JP2017126499A - シールドコネクタ、及びコネクタ付きシールドケーブル - Google Patents

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【課題】通信品質の低下を抑制できるシールドコネクタ、及びこのシールドコネクタを備えるコネクタ付きシールドケーブルを提供する。【解決手段】シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタであって、インナーハウジングと、シールドシェルと、シールドケーブルの端部において露出する一対の通信線の端部を一括して覆うシールド部材とを備え、シールド部材は、一対の通信線の一面側に位置する当接面部と、当接面部の両側縁にそれぞれ設けられ、一対の通信線の並列方向の両側に位置する一対の側面部と、一対の通信線を挟んで当接面部と対向する対向面部と、一対の通信線の間に介在する仕切り部と、を有するシールドコネクタ。【選択図】図3

Description

本発明は、シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタ、及びこのシールドコネクタを備えるコネクタ付きシールドケーブルに関する。特に、通信品質の低下を抑制できるシールドコネクタに関する。
従来、自動車などの車両に搭載された電装品(ナビゲーション装置、ETC(Electronic Toll Collection)装置、モニタなど)と外部機器(カメラなど)との間や、電装品間の通信にシールドケーブルが利用されている。通信用のシールドケーブルは、一般に、通信線を含む電線と、電線の周囲を一括して被覆するシールド導体と、シールド導体の外周を被覆するシースとを有する。電線は、導体とその外周に絶縁被覆を有する。
通信線には、一般に、一対の通信線を撚り合わせたツイストペアケーブルが利用されている。特に、高速通信用の通信線の場合は、ノイズ対策として、一対の通信線の周囲を個別にシールド層で被覆したシールド付きツイストペアケーブル(STP:Shielded Twisted PairCable)が広く利用されている。
通常、シールドケーブルの端末には、シールドコネクタが取り付けられる。シールドコネクタは、シースを除去してシールド導体から電線を露出させたシールドケーブルの端部に接続することで、シールドケーブルに取り付けられる。シールドコネクタは、電線の導体端部に接続される端子を保持するインナーハウジングと、インナーハウジング及びシールドケーブルの端部を収容するシールドシェルとを備える。シールドシェルには、シールド導体が電気的に接続される(特許文献1を参照)。
特開2009−37826号公報
シールドコネクタが接続されるシールドケーブルの端部では、シースを除去し、シールド導体から電線の端部を露出させると共に、インナーハウジングの端子に電線の導体端部を接続するために、電線の端部の撚り戻しが行われる。その際、通信線の端部において、その周囲に設けられたシールド層も除去されることになる。そのため、通信線端部において、シールド導体・シールド層の除去と端部の撚り戻しによりインピーダンスが変わる。よって、ケーブル端部でのインピーダンスの不整合により、信号の反射が発生し、通信品質の低下を招く虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、通信品質の低下を抑制できるシールドコネクタ、及びこのシールドコネクタを備えるコネクタ付きシールドケーブルを提供することにある。
本発明の一態様に係るシールドコネクタは、少なくとも一対の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルの端部に接続される。前記シールドコネクタは、前記電線の導体端部に接続される端子を保持するインナーハウジングと、前記インナーハウジング及び前記シールドケーブルの端部を収容するシールドシェルと、前記シールドケーブルの端部において露出する前記一対の通信線の端部を一括して覆うシールド部材とを備える。前記シールド部材は、導電性の板材で形成され、当接面部と、一対の側面部と、対向面部と、仕切り部とを有する。前記当接面部は、前記一対の通信線の並列方向に沿って設けられ、前記一対の通信線の一面側に位置する。前記側面部は、前記当接面部の両側縁にそれぞれ設けられ、前記一対の通信線の並列方向の両側に位置する。前記対向面部は、前記両側面部に連接して設けられ、前記一対の通信線を挟んで前記当接面部と対向する。前記仕切り部は、前記対向面部及び前記当接面部の少なくとも一方に設けられ、前記一対の通信線の間に介在する。
本発明の一態様に係るコネクタ付きシールドケーブルは、少なくとも1本の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルと、前記シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタとを備える。そして、前記シールドコネクタが、上記本発明の一態様に係るシールドコネクタである。
上記シールドコネクタ及びコネクタ付きシールドケーブルは、通信品質の低下を抑制できる。
実施形態1のコネクタ付きシールドケーブルを後方から見た概略斜視図である。 実施形態1のシールドコネクタを分解して示す概略分解斜視図である。 実施形態1のシールドコネクタにおけるシールド部材が通信線対の端部に組み付けられた状態を示す概略断面図である。 実施形態1のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け後の形態を示す概略斜視図である。 実施形態1のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け前の形態を示す概略斜視図である。 実施形態1のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け工程を示す概略図である。 実施形態1のシールドコネクタにおけるインナーハウジングの概略正面図である。 実施形態2のシールドコネクタを分解して示す概略分解斜視図である。 実施形態2のシールドコネクタにおけるシールド部材が通信線対の端部に組み付けられた状態を示す概略断面図である。 実施形態2のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け後の形態を示す概略斜視図である。 実施形態2のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け前の形態を示す概略斜視図である。 実施形態2のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け工程を示す概略図である。 変形例2−1のシールドコネクタにおけるシールド部材が通信線対の端部に組み付けられた状態を示す概略断面図である。 変形例2−1のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け後の形態を示す概略斜視図である。 変形例2−1のシールドコネクタにおけるシールド部材の組み付け前の形態を示す概略斜視図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るシールドコネクタは、少なくとも一対の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルの端部に接続される。前記シールドコネクタは、前記電線の導体端部に接続される端子を保持するインナーハウジングと、前記インナーハウジング及び前記シールドケーブルの端部を収容するシールドシェルと、前記シールドケーブルの端部において露出する前記一対の通信線の端部を一括して覆うシールド部材とを備える。前記シールド部材は、導電性の板材で形成され、当接面部と、一対の側面部と、対向面部と、仕切り部とを有する。前記当接面部は、前記一対の通信線の並列方向に沿って設けられ、前記一対の通信線の一面側に位置する。前記側面部は、前記当接面部の両側縁にそれぞれ設けられ、前記一対の通信線の並列方向の両側に位置する。前記対向面部は、前記両側面部に連接して設けられ、前記一対の通信線を挟んで前記当接面部と対向する。前記仕切り部は、前記対向面部及び前記当接面部の少なくとも一方に設けられ、前記一対の通信線の間に介在する。
上記シールドコネクタによれば、シールドケーブルの端部において露出する通信線対の端部の周囲がシールド部材で覆われる。したがって、ケーブル端部でのインピーダンスの不整合を小さくでき、通信品質の低下を抑制できる。また、シールド部材が通信線の間に介在する仕切り部を有することで、通信線同士の間隔を一定に保つことができ、これによって通信線対のインピーダンスを低くすることができる。
その他、シールド部材で通信線対の端部の周囲が覆われることによって、電磁波ノイズの侵入や漏洩を抑制できる。シールドケーブルが複数の通信線対を有する場合、特定の通信線対にのみシールド部材を取り付けることが可能である。
(2)上記シールドコネクタの一形態として、前記シールド部材は、1つの前記板材から形成されていることが挙げられる。その場合、前記当接面部の両側縁から折り曲げられて前記一対の側面部が形成され、前記両側面部のそれぞれの端縁から前記並列方向の中央に向かって突き合うように折り曲げられて前記対向面部が形成され、前記対向面部の突き合わせ端から前記当接面部に向かって延びるように折り込まれて前記仕切り部が形成されていることが挙げられる。
上記形態によれば、シールド部材が1つの板材から形成されていることで、製造性に優れる。シールド部材が上記のように板材を折り曲げて形成されていることで、シールド部材を容易に形成でき、シールド部材を通信線対に容易に組み付けることができる。
(3)上記(2)に記載のシールドコネクタの一形態として、前記仕切り部の先端に爪部を有し、前記当接面部に前記爪部が挿通される嵌合孔が形成されていることが挙げられる。
上記形態によれば、仕切り部の先端に設けられた爪部と当接面部に形成された嵌合孔との係合により、仕切り部が当接面部に接続され、通信線対の端部からシールド部材が脱落し難い。
(4)上記シールドコネクタの一形態として、前記シールド部材は、第1シールド片と、前記第1シールド片に嵌め合わされる第2シールド片とを有し、前記第1シールド片及び前記第2シールド片はそれぞれ1つの前記板材から形成されていることが挙げられる。その場合、前記第1シールド片は、前記当接面部と、前記当接面部の両側縁から折り曲げられて形成された一対の第1側面部とを有し、前記第2シールド片は、前記対向面部と、前記対向面部の両側縁から折り曲げられて形成され、前記第1シールド片の前記第1側面部と重なり合う一対の第2側面部とを有することが挙げられる。前記第1側面部と前記第2側面部とで前記側面部が構成される。前記対向面部及び前記当接面部の少なくとも一方に前記並列方向の中央部が折り返されて二重になった前記仕切り部が一体に形成されている。
上記形態によれば、第1シールド片と第2シールド片とでシールド部材を構成できる。第1シールド片の第1側面部と第2シールド片の第2側面部とが互いに重なり合うように第1シールド片と第2シールド片とを嵌め合わせることで、シールド部材を容易に形成できる。このシールド部材では、第1シールド片の第1側面部と第2シールド片の第2側面部とが重なり合って側面部が構成されるため、側面部において板材が二重になっており、シールド性が高い。また、仕切り部が折り返されて二重になっており、通信線対のインピーダンスをより低減できる。
(5)上記(4)に記載のシールドコネクタの一形態として、前記第1シールド片及び前記第2シールド片のうち、一方の前記第1側面部又は前記第2側面部の先端に爪部を有し、他方の前記対向面部又は前記当接面部に前記爪部が挿通される嵌合孔が形成されていることが挙げられる。
上記形態によれば、第1側面部又は第2側面部の先端に設けられた爪部と対向面部又は当接面部に形成された嵌合孔との係合により、第1シールド片と第2シールド片とが互いに位置決めされて接続される。これにより第1シールド片と第2シールド片とが外れ難く、通信線対の端部からシールド部材が脱落し難い。
(6)上記(4)に記載のシールドコネクタの一形態として、前記第1シールド片の前記第1側面部及び前記第2シールド片の前記第2側面部のいずれか一方に他方に向かって突出する突起を有し、他方に前記突起が嵌合される嵌合孔が形成されていることが挙げられる。
上記形態によれば、第1側面部及び第2側面部の一方に設けられた突起と他方に形成された嵌合孔との係合により、第1シールド片と第2シールド片とが互いに位置決めされて接続される。これにより第1シールド片と第2シールド片とが外れ難く、通信線対の端部からシールド部材が脱落し難い。また、第1シールド片と第2シールド片とを嵌め合わせた際に突起が嵌合孔に嵌合されることから、シールド部材の組み立てが容易である。
(7)本発明の一態様に係るコネクタ付きシールドケーブルは、少なくとも一対の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルと、前記シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタとを備える。そして、前記シールドコネクタが、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のシールドコネクタである。
上記コネクタ付きシールドケーブルによれば、本発明の一態様に係るシールドコネクタを備えることで、シールドケーブルの端部において露出する通信線対の端部の周囲がシールド部材で覆われる。したがって、ケーブル端部でのインピーダンスの不整合を小さくでき、通信品質の低下を効果的に抑制できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るシールドコネクタ及びコネクタ付きシールドケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
<コネクタ付きシールドケーブル>
図1〜図7を参照して、実施形態1のシールドコネクタ及びコネクタ付きシールドケーブルを説明する。実施形態1のコネクタ付きシールドケーブル1は、図1に示すように、シールドケーブル100と、シールドケーブル100の端部に接続されるシールドコネクタ10とを備える。実施形態1のシールドコネクタ10は、図2に示すように、インナーハウジング20と、シールドシェル40とを備える。実施形態1のシールドコネクタ10の特徴の1つは、シールドケーブル100の端部において露出する通信線対121,122の端部を一括して覆うシールド部材60を備える点にある。まず、シールドケーブル100の構成を説明し、次いで、シールドコネクタ10の構成について詳しく説明する。以下の説明では、シールドコネクタ10のインナーハウジング20側を前(正面)、シールドケーブル100側を後とし、シールドシェル40のベース41(底板部42)側を下、カバー51(上板部52)側を上として説明する。
<シールドケーブル>
シールドケーブル100は、図2に示すように、複数の電線110と、これら電線110の周囲を一括して被覆するシールド導体130と、シールド導体130の外周を被覆するシース140とを有する。シールド導体130は、銅やアルミニウムといった導電性金属の編組線で形成され、シース140は、絶縁性の樹脂やゴムなどで形成されている。シールドケーブル100の端部では、シース140が除去されると共に、シールド導体130の端部がシース140上に折り返され、シールド導体130から電線110の端部が露出している。複数の電線110の端部は撚り戻されて、並列に分岐されている。
シールドケーブル100は、図3に示すように、10本の電線110を有する。具体的には、高速通信用として、一対の通信線121,122とドレイン線123とを2組(計6本)、低速通信用として、一対の通信線124,125を1組(計2本)、並びに、電源線126(1本),グランド線127(1本)を有する。通信線121,122は、USB(Universal Serial Bus)3.0規格の通信線(最大通信速度:5Gbps)であり、シールド層(図示せず)が設けられたドレイン線123付きの差動ペア・ケーブルである。通信線124,125は、USB2.0規格の通信線(最大通信速度:480Mbps)であり、ツイストペアケーブルである。電線110のうち、ドレイン線123以外は、導体111の外周に絶縁被覆112を有する。シールドケーブル100の端部では、電線110の端部が上下に5本ずつ分かれて横並びに配置されており、図2に示すように電線110の先端で導体111の端部が露出している。図3は、シールドケーブル100(電線110)の先端側から見た図である。
シールドケーブル100において、一対の通信線121,122は、その周囲に導電性の箔(例、銅箔やアルミニウム箔)を巻き付けてシールド層(図示せず)が被覆されており、シールド層にドレイン線123が接触するように配置されている。シールドケーブル100の端部では、電線110を撚り戻す際にシールド層が除去されており、通信線121,122の端部がシールド層で覆われていない。
<シールドコネクタ>
シールドコネクタ10は、図2に示すように、インナーハウジング20と、シールドシェル40と、シールド部材60とを備える。以下、シールドコネクタ10の特徴部分であるシールド部材60について先に説明し、シールドコネクタ10のその他の構成部材については後に説明する。
(シールド部材)
シールド部材60は、図2,図3に示すように、シールドケーブル100の端部において、シールド導体130やシース140から露出する複数の電線110の端部のうち、シールド層が除去された通信線対121,122の端部の周囲を一括して覆う部材である。図3は、通信線対121,122の端部にシールド部材60が組み付けられた後の状態を示している。図4〜図6も参照しつつ、シールド部材60について説明する。
シールド部材60は、導電性の板材で形成され、図3に示すように、当接面部62と一対の側面部63と対向面部66と仕切り部68とを有する。ここで、当接面部62は、通信線対121,122の並列方向(通信線121,122が並ぶ方向)に沿って設けられ、通信線対121,122の一面側に位置する部分である。側面部63は、当接面部62の両側縁にそれぞれ設けられ、通信線対121,122の並列方向の両側に位置する部分である。対向面部66は、両側面部63に連接して設けられ、通信線対121,122を挟んで当接面部62と対向する部分である。仕切り部68は、通信線対121,122の間に介在する部分である。シールド部材60では、仕切り部68が対向面部66に設けられており、対向面部66から当接面部62に向かって延びるように仕切り部68が形成されている。
図2,図3に例示するシールド部材60は、図4,図5に示すように、1つの導電性の板材から形成されており、板材を折り曲げて組み立てられる。具体的には、当接面部62の両側縁から折り曲げられて一対の側面部63が形成され、両側面部63のそれぞれの端縁から並列方向の中央に向かって突き合うように折り曲げられて対向面部66が形成されている。また、対向面部66の突き合わせ端のそれぞれから当接面部62に向かって延びるように折り込まれて仕切り部68が形成されており、仕切り部68が二重になっている。この例では、側面部63と対向面部66と仕切り部68がそれぞれ平面で構成されているが、これらのうち、いずれか1つが通信線121,122の周面に沿った曲面で構成されていてもよい。図4は、通信線対121,122の端部に組み付けた後のシールド部材60の形態を示している。図5は、通信線対121,122の端部に組み付ける前のシールド部材60の形態を示し、図5では、両側面部63が開いた状態になっている。
シールド部材60は、仕切り部68の先端に爪部60fを有し、当接面部62に爪部60fが挿通される嵌合孔60hが形成されている。爪部60fは、図5に示すように、仕切り部68の端縁から突出して形成されている。シールド部材60の組み付け後、図3に示すように爪部60fが嵌合孔60hに挿通された状態で当接面部62の外面に接するように折り曲げられ、爪部60fが嵌合孔60hから抜けないようになっている。
(シールド部材の組み付け方法)
図6を参照して、シールド部材60の組み付け方法の一例を説明する。ここでは、通信線対121,122の並列方向を横方向(左右方向)とし、その方向に直交する方向を縦方向(上下方向)とする。まず、導電性の板材を切断して所定の形状に加工したシールド部材用板材を用意する(図5参照)。図6の上図に示すように、シールド部材60の当接面部62にあたる部分が通信線対121,122に沿って接するように、シールド部材用板材(当接面部62)を通信線対121,122の一面側(図6では、下面側)に位置するように配置する。次に、図6の中図に示すように、シールド部材用板材を折り曲げて、側面部63と対向面部66と仕切り部68の各部分を形成する。側面部63は、当接面部62の左右両側縁からそれぞれ直角に折り曲げて、通信線対121,122の左右両側に対向して位置するように形成する。対向面部66は、両側面部63のそれぞれの上端縁から左右方向の中央で突き合うように直角に折り曲げて、通信線対121,122を挟んで当接面部62と対向するように形成する。仕切り部68は、対向面部66の突き合わせ端の双方から当接面部62に向かって下方に延びるように直角に折り込んで、通信線対121,122の間に介在するように形成する。最後に、図6の下図に示すように、各仕切り部68の先端に設けた両爪部60fを当接面部62に形成した嵌合孔60hに挿通し、両爪部60fの先端を左右外側に折り曲げて係合する。以上により、シールド部材60を組み立てることができ、シールドケーブル100の端部において、露出する通信線対121,122の端部にシールド部材60を組み付けることができる(図2,図3参照)。
(シールド部材の形成材料)
シールド部材60を形成する導電性の板材としては、銅やアルミニウムといった導電性金属の板材が利用できる。板材のサイズは、通信線対121,122の端部の周囲を一括して覆うと共に、通信線対121,122の間に仕切り部68が形成されるように適宜設定すればよい。例えば、通信線121,122の径、通信線対121,122の端部間の離間距離(横方向の長さ)、及び通信線対121,122の端部の露出長などに応じて適宜設定することが挙げられる。板材の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1mm以上0.3mm以下、好ましくは0.15mm以上0.25mm以下とすることが挙げられる。板材の厚さを0.1mm以上とすることで、シールド性を確保し易い。一方、板材の厚さが厚すぎると、通信線対121,122の端部にシールド部材60を組み付ける際、周りの電線110の端部と干渉する問題が生じ得る(図2,図3参照)。板材の厚さを0.3mm以下とすることで、シールド部材60をコンパクトにできる他、折り曲げし易く、通信線対121,122の端部にシールド部材60を組み付け易い。
(シールド部材による作用効果)
シールド部材60を備える実施形態1のシールドコネクタ10、並びにこのシールドコネクタ10を備えるコネクタ付きシールドケーブル1は、次の効果を奏する。
(1)シールドケーブル100の端部において、露出する通信線対121,122の端部の周囲が全周に亘ってシールド部材60で覆われる。したがって、通信線対121,122の端部が露出するケーブル端部での、インピーダンスの不整合を小さくでき、通信品質の低下を抑制できる。さらに、シールド部材60に通信線121,122の間に介在する仕切り部68が設けられていることで、通信線対121,122のインピーダンスを低くできる。シールド部材60では、対向面部66の突き合わせ端のそれぞれから仕切り部68が形成され、仕切り部68が二重になっているため、通信線対121,122のインピーダンスをより低減できる。
(2)通信線対121,122の端部の周囲がシールド部材60で覆われることによって、電磁波ノイズの侵入や漏洩を抑制できる。
(3)シールド部材60は、シールドケーブル100の端部において露出する複数の電線110のうち、特定の通信線対121、122に選択的に組み付けることが可能である。シールド部材60は、1つの導電性の板材から形成され、板材を折り曲げて容易に組み立てられることから、通信線対121、122に容易に組み付けることが可能である。
(4)仕切り部68の先端に設けられた爪部60fと当接面部62に形成された嵌合孔60hとの係合により、仕切り部68と当接面部62とが強固に接続され、通信線対121,122の端部からシールド部材60が脱落することを抑制できる。
以下、シールドコネクタ10のその他の構成部材について説明する。
(インナーハウジング)
インナーハウジング20は、図2に示すように電線110の導体111端部に接続される端子22を保持する部材であり、絶縁性樹脂で形成されている。インナーハウジング20は、端子22を収納する端子孔23が形成された本体部21と、電線110の導体111端部が配置される配置部31とを有する。インナーハウジング20の本体部21には、上下に5個ずつ端子孔23が並んで形成されており(図7を参照)、各端子孔23に端子22が挿入されて収納されている。配置部31は、本体部21の上下方向の中間位置から後方に向かって延出するように、本体部21と一体に設けられている。配置部31には、導体111端部を配置するための配置溝が形成されている。
〈端子〉
端子22は、導電性金属からなるメス型端子であり、本体部21の端子孔23に収納される角筒状の部分と、その後方に一体に形成されて導体111端部と電気的に接続される板状の部分とを有する。この板状部分は、配置部31の配置溝に沿って配置される。導体111端部は、端子22の板状部分に載置され、半田付けにより電気的に接続される。導体111端部と端子22との接続は、通信線対121,122の端部にシールド部材60を組み付けた後に行うとよい。インナーハウジング20は、電線110の導体111端部に接続された端子22が端子孔23に収納され、シールドケーブル100の端部に取り付けられた状態で、後述するベース41に配置される。
〈凸部〉
インナーハウジング20は、本体部21及び配置部31の各側面から突出する凸部25を有する(図2では、左側面のみ示しているが、反対側の右側面も同じである)。各凸部25は、インナーハウジング20の前後方向に並んで設けられており、それぞれ下方に向かってテーパ状に形成されている。各凸部25は、後述するベース側板部43に形成された各係合孔45に係合される。
(シールドシェル)
シールドシェル40は、図2に示すようにインナーハウジング20及びシールド部材60を含むシールドケーブル100の端部を収容する部材であり、導電性金属で形成されている。シールドシェル40は、前方から順にインナーハウジング20を収容するハウジング収容部と、露出する電線110の端部を収容する電線収容部と、シールドケーブル100の端部が挿入されるケーブル挿入部40cとを有する。ケーブル挿入部40cには、シールドケーブル100の外径に対応した形状の開口が形成されている。シールドシェル40は、インナーハウジング20の下側に配置されるベース41と、インナーハウジング20の上側に配置され、ベース41の上方から覆うように嵌合されるカバー51とで構成されている。
(ベース)
ベース41は、図2に示すように、インナーハウジング20の下面を覆い、ケーブル挿入部40cに向かって延伸される底板部42と、インナーハウジング20の両側面を覆うように底板部42の両側から立設する一対のベース側板部43とを有する。ベース側板部43は、ケーブル挿入部40cに向かって一連に形成されている。ベース41は、導電性金属の板材を所定の形状に切断して折り曲げることにより形成されている。
〈係合孔〉
ベース41のベース側板部43には、インナーハウジング20の凸部25が係合される係合孔45が形成されている。インナーハウジング20をベース41の上方から嵌め込むことで、インナーハウジング20の凸部25と、ベース側板部43の係合孔45とがそれぞれ係合して、インナーハウジング20がベース41に位置決めして固定される。
〈突起〉
また、ベース41は、ベース側板部43の外面から突出する突起44を有する。突起44は、後述するカバー側板部53に形成された嵌合孔54に嵌合される。この突起44は、打ち出し(叩き出し)により形成され、下方に向かって膨出するようにドーム状に形成されている。ベース側板部43の外面からの突起44の突出量は、カバー側板部53の厚さ以下であり、突起44は嵌合孔54内に収まるようになっている。
(カバー)
カバー51は、図2に示すように、インナーハウジング20の上面を覆い、ケーブル挿入部40cに向かって延伸される上板部52と、ベース側板部43の外側に重複するように上板部52の両側から立設する一対のカバー側板部53とを有する。カバー側板部53は、ベース側板部43の外側に重複して、ベース側板部43の係合孔45を覆う(図1を参照)。カバー側板部53は、ケーブル挿入部40cに向かって一連に形成されている。カバー51は、ベース41と同様に、導電性金属の板材を所定の形状に切断して折り曲げることにより形成されている。カバー51は、インナーハウジング20及びシールドケーブル100(電線110)の端部がベース41に配置された状態で、ベース41の上方から取り付けられる。
〈嵌合孔〉
カバー51のカバー側板部53には、ベース側板部43の突起44が嵌合される嵌合孔54が形成されている。ベース41にカバー51を嵌合したとき(図1を参照)、ベース側板部43の突起44とカバー側板部53の嵌合孔54とが嵌合することで、カバー51がベース41に位置決めして嵌合される。
〈バレル部・突出片〉
シールドケーブル100の端部は、図2に示すように、折り返されたシールド導体130の端部の一部がシールドシェル40内に収容され、残部がケーブル挿入部40cから露出するように挿入される。ベース41側のケーブル挿入部40cには、後方に突出するバレル部80が一体に形成されている。バレル部80は、U字状をなし、両端から延びる一対の圧着片81,82を有する。バレル部80の上方からシールド導体130の端部を挿入し、圧着片81,82をカシメることで、シールド導体130の端部に圧着片81,82が圧着される(図1を参照)。バレル部80は、圧着片81,82をカシメてシールド導体130の端部に圧着したとき、圧着片81,82が互いに噛み合って円筒状をなすように形成されている。具体的には、圧着片81は、テーパ状の突片を有し、圧着片82は、圧着片81の突片が嵌合するV状の切欠を有する二股状の突片を有する。
さらに、カバー51側のケーブル挿入部40cには、バレル部80に対向するように後方に突出する突出片85が一体に形成されている。突出片85は、シールドケーブル100の外周面に沿うように円弧状に形成されている。突出片85は、圧着片81,82をカシメてバレル部80を圧着したとき(図1を参照)、圧着片81,82の内側に位置して押さえ付けられ、シールド導体130の端部に接触する。バレル部80がシールド導体130の端部に圧着されることで、バレル部80(圧着片81,82)及び突出片85がシールド導体130の端部に接触し、シールドシェル40とシールド導体130とが電気的に接続される。
(シールドコネクタの組み立て方法)
シールドコネクタ10の組み立て方法の一例を説明する。最初に、図2に示すように、シールドケーブル100の端部処理を行い、シールド導体130から複数の電線110の端部を露出させると共に、その端部を撚り戻して各電線110を分離する。次に、上述したように、シールドケーブル100の端部において露出する複数の電線110のうち、通信線対121,122の端部にシールド部材60を組み付ける。その後、通信線対121,122を含む各電線110の導体111の端部に端子22を接続し、各端子22をインナーハウジング20(本体部21)の端子孔23に収納して、シールドケーブル100の端部にインナーハウジング20を取り付ける。次に、インナーハウジング20及びシールドケーブル100の端部をベース41に配置し、次いで、ベース41にカバー51を嵌合して取り付け、シールドシェル40を組み立てる。
最後に、シールドシェル40のバレル部80(圧着片81,82)をカシメてシールド導体130の端部に圧着させ、シールドケーブル100の端部にシールドシェル40を固定する。以上により、シールドコネクタ10を組み立てることができ、シールドケーブル100の端部にシールドコネクタ10を接続することができる。
[実施形態2]
図8〜図11を参照して、実施形態2のシールドコネクタを説明する。実施形態2のシールドコネクタは、シールド部材の構成が実施形態1と相違する。以下の説明においては、上述した実施形態1との相違点であるシールド部材について中心に説明することとし、実施形態1と共通する点についてはその説明を省略する。
(シールド部材)
実施形態2のシールド部材70は、図8〜図11に示すように、第1シールド片71と第2シールド片75とを有し、第1シールド片71と第2シールド片75の2つの部材で構成されている点が実施形態1のシールド部材60と異なる。シールド部材70は、第1シールド片71と第2シールド片75とを図10に示すように組み合わせ、嵌め合わせることにより一体化され、通信線対121,122の端部に組み付けられる(図9参照)。第1シールド片71及び第2シールド片75はそれぞれ1つの導電性の板材から形成されており、板材を折り曲げて組み立てられる(図10,図11参照)。
(第1シールド片)
第1シールド片71は、図10,図11に示すように、当接面部72と、当接面部の両側縁から折り曲げられて形成された一対の第1側面部73とを有する。図9に示すように、当接面部72は、通信線対121,122の並列方向に沿って設けられ、通信線対121,122の一面側に位置する部分である。第1側面部73は、当接面部72の両側縁にそれぞれ設けられ、通信線対121,122の並列方向の両側に位置する部分である。第1シールド片71は、シールド部材70の軸方向から見た端面の形状が略]状である。
第1シールド片71の第1側面部73の先端には、後述する第2シールド片75の対向面部76に形成された嵌合孔70hに挿通される爪部70fが設けられている。爪部70fは、図11に示すように、第1側面部73の端縁から突出して形成されている。
(第2シールド片)
第2シールド片75は、対向面部76と、対向面部76の両側縁から折り曲げられて形成され、第1シールド片71の各第1側面部73と重なり合う一対の第2側面部77とを有する。対向面部76は、通信線対121,122を挟んで当接面部72と対向する部分である。第2側面部77は、対向面部76の両端縁にそれぞれ設けられ、通信線対121,122の並列方向の両側に位置する部分である。第1シールド片71と第2シールド片75とを組み合わせてシールド部材70を構成したとき、対向面部76の両側縁に設けられた各第2側面部77が各第1側面部73と重複し、対向面部76が両第1側面部73に連接して設けられる。シールド部材70では、第1側面部73と第2側面部77とが互いに重なり合い、第1側面部73と第2側面部77とで側面部が構成されるため、実施形態1のシールド部材60(図3参照)と異なり、側面部において板材が二重になっている。
また、第2シールド片75は、通信線対121,122の間に介在する仕切り部78を有する。具体的には、対向面部76において、通信線対121,122の並列方向の中央部が折り返されて二重になった仕切り部78が一体に形成されている。つまり、シールド部材70では、仕切り部78が対向面部76に設けられ、対向面部76から第1シールド片71の当接面部72に向かって突出するように、対向面部76の中央部を略U字状に折り返して仕切り部78が形成されている。第2シールド片75は、シールド部材70の軸方向から見た端面の形状が略M字状である。
第2シールド片75の対向面部76には、図11に示すように、第1側面部73の先端に設けられた爪部70fが挿通される嵌合孔70hが形成されている。シールド部材70の組み付け後、図9に示すように爪部70fが嵌合孔70hに挿通された状態で対向面部76の外面に接するように折り曲げられ、爪部70fが嵌合孔70hから抜けないようになっている。
シールド部材70では、図9〜図11に示すように、第2シールド片75の両第2側面部77が第1シールド片71の両第1側面部73の外側に重複するように設けられている。これに代えて、第2シールド片75の両第2側面部77が第1シールド片71の両第1側面部73の内側に重複するようにしてもよい。また、第2シールド片75の対向面部76に仕切り部78が設けられているが、第1シールド片71の当接面部72に仕切り部78を形成してもよい。この場合、第1シールド片71の端面形状が略W字状になり、第2シールド片75の端面形状が略]状になる。
シールド部材70では、第1シールド片71の第1側面部73の先端に爪部70fを有し、第2シールド片75の対向面部76に嵌合孔70hが形成されている。これに代えて、第2シールド片75の第2側面部77の先端に爪部70fを設け、第1シールド片71の当接面部72に嵌合孔70hを形成してもよい。この場合、第2シールド片75の両第2側面部77を第1シールド片71の両第1側面部73の内側に重複するように設けることが挙げられる。
(第1シールド片及び第2シールド片の形成材料)
第1シールド片71及び第2シールド片75を形成する導電性の板材としては、実施形態1のシールド部材60と同様に、銅やアルミニウムといった導電性金属の板材が利用できる。板材のサイズは、所定の形状の第1シールド片71及び第2シールド片75が形成されるように適宜設定すればよい。板材の厚さは、シールド性や折り曲げ加工性などを考慮して、例えば0.1mm以上0.3mm以下、好ましくは0.15mm以上0.25mm以下とすることが挙げられる。
(シールド部材の組み付け方法)
図12を参照して、シールド部材70の組み付け方法の一例を説明する。ここでは、通信線対121,122の並列方向を横方向(左右方向)とし、その方向に直交する方向を縦方向(上下方向)とする。まず、導電性の板材を所定の形状に切断して折り曲げることにより第1シールド片71と第2シールド片75とを形成する(図11参照)。図12の上図に示すように、第1シールド片71の当接面部72が通信線対121,122の一面側(図12では、下面側)に位置し、第1側面部73が通信線対121,122の左右両側に対向して位置するように、第1シールド片71を通信線対121,122の下側に配置する。次に、図12の中図に示すように、第2シールド片75の対向面部76が通信線対121,122を挟んで当接面部72と対向し、両第2側面部77が両第1側面部73の左右外側に重なり合うように、第1シールド片71の上方から第2シールド片75を嵌め合わせる。
最後に、図12の下図に示すように、各第1側面部73の先端に設けた両爪部70fを対向面部76に形成した嵌合孔70hに挿通し、両爪部70fの先端を左右内側に折り曲げて係合する。以上により、シールド部材70を組み立てることができ、シールドケーブル100の端部において、露出する通信線対121,122の端部にシールド部材70を組み付けることができる(図8,図9参照)。
(作用効果)
シールド部材70を備える実施形態2のシールドコネクタ10であっても、上述した実施形態1と同様の効果を奏することができる。具体的には、シールドケーブル100の端部において、露出する通信線対121,122の端部の周囲が全周に亘ってシールド部材70で覆われる。したがって、通信線対121,122の端部が露出するケーブル端部での、インピーダンスの不整合を小さくでき、通信品質の低下を抑制できる。さらに、シールド部材70に通信線121,122の間に介在する仕切り部78が設けられていることから、通信線対121,122のインピーダンスを低くできる。シールド部材70では、仕切り部78が折り返されて形成され、二重になっているため、通信線対121,122のインピーダンスをより低減できる。
シールド部材70は、第1シールド片71と第2シールド片75とで構成され、第1側面部73と第2側面部77とが互いに重なり合うように第1シールド片71と第2シールド片75とを嵌め合わせることで容易に組み立てることができる。シールド部材70では、第1シールド片71の第1側面部73と第2シールド片75の第2側面部77とが重なり合って側面部が構成されるため、側面部において板材が二重になっており、シールド性が高い。
また、シールド部材70は、第1側面部73の先端に設けられた爪部70fと対向面部76に形成された嵌合孔70hとの係合により、第1シールド片71と第2シールド片75とが強固に接続される。そのため、通信線対121,122の端部からシールド部材70が脱落することを抑制できる。また、爪部70fと嵌合孔70hとの係合により、第1シールド片71と第2シールド片75とを互いに位置決めできる。
[変形例2−1]
図13〜図15を参照して、変形例2−1のシールドコネクタを説明する。変形例2−1のシールドコネクタは、シールド部材の係合構造が実施形態2と相違する。以下、上述した実施形態2のシールドコネクタにおけるシールド部材との相違点を中心に説明し、実施形態2と同様の構成については重複する説明を省略する。
変形例2−1のシールド部材70は、図13〜図15に示すように、第1シールド片71の第1側面部73に第2シールド片75の第2側面部77に向かって突出する突起70pを有する。一方、第2シールド片75の第2側面部77には、突起70pが嵌合される嵌合孔70hが形成されている。
図13〜図15に示すシールド部材70では、両第1側面部73の外側にそれぞれ突起70pが設けられ、両第1側面部73の外面から突出するように突起70pが形成されている。各突起70pは、打ち出し(叩き出し)により形成され、当接面部72側(下方)に向かって膨出するようにドーム状に形成されている。第1側面部73の外面からの突起70pの突出量は、第2側面部77の厚さ以下であり、突起70pは嵌合孔70h内に収まるようになっている。
この例では、第1シールド片71の第1側面部73の外側に突起70pを有し、第2シールド片75の第2側面部77に嵌合孔70hが形成されている。これとは逆に、第2側面部77の内側に突起70pを設け、第1側面部73に嵌合孔70hを形成してもよい。図14に示すように、第1側面部73及び第2側面部77のうち、内側に位置する第1側面部73に突起70pを設けると共に外側に位置する第2側面部77に嵌合孔70hを形成することが好ましい。このようにすることで、第1シールド片71と第2シールド片75とを嵌め合わせた際に、シールド部材70の外側から突起70pが嵌合孔70hに嵌合したことを目視で確認することが可能である。
変形例2−1のシールド部材70では、突起70pと嵌合孔70hとの係合により、第1シールド片71と第2シールド片75とが強固に接続され、通信線対121,122の端部からシールド部材70が脱落することを抑制できる。また、突起70pと嵌合孔70hとの係合により、第1シールド片71と第2シールド片75とを互いに位置決めできる。
変形例2−1では、第1シールド片71と第2シールド片75とを嵌め合わせた際に突起70pと嵌合孔70hとが嵌合されることになるため、実施形態2に比較してシールド部材の組み立てが容易である。
本発明のシールドコネクタ及びコネクタ付きシールドケーブルは、高速通信用のシールドケーブルに好適に利用可能である。
1 コネクタ付きシールドケーブル
10 シールドコネクタ
20 インナーハウジング
21 本体部
22 端子
23 端子孔
25 凸部
31 配置部
40 シールドシェル
40c ケーブル挿入部
41 ベース
42 底板部
43 ベース側板部
44 突起
45 係合孔
51 カバー
52 上板部
53 カバー側板部
54 嵌合孔
60 シールド部材
62 当接面部
63 側面部
66 対向面部
68 仕切り部
60f 爪部
60h 嵌合孔
70 シールド部材
71 第1シールド片
72 当接面部
73 第1側面部
75 第2シールド片
76 対向面部
77 第2側面部
78 仕切り部
70f 爪部
70p 突起
70h 嵌合孔
80 バレル部
81,82 圧着片
85 突出片
100 シールドケーブル
110 電線
111 導体
112 絶縁被覆
121,122 通信線
123 ドレイン線
124,125 通信線
126 電源線
127 グランド線
130 シールド導体
140 シース

Claims (7)

  1. 少なくとも一対の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタであって、
    前記電線の導体端部に接続される端子を保持するインナーハウジングと、
    前記インナーハウジング及び前記シールドケーブルの端部を収容するシールドシェルと、
    前記シールドケーブルの端部において露出する前記一対の通信線の端部を一括して覆うシールド部材と、を備え、
    前記シールド部材は、導電性の板材で形成され、
    前記シールド部材は、
    前記一対の通信線の並列方向に沿って設けられ、前記一対の通信線の一面側に位置する当接面部と、
    前記当接面部の両側縁にそれぞれ設けられ、前記一対の通信線の並列方向の両側に位置する一対の側面部と、
    前記両側面部に連接して設けられ、前記一対の通信線を挟んで前記当接面部と対向する対向面部と、
    前記対向面部及び前記当接面部の少なくとも一方に設けられ、前記一対の通信線の間に介在する仕切り部と、を有するシールドコネクタ。
  2. 前記シールド部材は、1つの前記板材から形成されており、
    前記当接面部の両側縁から折り曲げられて前記一対の側面部が形成され、
    前記両側面部のそれぞれの端縁から前記並列方向の中央に向かって突き合うように折り曲げられて前記対向面部が形成され、
    前記対向面部の突き合わせ端から前記当接面部に向かって延びるように折り込まれて前記仕切り部が形成されている請求項1に記載のシールドコネクタ。
  3. 前記仕切り部の先端に爪部を有し、
    前記当接面部に前記爪部が挿通される嵌合孔が形成されている請求項2に記載のシールドコネクタ。
  4. 前記シールド部材は、第1シールド片と、前記第1シールド片に嵌め合わされる第2シールド片とを有し、
    前記第1シールド片及び前記第2シールド片はそれぞれ1つの前記板材から形成されており、
    前記第1シールド片は、前記当接面部と、前記当接面部の両側縁から折り曲げられて形成された一対の第1側面部とを有し、
    前記第2シールド片は、前記対向面部と、前記対向面部の両側縁から折り曲げられて形成され、前記第1シールド片の前記第1側面部と重なり合う一対の第2側面部とを有し、
    前記第1側面部と前記第2側面部とで前記側面部が構成され、
    前記対向面部及び前記当接面部の少なくとも一方に前記並列方向の中央部が折り返されて二重になった前記仕切り部が一体に形成されている請求項1に記載のシールドコネクタ。
  5. 前記第1シールド片及び前記第2シールド片のうち、一方の前記第1側面部又は前記第2側面部の先端に爪部を有し、他方の前記対向面部又は前記当接面部に前記爪部が挿通される嵌合孔が形成されている請求項4に記載のシールドコネクタ。
  6. 前記第1シールド片の前記第1側面部及び前記第2シールド片の前記第2側面部のいずれか一方に他方に向かって突出する突起を有し、他方に前記突起が嵌合される嵌合孔が形成されている請求項4に記載のシールドコネクタ。
  7. 少なくとも一対の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルと、前記シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタとを備えるコネクタ付きシールドケーブルであって、
    前記シールドコネクタが、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のシールドコネクタであるコネクタ付きシールドケーブル。
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