JP6710038B2 - ナノファイバー不織布及びそれを用いた吸音材 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノファイバー不織布に関し、特に、多孔質型吸音材と積層して使用されることによって吸音性能を向上させることのできるナノファイバー不織布及びそれを用いた吸音材に関する。
従来から、吸音材は、主に騒音を低減するために、車両、家屋、電気製品など様々な製品に用いられている。吸音材は、その材質や形状によっていくつかに区分されており、そのうちの一つとして多孔質型吸音材(フェルト、グラスウール、ウレタンフォームなど)が知られている。
特開2005−195989号公報
前記多孔質型吸音材は、軽量で柔軟であり、取扱いも比較的容易であるため、近年、その用途がますます広がりつつあり、これに伴って、その吸音性能の一層の向上が求められている。
本発明者は、鋭意検討を重ねたところ、いわゆるナノファイバー不織布(ここでは構成繊維の平均繊維径が1μm未満である不織布のことをいう)のうち、特定の条件を満たすナノファイバー不織布を前記多孔質型吸音材と積層した状態で使用すると、前記多孔質型吸音材のもつ軽量性、柔軟性、取扱い性などをほとんど変える又は損なうことがなく、前記多孔質型吸音材単体の場合に比べて、吸音性能が大幅に向上することを見出した。
すなわち、本発明によるナノファイバー不織布は、多孔質型吸音材と積層して使用されるものであって、その構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている。また、本発明によるナノファイバー不織布の製造方法は、多孔質型吸音材と積層して使用されるナノファイバー不織布を製造するものであって、熱可塑性樹脂からなる原フィラメントを入口側と出口側との圧力差が20kPa以上であるオリフィスに向けて0.3m/min以上0.6m/min以下の送出速度で送り出して当該オリフィスを通過させること、前記オリフィスを通過した前記原フィラメントに対して溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下3mm以上3.8mm以下の位置となるようにレーザー照射を行って、前記原フィラメントを溶融し、オリフィス中心軸に対して24°以上40°以下の振動角で振動させ及び延伸させてナノファイバーを生成すること、及び、生成されたナノファイバーをシート状に集積してナノファイバー不織布を形成すること、を含み、形成されたナノファイバー不織布の構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている。
前記ナノファイバー不織布は、前記多孔質型吸音材と積層して使用されることによって前記多孔質型吸音材とともに吸音材を構成し、前記多孔質型吸音材単体の場合に比べて、吸音性能を大幅に向上させることができる。
実施形態に係るナノファイバー不織布を製造する装置に用いられるオリフィスの一例を示す図である。 マルチフィラメントが振動している状態を示す図である。 マルチフィラメントの振動状態を高速度カメラを用いて観察した図である。 前記ナノファイバー不織布の断面写真の一例を示す図である。 前記ナノファイバー不織布単体、多孔質型吸音材単体及びこれらの積層体の垂直入射吸音率の測定結果を示すグラフである。 同じく前記ナノファイバー不織布単体、多孔質型吸音材単体及びこれらの積層体の垂直入射吸音率の測定結果を示すグラフである。 同じく前記ナノファイバー不織布単体、多孔質型吸音材単体及びこれらの積層体の垂直入射吸音率の測定結果を示すグラフである。 同じく前記ナノファイバー不織布単体、多孔質型吸音材単体及びこれらの積層体の垂直入射吸音率の測定結果を示すグラフである。
まず、本発明の概要を説明する。本発明は、主に多孔質型吸音材(フェルト、グラスウール、ウレタンフォームなど)と積層して使用されるナノファイバー不織布を提供する。本発明によるナノファイバー不織布は、前記多孔質型吸音材と積層状態で使用されることによって、前記多孔質型吸音材とともに吸音材を構成する。本発明によるナノファイバー不織布は、その構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、その構成繊維中に、前記平均繊維径(1μm未満)の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維(すなわち、相対的に太い繊維)を所定の割合で含む。ここで、構成繊維の平均繊維径が1μm未満であればよく、構成繊維中に1μm以上の繊維径を有した繊維が含まれてもよい。つまり、その構成繊維の平均繊維径が1μm未満である不織布は、構成繊維中に1μm以上の繊維径を有する繊維を含む場合であっても、本発明によるナノファイバー不織布に該当し得る。具体的には、本発明によるナノファイバー不織布においては、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている。このような構成により、本発明によるナノファイバー不織布は、十分な通気性を有し、前記多孔質型吸音材と積層して使用されたときに、音(空気の振動)を前記多孔質型吸音材まで伝えることが可能である。このため、前記多孔質型吸音材と積層して使用されたときに、前記多孔質型吸音材自体の吸音性能を損なうことがなく、前記多孔質型吸音材との相乗効果によって、吸音性能を大幅に向上させることができる。
本発明によるナノファイバー不織布と前記多孔質型吸音材との最も基本的な積層形態は、本発明によるナノファイバー不織布が前記多孔質型吸音材上に配置された「ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」である。但し、これに制限されるものではない。例えば、下記のような複雑な積層形態においても本発明によるナノファイバー不織布は用いられ得る。「各種カバー材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/各種カバー材」、「各種カバー材/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/各種カバー材」、「ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種カバー材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/各種カバー材」、「ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種カバー材」、「各種カバー材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/ナノファイバー不織布/多孔質型吸音材」、「多孔質型吸音材/ナノファイバー不織布/各種不織布/ナノファイバー不織布/各種不織布/多孔質型吸音材」などである。
ナノファイバー不織布、多孔質型吸音材、各種カバー材及び/又は各種不織布の積層方法は、実際に用いられる素材などに応じて適宜調整される。前記積層方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、熱エンボス法、熱ラミネート法、ホットメルトパウダー法、熱融着繊維の使用、ニードルパンチ法が挙げられる。
また、上述の各積層形態においては必ずしも全てを一度に積層する必要はなく、例えばA/B/C/Dの積層品を製造する場合には、A/Bの積層品とC/Dの積層品とを製造した後、A/Bの積層品とC/Dの積層品とを積層するといった手法も可能である。
次に、本発明によるナノファイバー不織布の実施形態について説明する。実施形態に係るナノファイバー不織布は、原フィラメント送出手段と延伸室とがオリフィスで連結されると共にオリフィスの入口と出口との圧力差が20kPa以上である装置を用いて製造され得る。すなわち、前記原フィラメント送出手段が原フィラメントを送り出し、この送り出された原フィラメントが前記オリフィスを通過して前記延伸室へと導かれる。前記延伸室では、前記オリフィスから出てきた原フィラメントにレーザー照射が行われ、これにより、原フィラメントが連続的に溶融、延伸されて、平均繊維径が1μm未満の極細繊維(ナノファイバー)が生成される。そして、生成されたナノファイバーをシート状に集積することによって、ナノファイバー不織布が製造される。以下、具体的に説明する。
本実施形態においては、原フィラメントとして多原糸(マルチフィラメント)が使用される。したがって、以下では原フィラメントをマルチフィラメントという場合がある。多原糸(マルチフィラメント)とは、複数本の単原糸(モノフィラメント)からなる束のことを指す。マルチフィラメントを構成する1本のモノフィラメントの断面形状については特に制限されない。すなわち、モノフィラメントは、断面形状が円形はもちろん、断面形状が楕円形、四角形、三角形、台形、その他多角形などの各種異形原糸であってもよい。また、モノフィラメントとして、中空糸、芯鞘型原糸、サイドバイサイド型原糸などの複合原糸が用いられてよい。さらに、マルチフィラメントを構成するモノフィラメントは、全て同じものである必要はない。形状、材質が異なるモノフィラメントが組み合わされてマルチフィラメントを構成してもよい。
本実施形態においてはモノフィラメントが10本以上束ねられたマルチフィラメントが原フィラメントとして使用される。束ねられるモノフィラメントの本数は、使用されるオリフィスに応じて、具体的には、オリフィスの整流部の断面積S1に対するマルチフィラメントの総断面積S2の比率(S2/S1)が適切な範囲に収まるように適宜調整され得る。好ましくは20本以上、より好ましくは40本以上のモノフィラメントが束ねられたマルチフィラメントが原フィラメントとして使用される。また、マルチフィラメントを構成する各モノフィラメントの直径は、好ましくは10〜200μmである。なお、マルチフィラメントは、複数本のモノフィラメントが束としての一体性を失うことが無いように、通常は撚りがかけられている。撚りの数は、モノフィラメントの本数、形状、材質等によって適宜調整される(通常は20回/m以上である)。
マルチフィラメントとして使用可能な樹脂は、糸状に加工可能な熱可塑性樹脂である。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸を含むポリエステル、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)を含むポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレンを含むポリオレフィン、ポリビニルアルコール系ポリマー、アクリロニトリル系ポリマー、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などを含むフッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシメチレン、エーテルエステル系ポリマー、トリアセチルセルロース等のセルロース修飾ポリマー、ポリフェニレンサルファイドなどのエンジニアリングプラスチックが使用され得る。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)及びポリプロピレンは、延伸性及び分子配向性が良いため、ナノファイバーの生成に好適である。
また、マルチフィラメントは、その繊維の中に各種有機物、有機金属錯体、無機物質などの各種物質が練り込まれたり、その繊維の表面に付着されたりされ得る。この場合、ナノファイバーが生成される際に、練り込まれ及び/又は付着された物質が均一に分散し、ナノファイバーに機能性を付与することが可能である。
原フィラメント送出手段は、原フィラメント(マルチフィラメント)をオリフィスに向けて送り出す装置である。原フィラメント送出手段は、一定の送出速度でマルチフィラメントを送り出することができればよく、その構成等は特に限定されない。なお、マルチフィラメントがオリフィスに送り込まれるまでは、換言すれば、オリフィスの入口までは、P1気圧の雰囲気下にあり、このP1気圧の雰囲気下にある場所を以下では「原フィラメント供給室」という。
オリフィスの出口以降は、P1気圧よりも低いP2気圧の雰囲気に保たれており、オリフィスから出てきたマルチフィラメントにレーザー照射を行い、マルチフィラメントの先端部分を溶融して延伸させる「延伸室」を構成する。P1気圧の原フィラメント供給室とP2気圧の延伸室との圧力差(P1−P2)によって、オリフィス中にはオリフィスの入口から出口に向かう気流が生じる。オリフィスに送り込まれたマルチフィラメントは、オリフィス中に生じた気流によってオリフィスを通過して延伸室へと送られる。なお、P1≧2×P2であることが好ましく、P1≧3×P2がさらに好ましく、P1≧5×P2であることが最も好ましい。また、P1とP2との圧力差(P1−P2)は、具体的には、20kPa以上であることが好ましく、50kPa以上であることがより好ましい。
ここで、P1が大気圧とされ、P2が大気圧未満の圧力とされるのが特に好ましい。装置を比較的簡便に構成できるからである。なお、原フィラメント供給室及び延伸室の温度は、通常、室温(常温)とされる。但し、マルチフィラメントを予熱したい場合や延伸後のフィラメントを熱処理したい場合などにおいては、加熱エアーが適宜使用され得る。フィラメントが酸化されるのを防ぐ場合には窒素ガス等の不活性ガスが使用され得る。水分の飛散を防ぐ場合には水蒸気や水分を含む気体が使用され得る。また、マルチフィラメントの振動(後述する)を制御する目的で、その他各種の不活性ガスも使用され得る。
オリフィスは、図1に示すように、テーパー状の導入部と直管状の整流部とを有するのが好ましい。ここで、整流部の長さLと整流部の径Dとの比(L/D)は、1〜100であり、好ましくは1〜50であり、より好ましくは1〜10である。なお、整流部には、使用されるマルチフィラメントにおけるモノフィラメントの本数、形状、材質などに応じて、気流調整用の加工などが適宜施されてもよい。
原フィラメント供給室と延伸室とはオリフィスによって接続されており、オリフィス中には、マルチフィラメントとオリフィスとの間の狭い隙間に、圧力差(P1−P2)に応じた高速気流が生じる。この高速気流を十分に生じさせるためには、オリフィス整流部の断面積S1に対するマルチフィラメントの総断面積S2の比率(=S2/S1、以下「オリフィス占有率」という)が50%以下になるようにしなければならない。オリフィス占有率(S2/S1)が50%よりも大きいと、オリフィス内を流通する高速気流の量が不足して、マルチフィラメントの振動(後述する)が十分に得られないからである。マルチフィラメントの振動が不十分であると、溶融したマルチフィラメントが糸状にならず、溶融塊として落下するため、ナノファイバーが得られない。他方、オリフィス占有率(S2/S1)が5%よりも小さくなると、マルチフィラメントの振動が大きくなりすぎたり、気流の力がマルチフィラメントにうまく加わらなかったりして、所望のナノファイバーが得られない。したがって、オリフィス占有率(S2/S1)は、5〜50%とする必要があり、10〜35%であることが好ましい。
オリフィスを通過したマルチフィラメントにはレーザー照射が行われ、マルチフィラメントの先端部が加熱されて溶融する。このとき、マルチフィラメントに振動を生じさせる必要があり、そのために、レーザー照射位置、レーザー形状及びレーザーパワーなどのレーザー照射条件が適宜調整される。
図2は、マルチフィラメントが振動している状態を示している。マルチフィラメントは非常に高速で振動するため、目視では図2に示されるような残像状態として観察される。マルチフィラメントの振動の状態をより詳細に解析するため、高速度カメラを用いた観察を行ったところ、図3に示すように、マルチフィラメントの束が一体となってオリフィス出口(オリフィス孔)を頂点とする円錐形状空間の内部をランダムに揺れ動いていることが確認された。
マルチフィラメントからナノファイバーを得るには、レーザー照射によってマルチフィラメントを振動させる必要があるが、単にマルチフィラメントを振動させればよいというわけではない。所望のナノファイバーを安定して得るためには、オリフィスの中心軸に対して、振動時のマルチフィラメント(の束中央)の角度(以下「マルチフィラメントの振動角」という)が5°〜80°の範囲である必要がある。好ましくは、前記マルチフィラメントの振動角が、15°〜50°の範囲であり、より好ましくは、20°〜40°の範囲である。
また、マルチフィラメントに適切な振動を生じさせるためには、レーザー照射を行う位置も重要である。具体的には、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下1mm以上15mm以下の位置となるように、レーザー照射が行われる必要がある。マルチフィラメントの溶融部がオリフィス出口から1mmよりも近い距離にあると、オリフィスから流出する気流によってマルチフィラメントの振動角が上述した範囲の上限を超えてしまうおそれがあり、マルチフィラメントの溶融部がオリフィス出口から15mmよりも離れた距離にあると、オリフィスから流出する気流が弱まるため、マルチフィラメントの振動角が上述した範囲の下限を下回ってしまうおそれがあるからである。好ましくは、レーザー照射は、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下3mm以上10mm以下の位置となるように行われ、より好ましくは、レーザー照射は、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下3mm以上5mm以下の位置となるように行われる。
以上に述べた条件を満たしたマルチフィラメントの振動が生じるとき、マルチフィラメントから平均繊維径が1μm未満の繊維、すなわち、ナノファイバーが得られる(生成される)。そして、生成されたナノファイバーがシート状に集積されることによって、ナノファイバー不織布が形成(製造)される。なお、生成されたナノファイバーは、適当な基材不織布上にシート状に集積されてもよい。また、生成されたナノファイバーを効率的にシート状に集積するため、例えば上述のオリフィスが複数並べて配置されてもよい。この場合においては、振動したマルチフィラメント同士が接触しないように、及び/又は、隣接するオリフィスの気流による悪影響を受けないように、オリフィスの間隔が適宜調整される。
ここで、以上説明したナノファイバー不織布の製造方法においては、使用される原フィラメント(マルチフィラメント)、原フィラメント(マルチフィラメント)の送出速度、オリフィス形状、レーザー照射条件、及び/又は、原フィラメント供給室と延伸室との圧力差(P1−P2)を適宜調整することによって、生成されるナノファイバー、さらに言えば、製造されるナノファイバー不織布の構成繊維の平均繊維径や繊維径分布を変えることが可能である。したがって、前記多孔質型吸音材と積層して使用されるナノファイバー不織布を製造する場合には、その構成繊維中に、構成繊維の平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が所定の割合で含まれるように、原フィラメント、原フィラメントの送出速度、オリフィス形状、レーザー照射条件、及び/又は、圧力差(P1−P2)が選択又は決定される。
図4は、上記の方法により、構成繊維の平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維が所定の割合で含まれるように製造されたナノファイバー不織布の断面写真の一例を示している。図4に示されるように、製造されたナノファイバー不織布には、非常に細い繊維と太い繊維とが混在していることが確認できる。
以下、本発明によるナノファイバー不織布を実施例により具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により何ら制限を受けるものではない。また、実施例及び比較例中における各値は下記の方法で求めた。
(1)平均繊維径
製造されたナノファイバー不織布の表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日本電子製JCM−5000)により撮影(倍率4000倍)した。得られた写真を無作為に20枚選び、写真内の繊維の本数を数えると共に、全ての繊維の径を測定した。写真20枚のデータを一つのデータとして扱い、写真20枚の中に含まれる繊維の総数及びすべての繊維の繊維径に基づき繊維径の平均値を求め、それをナノファイバー不織布の構成繊維の平均繊維径とした。
(2)繊維径分布
(1)で平均繊維径を求めた後、写真20枚の中に平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の本数を数え、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の本数が全体(写真20枚の中に含まれる繊維の総数)の何%を占めるか計算した。
(3)空隙率
ナノファイバー不織布の空隙率は、下式によって算出した。
空隙率(%)=100−{坪量(g/m)×100 / 樹脂密度(g/cm) / 厚み(μm)}
(4)吸音率
吸音材の吸音率は、音響管法による垂直入射吸音率測定で求めた。なお、ナノファイバー不織布と多孔質型吸音材との積層品については、音をナノファイバー不織布側から入射させた。各サンプルについてN=10での測定を行い、その平均を各サンプルの垂直入射吸音率とした。
[実施例1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが2.4mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角27度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は310nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[実施例2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが1.2mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.5mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角32度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は330nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の7%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[実施例3]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角40度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は340nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[垂直入射吸音率評価1]
前記多孔質型吸音材として市販のポリエステルフェルト(厚さ:10mm,かさ密度:23kg/m、以下「PETフェルト」という)を用い、前記PETフェルト、実施例1、実施例1と前記PETフェルトの積層体(実施例1+PETフェルト)、実施例2と前記PETフェルトの積層体(実施例2+PETフェルト)、及び、実施例3と前記PETフェルトの積層体(実施例3+PETフェルト)の垂直入射吸音率を測定した。結果を図5に示す。なお、実施例2、3については、実施例1とほぼ同等で吸音性能が非常に低かったため、図から省略している。
図5に示されるように、実施例1〜3は、いずれも単体ではほとんど吸音しないが、前記PETフェルトと組み合わせられると、1000〜5000(Hz)の周波数帯域において個々の吸音率の合計以上の吸音率を示し、前記PETフェルト単体の場合に比べて、吸音率が大幅に向上することが確認された。
[実施例4]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが3.6mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角24度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は810nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[実施例5]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが2.7mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.6mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は790nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の12%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[実施例6]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが1.8mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.4mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は820nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[垂直入射吸音率評価2]
垂直入射吸音率評価1と同様、前記多孔質吸音材として前記PETフェルト(厚さ10mm、かさ密度23kg/m)を用い、前記PETフェルト、実施例4、実施例4と前記PETフェルトの積層体(実施例4+PETフェルト)、実施例5と前記PETフェルトの積層体(実施例5+PETフェルト)、及び、実施例6と前記PETフェルトの積層体(実施例6+PETフェルト)の垂直入射吸音率を測定した。結果を図6に示す。なお、実施例5、6については、実施例4とほぼ同等で吸音性能が非常に低かったため、図から省略している。
図6に示されるように、実施例4〜6は、いずれも単体ではほとんど吸音しないが、前記PETフェルトと組み合わせられると、1000〜5000(Hz)の周波数帯域において個々の吸音率の合計以上の吸音率を示し、前記PETフェルト単体の場合に比べて、吸音率が大幅に向上することが確認された。
[実施例7]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが2.4mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角27度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は310nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
[実施例8]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(570dtex、60フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.6mmであり、整流部の長さが1.2mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を20%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.5mmの位置になるように500Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角32度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は330nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の7%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
[実施例9]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角40度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は340nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
[垂直入射吸音率評価3]
垂直入射吸音率評価1、2と同様、前記多孔質吸音材として前記PETフェルト(厚さ10mm、かさ密度23kg/m)を用い、前記PETフェルト、実施例7、実施例7と前記PETフェルトの積層体(実施例7+PETフェルト)、実施例8と前記PETフェルトの積層体(実施例8+PETフェルト)、及び、実施例9と前記PETフェルトの積層体(実施例9+PETフェルト)の垂直入射吸音率を測定した。結果を図7に示す。なお、実施例8、9については、実施例7とほぼ同等で吸音性能が非常に低かったため、図から省略している。
図7に示されるように、実施例7〜9は、いずれも単体ではほとんど吸音しないが、前記PETフェルトと組み合わせられると、1000〜5000(Hz)の周波数帯域において個々の吸音率の合計以上の吸音率を示し、前記PETフェルト単体の場合に比べて、吸音率が大幅に向上することが確認された。
[実施例10]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが3.6mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が30kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.8mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角24度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は810nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の2%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
[実施例11]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが2.7mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が20kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.6mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は790nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の12%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
[実施例12]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが1.8mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.6m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.4mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は820nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の20%を占めていた。また、不織布の空隙率は93%であった。
[垂直入射吸音率評価4]
垂直入射吸音率評価1〜3と同様、前記多孔質吸音材として前記PETフェルト(厚さ10mm、かさ密度23kg/m)を用い、前記PETフェルト、実施例10、実施例10と前記PETフェルトの積層体(実施例10+PETフェルト)、実施例11と前記PETフェルトの積層体(実施例11+PETフェルト)、及び、実施例12と前記PETフェルトの積層体(実施例12+PETフェルト)の垂直入射吸音率を測定した。結果を図8に示す。なお、実施例11、12については、実施例10とほぼ同等で吸音性能が非常に低かったため、図から省略している。
図8に示されるように、実施例10〜12は、いずれも単体ではほとんど吸音しないが、前記PETフェルトと組み合わせられると、1000〜5000(Hz)の周波数帯域において個々の吸音率の合計以上の吸音率を示し、前記PETフェルト単体の場合に比べて、吸音率が大幅に向上することが確認された。
[比較例1]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、25フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が1.0mmであり、整流部の長さが1.0mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を15%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.3m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.3mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角45度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は370nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の26%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[比較例2]
原フィラメントであるマルチフィラメントとして、ポリプロピレン製のマルチフィラメント(830dtex、15フィラメント)を用意した。オリフィスには、整流部の内径が0.9mmであり、整流部の長さが0.9mmのオリフィスを用い、これを10mm間隔で30個並べて配置した。オリフィス占有率を19%とし、延伸室の真空度が10kPaの状態でマルチフィラメントを0.8m/minで供給し、マルチフィラメントの溶融部の中心位置がオリフィス下3.2mmの位置になるように800Wの3mm×30mmの矩形レーザーを照射した。このときオリフィス出口でマルチフィラメントが振動角28度で振動してナノファイバーが生成され、生成されたナノファイバーを基材不織布で受けることにより複合不織布を得た。得られた複合不織布は、ニップ処理を加えた上で巻き取った。得られた複合不織布、より具体的には、基材不織布上に形成されたナノファイバー(3g/m)からなる不織布において、その構成繊維(ナノファイバー)の平均繊維径は830nmであり、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数は、繊維総数の28%を占めていた。また、不織布の空隙率は85%であった。
[考察]
ここで、ナノファイバー不織布は、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2%を下回ると、通気性が悪くなる。このため、そのようなナノファイバー不織布が前記PETフェルトと組み合わせられた場合には、相乗的な吸音性能の向上効果が低下すると推測される。一方、ナノファイバー不織布において、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の20%を上回った場合、すなわち、前記比較例と前記PETフェルトの積層体(比較例1、2+PETフェルト)においては、サンプル採取場所によるバラつきが大きく、垂直入射吸音率を定めることが出来なかった。平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の20%を上回ると個体間バラツキが生じやすくなり、安定した吸音性能の向上効果が得られないと考えられる。よって、ナノファイバー不織布を吸音材用の不織布として用いる場合には、その構成繊維の平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有した相対的に太い繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めるようにするのが好ましいと言える。
なお、以上の実施例・比較例ともに、多孔質型吸音材と積層するナノファイバー不織布の坪量については3g/mとしているが、本発明によるナノファイバー不織布の実施に当たっては、その坪量が3g/m又はその近傍の値に制限されるものではない。多孔質型吸音材と積層するナノファイバー不織布の坪量は、多孔質型吸音材の種類、厚み、積層形態、積層方法、及び/又は、最も吸音させたい周波数帯域に応じて適宜調整され得るものである。
以上に述べてきたとおり、構成繊維の平均繊維径が1μm未満であるいわゆるナノファイバー不織布のうち、平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する(相対的に太い)繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めるナノファイバー不織布は、吸音材の構成要素として好適であり、特に前記多孔質型吸音材と積層して使用されることにより、前記多孔質型吸音材とともに吸音材を構成し、前記多孔質型吸音材単体の場合に比べて、吸音性能を大幅に向上させることができる。

Claims (6)

  1. 多孔質型吸音材と積層して使用されるナノファイバー不織布であって、その構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている、ナノファイバー不織布。
  2. 前記構成繊維の平均繊維径が0.5μm未満である、請求項1に記載のナノファイバー不織布。
  3. 多孔質型吸音材と、
    請求項1又は2に記載のナノファイバー不織布と、
    を含む、吸音材。
  4. 多孔質型吸音材と積層して使用されるナノファイバー不織布の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂からなる原フィラメントを入口側と出口側との圧力差が20kPa以上であるオリフィスに向けて0.3m/min以上0.6m/min以下の送出速度で送り出して当該オリフィスを通過させること、
    前記オリフィスを通過した前記原フィラメントに対して溶融部の中心位置がオリフィス出口の垂直下3mm以上3.8mm以下の位置となるようにレーザー照射を行って、前記原フィラメントを溶融し、オリフィス中心軸に対して24°以上40°以下の振動角で振動させ及び延伸させてナノファイバーを生成すること、及び、
    生成されたナノファイバーをシート状に集積してナノファイバー不織布を形成すること、
    を含み、
    形成されたナノファイバー不織布の構成繊維の平均繊維径が1μm未満であり、かつ、前記平均繊維径の2倍以上10倍以下の繊維径を有する繊維の数が繊維総数の2〜20%を占めている、
    ナノファイバー不織布の製造方法。
  5. 構成繊維の平均繊維径が0.5μm未満である、請求項4に記載のナノファイバー不織布の製造方法。
  6. 多孔質型吸音体と、
    請求項4又は5に記載のナノファイバー不織布の製造方法によって製造されたナノファイバー不織布と、
    を含む、吸音材。
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