JP2017117001A - 導電パターン付き積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に形成された電極を損傷することなく、導電性樹脂層にレーザーを照射することよって導電性樹脂層を絶縁化し導電パターンを形成する導電パターン付き積層体の製造方法を提供する。【解決手段】導電パターン付き積層体20の製造工程は、積層工程と導電パターン形成工程とを備える。積層工程では、電極4を有する基板5の少なくとも電極4上に、導電性繊維21及び樹脂22を含有する導電性樹脂層2を積層する。導電パターン形成工程では、プラスチックフィルム6を介して導電性樹脂層2にレーザー光Lを照射して導電性樹脂層2を絶縁化させることにより、導電パターンを形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、導電パターン付き積層体の製造方法に関する。
パソコン、テレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器、OA機器、FA機器等の表示機器などには液晶表示素子、タッチパネルセンサ等が用いられている。タッチパネルでは、すでに各種の方式が実用化されているが、近年、静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。静電容量方式タッチパネルでは、指先(導電体)がタッチ入力面に接触すると、指先と導電膜との間が静電容量結合し、コンデンサを形成する。静電容量方式タッチパネルは、指先の接触位置における電荷の変化を捉えることによって、その座標を検出している。
特に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先の多点検出が可能なため、複雑な指示を行うことができるという良好な操作性を備える。その操作性の良さから、携帯電話、携帯型音楽プレーヤ等の小型の表示装置を有する機器における表示面上の入力装置として投影型静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造を形成している。これらの電極には、透明電極材が用いられる。
従来、透明電極材には、高い光透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジウム、酸化スズ等が用いられている。しかし、最近、これらに替わる材料を用いて透明電極(透明な導電パターン)を形成する試みがなされている。例えば、特許文献1、2には、導電性繊維を含有する感光層を有する感光性導電フィルムによる導電パターンの形成方法が提案されている。この技術を用いれば、種々の基板上にフォトリソグラフィー工程で直接導電パターンを簡便に形成できる。
また、特許文献3、4には、バインダ樹脂中に金属ナノワイヤを分散させ硬化してなる透明導電膜にレーザー光を照射し、レーザー光照射部分を絶縁部とすることで導電パターンを形成する方法が開示されている。
国際公開第2010/021224号 国際公開第2012/051516号 特開2010−140859号公報 特開2010−044968号公報
上記特許文献1、2に記載されている感光性導電フィルムでは、種々の基板上に簡便に導電パターンを形成することが可能であるが、現像によって導電性繊維を除去することで導電パターンを形成するため、導電部と絶縁部との間に段差ができてしまい、パターンが視認しやすくなるという問題がある。
一方、特許文献3、4に記載されているレーザー光照射によるパターン形成方法では、導電部と絶縁部との間に段差ができないため、視認しにくいパターンを形成することができる。しかしながら、電極を有する基板上に導電性繊維を有する導電性樹脂層を形成し、導電性樹脂層をレーザー光照射によってパターン形成を行った場合、レーザー光のエネルギーが強いため、基板上の電極がレーザーによって損傷してしまうという問題がある。
本発明の目的は、基板に形成された電極を損傷することなく、導電性樹脂層にレーザーを照射することよって導電性樹脂層を絶縁化し導電パターンを形成する導電パターン付き積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、導電性樹脂層へのレーザー照射をプラスチックフィルムを介して行うことで、基板の電極を損傷することなく、導電パターンを形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、電極を有する基板の少なくとも電極上に、導電性繊維及び樹脂を含有する導電性樹脂層を積層する積層工程と、導電性樹脂層にレーザーを照射して導電性繊維を絶縁化させることにより、導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、を備え、導電パターン形成工程において、プラスチックフィルムを介して導電性樹脂層にレーザーを照射する、導電パターン付き積層体の製造方法を提供する。
積層工程において、基板の少なくとも電極上に、導電性樹脂層とプラスチックフィルムとを備える転写型導電性フィルムを積層してもよい。これにより、電極を有する基板上への導電性樹脂層の形成とプラスチックフィルムの配置とを同時に行うことが可能となるため、より簡便に導電パターンを形成できる。
基板の少なくとも電極上に積層された導電性樹脂層の少なくとも一部に接触するようにプラスチックフィルムを配置することが好ましい。これにより、プラスチックの種類を任意に選択することができ、レーザー照射時の照射量などの加工尤度を広くすることができる。
導電性繊維は、金属繊維であってもよい。導電性繊維が金属繊維であることにより、レーザー照射による加工が容易になる。
導電性繊維は、銀ナノワイヤであってもよい。導電性繊維が銀ナノワイヤであることにより、導電性繊維を簡便に作製することができ、また、導電性繊維を含有する導電性樹脂層のレーザー照射による加工が容易になる。
積層工程において積層される導電性樹脂層は、熱重合性基を有する化合物又は光重合性基を有する化合物を更に含有してもよい。これにより、基板上に導電性樹脂層を簡便に形成することができる。
積層工程において積層される導電性樹脂層は、光重合性基を有する化合物及び光重合開始剤を更に含有してもよい。これにより、基板上に、光照射で導電性樹脂層を簡便に形成することができる。
電極は、金属繊維を含有していてもよい。これにより、電極を有する基板を簡便に作製することができる。
本発明によれば、基板に形成された電極を損傷することなく、導電性樹脂層にレーザーを照射することよって導電性繊維を絶縁化し導電パターンを形成する導電パターン付き積層体の製造方法を提供することができる。
転写型導電性フィルムの模式断面図である。 導電パターン形成工程を説明するための模式断面図である。 従来の方法におけるレーザー照射による基板上の電極の損傷を説明するための模式断面図である。 従来の方法でレーザー照射によって形成した導電性樹脂層の絶縁部の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」を意味する。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
[導電パターン付き積層体の製造方法]
本実施形態の導電パターン付き積層体の製造方法は、電極を有する基板の少なくとも電極上に、導電性繊維及び樹脂を含有する導電性樹脂層を積層する積層工程と、導電性樹脂層にレーザーを照射して導電性樹脂層を絶縁化させることにより、導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、を備える。
(積層工程)
積層工程において、電極を有する基板の少なくとも電極上に導電性樹脂層を積層する方法は、特に制限されず、公知の方法(例えば特許文献1、2に例示されている方法)であってよい。積層工程においては、例えば後述する転写型導電性フィルムを用いて導電性樹脂層を積層してもよい。
<電極を有する基板>
本実施形態における電極を有する基板は、特に制限なく選択することができる。電極の材料となる導電体としては、金、銀、銅、アルミニウム等の金属、ITO、酸化インジウム、酸化スズなどの金属酸化物、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ等の金属繊維、カーボンナノチューブ等の導電性繊維、チオフェン誘導体、アニリン誘導体のポリマー等の有機導電体、具体的には、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。電極を有する基板は、例えば、上記の導電体層が形成されている基板を用意し、公知の技術でレジストを形成し、エッチングによって導電体を除去し、その後レジストを除去することで作製することができる。基板は、特に制限なく選択することができ、ガラス基板又は重合体フィルムであってよい。重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリカーボネートフィルム等が挙げられる。これらの重合体フィルムのうち、透明性及び耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、電極を有する基板を作製する方法は、特許文献1、2に例示されている方法、特許文献3、4に例示されているようなレーザー照射によって電極を有する基板を作製する方法等の公知の方法であってよい。
<導電性樹脂層>
本実施形態に係る導電性樹脂層は、導電性繊維及び樹脂を含有する。導電性樹脂層は、例えば、導電性繊維を含む導電性繊維分散液を用いて導電性繊維を基板上に配置し、その上に樹脂層を形成することにより設けられてもよいし、樹脂層を基板上に形成した後、その上に導電性繊維を配置することにより設けられてもよいし、導電性繊維を含む樹脂溶液を基板上に塗布、乾燥することで設けられてもよい。
導電性繊維は、例えば、上述した導電性繊維を水又は有機溶剤と、界面活性剤等の分散安定剤などを加えた導電性分散液を基板又は樹脂層上に塗工した後、乾燥することにより配置することができる。このように配置された導電性繊維は、必要に応じてラミネートされてもよい。
塗工は、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、30〜150℃で1〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。導電性樹脂層において、導電性繊維は界面活性剤、分散安定剤等と共存していてもよい。
導電性樹脂層は、支持フィルムと導電性樹脂層とを備える積層体フィルムを、基板上に導電性樹脂層が接するように貼り合せることで積層されてもよい。この場合、当該積層体フィルムは、基板上に導電性樹脂層を転写するために使用されることから、転写型導電性フィルムともいえる。
図1は、転写型導電性フィルムの模式断面図である。図1(a)に示すように、転写型導電性フィルム10は、支持フィルム1と導電性樹脂層2とを備える。導電性樹脂層2は、導電性繊維21と樹脂22とを含有する。導電性繊維21の存在する領域に特に制限はなく、導電性樹脂層2の主面方向全体にわたって導電性が得られればよく、樹脂22中に導電性繊維21が略均一に分散した態様であってもよいし、導電性樹脂層2の厚さ方向における支持フィルム1側又はその反対側に導電性繊維21が偏在していてもよい。
支持フィルム1としては、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。このような重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリカーボネートフィルム等が挙げられる。これらの重合体フィルムのうち、透明性及び耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、導電性樹脂層2からの剥離が容易となるようにこれらの重合体フィルムには表面処理が施されていてもよく、また、導電性樹脂層2からの剥離が容易となるような材料で重合体フィルムが形成されていることが好ましい。
支持フィルム1の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。導電性樹脂層2を形成するために導電性繊維分散液、樹脂溶液、若しくは導電性繊維を含む樹脂溶液を塗工する工程、又は導電性樹脂層2から支持フィルム1を剥離する工程において、機械的強度が低下し、支持フィルム1が破損することを防止する観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。また、支持フィルム1を介してレーザー照射によって導電性樹脂層2を絶縁化した場合に(詳細は後述)、基板の電極に損傷を与えにくい点から、15μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましく、100μm以上であることが特に好ましい。
導電性繊維21としては、金、銀、銅、白金等の金属繊維、又はカーボンナノチューブ等の炭素繊維などが挙げられる。導電性繊維の調製方法が簡便であること、また導電性繊維の形状を制御しやすい点、及び、400〜700nmの波長域において高い可視光透過率を有し、かつ高い導電性を有する点から、導電性繊維は、銀繊維であることが好ましく、銀ナノワイヤであることがより好ましい。ここで、ナノワイヤとは、2つの次元(X、Y)のサイズの違いが小さく(具体的にはY方向のサイズがX方向のサイズの5倍以下、ただしX≦Yとする)、かつX及びY方向のサイズが300nm以下であり、残る1つの次元(Z)のサイズがX及びY方向のサイズの10倍以上である物質のことを意味する。導電性繊維21は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
銀繊維又は銀ナノワイヤを含む導電性繊維は、例えば、銀イオンをNaBH等の還元剤で還元する方法、又はポリオール法により調製することができる。
導電性繊維21の繊維径は、1nm〜100nmであることが好ましく、2nm〜50nmであることがより好ましく、3nm〜30nmであることがさらに好ましい。また、導電性繊維の繊維長は、1μm〜100μmであることが好ましく、2μm〜50μmであることがより好ましく、3μm〜10μmであることがさらに好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
導電性樹脂層2、及び導電性樹脂層2を備える転写型導電性フィルム10の表面抵抗率は、導電性繊維21の量によって調整することができる。導電性繊維21の量が多いほど表面抵抗率が下がり、導電性を高くすることができる。一方で、導電性繊維21の量が多いほど導電性樹脂層2及び転写型導電性フィルム10の透過率が下がる。
樹脂22としては、例えば、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤(以下、これらをそれぞれ「(A)成分」、「(B)成分」、及び「(C)成分」ともいう)を含有する感光性樹脂組成物から形成されるものが挙げられる。
(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物との反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、フィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましく、そのアクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有することがより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する(例えばモノマー単位全量に対して50モル%以上有する)重合体のことを意味する。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造されるものが使用できる。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル樹脂は、上記のような(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の他に、スチレン誘導体;アクリロニトリル;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;マレイン酸;マレイン酸無水物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル;フマール酸;ケイ皮酸;α−シアノケイ皮酸;イタコン酸;クロトン酸等の1種又は2種以上の重合性単量体を共重合することで製造されるものであってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びフィルム性のバランスを図る観点から、5000〜300000であることが好ましく、20000〜150000であることがより好ましく、30000〜100000であることがさらに好ましい。耐現像液性に優れる点では、重量平均分子量は5000以上であることが好ましい。また、現像時間の観点からは、重量平均分子量は300000以下であることが好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
(B)光重合性化合物は、光重合性基を有する化合物であり、エチレン性不飽和結合を有することが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ウレタンモノマーなどが挙げられる。
(B)光重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)光重合性化合物の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。(B)光重合性化合物の含有割合は、光硬化性及び樹脂溶液の塗膜性に優れる点では、30質量部以上であることが好ましく、フィルムとして巻き取った場合の保管安定性に優れる点では、80質量部以下であることが好ましい。
(C)光重合開始剤としては、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とが合うものを選択すれば、特に制限はない。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(O−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(O−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、オキサゾール系化合物などが挙げられる。
これらの中でも、透明性、及び導電性樹脂層2が薄膜(例えば10μm以下)である場合のパターン形成能に優れる観点から、光重合開始剤としては、オキシムエステル化合物、又はホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物としては、例えば、下記一般式(C−1)で表される化合物及び一般式(C−2)で表される化合物が挙げられる。オキシムエステル化合物としては、速硬化性、透明性の観点から、一般式(C−1)で表される化合物が好ましい。

一般式(C−1)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を示す。中でも、Rは、炭素数3〜9のアルキル基であることが好ましい。本発明の効果を阻害しない限り、一般式(C−1)中の芳香環は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。

一般式(C−2)中、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を示す。p1は0〜3の整数を示す。p1が2以上である場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。カルバゾール環は、本発明の効果を阻害しない範囲で置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。
一般式(C−2)中、R及びRは、それぞれ炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(C−2)中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数4〜15のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数4〜10のシクロアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることがさらに好ましい。
一般式(C−2)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜16のアリール基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜14のアリール基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがさらに好ましい。
一般式(C−1)で表される化合物としては、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)が挙げられ、IRGACURE OXE 01(BASF(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。一般式(C−2)で表される化合物としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられ、IRGACURE OXE 02(BASF(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
ホスフィンオキサイド化合物としては、下記一般式(C−3)で表される化合物及び一般式(C−4)で表される化合物が挙げられる。ホスフィンオキサイド化合物としては、速硬化性、透明性の観点から、一般式(C−3)で表される化合物が好ましい。
一般式(C−3)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を示す。一般式(C−4)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を示す。
一般式(C−3)におけるR、R又はRが炭素数1〜20のアルキル基の場合、及び、上記一般式(C−4)におけるR、R10又はR11が炭素数1〜20のアルキル基の場合、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、また該アルキル基の炭素数は5〜10であることがより好ましい。
一般式(C−3)におけるR、R又はRがアリール基の場合、及び、上記一般式(C−4)におけるR、R10又はR11がアリール基の場合、該アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。
これらの中でも、一般式(C−3)におけるR、R、及びRは、アリール基であることが好ましい。また、一般式(C−4)におけるR、R10及びR11は、アリール基であることが好ましい。
一般式(C−3)で表わされる化合物としては、形成される導電パターンの透明性、及び導電性樹脂層2の膜厚を薄く(例えば10μm以下)したときのパターン形成能から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドが好ましい。2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドは、例えばLUCIRIN TPO(BASF(株)社製、商品名)として商業的に入手可能である。
一般式(C−4)で表わされる化合物としては、形成される導電パターンの透明性、及び導電性樹脂層2の膜厚を薄く(例えば10μm以下)したときのパターン形成能から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキサイドが好ましい。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキサイドは、例えばIrgacure 819(BASF(株)社製、商品名)として商業的に入手可能である。
オキシムエステル化合物、及びホスフィンオキサイド化合物以外で、透明性、及び導電性樹脂層2を薄膜化した場合のパターン形成能が良好である化合物としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンが挙げられる。2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンは、例えばIrgacure 651(BASF(株)社製、商品名)として商業的に入手可能である。
(C)光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)光重合開始剤の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。(C)光重合開始剤の含有割合は、光感度に優れる点では、0.1質量部以上であることが好ましく、光硬化性に優れる点では、20質量部以下であることが好ましい。
本実施形態の導電性樹脂層2には、必要に応じて、シランカップリング剤等の密着性付与剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、重合禁止剤などを(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
導電性樹脂層2は、(B)成分に加えてあるいは(B)成分に代えて、熱重合性基を有する化合物を含有していてもよい。熱重合性基としては、エポキシ基、グリシジル基、イソシアネート基、アセチレン基、マレイミド基、オキセタニル基等が挙げられる。熱重合性基を有する化合物としては、具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
導電性樹脂層2は、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解した樹脂22の溶液を、導電性繊維21を配置した支持フィルム1上に、塗布、乾燥することにより形成できる。ただし、この場合、乾燥後の樹脂22中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
樹脂22溶液の塗工は、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
導電性樹脂層2の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜50μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。この厚みが1μm未満では塗工が困難となる傾向があり、50μmを超えると光透過の低下による感度が不充分となり転写する導電性樹脂層2の光硬化性が低下する傾向がある。導電性樹脂層2を硬化した後の層(硬化膜)の厚みについても、これらの範囲であることが好ましい。
本実施形態で用いる転写型導電性フィルム10において、導電性樹脂層2は、膜厚を1〜10μmとしたときに400nm以上700nm以下の波長域における可視光透過率の最小値が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。導電性樹脂層2がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
本実施形態で用いる転写型導電性フィルム10については、透明電極として有効に活用する観点から、導電膜又は導電パターンとしたときの表面抵抗率が1000Ω/□以下であることが好ましく、500Ω/□以下であることがより好ましく、300Ω/□以下であることが更に好ましい。表面抵抗率は、例えば導電性繊維の分散液の濃度又は塗工量によって調整することができる。
本実施形態で用いる転写型導電性フィルムは、図1(b)に示すように、導電性樹脂層2の支持フィルム1とは反対側の面に接するように保護フィルム3を更に備えた転写型導電性フィルム11であってもよい。
保護フィルム3としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルム3として上述の支持フィルム1と同様の重合体フィルムを用いてもよい。
保護フィルム3と導電性樹脂層2との間の接着力は、保護フィルム3を導電性樹脂層2から剥離しやすくするために、導電性樹脂層2と支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
保護フィルム3中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイ数は、5個/m以下であることが好ましい。「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
保護フィルム3の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルム3の厚みが1μm未満ではラミネートの際、保護フィルム3が破損しやすくなる傾向があり、100μmを超えると価格が高くなる傾向がある。
(導電パターン形成工程)
図2は、導電パターン形成工程を説明するための模式断面図である。図2に示すように、導電パターン形成工程では、レーザー光Lを照射することにより導電性樹脂層2を絶縁化する。この工程では、レーザー照射装置を使用する。レーザー照射装置は、レーザー光Lを発生させるレーザー光発生手段と、レーザー光Lを集光する集光手段である凸レンズなどの集光レンズと、レーザー光照射により加工するサンプル(電極4を有する基板5と、基板5の少なくとも電極4上に積層された導電性樹脂層2と、導電性樹脂層2上に配置されたプラスチックフィルム6とを備える積層体20)が配置されるステージとを備えている。このレーザー光照射装置では、レーザー光発生手段から集光レンズを介してサンプルにレーザー光Lを照射する。このレーザー光照射装置は、市販されている装置を特に制限なく使用することができる。
レーザー光発生手段から発生するレーザー光Lとしては、YAG、YVO等のパルス状レーザー光、炭酸ガスレーザなどの連続発振レーザー光が挙げられる。中でも、簡便であることから、YAG、YVO等の波長1064nmもしくはその2次高波長を使用した532nmのパルス状レーザー光が好ましい。パルス状レーザー光においては、パルス幅300n秒以下が好ましく、70n秒以下がより好ましい。
集光レンズの焦点Fは、通常、導電性樹脂層2の表面毎に設定されるが、導電性樹脂層2に凹凸などが形成されている場合又は広い面積にレーザー光Lを照射する場合には、導電性樹脂層2から離れた位置に設定されていることが好ましい。詳しくは、集光レンズは、導電性樹脂層2と集光レンズとの間にレーザー光Lの焦点Fが位置するように配置される。すなわち、集光レンズ(レーザー光L)の焦点Fが、導電性樹脂層2と集光レンズとの間に形成される。これにより、電極4を有する基板5に当たるレーザー光Lのスポット径は、導電性樹脂層2に照射されるレーザー光Lのスポット径より大きくなる。これにより、導電性樹脂層2においてはレーザー光Lのエネルギー密度を確保して、導電性樹脂層2の絶縁化を確実に達成しつつ、下地である電極4を有する基板5においてはレーザー光Lのエネルギー密度を低減させ、電極4の損傷を防止できる。本実施形態においては、プラスチックフィルム6を介して導電性樹脂層2にレーザー光Lを照射する。その際のレーザー光Lの焦点Fは、プラスチックフィルム6内にあっても、集光レンズとプラスチックフィルム6との間にあってもよい。導電性樹脂層2におけるレーザー光Lのスポット径を小さくして、レーザーで細かい加工を行える点から、焦点Fはプラスチックフィルム6内にあることが好ましい。
集光レンズとしては、低い開口数(NA<0.1)のものが好ましい。すなわち、集光レンズの開口数がNA<0.1とされることにより、レーザー光Lの照射条件設定が容易となり、特にレーザー光Lの焦点Fが導電性樹脂層2と集光レンズとの間に位置することによる、該焦点Fにおける空気のプラズマ化に伴うエネルギー損失とレーザー光Lの拡散を防止することができる。
また、ステージは、水平方向に2次元的に移動可能になっている。ステージは、少なくとも上面側が透明な部材または光線吸収性を有する部材で構成されていることが好ましい。ステージは、レーザー光Lの出力が1Wを超える場合、ナイロン系若しくはフッ素系の樹脂材料、又は、シリコーンゴム系の高分子材料で構成されていることが好ましい。
次いで、レーザー光発生手段よりレーザー光Lを出射させ、レーザー光Lを集光レンズにより集光する。その集光したレーザー光Lを、プラスチックフィルム6を介して導電性樹脂層2に照射する。その際、ステージを、レーザー光Lの照射が所定のパターンになるように移動させる。ここで、所定のパターンとは、導電パターンを形成するためのパターンである。
上記のように、導電性樹脂層2にレーザー光Lを所定パターンで照射することにより、レーザー光L照射部分の導電性繊維21を除去して、レーザー光Lの照射部分を絶縁化し、導電部を有する導電パターンが得られるように絶縁部を導電性樹脂層2に形成する。
導電性樹脂層2に照射するレーザー光Lのエネルギー密度は1×1016〜7×1017W/m、単位面積あたりの照射エネルギーは1×10〜1×10J/mが好ましい。すなわち、エネルギー密度・照射エネルギーが上記数値範囲よりも小さな値に設定された場合、導電性樹脂層2の絶縁化が不充分になるおそれがある。また、上記数値範囲よりも大きな値に設定された場合、加工痕が目立つようになるとともに、下地である電極を形成した基板への損傷が大きくなる傾向がある。
また、これらの値は、加工エリアにおけるレーザービームの出力値を、加工エリアの集光スポット面積で除することにより定義されており、簡便には、出力はレーザー発振機からの出力値に光学系の損失係数を掛けることで求められる。また、スポット径面積Sは、下記式により定義される。
S=S×D/FL
:レンズで集光されるレーザーのビーム面積
FL:レンズの焦点距離
D:導電性樹脂層2の表面(上面)と焦点との距離
なお、前述した焦点Fは、レンズ等の集光手段で、収差が充分に小さい場合を例に説明したが、例えば、焦点距離の短い球面レンズ、保護ガラス等の収差が大きくなる要素が存在する場合には、焦点Fは、集光点のエネルギー密度が最も高くなる位置と定義される。
ここで、距離Dは、通常のレーザー加工機では、焦点距離FLの0.2〜3%の範囲内に設定される。好ましくは、距離Dは、焦点距離FLの0.5〜2%の範囲内に設定される。さらに望ましくは、距離Dは、焦点距離FLの0.7〜1.5%の範囲内に設定される。距離Dが上記数値範囲に設定されることにより、導電性繊維21の除去(空隙の形成)が確実に行えるとともに電気的に高い信頼性を有する絶縁パターンを形成でき、かつ、導電性樹脂層2への損傷に起因する加工痕を確実に防止できる。
導電パターン形成工程において、導電性樹脂層2へのレーザー照射はプラスチックフィルム6を介して行われる。プラスチックフィルム6は、例えば、基板5の少なくとも電極4上に積層された導電性樹脂層2の少なくとも一部に接触するように配置される。プラスチックフィルム6としては、特に制限なく使用することができるが、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。このような重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリカーボネートフィルム等が挙げられる。これらの重合体フィルムのうち、透明性及び耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
プラスチックフィルム6の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。レーザー光L照射時の下地の電極4の損傷を少なくする観点からは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。プラスチックフィルム6の厚みは、導電性樹脂層2を細かく加工できる点から、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
積層工程において、転写型導電性フィルム10,11を使用して電極4を有する基板5上に導電性樹脂層2を積層する場合、導電パターン形成工程においては、プラスチックフィルム6として転写型導電性フィルム10,11の支持フィルム1を使用して、支持フィルム1を介して導電性樹脂層2にレーザー光Lを照射することができる。これによって、導電性樹脂層2上に改めてプラスチックフィルムを配置する必要がないため、導電パターンの形成を簡便に行うことができる。
積層工程において転写型導電性フィルム11を用いる場合の導電パターン付き積層体の製造方法を以下にまとめる。まず、転写型導電性フィルム11から保護フィルム3を剥離し、電極4を有する基板5の少なくとも電極4上に導電性樹脂層2が密着するようにラミネートする。これによって、電極4を有する基板5、導電性樹脂層2、及び支持フィルム1がこの順に積層した積層体20を作製することができる。その後、支持フィルム1を介して、所望の導電パターンに応じて導電性樹脂層2にレーザー光Lを照射し、導電性樹脂層2を絶縁化する。その後、支持フィルム1を剥離することで、下地の電極4を損傷することなく、導電性樹脂層2を絶縁化し、導電パターンを形成することができる。なお、レーザー光Lを照射する前、レーザー光Lを照射して支持フィルム1を剥離する前、支持フィルム1を剥離した後などの工程の間に、導電性樹脂層2にレーザー光Lの照射とは別に光照射を行い、導電性樹脂層2を光硬化してもよい。すなわち、導電パターン形成工程における導電性樹脂層2は、硬化される前の導電性樹脂層及び硬化された後の導電性樹脂層のいずれの態様も包含する。
一方、図3に示すように、従来の方法では、プラスチックフィルムを介さずに、レーザー光Lを導電性樹脂層2に照射するため、基板5上の電極4に照射されるレーザー光Lのエネルギー密度が大きくなり、電極4に損傷dが生じる。この場合、導電性樹脂層2の絶縁部は、図4に示す電子顕微鏡写真のように形成される。
本実施形態の導電パターン付き積層体の製造方法は、導電パターン形成工程の後に再照射工程を更に備えていてもよい。再照射工程では、導電パターン形成工程にて形成した絶縁部にパルス状レーザー光をさらに1回以上照射する。再照射工程では、導電性樹脂層2が着色または除去されるため、絶縁部を視認しやすく可視化することができる。
再照射工程におけるパルス状レーザー光の照射方法および照射条件は、導電パターン形成工程における照射方法および照射条件と同様である。ただし、導電パターン形成工程と同一にする必要はない。
<タッチパネルセンサ>
本実施形態の導電パターン付き積層体の製造方法は、静電容量式タッチパネルの透明電極の形成、静電容量式タッチパネルセンサの製造等に好ましく適用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた成分は以下のとおりである。
(B)成分
・トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名「TMPTA」)
(C)成分
・1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF(株)製、商品名「OXE−01」)
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(BASF(株)製、商品名「LUCIRIN TPO」)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF(株)製、商品名「Irgacure 651」)
(その他の成分)
・オクタメチルシクロテトラシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SH−30」)(レベリング剤)
・メチルエチルケトン(東燃化学(株)製)(溶媒)
製造例1
<銀繊維分散液(導電性繊維分散液(導電膜形成用塗液))の調製>
[ポリオール法による銀繊維の調製]
2000mLの3口フラスコに、エチレングリコール500mLを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで攪拌しながらオイルバスを用いて160℃まで加熱した。ここに、別途用意した溶液1(2mgのPtClを50mLのエチレングリコールに溶解した溶液)を滴下した。4〜5分後、溶液2(5gのAgNOをエチレングリコール300mLに溶解した溶液)と、溶液3(ポリビニルピロリドン(和光純薬(株)製、重量平均分子量:58000)5gをエチレングリコール150mLに溶解した溶液)とを、それぞれの滴下漏斗から1分間で滴下し、反応溶液を160℃で60分間攪拌した。
上記反応溶液が30℃以下になるまで放置した後、アセトンで10倍に希釈した。上記反応溶液の希釈液を、遠心分離機により2000回転で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え、攪拌後に、上記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を光学顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は30nmで、繊維長は3μmであった。
[銀繊維分散液の調製]
純水に、上記で得られた銀繊維が0.2質量%の濃度となるように、また、ドデシルーペンタエチレングリコールが0.1質量%の濃度となるようにそれぞれ分散させ、銀繊維分散液を得た。
製造例2
<バインダーポリマー(A1)溶液の調製>
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す(1)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温した。反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す(2)を4時間かけて均一に滴下した。(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が45000のバインダーポリマー(A1)溶液(固形分50質量%)を得た。バインダーポリマー(A1)の酸価は、78mgKOH/gであった。また、バインダーポリマー(A1)のガラス転移温度(Tg)は60℃であった。
作製したポリマー溶液の特性は、以下の方法で測定した。
(1)重量平均分子量
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成(株)製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製、商品名)
(2)酸価
酸価は、次のようにして測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を、130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形のポリマーを得た。そして、固形のポリマー1gを精秤した後、精秤したポリマーを三角フラスコに入れ、アセトンを30g添加し、均一に溶解した。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×Vf×56.1/(Wp×I/100)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(3)ガラス転移温度(Tg)
上記作製したバインダーポリマーの溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「ピューレックスA53」)上に均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の厚さが40μmであるバインダーポリマーからなる膜を形成した。次いで高圧水銀灯を有する露光機((株)オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、照射エネルギー量が400mJ/cm(i線(波長365nm)における測定値)となるように上記膜を露光した。露光された膜をホットプレート上にて65℃で2分間、次いで95℃で8分間加熱し、熱風対流式乾燥機にて180℃で60分間加熱処理をした後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、TMA/SS6000(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、昇温速度5℃/分で温度を上昇させたときの上記硬化膜の熱膨張率を測定し、その曲線から得られる変曲点をガラス転移温度Tgとして求めた。
<転写型導電性フィルムV1の作製>
[導電性繊維層の作製]
上記製造例1で得られた銀繊維分散液を、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人(株)製、商品名「G2−50」)(支持フィルム)上に25g/mで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥し、導電性繊維層を形成した。
[樹脂溶液X1の作製]
表2に示す材料を、表2に示す配合量(質量部)で、攪拌機を用いて15分間混合し、樹脂溶液X1を作製した。(A)成分の配合量は、固形分の質量である。
[転写型導電性フィルムV1の作製]
樹脂溶液X1を、上記導電性繊維層上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して導電性樹脂層を形成した。その後、導電性樹脂層を、ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−13」)で覆い、転写型導電性フィルムV1を得た。導電性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。
<導電性樹脂層の評価>
[導電性樹脂層の光透過率の測定]
得られた転写型導電性フィルムV1のポリエチレンフィルムを剥がしながら、厚さ1mmのガラス基板上に、導電性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、商品名「HLM−3000型」)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚さが1mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、この時の線圧は9.8×10N/m)の条件でラミネートして、ガラス基板上に、支持フィルムを含む転写型導電性フィルムV1が積層された基板を作製した。
次いで、ガラス基板上の転写型導電性フィルムに、平行光線露光機(オーク製作所(株)製、EXM1201)を使用して、支持フィルム側より露光量5×10J/m(i線(波長365nm)における測定値)で、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを除去し、さらに平行光線露光機で導電性樹脂層側から、露光量1×10J/m(i線(波長365nm)における測定値)で紫外線を照射し、導電性樹脂層(膜厚5.0μm)の透過率測定用試料を得た。
次いで、得られた試料を紫外可視分光光度計(日立計測器サービス(株)製、商品名「U−3310」)を使用して、測定波長域300〜380nmで紫外光透過率を、測定波長域400〜700nmで可視光透過率を測定した。なお、ガラス基板をバックグラウンドとし、導電性樹脂層単独での透過率を測定した。
[導電性樹脂層の表面抵抗率の測定]
導電性樹脂層の光透過率の測定方法と同様にして、ガラス基板上に導電性樹脂層を積層した、表面抵抗率測定用のサンプルを作製した。サンプルの表面抵抗率を非接触抵抗測定器(ナプソン(株)製、商品名「EC−80P」)によって測定したところ、100±5Ω/□であった。
<電極付き基板の作製>
PETフィルム基板(厚さ50μm、東洋紡績製、商品名「A4100」)の易接着面に、転写型導電性フィルムV1のポリエチレンフィルムを剥がしながら、導電性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、商品名「HLM−3000型」)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件でラミネートして、PETフィルム基板上に、支持フィルムを含む転写型導電性フィルムが積層されたフィルム基板を作製した。
次いで、フィルム基板上の転写型導電性フィルムの支持フィルムに、ライン幅/スペース幅が1mm/1mmであり、長さが100mmである配線パターン(ラインの数:10本)を有するPET製のフォトマスクを密着させ、平行光線露光機(オーク製作所(株)製、商品名「EXM1201」)を使用して、支持フィルム側よりフォトマスクを介して露光した(1段目露光)。露光量は、2×10J/m(i線(波長365nm)における測定値)で、紫外線を照射した。次に、フォトマスクと支持フィルムを除去し、さらに導電性樹脂層上方より、大気中環境で(酸素存在下で)フィルム全面に露光した(2段目露光)。露光量は、上述の1段目露光の3倍の露光量とした。
露光後、室温(23℃〜25℃)で15分間放置した後、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30秒間スプレーすることにより現像した。その後、導電性樹脂層の上方から、1×104J/m(i線(波長365nm)における測定値)で、紫外線を照射した。これによって、PETフィルム上に1mmラインパターンの導電性繊維からなる電極を形成し、電極付き基板S1を作製した。
実施例1
上記で作製した電極付き基板S1の電極形成面に、転写型導電性フィルムV1のポリエチレンフィルムを剥がしながら、導電性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件でラミネートして、電極付き基板S1上に、導電性樹脂層、その上に支持フィルム(プラスチックフィルム)が積層された積層体を作製した。
次に、レーザー光照射装置として、ガルバノミラーを備えたYVO基本波のレーザ加工機(キーエンス社製、MD−V9920)を使用して、レーザー加工を行った。レーザー照射は、支持フィルムを介して導電性樹脂層に照射した。レーザー照射の加工パターンは、下地の1mmラインパターン電極付き基板の、ラインパターンに直交する方向にレーザーを照射して行った。照射条件は以下の条件で行った。
焦点から導電性樹脂層までの距離:0mm
出力:30%
移動速度:600mm/秒
発振周波数:100kHz
次に、支持フィルムを剥離した後、下地の1mmラインパターン電極の両端にテスターをあてて、1mmラインパターン電極が損傷なく導通しているかを確認した。その結果、ラインパターンは問題なく導通しており、下地の電極に損傷なく導電性樹脂層をレーザー加工できていることを確認した。
実施例2
実施例1と同様にして、電極付き基板S1の電極形成面に、転写型導電性フィルムV1のポリエチレンフィルムを剥がしながら、導電性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、商品名「HLM−3000型」)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件でラミネートして、電極付き基板S1上に、導電性樹脂層、その上に支持フィルム(プラスチックフィルム)が積層された積層体を作製した。
その後、平行光線露光機(オーク製作所(株)製、EXM1201)を使用して、支持フィルム側より露光した。露光量は、5×10J/m(i線(波長365nm)における測定値)で、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを剥離したのち、露出した導電性樹脂層に密着するように、ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−13」)を貼り合せた。
以降は実施例1と同様にして、ポリエチレンフィルム(プラスチックフィルム)を介してレーザー照射を行った。また、実施例1と同様にしてラインパターン電極の導通を確認したところ、ラインパターンは問題なく導通しており、電極に損傷なく導電性樹脂層をレーザー加工できることを確認した。
比較例1
ポリエチレンフィルムを導電性樹脂層に貼り合せることをしなかった以外は、実施例2と同様にして導電性樹脂層のレーザー照射を実施した。すなわち、プラスチックフィルムを介さないで、導電性樹脂層へのレーザー照射を行い、加工を行った。下地の電極付き基材の1mmラインパターン電極を調べたところ、ラインパターンは導通しておらず、電極が損傷していることが確認された。
1…支持フィルム、2…導電性樹脂層、3…保護フィルム、4…電極、5…基板、6…プラスチックフィルム、21…導電性繊維、22…樹脂、L…レーザー光。

Claims (8)

  1. 電極を有する基板の少なくとも前記電極上に、導電性繊維及び樹脂を含有する導電性樹脂層を積層する積層工程と、
    前記導電性樹脂層にレーザーを照射して前記導電性樹脂層を絶縁化させることにより、導電パターンを形成する導電パターン形成工程と、を備え、
    前記導電パターン形成工程において、プラスチックフィルムを介して前記導電性樹脂層に前記レーザーを照射する、導電パターン付き積層体の製造方法。
  2. 前記積層工程において、前記基板の少なくとも前記電極上に、前記導電性樹脂層と前記プラスチックフィルムとを備える転写型導電性フィルムを積層する、請求項1に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
  3. 前記基板の少なくとも前記電極上に積層された前記導電性樹脂層の少なくとも一部に接触するように前記プラスチックフィルムを配置する、請求項1に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
  4. 前記導電性繊維が金属繊維である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
  5. 前記導電性繊維が銀ナノワイヤである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
  6. 前記積層工程において積層される前記導電性樹脂層が、熱重合性基を有する化合物又は光重合性基を有する化合物を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
  7. 前記積層工程において積層される前記導電性樹脂層が、光重合性基を有する化合物及び光重合開始剤を更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
  8. 前記電極が金属繊維を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電パターン付き積層体の製造方法。
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