JP2017089716A - 摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチ - Google Patents

摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチ Download PDF

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Abstract

【課題】引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減することが可能な摩擦板及び湿式多板クラッチを提供する。【解決手段】複数の板状の摩擦材セグメント22を環状のコアプレート11に周方向に沿って固定してなる摩擦板20であって、摩擦材セグメント22の表面に微細溝25が形成されており、微細溝25の底に複数の突起部16が形成されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は自動車における自動変速機のクラッチやブレーキに用いられる摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチに関する。
近年、自動車の燃費や排出ガスの規制が強化されている。自動車の燃費の向上を妨げる一因として、駆動抵抗の一部である自動変速機の湿式多板クラッチにおける引きずりトルクがある。引きずりトルクは、湿式多板クラッチの空転時に摩擦板とその相手プレートであるセパレータプレートの間に介在する潤滑油の粘性によって生じるものが挙げられる。
摩擦板における引きずりトルク低減の手法のひとつとして、摩擦材の表面に溝を形成し、摩擦材どうしの間に径方向へ連通する通路を設けた摩擦板が提案されている(例えば特許文献1を参照)。この摩擦板は、潤滑油が遠心力によって溝や通路から押し出された際にセパレータプレートを摩擦板から引き離そうと作用する動圧効果を利用するものである。しかしながら、斯かる摩擦板では、最近の引きずりトルク低減課題である燃費の損失が最も大きな低回転領域において引きずりトルクを十分に低減することができなかった。
低回転領域における引きずりトルクの低減のため、摩擦材の表面に、径方向内側の端部付近から延びて径方向外側の端部まで達する開口溝と、径方向外側の端部付近から延びて径方向内側の端部まで達する開口溝とを形成し、摩擦材どうしの間に径方向へ連通する通路を設けた摩擦板が提案されている(例えば特許文献2を参照)。この摩擦板は、通路から摩擦面上に引き込まれた潤滑油の排出を各開口溝で向上させることにより、潤滑油の粘性による抵抗を弱め、低回転領域で引きずりトルクを低減する一定の効果を示すものである。しかしながら、斯かる摩擦板は、低回転領域では遠心力が小さく潤滑油の排出に限界があるため、一定以上の引きずりトルクの低減効果を期待することができなかった。
また、摩擦材の表面に径方向内側の端部付近から延びて径方向外側の端部まで達する開口溝を形成し、摩擦材どうしの間に径方向へ連通する通路を設けた摩擦板も提案されている(例えば特許文献3を参照)。この摩擦板は、通路が径方向外側へ向かって周方向の幅が狭いため、潤滑油の摩擦面への流出を抑えることができる。また、開口溝が回転初期に発生する気泡を取り込むことにより、空気と潤滑油の気液混相流の状態(気体と液体の間の臨界状態、即ち潤滑油に気泡が満たされた状態)を作り出すことができる。これにより、潤滑油の粘性による抵抗が抑えられ、引きずりトルクを低減することができる。しかしながら、斯かる摩擦板における気液混相流の状態は、摩擦板の回転力が上がることによって作り出されるものである。このため、低回転領域、特に回転初期には気液混相流の状態を効果的に作り出すことができず、引きずりトルクを十分に低減することができなかった。
特開2005−076759号公報 特開2008−196535号公報 特開2014−169785号公報
上記特許文献1〜3のような従来の摩擦板は、上述のようにいずれも引きずりトルクを低回転領域で十分に低減することができないという問題があった。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減することが可能な摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、
複数の板状の摩擦材セグメントを環状のコアプレートに周方向に沿って固定してなる摩擦板であって、
前記摩擦材セグメントの表面に微細溝が形成されており、
前記微細溝の底に複数の突起部が形成されていることを特徴とする摩擦板を提供する。
また本発明は、
上記摩擦板を備えたことを特徴とする湿式多板クラッチを提供する。
本発明によれば、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減することが可能な摩擦板及び摩擦板を備えた湿式多板クラッチを提供することができる。
図1は本発明の摩擦板を備えた湿式多板クラッチの部分断面図である。 図2(a)は摩擦板の部分正面図であり、図2(b)は図2(a)中の摩擦材セグメントを示す拡大図である。 図3(a)は図2と異なる態様の摩擦板の部分正面図であり、図3(b)は図3(a)中の摩擦材セグメントを示す拡大図である。 図4(a)は図2、3と異なる態様の摩擦板の部分正面図であり、図4(b)は図4(a)中の摩擦材セグメントを示す拡大図である。 図5(a)及び図5(b)は本発明の第1実施例の溝底突起を備えた微細溝の拡大断面図及び拡大平面図であり、図5(c)及び図5(d)は本発明の第2実施例の溝底突起を備えた微細溝の拡大断面図及び拡大平面図であり、図5(e)及び図5(f)は本発明の第3実施例の溝底突起を備えた微細溝の拡大断面図及び拡大平面図である。 本発明の第1〜第3実施例の溝底突起を適用した摩擦板及び第1、第2比較例に係る摩擦板についての引きずりトルク試験結果を示すグラフである。 図7(a)及び図7(b)は本発明の第1比較例に係る摩擦板における摩擦材セグメントの摩擦面の拡大断面図及び拡大平面図であり、図7(c)及び図7(d)は本発明の第2比較例に係る摩擦板における摩擦材セグメントの微細溝の拡大断面図及び拡大平面図である。 図8(a)及び図8(b)は図2の摩擦板の摩擦材セグメントの変形例を示す図である。
本発明の摩擦板を備えた湿式多板クラッチについて添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、湿式多板クラッチ1は、自動車用自動変速機に使用されるものであり、ハブ2、複数のセパレータプレート3、複数の摩擦板4、ピストン5及びバッキングプレート6をクラッチケース7内に収納してなる。
クラッチケース7は、軸方向における一端を閉塞した略円筒形状をしており、セパレータプレート3や摩擦板4を冷却するための不図示の潤滑油が注入されている。
ハブ2は、クラッチケース7と同軸上で相対的に回転する軸部材である。
セパレータプレート3は、板状の円環部材であって、クラッチケース7の内周面に形成されたスプライン7aに軸方向へ移動自在に嵌合している。
摩擦板4は、板状の円環部材であって、ハブ2の外周面に形成されたスプライン2aに軸方向へ移動自在に嵌合している。なお、摩擦板4については後に詳述する。
クラッチケース7内において、セパレータプレート3と摩擦板4は軸方向において交互に配置され、これらを挟むようにピストン5とバッキングプレート6が配置されている。
ピストン5は、クラッチケース7に軸方向へ摺動可能に備えられており、不図示のリターンスプリングによってクラッチケース7の壁面7b側へ付勢されている。ピストン5とクラッチケース7の内周面との間にはOリング8が配置されており、ピストン5とクラッチケース7の壁面7bとの間に油圧室9が画成されている。
バッキングプレート6は、セパレータプレート3及び摩擦板4の移動を拘束するためにクラッチケース7の内周面に取り付けられた円環部材である。なお、バッキングプレート6は止め輪6aによって固定されている。
斯かる構成の下、図1は湿式多板クラッチ1の開放状態を示しており、ピストン5がクラッチケース7の壁面7bに当接しセパレータプレート3と摩擦板4は互いに非接触となっている。この状態において油圧室9の圧力を上昇させることで、ピストン5がリターンスプリングの付勢力に抗して移動する。これにより、バッキングプレート6にセパレータプレート3と摩擦板4が押し付けられて互いに密着する。即ち、湿式多板クラッチ1は締結状態となり、クラッチケース7とハブ2が一体的に回転可能もしくは停止となる。なお、油圧室9の圧力を低下させると、ピストン5がリターンスプリングの付勢力によって退避し、湿式多板クラッチ1は開放状態に戻る。
次に湿式多板クラッチ1において最も特徴的な摩擦板4について説明する。なお、摩擦板4として図2、図3、図4に示す摩擦板10、20、30をいずれも適用することが可能である。
図2(a)に示すように摩擦板10は、薄板状の円環部材であるコアプレート11と、コアプレート11の両面に周方向に沿って等間隔に貼り付けられた複数の摩擦材セグメント12とからなる。
図2(b)に示すように、摩擦材セグメント12は、摩擦材で構成された略正方形状の薄板部材であり、コアプレート11の周方向へ延在する切り欠き部13が形成されている。切り欠き部13は、コアプレート11の周方向における摩擦材セグメント12の端部中央から延びて中心部で終端するU字形状をしており、コアプレート11の軸方向において摩擦材セグメント12を貫通している。
なお、コアプレート11には、周方向に隣り合う2枚の摩擦材セグメント12を切り欠き部13どうしが対向するように並べて一組とし、コアプレート11の全周にわたって複数組配置されている。斯かる摩擦材セグメント12の配置及び切り欠き部13の形状により、後述する気泡を切り欠き部13に効果的に滞留させることができる。
また、摩擦材セグメント12どうしの間に一定の間隔を空けたことにより、コアプレート11の径方向へ延在して潤滑油を排出する油通路14が形成されている。
摩擦材セグメント12の表面には、コアプレート11の周方向へ延びる緩やかな円弧状の微細溝15が径方向に一定の間隔で複数形成されている。微細溝15は断面が矩形状をしており、コアプレート11の周方向における摩擦材セグメント12の一端から他端まで延在している。なお、微細溝15は円弧状に限られず直線状にしてもよい。
なお、摩擦材セグメント12の微細溝15の幅(径方向寸法)は、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減するために100〜1000μmであることが好ましい。微細溝15の幅が100μmよりも小さい場合、引きずりトルクを効果的に低減することができなくなってしまう。一方、微細溝15の幅が1000μmよりも大きい場合、摩擦材セグメント12の摩擦面、即ちセパレータプレート3に接触する部分の面積が小さくなるため、湿式多板クラッチ1の締結状態において摩擦材セグメント12の耐久性が不足してしまう。
また、摩擦材セグメント12の微細溝15の深さは、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減するために幅の50%以上であることが好ましい。微細溝15の深さが幅の50%よりも小さい場合、引きずりトルクを効果的に低減することができなくなってしまう。
また、微細溝15の面積は、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減するために摩擦材セグメント12の摩擦面の面積の1〜20%であることが好ましい。微細溝15の面積が摩擦材セグメント12の摩擦面の面積の1%よりも小さい場合、引きずりトルクを効果的に低減することができなくなってしまう。一方、微細溝15の面積が摩擦材セグメント12の摩擦面の面積の20%よりも大きい場合、摩擦特性が悪化してしまう。
図3(a)に示す摩擦板20について、上記図2の摩擦板10と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。なおこのことは後述する摩擦板30についても同じである。
図3(b)に示すように摩擦板20は、図2における摩擦材セグメント12と同素材で同形状の摩擦材セグメント22の表面に、コアプレート11の径方向に延びる直線状の微細溝25が一定の間隔で複数形成されている。微細溝25はコアプレート11の径方向における摩擦材セグメント22の一端から他端まで延在している。なお、微細溝25の幅(本実施例では周方向寸法)やその他の構成は図2における摩擦材セグメント12の微細溝15と同様である。
斯かる構成の図3における摩擦材セグメント22は、図2における摩擦材セグメント12と同様の効果を奏することができる。
図4(a)及び図4(b)に示す摩擦板30は、図2における摩擦材セグメント12と同素材で同形状の摩擦材セグメント32の表面に、コアプレート11の径方向へ延びる複数の微細溝35aと、コアプレート11の周方向に延びる緩やかな円弧状の複数の微細溝35bとを格子状に設けたものである。
微細溝35aは摩擦材セグメント32の径方向における一端から他端まで延在しており、微細溝35a同士の間隔は一定である。また、微細溝35bは摩擦材セグメント32の周方向における一端から他端まで延在しており、微細溝35b同士の間隔は一定である。なお、微細溝35a、35bの幅やその他の構成は図2における摩擦材セグメント12の微細溝15と同様である。
斯かる構成の図4における摩擦材セグメント32は、図2、図3における摩擦材セグメント12、22と同様の効果を奏することができる。
(第1実施例)
図2、図3、図4における摩擦材セグメント12、22、32の微細溝15、25、35a、35bの底には、図5(a)及び図5(b)に示す溝底突起16が形成されている。溝底突起16は、微細溝15、25、35a、35bの延在方向へ延びる複数本の突条からなる。
微細溝15、25、35a、35b内の溝底突起16の高さは、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減させるために、微細溝15、25、35a、35bの深さの50%以下であることが好ましい。微細溝15、25、35a、35b内の溝底突起16の高さが微細溝15、25、35a、35bの深さの50%より大きい場合、引きずりトルクを効果的に低減することができなくなってしまう。なお、このことは後述する第2、第3実施例についても同様である。
(第2実施例)
図2、図3、図4における摩擦材セグメント12、22、32の微細溝15、25、35a、35bの底には、上記溝底突起16の代わりに、図5(c)及び図5(d)に示す溝底突起26を形成してもよい。溝底突起26は、大きさや寸法が不均一な略三角錐形状の多数の突起からなる。
(第3実施例)
図2、図3、図4における摩擦材セグメント12、22、32の微細溝15、25、35a、35bの底には、上記溝底突起16の代わりに、図5(e)及び図5(f)に示す溝底突起36を形成してもよい。溝底突起36は、溝底内に行列状に配置された多数の円柱形状の突起からなる。
次に、上述した摩擦材セグメントを有する摩擦板の詳細な使用状態を説明する。
例えば、図3の摩擦材セグメント22(微細溝25の底に第2実施例の溝底突起36を形成したもの)を有する摩擦板20を適用した湿式多板クラッチ1は、開放状態において、ハブ2の無回転時には摩擦材セグメント22の切り欠き部13、油通路14及び微細溝25に気泡が滞留している。ハブ2が回転(空転)し始めると、各部に滞留していた気泡は遠心力によって周方向へ移動するものの、摩擦板20の径方向外側へ排出されにくく、摩擦材セグメント22の切り欠き部13、油通路14、微細溝25のいずれかに滞留する。このようにしてハブ2の回転初期から摩擦材セグメント22に気泡を滞留させ、空気と潤滑油の気液混相流の状態(気体と液体の間の臨界状態、即ち潤滑油に気泡が満たされた状態)を作り出すことができる。特に、微細溝25の溝底突起36に気泡が引っ掛かかるようにして微細溝25に気泡を効果的に滞留させることができるので、気液混相流の状態をより良好に作り出すことができる。以上より、摩擦材セグメント22の周囲を潤滑油で満たした状態に比して、潤滑油の粘性による抵抗が大幅に小さくなり、低回転領域での引きずりトルクを飛躍的に低減することができる。
ここで、一例として上記各実施例の溝底突起16、26、36を適用した図3の摩擦板20に対して、下記表1に記載の条件の下、引きずりトルク測定試験機を用いて引きずりトルク試験を実施した結果を図6に示す。
Figure 2017089716
なお、図6において、縦軸は引きずりトルク(Nm)、横軸はハブ2の回転数(rpm)を示している。また、図6において、第1実施例は図3の摩擦板20における摩擦材セグメント22の微細溝25に第1実施例の溝底突起16を設けたものである。第2実施例は図3の摩擦板20における摩擦材セグメント22の微細溝25に第2実施例の溝底突起26を設けたものである。第3実施例は図3の摩擦板20における摩擦材セグメント22の微細溝25に第3実施例の溝底突起36を設けたものである。第1比較例は図3の摩擦板20における摩擦材セグメント22に微細溝25を形成していないものである(図7(a)及び図7(b)を参照)。第2比較例は図3の摩擦板20における摩擦材セグメント22の微細溝25に溝底突起16、26、36を形成していないものである(図7(c)及び図7(d)を参照)。
図6中の曲線Dと曲線Eから、第2比較例に係る摩擦板が第1比較例に係る摩擦板よりも引きずりトルクを低減できることがわかる。即ち、摩擦板の摩擦材セグメント表面に微細溝を設けることにより引きずりトルクを低減できることがわかる。
図6中の曲線A、曲線C及び曲線Eは、第1実施例に係る摩擦板20と第3実施例に係る摩擦板20と第2比較例に係る摩擦板との比較になり、回転数500〜1000の領域で第1実施例(曲線A)及び第3実施例(曲線C)が第2比較例(曲線E)より引きずりトルクを低減できることがわかる。即ち、摩擦板の摩擦材セグメントの表面に微細溝を設け、微細溝の底に溝底突起をさらに設けることが、低回転領域で引きずりトルクの低減効果をもたらすことがわかる。
以上、湿式多板クラッチ1は摩擦板4として、上記各実施例の溝底突起16、26、36のいずれかを適用した図2、図3、図4の摩擦板10、20、30を用いることにより、引きずりトルクを低回転領域で効果的に低減することができる。なお、図2、図3、図4の摩擦板10、20、30における摩擦材セグメント12、22、32の形状、微細溝15、25の数、向き及び溝底突起の形状、切り欠き部13の数や位置等は上述のものに限られず、以下に具体的な一例を述べるように適宜変更することが可能である。
図2、図3、図4の摩擦板10、20、30における摩擦材セグメント12、22、32は、上述のように周方向に隣り合う2枚の摩擦材セグメント12、22、32を切り欠き部13どうしが対向するように並べて一組とし、コアプレート11に複数組配置されている。しかしこれに限られず、例えば図8(a)に示すように各摩擦材セグメント12、22、32を切り欠き部13が同方向を向くように並べてもよい、即ち周方向において同じ側の端部に設けられてもよい。また、各摩擦材セグメント12、22、32はコアプレート11の片面のみに貼り付ける構成としてもよい。
図2、図3、図4の摩擦板10、20、30における摩擦材セグメント12、22、32の切り欠き部13は、コアプレート11の周方向における端部の中央に1箇所設けられている。しかしこれに限られず、例えば図8(b)に示すように両方の端部に位置をずらして計2箇所設けてもよい。
1 湿式多板クラッチ
2 ハブ
3 セパレータプレート
4、10、20、30 摩擦板
5 ピストン
6 バッキングプレート
7 クラッチケース
11 コアプレート
12、22、32 摩擦材セグメント
13 切り欠き部
14 油通路
15、25、35a、35b 微細溝
16、26、36 溝底突起

Claims (10)

  1. 複数の板状の摩擦材セグメントを環状のコアプレートに周方向に沿って固定してなる摩擦板であって、
    前記摩擦材セグメントの表面に微細溝が形成されており、
    前記微細溝の底に複数の突起部が形成されていることを特徴とする摩擦板。
  2. 前記微細溝の幅が100〜1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の摩擦板。
  3. 前記微細溝の深さが前記微細溝の幅の50%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摩擦板。
  4. 前記突起部の高さが前記微細溝の深さの50%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の摩擦板。
  5. 前記微細溝が前記摩擦材セグメントの一端から他端まで延在していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の摩擦板。
  6. 前記微細溝は、前記コアプレートの径方向に延在する溝と、前記コアプレートの周方向に延在する溝とからなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の摩擦板。
  7. 前記微細溝の面積が前記摩擦材セグメントの摩擦面の面積の1〜20%であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の摩擦板。
  8. 前記摩擦材セグメントには、前記コアプレートの周方向へ延在して気泡を滞留させる切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の摩擦板。
  9. 複数の前記摩擦材セグメントを前記コアプレートに間隔をあけて配置することで前記コアプレートの径方向へ延在する通路が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の摩擦板。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の摩擦板を備えたことを特徴とする湿式多板クラッチ。
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