JP2017062521A - 反射型マスクブランク、反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法 - Google Patents

反射型マスクブランク、反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 タンタル系材料の吸収体膜と、クロム系材料のエッチングマスク膜とが積層した反射型マスクブランクを用いて、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを作製することを可能とする反射型マスクブランクを提供する。【解決手段】 反射型マスクを作製するために用いられる反射型マスクブランクであり、基板上に多層反射膜と吸収体膜とエッチングマスク膜が順に積層した構造を有する反射型マスクブランクであって、前記エッチングマスク膜は、クロムを含有する材料からなり、前記吸収体膜は、タンタルを含有する材料からなり、前記吸収体膜の基板側とは反対側の表層に高高酸化層が形成されており、前記高酸化層は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする反射型マスクブランクである。【選択図】図1

Description

本発明は、反射型マスクブランク、反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法に関する。
近年、半導体産業において、半導体デバイスの微細化に伴い、極端紫外光(Extreme Ultra Violet:以下、EUVという。)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。EUV光とは、軟X線領域または真空紫外領域の波長帯の光を指し、具体的には、波長が0.2〜100nm程度の光のことをいう。このEUVリソグラフィにおいて用いられる転写用マスクとしては、例えば、特許文献1に記載された反射型露光マスク、および特許文献2に記載された反射型フォトマスク等が提案されている。
一方、近年、ArFエキシマレーザーを露光光源とするリソグラフィに用いられるバイナリマスクの場合においても、遮光膜に形成される転写パターンの微細化が著しい。有機系材料のレジストパターンをマスクとし、遮光膜に対してドライエッチングを行って転写パターンを直接形成することは困難になってきている。この問題の解決手段として、特許文献3に記載されているような金属系材料のエッチングマスク膜(ハードマスク)が適用されてきている。
特開2002−246299号公報 特開2010−192503号公報 特開2006−78807号公報
特許文献3に記載されているような、モリブデンシリサイド系材料の遮光膜を有する転写用マスク(バイナリマスク)の場合、透明基板上に、モリブデンシリサイド系材料からなる遮光膜と、クロム系材料からなるエッチングマスク膜と、有機系材料からなるレジスト膜が積層したマスクブランクを用いて作製される。その転写用マスクの製造プロセスは、まず、従来と同様、レジスト膜に転写パターンを描画露光、現像等の所定の処理を行い、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとして、エッチングマスク膜に対して塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、エッチングマスク膜に転写パターンを形成する。続いて、転写パターンが形成されたエッチングマスク膜をマスクとして、遮光膜に対してフッ素系ガスを用いたドライエッチングを行い、遮光膜に転写パターンを形成する。最後に、エッチングマスク膜を除去し、洗浄等の所定の従来の処理を行って、転写用マスクができ上がる。
このような製造プロセスが行えるのは、クロム系材料のエッチングマスク膜と、モリブデンシリサイド系材料の遮光膜とのドライエッチング特性が異なることにある。クロム系材料のエッチングマスク膜は、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングが可能であるが、フッ素系ガスによるドライエッチングに対しては高い耐性を有している。これに対し、モリブデンシリサイド系材料の遮光膜は、フッ素系ガスによるドライエッチングが可能であるが、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対しては高い耐性を有している。このように、クロム系材料のエッチングマスク膜とモリブデンシリサイド系材料の遮光膜とは、互いに高いエッチング選択性を有している。なお、ここでいう「薄膜に対してドライエッチングが可能」とは、転写パターンを有するマスク膜をマスクとして、薄膜に対してドライエッチングを行ったときに、その薄膜に転写パターンが形成できるだけのエッチングレートを有することをいう。
一方、反射型マスクの転写パターンが形成される薄膜である吸収体膜には、タンタル系材料が適用される場合が多い。この反射型マスクを製造する場合において、基板上に、EUV光を反射する多層反射膜と、タンタル系材料からなる吸収体膜と、クロム系材料からなるエッチングマスク膜と、有機系材料からなるレジスト膜が積層した反射型マスクブランクを用いることを検討した場合、タンタル系材料に特有の問題があることが判明した。酸素との結合が少ない(材料中の酸素含有量が少ない)タンタル系材料をドライエッチングする場合、フッ素系ガス、及び酸素を含有しない塩素系ガスのいずれのエッチングガスを用いることが可能である。これに対して、酸素との結合が多い(材料中の酸素含有量が多い)タンタル系材料の場合、フッ素系ガスのエッチングガスを用いたドライエッチングは可能である。しかしながら、酸素との結合が多い(材料中の酸素含有量が多い)タンタル系材料に対して、酸素を含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う場合、転写パターンを形成するだけのエッチングレートが得られない。
タンタル系材料をドライエッチングすることが可能なエッチングガスと、クロム系材料をドライエッチングすることが可能なエッチングガスが全く同じではないため、前記のタンタル系材料の吸収体膜と、クロム系材料のエッチングマスク膜との積層構造のマスクブランクを用いて転写用マスクを作製することは十分可能なように一見思える。転写パターンが形成されたクロム系材料のエッチングマスク膜をマスクとして、タンタル系材料の吸収体膜をドライエッチングして、転写パターンを形成することは一応可能である。しかし、吸収体膜に転写パターンを形成後、エッチングマスク膜を除去するときに、吸収体膜の表面に悪影響を与えてしまったり、吸収体膜のパターンエッジ部分が丸まってしまったりすることがあることが判明した。これは、エッチングマスク膜を、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングによって剥離する場合において発生する問題である。
タンタル系材料は、塩素系ガスに対してドライエッチングされる特性を有している。そのため、タンタル系材料中の酸素含有量が比較的多い場合であっても、モリブデンシリサイド系材料の場合よりも、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対するタンタル系材料の耐性が低いために、この問題は生じる。吸収体膜の表面が塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングの影響を受けてしまうと、EUV露光光に対する吸収性能(光学濃度)が低下してしまったり、面内での吸収率分布(光学濃度分布)の均一性が低下してしまったりするため、反射型マスクとしての光学特性が悪化してしまう。また、吸収体膜のパターンエッジ部分に丸まりが発生してしまうと、パターンのラインエッジラフネスの悪化を招き、転写性能が低下してしまう。特許文献1の反射型マスクのように、吸収体膜が2層構造になっており、上層がマスク検査時に使用されるDUV光に対する反射率を低減する機能を有している場合がある。このような反射型マスクの場合、吸収体膜の上層の表面が塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングの影響を受けてしまうと、DUV光に対する表面反射率が設計値よりも上昇してしまったり、面内でのDUV光に対する表面反射率分布の均一性が低下してしまったりするため、マスク検査時に問題となりうる。
そこで、本発明は、上述の問題点を鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、タンタル系材料の吸収体膜と、クロム系材料のエッチングマスク膜とが積層した反射型マスクブランクを用いて、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを作製することを可能とする反射型マスクブランク、およびその反射型マスクの製造方法を提供することである。
前記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
本発明の構成1は、反射型マスクを作製するために用いられる反射型マスクブランクであり、基板上に多層反射膜と吸収体膜とエッチングマスク膜が順に積層した構造を有する反射型マスクブランクであって、
前記エッチングマスク膜は、クロムを含有する材料からなり、
前記吸収体膜は、タンタルを含有する材料からなり、
前記吸収体膜の基板側とは反対側の表層に酸素含有量が60at%(原子%)以上である高酸化層が形成されていることを特徴とする反射型マスクブランクである。本発明のマスクブランクを用いることにより、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを作製することを可能となる。
(構成2)
本発明の構成2は、前記高酸化層は、酸素含有量が67at%以上であることを特徴とする構成1記載の反射型マスクブランクである。高酸化層が、層中の酸素含有量が67at%以上であると、TaO結合が主体になるだけでなく、Taの結合状態の比率も高くなると考えられる。このような酸素含有量になると、「Ta」および「TaO」の結合状態は稀に存在する程度となり、不安定な「TaO」の結合状態は存在し得なくなってくる。
(構成3)
本発明の構成3は、前記高酸化層のTa結合の存在比率は、前記吸収体膜におけるTa結合の存在比率よりも高いことを特徴とする構成1または2のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。Ta結合は、非常に高い安定性を有する結合状態であり、高酸化層中のTa結合の存在比率を多くすることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。
(構成4)
本発明の構成4は、前記吸収体膜は、さらにホウ素を含有する材料からなることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。吸収体膜を形成するタンタルを含有する材料にホウ素を含有させると、吸収体膜をアモルファス構造(非晶質)になるように制御しやすくなる。
(構成5)
本発明の構成5は、前記吸収体膜は、さらに窒素を含有する材料からなることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含む吸収体膜に窒素を含有させることで、タンタルの酸化を抑制することができる。
(構成6)
本発明の構成6は、前記吸収体膜は、基板側から下層と上層とが順に積層した構造を有
し、
前記高酸化層は、前記上層の前記下層側とは反対側の表層に形成されていることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。このような構成とすることにより、上層をマスク検査時の検査光(DUV光)に対する反射率を制御する機能を有する膜として機能させることができる。
(構成7)
本発明の構成7は、前記上層の酸素含有量は、前記高酸化層の酸素含有量よりも少ないことを特徴とする構成6記載の反射型マスクブランクである。この結果、上層で確保できる光学濃度を多くしつつ、吸収体膜の全体膜厚をより薄くすることができ、吸収体膜の表面反射率も低減することが可能となる。
(構成8)
本発明の構成8は、前記上層の酸素含有量は、50at%以上であることを特徴とする構成7記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含有する材料である上層に酸素を50at%以上含有させた場合、理論上、膜中のタンタルはすべて酸素と結合していることになる。このような酸素と未結合のタンタルが少ない上層は、酸素非含有の塩素系エッチングガスによるドライエッチングに対して耐性を有するようになる。
(構成9)
本発明の構成9は、前記高酸化層のTa結合の存在比率は、前記上層におけるTa結合の存在比率よりも高いことを特徴とする構成6から8のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。Ta結合は、非常に高い安定性を有する結合状態であり、高酸化層中のTa結合の存在比率を多くすることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。
(構成10)
本発明の構成10は、前記下層は、酸素の含有量が10at%未満であることを特徴とする構成6から9のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含有する材料からなる下層の酸素含有量を大幅に抑えることで、酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングレートを高くすることができる。
(構成11)
本発明の構成11は、前記下層は、窒素を含有する材料からなることを特徴とする構成6から10のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含む下層に窒素を含有させることで、タンタルの酸化を抑制することができる。
(構成12)
本発明の構成12は、前記エッチングマスク膜は、酸素の含有量が40at%以上であることを特徴とする構成6から11のいずれかに記載の反射型マスクブランクである。エッチングマスク膜中の酸素含有量が40at%以上であると、酸素非含有の塩素系ガスに対するエッチングレートが所定の値以上になる。この結果、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することが容易になる。
(構成13)
本発明の構成13は、前記エッチングマスク膜は、膜厚が7nm以下であることを特徴とする構成12に記載の反射型マスクブランクである。エッチングマスク膜の膜厚が、7nmまでであれば、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することが容易になる。
(構成14)
本発明の構成14は、構成1から13のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いて製造された反射型マスクである。本発明の反射型マスクブランクを用いることにより、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを得ることができる。
(構成15)
本発明の構成15は、構成1から5のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、
ドライエッチングで前記吸収体膜に転写パターンを形成する工程と、
前記吸収体膜に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。本発明の製造方法により、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを製造することができる。
(構成16)
本発明の構成16は、構成6から12のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
前記転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記上層に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜、エッチングマスク膜または上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで前記下層に転写パターンを形成する工程と、
前記下層に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程とを有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。本発明の製造方法により、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを製造することができる。
(構成17)
本発明の構成17は、構成13に記載のマスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
前記転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記レジスト膜を除去する工程と、
前記転写パターンが形成されたエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記上層に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成された上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで前記下層に転写パターンを形成し、かつエッチングマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。本発明の製造方法により、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを製造することができる。
また、前記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1A)
本発明の構成1Aは、反射型マスクを作製するために用いられる反射型マスクブランクであり、基板上に多層反射膜と吸収体膜とエッチングマスク膜が順に積層した構造を有する反射型マスクブランクであって、
前記エッチングマスク膜は、クロムを含有する材料からなり、
前記吸収体膜は、タンタルを含有する材料からなり、
前記吸収体膜の基板側とは反対側の表層に高酸化層が形成されており、
前記高酸化層は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする反射型マスクブランクである。本発明のマスクブランクを用いることにより、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを作製することを可能となる。
(構成2A)
本発明の構成2Aは、前記高酸化層を除いた部分の吸収体膜は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eV以下の束縛エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする構成1A記載の反射型マスクブランクである。高酸化層を除いた部分の吸収体膜におけるTa4fのナロースペクトルをこのように制御することで、高酸化層を除いた部分の吸収体膜におけるTaの存在比率を低減でき、光学濃度を高めることができる。
(構成3A)
本発明の構成3Aは、前記吸収体膜は、ケイ素を含有しない材料からなることを特徴とする構成1Aまたは2Aに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含む吸収体膜に、酸素および窒素と結合しやすい特性を有するケイ素を含有させないことで、タンタル元素の結合状態を制御しやすくなる。
(構成4A)
本発明の構成4Aは、前記吸収体膜は、さらにホウ素を含有する材料からなることを特徴とする構成1Aから3Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。吸収体膜を形成するタンタルを含有する材料にホウ素を含有させると、吸収体膜をアモルファス構造(非晶質)になるように制御しやすくなる。
(構成5A)
本発明の構成5Aは、前記吸収体膜は、さらに窒素を含有する材料からなることを特徴とする構成1Aから4Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含む吸収体膜に窒素を含有させることで、タンタルの酸化を抑制することができる。
(構成6A)
本発明の構成6Aは、前記吸収体膜は、基板側から下層と上層とが順に積層した構造を有し、
前記高酸化層は、前記上層の前記下層側とは反対側の表層に形成されていることを特徴とする構成1Aから4Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。このような構成とすることにより、上層をマスク検査時の検査光(DUV光)に対する反射率を制御する機能を有する膜として機能させることができる。
(構成7A)
本発明の構成7Aは、前記上層の酸素含有量は、前記高酸化層の酸素含有量よりも少ないことを特徴とする構成6A記載の反射型マスクブランクである。この結果、上層で確保できる光学濃度を多くしつつ、吸収体膜の全体膜厚をより薄くすることができ、吸収体膜の表面反射率も低減することが可能となる。
(構成8A)
本発明の構成8Aは、前記高酸化層の酸素含有量は、67at%以上であり、前記高酸化層を除いた部分の上層における酸素含有量は、50at%以上であることを特徴とする構成7A記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含有する材料である高酸化層に酸素を67at%以上含有させた場合、理論上、Taの結合状態の比率が高くなる。また、タンタルを含有する材料である上層に酸素を50at%以上含有させた場合、理論上、膜中のタンタルはすべて酸素と結合していることになる。このような酸素と未結合のタンタルが少ない上層は、酸素非含有の塩素系エッチングガスによるドライエッチングに対して耐性を有するようになる。
(構成9A)
本発明の構成9Aは、前記高酸化層のTa結合の存在比率は、前記上層におけるTa結合の存在比率よりも高いことを特徴とする構成6Aから8Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。Ta結合は、非常に高い安定性を有する結合状態であり、高酸化層中のTa結合の存在比率を多くすることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。
(構成10A)
本発明の構成10Aは、前記下層は、酸素の含有量が10at%未満であることを特徴とする構成6Aから9Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含有する材料からなる下層の酸素含有量を大幅に抑えることで、酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングレートを高くすることができる。
(構成11A)
本発明の構成11Aは、前記下層は、窒素を含有する材料からなることを特徴とする構成6Aから10Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。タンタルを含む下層に窒素を含有させることで、タンタルの酸化を抑制することができる。
(構成12A)
本発明の構成12Aは、前記エッチングマスク膜は、酸素の含有量が40at%以上であることを特徴とする構成6Aから11Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクである。エッチングマスク膜中の酸素含有量が40at%以上であると、酸素非含有の塩素系ガスに対するエッチングレートが所定の値以上になる。この結果、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することが容易になる。
(構成13A)
本発明の構成13Aは、前記エッチングマスク膜は、膜厚が7nm以下であることを特徴とする構成12Aに記載の反射型マスクブランクである。エッチングマスク膜の膜厚が、7nmまでであれば、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することが容易になる。
(構成14A)
本発明の構成14Aは、構成1Aから13Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いて製造された反射型マスクである。本発明の反射型マスクブランクを用いることにより、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを得ることができる。
(構成15A)
本発明の構成15Aは、構成1Aから5Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、ドライエッチングで前記吸収体膜に転写パターンを形成する工程と、
前記吸収体膜に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程と、
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。本発明の製造方法により、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを製造することができる。
(構成16A)
本発明の構成16Aは、構成6Aから12Aのいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
前記転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記上層に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成されたレジスト膜、エッチングマスク膜または上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで前記下層に転写パターンを形成する工程と、
前記下層に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。本発明の製造方法により、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを製造することができる。
(構成17A)
本発明の構成17Aは、構成13Aに記載のマスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
前記転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
前記レジスト膜を除去する工程と、
前記転写パターンが形成されたエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記上層に転写パターンを形成する工程と、
前記転写パターンが形成された上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで前記下層に転写パターンを形成し、かつエッチングマスク膜を除去する工程と
を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。本発明の製造方法により、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを製造することができる。
本発明により、タンタル系材料の吸収体膜と、クロム系材料のエッチングマスク膜とが積層した反射型マスクブランクを用いて、高精度の転写パターンを有し、光学特性が良好な吸収体膜を有する反射型マスクを作製することを可能とする反射型マスクブランク、およびその反射型マスクの製造方法を得ることができる。
具体的には、本発明の反射型マスクブランクは、タンタルを含有する材料からなる吸収体膜であり、その吸収体膜の基板とは反対側の表層に酸素含有量が60at%以上である高酸化層が形成され、その吸収体膜の上にクロムを含有する材料からなるエッチングマスク膜が形成された構造となっている。このような構造の反射型マスクブランクとすることにより、吸収体膜に転写パターンを形成後、エッチングマスク膜を塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで剥離しても、吸収体膜パターンの光学特性が良好な反射型マスクを作製することができる。また、吸収体膜に形成された転写パターンのラインエッジラフネスが良好な反射型マスクを作製することができる。
また、具体的には、本発明の反射型マスクブランクは、タンタルを含有する材料からなる吸収体膜であり、その吸収体膜の基板とは反対側の表層に高酸化層が形成され、その高酸化層は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有するものであり、その吸収体膜の上にクロムを含有する材料からなるエッチングマスク膜が形成された構造となっている。このような構造の反射型マスクブランクとすることにより、吸収体膜に転写パターンを形成後、エッチングマスク膜を塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで剥離しても、吸収体膜パターンの光学特性が良好な反射型マスクを作製することができる。また、吸収体膜に形成された転写パターンのラインエッジラフネスが良好な反射型マスクを製造することができる。
本発明の第1の実施形態における反射型マスクブランクの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態における反射型マスクの製造工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における反射型マスクブランクの構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における反射型マスクの製造工程を示す断面図である。 エッチングマスク膜中のクロム含有量および酸素含有量と、塩素系ガスに対するエッチングレートとの関係を示す図である。 実施例におけるマスクブランクの吸収体膜に対し、XPS分析を行った結果(Ta 4fナロースペクトル)を示す図である。
以下、本発明の各実施の形態について説明する。
本発明者らは、タンタルを含有する材料からなる吸収体膜上に、クロムを含有する材料からなるエッチングマスク膜が積層した反射型マスクブランクを用いて、反射型マスクを作製する場合に生じる問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その問題とは、エッチングマスク膜を除去するときに行われる塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングによって、吸収体膜のエッチングマスク膜側の表面が影響を受け、吸収体膜の光学特性(光学濃度、マスク検査光に対する表面反射率等)が悪化すること、および吸収体膜のパターンエッジ部分に丸まりが発生し、パターンのラインエッジラフネスが悪化することである。その研究の結果、タンタルを含有する材料は、材料中の酸素含有量が少なくとも60at%(原子%)以上であれば、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が十分に高めることができることが判明した。また、酸素含有量が少なくとも60at%以上のタンタルを含有する材料で形成された吸収体膜は、光学特性への影響およびパターンエッジの丸まりを抑制することができることが判明した。しかし、吸収体膜は、所定値以上の光学濃度(例えば、光学濃度2.5以上等)を確保する必要がある。一方、転写パターンの微細化が進んできていることから、吸収体膜の膜厚を薄くすることが求められている。吸収体膜全体をそのような酸素含有量の高い材料で形成すると、所定値以上の光学濃度を確保するために吸収体膜の膜厚を厚くする必要が生じる。
以上のことを考慮し、本発明の第1の実施形態における反射型マスクブランクは、反射型マスクを作製するために用いられる反射型マスクブランクであり、基板上に多層反射膜と吸収体膜とエッチングマスク膜とが順に積層した構造を有するマスクブランクであって、エッチングマスク膜はクロムを含有する材料からなり、吸収体膜はタンタルを含有する材料からなり、吸収体膜の基板側とは反対側の表層に酸素含有量が60at%以上である高酸化層が形成されていることを特徴としている。
反射型マスクブランクおよび反射型マスクにおける薄膜は、結晶構造が微結晶、好ましくは非晶質であることが望まれる。このため、吸収体膜内の結晶構造が単一構造にはなりにくく、複数の結晶構造が混在した状態になりやすい。すなわち、タンタルを含有する材料が高酸化層の場合、TaO結合、Ta結合、TaO結合およびTa結合が混在する状態(混晶状態)になりやすい。吸収体膜中の所定の表層における、Ta結合の存在比率が高くなるにつれて、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が向上する傾向がある。また、吸収体膜中の所定の表層における、Ta結合の存在比率が高くなるにつれて、水素侵入を阻止する特性、耐薬性および耐温水性もともに高くなる傾向がある。
高酸化層中の酸素含有量が60at%以上66.7at%未満であると、高酸化層中のタンタルと酸素との結合状態はTa結合が主体になる傾向が高くなると考えられ、一番不安定な結合のTaO結合は、層中の酸素含有量が60at%未満の場合に比べて非常に少なくなると考えられる。高酸化層中の酸素含有量が66.7at%以上であると、高酸化層中のタンタルと酸素との結合状態は、TaO結合が主体になる傾向が高くなると考えられ、一番不安定な結合のTaO結合およびその次に不安定な結合のTaの結合はともに非常に少なくなると考えられる。
高酸化層中の酸素含有量が67at%以上であると、TaO結合が主体になるだけでなく、Taの結合状態の比率も高くなると考えられる。このような酸素含有量になると、「Ta」および「TaO」の結合状態は稀に存在する程度となり、「TaO」の結合状態は存在し得なくなってくる。高酸化層中の酸素含有量が71.4at%であると、実質的にTaの結合状態だけで形成されていると考えられる。高酸化層中の酸素含有量が60at%以上であると、最も安定した結合状態の「Ta」だけでなく「Ta」および「TaO」の結合状態も含まれることになる。そのため、高酸化層中の酸素含有量の下限値が60at%であることにより、少なくとも一番不安定な結合のTaO結合が、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性、水素侵入を阻止する特性および耐薬性を低下させるような影響を与えない程度の非常に少ない量になると考えられる。
高酸化層のTa結合の存在比率は、吸収体膜におけるTa結合の存在比率よりも高いことが望ましい。Ta結合は、非常に高い安定性を有する結合状態であり、高酸化層中のTa結合の存在比率を多くすることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。また、水素侵入を阻止する特性、耐薬性および耐温水性等のマスク洗浄耐性も大幅に高まる。特に、高酸化層は、Taの結合状態だけで形成されていることが最も好ましい。なお、高酸化層には、窒素およびその他の元素が、これらの作用効果に影響のない範囲で含まれることが好ましく、実質的に含まれないことが好ましい。
一方、基板側とは反対側の表層に形成される高酸化層について、鋭意研究した結果、高酸化層を、X線光電子分光分析(XPS分析)を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有するもので形成することによって、前記の諸問題を解決できることを突き止めた。高い束縛エネルギーを有する材料は、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が向上する傾向がある。また、水素侵入を阻止する特性、耐薬性および耐温水性もともに高くなる傾向がある。タンタル化合物で最も高い束縛エネルギーを有する結合状態は、Ta結合である。前記のとおり、反射型マスクブランクおよび反射型マスクにおける薄膜は、結晶構造が単一構造にはなりにくく、複数の結晶構造が混在した状態になりやすい。
高酸化層中のTa結合の存在比率が高いほど、前記の諸特性は向上する。前記のように層中の酸素含有量を制御することによって、Ta結合の存在比率が高くなるように促すことも可能である。しかし、より確実にTa結合の存在比率が高い高酸化層を形成するには、実際に形成された高酸化層に対してX線光電子分光分析を行い、Ta4fのナロースペクトルを観察することで制御した方がよい。例えば、スパッタ成膜装置の成膜条件、および高酸化層を形成する表面処理の処理条件等について、複数の条件を設定し、各条件で吸収体膜の表層に高酸化層を形成した反射型マスクブランクをそれぞれ製造する。各反射型マスクブランクの高酸化層に対してX線光電子分光分析を行い、Ta4fのナロースペクトルを観察して、束縛エネルギーの高い高酸化層を形成する条件を選定し、吸収体膜の表層に、その選定された条件で形成した高酸化層を備える反射型マスクブランクを製造する。このようにして製造された反射型マスクブランクは、その吸収体膜の表層に形成されている高酸化層におけるTa結合の存在比率が確実に高くなる。
本発明のマスクブランクの高酸化層は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有するものである。束縛エネルギーが23eV以下であるタンタルを含有する材料は、Ta結合が存在しにくくなるためである。本発明のマスクブランクの高酸化層は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルにおける束縛エネルギーが、24eV以上であると好ましく、25eV以上であるとより好ましく、25.4eV以上であると特に好ましい。高酸化層の束縛エネルギーが25eV以上であると、高酸化層中におけるタンタルと酸素との結合状態は、Ta結合が主体となり、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングに対する耐性が大幅に高まる。
本発明のマスクブランクにおいて、高酸化層を除いた部分の吸収体膜は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eV以下の束縛エネルギーで最大ピークを有することが好ましい。Ta4fのナロースペクトルにおける束縛エネルギーが高くなるほど、吸収体膜中におけるタンタルと酸素との結合比率が高くなり、露光光に対する単位膜厚あたりの吸収体膜の光学濃度が低下してしまう。このため、所定の光学濃度を確保するために必要な吸収体膜の膜厚が厚くなるので好ましくない。前記高酸化層を除いた部分の吸収体膜における束縛エネルギーの最大ピークは、22.6eV以下であるとより好ましく、22eV以下であるとさらに好ましい。
本発明のマスクブランクにおいて、吸収体膜は、ケイ素を含有しない材料からなることが好ましい。タンタルを含む吸収体膜に、酸素および窒素と結合しやすい特性を有するケイ素を含有させないことで、特に高酸化層におけるタンタル元素と酸素との結合状態を制御しやすくすることができるためである。また、吸収体膜に転写パターンを形成する際に行うドライエッチングにおけるエッチングガスに塩素系ガスを用いる場合においては、吸収体中に塩素を含有させるとエッチングレートが大きく低下するため、好ましくない。
本発明のマスクブランクの高酸化層は、厚さが1.5nm以上4nm以下であることが好ましい。高酸化層の厚さが1.5nm未満の場合には薄すぎて効果が期待できず、高酸化層の厚さが4nmを超えるとマスク検査光に対する表面反射率に与える影響が大きくなり、所定の表面反射率を得るための制御が難しくなる。また、高酸化層は、EUV露光光に対する吸収率が低いことから、吸収体膜の膜厚を薄膜化する観点からはマイナスに働いてしまう。なお、吸収体膜全体の光学濃度確保の観点と、水素侵入を阻止する特性および耐薬性の向上の観点との双方の観点のバランスを考慮すると、高酸化層の厚さは1.5nm以上3nm以下とすることがより望ましい。
高酸化層の形成方法は、吸収体膜が成膜された後のマスクブランクに対して、温水処理、オゾン水処理、酸素を含有する気体中での加熱処理、酸素を含有する気体中での紫外線照射処理およびOプラズマ処理等を行うことなどが挙げられる。
吸収体膜を形成するタンタルを含有する材料としては、例えば、タンタル金属、タンタルに、窒素、酸素、ホウ素および炭素から選ばれる一以上の元素を含有し、水素を実質的に含有しない材料等が挙げられる。例えば、Ta、TaN、TaON、TaBN、TaBON、TaCN、TaCON、TaBCNおよびTaBOCN等が挙げられる。前記材料については、本発明の効果が得られる範囲で、タンタル以外の金属を含有させてもよい。吸収体膜を形成するタンタルを含有する材料にホウ素を含有させると、吸収体膜をアモルファス構造(非晶質)になるように制御しやすい。
マスクブランクの吸収体膜は、タンタルと窒素を含有する材料で形成されることが好ましい。タンタルは自然酸化しやすい材料である。タンタルは、酸化が進むとEUV露光光に対する吸収性能が低下する。また、吸収体膜パターンを形成する観点において、タンタルは酸化が進んでいない状態の場合には、フッ素系ガスを含有するエッチングガス(フッ素系エッチングガス)、塩素系ガスを含有しかつ酸素を含有しないエッチングガス(酸素非含有の塩素系エッチングガス)のいずれによってもドライエッチング可能な材料であるといえる。しかし、吸収体膜パターンを形成する観点において、酸化が進んだタンタルは、酸素非含有の塩素系エッチングガスによるドライエッチングが困難な材料であり、フッ素系エッチングガスのみによりドライエッチングが可能な材料といえる。タンタルに窒素を含有させることで、タンタルの酸化を抑制することができる。吸収体膜中の窒素含有量は、光学濃度の観点から、30at%以下であることが好ましく、25at%以下であることがより好ましく、20at%以下であるとさらに好ましい。吸収体膜中の窒素含有量は、5at%以上であることが好ましい。
エッチングマスク膜を形成するクロムを含有する材料としては、例えば、クロムに、窒素、酸素、炭素およびホウ素から選ばれる一以上の元素を含有する材料等が挙げられる。例えば、CrN、CrON、CrCN、CrCON、CrBN、CrBON、CrBCNおよびCrBOCN等が挙げられる。前記材料については、本発明の効果が得られる範囲で、クロム以外の金属を含有させてもよい。エッチングマスク膜の膜厚は、転写パターンを精度よく吸収体膜に形成するエッチングマスクとしての機能を得る観点から、3nm以上であることが望ましい。また、エッチングマスク膜の膜厚は、レジスト膜厚を薄くする観点から、15nm以下であることが望ましい。
反射型マスクブランクにおける基板の材料としては、合成石英ガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO−TiOガラス等)、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス、単結晶シリコンおよびSiC等が挙げられる。EUV露光光が照射されているときは反射型マスクの多層反射膜の温度が上昇する。SiO−TiOガラス等の低熱膨張ガラスを用いると、その温度上昇に伴う基板の膨張を抑制することができる。したがって、反射型マスクブランクにおける基板の材料は、低熱膨張ガラスであることが好ましい。
多層反射膜は、EUV光に対する屈折率が低い低屈折率材料からなる低屈折率層と、EUV光に対する屈折率が高い高屈折率材料からなる高屈折率層の積層を1周期とし、これを複数周期積層した多層膜である。通常、低屈折率層は軽元素またはその化合物で形成され、高屈折率層は重元素またはその化合物で形成される。多層反射膜の周期数は、20〜60周期であることが好ましく、30〜50周期であることがより好ましい。波長13〜14nmのEUV光が露光光として適用される場合、多層反射膜としては、Mo層とSi層とを交互に20〜60周期積層させた多層膜を好適に用いることができる。また、その他に、EUV光に適用可能な多層反射膜としては、Si/Ru周期多層膜、Be/Mo周期多層膜、Si化合物/Mo化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜等が挙げられる。適用されるEUV光の波長帯に応じて、材質および各層の膜厚を適宜選定することができる。多層反射膜は、スパッタリング法(DCスパッタ法、RFスパッタ法およびイオンビームスパッタ法等)で成膜することが望ましい。特に、膜厚制御が容易なイオンビームスパッタ法を適用することが望ましい。
前記の反射型マスクブランクにおいて、多層反射膜と吸収体膜との間に保護層を設けることができる。保護層は、吸収体膜に転写パターンを形成するドライエッチングするときに、多層反射膜がダメージを受けることから保護する役割を有する。また、反射型マスクの作製後に、多層反射膜の表面が酸化することから保護する役割も有する。保護層の材料としては、Ru金属のほか、Ru合金(Ruと、Nb、Zr、Mo、Y、BおよびLa等の少なくとも一つとの合金)等が挙げられる。保護層の膜厚は、0.8nm〜5nmの範囲で選定することが好ましい。EUV光に対する保護層の吸収率が小さいため、反射型マスクの完成後の状態において、吸収体パターンがない部分にも保護層は残される。
前記の反射型マスクブランクにおいて、多層反射膜と吸収体膜との間にバッファ層を設けることもできる。バッファ層は、吸収体膜に転写パターンを形成するドライエッチングするときに、多層反射膜がダメージを受けることから保護する役割を有する。また、反射型マスクの作製時に、吸収体パターンに黒欠陥および/または白欠陥が発生した場合に行われる欠陥修正から多層反射膜を保護する役割も有する。バッファ層の材料としては、前記のクロム系材料が挙げられる。バッファ層の膜厚は、欠陥修正に集束イオンビーム(FIB)が用いられる場合には、20nm〜60nm程度とすることが好ましい。また、電子線と非励起状態のフッ素系ガス(XeF等)を用いる欠陥修正(EB修正)を用いる場合には、5〜15nmとすることが好ましい。バッファ層は、EUV光に対する吸収率が比較的大きいため、反射型マスクの作製時に、吸収体膜が除去された部分(転写パターンのスペース部分)の直下のバッファ層もエッチングで除去する必要がある。
前記の反射型マスクブランクにおいて、多層反射膜が形成されている基板の主表面とは反対側の主表面(裏面)に導電膜を形成することができる。EUV光を露光光源とする露光装置では、反射型マスクの裏面側を静電チャックすることでマスクステージに固定する場合が多い。このため、基板に導電性が小さい材料が適用されている場合、基板の裏面に導電性を有する導電膜を形成することが好ましい。導電膜の材料としては、クロム系材料のほか、タンタル系材料も適用できるが、導電性の低下するような元素(酸素および窒素)の含有量は少なくすることが望ましい。
本発明の第1の実施形態の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法は、エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、転写パターンが形成されたレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記吸収体膜に転写パターンを形成する工程と、吸収体膜に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程とを有することを特徴としている。
図1は、本発明の第1の実施形態における反射型マスクブランク100の構成を示す断面図である。また、図2は、その反射型マスクブランク100を用いた反射型マスク200の製造方法の製造工程を示す断面図である。この反射型マスクブランク100は、基板1上に、多層反射膜5、保護層6、吸収体膜2およびエッチングマスク膜3がこの順に積層した構成となっている。また、吸収体膜2の基板1側とは反対側(エッチングマスク膜3側)の表層に高酸化層22が形成された構成(高酸化層22を除いた吸収体膜2は、吸収体膜本体21)となっている。反射型マスクブランク100の各構成の詳細については、前記のとおりである。以下、図2に示す製造工程にしたがって、反射型マスクの製造方法を説明する。
まず、前記反射型マスクブランク100のエッチングマスク膜3上に、レジスト膜4を成膜する(図2(b)参照)。次に、レジスト膜4に対して、所望の転写パターンを露光描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、転写パターンを有するレジスト膜4(レジストパターン4a)を形成する(図2(c)参照)。続いて、レジストパターン4aをマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いるドライエッチングを行い、エッチングマスク膜3に転写パターンを形成(エッチングマスクパターン3a)する(図2(d)参照)。次に、レジストパターン4aを除去し、さらにエッチングマスクパターン3aをマスクとして、フッ素系ガスを用いるドライエッチングを行い、吸収体膜2(高酸化層22および吸収体膜本体21)に転写パターンを形成(吸収体パターン2a)する(図2(e)参照)。なお、吸収体膜2へのドライエッチングを行うときに、レジストパターン4aを残存させてもよい。その場合、吸収体膜パターン2aを形成後にレジストパターン4aを除去する。そして、吸収体パターン2aを形成した後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いるドライエッチングを行い、エッチングマスクパターン3aを除去し、洗浄等の所定の処理を経て、反射型マスク200を得る(図2(f)参照)。
前記のとおりエッチングマスクパターン3aを除去するときに行われる塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いるドライエッチングを行っても、吸収体膜2の表面(高酸化層22)は高い耐性を有している。このため、製造された反射型マスク200の吸収体パターン2aの光学特性は良好である。また、吸収体パターン2aのラインエッジラフネスも良好である。なお、吸収体膜2に対し、フッ素系ガスを用いるドライエッチングを行って、吸収体パターン2aを形成したが、塩素系ガスを用いるドライエッチングを適用してもよい。
前記のドライエッチングで使用される塩素系ガスとしては、塩素(Cl)が含まれていれば特に制限はない。例えば、Cl、SiCl、CHCl、CHCl、CClおよびBCl等が挙げられる。また、前記のドライエッチングで使用されるフッ素系ガスとしては、フッ素(F)が含まれていれば特に制限はない。ドライエッチングで使用される塩素系ガスとしては、例えば、CHF、CF、C、CおよびSF等が挙げられる。
なお、前記の反射型マスクの製造方法において、エッチングマスク膜3に転写パターンを形成した後、レジストパターン4aを除去してから、吸収体膜2に転写パターンを形成するドライエッチングを行うことが好ましい。転写パターンのサイズが微細であることから、レジスト膜4の膜厚はできる限り薄くする方がよい。膜厚が薄いレジストパターン4aでエッチングマスク膜3をパターニングした後、レジストパターン4aを残した状態で、吸収体膜2に対してドライエッチングを行うと、吸収体膜2をエッチング中にレジストパターン4aが消失する恐れがある。ドライエッチングにおいては、有機系材料のレジストパターン4aが存在しているとそのレジストパターン4aがエッチングされるときに炭素及び/又は酸素が発生し、それらが吸収体膜2をドライエッチングするときのエッチング環境に影響を与える。吸収体膜2に対するドライエッチングの途上で、炭素及び/又は酸素を含有するレジストパターン4aが消失すると、途中でエッチング環境が変化してしまい、パターン精度(パターン側壁形状の精度や面内でのCD精度など)に悪影響を与える恐れがあり、好ましくない。
また、エッチングマスク膜3をドライエッチングするときのエッチングガスと、吸収体膜2をドライエッチングするときのエッチングガスは異なるため、別のエッチングチャンバーでエッチングを行うことが多い。レジストパターンに起因する炭素や酸素の発生は、ドライエッチング時に欠陥が発生する要因となり得る。このため、エッチングマスク膜3へのパターニングがされた後、レジストパターン4aを除去してから、吸収体膜2をドライエッチングするエッチングチャンバー内にマスクブランク100を導入することが好ましい。
本発明の第2の実施形態における反射型マスクブランクは、第1の実施形態の反射型マスクブランクにおける吸収体膜を、基板側から下層と上層とが積層する構造とし、高酸化層を上層の、下層側とは反対側の表層に形成した構成としたものである。このような構成とすると、上層をマスク検査時の検査光(DUV光)に対する反射率を制御する機能を有する膜として機能させることができる。高酸化層に関する具体的な構成および作用・効果については、第1の実施形態のマスクブランクにおけると同様である。また、基板に関する具体的な構成についても、第1の実施形態のマスクブランクと同様である。
上層の酸素含有量は、前記高酸化層の酸素含有量よりも少ないことが好ましい。吸収体膜をこのような構成とすることにより、上層で確保できる光学濃度を多くしつつ、吸収体膜の全体膜厚をより薄くすることができ、吸収体膜の検査光に対する反射率も低減することが可能となる。上層は、検査光に対する反射率特性の制御しやすさを考慮すると、上層中の酸素含有量は、60at%未満であることが好ましい。
前記上層の酸素含有量は、50at%以上であることが望ましい。反射型マスクブランクおよび反射型マスクにおける吸収体膜は、結晶構造が微結晶好ましくは非晶質であることが望まれる。このため、吸収体膜内の結晶構造が単一構造にはなりにくく、複数の結晶構造が混在した状態になりやすい。すなわち、タンタルを含有する材料の高酸化層の場合、酸素と未結合のTa、TaO結合、Ta結合、TaO結合およびTa結合が混在する状態(混晶状態)になりやすい。タンタルを含有する材料である上層に酸素を50at%以上含有させた場合、理論上、膜中のタンタルはすべて酸素と結合していることになる。前記のような混晶状態であっても、酸素と未結合のタンタルが上層中に存在する比率を大幅に低くすることができる。そして、このような酸素と未結合のタンタルが少ない上層は、酸素非含有の塩素系エッチングガスによるドライエッチングに対して耐性を有するようになる。
高酸化層の酸素含有量は、67at%以上であり、前記高酸化層を除いた部分の上層における酸素含有量は、50at%以上であることが好ましい。タンタルを含有する材料である上層に酸素を50at%以上含有させた場合、理論上、膜中のタンタルはすべて酸素と結合していることになる。このような酸素と未結合のタンタルが少ない上層は、酸素非含有の塩素系エッチングガスによるドライエッチングに対して耐性を有するようになる。さらに、タンタルを含有する材料である高酸化層に酸素を67at%以上含有させると、理論上、Taの結合状態の比率が高くなる。上層の表層に、Taの結合状態の比率が高い高酸化層を設けることで、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスによるドライエッチングエッチングガスに対する上層の表面の耐性が大幅に高まる。特に、上層に反射防止機能を持たせる場合においては、クロム系材料のエッチングマスク膜を除去するドライエッチングを行った後の表面反射率の変化を抑制することができる。
高酸化層のTa結合の存在比率は、上層におけるTa結合の存在比率よりも高いことが望ましい。第1の実施形態のマスクブランクの場合と同様の作用・効果が得られる。また、前記下層は、酸素の含有量が10at%未満であることが望ましい。タンタルを含有する材料からなる下層の酸素含有量を大幅に抑えることで、酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングレートを高くすることができる。
酸素含有量を50at%以上である上層と、酸素含有量が10at%未満の下層を組み合わせることで、レジスト膜のさらなる薄膜化を図ることができる。上層は酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングが困難であるのに対し、下層は酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングが十分に可能である。このため、転写パターンが形成された上層をマスクとして、酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングを行って、下層に転写パターンを形成することが可能である。このような吸収体膜の構成の場合、上層および下層の両方に転写パターンを形成できるまでレジストパターンが残存することは必須ではなくなる。
下層を形成する材料については、第1の実施形態の反射型マスクブランクの吸収体膜を形成する材料と同様である。また、上層を形成する材料については、タンタルと酸素を含有し、さらに窒素、ホウ素および炭素等を含有する材料が好ましい。例えば、TaO、TaON、TaBO、TaBON、TaCO、TaCON、TaBCOおよびTaBOCN等が挙げられる。
下層は、タンタルと窒素を含有する材料で形成されることが好ましい。このような構成とすることによる作用・効果および好適な窒素含有量については、第1の実施形態の反射型マスクブランクの吸収体膜と同様である。
本発明の第2の実施形態の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法は、エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、転写パターンが形成されたレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで上層に転写パターンを形成する工程と、転写パターンが形成されたレジスト膜、エッチングマスク膜または上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで下層に転写パターンを形成する工程と、下層に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程と、を有することを特徴としている。
図3は、本発明の第2の実施形態における反射型マスクブランク101の構成を示す断面図である。また、図4は、そのマスクブランク101を用いた反射型マスク201の製造方法の製造工程を示す断面図である。この反射型マスクブランク101は、基板1上に、多層反射膜5、保護層6、下層23と上層24とを備えた吸収体膜2、およびエッチングマスク膜3がこの順に積層した構成となっている。また、上層24の、下層23側とは反対側(エッチングマスク膜3側)の表層に、高酸化層242が形成された構成(高酸化層242を除いた上層24は、上層本体241)となっている。反射型マスクブランク101の各構成の詳細については、前記のとおりである。以下、図4に示す製造工程にしたがって、反射型マスクの製造方法を説明する。
まず、前記反射型マスクブランク101のエッチングマスク膜3上に、レジスト膜4を成膜する(図4(b)参照)。次に、レジスト膜4に対して、所望の転写パターンを露光描画し、さらに現像処理等の所定の処理を行い、転写パターンを有するレジスト膜4(レジストパターン4a)を形成する(図4(c)参照)。続いて、レジストパターン4aをマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いるドライエッチングを行い、エッチングマスク膜3に転写パターンを形成(エッチングマスクパターン3a)する(図4(d)参照)。次に、レジストパターン4aを除去し、さらにエッチングマスクパターン3aをマスクとして、フッ素系ガスを用いるドライエッチングを行い、上層24(高酸化層242および上層本体241)に転写パターンを形成(上層パターン24a)する(図4(e)参照)。このとき、下層23はフッ素系ガスに対してもドライエッチングされる材料で形成されているため、下層23の上方が多少エッチングされるが特に問題にはならない。なお、上層24へのドライエッチングを行うときに、レジストパターン4aを残存させてもよい。その場合、吸収体パターン2aを形成後にレジストパターン4aを除去する。
続いて、エッチングマスクパターン3aまたは上層パターン24aをマスクとして、酸素非含有の塩素系ガスを用いるドライエッチングを行い、下層23に転写パターンを形成(下層パターン23a)する(図4(f)参照)。この工程により、下層パターン23aと上層パターン24a(高酸化層パターン242aおよび上層本体パターン241a)とが積層した吸収体パターン2aが形成される。さらに、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いるドライエッチングを行い、エッチングマスクパターン3aを除去し、洗浄等の所定の処理を経て、反射型マスク201を得る(図4(g)参照)。
前記のとおりエッチングマスクパターン3aを除去するときに行われる塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いるドライエッチングを行っても、吸収体膜2の表面(高酸化層242)は高い耐性を有している。このため、製造された反射型マスク201の吸収体パターン2aの検査光に対する反射率の面内均一性が高く、その他の光学特性も良好である。また、吸収体パターン2aのラインエッジラフネスも良好である。
なお、前記第2の実施形態における反射型マスクの製造方法では、上層および下層に異なるエッチングガスを適用したが、上層および下層を同じエッチングガス(例えば、フッ素系ガス)でドライエッチングを行ってもよい。なお、前記のドライエッチングで使用される塩素系ガスおよびフッ素系ガスに関しては、第1の実施形態の反射型マスクの製造方法と同様である。
また、前記第2の実施形態における反射型マスクの製造方法において、エッチングマスク膜3の組成および膜厚を調整することにより、下層23に転写パターンを形成(下層パターン23a)する際に行われる酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、転写パターンを有するエッチングマスク膜3(エッチングマスクパターン3a)も除去することができる。この場合、エッチングマスク膜3に転写パターンを形成後に、レジストパターン4aを除去する必要がある。
クロムを含有するエッチングマスク膜について、酸素非含有の塩素系ガスに対するドライエッチングレートが速くなる条件を得るための実験を行った。具体的には、表1に示すクロム系材料のサンプル膜8種類について、酸素を含有しない塩素系ガス(Cl)を用いたドライエッチングを行い、エッチングレートを求めた。その結果を図5に示す。
図5では、各サンプル膜の、酸素含有量と、酸素を含有しない塩素系ガスに対するエッチングレートとの関係を■のプロットで、各サンプル膜のクロム含有量と塩素系ガスに対するエッチングレートとの関係を▲のプロットで、それぞれ示している。なお、図5中の■および▲の各プロットに付与されている記号は、サンプル膜の記号に対応している。この結果を見ると、酸素含有量と、酸素を含有しない塩素系ガスに対するエッチングレートとの間には相関性が見られることがわかる。また、サンプル膜中に窒素および炭素を含有することの影響も低いこともわかる。他方、クロム含有量と酸素を含有しない塩素系ガスに対するエッチングレートとの間の相関性が低いことがわかる。
また、図5に示される結果では、クロム系材料膜中の酸素含有量が40at%以上であると、酸素非含有の塩素系ガスに対するエッチングレートが8.0nm/min(分)以上になる。例えば、吸収体膜の下層に転写パターンを形成するのに、酸素非含有の塩素系ガスによるドライエッチングを30秒だけ行う必要がある場合を考える。このとき、エッチングマスク膜を酸素含有量が40at%以上のクロム系材料で形成するとしたとき、4nmの膜厚までであれば、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することができることになる。また、エッチングマスク膜を酸素含有量が45at%以上のクロム系材料で形成するとしたとき、5nmの膜厚までであれば、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することができることになる。エッチングマスク膜を酸素含有量が50at%以上のクロム系材料で形成するとしたとき、6nmの膜厚までであれば、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することができることになる。エッチングマスク膜を酸素含有量が60at%以上のクロム系材料で形成するとしたとき、7nmの膜厚までであれば、下層のドライエッチングと同時にエッチングマスク膜を除去することができることになる。
実験したサンプル膜中で、最も酸素含有量が多いサンプル膜Hの場合でも、7.25nmの膜厚を超えると、前記条件の場合、エッチングマスク膜を下層のドライエッチングと同時に除去することは難しい。サンプル膜Hは、理論上の最も酸化した酸化クロムの酸素含有量に近い酸素含有量の膜である。以上のことから、第2の実施形態における反射型マスクブランクにおいて、エッチングマスク膜は、7nm以下であることが望まれ、6nm以下であると好ましく、5nm以下であるとより好ましい。また、第2の実施形態における反射型マスクブランクにおいて、クロム系材料からなるエッチングマスク膜は、転写パターンを形成したときのパターン側壁を所定以上の垂直度とするには、少なくとも4nm以上であることが望まれる。このことから、エッチングマスク膜は、酸素含有量が40at%以上であることが望まれる。また、エッチングマスク膜の酸素含有量が45at%以上であることが好ましく、50at%以上であるとより好ましく、60at%以上であるとさらに好ましい。
前記各実施形態の反射型マスクブランクの吸収体膜は、上記の積層構造だけに限定されるものではない。3層積層構造としてもよく、単層の組成傾斜膜としてもよく、上層と下層との間で組成傾斜した膜構成としてもよい。前記各実施形態の反射型マスクブランクから製造される反射型マスクは、ラインエッジラフネスが良好であり、パターン精度にも優れる。このため、吸収体膜パターンに非常に高い位置精度が求められるダブルパターニング技術(DP技術、DE技術等)が適用される反射型マスクセットを作製する場合、特に好適である。
各実施形態の反射型マスクブランクから製造された反射型マスクの吸収体膜で形成された吸収体パターンの表層にも、酸素を60at%以上含有する高酸化層が形成されていることが望ましい。高酸化層およびタンタルを含有する材料の高酸化層等の態様および作用効果については、前記と同様である。
次に、図1から図4を参照しながら本実施の形態にかかる反射型マスクブランクおよび
反射型マスクを製造した例を実施例として説明する。
(実施例1)
[反射型マスクブランクの製造]
縦横の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.25mのSiO−TiOガラスからなる基板1を準備した。この基板1は、端面および主表面を所定の表面粗さ(自乗平均平方根粗さRqで0.15nm以下)に研磨し、所定の洗浄処理および乾燥処理を施した。
次に、イオンビームスパッタ装置内に基板1を設置し、SiターゲットおよびMoターゲットを使用し、イオンビームスパッタ法によって基板上に多層反射膜5を成膜した。具体的には、4.2nmのSi膜および2.8nmのMo膜を1周期とし、これを40周期積層した後、Si膜を4nm成膜した。続いて、多層反射膜5を形成した基板1を、枚葉式DCスパッタ装置に設置し、RuおよびNbの混合ターゲット(Ru:Nb=80at%:20at%)を用い、DCスパッタ法によって、多層反射膜5上にRuNbからなる保護層6を2.5nmの膜厚で形成した。
次に、別の枚葉式DCスパッタ装置内に保護層6を成膜した後の基板1を設置し、タンタルターゲットを用い、XeとNとの混合ガスを導入し、反応性スパッタリングによりTaNからなる吸収体膜2の下層23を56nmの膜厚で成膜した。続いて、基板1をスパッタ装置内に設置した状態を維持し、スパッタ装置内のガスをArとOとの混合ガスに入れ替え、反応性スパッタリングによりTaOからなる吸収体膜の上層24を14nmの膜厚で成膜した。
タンタル系材料の吸収体膜2が形成された基板1に対し、自然酸化が進行する前(例えば成膜後1時間以内)または成膜後自然酸化が進行しない環境下で保管した後、90℃の脱イオン水(DI Water:deionized water)に120分間浸漬し、温水処理(表面処理)を行った。温水処理を行った後の吸収体膜2に対して、AES(オージェ電子分光法)による測定を行った。この結果から、上層24の表層に厚さ2nmの高酸化層242が形成されていることが確認された。この高酸化層242の酸素含有量は、71.4at%〜67at%であった。また、その他の層の組成は、下層23(Ta:86at%、N:16at%)、高酸化層242を除く部分の上層本体241(Ta:42at%,O:58at%)であった。なお、この吸収体膜2の表面側での反射率(表面反射率)は、波長193nmの検査光において、25.1%であった。
また、吸収体膜2に対してXPS分析(X線光電子分光分析)を行った。吸収体膜2のTa 4fのナロースペクトルを図6に示す。図6の結果では、吸収体膜2の最表層のナロースペクトルに、Taの束縛エネルギー(25.4eV)の位置で高いピークが観察された。また、吸収体膜2の表面から深さ1nmの深さの層におけるTa 4fのナロースペクトルのピークは、Taの束縛エネルギー(25.4eV)と、Taの束縛エネルギー(21.0eV)との間であり、Ta寄りにピークが観察された。これらの結果から、上層24の表層にTa結合を有する高酸化層242が形成されているということがいえる。
次に、吸収体膜2が形成された基板1を枚葉式DCスパッタ装置内に設置し、クロムターゲットを用い、ArとCOとNとの混合ガスを導入し、反応性スパッタリングによりCrOCN(Cr:34at%,O:39at%,C:11at%,N:16at%)からなるエッチングマスク膜3(ハードマスク膜)を10nmの膜厚で成膜した。以上のようにして、基板の主表面上に、Si膜およびMo膜の周期多層膜からなる多層反射膜5、RuNbからなる保護層6、TaNからなる下層23と表層にタンタルの高酸化層242を含むTaOからなる上層24との積層構造の吸収体膜2、およびCrOCNからなるエッチングマスク膜3がこの順に積層した実施例1の反射型マスクブランク101を得た。
[反射型マスクの製造]
次に、実施例1の反射型マスクブランク101を用い、以下の手順で実施例1の反射型マスク201を作製した。最初に、スピン塗布法によって、エッチングマスク膜3上に電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜4を膜厚60nmで形成した(図4(b)参照)。次に、レジスト膜4に対して、転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理および洗浄処理を行い、レジストパターン4aを形成した(図4(c)参照)。なお、電子線描画を行った転写パターンは、22nmノードの微細なパターンを有するものであった。次に、レジストパターン4aをマスクとし、塩素系ガス(Cl)と酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、エッチングマスク膜3に転写パターン(エッチングマスクパターン3a)を形成した(図4(d)参照)。続いて、レジストパターン4aを除去した後、エッチングマスクパターン3aをマスクとし、フッ素系ガス(CF)を用いたドライエッチングを行い、吸収体膜2の高酸化層242を含む上層24に転写パターン(上層パターン24a)を形成した(図4(e)参照)。このとき、下層23の上側も多少エッチングされた。さらに、エッチングマスクパターン3aまたは上層パターン24aをマスクとし、塩素系ガス(Cl)を用いたドライエッチングを行い、下層23に転写パターン(下層パターン23a)を形成した(図4(f)参照)。最後に、塩素系ガス(Cl)と酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、エッチングマスクパターン3aを除去した(図4(g)参照)。以上の手順により、反射型マスク201を得た。
作製した実施例1の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において25.2%であり、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(実施例2)
[反射型マスクブランクの製造]
エッチングマスク膜3の材料をCrO(Cr:46at%,O:54at%)に、膜厚を6nmにそれぞれ変えたこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例2の反射型マスクブランクを製造した。
[転写用マスクの製造]
次に、実施例2の反射型マスクブランク101を用い、以下の手順で実施例2の反射型マスク201を作製した。最初に、スピン塗布法によって、エッチングマスク膜3上に電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜4を膜厚60nmで形成した(図4(b)参照)。次に、レジスト膜4に対して、転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理および洗浄処理を行い、レジストパターン4aを形成した(図4(c)参照)。なお、電子線描画を行った転写パターンは、22nmノードの微細なパターンを有するものであった。次に、レジストパターン4aをマスクとし、塩素系ガス(Cl)と酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、エッチングマスク膜3に転写パターン(エッチングマスクパターン3a)を形成した(図4(d)参照)。続いて、レジストパターン4aを除去した後、エッチングマスクパターン3aをマスクとし、フッ素系ガス(CF)を用いたドライエッチングを行い、吸収体膜2の高酸化層242を含む上層24に転写パターン(上層パターン24a)を形成した(図4(e)参照)。このとき、下層23の上側も多少エッチングされた。さらに、上層パターン24aをマスクとし、塩素系ガス(Cl)を用いたドライエッチングを行い、下層23に転写パターン(下層パターン23a)を形成した。このとき、エッチングマスクパターン3aも塩素系ガス(Cl)を用いたドライエッチングによってすべて除去された(図4(g)参照)。以上の手順により、反射型マスク201を得た。
作製した実施例2の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において25.6%であり、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(実施例3)
[反射型マスクブランクの製造]
吸収体膜2の上層24に高酸化層241を形成するプロセスを温水処理に代えて、オゾン水処理によって行うこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例3の反射型マスクブランクを製造した。オゾン水処理(表面処理)は、オゾン濃度が50ppmで温度が25℃のオゾン含有水を適用し、処理時間15分の条件で行った。
オゾン水処理を行った後の吸収体膜2に対して、AES(オージェ電子分光法)による測定を行った。その結果、上層24の表層に厚さ2nmの高酸化層241が形成されていることが確認された。この高酸化層241の酸素含有量は、71.4at%〜67at%であった。その他の吸収体膜2の各層の組成および光学特性は、実施例1の吸収体膜2と同様であった。また、吸収体膜2に対してXPS分析(X線光電子分光分析)を行ったところ、吸収体膜2の最表層におけるTa 4fのナロースペクトルに、Taの束縛エネルギー(25.4eV)の位置で高いピークが観察された。また、吸収体膜2の表面から深さ1nmの深さの層におけるTa 4fのナロースペクトルのピークは、Taの束縛エネルギー(25.4eV)と、Taの束縛エネルギー(21.0eV)との間であり、Ta寄りにピークが観察された。これらの結果から、上層24の表層にTa結合を有する高酸化層241が形成されているということがいえる。
[反射型マスクの製造]
次に、実施例3の反射型マスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例3の反射型マスクを作製した。作製した実施例3の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において25.3%であり、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(実施例4)
[反射型マスクブランクの製造]
吸収体膜2の上層24に高酸化層241を形成するプロセスを温水処理に代えて、加熱処理によって行うこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例4の反射型マスクブランクを製造した。加熱処理(表面処理)は、大気中で140℃の加熱温度で、処理時間30分の条件で行った。
加熱処理を行った後の吸収体膜2に対して、AES(オージェ電子分光法)による測定を行った。その結果、上層24の表層に厚さ2nmの高酸化層241が形成されていることが確認された。この高酸化層241の酸素含有量は、71.4at%〜67at%であった。その他の吸収体膜2の各層の組成および光学特性は、実施例1の吸収体膜2と同様であった。また、吸収体膜2に対してXPS分析(X線光電子分光分析)を行ったところ、吸収体膜2の最表層におけるTa 4fのナロースペクトルに、Taの束縛エネルギー(25.4eV)の位置で高いピークが観察された。また、吸収体膜2の表面から深さ1nmの深さの層におけるTa 4fのナロースペクトルのピークは、Taの束縛エネルギー(25.4eV)と、Taの束縛エネルギー(21.0eV)との間であり、Ta寄りにピークが観察された。これらの結果から、上層24の表層にTa結合を有する高酸化層241が形成されているということがいえる。
[反射型マスクの製造]
次に、実施例4の反射型マスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例4の反射型マスクを作製した。作製した実施例4の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において25.3%であり、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(実施例5)
[反射型マスクブランクの製造]
吸収体膜2の上層24に高酸化層241を形成するプロセスを温水処理に代えて、紫外線照射処理によって行うこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例5の反射型マスクブランクを製造した。紫外線照射処理(表面処理)は、50mJ/cmのArFエキシマレーザー光を1cm/秒の走査速度で全面走査することで行った。
紫外線照射処理を行った後の吸収体膜2に対して、AES(オージェ電子分光法)による測定を行った。その結果、上層24の表層に厚さ2nmの高酸化層241が形成されていることが確認された。この高酸化層241の酸素含有量は、71.4at%〜67at%であった。その他の吸収体膜2の各層の組成および光学特性は、実施例1の吸収体膜2と同様であった。また、吸収体膜2に対してXPS分析(X線光電子分光分析)を行ったところ、吸収体膜2の最表層におけるTa 4fのナロースペクトルに、Taの束縛エネルギー(25.4eV)の位置で高いピークが観察された。また、吸収体膜2の表面から深さ1nmの深さの層におけるTa 4fのナロースペクトルのピークは、Taの束縛エネルギー(25.4eV)と、Taの束縛エネルギー(21.0eV)との間であり、Ta寄りにピークが観察された。これらの結果から、上層24の表層にTa結合を有する高酸化層241が形成されているということがいえる。
[反射型マスクの製造]
次に、実施例5の反射型マスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例5の反射型マスクを作製した。作製した実施例5の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において25.2%であり、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(実施例6)
[反射型マスクブランクの製造]
吸収体膜2の上層24に高酸化層241を形成するプロセスを温水処理に代えて、酸素プラズマ処理によって行うこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例6の反射型マスクブランクを製造した。酸素プラズマ処理(表面処理)は、酸素プラズマアッシングを行うためのレジスト剥離装置にマスクブランク101を導入し、処理時間5分の条件で行った。
酸素プラズマ処理を行った後の吸収体膜2に対して、AES(オージェ電子分光法)による測定を行った。その結果、上層24の表層に厚さ2nmの高酸化層241が形成されていることが確認された。この高酸化層241の酸素含有量は、71.4at%〜67at%であった。その他の吸収体膜2の各層の組成および光学特性は、実施例1の吸収体膜2と同様であった。また、吸収体膜2に対してXPS分析(X線光電子分光分析)を行ったところ、吸収体膜2の最表層におけるTa 4fのナロースペクトルに、Taの束縛エネルギー(25.4eV)の位置で高いピークが観察された。また、吸収体膜2の表面から深さ1nmの深さの層におけるTa 4fのナロースペクトルのピークは、Taの束縛エネルギー(25.4eV)と、Taの束縛エネルギー(21.0eV)との間であり、Ta寄りにピークが観察された。これらの結果から、上層24の表層にTa結合を有する高酸化層241が形成されているということがいえる。
[反射型マスクの製造]
次に、実施例6の反射型マスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、実施例6の反射型マスクを作製した。作製した実施例6の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において25.3%であり、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(実施例7)
[反射型マスクブランクの製造]
吸収体膜2を図1に示すようなTaNの単層(膜厚60nm)で成膜したこと以外は、実施例1と同様の手順で実施例7の反射型マスクブランクを製造した。また、TaNからなる吸収体膜2を成膜後、実施例1と同じ条件で温水処理を行い、吸収体膜2の表層に高酸化層22を形成した。
温水処理を行った後の吸収体膜2に対して、AES(オージェ電子分光法)による測定を行った。その結果、吸収体膜2の表層に厚さ2nmの高酸化層22が形成されていることが確認された。この高酸化層22の酸素含有量は、71.4at%〜67at%であった。また、高酸化層22を除く部分の吸収体下部21の膜組成は、Ta:77at%、N:23at%であった。また、吸収体膜2に対してXPS分析(X線光電子分光分析)を行ったところ、吸収体膜2の最表層におけるTa 4fのナロースペクトルに、Taの束縛エネルギー(25.4eV)の位置で高いピークが観察された。また、吸収体膜2の表面から深さ1nmの深さの層におけるTa 4fのナロースペクトルのピークは、Taの束縛エネルギー(25.4eV)と、Taの束縛エネルギー(21.0eV)との間であり、Ta寄りにピークが観察された。これらの結果から、吸収体膜2の表層にTa結合を有する高酸化層22が形成されているということがいえる。
[反射型マスクの製造]
次に、実施例7の反射型マスクブランク100を用い、以下の手順で実施例7の反射型マスク200を作製した。最初に、スピン塗布法によって、エッチングマスク膜3上に電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜4を膜厚60nmで形成した(図2(b)参照)。次に、レジスト膜4に対して、転写パターンを電子線描画し、所定の現像処理および洗浄処理を行い、レジストパターン4aを形成した(図2(c)参照)。なお、電子線描画を行った転写パターンは、22nmノードの微細なパターンを有するものであった。次に、レジストパターン4aをマスクとし、塩素系ガス(Cl)と酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、エッチングマスク膜3に転写パターン(エッチングマスクパターン3a)を形成した(図2(d)参照)。続いて、レジストパターン4aを除去した後、エッチングマスクパターン3aをマスクとし、塩素系ガス(Cl)を用いたドライエッチングを行い、高酸化層22を含む吸収体膜2に転写パターン(吸収体パターン2a)を形成した(図2(e)参照)。最後に、塩素系ガス(Cl)と酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングを行い、エッチングマスクパターン3aを除去した(図2(f)参照)。以上の手順により、反射型マスク200を得た。
作製した実施例7の反射型マスク200は、吸収体パターン2aの表面側における波長193nmの検査光に対する反射率が、吸収体膜2を成膜した段階のマスクブランクで測定した反射率と比べてほとんど変化はなかった。また、吸収体膜パターン2aのラインエッジラフネスを測定したところ、十分に小さかった。さらに、吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、吸収体膜パターン2aのエッジ部分の丸まりは許容範囲内であり、良好な結果であった。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているといえる。
(比較例1)
[反射型マスクブランクの製造]
吸収体膜2の上層24を形成後、すぐにエッチングマスク膜3を形成した(高酸化層241を形成するプロセスを行わなかった)こと以外は、実施例1と同様の手順で比較例1の反射型マスクブランクを製造した。
[反射型マスクの製造]
次に、比較例1のマスクブランクを用い、実施例1と同様の手順で、比較例1の反射型マスクを作製した。作製した比較例1の反射型マスク201は、吸収体パターン2aの表面側における反射率が波長193nmの検査光において28.5%であり、同条件の実施例1において吸収体膜2を成膜した段階の反射型マスクブランクで測定した反射率と比べると、反射率の変化が大きかった。吸収体膜2の面内での反射率分布についても悪化していることが確認された。また、ラインエッジラフネスを測定したところ、22nmノードでの許容範囲を超えていた。吸収体膜パターン2aの側壁部分に対して断面TEM観察を行ったところ、上層パターン24aのエッジ部分の丸まりについても許容範囲を超えていた。この22nmノードの微細な吸収体パターンを有する反射型マスクは、この反射型マスクを用いてEUV光を光源とする露光装置で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写しても、正常にパターンを転写することができるだけの精度を有しているとは言い難かった。
1 基板
2 吸収体膜
2a 吸収体パターン
21 吸収体膜本体
22,242 高酸化層
22a,242a 高酸化層パターン
3 エッチングマスク膜
3a エッチングマスクパターン
4 レジスト膜
4a レジストパターン
5 多層反射膜
6 保護層
23 下層
23a 下層パターン
24 上層
24a 上層パターン
241 上層本体
241a 上層本体パターン
100,101 反射型マスクブランク
200,201 反射型マスク

Claims (17)

  1. 反射型マスクを作製するために用いられる反射型マスクブランクであり、基板上に多層反射膜と吸収体膜とエッチングマスク膜が順に積層した構造を有する反射型マスクブランクであって、
    前記エッチングマスク膜は、クロムを含有する材料からなり、
    前記吸収体膜は、タンタルを含有する材料からなり、
    前記吸収体膜の基板側とは反対側の表層に高酸化層が形成されており、
    前記高酸化層は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eVよりも大きい束縛エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする反射型マスクブランク。
  2. 前記高酸化層を除いた部分の吸収体膜は、X線光電子分光分析を行ったときのTa4fのナロースペクトルが23eV以下の束縛エネルギーで最大ピークを有することを特徴とする請求項1記載の反射型マスクブランク。
  3. 前記吸収体膜は、ケイ素を含有しない材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型マスクブランク。
  4. 前記吸収体膜は、さらにホウ素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  5. 前記吸収体膜は、さらに窒素を含有する材料からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  6. 前記吸収体膜は、基板側から下層と上層とが順に積層した構造を有し、
    前記高酸化層は、前記上層の前記下層側とは反対側の表層に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  7. 前記上層の酸素含有量は、前記高酸化層の酸素含有量よりも少ないことを特徴とする請求項6記載の反射型マスクブランク。
  8. 前記高酸化層の酸素含有量は、67at%以上であり、前記高酸化層を除いた部分の上層における酸素含有量は、50at%以上であることを特徴とする請求項7記載の反射型マスクブランク。
  9. 前記高酸化層のTa結合の存在比率は、前記上層におけるTa結合の存在比率よりも高いことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  10. 前記下層は、酸素の含有量が10at%未満であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  11. 前記下層は、窒素を含有する材料からなることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  12. 前記エッチングマスク膜は、酸素の含有量が40at%以上であることを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の反射型マスクブランク。
  13. 前記エッチングマスク膜は、膜厚が7nm以下であることを特徴とする請求項12に記載の反射型マスクブランク。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いて製造された反射型マスク。
  15. 請求項1から5のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
    前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
    前記転写パターンが形成されたレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、ドライエッチングで前記吸収体膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記吸収体膜に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程と、
    を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  16. 請求項6から12のいずれかに記載の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
    前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
    前記転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンが形成されたレジスト膜またはエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記上層に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンが形成されたレジスト膜、エッチングマスク膜または上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで前記下層に転写パターンを形成する工程と、
    前記下層に転写パターンを形成後、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングでエッチングマスク膜を除去する工程と
    を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  17. 請求項13に記載のマスクブランクを用いた反射型マスクの製造方法であって、
    前記エッチングマスク膜上に転写パターンを有するレジスト膜を形成する工程と、
    前記転写パターンを有するレジスト膜をマスクとし、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングで前記エッチングマスク膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記レジスト膜を除去する工程と、
    前記転写パターンが形成されたエッチングマスク膜をマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで前記上層に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンが形成された上層をマスクとして、酸素を実質的に含有しない塩素系ガスを用いたドライエッチングで前記下層に転写パターンを形成し、かつエッチングマスク膜を除去する工程と
    を有することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
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