JP2017057514A - 不織布及びこれを用いたエアフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばエアフィルターに用いられた場合に、高い捕集効率を発揮しつつ、繊維同士の詰まり(パッキング)を抑制し、圧力損失及び寿命の問題を改善することのできる不織布を提供する。
【解決手段】本発明による不織布は、構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている。
【選択図】図4

Description

本発明は、不織布、より具体的には、極細繊維からなる不織布及びこれを用いたエアフィルターに関する。
近年、PM2.5(粒径が2.5μm以下の粒子状物質)などによる大気汚染が問題になっており、それらを捕集するためのエアフィルターの開発が盛んに行われている。この種のエアフィルターに用いる材料として、繊維径が1μm未満の極細繊維(ナノファイバー)からなる不織布(ナノファイバー不織布)が注目を集めている。
ナノファイバーはナノスケールの直径に由来する機能とマクロなスケールの長さに由来するハンドリングの容易さを併せ持つユニークな材料である。ナノファイバーの代表的な効果として、(1)比表面積が大きいこと(超比表面積効果)、(2)サイズがナノスケールであること(ナノサイズ効果)、(3)ファイバー内で分子が配列すること(分子配列効果)があげられる。
上記(1)、(2)の観点から、ナノファイバー不織布は、エアフィルター用の材料に適していると言える。すなわち、(1)不織布を構成する繊維の比表面積が大きいことにより、微粒子と繊維の接触確率を増加させることができる。また、エレクトレット加工などによって捕集効率が大幅に向上する。(2)サイズがナノスケールであることにより、ナノファイバー同士が交差してできる繊維間空間が小さく、より小さい微粒子まで捕集することが可能である。
ナノファイバー不織布の製造方法としてエレクトロスピニング法が知られている。このエレクトロスピニング法は、高分子溶液とコレクタとの間に高電圧を印可し、電界によって溶液を飛び出させると共に溶媒を揮発させることによってナノファイバーを生成し、生成されたナノファイバーをコレクタ上に集積させてナノファイバー不織布を製造する。
特開2010−236133号公報
しかし、エレクトロスピニング法によって製造されたナノファイバー不織布は、これを構成するナノファイバーの繊維径分布がシャープである(狭い)という特徴がある。このため、エレクトロスピニング法によって製造されたナノファイバー不織布がエアフィルターに用いられた場合、ナノファイバー(繊維)同士が詰まりやすく(パッキングしやすく)、通気性が悪くなり、圧力損失が大きくなる。また、目詰まりしやすいため圧力損失が上昇し易く、エアフィルターの寿命が短くなってしまうという課題がある。
そこで、本発明は、例えばエアフィルターに用いられた場合に、高い捕集効率を発揮しつつ、繊維同士の詰まり(パッキング)を抑制し、上述のような圧力損失及び寿命の問題を改善することのできる不織布を提供することを目的とする。
本発明による不織布は、構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている。
前記不織布は、例えばエアフィルターに用いられた場合、高い捕集効率を発揮しつつ、繊維同士の詰まり(パッキング)を抑制し、これにより、圧力損失及び寿命の問題を改善することが可能である。したがって、前記不織布は、エアフィルターに用いられた場合に、従来のナノファイバー不織布に比べて、エアフィルターの捕集効率と寿命とを適度にバランスさせることが可能であり、特にエアフィルターの長寿命化が図れる。
実施形態に係る極細繊維からなる不織布を製造する装置に用いられるオリフィスの一例を示す図である。 マルチフィラメントが振動している状態を示す図である。 マルチフィラメントの振動状態を高速カメラを用いて観察した図である。 エアフィルター用に製造された極細繊維からなる不織布の断面写真の一例を示す図である。
まず、本発明の概要を説明する。本発明は、いわゆるナノファイバー不織布又はこれに準じた不織布を提供する。本発明による不織布において、当該不織布を構成する繊維(構成繊維)の平均繊維径は1μm未満である。繊維径が1μm以上である繊維(すなわち、ナノファイバーに該当しない繊維)が含まれてもよい。前記構成繊維の平均繊維径は0.5μm未満であってもよい。
本発明による不織布は、多層不織布又は複合不織布における一つ以上の不織布「層」を形成し得る。例えば、本発明による不織布を多層化することによって、及び/又は、本発明による不織布を所定の基材不織布上に積層することによって、一つの不織布が形成され得る。したがって、いわゆる不織布「層」も本発明の不織布に該当する。
本発明による不織布は、空気中から異物、例えばPM2.5などの微小粒子状物質を取り除くためのエアフィルターに好適に用いられる。例えば、本発明による不織布は、前記エアフィルターを構成する一つ以上のフィルター層として使用され得る。すなわち、本発明による不織布を複数用いて、及び/又は、本発明による不織布を他の不織布と共に用いて、前記エアフィルターを構成してもよい。本発明による不織布は、構成繊維の平均繊維径(1μm未満)の2倍以上10倍以下の繊維径を有した繊維(すなわち、相対的に太い繊維)を所定の割合で含む。具体的には、本発明による不織布において、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が繊維総数の2〜20%を占めている。これにより、本発明による不織布は、前記エアフィルターに用いられた場合に、実用上で十分な捕集効率を実現しつつ、従来のナノファイバー不織布に比べて、通気性を高めることで圧力損失を改善し、また、前記エアフィルターの寿命を長期化することを可能とする。
ここで、前記エアフィルターは、空気中から微細粒子状物質を取り除くものであればよく、特に制限されないが、例えば、粗塵用フィルター、中高性能フィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルター、ガス除去フィルター、マスク、エアエレメント、エアコンフィルター、空気清浄器用フィルターが該当する。
次に、本発明の実施形態に係る不織布、より具体的には、極細繊維からなる不織布について説明する。本発明の実施形態に係る不織布は、原フィラメント送出手段と延伸室とがオリフィスで連結されると共にオリフィスの入口と出口との圧力差が20kPa以上である装置を用いて製造される。すなわち、前記原フィラメント送出手段が原フィラメントを送り出し、この送り出された原フィラメントが前記オリフィスを通過して前記延伸室へと導かれる。前記延伸室では、前記オリフィスから出てきた原フィラメントにレーザー照射が行われ、これにより、原フィラメントが連続的に溶融、延伸されて、極細繊維が生成される。そして、生成された極細繊維をシート状に集積することによって、本実施形態に係る極細繊維からなる不織布が形成される。以下、具体的に説明する。
本実施形態において、原フィラメントとして多原糸(マルチフィラメント)が使用される。したがって、以下では原フィラメントをマルチフィラメントという場合がある。多原糸(マルチフィラメント)とは、複数本の単原糸(モノフィラメント)からなる束のことを指す。マルチフィラメントを構成する1本のモノフィラメントの断面形状については特に制限されない。すなわち、モノフィラメントは、断面形状が円形はもちろん、断面形状が楕円形、四角形、三角形、台形、その他多角形などの各種異形原糸であってもよい。また、モノフィラメントとして、中空糸、芯鞘型原糸、サイドバイサイド型原糸などの複合原糸が用いられてよい。さらに、マルチフィラメントを構成するモノフィラメントは、全て同じものである必要はない。形状、材質が異なるモノフィラメントが組み合わされてマルチフィラメントを構成してもよい。
本実施形態においてはモノフィラメントが10本以上束ねられたマルチフィラメントが原フィラメントとして使用される。束ねられるモノフィラメントの本数は、使用されるオリフィスに応じて、具体的には、オリフィスの整流部の断面積S1に対するマルチフィラメントの総断面積S2の比率(S2/S1)が適切な範囲に収まるように適宜調整され得る。好ましくは20本以上、より好ましくは40本以上のモノフィラメントが束ねられたマルチフィラメントが原フィラメントとして使用される。また、マルチフィラメントを構成する各モノフィラメントの直径は、好ましくは10〜200μmである。なお、マルチフィラメントは、複数本のモノフィラメントが束としての一体性を失うことが無いように、通常は撚りがかけられている。撚りの数は、モノフィラメントの本数、形状、材質等によって適宜調整される(通常は20回/m以上である)。
マルチフィラメントとして使用可能な樹脂は、糸状に加工可能な熱可塑性樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸を含むポリエステル、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)を含むポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリビニルアルコール系ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを含むフッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシメチレン、エーテルエステル系ポリマー、トリアセチルセルロース等のセルロース修飾ポリマーなどが使用され得る。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)及びポリプロピレンは、延伸性及び分子配向性が良いため、極細繊維の生成に好適である。
また、マルチフィラメントは、その繊維の中に各種有機物、有機金属錯体、無機物質などの各種物質が練り込まれたり、その繊維の表面に付着されたりされ得る。この場合、極細繊維が生成される際に、練り込まれ及び/又は付着された物質が均一に分散して、極細繊維に機能性を付与することが可能である。
原フィラメント送出手段は、原フィラメント(マルチフィラメント)をオリフィスに向けて送り出す装置である。原フィラメント送出手段は、一定の送出速度でマルチフィラメントを送り出することができればよく、その構成等は特に限定されない。なお、マルチフィラメントがオリフィスに送り込まれるまでは、換言すれば、オリフィスの入口までは、P1気圧の雰囲気下にあり、このP1気圧の雰囲気下にある場所を以下では「原フィラメント供給室」という。
オリフィスの出口以降は、P1気圧よりも低いP2気圧の雰囲気に保たれており、オリフィスから出てきたマルチフィラメントをレーザー照射によって加熱し、先端部分を溶融して延伸する「延伸室」を構成する。P1気圧の原フィラメント供給室とP2気圧の延伸室との圧力差(P1−P2)によって、オリフィス中にはオリフィスの入口から出口に向かう気流が生じる。オリフィスに送り込まれたマルチフィラメントは、オリフィス中に生じた気流によってオリフィスを通過して延伸室へと送られる。なお、P1≧2×P2であることが好ましく、P1≧3×P2がさらに好ましく、P1≧5×P2であることが最も好ましい。また、P1とP2との圧力差(P1−P2)は、具体的には、20kPa以上であることが好ましく、50kPa以上であることがより好ましい。
ここで、P1が大気圧とされ、P2が大気圧未満の圧力とされるのが特に好ましい。装置を比較的簡便に構成できるからである。なお、原フィラメント供給室及び延伸室の温度は、通常、室温(常温)とされる。但し、マルチフィラメントを予熱したい場合や延伸後のフィラメントを熱処理したい場合などにおいては、加熱エアーが適宜使用され得る。フィラメントが酸化されるのを防ぐ場合には窒素ガス等の不活性ガスが使用され得る。水分の飛散を防ぐ場合には水蒸気や水分を含む気体が使用され得る。また、マルチフィラメントの振動(後述する)を制御する目的で、その他各種の不活性ガスも使用され得る。
オリフィスは、図1に示すように、テーパー状の導入部と直管状の整流部とを有するのが好ましい。ここで、整流部の長さLと整流部の径Dとの比(L/D)は、1〜100であり、好ましくは1〜50であり、より好ましくは1〜10である。なお、整流部には、使用されるマルチフィラメントにおけるモノフィラメントの本数、形状、材質などに応じて、気流調整用の加工などが適宜施されてもよい。
原フィラメント供給室と延伸室とはオリフィスによって接続されており、オリフィス中には、マルチフィラメントとオリフィスとの間の狭い隙間に、圧力差(P1−P2)に応じた高速気流が生じる。この高速気流を十分に生じさせるためには、オリフィス整流部の断面積S1に対するマルチフィラメントの総断面積S2の比率(=S2/S1、以下「オリフィス占有率」という)が50%以下になるようにしなければならない。オリフィス占有率(S2/S1)が50%よりも大きいと、オリフィス内を流通する高速気流の量が不足して、マルチフィラメントの振動(後述する)が十分に得られないからである。マルチフィラメントの振動が不十分であると、溶融したマルチフィラメントが糸状にならず、溶融塊として落下するため、極細繊維が得られない。他方、オリフィス占有率(S2/S1)が5%よりも小さくなると、マルチフィラメントの振動が大きくなりすぎたり、気流の力がマルチフィラメントにうまく加わらなかったりして、所望の極細繊維が得られない。したがって、オリフィス占有率(S2/S1)は、5〜50%とする必要があり、10〜35%であることが好ましい。
オリフィスを通過したマルチフィラメントにはレーザー照射が行われ、マルチフィラメントの先端部が加熱されて溶融する。このとき、マルチフィラメントに振動を生じさせる必要があり、そのために、レーザー照射位置、レーザー形状及びレーザーパワーなどのレーザー照射条件が適宜調整される。
図2は、レーザー照射によってマルチフィラメントが振動している状態を示している。マルチフィラメントは非常に高速で振動するため、目視では図2に示されるような残像状態として観察される。マルチフィラメントの振動の状態をより詳細に解析するため、高速カメラを用いた観察を行ったところ、図3に示すように、マルチフィラメントの束が一体となってオリフィス出口(オリフィス孔)を頂点とする円錐形状空間の内部をランダムに揺れ動いていることが確認された。
マルチフィラメントから極細繊維を得るには、レーザー照射によってマルチフィラメントを振動させる必要があるが、単にマルチフィラメントを振動させればよいというわけではない。所望の極細繊維を安定して得るためには、オリフィスの中心軸に対し、振動時のマルチフィラメント(の束中央)の角度(以下「マルチフィラメントの振動角」という)が5°〜80°の範囲である必要がある。好ましくは、マルチフィラメントの振動角が、15°〜50°の範囲であり、より好ましくは、20°〜40°の範囲である。
また、マルチフィラメントに振動を生じさせるためには、レーザー照射を行う位置も重要である。具体的には、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下1mm以上15mm以下の位置となるように、レーザー照射が行われる必要がある。マルチフィラメントの溶融部がオリフィス出口から1mmよりも近い距離にあると、オリフィスから流出する気流によってマルチフィラメントの振動角が上述した範囲の上限を超えてしまうおそれがあり、マルチフィラメントの溶融部がオリフィス出口から15mmよりも離れた距離にあると、オリフィスから流出する気流が弱まるため、マルチフィラメントの振動角が上述した範囲の下限を下回ってしまうおそれがあるからである。好ましくは、レーザー照射は、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下3mm以上10mm以下の位置となるように行われ、より好ましくは、レーザー照射は、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下3mm以上5mm以下の位置となるように行われる。
以上に述べた条件を満たしたマルチフィラメントに振動が生じるとき、平均繊維径が1μm未満の極細繊維が得られる(生成される)。そして、得られた極細繊維がシート状に集積されることによって極細繊維からなる不織布が形成される。なお、得された極細繊維は、適当な基材不織布上にシート状に集積されてもよい。この場合には、基材不織布と極細繊維からなる不織布とで構成される複合不織布が形成される。また、生成された極細繊維を効率的にシート状に集積するため、例えば上述のオリフィスが複数並べて配置されてもよい。この場合においては、振動したマルチフィラメント同士が接触しないように、及び/又は、隣接するオリフィスの気流による悪影響を受けないように、オリフィスの間隔が適宜調整される。
以上説明した極細繊維からなる不織布の製造方法においては、使用される原フィラメント(マルチフィラメント)、原フィラメント(マルチフィラメント)の送出速度、オリフィス形状、レーザー照射条件、及び/又は、原フィラメント供給室と延伸室との圧力差(P1−P2)を変更することによって、得られる極細繊維、すなわち、不織布を構成する繊維の平均繊維径や繊維径分布を調整することが可能である。したがって、例えばエアフィルター用の極細繊維からなる不織布を製造する場合には、構成繊維中に、構成繊維の平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維(相対的に太い繊維)が所定の割合で含まれるように、原フィラメント、原フィラメントの送出速度、オリフィス形状、レーザー照射条件、及び/又は、圧力差(P1−P2)が選択又は決定される。
図4は、エアフィルター用に製造された極細繊維からなる不織布の断面写真の一例を示している。図4に示されるように、エアフィルター用に製造された極細繊維からなる不織布中には、非常に細い繊維と太い繊維とが混在していることが確認できる。
以下、本発明による不織布を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何等限定を受けるものではない。また、実施例及び比較例中における各値は下記の方法で求めた。
(1)平均繊維径
製造された不織布の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日本電子製JCM−5000)により撮影(倍率4000倍)した。得られた写真を無作為に20枚選び、写真内の繊維の本数を数えると共に、全ての繊維の径を測定した。写真20枚のデータを一つのデータとして扱い、写真20枚の中に含まれる繊維の総数及びすべての繊維の繊維径に基づき繊維径の平均値を求め、それを不織布の構成繊維の平均繊維径とした。
(2)繊維径分布
(1)で平均繊維径を求めた後、写真20枚の中に平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の本数を数え、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の本数が全体(写真20枚の中に含まれる繊維の総数)の何%を占めるか計算した。
(3)空隙率
不織布の空隙率は、下式によって算出した。
空隙率(%)=100−{坪量g/m2×100 / 樹脂密度g/cm3 / 厚みμm }
(4)エアフィルター試験
製造された不織布をフィルター性能試験機(東京ダイレック株式会社製DFT−4)により評価した。試験粒子はJIS11種(関東ローム焼成品)を使用した。捕集効率は光散乱法式のパーティクルカウンタを用いて算出した。
製造された不織布をフィルター性能試験機(東京ダイレック株式会社製DFT−4)により評価した。試験粒子にはJIS11種(関東ローム焼成品)を使用し、試験風速は5.3cm/sとした。捕集効率は光散乱法式のパーティクルカウンタを用いて算出した。2.5μm以下の粒子について各粒子径レンジ毎に捕集効率を算出し、その平均値をとったものを不織布の捕集効率とした。寿命試験では、粒子濃度を2500μg/mとして試験を実施した。
[実施例1−1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが2.4mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角27度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は310nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いて前記エアフィルター試験を行った。初期捕集効率は99.6%であり、初期圧力損失は140Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は106分であった。
[実施例1−2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが1.2mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.5mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角32度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は330nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の7%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は99.1%であり、初期圧力損失は131Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は135分であった。
[実施例1−3]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.8mmであり、整流部の長さが1.6mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を24%とし、延伸室の真空度が15kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.5mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角35度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は345nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の13%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は98.5%であり、初期圧力損失は119Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は170分であった。
[実施例1−4]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角40度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は340nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は94%であり、初期圧力損失は101Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は230分であった。
[比較例1−1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が1.0mmであり、整流部の長さが1.0mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を15%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角45度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は370nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の26%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いて前記エアフィルター試験を行った。初期捕集効率は77%であり、初期圧力損失は61Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は352分であった。
[比較例1−2]
エレクトロスピニング法により、実施例1−1〜1−4及び比較例1−1で使用したものと同じ基材不織布の上にPVDF極細繊維を形成した。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は100nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維は含まれていなかった(繊維総数の0%を占めていた)。なお、空隙率については、低坪量のため測定できなかった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:0.5g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は99.99%であり、初期圧力損失は170Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は40分であった。
実施例1−1〜1−4及び比較例1−1を用いた前記エアフィルター試験の結果から、初期捕集効率、初期圧力損失及び圧力損失の増加に要する時間のいずれも、繊維総数に対して平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が占める割合(以下単に「太い繊維の割合」という)が20%を超えると、その変化率が大きくなることが確認された。特に、初期捕集効率については、実施例1−1〜1−4では初期捕集効率が90%を超えているのに対して、比較例1−1では初期捕集効率が70%台まで低下しており、その差が大きい。
以上のことから、構成繊維の平均繊維径が300〜400nmであり、かつ、空隙率が85%(多少のバラツキは許容され得る)である不織布については、エアフィルターに用いる場合、太い繊維の割合を2〜20%とすることにより、初期捕集効率が安定すると共に、初期圧力損失及び圧力損失の増加に要する時間も安定して好ましいと言える。
また、実施例1−1〜1−4は、比較例1−2に対して遜色のない初期捕集効率(>90%)を有しており、しかも、比較例1−2に比べて、初期圧力損失が低く、前記圧力損失の増加に要した時間も十分に長くなっている。つまり、構成繊維の平均繊維径が300〜400nmである不織布において、太い繊維の割合を2〜20%とし、かつ、空隙率を85%(多少のバラツキは許容され得る)とすれば、当該不織布がエアフィルターに用いられた場合に、エレクトロスピニング法によって製造されたナノファイバー不織布と同等又はそれに近い捕集効率を発揮し、かつ、エレクトロスピニング法によって製造されたナノファイバー不織布を用いた場合の問題、すなわち、(a)圧力損失が大きい、(b)フィルター寿命が短い、という問題を改善できると言える。
ところで、構成繊維の平均繊維径が1μm未満の不織布は、一般に、実用上十分に高い捕集効率を有していると言える。また、エアフィルターに用いられる不織布は、当該エアフィルターの主たる捕集対象である微小粒子状物質の大きさ、及び/又は、一緒に用いられる他の不織布などに応じて適宜選択されるものである。したがって、例えば、エアフィルターの主たる捕集対象である微小粒子状物質が前記エアフィルター試験で使用された試験粒子よりも大きい場合や他の不織布と共にエアフィルターを構成する場合には、前記エアフィルター試験において必ずしも高い初期捕集効率(例えば90%以上)を得る必要はない。むしろ、エアフィルター用の不織布としては、初期捕集効率等が安定していることの方が重要である。このような観点に基づく実施例が以下に示される。
[実施例2−1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが2.4mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角27度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は310nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は75.3%であり、初期圧力損失は85Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は269分であった。
[実施例2−2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが1.2mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.5mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角32度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は330nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の7%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は74.2%であり、初期圧力損失は84Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は281分であった。
[実施例2−3]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.8mmであり、整流部の長さが1.6mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を24%とし、延伸室の真空度が15kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.5mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角35度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は345nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の13%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は73%であり、初期圧力損失は80Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は299分であった。
[実施例2−4]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角40度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は340nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は69%であり、初期圧力損失は67Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は351分であった。
[比較例2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が1.0mmであり、整流部の長さが1.0mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を15%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角45度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は370nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の26%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は54%であり、初期圧力損失は37Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は453分であった。
実施例2−1〜2−4及び比較例2を用いた前記エアフィルター試験の結果から、初期捕集効率、初期圧力損失及び圧力損失の増加に要する時間のいずれも、前記太い繊維の割合が20%を超えると、その変化率が大きくなることが確認された。特に、初期捕集効率については、実施例2−1〜2−4では初期捕集効率が概ね70%であるのに対して、比較例2では初期捕集効率が50%台まで低下しており、その差が大きい。
以上のことから、構成繊維の平均繊維径が300〜400nmであり、かつ、空隙率が93%(多少のバラツキは許容され得る)である不織布についても、エアフィルターに用いる場合、太い繊維の割合を2〜20%とするのが好ましいと言える。
[実施例3−1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが3.6mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角24度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は810nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は65%であり、初期圧力損失は61Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は368分であった。
[実施例3−2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが2.7mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.6mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は790nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の12%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は60%であり、初期圧力損失は55Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は401分であった。
[実施例3−3]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが1.8mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.4mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は820nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は53%であり、初期圧力損失は47Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は463分であった。
[比較例3]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.8m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.2mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は830nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の28%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は38%であり、初期圧力損失は30Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は674分であった。
実施例3−1〜3−3及び比較例3を用いた前記エアフィルター試験の結果から、初期捕集効率、初期圧力損失及び圧力損失の増加に要する時間のいずれも、前記太い繊維の割合が20%を超えると、その変化率が大きくなることが確認された。特に、初期捕集効率については、実施例3−1〜3−3では初期捕集効率が50%を超えているのに対して、比較例3では初期捕集効率が30%台まで低下しており、その差が大きい。
以上のことから、構成繊維の平均繊維径が約800nmであり、かつ、空隙率が85%(多少のバラツキは許容され得る)である不織布についても、エアフィルターに用いる場合、太い繊維の割合を2〜20%とするのが好ましいと言える。
[実施例4−1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが3.6mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角24度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は810nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は45%であり、初期圧力損失は42Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は542分であった。
[実施例4−2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが2.7mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.6mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は790nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の12%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は39%であり、初期圧力損失は55Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は591分であった。
[実施例4−3]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが1.8mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.4mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は820nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は36%であり、初期圧力損失は36Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は689分であった。
[比較例4]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.8m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.2mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動し、生成された極細繊維を基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成された極細繊維からなる不織布において、その極細繊維の平均繊維径は830nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の28%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
得られた複合不織布(極細繊維の目付量:6g/m)を用いてエアフィルター試験を行った。初期捕集効率は26%であり、初期圧力損失は23Paであった。寿命試験では、初期圧力損失から150Pa増加するまでの時間は891分であった。
実施例4−1〜4−3及び比較例4を用いた前記エアフィルター試験の結果から、初期捕集効率、初期圧力損失及び圧力損失の増加に要する時間のいずれも、前記太い繊維の割合が20%を超えると、その変化率が大きくなることが確認された。特に、初期捕集効率については、実施例4−1〜4−3では初期捕集効率が概ね40%であるのに対して、比較例4では初期捕集効率が20%台まで低下しており、その差が大きい。
以上のことから、構成繊維の平均繊維径が約800nmであり、かつ、空隙率が93%(多少のバラツキは許容され得る)である不織布についても、エアフィルターに用いる場合、太い繊維の割合を2〜20%とするのが好ましいと言える。
ここで、実施例1−1〜1−4、比較例1−2、実施例2−1〜2−4、比較例2は、構成繊維の平均繊維径が300〜400nmの不織布であるが、構成繊維の平均繊維径が0.5μm未満の不織布については、実施例1−1〜1−4、比較例1−2、実施例2−1〜2−4、比較例2と同様の結果が得られると考えられる。また、実施例3−1〜3−3、比較例3、実施例4−1〜4−3、比較例4は、構成繊維の平均繊維径が約800nmの不織布であるが、構成繊維の平均繊維径が0.5μm〜1μmの不織布については、実施例3−1〜3−3、比較例3、実施例4−1〜4−3、比較例4と同様の結果が得られると考えられる。
したがって、構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が繊維総数の2〜20%を占める不織布は、エアフィルター用の不織布として好適であり、捕集対象に応じて適宜選択されることにより、高い捕集効率を発揮しつつ、エアフィルターの長寿命化を図ることができる。特に、構成繊維の平均繊維径が0.5μm未満であり、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が繊維総数の2〜20%を占めており、かつ、空隙率が85%(多少のバラツキは許容され得る)である不織布は、エレクトロスピニング法によって製造されたナノファイバー不織布に対して遜色のない捕集効率を発揮できると共に、圧力損失及び寿命の問題を大幅に改善することができる。
また、例えば、構成繊維の平均繊維径が0.5μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が繊維総数の2〜20%を占める第1不織布と、構成繊維の平均繊維径が0.5〜1μmであり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が繊維総数の2〜20%を占める第2不織布と、を積層したものをエアフィルターに用いてもよい。このようにすると、捕集対象の粒径分布が広い場合などにおいて、高い捕集効率を発揮しつつ、エアフィルターの長寿命化を図ることができる
以上では、本発明による不織布がエアフィルターに用いられる場合について説明した。しかし、本発明による不織布は、エアフィルターのみならず、それ以外の様々な用途に使用可能である。例えば、エアフィルター以外のフィルター(液体フィルター、分子フィルター)、ワイパー(ウェットワーパー、ドライワイパー)、おむつ、ティーバッグ、各種電池のセパレータ、ルーフィング、ガーゼ(フェースマスク)、タオル、コーティング基布、生理用品、合成皮革、防水基材、絶縁材、吸水シート、マスク、油吸着シート、滅菌包装資材、防護服(細菌、放射性物質)(空気抵抗最少、アエロゾル捕獲、抗生物、抗化学物質)、衣料用芯地、保温資材(ナノテキスタイル)、キャパシタ、吸着剤、吸音材、防音材、触媒担持体(水素貯蔵)、電磁波シールド、メディカル用基布(再生医療用支持体、皮膚用膜、血管用チューブ)、エンジンフィルター、防虫容器、透湿防水シート、センサー基布(温度センサー、圧力センサー、生化学センサー)に、本発明による不織布を用いることが可能である。

Claims (3)

  1. 構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占める、不織布。
  2. 構成繊維の平均繊維径が0.5μm未満である、請求項1に記載の不織布。
  3. 請求項1又は2に記載の不織布を含む、エアフィルター。
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