JP6126829B2 - 筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、ペン先に掛かるインクの流動圧を一定圧に制御して、インク直流現象・逆流現象を防止すると共に、筆記具保管時にインクを収容するインクタンク内の圧力が高くなったとしても、キャップ開放時にインクタンク内を減圧にすることができ、使用時にペン先からのインクの漏れ出しを防止したボールペン、マーキングペンなどに好適な筆記具に関する。
一般的に、ディスプレイ性に優れ、インク残量が分かりやすい、インク容器などの筆記具本体にインクと該インクの後端部に充填したフォロワ(追従体)という形態となる筆記具は、インクの直流を防ぐために、ボールペンチップや微小に可動するバルブ方式を付与している構造となるものが数多く採用されている。
前者のようなボールペンチップを用いてインクの直流を防いでいる筆記具は、落下等によりチップが破壊されたことを想定して、チップが破壊した時でも直流しにくようにインクを設計している場合が多く、インク設計の幅が狭いものである。
また、後者で採用するバルブ方式の筆記具では、筆記時にガタがあるため、書き味が悪く、バルブを開いている時間によって、インク流量が変わってしまうため、文字書きと直線書きでの描線濃度に差が出やすいという問題があった。
このような問題の解決を試みようとした筆記具として、例えば、
1) バルブ式の筆記具において、ポンピング感等の違和感を生じることなくスムーズな開弁操作を可能して、かつ、閉弁のためのスプリング力が十分でインキの漏れやボタオチを確実に防止できる筆記具を提供するために、ペン芯が一定のストロ−ク以上後退動作しかつ特定の抵抗荷重以上の押圧力が加わったときに開弁してインク収容部内のインクをペン芯に向けて流通させる弁機構を有するバルブ式の筆記具であって、バルブが開弁するまでのストロークの間、ペン芯の後退動作に応じてペン芯の押圧に対する抵抗荷重を増加させていく弾性部材からなるダミーポンピング部を軸筒先端部に設けた構造の筆記具(例えば、特許文献1参照)、
2) 内部に液体を収容し、該液体を吐出する吐出手段と接続され、吐出手段を通じて内容液体が消費されるに伴って消費された内容液体の体積に見合う空気を内部に取り込む空気流通手段を設けた液体吐出具の液体貯蔵容器において、前記空気流通手段として、常温で固体のオルガノポリシロキサンからなる空気交換壁を配置すると共に、前記容器の内外の連通に要する最小距離が1.0μm以上0.2mm以下であることを特徴とする液体吐出具の液体貯蔵容器(例えば、特許文献2参照)、
3) 自由状態でインキを収容するインキタンク内と連通する、インキ消費に伴うインキタンク内のインキの体積変化に応じてインキタンク内圧を維持すべく外気を取り込むための空気流通路を形成してなる筆記具において、前記空気流通路に、接触する壁部材との接触角θが0<θ≦90°で、且つ表面張力αが10dyn/cm≦α≦73dyn/cm(20℃)である粘性流体による粘性流体層を配置し、前記インキの体積変化に係るインキタンク内圧の減少に伴って一時的に前記粘性流体層に空気流通孔を形成することを特徴とした筆記具(例えば、特許文献3参照)、
4) インキを流動的に直接収容し且つ後端を開口させた内筒と、この内筒との間に空気交換手段を介して外部と流通する所要の断面積の空間が確保されるように該内筒を同軸遊嵌状に内設し且つ後端を閉鎖させた外筒と、この外筒と前記内筒との前端開口に備えるペン先とを有し、内筒内空間のインキの界面から連ねた状態で該内筒内空間の後端開口を介して連絡する外筒内の前記空間の後部側に、ペン先に掛かるインキの流動圧を一定圧に制御するバランス液体を流動的に収容してなる事を特徴とする筆記具(例えば、特許文献4参照)、
5) インキ収容室に生インキ状態で収容したインキをペン先に供給するようにした筆記具であって、インキ収容室がインキの消費につれて容積減少するように、インキ収容室を形成する壁部に可動壁部を設けたものにおいて、前記可動壁部を前記インキ収容室との区画壁部に有するとともに弾性壁部と毛細管力による液膜形成壁部とを外界との区画壁部に有する空気室を設けたことを特徴とする筆記具(例えば、特許文献5参照)、などが知られている。
これらの特許文献1〜5に記載の各筆記具は、従来の構造のものよりは改良されて、その性能は向上しているが、未だインク直流現象・逆流現象に対して不十分であり、特に、筆記具保管時に筆記具本体となるインクタンク内の圧力が高くなった場合に、使用時(キャップ体を筆記具本体から取り外した際)に、ペン先からのインクの漏れ出し(インクのドバ落ち)に対しては不十分なものであった。
特に、本発明の近接技術を開示している上記特許文献5では、内圧変化対応のための弾性膜体を付与しているが、この弾性膜体に反力(戻る力)が無い場合、透過による加圧分を抑えることが出来なく、また、外気圧が大気圧圧分よりも低くなった場合、内圧は加圧状態になり、外気圧の低下が大気圧以内であっても、その後加温されると、内圧は加圧状態となってしまうものであり、更に、弾性膜体に反力を付与すると、温度変化により、体積が増加した場合、反力分加圧状態になってしまい、当該弾性膜体では、内圧変化には未だ十分に対応してないため、使用時にインクの漏れ出しを生じる場合があるなどの課題がある。
特開2008−265203号公報(特許請求の範囲、図面等) 特開2001−96969号公報(特許請求の範囲、図面等) 特開2001−10280号公報(特許請求の範囲、図面等) 特開平11−99790号公報(特許請求の範囲、図面等) 特開平7−195891号公報(特許請求の範囲、図面等)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、ペン先に掛かるインクの流動圧を一定圧に制御して、インク直流現象・逆流現象を防止すると共に、筆記具保管時に筆記具本体となるインクタンク内の圧力が高くなったとしても、キャップ開放時にインクタンク内を減圧にすることができ、使用時にペン先からのインクの漏れ出しを防止した筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、筆記具本体後部にインクタンクに充填したインクの直流を抑制する抑制機構を備えた筆記具であって、筆記具本体前部には、ペン先と、該ペン先をシールするキャップ体とを装着すると共に、筆記具本体後部には、キャップ体の開放に伴い筆記具本体内を減圧する機構を備えることなどにより、上記目的の筆記具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) 筆記具本体後部にインクタンクに充填したインクの直流を抑制する抑制機構を備えた筆記具であって、筆記具本体前部には、ペン先と、該ペン先をシールするキャップ体とを装着すると共に、筆記具本体後部には、キャップ体の開放に伴いインクタンク内を減圧する減圧機構を備えたことを特徴とする筆記具。
(2) キャップ開放に伴い、筆記具本体内に備えたインクタンクとなるリフィールが前方に可動することを特徴とする上記(1)に記載の筆記具。
(3) 減圧機構内には、弾性部材を有し、弾性部材の弾性力は、キャップ体引抜力以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の筆記具。
本発明によれば、ペン先に掛かるインクの流動圧を一定圧に制御して、インク直流現象・逆流現象を防止すると共に、筆記具保管時に筆記具本体内の圧力が高くなったとしても、キャップ開放時にインクタンク内を減圧にすることができ、使用時にペン先からのインクの漏れ出しを防止したボールペン、マーキングペンなどに好適な筆記具が提供される。
本発明の実施形態の一例を示す筆記具であり、キャップ体を取り付けた状態を示す縦断面図である。 (a)及び(b)は、図1のキャップ体部分と筆記具本体後端側部分の各縦断面状態を示す部分拡大斜視図である。 図1の筆記具からキャップ体を取り外した状態を示す縦断面図である。 (a)及び(b)は、図3のキャップ体部分と筆記具本体後端側部分の各縦断面状態を示す部分拡大斜視図である。 本発明の実施形態の他例を示す筆記具であり、(a)はキャップ体を取り付けた状態を示す縦断面図、(b)は、キャップ体を取り外した状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態の他例を示す筆記具であり、(a)はキャップ体を取り付けた状態を示す縦断面図、(b)は、キャップ体を取り外した状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態の他例を示す筆記具であり、(a)はキャップ体を取り付けた状態を示す縦断面図、(b)は、キャップ体を取り外した状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態の他例を示す筆記具であり、(a)はキャップ体を取り付けた状態を示す縦断面図、(b)は、キャップ体を取り外した状態を示す縦断面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して詳しく説明する。
図1〜図4は、本発明の実施形態の一例(第1実施形態)を示す筆記具の各図面である。
本実施形態の筆記具Aは、図1及び図3に示すように、軸部となる該筆記具本体10の前部には、ペン先20と、該ペン先20をシールするキャップ体30とを装着すると共に、筆記具本体10内に備えたインクタンクであるリフィール11に充填したインク25を有し、上記筆記具本体10の後部にインクの直流を抑制する抑制機構40と、インクを充填した状態で、キャップ体30の開放に伴いリフィール11内を減圧する減圧機構50とを備えたものである。
筆記具本体10は、軸部となるものであり、樹脂や、金属などを用いて構成することができ、本実施形態では、筆記具本体10は、アクリロニトリルスチレン(AS)を使用して円筒状に成形されている。
この筆記具本体10内には、インク25を収容するリフィール11を備え、後述するように、キャップ体30の開放に伴い、筆記具本体10内でリフィール11が前方に可動する構造となっている。
リフィール11としては、収容するインクに含有される原材料の経時的な悪影響を受けないものが好ましく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)などの樹脂や、アルミニウム等の金属などの視認性、または、非視認性の材料を用いて構成することができる。本実施形態では、インクタンクとなるリフィール11は、ポリプロピレン(PP)を使用して円筒状に成形されている。
ペン先20は、各種のプラスチック材の軸方向にインキ溝を形成したプラスチック芯から構成される筆記部となるペン芯から構成されている。
このペン芯20は、リフィール11の先端開口部11a内に取り付けられた筒状の継手部材15で固着される構造となっている。継手部材15は、リフィール11の先端開口部11aに嵌合等により固着される筒状の固着部15aと、蓋部となるフランジ部15bと、ペン芯20を保持する段部15cを有する保持部15dとから構成され、上記筒状の固着部15a内に多孔体からなる中継芯16が保持されており、インクタンクとなるリフィール11に充填したインク25を上記多孔体からなる中継芯16を介してプラスチック芯から構成される筆記部となるペン芯20へ供給する構成となっている。
この継手部材15によりペン芯20を先端に固着したリフィール11は、筆記具本体10内に摺動できるように収容されている。このリフィール11の継手部材15は、筆記具本体10の先端開口部に嵌合等により取り付けられた筒状の先軸17に保持される。
先軸17は、筆記具本体10の先端開口部に嵌合等により取り付けられる取付部17aと、内部に、後述るように、キャップ体30の開放に伴い筆記具本体10内でリフィール11が前方に可動した際に継手部材15が前方へ可動できる可動空間部17bが形成されており、この可動空間部17bを有する先軸17の内周面には、リフィール11が前方へ可動した際に可動終点となる段部17c、17dが設けられている。この先軸17に設けた段部17c、17dで、前記継手部材15のフランジ部15bと段部15cが当接してリフィール11の前方への可動が停止するものとなる。
インクタンクとなるリフィール11に収容するインク25としては、水性インク、油性インク、ゲルインクなど特に限定されるものでない。用いるインク組成としては、その用途(水性インク、油性インク、ゲルインク等)、筆記具種(マーキングペン、ボールペン等)に応じて顔料(樹脂顔料含む)、染料などの着色剤、主溶剤、樹脂、増粘剤及び筆記具用のインクに含有される任意成分などを用いることができる。
任意成分としては、例えば、インクに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を含有することができる。ボールペン用のインクでは、脂肪酸などは潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も含有することができる。
本実施形態では、インク25は、水性サインペン用インクにより構成されている。
リフィール11に充填したインク25の後部には、筆記時にインクの消費に伴って追従するフォロワ(追従体)26が設けられ、その後方側は空気室となる空間部27となっている。
フォロワ(追従体)26としては、インクに使用する溶剤に対して低透過性、低拡散性となるものが好ましく、そのベースとしては不揮発性や難揮発性の流動体、具体的には、ポリブテンや流動パラフィン、鉱油、プロセスオイルなどを使用することができる。
これらの物質の粘度が低い場合には、増粘剤やゲル化剤を用いることが好ましい。具体的には、金属セッケン類、ベントナイト類、脂肪酸アマイド類、水添ヒマシ油類、酸化チタンやシリカやアルミナ等を含む金属微粒子類、セルロース類、エラストマー類等が挙げられる。本実施形態では、フォロワ(追従体)26は鉱油と増粘剤により構成されている。
キャップ体30は、筆記具本体(軸部)10の前端側に着脱自在に装着される取付部となる筒状の本体部31と、該本体部31の開口部31aに取り付けた天冠部32と、該天冠部32内部にペン先20の突出部分全体をシールするニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のゴム、熱可塑性エラストマー、軟質樹脂などで構成されたシール部材33を装着する凹状の装着部34と、前記天冠部32に一体に有するクリップ部35とを有している。
このキャップ体30を筆記具本体10の前端側に装着することにより、継手部材15を保持した先軸16から突出したペン芯20の先端全体がシール部材33によりシールされて、インクタンク11の内圧変化の際に、ペン先20からの直流現象を防止するものとなる。本実施形態のシール部材は、ブチルゴム(IIR)から構成されている。
この筆記具Aでは、筆記具本体10の後部にインクの直流を抑制する抑制機構40と、インクを充填した状態で、キャップ体30の開放、すなわち、筆記具本体10からのキャップ体30の取り外しに伴い、インクタンク11内を減圧する減圧機構50とを備えている。
また、筆記具本体10の後端側の開口部10bには、尾栓60が固着されている。尾栓60は、筆記具本体外となる大気と連通する連通孔61を有する蓋部62と、筆記具本体10の開口部10bに嵌合により固着される筒状の固着部63と、インクタンク側に伸びる棒状部材64とを有している。
上記インクの直流を抑制する抑制機構40は、インクの直流を抑制する毛管力を付与した毛管多孔体41を備えている。この毛管多孔体41は、本実施形態では、減圧機構50内に収容される構造となっている。
毛管多孔体41は、毛管力が付与された多孔体から構成されるものであれば、特に限定されず、例えば、繊維束、焼結体、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、スポンジ等の発泡材などから選択される多孔体に、鉱油、プロセスオイル、シリコンオイル、イオン性液体などの液体を含浸させたものを挙げることができる。
好ましくは、揮発防止の点から、蒸気圧の低いプロセスオイルなどから構成されるものが望ましい。
この毛管多孔体41により、インクがペン先20から排出されると空気を取り込む為、筆記は可能であり、筆記を止めた場合は、空間内12の減圧状態を保持することが可能
となり、インクの直流を防止するものとなる。
本実施形態の減圧機構50は、図2(b)に示すように、フォロワ(追従体)26の後端側に空間部27を有するインクタンク11の後端開口部11bに固着される筒状の本体部51と、毛管多孔体41を収容する筒状の収容部材55と、該収容部材55を保持して上記本体部51の一方の開口部51aに固着される保持部材56とを備えている。
減圧機構50の本体部51は、コイル状のスプリングからなる弾性部材52を収容する小径の第1筒状部53と、上記収容部材55を収容する大径の第2筒状部54とを有し、該収容部材55のインクタンク側の端部は上記弾性部材52より後端側に附勢されると共に、尾栓側の端部は上記尾栓60に設けた棒状部材64の先端部に当接する構造となっている。また、毛管多孔体41を収容する筒状の収容部材55の外周にはOリング55aが取り付けられて、第2筒状部54内に気密に保持されている。
上記減圧機構50内に収容した弾性部材52の弾性力は、Oリング55aを摺動させる必要があり、さらに筆記時は筆記荷重でリフィール11が後退しないようにする必要がある為、それ以上の荷重にする必要がある。さらにキャップON時にはキャップ体30が外れないようにする必要があることから、ペン芯20の座屈荷重以上、キャップ体引抜力以下となっている。
本実施形態では、筆記荷重は、通常、2N程度であり、キャップ体引抜力は本実施形態では25N、ペン芯20の座屈荷重は7Nとなっている。
このように構成される本第1実施形態の筆記具Aでは、筆記具保管時に筆記具本体10内の圧力が高くなったとしても、キャップ開放時にインクタンクとなるリフィール11内を減圧にすることができ、使用時にペン先20からのインク25の漏れ出しを防止することができるものとなる。すなわち、取り付けたキャップ体30を取り外(開放)した際に、リフィール11の後端部は固定したまま、リフィール11全体がシールしながら前進することで、インクタンクとなるリフィール11の空間部27を体積膨張(空間部の体積を増加)させる。一方、キャップ体30の取り付け時は体積収縮するが、リフィール11の後端部に設けた毛管多孔体41により、加圧分を逃がす構造とした。詳述すると、図2及び図4に示すように、キャップ体30を差し込むと、ペン芯20がシール部材33にあたりシールする。さらにキャップ30体を差し込むと、リフィール11が後退し、収容部材55は動かずに減圧機構本体部51が摺動することで、インクタンク内は加圧状態となる。一方、キャップ30体を外した場合は、リフィール11が前進し、収容部材55は動かずに減圧機構本体部51が摺動する為、インクタンク内は減圧状態となる。このようにすることで、筆記具保管時に筆記具本体10内のインクタンクとなるリフィール11内の圧力が高くなったとしても、キャップ開放時にはリフィール11内を強制的に減圧にすることができ、使用時にペン先からのインクの漏れ出しを防止することができる。
また、通常の筆記の際や、筆記を終了の際には、リフィール11の後端部に設けたインクの直流を抑制する上述の毛管多孔体41の抑制機構のサイクルにより、ペン先に掛かるインクの流動圧を一定圧に制御して、インク直流現象・逆流現象を防止したものとなる。すなわち、リフィール11の後端部に毛管多孔体41を備えているので、筆記の際はインク排出により、フォロワ30と毛管多孔体40の間の空間部27が減圧状態となり、減圧が毛管多孔体41の毛管力以上になると、毛管多孔体41の毛管力が破れて、空気(気泡)が侵入し、通常通り、筆記が可能となる。一方、筆記を終えると、上記で発生した気泡は、破泡し、毛管多孔体41に液体が染み込み毛管力が復元し、インクの自重を支えることができる。
更に、本第1実施形態の筆記具Aでは、キャップ体30の装着時には、ペン芯20の突出部分全体がシール部材33によりシールされているので、インクタンクの加温等の内圧変化の際にも、ペン先20からの直流現象を防止するものとなる。
次に、図5〜図8は、本発明の筆記具の他例(第2実施形態〜第5実施形態)を示すものである。なお、図5〜図8において、上記第1実施形態(図1〜図4)と同様の構造は、同一の図示符号を示して、その説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態を示す筆記具であり、(a)はキャップ体を取り付けた状態を示す縦断面図、(b)は、キャップ体を取り外した状態を示す縦断面図である。
この第2実施形態となる筆記具Bは、上記第1実施形態の筆記具Aにおいて、ペン先を各種のプラスチック材の軸方向にインキ溝を形成したプラスチック芯20に代えて、繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、各種のプラスチック粉末などを焼結した焼結芯(ポーラス体)などから構成される筆記部となるペン芯、本実施形態ではポリエチレンテレフタレート(PET)繊維からなる繊維束芯から構成されるペン芯に代えた点、中継芯16を省略した点、リフィール11が前方へ可動した際に可動終点となる先軸17に形成した段部を傾斜状段部17eに代えた点、キャップ体30を、筆記具本体(軸部)10の前端側に着脱自在に装着される取付部となる有底筒状の本体部36とし、該本体部36の内部にペン芯20の突出部分全体をシールするBR、SBR等のゴム、熱可塑性エラストマー、軟質樹脂などで構成されたシール部材33を装着する凹状の装着部34と簡単な構成とした点で、上記実施形態の筆記具Aと相違するものである。
本実施形態の筆記具Bによれば、上記実施形態の筆記具Aと同様に作用するものであり、キャップ体30を開放した際に、リフィール11の後端部は固定したまま、リフィール11全体がシールしながら前進することで、インクタンクとなるリフィール11の空間部を体積膨張させ、キャップ体30の取り付け時は体積収縮するが、リフィール11の後端部に設けたヘッドバルブとなる毛管多孔体41により、加圧分を逃がす構造としたので、キャップ体30の開放時にインクタンク11内を減圧にすることができ、使用時にペン先20からのインクの漏れ出しを防止することができ、しかも、通常の筆記では毛管多孔体41の作用により、ペン先に掛かるインクの流動圧を一定圧に制御して、インク直流現象・逆流現象を防止したものとなる。
図6は、本発明の第3実施形態を示す筆記具である。
この第3実施形態となる筆記具Cは、図6(a)及び(b)に示すように、上記第1実施形態の筆記具Aにおいて、ペン先を各種のプラスチック材の軸方向にインキ溝を形成したプラスチック芯20に代えて、繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、各種のプラスチック粉末などを焼結した焼結芯(ポーラス体)などから構成される筆記部となるペン芯である。本実施形態ではポリエチレンテレフタレート(PET)繊維からなる繊維束芯から構成されるペン芯とした。リフィール11からペン芯20へのインク25の供給機構は中継芯16を省略してバルブ体70により行う点、リフィール11が前方へ可動した際に可動終点となる先軸17に形成した段部を傾斜状段部17eに代えた点、筆記時にインクの消費に伴って追従するフォロワ(追従体)26を省略した点、キャップ体30を、上記第2実施形態のキャップ体に代えた点で、上記実施形態の筆記具Aと相違するものである。
上記バルブ体70は、上記ペン芯20の後端部に当接し、該ペン芯の後退に連動して後退可能な弁棒71と、該弁棒71を上記ペン芯20の方向に付勢するスプリング部材72と、これらの弁棒71、スプリング部材72を収容する本体部73と、リフィール11からペン芯20へのインク流路を閉鎖・開放する弁座体74とを備え、上記ペン芯20を押圧することにより弁棒71が後退して弁棒71に形成した弁体71aが弁座体74の弁座74aから離れ、リフィール11内のインク25をペン芯20に供給せしめるものである。また、図示符号75は、ペン芯20の後端側に設けたスポンジ等の多孔質体で構成される一時貯留部である。
本実施形態の筆記具Cによれば、上記実施形態の筆記具A、Bと同様に、本発明の効果を発揮できるものである。
図7は、本発明の第4実施形態を示す筆記具である。
この第4実施形態となる筆記具Dは、図7(a)及び(b)に示すように、上記第1実施形態の筆記具Cにおいて、インクの直流を抑制する抑制機構となる毛管力を付与した毛管多孔体41を該毛管多孔体41と同様の作用を行う可撓性部材からなる逆止弁80で構成した点で、上記第3実施形態の筆記具Cと相違するものである。
この逆止弁80は、キャップをし、リフィール11が後退した時に内圧を逃がし、キャップを外した時に内圧を減らすことが出来る。
本実施形態の筆記具Dによれば、上記実施形態の筆記具A〜Cと同様に、本発明の効果を発揮できるものである。
図8は、本発明の第5実施形態を示すボールペンに適用した筆記具である。
この第5実施形態となる筆記具Eは、図8(a)及び(b)に示すように、上記第1実施形態の筆記具Aにおいて、ペン先を各種のプラスチック材の軸方向にインキ溝を形成したプラスチック芯20に代えて、筆記ボールを有するボールペンチップから構成される筆記部となるペン芯、リフィール11が前方へ可動した際に可動終点となる先軸17に形成した段部を傾斜状段部17eに代えた点で、上記実施形態の筆記具Aと相違するものである。
本実施形態のボールペンに適用した筆記具Eによれば、上記実施形態の筆記具A〜Dと同様に、本発明の効果を発揮できるものである。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更することができる。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1:図1〜図4準拠〕
(筆記具本体、リフィール、先軸、継手部材の各構成)
筆記具本体10:AS製、肉厚(厚さ)1.5mm、長さ120mm、直径φ10mm
リフィール(インクタンク)11:PP製、肉厚(厚さ)0.8mm、長さ100mm、直径φ5.6mm
先軸:SUS製、継手部材:PP製
(ペン先の構成)
筆記部ペン芯20:POM製、長さ10mm、直径φ1.0mm
(毛管多孔体41の構成)
毛管多孔体:アクリル製繊維芯、気孔率60%、長さ5mm、直径φ2.0mm
液体:松村石油株式会社製:バーレルプロセス油 P−26
(尾栓の構成)
PP製、連通孔:直径φ0.8mm
(キャップ体の構成)
本体:PP製、シール部材:IIR製
(減圧機構)
弾性部材:SUS製コイル状スプリング、弾性(バネ)荷重:10N、キャップ体引抜力:25N、ペン芯20の座屈荷重:7N
(インク25、フォロア26の組成)
インクとして、下記組成の蛍光桃インクを使用した。
色材 :VCトナー桃(御国色素社製) 30質量部
湿潤剤:グリセリン 25質量部
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.7質量部
イオン交換水 44.3質量部
フォロアとして、下記組成の配合で加熱攪拌を1時間行い、フォロアを得た。
鉱油(PW−90:出光興産社製) 95質量部
増粘剤(TPO5:日本プラス工業社製) 5質量部
このように構成される実施例1の筆記具を用いて、筆記の際は、通常通り、筆記が可能となり、また、筆記を終えても、インクの直流もなく、ペン先に掛かるインクの流動圧が一定圧に制御でき、インク直流現象・逆流現象を防止した筆記具が得られることが判った。
また、キャップ体を開放した際にも、インクタンクとなるリフィールの空間部が体積膨張するが、液体を含浸させた毛管多孔体により、加圧分を逃がす構造となっており、さらにキャップ体の開放時にインクタンク内を減圧にすることができ、使用時にペン先からのインクの漏れ出しがないことが確認された。
〔実施例2:ボールペン、図8準拠〕
(実施例1と異なる筆記具部材の構成)
下記中継芯、ペン先、インク以外の構成(筆記具本体、リフィール、先軸、継手部材、毛管多孔体、キャップ体、フォロア、減圧機構)は上記実施例1の構成と同様。
中継芯:PET繊維束、気孔率60%、φ5.0×5mm
ペン先(ボールペンチップ):ステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.5mm
インクとして、下記組成のボールペン用インク(全量100質量部)を使用した。
色材:カーボンブラック 8.0質量部
分散剤:スチレンマレイン酸樹脂アンモニウム塩 3.0質量部
潤滑剤:カリ石鹸 0.5質量部
液体媒体:プロピレングリコール 20.0質量部
防腐剤:1、2−ベンズイソチアゾロン塩 0.3質量部
pH調整剤:アミノメチルプロパノール 0.3質量部
防錆剤:ベンゾトリアゾール 0.2質量部
粘度調整剤:架橋型アクリル酸重合体 0.4質量部
イオン交換水 残 部
このように構成される実施例2のボールペンタイプの筆記具を用いて、筆記の際は、通常通り、筆記が可能となり、また、筆記を終えても、インクの直流もなく、ペン先に掛かるインクの流動圧が一定圧に制御でき、インク直流現象・逆流現象を防止したボールペンが得られることが分かった。また、上記実施例1と同様に、キャップ体の開放時にインクタンク内を減圧にすることができ、使用時にペン先からのインクの漏れ出しがないことが確認された。
本発明の筆記具では、ボールペンや、アンダーラインペン、油性マーカー、水性マーカーなどのマーキングペンに好適に使用することができる。
A 筆記具
10 筆記具本体
11 リフィール(インクタンク)
15 継手部材
17 先軸
20 ペン先(ペン芯)
25 インク
26 フォロア(追従体)
27 空間部
30 キャップ体
40 抑制機構
41 毛管多孔体
50 減圧機構
60 尾栓

Claims (2)

  1. 筆記具本体後部にインクタンクに充填したインクの直流を抑制する抑制機構を備えた筆記具であって、筆記具本体前部には、ペン先と、該ペン先をシールするキャップ体とを装着すると共に、筆記具本体後部には、キャップ体の開放に伴いインクタンク内を減圧する減圧機構を備えたことを特徴とする筆記具。
  2. キャップ開放に伴い、筆記具本体内に備えたリフィールからなるインクタンクが前方に可動することを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
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