4−ブタンジオール・ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・トリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ダイマー酸・ジグリシジルエステル等が挙げられる。
更に、本実施の形態の構造用接着剤組成物においては、硬化剤が配合され、加熱によって硬化剤が活性化されることで、例えば、車体の電着塗装工程後の焼き付けと同時に高温で加熱硬化されるようになっている。
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤に用いられるもの、即ち、加熱活性形(一般的に、80〜250℃で活性化)の共反応型(多官能型)である潜在性硬化剤や触媒性硬化剤(硬化触媒、硬化促進剤、硬化助剤とも呼ばれる)として知られた任意のものを使用することができ、加熱によって活性化されるものであれば良く、触媒的に機能するものも含まれる。例えば、ジシアンジアミド(DICY)、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等のポリアミン、2−n−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、二塩基酸ヒドラジド等の有機酸ヒドラジド系化合物、N,N−ジアルキル尿素誘導体やN,N−ジアルキルチオ尿素誘導体等の尿素系化合物、テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物、セミカルバジド、シアノアセトアミド、ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、3級アミン等のアミン系化合物、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等のアミノトリアゾール、N−アミノエチルピペラジン、メラミン類、アセトグアナミンやベンゾグアナミン等のグアナミン類、グアニジン類、ジメチルウレア類、三フッ化ホウ素錯化合物、三塩化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の液状フェノール、ポリチオール、トリフェニルホスフィン、ケチミン化合物、スルホニウム塩、オニウム塩、フェノールノボラック樹脂等のエポキシ基と反応する共反応性(多官能性)硬化剤や、アミン系(例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素(DCMU)、三級アミン、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体等のアミン錯体、アミンアダクト化合物等)、イミダゾール系(例えば、2−ペプタデシルイミダゾール(C17Z)、2−ウンデシルイミダゾール(C11Z)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、1,2−ジメチルイミダゾール(1,2DMZ)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、イミダゾールアダクト化合物等)、ヒドラジッド化合物(例えば、アジピン酸ジヒドラジッド、ドデカン二酸ジヒドラジッド)、尿素化合物(例えば、1,1’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)、フェニル−ジメチル尿素、メチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の尿素誘導体、フェニルジメチルウレア(PDMU))等の触媒性硬化剤等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、接着強度、保存安定性、ポットライフ等の観点から、ジシアンジアミドまたはその誘導体(例えば、ポリエポキシド付加変性物、アミド化変性物、マンニッヒ化変性物、ミカエル付加変性物)が好適である。
なお、硬化剤は、使用するエポキシ樹脂(エポキシ当量、配合量等)や硬化条件等に応じて適宜配合されるが、例えば、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の合計配合量100重量部に対して、0.1重量部〜40重量部の範囲内で配合される。0.1重量部〜40重量部の範囲内であれば、構造用接着剤組成物に要求される所望の接着強度等の高い物性が得られる。より好ましは、1重量部〜30重量部の範囲内である。
更に、本発明を実施する場合には、接着剤組成物調製時の取扱い性向上等のために、チキソ剤(揺変性付与剤)を配合することも可能である。このようなチキソ剤(揺変性付与剤)としては、例えば、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、シリカ、微粒炭酸カルシウム、セピオライト等を用いることができ、これらは1種を単独でまたは2種類以上を組み合わせてもよい。
加えて、接着剤組成物の粘性の調整、硬化後の機械特性の向上、低コスト化等のために、充填剤を配合することもできる。このような充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、マグネシア、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、ジルコン、グラファイト、硫酸バリウム、クレー、マイカ、カオリン、ウォラストナイト、雲母、長石、閃長石(シエナイト)、緑泥石(クロライト)、ベントナイト、モンモリロナイト、バライト、クリストバライト、ドロマイト、石英、珪藻土、ケイ酸アルミニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、鉱物繊維、織物繊維、ガラス繊維、アラミドパルプ、ホウ素繊維、炭素繊維、リン酸塩、結晶シリカ、非晶シリカ、溶融シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕(微粉末)シリカ等のシリカ、ろう石、ケイ砂、セルロース、セメント、ポリエチレン等の樹脂粉末、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、中空セラミックビーズ、中空ガラスビーズ等の中空無機ビーズ、ポリエステル樹脂等による中空有機ビーズ、ガラスビーズ、金属粉末、瀝青物質等が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、分散性や粘性調整等の点から、例えば、炭酸カルシウムが好適である。
その他、必要に応じて、各種添加剤、例えば、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、シランカップリング剤、接着付与剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、分散剤、脱水剤、溶剤、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を適宜、組み合わせて用いることも可能である。
このように本実施の形態の構造用接着剤組成物においては、少なくとも汎用エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤を含有する。
ここで、接着剤組成物の材料粘度を上昇させるために、単純に、高粘度のエポキシ樹脂や、炭酸カルシウム等の充填剤や、コアシェル型ゴム粒子の配合を増やしても、その分だけ相対的に硬化後の接着性が低下する。また、一般的には粘度が高くなるほど温度変化に対する粘度変動も大きくなることから、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)での粘度を従来よりも高く設計しようにも、その他の温度領域の粘度も高くなるため、低温下ではウエルドボンド工法においてスポット溶接時に通電不良が生じたり、また、塗布する際に加熱しても十分に減粘できず塗布が困難となったりする。
そこで、本実施の形態の構造用接着剤組成物では、硬化後の硬化物(接着剤組成物の塗膜)において適度な強度と柔軟性を付与する汎用エポキシ樹脂と、汎用エポキシ樹脂よりも高粘度特性を有し硬化物において適度な強靭性や可撓性を付与する変性エポキシ樹脂を併用し、かつ、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合バランスを所定量に制御し、更に、コアシェル型ゴム粒子の配合量と反応性希釈剤の配合量を所定量に規定することにより、それらの連携によって、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)で高粘度特性を有するも、硬化物において良好な接着性が確保され、かつ、温度変化に対する粘度変動が小さく、塗布する際に所定温度での加熱によって十分な減粘が可能となり、また、自動車製造ラインにおいては最も低温で5℃環境下となるがそのような低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰され、接着剤組成物塗布後のスポット溶接時に接合する鋼板等の構造部材が十分に密着されて通電不良が生じることなく、ホットアプライによる良好な塗布作業性及びウエルドボンド工法による接合の良好な接合強度が得られるものとした。即ち、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)における粘度を向上させるも、ホットアプライに適した粘度特性及びウエルドボンド工法において低温下でも接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されスポット溶接に適した粘度特性に制御可能とした。
ここで、変性エポキシ樹脂と汎用エポキシ樹脂を併用することで、汎用エポキシによって接着強度を確保しつつ、変性エポキシ樹脂によって高粘度特性を確保できるが、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合関係において、相対的に汎用エポキシ樹脂の量が多くなって変性エポキシ樹脂の量が少なくなると、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)において所望とする高い粘度特性、即ち、洗浄時の流水圧への抵抗性が向上されて接合部位への塗布範囲を広げてもその飛散や流出等が効果的に防止される程度に高い粘度特性が得られない。一方で、相対的に変性エポキシ樹脂の量が多くなって汎用エポキシ樹脂の量が少なくなると、温度変化に対する粘度変動が大きくなり、特に冬場の低温環境下ではウエルドボンド工法のスポット溶接時において接合部位に塗布された接着剤組成物の粘度が高くなりすぎることで、スポット溶接を行う電極を挟んだ際でも十分に押し潰されず、接合する構造部材同士を密着できないことで通電不良が生じやすく、良好な接合強度が得られなくなる。
発明者らの実験によれば、特に好ましくは、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合重量比が、1:1の等量を中間にした1:2〜2:1の範囲内であることで、粘度特性と接着性のバランスが良く、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度が得られ、かつ、温度変化に対しての粘度変動も小さく、冬場の低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物がスポット溶接を行う電極を挟んだ際に十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有し、接合する構造部材同士を密着できて通電不良を生じさせることなく良好な接合強度が得られる。なお、上記数値は、必ずしも厳格であることを要求されず、使用するエポキシ樹脂の種類や、接着剤組成物を構成する他の材料等との関係で上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の粘度は、所望の粘度特性が得られるように樹脂成分の種類(性質等)に応じて選択されるが、発明者らの実験によれば、それぞれ5000(mPa・s/25℃)〜200000(mPa・s/25℃)の範囲内であれば、含有量の調整により所望とする粘度特性の調整が容易にできて好ましいことが確認された。
なお、汎用エポキシ樹脂がビフェノールA型エポキシ樹脂であり、変性エポキシ樹脂がウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であれば、低コストで、高い剪断強度や剥離強度が得られて高い接着性を確保できる。
また、本実施の形態の構造用接着剤組成物においては、コアシェル型ゴム粒子を含有することで、接着剤組成物の粘性や弾性を高め、洗浄処理時に接着剤組成物に衝突する流水に対する抵抗性を高めることができる。更に、温度変化に対する粘度変動を弱めることができる。また、硬化後の硬化物において強靭性が発揮され良好な接着強度が得られる。
ここで、コアシェル型ゴム粒子の配合量が少なすぎる場合、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度特性、即ち、洗浄時の流水圧への抵抗性が向上されて接合部位への塗布範囲を広げてもその飛散や流出等が効果的に防止される程度に高い粘度特性が得られない。また、硬化物において高い剪断強度が得られず、接着性が低下する。一方で、配合量が多すぎると、相対的にその他の材料の配合量が小さくなることで、硬化物において接着性が低下する。また、可塑性等を低下させる恐れもある。更に、材料の粘度上昇が大きくなって塗布時に所定温度で加熱しても十分に減粘させることができず、塗布作業性が低下する。また、冬場の低温環境下ではウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されずに接合する構造部材同士を密着できないことで、スポット溶接時に通電不良が生じやすく接合強度が低下する。
発明者らの実験によれば、特に好ましくは、コアシェル型ゴム粒子の配合量が、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、45重量部〜90重量部の範囲内であれば、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度が得られて耐流水圧性をより向上させることができ、かつ、接着剤組成物の加熱塗布時には塗布に適度な粘度特性を有して良好な塗布作業性が得られ、また、冬場の低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物がスポット溶接を行う電極を挟んだ際に十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有し、接合する構造部材同士を密着できて通電不良を生じさせることなく良好な接合強度が得られ、更に、硬化物において高い剪断強度を確保できる。
なお、上記数値は、必ずしも厳格であることを要求されず、使用するコアシェル型ゴム粒子の種類や、接着剤組成物を構成する他の材料等との関係で上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
特に、本発明者らの実験研究によれば、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度を高めるために、多量のゴム単体を配合した場合には、エポキシ樹脂の架橋反応が阻害されたり硬化後の弾性率が小さくなることで硬化物の接着性が低下し、また、その分散が混合条件の影響を受け易くて分散し難いことで貯蔵安定性も悪く安定した物性を確保できず、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度を高めるのに限度がある。
これに対し、本実施の形態の構造用接着剤組成物においては、ゴム粒子がコアシェル型であるコアシェル型ゴム粒子が配合されているため、分散性もよく、エポキシ樹脂との反応性も小さいので貯蔵安定性もよく、また、ゴム粒子のゴム成分が硬化後のエポキシ樹脂相に溶解残存することはなく、そして、ゴム成分がエポキシ樹脂相に溶解残存することで生じる弾性率等の物性の低下もなく、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)においてより高い粘度を安定して確保でき、信頼性が高いものとなる。
更に、反応性希釈剤を含有することでも温度変化に対する粘度変動を小さくできる。ここで、反応性希釈剤の配合量が少なすぎると、温度変化に対する材料の粘度変動が大きくなって、塗布時に所定温度で加熱しても十分に減粘させることができず、塗布作業性が低下する。また、冬場のような低温環境下ではウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物の粘度が高いことでそれが十分に押し潰されずに接合する構造部材同士を密着できないことで、スポット溶接時に通電不良が生じやすく、接合強度が低下する。一方で、配合量が多すぎると、相対的にその他の材料の配合量が小さくなることで、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)下で所望とする高粘度が得られなかったり硬化物の接着性が低下したりする。
発明者らの実験によれば、特に好ましくは、反応性希釈剤の配合量が、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、18重量部〜40重量部の範囲内であれば、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度としても、ホットアプライによる接着剤の塗布時には塗布に適度な粘度特性を有して良好な塗布作業性が得られ、また、冬場の低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物がスポット溶接を行う電極を挟んだ際に十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有し、接合する構造部材同士を密着できて通電不良を生じさせることなく良好な接合強度を確保でき、かつ、硬化物の接着性も確保できる。
なお、上記数値は、必ずしも厳格であることを要求されず、使用する反応性希釈剤の種類や、接着剤組成物を構成する他の材料等との関係で上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
このように、本実施の形態の構造用接着剤組成物によれば、好適には、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合重量比を1:2〜2:1の範囲内とし、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部(コアゴム型粒子の分散媒としての変性エポキシ樹脂も含まれる)に対して、コアシェル型ゴム粒子を45重量部〜90重量部の範囲内で配合し、反応性希釈剤を18重量部〜40重量部の範囲内で配合していることで、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度を向上させても、温度変化に対する粘度変動が小さいことで、低温下でも粘度が高すぎることなくウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着され、スポット溶接時に通電不良を生じさせることがなく、また、硬化を生じさせない温度での加熱によって十分に減粘が可能な粘度特性を有し、良好な塗布作業性及び接合強度が得られ、更に、硬化後の接着性も確保できる。即ち、ホットアプライによる塗布作業性、ウエルドボンド工法による接合強度、硬化物の接着性と洗浄工程時の雰囲気温度(40℃付近)での高粘度特性との両立を可能とし、温度変化に対する粘度変動のバランスに優れる。
このような配合の本実施の形態の構造用接着剤組成物は、配合成分を公知の混合分散機、例えば、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、チェンジ缶式ミキサー等で均質に混合攪拌することによって調製される。
そして、調製した本実施の形態にかかる構造用接着剤組成物は、公知の方法、例えば、スプレー、シーラーガン、刷毛塗り等の方法で被接着体に塗布される。
このとき、上述したように、本実施の形態の構造用接着剤組成物によれば、少なくとも汎用エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有し、好適には、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合重量比を1:2〜2:1の範囲内とし、変性エポキシ樹脂の合計配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子を45重量部〜90重量部の範囲内で配合し、反応性希釈剤を18重量部〜40重量部の範囲内で配合したことによって、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有するものとしたことから、塗布の際には、所定温度で加熱し減粘させる(ホットアプライ型とする)ことで塗布作業性が確保される。
塗布時の加熱温度は、接着剤組成物の配合内容や粘度に応じ、塗布可能な程度(例えば、ポンプ等による吐出可能な程度)に減粘させることができる温度に適宜設定されるが、塗布時の加熱温度が高すぎると、硬化反応が進行し良好な塗布作業性が得られなくなることから、通常、塗布作業の安全性も考慮し、45℃〜60℃に設定される。
本実施の形態の構造用接着剤組成物によれば、上述の配合によって、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有しても、温度変化に対する粘度変動が少ないことで、50℃〜60℃条件下でも粘度が高くなり過ぎることはなく、良好な塗布作業性が確保される。
なお、このように本実施の形態の構造用接着剤組成物は、塗布の際に、所定温度で加熱し減粘させて塗布するものであるが、このときの加熱は、硬化を進行させることのない低い温度での加熱であり、疑似硬化のように短時間で高温の加熱処理を行うものではないことから、エポキシ樹脂の発泡による接着強度の低下は生じ難い。また、加熱温度が低いことで、例えば、汎用ポンプ設備に簡易ヒータを取り付ける程度の改良で加熱塗布を可能とし、製造ラインの大きな仕様変更をしなくとも既存の設備で対応でき、多大なコストがかることもない。
そして、本実施の形態の構造用接着剤組成物においては、塗布後は、粘度の温度依存性によって雰囲気温度条件に応じた粘度特性を示し、粘度が上昇する。
この際、本実施の形態の構造用接着剤組成物を塗布した被接着体が車体の構造部材等の場合には、ウエルドボンド工法として接着剤組成物の塗布後に適宜スポット溶接を施すことで、接合を強化できる。
特に、本実施の形態の構造用接着剤組成物によれば、上述の配合によって、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有しても、温度変化に対する粘度変動が少ないことで、冬場の低温下でも粘度が高くなりすぎることなく、ウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されスポット溶接時に通電不良を生じさせることがなく、スポット溶接性が良好であり、冬場の低温下でもウエルドボンド工法による接合強度が確保され、接合の信頼性が高い。
そして、本実施の形態の構造用接着剤組成物は、エポキシ樹脂の硬化剤を含有することで、加熱によって硬化されるものであり、例えば、本実施の形態の構造用接着剤組成物を塗布した被接着体が車体の構造部材等の場合には、車体組立工程で接着剤組成物が塗布され、電着塗装工程内にて洗浄処理にさらされた後、電着塗装が施され、その後、塗装乾燥炉で電着塗膜の焼き付けを行う工程をたどるが、この焼き付け時に、接着剤組成物が加熱硬化(例えば、約150℃〜約220℃の温度で約20分〜約60分間)される。
このとき、被接着体に塗布された接着剤組成物は未硬化の状態で電着塗装工程内にて洗浄処理にさらされるわけだが、本実施の形態の構造用接着剤組成物によれば、上述したように、少なくとも汎用エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有し、好適には、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合重量比を1:2〜2:1の範囲内とし、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子を45重量部〜90重量部の範囲内で配合し、反応性希釈剤を18重量部〜40重量部の範囲内で配合したことによって、ホットアプライでの塗布作業性、ウエルドボンド工法による接合強度、硬化物の接着性等の特性を損なうことなく、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有することから、接着強度の低下を招く可能性のある予備加熱(疑似硬化)をしなくとも、洗浄時の流水圧に対して高い抵抗性を示す。即ち、未硬化状態でも形状保持性や被接着体への定着性が発揮されて接着剤組成物の飛散、流出、変形(位置ずれ)等が効果的に防止される。よって、接着剤組成物の飛散、流出、変形(位置ずれ)等による塗装不良や電着液の汚染や後のシーラー塗布工程での処理不良を防止できる。
なお、このようにホットアプライでの塗布作業性、ウエルドボンド工法による接合強度、硬化物の接着性等の特性を損なうことなく、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有する本実施の形態の構造用接着剤組成物は、例えば、自動車や車両(新幹線、電車)、土木、建築、エレクトロニクス、船舶、航空機、宇宙産業分野等の構造部材の接着剤として用いることができる。特に、自動車において、ルーフレール、各種ピラー等の構造部位や、ドア、フード、トランクのインナーパネルとアウターパネルの合わせヘミング部や、ホイールアーチ部、サイドシル、アウターシル等のスポット溶接が行われる部材・部位への構造用接着剤として有用である。そして、電極等を使用したスポット溶接等との併用(ウエルドボンド工法)により、構造部位への高い接合強度を確保することができる。また、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有することから、被接着体への塗布後に流水にさらされる部材の接着に有用である。
[実施例]
次に、本発明の実施の形態にかかる構造用接着剤組成物の実施例を具体的に説明する。
まず、本実施の形態の構造用接着剤組成物の配合組成として表1に示した内容で、実施例1乃至実施例8にかかる接着剤組成物を調製した。また、比較のために、比較例1乃至比較例4にかかる接着剤組成物も調製した。各実施例及び各比較例の配合内容を表1の上段に示す。
Figure 2017132953
本実施例及び比較例において、汎用エポキシ樹脂としては、室温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ADEKA(株)社製:「アデカレジンEP−4100」、粘度;13,000〈mPa・s/25℃〉)を使用した。
変性エポキシ樹脂としては、ウレタン変性エポキシ樹脂(ADEKA(株)社製:「アデカレジンEPU−78−11」)、または、ゴム(NBR)変性エポキシ樹脂(ADEKA(株)社製:「アデカレジンEPR−2007」、粘度;120,000〈mPa・s/25℃〉)を使用した。
コアシェル型ゴム粒子としては、ゴム状ポリマー(n−ブチルアクリレートの重合体)からなるコア層をガラス状ポリマー(メチルメタクリレートの重合体)からなるシェル層で被覆した2層構造のもの(アイカ工業(株)製:「ZEFIAC F−351」)を使用した。
反応性希釈剤としては、グリシジルエーテル(ADEKA(株)製:「アデカグリシロールED−503」を使用した。
また、上記エポキシ樹脂に対する硬化剤としては、ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン(株)製:「jerキュアDICY15」)を用い、更にその硬化触媒として、アミンアダクト系(味の素ファインテクノ(株)製:「アミキュアPN50」)を使用した。
そして、本実施例及び比較例においては、チキソ剤としてシリカ(日本アエロジル(株)製:「アエロジル#380」)、充填剤として重質炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製)を添加した。
表1に示したように、実施例1乃至実施例8及び比較例1乃至比較例4の全てで、硬化剤としてのジシアンジアミドの配合量は15重量部及びアミンアダクト系の触媒の配合量は5重量部、チキソ剤としてのシリカの配合量は10重量部、充填剤として炭酸カルシウムの配合量は120重量部で統一し、エポキシ樹脂、コアシェル型ゴム粒子、反応性希釈剤についてはその配合内容・配合量を変化させている。
具体的に、実施例1においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この実施例1の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が60重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が25重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
また、実施例2においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のゴム(NBR)変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ゴム(NBR)変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この実施例2の配合でも、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのゴム(NBR)変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのゴム(NBR)変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が60重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が25重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのゴム(NBR)変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
実施例3においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を133重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を67重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この実施例3の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で2:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が90重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が37重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
実施例4においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を67重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を133重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この実施例4の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:2の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が45重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が18重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
実施例5においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を50重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この実施例5の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が50重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が25重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は25重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
実施例6においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を70重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この実施例6の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が70重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が25重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は35重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
実施例7においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを30重量部の配合としている。
この実施例7の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が60重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が30重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は15重量部となっている。
実施例8においては、エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを40重量部の配合としている。
この実施例8の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されている。また、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が60重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が40重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は20重量部となっている。
このような配合の実施例に対し、比較例1においては、コアシェル型ゴム粒子の配合を30重量部に減らし、それ以外の配合内容は実施例1と同様にして各種材料を配合した。
即ち、比較例1においては、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を30重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この比較例1の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂とが重量比で1:1の割合で配合されており、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が25重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は15重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
また、比較例2においては、反応性希釈剤を配合せず、それ以外の配合内容は実施例1と同様にして各種材料を配合した。
比較例2においては、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を30重量部の配合となっている。
比較例3においては、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用するものの、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合重量比を1:3とした。それ以外の配合内容は実施例1と同様にして各種材料を配合した。
即ち、比較例3においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を50重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を150重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この比較例3の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合割合が重量比で1:3であり、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が40重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が22重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
比較例4においては、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用するものの、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合重量比を3:1とした。それ以外の配合内容は実施例1と同様にして各種材料を配合した。
即ち、比較例4においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を150重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を50重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を60重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
この比較例4の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合割合が重量比で3:1であり、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が120重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が50重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
そして、このように表1に示した配合量で各種材料を配合して室温下で高速ミキサを用いて混合することで、各種接着剤組成物(実施例1乃至実施例8並びに比較例1乃至比較例4)を調製した。
ここで、これら各配合にかかる接着剤組成物について、自動車車体の鋼板等の構造部材同士の接合への適用(構造用接着剤としての使用)を想定し、所定温度条件下における粘度の測定評価及び剪断強度の測定評価を行った。
粘度については、SOD粘度計((株)離合社製:「Cat.No.860R-01M」)を用いて、JIS−K2220の規定に基づき、剪断速度15.5s-1の測定条件にて、5℃、40℃、60℃の3水準のぞれぞれの温度(循環高温槽またはヒータにて温度制御)での接着剤組成物の粘度(材料粘度)を測定した。
そして、構造部材の接合にウエルドボンド工法が採用されることを考慮して構造部材に接着剤組成物が塗布されたのちスポット溶接が行われる車体組立ラインにおいては、冬場に温度が5℃近くになることから、冬場を想定した5℃での粘度が、4,500Pa・s〜8,000Pa・sの範囲内(4,500Pa・s以上、8,000Pa・s以下)であれば、冬場の低温下ででもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されスポット溶接時に通電不良を生じることがないとして○と評価した。4,500Pa・s未満の低粘度のものについては、流動性が高くて接合強度が劣る不具合が生じ、一方で、8,000Pa・sを超える高粘度のものについては、粘度が高すぎてウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されず接合する構造部材同士を密着できないことでスポット溶接時に通電不良が生じるとしていずれも×と評価した。
また、車体組立工程後の電着塗装工程内の洗浄処理における雰囲気温度を想定した40℃での粘度が、500Pa・s〜900Pa・sの範囲内(500Pa・s以上、900Pa・s以下)であれば、洗浄処理での流水圧に対して、十分に抵抗できて、接着剤組成物の飛散等を防止する耐流水圧性が従来よりも高く、構造用接着剤組成物に求められる粘度として十分に高いものであるから、○の評価とした。500Pa・s未満の低粘度のものについては、従来よりも耐流水圧性を高くできないことから×と評価した。
更に、被塗布物(被接着物)に塗布する際に加熱によって減粘させて塗布する(ホットアプライ)ときの加熱温度を接着剤組成物の硬化を生じさせることのない60℃で想定し、この60℃での粘度が、100Pa・s〜300Pa・sの範囲内(100Pa・s以上、300Pa・s以下)であれば、良好な塗布作業性が得られるとして、○の評価とした。300Pa・sを超えるものについては、加熱しても十分に減粘されずに吐出不良等が生じ塗布作業性が低下するとして、×と評価した。なお、100Pa・s未満の低粘度のものについては、60℃では、吐出時にタレやボタ落ちの発生が懸念されるという観点で×と評価した。
剪断強度については、JIS K6850に準じて測定を行った。即ち、実施例及び比較例の各接着剤組成物を用いて接着試験体をそれぞれ作製し、次いで引っ張り剪断接着強度試験を行って剪断強度(剪断接着強度)を測定した。
具体的には、試験用パネルとして、10mm×100mm×1.6mmの鋼板を2枚1組で用意し、その一方のパネルの長手方向の一端部から10mmの長さ範囲に亘って、各接着剤組成物を厚さ0.15mmで塗布し、その接着剤組成物が塗布された面にもう一方のパネルの一端部を重ね直線状に接着した(両パネルの接合部間の接着剤層:10mm×10mm×厚さ0.15mm)。次いで、一般的な車体の電着塗装塗膜の焼付条件と同様、各接着剤組成物を170℃×30分の条件で熱風オーブン中で加熱硬化させ、完全に硬化した接着剤組成物層を介して接合された接着試験体を作製した。この接着試験体の両端を、引張り試験機(島津製作所製)を用い、10mm/分の引張り速度で長手方向に引張り、室温(20℃)にて剪断強度を測定した。
このときの剪断強度が25MPa以上であれば構造用接着剤組成物に求められる接着性として十分に高いものであるから○と評価し、25MPa未満のものについては接着性が低いとして×と評価した。
粘度の測定評価結果及び剪断強度の測定評価の結果については、表1の下段に示した通りである。また、40℃の粘度に対する5℃の粘度の比、40℃の粘度に対する60℃の粘度の比をそれぞれ算出し、その値を表1に示した。
表1に示したように、実施例1乃至実施例8では、40℃での粘度が500Pa・s〜700Pa・sと高粘度であるが、5℃での粘度が5000Pa・s〜8000Pa・sであり、40℃粘度に対する5℃粘度の粘度比は9.3〜12.3となっており、また、60℃での粘度が140Pa・s〜280Pa・sであり、40℃粘度に対する60℃粘度の粘度比は0.28〜0.40となっている。つまり、40℃における粘度が500Pa・s〜700Pa・sと高粘度であるのにもかかわらず、温度変化に対する粘度変動は小さいものとなっている。更に、硬化後の剪断強度も26MPa〜30MPaと良好である。
即ち、実施例1乃至実施例8においては、40℃での粘度が500Pa・s〜700Pa・sと高く、洗浄工程時の雰囲気温度下では高粘度特性を示すが、ホットアプライを想定した60℃での粘度が140Pa・s〜280Pa・sで、ホットアプライでの塗布作業性に適した粘度特性であり、かつ、冬場を想定した5℃での粘度が5000Pa・s〜8000Pa・sで、冬場の低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着され、スポット溶接時に通電不良が生じることなくスポット溶接に対して適した粘度特性となることが分かる。
更に、一般的な車体の電着塗装の焼付条件で加熱し、完全に硬化させた後の剪断強度も十分に高いものである。
これに対し、比較例1は、実施例よりもコアシェル型ゴム粒子の配合量が少なく、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が30重量部となっているものである。
このような配合の比較例1においては、コアシェル型ゴム粒子の配合が少ないことで、40℃における粘度が300Pa・sと低粘度であり、300Pa・sの低粘度では、接着剤組成物の塗布範囲を広くしたり塗布厚みを増やしたりした場合、洗浄処理時の流水圧に対して十分に抵抗できず、接着剤組成物の飛散、変位(位置ずれ)、流出等が多く生じて塗装不良や電着液の汚染等を招きやすい。また、5℃における粘度が3500Pa・s、60℃における粘度が90Pa・sの低粘度であることで、塗布後の垂れ等により接合強度の低下を招く。更に、比較例1では剪断強度も劣っている。
また、比較例2は、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを配合していないものである。
このような配合の比較例2においては、40℃における粘度が800Pa・sと高い粘度であり剪断強度も良好であるものの、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルが配合されていないことで、5℃における粘度が25000Pa・sで40℃粘度に対する5℃粘度の粘度比は31.3であり、また、60℃における粘度が350Pa・sで40℃粘度に対する60℃粘度の粘度比は0.44であり、温度変化に対する粘度変動が大きいものとなっている。
したがって、塗布時に加熱処理しても、十分に減粘することができず、その塗布が困難であったり、例え塗布を行うことができても、冬場のような低温下ではウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されず接合する構造部材同士を密着できないことでスポット溶接時に通電不良が生じ接合強度が低下する。
更に、比較例3は、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合割合を重量比で1:3としたものであり、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が40重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が22重量部となっている。
このような配合の比較例3においては、40℃における粘度が700Pa・sと高い粘度であり、また、60℃における粘度が220Pa・sでホットアプライによる塗布作業性にも適し、剪断強度も良好であるものの、5℃における粘度が12000Pa・sで40℃粘度に対する50℃粘度の粘度比は17.1であり、低温側において温度変化に対する粘度変動が大きく、冬場のような低温下ではウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されず接合する構造部材同士を密着できないことでスポット溶接時に通電不良が生じ接合強度が低下する。
また、比較例4は、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合割合を重量比で3:1としたものであり、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が120重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が50重量部となっている
このような配合の比較例4においては、高い剪断強度が得られるものの、40℃における粘度が400Pa・sと低く、接着剤組成物の塗布範囲を広くしたり塗布厚みを増やしたりした場合、洗浄処理時の流水圧に対して十分に抵抗できず、接着剤組成物の飛散、変位(位置ずれ)、流出等が多く生じて塗装不良や電着液の汚染等を招きやすい。また、5℃における粘度が4000Pa・s、60℃における粘度が95Pa・sの低粘度であることで、塗布後の垂れ等により接合強度の低下を招く。
このように、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合バランスを重量比で1:2〜2:1の範囲内に制御し、更に、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子を45重量部〜90重量部の範囲内で配合し、反応性希釈剤を18重量部〜40重量部の範囲内で配合した実施例1乃至実施例8においては、40℃における粘度が500Pa・s〜700Pa・sの高粘度となり高い粘度特性が得られることで、洗浄時の流水圧等に対する抵抗性(耐流水圧性)が極めて高くなり洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難くなるから、接合部位への塗布範囲を広げたり塗布厚みを増やしたりすることが可能である。即ち、接合部位への塗布範囲を広げることで、また、塗布厚みを増やすことで接合端部から接着剤組成物が食み出したとしても、その接着剤組成物の余剰部が洗浄時の流水圧等によって飛散等し難いことで車体に付着して塗装不良や塗装前処理液(電着液等)の汚染や、後のシーラー工程での処理不良を招く恐れがない。また、このように高粘度であるから、接着部位から食み出した接着剤組成物の余剰部を未硬化状態でも除去作業が容易に可能となり、余剰部を除去することでも、接着剤組成物の飛散等によって車体に付着して塗装不良が生じたり、塗装前処理液等を汚染したり、後のシーラー工程での処理不良を生じたりするのを防止できる
そして、40℃における粘度が500Pa・s〜700Pa・sの高粘度で高い粘度特性を有しても、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内で60℃の粘度が140Pa・s〜280Pa・sの範囲内であるから、硬化を生じさせない温度での加熱によって十分に減粘が可能な粘度特性を有して塗布作業性も良く、例え塗布時の吐出量を変動させた場合でも、安定した塗布品質が得られる。更に、塗布後も垂れ難く形状保持性や被接着体への定着性が高い。
加えて、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内で5℃における粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であるから、ウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着され、スポット溶接時に通電不良が生じることなく、良好なスポット溶接性を確保でき、接合部において高い接合強度が得られ、接合の信頼性が高いものとなる。また、スポット溶接時のスポットガン電極への接着剤組成物の付着も少なく、作業性も良くできる。
そして、本実施例の構造用接着剤組成物によれば、長期間保存しても経時的な粘度変動が少なくて所定の粘度を維持でき、貯蔵安定性が高い。これは、上述のように洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)における粘度特性が極めて高いにも関わらず、温度変化に対する粘度変動が小さいためと推測される。また、ゴム粒子がコアシェル型でありエポキシ樹脂との反応性も低く、ゴム成分がエポキシ樹脂に溶解することによる粘度上昇が少ないこと、更に、接着剤組成物の調製時に加熱を必要とせず硬化反応の進行がないことも要因として考えられる。
また、本発明者らの実験研究において、このような配合の本実施例の構造用接着剤組成物によれば、硬化後の剪断強度のみならず剥離強度も高く、また、ゴム粒子がコアシェル型であることでゴム成分がエポキシ樹脂相に溶解残存しないことからも硬化物は高い弾性率を示す。したがって、水分量が多い環境下でも高い接着力が維持され、接着の信頼性が高い。
更に、このような配合の本実施例の構造用接着剤組成物によれば、加熱硬化後のガラス転移温度が高く保持され、耐熱性も高く、高温(例えば、80℃)下でも剪断強度や剥離強度に優れ、高い接着力が得られた。よって、例えば、自動車のルーフレールや、各種ビラ―等の部位や、フード、ドア、トランクリッド等の蓋もの(開きもの)と呼ばれる部品のヘミング(かしめ構造)部等の自動車走行時に80℃程度の高温となる部位への適用にも有用である。なお、ガラス転移温度が高いのは、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂を使用したことや、ゴム粒子がコアシェル型であることでゴム成分が硬化後のエポキシ樹脂相に溶解せずガラス転移温度が低下しないことにも一因があると推測される。
加えて、このような配合の本実施例の構造用接着剤組成物によれば、粘度が高いことで低い温度での硬化も可能となり、硬化させるときの温度が低くても接着力が低下することはなく、例えば、約150℃〜約220℃の温度で約20分〜約60分間という硬化可能な温度分布の範囲が広がる。
そして、本実施例においては、粘度が向上したことで、硬化させるときの加熱処理初期の接着剤の粘度低下に伴う流下も少なくできて、接着不良を少なくできた。特に、充填剤としてシリカが配合されていることで、加熱硬化中に粘度が低下することによるジシアンジアミドの沈降・不均一化が防止され、ジシアンジアミドの沈降・不均一化により生じる界面破壊も防止された。
また、本発明者らの実験研究によれば、このような配合の本実施例の構造用接着剤組成物においては、硬化後の体積抵抗率ρがIEC600093に基づく二重リング電極法による測定で1×1013Ωcmと絶縁性が高く、本実施例の構造用接着剤組成物を、例えば、鉄とアルミニウム等の異種金属部材同士の接合に使用した場合、ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)の抑制効果があることが確認された。
以上説明してきたように、本実施例の構造用接着剤組成物は、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂やゴム変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルと、硬化剤としてのジシアンジアミド及びアミン系の触媒と、チキソ剤としてのシリカと、充填剤として炭酸カルシウムを含有し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂を配合重量比で1:2〜2:1の範囲内とし、ウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子を45〜90重量部の範囲内、グリシジルエーテルを18〜40重量部の範囲内で配合したものである。なお、本実施例の構造用接着剤組成物においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の合計100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子が25重量部〜35重量部の範囲内、反応性希釈剤が12.5重量部〜20重量部の範囲内となっている。
この本実施例の構造用接着剤組成物によれば、エポキシ樹脂として汎用エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂を併用して、その配合バランスを所定の範囲内に制御し、また、コアシェル型ゴム粒子の配合量を所定量とし、更に、反応性希釈剤の配合量を所定量に規定してることで、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)での粘度特性が極めて高く、しかも、温度変化に対する粘度変動は小さく、ホットアプライによる塗布作業性を確保でき、また、低温下でもウエルドボンド工法による接合強度を確保でき、かつ、硬化後の接着性も良好である。即ち、接着剤組成物の加熱塗布時には適度な粘度特性を有して塗布作業性を低下させることもなく、また、低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着され、スポット溶接時に通電不良が生じることなく、接合強度を低下させることのない安定したスポット溶接性が得られ、そして、洗浄工程時の雰囲気温度条件下では高粘度特性を有して高い耐流水圧性が得られ、硬化後の硬化物の接着性も確保できる。
ここで、コアシェル型ゴム粒子の配合量が少ないと、実施例と比較例1の比較から、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が45重量部未満であると、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)において所望とする高い粘度特性、即ち、洗浄時の流水圧への抵抗性が向上されて接合部への塗布範囲を広げたり塗布厚みを増したりしてもその飛散や流出等が効果的に防止される程度に高い粘度特性が得られない。また、構造用接着剤組成物が硬化した硬化物において高い剪断強度が得られず、接着性が低下する。
一方で、コアシェル型ゴム粒子の配合量が多すぎると、本発明者らの実験研究によれば変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が90重量部を超えると、相対的にその他の材料の配合量が小さくなることで、接着性が低下する。更に、材料の粘度上昇が大きくなって塗布時に所定温度で加熱しても十分に減粘させることができず、塗布作業性が低下したり、冬場のような低温環境下におけるウエルドボンド工法による接合強度も低下する。
コアシェル型ゴム粒子の配合量が、高粘度樹脂であるウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、45重量部〜90重量部の範囲内であれば、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度特性が得られて耐流水圧性をより向上させることができ、かつ、ホットアプライによる接着剤組成物の塗布適度な粘度特性を有し、また、ウエルドボンド工法におけるスポット溶接に際して低温下でも接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有して、接合する構造部材同士を密着できスポット溶接時に通電不良が生じることなく、良好な塗布作業性及び接合強度が得られ、更に、高い剪断強度を確保できる。
また、比較例2から、反応性希釈剤が配合されていないと、温度変化に対する材料の粘度変動が大きくなって、塗布時に所定温度で加熱しても十分に減粘させることができず、塗布作業性が低下する。更に、本発明者らが追及したところ、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が18重量部未満であると、良好な塗布作業性の確保が困難である。また、ウエルドボンド工法におけるスポット溶接時において、冬場のような低温環境下では粘度が高いことで、接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されず接合する構造部材同士が密着されないため、通電不良となり接合強度が低下する。
一方で、反応性希釈剤の配合量が多すぎると、本発明者らの実験研究によれば、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が40重量部を超えると、相対的にその他の材料の配合量が小さくなることで、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高粘度特性が得られなかったり、硬化後の接着性が低下したりする。
反応性希釈剤の配合量が、ウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、18重量部〜40重量部の範囲内であれば、洗浄工程時の雰囲気温度(40℃付近)において所望とする高い粘度特性が得られ、かつ、ホットアプライによる接着剤組成物の塗布適度な粘度特性を有し、また、ウエルドボンド工法におけるスポット溶接に際して低温下でも接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有して、接合する構造部材同士を密着できスポット溶接時に通電不良が生じることなく、良好な塗布作業性及び接合強度が得られ、更に、硬化後の接着性も確保できる。
更に、比較例3から、相対的にウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の量が多くなってビスフェノールA型エポキシ樹脂の量が少なくなると、特に低温側において温度変化に対する粘度変動が大きくなり、冬場の低温環境下ではウエルドボンド工法のスポット溶接時において粘度が高く、接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されずに接合する構造部材同士が密着されないことで通電不良が生じやすく、良好な接合強度が得られなくなる。
一方で、比較例4で示したように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の配合関係において、相対的にビスフェノールA型エポキシ樹脂の量が多くなってウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の量が少なくなると、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度特性が得られない。
即ち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の配合重量比が1:2〜2:1を外れると、ウエルドボンド工法において良好な接合強度が得られなかったり、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度特性が得られなかったりする。
汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂の配合重量比が、1:1の等量を中間にした1:2〜2:1の範囲内(1:2、2:1を含む)であることで、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度特性が得られて耐流水圧性を確実に向上させることができ、かつ、温度変化に対しての粘度変動も小さく、ホットアプライによる接着剤の塗布時には塗布に適度な粘度特性を有し、また、ウエルドボンド工法のスポット溶接に際して低温下でも接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有して、接合する構造部材同士を密着でき通電不良を生じさせることなく、良好な塗布作業性及び接合部の接着強度が得られる。
本実施例の構造用接着剤組成物においては、高粘度特性を有する変性エポキシ樹脂を汎用エポキシ樹脂と併用し、その配合バランスがビスフェノールA型エポキシ樹脂:ウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂=1:2〜2:1の範囲内であり、更に、ウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の合計100重量部に対して、コアシェル型ゴム粒子が45重量部〜90重量部の範囲内、反応性希釈剤が18重量部〜40重量部の範囲内であることで、40℃における粘度が500〜700Pa・sで高い粘度特性が得られるうえ、良好な接着性を確保でき、かつ、40℃の粘度に対する60℃の粘度比を0.28〜0.40とすることができて60℃の粘度が140〜280Pa・sで、加熱塗布時に塗布に適度な粘度特性を有する。更に、40℃の粘度に対する5℃の粘度比を9.3〜12.3とすることができて5℃の粘度が5000〜8000Pa・sで、冬場の低温下でもウエルドボンド工法において、接着剤組成物塗布後のスポット溶接に際して接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される程度に適度な粘度特性を有し、接合する構造部材同士を密着でき通電不良を生じさせることがない。
そして、このように、40℃における粘度が500〜700Pa・sの高い粘度特性が得られることで、耐流水圧性が極めて高くなり洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散、変位(位置ずれ)、流出、脱落等し難くなるから、塗布範囲を広げて接合部位の全面塗布が可能となったり、また、適用範囲を広げることが可能であり、車両におけるあらゆる被水部位に適用可能となる。更に、接着剤組成物の被接着部位への塗布後であって焼付処理(加熱硬化処理)前に、洗浄処理のみならず、折り曲げ、切断、酸処理等の加工が施される場合でも、その際に未硬化状態にある接着剤組成物の飛散等が生じ難く、接着剤組成物の流出等による塗装前処理液の汚染や作業環境の悪化等が防止される。
また、40℃における粘度が500〜700Pa・sの高い粘度特性としても、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内で40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であるから、硬化を生じさせない温度条件(例えば、50〜60℃)での加熱を行った際でも粘度が高くなり過ぎずに、加熱によって十分に減粘され塗布に適した粘度特性を有し、塗布作業性も良く、また、塗布後も垂れ難く形状保持性や被接着体への定着性も高い。
更に、40℃における粘度が500〜700Pa・sの高い粘度特性としても、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内で40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であるから、低温下でもウエルドボンド工法における接着剤組成物塗布後のスポット溶接時において、粘度が高くなり過ぎず、接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、また、適度な定着性で、良好な接合強度が得られる。
加えて、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度を高くしても、硬化後の剪断接着強度に影響を及すことがなく十分な剪断接着強度を保つことができる。
なお、上記粘度(Pa・s)や粘度比の数値は、上述の粘度評価にもあるように本発明者らの実験研究によって好適とされたものであり、必ずしも厳格であることを要求されず、数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
更に、本実施例の構造用接着剤組成物においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の粘度がそれぞれ5000(mPa・s/25℃)〜200000(mPa・s/25℃)の範囲内であることで、また、それらは常温で液状のものであるから、取扱いが容易で、調製時に加熱処理を必要とすることなく、調製が容易であった。
更に、汎用エポキシ樹脂がビフェノールA型エポキシ樹脂であり、変性エポキシ樹脂がウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であることで、低コストで、高い剪断強度や剥離強度が得られて高い接着性を有する。
こうして、本発明の構造用接着剤組成物によれば、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度特性が極めて高いにも関わらず、温度変化に対する粘度変動が小さくて、硬化を生じさせない温度での加熱によって十分に減粘が可能な粘度特性を有し、また、低温下でもウエルドボンド工法における接着剤組成物塗布後のスポット溶接に際して適度な粘度特性を有し、接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、良好な塗布作業性及び接合強度が得られ、更に、接着性も確保できる。
即ち、接着性を低下させることなく、かつ、ウエルドボンド工法による低温下での接合強度の低下やホットアプライによる塗布作業性の低下を招くことなく、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度における粘度を向上させることができる。
よって、本発明の構造用接着剤組成物は、自動車や車両(新幹線、電車)、土木、建築、エレクトロニクス、航空機、宇宙産業分野等の構造部材(例えば、金属材料、プラスチック等の有機・高分子材料、コンクリート等の無機材料等からなる)に対する接着剤としての他、医療用、一般事務用、電子材料用の接着剤(例えば、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等)としても利用可能で広い分野に適用可能である。また、接着剤としての用途に限らず、エポキシ樹脂組成物として一般用途向けの物品、例えば、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤(例えば、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI用等のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TAB用等といったポッティング封止、フリップチップ用等のアンダーフィル、QFP、BGA、CSP等のICパッケージ類実装時の封止)等に適用することも可能である。
本発明を実施する場合には、構造用接着剤組成物のその他の部分の組成、成分、配合量、調整方法等については、上記実施の形態に限定されるものではない。更に、本発明の実施の形態及び実施例で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。

Claims (5)

  1. 少なくともエポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有する構造用接着剤組成物であって、
    前記エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂を配合重量比1:2〜2:1の範囲内で併用し、
    前記変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、前記コアシェル型ゴム粒子を45〜90重量部の範囲内、前記反応性希釈剤を18〜40重量部の範囲内で配合したことを特徴とする構造用接着剤組成物。
  2. 前記汎用エポキシ樹脂と前記変性エポキシ樹脂は、粘度が5000〜200000mPa・s/25℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の構造用接着剤組成物。
  3. 前記汎用エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、前記変性エポキシ樹脂は、ウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造用接着剤組成物。
  4. 前記構造用接着剤組成物は、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の構造用接着剤組成物。
  5. 前記構造用接着剤組成物は、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であり、かつ、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の構造用接着剤組成物。
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