JP5526750B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
特許文献1には(A)特定のエポキシ樹脂、(B)アクリロニトリルブタジエンゴム、(C)粒径が5μm以下で含有水分が0.1重量%以下の炭酸カルシウムまたは/および硫酸バリウムと、および(D)エポキシ樹脂の硬化に必要な量のアニリン・ホルムアルデヒド縮合物とを含むメッキ用接着剤組成物が記載されている。このようなメッキ用接着剤組成物を用いることで相対的に低粘度として作業性を向上させると共に、接着強度の向上を図っている。
(1) エポキシ樹脂(A)、平均粒子径が100nm以下の硫酸バリウム粒子(B)およびジシアンジアミド(C)を含有し、前記エポキシ樹脂(A):100質量部に対して、前記硫酸バリウム粒子(B):2質量部以上20質量部以下である、ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
(2) さらにコアシェル型粒子(D)を含む、ことを特徴とする上記(1)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3) 前記コアシェル型粒子(D)が、コア層、中間層およびシェル層の少なくとも3層を有する、ことを特徴とする上記(2)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4) 前記コアシェル型粒子(D)における前記シェル層のガラス転移温度が50℃以上である、ことを特徴とする上記(2)又は(3)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(5) 前記エポキシ樹脂組成物からなる製品が構造用接着剤である、ことを特徴とする上記(1)から(4)の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
このような本発明のエポキシ樹脂組成物を、以下「本発明の組成物」ともいう。
エポキシ樹脂(A)について説明する。
本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型のような多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロデカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる製造方法によって得られるエポキシ化合物)等が挙げられる。
エポキシ樹脂(A)はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
分子内にアセトアセテート基を有するエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、ポリグリセロール型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
ゴム変性エポキシ樹脂は、エポキシ基を2個以上有し、骨格がゴムであるエポキシ樹脂であれば特に制限されない。骨格を形成するゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル基末端NBR(CTBN)が挙げられる。
ゴム変性エポキシ樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本発明において、ゴム変性エポキシ樹脂のエポキシ当量およびその添加量は製造時に用いる過剰のエポキシ樹脂が含まれるため“そのエポキシを含んだゴム変性エポキシ樹脂”としての量を示すものとする。
ウレタン変性エポキシ樹脂は、分子中にウレタン結合と2個以上のエポキシ基とを有する樹脂であれば、その構造として特に限定されるものではない。ウレタン結合とエポキシ基とを効率的に1分子中に導入することができる点から、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタン結合含有化合物(X)と、ヒドロキシ基含有エポキシ化合物(Y)とを反応させて得られる樹脂であることが好ましい。
なかでも、ポリエーテルポリオールを用いた場合に、密着性、柔軟性等に優れた硬化物が得られるので好ましい。
前記低分子量多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記アミン類としては、アンモニウム、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等が挙げられ、上記多価フェノール類としてはレゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。
硫酸バリウム粒子(B)について説明する。
本発明の組成物に含有される硫酸バリウム粒子(B)は、一般の市販品のものが使用される。硫酸バリウム粒子(B)の平均粒子径は、10nm以上100nm以下であることが好ましく、30nm以上80nm以下であることがより好ましい。硫酸バリウム粒子(B)の平均粒子径を上記範囲のようなナノサイズの大きさとすることにより、本発明の組成物を接着剤として用いた時、接着剤の粘度上昇を抑えることができる。また、硫酸バリウム粒子(B)の平均粒子径を上記範囲とすることで、硫酸バリウム粒子(B)と硬化剤として用いるジシアンジアミド(C)との相互作用により、ジシアンジアミド(C)の沈降を防ぎ、本発明の組成物の破壊形態が界面破壊とならず凝集破壊とすることができる。
ここで、本発明における平均粒子径とは、数平均粒子径のことをいう。硫酸バリウム粒子(B)をエポキシ樹脂(A)中へ分散させた本発明の組成物のエポキシ樹脂(A)中の硫酸バリウム粒子(B)は、凝集が完全に分かれて1次粒子の状態にあるものと、数個の1次粒子が凝集した状態にあるものが存在する。エポキシ樹脂(A)中の硫酸バリウム粒子(B)の粒子径とは、1次粒子が完全に分かれたものはその粒子の平均粒子径とし、1次粒子が凝集したものはその凝集体の断面の等価直径を平均粒子径とする。本発明で、等価直径とは、凝集体の断面積と等価な面積を有する正円の直径をいう。エポキシ樹脂(A)中の硫酸バリウム粒子(B)の平均粒子径を測定する方法としては、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)により直接粒子を観察し、粒子径の数平均を計算する方法が挙げられる。例えば、走査型電子顕微鏡でエポキシ樹脂(A)に添加する前の各硫酸バリウム粒子(B)について、例えば100個ずつ任意に粒子径の測定をし、平均粒子径を求める。尚、硫酸バリウム粒子(B)が球状でない場合には、最も形状の近い楕円に近似し、その楕円の(長径+短径)/2にて求める。また、硫酸バリウム粒子(B)の粒子径10nm未満のものおよび硫酸バリウム粒子(B)の粒子径が10μm以上のものは除外した。また、エポキシ樹脂(A)中の硫酸バリウム粒子(B)の平均粒子径を測定する方法としては、他にX線回折分析(XRD)によっても粒度分布を測定することができる。
(1)エポキシ樹脂(A)に硫酸バリウム粒子(B)を添加し溶融混練する方法。
(2)上記(1)の方法において硫酸バリウム粒子(B)を多量添加したマスターペレットを製造し、これらと添加剤を含有しないエポキシ樹脂(A)とを混練して所定量の添加物を含有させる方法。
(3)上記(2)のマスターペレットをそのまま使用する方法。
ジシアンジアミド(C)について説明する。
本発明の組成物に含有されるジシアンジアミド(C)は、硬化剤として用いられている。組成物に含有される硬化剤は、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるものを用いることができる。硬化剤としては、ジシアンジアミド(C)以外に、例えば4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、メラミン、グアナミン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ポリチオールなどを用いることができる。本発明の組成物に含有される硬化剤としては、ジシアンジアミド(C)の他にこれらの中の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリチオールとして、例えば、ポリエーテル(例えば、ポリオキシプロピレングリコール)の末端にメルカプト基を導入したポリチオール(例えば、東レ・ファインケミカル社製「QE−340M」)が挙げられる。
本発明の組成物は、コアシェル型粒子(D)を含むのが好ましい。
コアシェル型粒子(D)について説明する。
本発明の組成物が含有するコアシェル型粒子(D)は、コア層、中間層およびシェル層の少なくとも3層を有する構造を備えるものであるのが好ましい。コアシェル型粒子(D)は、ゴム弾性を示す架橋ゴム層(中間層)を、ゴム弾性を示さない架橋ポリマー(シェル層)で被覆した構造であり、コアシェル型粒子(D)は3層構造の略球形粒子である。
コアシェル型粒子(D)は、中心にコア層を有し、そのコア層を覆うように中間層を有し、さらに中間層を覆うように最外殻にシェル層を有する。
また、コアシェル型粒子(D)は、低温から高温における接着性能および柔軟性がより優れるという観点から、シェル層のガラス転移温度が50℃以上であるのが好ましい。
なお、ガラス転移温度は、動的な粘弾性測定におけるtanδのピーク値の温度をいう。
また、コアシェル型粒子(D)は4層以上の構造を有していてもよい。例えば上記コア層の内部にガラス転移温度が50℃以下の層を有する4層構造であってもよい。
コアシェル型粒子(D)を構成する各層について説明する。
初めにコア層について説明する。
上記のようにコア層はコアシェル型粒子(D)の中心付近に存在する部分である。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。なかでも、低温から高温における接着性能および柔軟性により優れるという観点から、スチレンが好ましい。
次に中間層について説明する。
中間層は前記コア層の外側に存在する層である。
中間層を形成する物質は特に限定されないが、ガラス転移温度が−30℃以下の物質であることが好ましい。この温度は−110℃以上−30℃以下であることがより好ましく、−110℃以上−40℃以下であることがさらに好ましい。低温での弾性率を下げ、剥離強度を上げることができるからである。
なお、コアシェル型粒子(D)が4層以上を有する構造であって、中間層が2層以上存する場合、中間層の少なくとも1層が、ガラス転移温度が−30℃以下の物質からなることが好ましい。
また、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基などの官能基を持ったモノマーを共重合させることができる。
例えばエポキシ基を持つモノマーとしては、グリシジルメタクリレートが挙げられ、カルボキシル基を持つモノマーとしては、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸が挙げられる。
また、水酸基を持つモノマーとしては、2−ヒドロキシメタクリレート、2−ヒドロキシアクリレートが挙げられる。
架橋性単量体、グラフト化単量体は、上記と同様のものを用いることができる。
また、上記のように、コア層を形成する際に用いることができる架橋性単量体、グラフト化単量体の何れか一方又は両方を10質量%以内で用いることができる。架橋性単量体の使用量は、中間層を製造する際に使用することができるモノマー全量中の、通常、0.01質量%以上5質量%以下の範囲であり、好ましくは0.1質量%以上2質量%以下の範囲である。また、グラフト化単量体の使用量は、特に制限されない。
次にシェル層について説明する。
上記のようにシェル層は中間層を覆う最外殻の層であり、コアシェル型粒子の凝集を防ぐことができる。
そのためシェル層を形成する物質は特に限定されないが、シェル層のガラス転移温度が50℃以上であるのが好ましく、50℃以上200℃以下であることがより好ましく、80℃以上200℃以下であることがさらに好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、上述と同様に、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。なかでも、低温から高温における接着性能および柔軟性により優れるという観点から、スチレンが好ましい。
非芳香族系単量体の量は、シェル層を製造する際に使用されるモノマーの全量中、好ましくは70質量%以下の範囲であり、より好ましくは50質量%以下の範囲である。
シェル層を製造する際に使用することができる架橋性単量体としては、上述と同様に、例えば、ジビニルベンゼン、ブチレングリコールジメタクリレートが挙げられる。特に低温から高温における接着性能および柔軟性により優れるという観点から、ジビニルベンゼンが好ましい。
架橋性単量体の量は、シェル層を製造する際に使用されるモノマーの全量中、通常、30質量%以下の範囲であり、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下の範囲であり、より好ましくは5質量%以上15質量%以下の範囲である。
なお、コアシェル型粒子の1次粒子径の平均値はゼータ電位 粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社)を用いて測定して得た値を意味するものとする。
コアシェル型粒子(D)はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば公知のシード重合法に従い、所定の単量体を段階的に反応系に添加することによって、コア層、中間層及びシェル層を順次形成させることにより製造することができる。
従って、本発明の組成物によれば、接着剤の粘度上昇が抑えられ、凝集破壊をしつつ、作業性を良好に確保することができる。
第1表に示す成分を同表に示す添加量(質量部)で用いてこれらを均一に混合して本発明の組成物を得た。各々の実施例、比較例における各成分の添加量(質量部)を第1表に示す。
上記のようにして得られたエポキシ樹脂組成物を非めっき鋼板(亜鉛溶融メッキ鋼板)の表面に0.1mm以上0.2mm以下の厚さで塗布し、T字剥離強度試験およびSOD粘度に供した。
ここで、T字剥離強度試験の試験は、JIS K−6850(1999年)に従って行った。テストピース(非めっき鋼板)は0.8mm×25mm×200mmのものを用いた。
SOD粘度は、得られたエポキシ樹脂組成物を圧力粘度計(ASTM D 1092)を用いて測定した。測定は測定温度40℃において剪断速度20sec-1として行なった。40℃におけるSOD粘度が剪断速度20sec-1において170℃Pa・s以下であれば作業性が良好であると判断した。
また、80℃でのT字剥離強度試験における破壊形態を目視で確認した。
T字剥離強度試験、破壊形態およびSOD粘度の試験結果を第1表に示す。
(実施例1〜4)
エポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER828、ジャパンエポキシレジン社製)、ウレタン変性エポキシ樹脂(EPU−78−11、ポリオール成分:ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリイソシアネート成分:トリレンジイソシアネート(TDI)、ADEKA社製)およびゴム変性エポキシ樹脂(EPR−1309、BisAエポキシ樹脂を含有するNBR変性BisAエポキシ樹脂、ADEKA社製)を用いた。
硫酸バリウム粒子(B)として、硫酸バリウム粒子(B)1(商品名:BFN40DC、日本ソルベイ社製:1次粒子の平均粒径:30〜80nm、有機+無機(Al+SiO2)で表面処理)、または硫酸バリウム粒子(B)2(BFN40SC、日本ソルベイ社製:1次粒子の平均粒径:30〜80nm、有機+無機(Al+SiO2)で表面処理)を用いた。
ジシアンジアミド(C)として、商品名:Dicy15(ジャパンエポキシレジン社製)を用いた。
コアシェル型粒子(D)として、コアシェル型粒子(商品名:IM−601、ガンツ化成社製3層構造、1次粒子の平均粒径:200〜300nm、シェル層の成分:アクリロニトリル/スチレン共重合体、シェル層のガラス転移温度:約80℃〜100℃)を用いた。
触媒として、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(商品名:DUMU99、保土ヶ谷化学社製)を加えた。
シランカップリング剤(KBM−403、信越化学社製)を加えた。
実施例1〜4において用いた所定粒径の硫酸バリウム粒子(B)1、(B)2を加えないこと以外は実施例1〜4と同様に操作した。試験結果を第1表に示す。
比較例1に、更に、充填剤として、シリカ(商品名:RY−200S、日本アエロジル社製)を加え、実施例1〜4と同様に操作した。試験結果を第1表に示す。
実施例1〜4において用いた所定粒径の硫酸バリウム粒子(B)1、(B)2に代え、粒径が大きい硫酸バリウム粒子(B)3(関東化学社製、平均粒径30μmの市販品を1次粒子の平均粒径が3μmに粉砕して調整した)を用いたこと以外は実施例1〜4と同様に操作した。試験結果を第1表に示す。
第1表に示すように、実施例1〜4は、T字剥離強度が−20℃、室温、80℃のいずれの温度においても良好であった。
また、80℃におけるT字剥離強度試験における破壊形態について、実施例1〜4は全て凝集破壊であった。
また、80℃におけるT字剥離強度試験における破壊形態は界面破壊であった。
また、測定温度40℃において剪断速度20sec-1におけるSOD粘度が170℃Pa・s以下であれば組成物の粘度上昇は抑えられていると判断し、作業性は良好であると判断した。また、SOD粘度が160℃Pa・s以下であれば作業性がより良好であり、150℃Pa・s以下であれば作業性が更に良好であると判断した。
測定温度40℃において剪断速度20sec-1におけるSOD粘度が、実施例1〜4では、いずれも160以下であり、良好であった。
これに対し、硫酸バリウム粒子(B)1又は(B)2を含まない組成物を用いた比較例1、充填剤としてシリカを加えた組成物を用いた比較例2、硫酸バリウム粒子(B)3を含んだ組成物を用いた比較例3は、何れもSOD粘度が実施例1〜4よりも高く、特に、充填剤としてシリカを加えた組成物を用いた比較例2では、SOD粘度が390であった。
よって、硫酸バリウム粒子(B)1又は(B)2を含む組成物の方が、硫酸バリウム粒子(B)1又は(B)2を含まない組成物に比べてSOD粘度が抑えられることから、接着剤としての信頼性が高い。
Claims (5)
- エポキシ樹脂(A)、平均粒子径が100nm以下の硫酸バリウム粒子(B)およびジシアンジアミド(C)を含有し、
前記エポキシ樹脂(A):100質量部に対して、前記硫酸バリウム粒子(B):2質量部以上20質量部以下である、ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - さらにコアシェル型粒子(D)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記コアシェル型粒子(D)が、コア層、中間層およびシェル層の少なくとも3層を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記コアシェル型粒子(D)における前記シェル層のガラス転移温度が50℃以上である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物からなる製品が構造用接着剤である、ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
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