JP2017119406A - 加圧式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、筆記時にのみ、筆記具用インキ組成物の後端に加圧力が加えることができる加圧式筆記具を得るものである。【解決手段】加圧式筆記具であって、前記ボールペンレフィルが、前記軸筒の後方側に移動可能に配設、且つ軸筒内に配設した弾発部材によって、前記軸筒の前端側へ付勢されおり、前記加圧機構が、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記ボールペンレフィルを後方に移動させることで、前記インキ収容筒の後端部を、前記軸筒内に設けた密閉部に圧接、且つ密閉した空間を圧縮して、前記筆記具用インキ組成物の後端を密閉に圧力を加える加圧機構であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、ボールペンチップの前端部が軸筒前端から突出した状態で、前記軸筒に設けた加圧機構によって、前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具に関するものである。
従来から、インキ収容管の後端部に加圧機構が設けられ、例えば、特開2000−335173号公報「ボールペン」に開示のように、ノック機構の押出し操作に連動させて前記インキ充填管内を加圧状態とする構造等、ノック体の押圧によって、加圧機構部を作動させてなる加圧式筆記具や、例えば、実開平6−16088号公報「塗布具」に開示のように、キャップを軸筒後端部に嵌合することで、加圧機構部を作動させてなる加圧式筆記具も知られている。
特開2000−335173号公報 実開平6−16088号公報
しかし特許文献のような加圧式筆記具にあっては、加圧機構部を作動させた後は、常時、インキの後端に加圧力が加わるため、チップ先端からのインキ漏れが発生しやすくなる。そのため、加圧式筆記具には、予めインキ粘度の高い筆記具用インキ組成物を用いることで、前記インキ漏れを抑制していた。
また、特許文献2では、キャップの装着によって加圧状態とすることができるが、弁機構によって、キャップを取り外した後も加圧状態を維持するために、特許文献1と同様に、筆記時には常時、筆記具用インキ組成物の後端に加圧力が加わることを前提として、インキ粘度やその配合を行っていた。
本発明の目的は、筆跡形成時にのみ、筆記具用インキ組成物の後端に加圧力が加えることができる加圧式筆記具を得ることである。
上記目的を達成するために、本発明は、インキ収容筒の前端部にボールペンチップと、内部に筆記具用インキ組成物を充填したボールペンレフィルを、軸筒内に収容してなり、前記ボールペンチップの前端部が軸筒前端から突出した状態で、前記軸筒に設けた加圧機構によって、前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具であって、前記ボールペンレフィルが、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記軸筒の後方側に移動可能に配設、且つ軸筒内に配設した弾発部材によって、前記軸筒の前端側へ付勢されおり、前記加圧機構が、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記ボールペンレフィルを後方に移動させることで、前記インキ収容筒の後端部を、前記軸筒内に設けた密閉部に圧接、且つ密閉した空間を圧縮して、前記筆記具用インキ組成物の後端を密閉に圧力を加える加圧機構であることを特徴とする。尚、本発明で、「前」とは、ペン先側を指し、「後」とは、その反対側を指す。
また、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下としたことを特徴とする。
前記ボールペンレフィルが、前記軸筒内に設けた第二弾発体によって、軸筒の後方側に付勢され、且つ前後動可能に配設してあり、前記軸筒に設けた出没機構を作動することで、前記ボールペンチップを、前記軸筒の前端から出没可能に設けた出没式ボールペンであることを特徴とする。
前記筆記具用インキ組成物が、少なくとも、熱変色性マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキであって、前記加圧性筆記具に、前記ボールペンレフィルの筆跡を擦過することにより生じる摩擦熱によって、前記筆跡を熱変色する摩擦部材を具備したことを特徴とする。
尚、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、加圧前と加圧後の圧縮空間の体積変化量を測定して計算によって測定することができる。この時、20℃、大気圧を1000hPaとして計算を行う。
本発明は、筆跡形成時にのみ、筆記具用インキ組成物の後端に加圧力が加えることができる加圧式筆記具を得ることができた。
実施例1の加圧式筆記具のボールペンチップが没入した状態(非加圧状態)を示す縦断面図である。 図1におけるボールペンチップが突出した状態(非加圧状態)を示す縦断面図である。 図1における、筆圧が加わった状態(加圧状態)を示す縦断面図である。 図2、図3における、一部省略した要部拡大縦断面図である。
本発明は、第一に、前記ボールペンレフィルが、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記軸筒の後方側に移動可能に配設、且つ軸筒内に配設した弾発部材によって、前記軸筒の前端側へ付勢されおり、前記加圧機構が、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記ボールペンレフィルを後方に移動させることで、前記インキ収容筒の後端部を、前記軸筒内に設けた密閉部に圧接、且つ密閉した空間を圧縮して、前記筆記具用インキ組成物の後端を密閉に圧力を加える加圧機構にすることで、非筆記時(筆圧が加わっていない)の状態では、非加圧(筆記具用インキ組成物の後端に圧力が加わっていない)となるため、チップ先端からのインキ漏れを確実に防止することができる。さらに、筆圧加圧であるため、1画毎に加圧がリセットされるため、筆記時の加圧力が安定し、濃度変化が生じ難い効果を奏する。
次に、前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下とすることで、前記したインキ消費量を得られやすく、且つ加圧した状態でのチップ前端部からのインキ漏れを抑制する。さらに、1200hPa以下とすることが好ましい。
次に、前記ボールペンレフィルが、前記軸筒内に設けた第二弾発体によって、軸筒の後方に付勢、且つ前後動可能に配設してあり、前記軸筒に設けた出没機構を作動することで、前記ボールペンチップを、前記軸筒の前端から出没可能に設けた出没式ボールペンとすることで、待機状態(ペン先没入)時と筆記状態(ペン先突出)の切り替えを簡単に行うことができ、筆記状態の状態で、放置してあっても非加圧(筆記具用インキ組成物の後端に圧力が加わっていない)であるため、チップ先端からのインキ漏れを発生することはない。
尚、本発明に用いる筆記具用インキ組成物は、油性インキ、水性インキ、剪断減粘性インキなど、特に限定されるもののではないが、筆記状態であっても紙面から筆記先端が離脱した際(筆圧がかかっていない状態)では非加圧となるため、粘度の比較的低いインキに好適に用いることができ、加圧によるインキ流出量の増加、筆跡濃度の向上を得ることができるため、マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキに用いることが好ましい。これは、マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキにおいては、カプセル内に色材を含有するため、他の筆記具用インキに比べ、筆跡濃度が薄くなりやすい傾向にあり、筆跡濃度を濃くするために着色材となるマイクロカプセル顔料の量を多くすること、粒径を大きくすること、カプセル内に含有する色材を多く配合すること等が考えられるが、マイクロカプセル顔料やカプセル内に含有する色材の量を多くし過ぎると、経時安定性及び熱変色性が低下する恐れがあるためである。
前記筆記具用インキ組成物のインキ粘度は、20℃、剪断速度3.84sec−1において600mPa・s〜2000mPa・s、剪断速度384sec−1おいて10mPa・s〜100mPa・sとすることで、加圧した状態でのチップ前端部からのインキ漏れを抑制し、書き味を良好する。さらに、20℃、剪断速度3.84sec−1において、1000〜1500mPa・s、剪断速度384sec−1おいて30mPa・s〜80mPa・sが好ましい。
前記マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、5〜40質量%、好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜35質量%配合することができる。5質量%未満では発色濃度が不十分であり、40質量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性能が阻害される傾向にある。
前記熱変色性インキの摩擦熱による変色温度は、25℃〜95℃(好ましくは36℃〜95℃)に設定される。即ち、本実施の形態では、前記高温側変色点〔完全消色温度(t4)〕を、25℃〜95℃(好ましくは、36℃〜90℃)の範囲に設定し、前記低温側変色点〔完全発色温度(t1)〕を、−30℃〜+20℃(好ましくは、−30℃〜+10℃)の範囲に設定することが有効である。それにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持を有効に機能させることができるとともに、可逆熱変色性インキによる筆跡を摩擦部による摩擦熱で容易に変色することができる。
また、前記筆記具用インキ組成物が、少なくとも、熱変色性マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキであって、前記加圧式筆記具に、前記ボールペンレフィルの筆跡を擦過することにより生じる摩擦熱によって、前記筆跡を熱変色する摩擦部材を具備することが好ましい。摩擦部材の設置場所は、軸筒の前端部、後端部、側面部、クリップの表面、操作部など、特に限定されるものではなく、二カ所以上であってもよい、接着、融着、嵌着、二色成型などによって設けることもができる。また、摩擦部材は、前記摩擦部材を構成する材料は、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記弾性を有する合成樹脂は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものではなく、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料とからなる。
また、加圧状態の前記ボールペンレフィルの筆跡の濃度が、非加圧状態での筆跡濃度の1.2倍以上を満足することで、加圧の有無が筆跡から確認できるので好ましい。より好ましくは、1.5〜5.0倍、1.5〜4.0倍がさらに好ましい。尚、加圧前の筆跡濃度が、視認可能としておくことで、万が一、加圧していない状態での筆記も可能となるため、加圧していないボールペンレフィルの筆跡濃度は、0.2〜0.7とすることが好ましく、より好ましくは、0.3〜0.6である。
さらに、前記ボールペンレフィルの単位面積当たりのインキ消費量値が0.7〜1.5mg/cmとすることで、前記した筆跡濃度を得られやすい。さらに、インキ消費量値が0.7〜1.2mg/cmとすることが好ましい。尚、良好な筆跡を得るには、筆跡幅としては、ボール径よりも小さくすることが重要であり、加圧状態での筆跡幅としては、ボール径の65%〜95%が好ましく、より好ましくは、70%〜90%である。
尚、10m当たりのインキ消費量は、JIS規格S6054に準じて測定(20℃、筆記角度70度、筆記速度4m/min、自公転、筆記荷重100gf、下敷きステンレス板)測定したものであり、10m筆記後にインキ残量を測定して計算によって求めたものである。また、こうした試験を連続して5回(計50m)、計5本行い、その平均値によって求められるものである。
また、筆跡幅及び筆跡濃度は、前記筆記によって得られた筆跡をISO13660に準じて、筆跡幅(mm)は、反射率の60%以下の領域、筆跡濃度は、反射率75%以下の範囲内の平均値を測定したもので、本願発明における筆跡幅及び筆跡濃度は、パーソナル画質評価装置(QEA(Quality Engineering Associates)社製、PIAS−II)によって求めることができる。尚、本発明においては、15箇所測定し、その平均値によって求めたものである。
インキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(コーンローター CPE−42)を用いて20℃の環境下で、剪断速度3.84sec−1(10rpm)、剪断速度384sec−1(100rpm)の条件にてインキ粘度を測定することができる。
また、ボールペンチップとしては、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをコイルスプリングにより前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等からなる汎用のものが適用でき、直径0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.2mm〜1.2mmの範囲のものが好適に用いられる。特に、ボール径が0.5mm以下の小径のものでは、筆記距離に対するボールの回転数が多く、非浸透面に筆記し難くなることから、本発明がより好適に作用するので、ボール径が0.4mm、0.38mm、0.3mmのボールペンレフィルに使用することが最も効果的である。
前記ボールペンチップの形状も特に限定されるものではないが、チップ本体に、ボール抱持室の底壁の中央に形成したインキ流通孔と、該インキ流通孔から放射状に延びる複数本のインキ流通溝とを有しており、前記ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設け、前記ボール座にφ0.5mm以下のボールを載置させ、ボールの一部をチップ先端縁より突出させて回転自在に抱持してなり、前記チップ前端部の内壁に、略円弧面状のシール面を形成するとともに、ボールの縦方向のクリアランスが15〜40μmとすることで、安定した筆跡と、ボール座の磨耗を抑制することができるので好ましい。
これは、前記ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設けることで、ボールとチップ本体の接触面積が増加するため、座の磨耗が抑制するためと考えられる。但し、ボール座を形成することで、ボール抱持室のボールを除く空間(体積)が減少するため、インキ消費量は減少する傾向となるが、本発明の加圧式熱変色性筆記具においては、加圧力によってインキを多く吐出することが可能となる。特に、前記ボール座にφ0.5mm以下のボールを載置させたボールペンにおいては、ボール座の磨耗が顕著であるため、本発明の効果は顕著であり、ボールの縦方向のクリアランスが15〜40μm、好ましくは、20〜30μmとすることで、安定した筆跡と、チップ先端からのインキ漏れを抑制することができる。
尚、本発明の軸筒は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、前端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容筒として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。また、前記軸筒やインキ収容筒としては、透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できるので好ましい。
具体的には、前記筆記具用インキ組成物を収容するインキ収容筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体や、金属材料が用いられ、インキの低蒸発性、生産性の面でポリプロピレンが好適に用いられる。また、加圧状態を維持するため、EVOHなどのガスバリア性の材料を、単層や多層、他の材料に積層するなど適宜用いることができる。
更に、筆記具用インキ組成物の後端部にはインキ追従体(液栓)を配することもできる。前記インキ追従体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ追従体としては、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ追従体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ追従体は併用することも可能である。
実施例1
図1から図4に示す、加圧式筆記具1は、軸筒2に配設したボールペンレフィル16をピストン9内に、ホルダ7及びボールペンレフィル保持部材8を介して、着脱自在に圧入装着するとともに、コイルスプリング13によって、受部材6を介してホルダ7、ピストン9及びレフィル保持部材8、ボールペンレフィル16を、軸筒2の後端方向に付勢して摺動自在に配設してある、筆記先端部の出没機構を具備した加圧式筆記具1である。
軸筒2の前端部には、スチレン系エラストマーからなる摩擦部材21を二色成型により、軸筒2と一体に設けてあり、ボールペンレフィル16の筆跡を擦過することにより生じる摩擦熱によって、前記筆跡を熱変色(消色)することができる。
ボールペンレフィル16は、PP樹脂からなる透明のインキ収容筒17に、下記インキ配合で得た剪断減粘性を付与した筆記具用インキ組成物(熱変色性インキ)19及び当該筆記具用インキ組成物19の後端に、インキの消費に伴い追従するグリース状のインキ追従体20を直接収容し、インキ収容筒17の前端開口部には、ボール(φ0.38mm)を回転自在に抱持したボールペンチップ18の後端部を圧入嵌合して得たものである。
出没機構は、ノック体4を軸筒2の前端開口部2A方向に押圧(図1の矢印F方向)すると、軸筒2の摺動孔2Bに摺動自在に配設したノック体4の外壁に形成した係止部4Aが、クリップ5の先端部の被係止部5Aに係止することで、ボールペンレフィル16のボールペンチップ18の前端部が、前軸2の前端開口部2Aから突出した状態を維持し、クリップ10の後端部を押圧して、クリップ5の被係止部5Aに係止した係止部4Aを解除すると、コイルスプリング13の付勢力によって、ボールペンチップ18を前軸2の前端開口部2A内に没入することができる出没機構である。
ボールペンレフィル16の後端部は、ピストン9内に圧入したボールペンレフィル保持部材8に圧入保持されており、ピストン9の後端部に形成した空気孔からピストン9の内外を連通してある。また、ピストン9を覆うように受部材6を配設し、ピストン9の後方設けた密閉部材保持部材10との間に第二コイルスプリング14、密閉部材保持部材10と受部材6との間に第三コイルスプリング15を配設してある。
加圧機構及び出没機構を詳述すると、ボールペンチップ18の前端部が、軸筒2の前端から突出した位置から筆圧によって、第二コイルスプリング14、第三コイルスプリング15の付勢力に抗してボールペンレフィル16を後方(矢印G方向)へ移動させると、先ず、ボールペンレフィル16、レフィル保持部材8、ピストン9が連動して後方に移動する。具体的には、先ず、第二コイルスプリング14が圧縮し、受部材6に配設した密閉部材11が圧接して密閉する。さらに、ピストン9が後方に移動すると、第三コイルスプリング15を圧縮させ、密閉部材11を変形させ、ピストン9内及びインキ収容筒17の後端部の空間を圧縮させ、ボールペンレフィル16の筆記具用インキ組成物19の後端に配設したインキ追従体20の後端に圧力を加えることができる。尚、第二コイルスプリング14を圧縮するのに必要な荷重は、第三コイルスプリング15を圧縮するのに必要な荷重よりも小さく設定されている。
また、筆圧が解除(非筆記具時)すると、先ず、第三コイルスプリングが元の状態に戻り、その後、第二コイルスプリングが元に状態に戻るため、ボールペンレフィル16を軸筒の前端方向に移動(元に戻る)する。具体的には、ピストン9の後端面によって圧接変形していた密閉部材11も元に形状に復元し、ピストン9の空気孔を開放して、ピストン6内、さらにはボールペンレフィル16の後端部の密閉を解除して、大気圧と同圧にする。尚、筆記具用インキ組成物19の後端に、インキ追従体20を介して加えた圧力は、1020hPaであった。
インキ配合1は、感温変色性色彩記憶性のマイクロカプセル顔料27部(予め−23℃以下に冷却して黒色に発色させたもの)を、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10.0部、グリセリン10部、ノニオン系界面活性剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防黴剤0.2部、水51.77部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて筆記具用インキ組成物(熱変色性インキ)を調製した。前記筆跡は、室温(25℃)では黒色を呈しており、摩擦部材を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができた。尚、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて−23℃以下の温度に冷却すると、再び文字が黒色になる変色挙動を示し、前記挙動は繰り返し再現することができた。
本実施形態では、便宜上、後端ノック及びクリップ操作により、チップ前端部を軸筒前端開口部から出没させる機構を例示しているが、ノック式、スライド式、回転等、特に限定されるものではない。また、少なくとも1本のボールペンレオフィルが軸筒内に収容される構成であればよく、例えば、複数本のボールペンレフィルが軸筒内に収容される構成であってもよい。
本発明の加圧式筆記具は、インキ色、単式、複式など加圧式筆記具として広く利用可能であり、特に黒色の熱変色性インキに好適に使用することができる。
1 加圧式筆記具
2 軸筒
4 ノック体
5 クリップ
6 受部材
7 ホルダ
8 レフィル保持部材
9 ピストン
10 密閉部材保持部材
11 密閉部材
13 コイルスプリング
14 第二コイルスプリング
15 第三コイルスプリング
16 ボールペンレフィル
17 インキ収容筒
18 ボールペンチップ
19 筆記具用インキ組成物
20 インキ追従体
21 摩擦部材

Claims (4)

  1. インキ収容筒の前端部にボールペンチップと、内部に筆記具用インキ組成物を充填したボールペンレフィルを、軸筒内に収容してなり、前記ボールペンチップの前端部が軸筒前端から突出した状態で、前記軸筒に設けた加圧機構によって、前記筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧式筆記具であって、前記ボールペンレフィルが、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記軸筒の後方側に移動可能に配設、且つ軸筒内に配設した弾発部材によって、前記軸筒の前端側へ付勢されおり、前記加圧機構が、前記ボールペンチップの前端部が軸筒の前端から突出した状態で、前記ボールペンレフィルを後方に移動させることで、前記インキ収容筒の後端部を、前記軸筒内に設けた密閉部に圧接、且つ密閉した空間を圧縮して、前記筆記具用インキ組成物の後端を密閉に圧力を加える加圧機構であることを特徴とする加圧式筆記具。
  2. 前記筆記具用インキ組成物の後端に加える圧力は、大気圧を1000hPaとした場合、1000hPaより高く、1500hPa以下としたことを特徴とする請求項1に記載の熱変色性加圧式筆記具。
  3. 前記ボールペンレフィルが、前記軸筒内に設けた第二弾発体によって、軸筒の後方に付勢、且つ前後動可能に配設してあり、前記軸筒に設けた出没機構を作動することで、前記ボールペンチップを、前記軸筒の前端から出没可能に設けた出没式ボールペンであることを特徴とする請求項1または2に記載の加圧式筆記具。
  4. 前記筆記具用インキ組成物が、少なくとも、熱変色性マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキであって、前記加圧性筆記具に、前記ボールペンレフィルの筆跡を擦過することにより生じる摩擦熱によって、前記筆跡を熱変色する摩擦部材を具備したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の加圧式筆記具。
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