JP2017107856A - ナトリウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法およびナトリウムイオン二次電池 - Google Patents

ナトリウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法およびナトリウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】単位重量あたりの放電容量がより高いナトリウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを用いたナトリウムイオン二次電池を提供することを課題とする。【解決手段】負極活物質を構成する炭素材料に、特定の面間隔を有し、かつ特定のH/C重量比を有する炭素材料を用いることで課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、ナトリウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法およびナトリウムイオン二次電池に関する。
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車およびプラグインハイブリッド自動車等の輸送機器、また、家庭用および商業用の大型蓄電デバイスの電源として、二次電池の需要が増大している。それら電源として、リチウムイオン二次電池が広く用いられている。リチウムイオン二次電池では電荷担体にリチウムイオンを用いる。しかし、リチウムはレアメタルで有り、高価であることに加えて、産出量が少ないという問題がある。
新しい二次電池として、ナトリウムイオン二次電池の研究が行われている。ナトリウムイオン二次電池では電荷担体にナトリウムイオンを用いる。ナトリウムは、リチウムに比べて豊富に存在し、また安価に入手できることから、低コストかつ大型化が可能な二次電池として注目されている。しかしながら、従来、ナトリウムイオン二次電池の負極活物質として、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用可能とされている材料(例えば黒鉛などの黒鉛化度の高い構造の炭素材料)をそのまま使用しても、十分な性能を有するナトリウムイオン二次電池を実現することが非常に困難であることが知見されていた(特許文献1参照)。このため、ナトリウムイオン二次電池の実用化に向けて、正負極材料、とりわけ高容量な負極材料が要望され、開発が行われている。
例えば特許文献1には、ナトリウムイオン二次電池の負極活物質として、非晶質のガラス状炭素材料を用いることが提案されている。これにより、最大で265mAh/gの単位重量あたり放電容量が得られることが報告されている。非特許文献1には、セルロースを原料とすることで、得られた炭素の(002)面間距離が0.830nmであり、279mAh/gの単位重量あたり放電容量が得られると報告されている。非特許文献2には非晶質の炭素材料を用いることで、300mAh/gの単位重量あたり放電容量が得られると報告されている。
また、特許文献2には、表面まで連通した複数の開孔と、前記表面まで連通しない複数の閉孔と、炭素材料からなる固体部とを有する多孔性炭素材料を含み、前記固体部の少なくとも一部における炭素の(002)面間距離が特定範囲であり、前記複数の開孔、前記複数の閉孔および前記固体部の容積和に対する前記複数の閉孔の容積比率が特定範囲あるナトリウムイオン二次電池用負極活物質が提案されている。これにより、最大で約430mAh/gの単位重量あたり放電容量が得られることが報告されている。
国際公開第2009/069559号 国際公開第2014/188722号
Thomas, P. and D. Billaud (2002), Electrochimica Acta 47(20): 3303-3307. Yabuuchi, N., K. Kubota, et al. (2014) Chemical Reviews 114(23): 11636-11682.
本発明者らは特許文献1、特許文献2および非特許文献1に開示された技術を、詳細に検討した。その結果、特許文献1、特許文献2および非特許文献1は、ナトリウムイオン二次電池用の負極活物質(以下、「ナトリウムイオン二次電池用負極活物質」)として、いずれもガラス状炭素およびハードカーボンを用いることを主に提案している。
しかしながら、特許文献1および非特許文献1のナトリウムイオン二次電池用負極活物質は、リチウムイオン二次電池用の負極活物質として使用される結晶性の高い炭素材料(例えば黒鉛)を、リチウムイオン二次電池用負極活物質として用いた場合よりも、単位重量あたりの放電容量が小さいという問題があった。一方、特許文献2は、前記単位重量あたりの放電容量が小さいという問題を解決するものの、非特許文献2に記載の温度よりも高温での熱処理が必要であり、製造コストが高いという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、単位重量あたりの放電容量がより高いナトリウムイオン二次電池用負極活物質、その製造方法およびそれを用いたナトリウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者らは、ナトリウムイオン二次電池用負極活物質として炭素材料に着目し、さまざまな炭素材料の構造解析と、それら炭素材料とナトリウムイオンとの反応性を検討した。この結果、特定の構造の炭素材料が、ナトリウムイオン二次電池用負極活物質として、従来よりも大きな単位重量あたり容量を示すことを見出した。
すなわち本発明の要旨は、バックグラウンド補正後の(002)面の面間隔をd(nm)、バックグラウンド補正を行わずピークトップのみを用いる方法による(002)面の面間隔をd2(nm)とするとき、それらの差(d2−d)が0.018nm以上、0.06nm以下、かつH/C重量比が0.0005以上、0.015以下である多孔性炭素材料を含むナトリウムイオン二次電池用負極活物質に存する。
また本発明の他の要旨は、前記の負極活物質を含む負極と、ナトリウムを吸蔵放出が可能な正極活物質を含む正極と、ナトリウムイオンを含む電解質を含むナトリウムイオン二次電池に存する。
また本発明の他の要旨は、多孔性炭素材料を含むナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であって、炭素源となる有機材料を原料とする多孔性炭素材料前駆体を用意する第一工程と、前記多孔性炭素材料前駆体を不活性雰囲気化で熱処理することにより、多孔性炭素材料を得る第二工程とを含む、前記のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法に存する。
本発明の一態様によると、単位重量当たりの容量が大きいナトリウムイオン二次電池用負極活物質を提供することができる。また、高容量なナトリウムイオン二次電池を実現することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明によるナトリウムイオン二次電池用負極活物質の実施の形態を説明する。
本実施の形態のナトリウムイオン二次電池用負極活物質は特定の物性を有する多孔性炭素材料を含む。本発明において多孔性とは、孔(例えばメソ孔)を複数有することをいい、その程度は特段限定されない。
多孔性炭素材料は、特定の面間隔の要件を満たし、および特定のH/C重量比を有する限り特に限定されず、ナトリウム二次電池用の負極活物質として一般に用いられる種々の形状を備えていてもよい。具体的には、多孔性炭素材料は、粒子形状、燐片形状あるいは薄膜形状を有していてもよい。多孔性炭素材料が粒子形状を有する場合、その平均粒子径は、例えば0.01μm以上200μm以下、好ましくは、1μm以上100μm以下である。平均粒子径が0.01μmより小さい場合は、表面活性が高く、取り扱いが難しくなる可能性が有る。一方、200μmより大きい場合は、負極活物質としての反応速度が遅くなる可能性がある。
平均粒子径(メジアン径)は、分散媒を水、分散剤はTWEEN#20約0.2%程度とし、超音波分散ののち、レーザー回折方式により測定することが出来る。
また、ナトリウムイオン二次電池用負極活物質は主として多孔性炭素材料を含んでいればよく、他の負極活物質や添加剤等を含んでいてもよい。「主として」とは、負極活物質全体に対して50重量%以上の割合で含むことをいう。好ましくは、ナトリウムイオン二次電池用負極活物質は全体に対して70重量%以上の割合で多孔性炭素材料を含んでいる。
本実施の形態では、多孔性炭素材料において、バックグラウンド補正後の(002)面の面間隔d(nm)が通常0.37nm以上である。dが上記下限値以上であると、アルカリ金属イオンの吸蔵サイトへの移動が容易となるため、負極材料の充放電容量を向上させることができる。面間隔dの上限は特に限定されないが、通常は0.41nm以下であり、好ましくは0.40nm以下であり、より好ましくは0.395nm以下である。dが上記上限値以下であると、負極材料の不可逆容量を抑制することができる。
また、本実施の形態では、炭素材料において、バックグラウンド補正を行わないピークトップのみによる方法による(002)面の面間隔d2(nm)が通常0.39nm以上である。d2が上記下限値以上であると、アルカリ金属イオンの吸蔵サイトへの移動が容易となるため、負極材料の充放電容量を向上させることができる。
面間隔d2の上限は特に限定されないが、通常は0.43nm以下であり、好ましくは0.42nm以下であり、より好ましくは0.415nm以下である。d2が上記上限値以下であると、負極材料の不可逆容量を抑制することができる。
本発明者らの詳細な検討によれば、多孔性炭素材料において、ナトリウムの吸蔵・放出サイトとして機能する部位は、炭素骨格の(002)面間の距離dが比較的大きい、例えば、0.36nm以上の部位および、内部の細孔である。さらに検討を重ねた結果、炭素骨格の(002)面間の距離dが比較的大きい材料の中でも、特に、XRDピークが左右で対称でない材料であって、特定のH/C重量比を有するものが特に特性に優れ、かつ、容易に製造できることを見出した。
一般に、XRDパターンの低角側においては、乱層構造中の積層のゆがみの影響や、部分的な面間隔のばらつきの影響が現れるため、バックグラウンド補正を行って面間隔(d)を算出する。バックグラウンド補正を行わず、ピークトップ位置のみから算出することで、積層の歪み等を加味した面間隔(d2)を得ることが出来ると考えられる。これら間の差(d2−d)は特に乱層構造を反映すると考えられ、本実施の形態で用いられる材料では公知のハードカーボン負極材料等と比較して大きな値を示すという特徴がある。
本実施の形態で用いられる多孔性炭素材料の(d2−d)の値は、0.018nm以上、0.06nm以下、好ましくは、0.02nm以上、0.05nm以下、より好ましくは、0.021nm以上、0.04nm以下、更に好ましくは、0.022nm以上、0.03nm以下である。この値が小さすぎると充電容量が低下し、大きすぎると初回効率が低下したり、高い熱処理温度を必要とする結果、製造コストが高くなる。
上記多孔性炭素材料のdの値、d2の値は、炭素源となる有機材料として、炭水化物あるいは天然高分子を選択する、それら分子あるいは高分子間で架橋を行う、あるいは不活性雰囲気での熱処理温度を制御することで調整することが可能であり、特に(d2−d)の値は炭素源となる有機材料として炭水化物を選択し、その分子(鎖)間の架橋によって、分子運動性を制限したのち、不活性雰囲気での熱処理することにより上記所望の範囲とすることができる。
さらに本実施の形態で用いられる多孔性炭素材料は、H/C重量比が通常0.0005以上、0.015以下、好ましくは0.001以上、0.014以下である。この値が小さすぎると充電容量が低下し、大きすぎると初回効率が低下したり、高い熱処理温度を必要とするため、製造コストが高くなる。
上記多孔性炭素材料のH/C重量比は、不活性雰囲気での熱処理温度を調節することにより上記所望の範囲とすることができる。
本実施の形態のナトリウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる多孔性炭素材料の面間隔の測定の際の、X線回折測定の具体的な測定手順の一例を、測定、解析の順に説明する。XRDはリガク製Multiflexを用い、X線源としてCu−Kα線を用いることができる。管電圧40kV、管電流40mAの出力でX線を発生させ、2θ/θ法で、10度〜50度(2θ)の範囲で試料を走査することによって、回折線を検出した。また、多孔性炭素材料のH/C重量比については、CHN−O元素分析計(CHNモードおよびOモード)により測定することができる。
(002)面間の距離dの解析は、測定結果をJ. R. Dahn, Carbon, 34, 193−200(1996)記載の方法で、バックグラウンド補正を行った後、おおよそ23〜26度付近に観測される炭素002ピーク値(2θ)から、Braggの式を用いて、炭素骨格構造の(002)面間距離を求める。Cu−Kα線の場合、λ=0.15419nmである。
(002)面間の距離d2の解析は、測定結果を、バックグラウンド補正を行わず、おおよそ23〜26度付近に観測される炭素002ピーク値(2θ)から、Braggの式を用いて、炭素骨格構造の(002)面間距離を求める。Cu−Kα線の場合、λ=0.15419nmである。
なお、多孔性炭素材料によっては、多孔性炭素材料を製造する際の熱処理等によって固体部の一部分のみが黒鉛化することにより、23〜26度付近に、炭素002ピークが2つ以上観測されることがある。26度付近に観測されるシャープなピークは部分的に黒鉛化した固体部に起因するピークであり、最も低角度側に観測されるブロードなピークはより結晶性の低い固体部に起因するピークである。ナトリウムイオンの拡散あるいは吸蔵に寄与するためには、炭素骨格構造の(002)面間距離が0.36nm以上であることが好ましいため、炭素002のピークが2つ以上現れた炭素材料については、最も低角度側に観測されるブロードなピークを炭素002ピークとし、そのピーク値(2θ)から上述の方法で(002)面間距離(d、d2)を求めることができる。
本実施の形態に用いる多孔性炭素材料は、N吸着法によるBET表面積が通常50m/g以上、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上、更に好ましくは200m/g以上、より更に好ましくは250m/g以上、殊更好ましくは300m/g以上、特に好ましくは350m/g、最も好ましくは400m/g以上であり、通常600m/g以下、好ましくは550m/g以下、更に好ましくは
500m/g以下である。上記範囲であれば高い可逆容量が得られるため好ましい。なお、N吸着法によるBET表面積は、実施例に開示の方法により測定することができる。
本実施の形態に用いる多孔性炭素材料は、He法真密度が通常1.8g/cm以上、好ましくは1.85g/cm以上、より好ましくは1.88g/cm以上、通常2.26g/cm未満、好ましくは2.23g/cm以下、より好ましくは2.22g/cm以下である。上記範囲であれば、内部空孔の容積が大きく、高い放電容量が得られるため好ましい。炭素材料のHe法真密度(g/cm)は、前処理として、200℃、真空下で3時間乾燥した炭素材料および測定ガスとしてヘリウムを用い、定容積膨張法により求めることができる。
本実施の形態に用いる多孔性炭素材料は、ナトリウムイオン二次電池用負極活物質として使用し、ナトリウムイオン二次電池を作製した場合に、通常初回効率が86%以上、99%以下であり、好ましくは90%以上、98%以下である。上記範囲であれば電池のエネルギー密度が高くできるため好ましい。初回効率は、次のように求めることができる。
多孔性炭素材料(活物質)を、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)等をバインダーとして添加し、NMPを用いてスラリー化し、集電体であるAlに塗布することで電極を作製する。活物質密度は、0.5〜3mg/cm程度とする。電解液に1M NaPF/PC(プロピレンカーボネート)を用い、不活性ガス雰囲気でガラスフィルター等をセパレーターとして対極にNa金属を使用した電池を作製する。充放電試験を次のように実施する。充電過程は電流密度25mA/g、0.002Vで8時間電圧一定(CC−CV)充電を行い、充電容量を測定する。放電過程は、電流密度25mA/gで2VまでCC放電を行い、放電容量を測定する。初回効率(%)は、前記充電容量(mAh/g)に対する、前記放電容量(mAh/g)の比(%)と定義する。
本実施形態のナトリウムイオン二次電池用負極活物質に含まれる多孔性炭素材料は、その製造方法は特に限定されないが、例えば、炭素源となる有機材料を原料とする多孔性炭素材料前駆体を用意する第一工程と、前記多孔性炭素材料前駆体を不活性雰囲気化で熱処理することにより、多孔性炭素材料を得る第二工程とを含む、製造方法により得ることが出来る。
(第一工程)
炭素源となる有機材料としては、炭水化物あるいは天然高分子が好ましい。炭水化物あるいは天然高分子の形状は特段限定されず、繊維状、粒子等であってもよい。焼成後の活物質粒子への加工を考慮すると、数μm〜数十μmの大きさの粒子状または短繊維状の炭水化物あるいは天然高分子であることが好ましい。
炭水化物としては、単糖、オリゴ糖などの糖類が例示され、天然高分子としては、タンパク質、糖質、多糖類などが例示される。また前記有機材料は、二糖類または、セルロース、アミロペクチン、及びグリコーゲンから選ばれる天然高分子であることが好ましい。炭水化物(糖類)、天然高分子を含む原料には、バイオマス(バイオマス活用ハンドブック 株式会社環境新聞社 2013年)のうち、紙、製材工場等残材、建設発生木材、農産物非食用部、林地残材、あるいは食品廃棄物が含まれていてもよい。天然高分子の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で通常5000以上、500万以下、好ましくは1万以上、200万以下、さらに好ましくは10万以上、100万以下である。
本実施の形態に係る第一工程では多孔性炭素材料前駆体を準備する。例えば、炭素源となる有機材料を酸素含有雰囲気下で熱処理すること、有機材料に酸、アルカリ触媒等を添加して加熱する方法、有機材料に架橋剤分子を用いて処理する方法等、により多孔性炭素材料前駆体に変換することができる。本実施の形態では、前記多孔性炭素材料前駆体は、
有機材料を脱水縮合させ炭水化物等の分子(鎖)間を架橋したものである。例えば熱処理により得る場合、酸素含有雰囲気下で、加熱減量が5%〜97%となるまで熱処理することにより、多孔性炭素材料前駆体を得ることができる。加熱減量は通常5%以上であり、好ましくは10%以上、より好ましくは12%以上、さらに好ましくは15%以上である。また、通常97%以下、好ましくは95%以下、より好ましくは94%以下、さらに好ましくは93%以下である。前記範囲であれば、得られた炭素材料を負極活物質として用いたナトリウムイオン二次電池において高い可逆容量が得られるため好ましい。
多孔性炭素材料前駆体は、好ましくは以下の物性を有する。
多孔性炭素材料前駆体は原料と比較して多孔性が高く、通常はN吸着によるBET法比表面積が、炭素源となる有機材料原料の1.5倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは30倍以上、特に好ましくは50倍以上である。また、通常400倍以下、好ましくは350倍以下、更に好ましくは300倍以下である。前記酸素含有雰囲気下での熱処理も、比表面積が上記の範囲内になるように調整することが好ましい。前記範囲であれば、得られた炭素材料を負極活物質として用いたナトリウムイオン二次電池において、高い可逆容量が得られるため好ましい。
多孔性炭素材料前駆体のN吸着法によるBET表面積は通常1m/g以上、好ましくは10m/g以上、さらに好ましくは50m/g以上、通常1000m/g以下、好ましくは800m/g以下、さらに好ましくは600m/g以下である。N吸着法によるBET表面積は、多孔性炭素材料における測定と同様に測定することができる。
酸素含有雰囲気下での熱処理温度は、通常180℃以上、好ましくは190℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは215℃以上であり、通常500℃以下、好ましくは400℃以下、より好ましくは380℃以下、更に好ましくは350℃以下である。前記範囲であれば、得られた炭素材料を負極活物質として用いたナトリウムイオン二次電池において、高い可逆容量が得られるため好ましい。
焼成雰囲気は、酸素が含有されていれば特に限定されないが、空気あるいは反応速度を制御するため、空気を窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等のガスで希釈した雰囲気が好適に用いられる。雰囲気中の酸素濃度は通常、0.01体積%以上、21体積%以下、好ましくは0.1体積%以上、10体積%以下、さらに好ましくは1体積%以上、5体積%以下である。酸素濃度が低すぎると架橋が進行し難く充放電容量が低くなり、逆に酸素濃度が高すぎると反応の制御が困難となる他、初回の充放電効率が低下する傾向がある。
焼成雰囲気ガスは流通させてもさせなくてもよいが、再現性や量産性の観点から流通させることが好ましい。流通させる場合、ガスの線速(LV)は、25℃、大気圧において、通常、1cm/min以上であり、10cm/min以上が好ましく、15cm/min以上がより好ましく、一方、通常、100cm/min以下であり、75cm/min以下が好ましく、60cm/min以下がより好ましい。LVが低すぎると再現性が低下する傾向があり、逆に高すぎると初回の充放電効率が低下する傾向がある。
また、炭素源の重量に対する、25℃、大気圧換算でのガス流量(W/F)は、特に制限はないが、通常0.001g・min/ml以上であり、0.01g・min/ml以上が好ましく、一方、通常1g・min/ml以下であり、0.1g・min/ml以下が好ましい。W/Fが低すぎると初回の充放電効率が低下する傾向があり、逆に高すぎると再現性が低下したり、製造設備の閉塞等で量産性に問題が生じる傾向がある。
酸素含有雰囲気下での熱処理によって、原料の有機材料の脱水架橋等を促進し、上記特定の物性を有し得る焼成物(多孔性炭素材料前駆体)に変換し、続く第二工程により、多孔性炭素材料の構造をナトリウムの吸蔵脱離に適した構造とすることが出来る。
前記のように酸素含有雰囲気下での加熱による以外に、炭水化物等の分子(鎖)間の架橋を促進する方法として、有機材料に酸、アルカリ触媒等を添加して加熱する方法が挙げられる。これらの酸、アルカリ等は、炭化後(加熱後)水洗等により除去することが出来る。
さらに、分子間の架橋を促進する方法としては、炭水化物分子(鎖)間、例えば、−CHOH基、−OH基などの水酸基を有する官能基を、架橋剤分子を用いて架橋してもよい。架橋剤分子は特に制限はなく、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの多価カルボン酸類などを用いることが出来る。多価カルボン酸と炭水化物とのエステル化反応において、多価カルボン酸は酸無水物形成を経由して炭水化物の水酸基と反応してエステル架橋が生成するとされている。このことから、クエン酸(三価カルボン酸)は、酒石酸、リンゴ酸(二価カルボン酸)よりも酸無水物形成能が高く、架橋構造を導入させやすいため特に好ましい。
また、オゾン、過酸化水素、過ヨウ素酸塩、過塩素酸塩等の酸化剤を用いて、室温から100℃程度までの温度域で炭化水素等に含酸素官能基を導入し、必要に応じて、更に不活性雰囲気中で加熱することにより、前述の酸素含有雰囲気下での加熱の代替とすることもできる。その際、酸化剤とともに水等の溶媒、TEMPO等の触媒を用いてもよい。
前述の酸素含有雰囲気下での熱処理、酸・アルカリ触媒による、あるいは架橋剤分子による炭水化物分子(鎖)間の架橋によって、分子運動性が制限される結果、炭化時に、前駆体あるいは炭化の過程で炭水化物等から生成した芳香族環がより乱雑な状態で炭素化が進行するため、得られた多孔質炭素材料の面間隔が広くなり、かつ、積層の乱れ等が多くなる結果、炭化処理後においても、ナトリウムイオンの吸蔵脱離に適した細孔構造が多く存在すると推察される。さらに、炭化時に低分子化合物の脱離等を抑制する結果、炭化時の収率が向上する効果、および、炭化時のタール等の生成を抑制する効果が期待できる。前駆体から多孔質炭素材料への収率の下限に制約は無いが、通常30%以上、好ましくは35%以上、特に好ましくは40%以上である。一方上限に制約は無いが、通常90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下である。
前記多孔性炭素材料前駆体は通常、原料の炭水化物(糖類)等から単に吸着水や結晶水が脱離したものではなく、原料の少なくとも一部が炭化水素骨格、フラン骨格、芳香族骨格、あるいはカルボン酸構造やケトン構造へと変化する。これらのうち、前駆体中で、原料に由来する炭化水素と、芳香族炭化水素骨格以外の成分(炭化水素、フラン骨格、および その他含酸素骨格から構成される)の比率が特定範囲であることにより、乱層構造の形成が促進され、高い電池特性をもたらすものと考えられる。前記比率は、通常炭素原子比で10%以上、95%以下であり、好ましくは20%以上、80%以下である。
前記炭素原子比は、例えば、Norton, F. J., G. D. Love, et al. (1995). Journal of
Materials Science 30(3): 596-600、あるいはPastorova, I., R. E. Botto, et al. (1994). Carbohydrate Research 262(1): 27-47.、Zawadzki, J. and M. Wisniewski (2002). Journal of Analytical and Applied Pyrolysis 62(1): 111-121.などの記載に従い、固体13C−NMR等により求めることが出来る。
前記多孔性炭素材料前駆体はH/C重量比が通常0.03以上0.15以下であり、好ましくは0.035以上0.12以下、より好ましくは0.04以上0.1以下である。多孔性炭素材料前駆体のO/C重量比は通常0.3以上1.1以下であり、好ましくは0.45以上0.8以下、より好ましくは0.5以上0.7以下である。多孔性炭素材料前駆体のH/O重量比は通常0.05以上、好ましくは0.06以上、より好ましくは0.07以下であり、一方、通常0.15以下であり、好ましくは0.12以下、より好ましくは0.1以下である。また、前記多孔性炭素材料前駆体の炭素原子のうち、脂肪族炭化
水素に属する炭素原子に対する、芳香族炭化水素に属する炭素原子の比は、通常0.05以上100以下であり、0.1以上50以下であることが好ましく、さらには0.2以上30以下であることが好ましい。多孔性炭素材料前駆体のH/C重量比、O/C重量比、H/O重量比等は、多孔性炭素材料における測定と同様に測定することができる。
(第二工程)
本実施の形態における第二工程では、第一工程で得られた多孔性炭素材料前駆体を不活性雰囲気化で熱処理することにより、多孔性炭素材料を得る工程である。
不活性雰囲気での熱処理は、前記多孔性炭素材料前駆体が炭素化するまで行うことが好ましく、熱処理温度は、通常1200℃以上1800℃以下であり、1300℃以上1600℃以下が好ましい。熱処理囲気は、不活性であれば特に限定されないが、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等のガスが好適に用いられる。熱処理によって、多孔性炭素材料前駆体から炭素以外の元素を揮発させ原料の炭素化を図ることができる。
これらの工程により、所望の物性を有する多孔性炭素材料を得ることができる。
(実施の形態2)
上記多孔性炭素材料は、ナトリウムイオン電池の負極活物質として特に好適な材料であるが、上記多孔性炭素材料を含むナトリウムイオン電池用負極活物質(以下、「本実施形態の負極活物質」と略す場合がある。)、さらに本実施形態の負極活物質を含むナトリウムイオン電池用負極(以下、「本実施形態の負極」と略す場合がある。)もまた本発明の一態様である。
なお、本実施形態の負極は、本実施形態の多孔性炭素材料を含むものであればその他は限定されないが、通常、負極活物質、導電剤、結着剤等を含む負極活物質層を集電体表面に形成したものである。
本実施形態の負極活物質は、前述の多孔性炭素材料を含むものであれば、その他の公知の負極活物質を含むものであってもよい。例えばナトリウムイオンを吸蔵・脱離することのできる天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、ハードカーボン、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体等の炭素材料が挙げられる。炭素材料の形状としては、例えば天然黒鉛のような薄片状、メソカーボンマイクロビーズのような球状、黒鉛化炭素繊維のような繊維状、または微粉末の凝集体等のいずれでもよい。ここで炭素材料は、導電材としての役割を果たす場合もある。
負極活物質層中の負極活物質の含有量は特に限定されないが、通常80重量%以上、95重量%以下である。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体等が挙げられる。これらをそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。結着剤のその他の例示としては、例えば、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等の多糖類及びその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩が挙げられる。また、使用可能な結着剤として、無機の微粒子、例えばコロイダルシリカ等を挙げることもできる。負極活物質層中の結着剤の含有量は特に限定されないが、通常5重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
集電体としては、ニッケル、アルミニウム、銅、ステンレス(SUS)等の導電性の材料を用いた箔、メッシュ、エキスパンドグリッド(エキスパンドメタル)、パンチドメタ
ル等が挙げられる。メッシュの目開き、線径、メッシュ数等は特に限定されず、従来公知のものを使用できる。集電体の一般的な厚さは5μm以上30μm以下である。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
負極を製造する方法としては、先ず、負極活物質と導電材と結着剤と有機溶媒とを混合させて負極活物質スラリーを調製する。ここで使用可能な有機溶剤としては、N,N−ジメチルアミノプロピリアミン、ジエチルトリアミン等のアミン系;エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のエーテル系;メチルエチルケトン等のケトン系;酢酸メチル等のエステル系、ジメチルアセトアミド、N-メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
次いで、上記負極活物質スラリーを負極集電体上に塗工し、乾燥後プレスする等して固着する。ここで、負極活物質スラリーを負極集電体上に塗工する方法としては、例えばスリットダイ塗工法、スクリーン塗工法、カーテン塗工法、ナイフ塗工法、グラビア塗工法、静電スプレー法等を挙げることができる。
なお、負極活物質層を負極集電体上に形成する方法としては、上記の方法以外に、負極活物質、導電材、結着剤の混合物を負極集電体上に設置し、加圧成型する方法でもよい。
<ナトリウムイオン電池>
本実施形態の負極を備えたナトリウムイオン電池も本発明の一態様(以下、「本実施形態のナトリウムイオン電池」と略す場合がある。)である。なお、本実施形態のナトリウムイオン電池は、上述の本実施形態の負極を備えるものであればその他は限定されないが、通常負極のほか、ナトリウムイオンを吸蔵及び脱離することができる正極と、電解質とを備える。
[正極]
正極は集電体と、その集電体の表面に形成された正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極活物質、導電材、結着剤を有する。
正極活物質の種類は、ナトリウムイオン電池に使用できるものであれば特に限定されないが、具体的には層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。例えば、NaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaVO、Na(NiXMn1−X)O(0<X<1)、Na(FeMn1−X)O(0<X<1)、NaVPOF、NaFePOF、Na(PO等を挙げることができる。
正極活物質層中の正極活物質の含有量は特に限定されないが、通常80重量%以上95重量%以下である。
正極における導電材、結着剤等の種類、並びに正極活物質層を集電体上に形成する方法は、負極を製造する際に使用するもの及び方法と同様のものを採用することができる。
[電解質]
電解質は特に限定されず、一般的な電解液、固体電解質のいずれも使用可能である。電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等のカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン等の含硫黄化合物;または上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができる。通常は有機溶媒として、これらのうちの二種以上を混合して用いる。
上記電解液の中でも、実質的に飽和環状カーボネート(ただし、エチレンカーボネートの単独使用を除く)、または飽和環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒からなる非水溶媒を採用することが好ましい。特に、これらの非水溶媒の中からいずれかを採用し、負極活物質としてハードカーボンを採用すると、ナトリウムイオン二次電池は優れた充放電効率及び充放電特性を持つ。必要に応じてリチウムイオン電池に用いられている既知の添加剤を用いてもよい。特に、フルオロエチレンカーボネート(FEC)は添加剤として好ましい。
ここで、「実質的に」とは、飽和環状カーボネートのみからなる非水溶媒(ただし、エチレンカーボネートの単独使用を除く)、飽和環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒からなる非水溶媒の他、充放電特性等のナトリウムイオン二次電池の性能に影響を与えない範囲で、他の溶媒を本実施形態に用いる上記非水溶媒に含んだ溶媒も含むことを指す。
飽和環状カーボネートの中でもプロピレンカーボネートの使用が好ましい。また、混合溶媒の中でもエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒、またはエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの混合溶媒の使用が好ましい。
電解質として、電解液を採用した場合に使用可能な電解質塩は、特に限定されず、ナトリウム二次電池に一般的に用いられる電解質塩を使用できる。
ナトリウム二次電池に一般的に用いられる電解質塩としては、例えば、NaClO、NaPF、NaBF、CFSONa、NaAsF,NaB(C,CHSONa、NaN(SOCF、NaN(SO、NaC(SOCF、NaN(SOCF等を挙げることができる。また、電解質塩として、前記Na塩の他、Li塩を用いても良い。なお、上記電解質のうち1種を用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電解液中の電解質塩の濃度は特に限定されないが、上記電解質塩の濃度は3〜0.1mol/lであることが好ましく、1.5〜0.5mol/lであることがより好ましい。
固体電解質としては、例えばポリエチレンオキサイド系の高分子化合物、ポリオルガノシロキサン鎖もしくはポリオキシアルキレン鎖の少なくとも一種以上を含む高分子化合物等の有機系固体電解質を用いることができる。また、高分子化合物に非水電解質溶液を保持させた、いわゆるゲルタイプのものを用いることもできる。また、NaS−SiS、NaS−GeS、NaTi(PO、NaFe(PO、Na(SO、Fe(SO(PO)、Fe(MoO等の無機系固体電解質を用いてもよい。
[ナトリウム二次電池の構造]
本実施形態のナトリウム二次電池の構造としては特に限定されず、形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、捲回型(円筒型)電池等、従来公知のいずれの形態・構造にも適用しうるものである。また、ナトリウムイオン二次電池内の電気的な接続形態(電池構造)で見た場合、(内部並列接続タイプ)電池及び双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用しうるものである。
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例および比較例>
XRDはリガク製Multiflexを用い、以下の方法で回折線を検出した。
光学系;ブラッグ・ブレンターノ型、ゴニオ半径;185mm
X線;Cu−Kα, 管球タイプ、管電圧;40kV、管電流;20mA
Kβフィルター;Ni箔
モノクロメーター;なし
検出器;高速一次元検出器 D/teX (Rigaku)
発散スリット;1°(固定)
散乱スリット;開放
受光スリット;開放
受光側ソーラースリット;2.5°
縦照射幅;約18mm
走査軸;2θ/θ
測定方法;連続
角度範囲;10−50°
ステップ幅;0.02°
スキャン速度;2.0°/min
試料ホルダー;20×20×0.2mm
試料量;0.07g
(002)面間の距離dの解析は、測定結果をJ.R.Dahn,Carbon,34,193−200(1996)記載の方法で、バックグラウンド補正を行った後、おおよそ23〜26度付近に観測される炭素002ピーク値(2θ)から、Braggの式を用いて、炭素骨格構造の(002)面間距離を求めた。Cu−Kα線の場合、λ=0.15419nmである。
(002)面間の距離d2の解析は、測定結果を、バックグラウンド補正を行わず、おおよそ23〜26度付近に観測される炭素002ピーク値(2θ)から、Braggの式を用いて、炭素骨格構造の(002)面間距離を求めた。Cu−Kα線の場合、λ=0.15419nmである。H/C重量比は、CHN−O元素分析計(CHNモードおよびOモード)(エレメンタール社製VARIO EL III)により測定した。
吸着法によるBET表面積は、MicrotracBEL製BELSORP−miniIIを用い、吸着ガスとして窒素を用い、200℃、3時間の乾燥処理を行った後、BET法により得た。
He法(Heガス置換法)真密度測定は、定容積膨張法によった。島津製作所製 乾式自動密度計アキュピック1340TCを使用し、200℃、3時間の乾燥処理を行った後、試料セルに採取し、繰り返し5回測定し、その平均値を求めた。
メジアン径は、分散媒として水を使用し、分散剤はTWEEN#20約0.2%を添加し、超音波分散ののち、HORIBA製LA−920を使用し、レーザー回折方式で測定
した。
試験電極に負極活物質を、対極にナトリウム金属を用いた評価セルを作製し、特性を測定した。以下に、評価セルの製造方法および特性の測定結果を説明する。以下に説明する実施例は一例であって、本発明の実施の形態は以下に説明する具体的な実施例にのみ限定されない。
(実施例1)
<負極活物質の作製>
まず、酸素含有雰囲気処理工程(第一工程)について説明する。セルロース粉末5g(Aldrich 製 コットンリンター)を蓋のないアルミナ容器(容積100ml)に充填し、大気中に設置した電気炉(TGK社製F−120−SP、炉内寸法120×200×110mm)を用いて、毎分5℃の割合で昇温し、180℃で12時間加熱し、冷却後、解砕し、多孔性炭素前駆体を得た。次いで、不活性雰囲気での炭化工程(第二工程)について説明する。
上記前駆体1gをアルミナボートに充填し、、Ar雰囲気下の管状炉(内径35mm、Arガス流量500ml/min)で、室温から250℃までは毎分5℃の割合で昇温し、次に毎分1℃の割合で450℃まで昇温した。その後、1300℃まで毎分5℃の割合で昇温し、1300℃で1時間保持した。その後、加熱を停止し、自然冷却後に管状炉から炭化物を取り出した。
上記炭化工程で得た炭化物をメノウ乳鉢で粉砕し、多孔性炭素材料からなる負極活物質を得た。
得られた活物質のXRD測定、BET表面積、He法(Heガス置換法)、真密度測定を実施した。結果を表1に示す。また、メジアン径は47μmであった。
<ナトリウム二次電池の作製>
前記負極活物質を用い、結着剤にポリアクリル酸ナトリウム(キシダ化学 重合度22,000〜66,000)を使用して、活物質:結着剤=95:5(重量比)となるように混合し、水を用いてスラリー化、集電体であるAlに塗布し、150℃で12時間真空乾燥することにより電極を作製した。電解液に1M NaPF/PC(プロピレンカーボネート)を用い、Arグローブボックス中で、ガラスフィルターをセパレーターとして、対極にNa金属を使用した電池を作製した。
得られた電池に対し、充放電試験を次のように実施した。充電過程は電流密度25mA/g、0.002Vで8時間電圧一定(CC−CV)充電を行った。放電過程は、電流密度25mA/gで2VまでCC放電を行った。初回効率(%)は、前記充電容量(mAh/g)に対する、前記放電容量(mAh/g)の比(%)と定義した。結果を表1に示す。
(実施例2)
酸素含有雰囲気での処理温度を275℃とした以外は実施例1と同様に負極活物質を調製した。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。メジアン径は57μmであった。
(実施例3)
昇温速度は変更せず、Ar雰囲気での処理温度を1500℃とした以外は実施例2と同様の操作を行って負極活物質を調製した。メジアン径は50μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
酸素含有雰囲気での処理温度を300℃とした以外は実施例1と同様に負極活物質を調製した。メジアン径は34μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
酸素含有雰囲気での処理温度を350℃とした以外は実施例1と同様に負極活物質を調製した。メジアン径は26μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
炭素源として原料を二糖類であるスクロースとし、酸素含有雰囲気での処理温度を215℃とした以外は実施例1と同様に負極活物質を調製した。メジアン径は30μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例7)
酸素含有雰囲気での処理温度を250℃とした以外は実施例1と同様に負極活物質を調製した。同様にXRD測定、BET表面積測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。メジアン径は57μmであった。
(実施例8)
セルロース粉末1gをアルミナボートに充填し、管状炉(内径35mm)を用いて、酸素とアルゴンの混合ガス(O:Ar=5:95体積%)を100ml/minで流通させ、室温から毎分5℃の割合で昇温し、275℃で12時間加熱し、冷却後、解砕し、多孔性炭素前駆体を得た。実施例1と同様に負極活物質を調製した。同様にXRD測定、BET表面積測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。メジアン径は57μmであった。
(実施例9)
アルミナ容器に専用のアルミナ性の蓋を被せた状態とした以外は実施例2と同様に負極活物質を調整した。同様にXRD測定、BET表面積測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
酸素含有雰囲気での熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行って負極活物質を調製した。メジアン径は57μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
昇温速度は変更せず、Ar雰囲気での処理温度を900℃とした以外は実施例2と同様の操作を行って負極活物質を調製した。メジアン径は57μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
昇温速度は変更せず、Ar雰囲気での処理温度を1100℃とした以外は実施例2と同様の操作を行って負極活物質を調製した。メジアン径は57μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
炭素源として原料を二糖類であるスクロースとし、酸素含有雰囲気での処理温度を180℃とした以外は実施例1と同様に負極活物質を調製した。メジアン径は30μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
負極活物質として、ATエレクトロード製ハードカーボン(ベルファイン(登録商標)LN-0010)を用いた。メジアン径は14μmであった。同様にXRD測定、BET表面積、He法真密度測定を実施した。同様に電池特性を評価した。結果を表1に示す。

Claims (15)

  1. バックグラウンド補正後の(002)面の面間隔をd(nm)、バックグラウンド補正を行わずピークトップのみを用いる方法による(002)面の面間隔をd2(nm)とするとき、それらの差(d2−d)が0.018nm以上、0.06nm以下、かつH/C重量比が0.0005以上、0.015以下である多孔性炭素材料を含むナトリウムイオン二次電池用負極活物質。
  2. He法真密度が1.8g/cm以上2.26g/cm未満である請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質。
  3. 吸着法によるBET表面積が50m/g以上600m/g以下である請求項1または2に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の負極活物質を含む負極と、ナトリウムを吸蔵放出が可能な正極活物質を含む正極と、ナトリウムイオンを含む電解質と、を含むナトリウムイオン二次電池。
  5. 初回効率が86%以上、99%以下である請求項4に記載のナトリウムイオン二次電池。
  6. 多孔性炭素材料を含むナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法であって、炭素源となる有機材料を原料とする多孔性炭素材料前駆体を用意する第一工程と、前記多孔性炭素材料前駆体を不活性雰囲気化で熱処理することにより、多孔性炭素材料を得る第二工程とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  7. 前記有機材料は、炭水化物あるいは天然高分子である請求項6に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  8. 前記有機材料は、二糖類である請求項6または7に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  9. 前記有機材料は、セルロース、アミロペクチン、あるいはグリコーゲンから選ばれる天然高分子である請求項6または7に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  10. 前記第一工程は、炭素源となる有機材料を酸素含有雰囲気下で加熱減量が5%〜97%範囲となるまで熱処理し、多孔性炭素材料前駆体を得る工程を含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  11. 前記第一工程は、炭素源となる有機材料のN吸着によるBET法比表面積が1.5倍以上400倍以下となるまで酸素含有雰囲気下で熱処理し、多孔性炭素材料前駆体を得る工程を含む、請求項6〜10のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池負極材料の製造方法。
  12. 前記第一工程における酸素含有雰囲気での熱処理温度は、180℃以上、500℃以下である請求項6〜11のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  13. 前記第一工程における酸素含有雰囲気での熱処理温度は、215℃以上、350℃以下である請求項6〜12のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  14. 前記第二工程は、多孔性炭素材料前駆体が炭素化するまで不活性雰囲気下で熱処理し、多孔性炭素材料を得る工程である、請求項6〜13のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
  15. 前記第二工程における不活性雰囲気下での熱処理温度は、1200℃以上、1800℃以下である請求項6〜14のいずれか一項に記載のナトリウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法。
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