JP2017057509A - 転写捺染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高級感のある外観意匠を呈するとともに、肌触りが良好な布地を提供する。
【解決手段】転写捺染方法は、布地11の表面にレース地12を重ね合わせて重畳体10をなす重畳工程と、重畳工程においてなされた重畳体10の表面を加熱押圧してレース地12の網目模様12aに対応する立体模様を布地11の表面に転写捺染する転写捺染工程と、転写捺染工程において転写捺染された布地11からレース地12を剥離する剥離工程と、からなる。重畳工程は、裏面に昇華性染料が付着した表転写紙13をレース地12の表面に重ね合わせる工程を有し、転写捺染工程は、表転写紙13の昇華性染料が昇華してレース地12の網目を通過することによって、布地11の表面にさらに転写捺染する工程を有し、剥離工程は、重畳工程において重ね合わされた表転写紙13をレース地12から剥離する工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、布地に模様を転写捺染する転写捺染方法に関する。
従来の布地の表面には、特に、被服に使用される布地の表面には、外観意匠を向上させるために、各種の模様が印刷されている。さらに、高級感のある外観意匠を呈するために、例えば、網目模様を有するレース地が布地の表面に接着されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−215677号公報
しかしながら、前記従来のレース地が接着された布地を使用した被服では、レース地の表面がざらざらとした触感を有するから、例えば、レース地が皮膚に接触すると、レース地の肌触りが良好でないために、肌荒れ等の皮膚障害を引き起こすといった問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑みて、高級感のある外観意匠を呈するとともに、肌触りが良好な布地を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る転写捺染方法は、布地11の両面のうちの一方の面(表面)にレース地12を重ね合わせて重畳体10をなす重畳工程S1と、重畳工程S1においてなされた重畳体10の両面のうちの一方の面(表面)を加熱押圧してレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを布地11の両面のうちの一方の面(表面)に転写捺染する転写捺染工程S2と、転写捺染工程S2において転写捺染された布地11からレース地12を剥離する剥離工程S3と、を有してなることを特徴としている。
請求項2の発明に係る転写捺染方法は、上記請求項1の転写捺染方法において、重畳工程S1は、昇華性染料13aが付着した表転写紙13(転写紙)をレース地12の両面のうちの一方の面(表面)に重ね合わせる工程をさらに有し、転写捺染工程S2は、表転写紙13(転写紙)の昇華性染料13aが昇華してレース地12の網目を通過することによって、布地11の両面のうち一方の面(表面)にさらに転写捺染する工程をさらに有し、剥離工程S3は、重畳工程S1において重ね合わされた表転写紙13(転写紙)をレース地12から剥離する工程をさらに有してなることを特徴としている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の転写捺染方法において、重畳工程S1は、バックペーパ14(下紙)を布地11の両面のうち他方の面(裏面)に重ね合わせる工程をさらに有し、剥離工程S3は、重畳工程S1において重ね合わされたバックペーパ14(下紙)を布地11から剥離する工程をさらに有してなることを特徴としている。
請求項4の発明は、上記請求項1又は2の転写捺染方法において、重畳工程S1は、昇華性染料15aが付着した裏転写紙15(第2の転写紙)を布地11の両面のうち他方の面(裏面)に重ね合わせる工程をさらに有し、転写捺染工程S2は、裏転写紙15(第2の転写紙)の昇華性染料15aが昇華することによって、布地11の両面のうち他方の面(裏面)にさらに転写捺染する工程をさらに有し、剥離工程S3は、重畳工程S1において重ね合わされた裏転写紙15(第2の転写紙)を布地11から剥離する工程をさらに有してなることを特徴としている。
以下に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係る転写捺染方法では、転写捺染工程S2において、レース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが布地11の両面のうち一方の面(表面)に転写捺染されるから、高級感のある外観意匠を呈することができる。さらに、請求項1の発明に係る転写捺染方法では、剥離工程S3において、レース地12が布地11から剥離され、布地11の両面のうち一方の面(表面)が露出するから、肌触りが良好な布地11を提供することができる。
さらに、請求項1の発明によれば、転写捺染工程S2において、レース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを布地11の両面のうち一方の面(表面)に転写捺染するから、例えば、レース地12の網目模様12aに相当する凹凸型を有する金型ロールを製作する場合に比して、格段に安価な構成で転写捺染を行うことができる。また、転写捺染工程S2において、転写捺染を行ったレース地12は、例えば、漂白や脱色を行うことにより再利用することが可能であるから、転写捺染のコストをさらに低減することができる。
請求項2の発明によれば、転写捺染工程S2において、表転写紙13(転写紙)の昇華性染料13aが昇華してレース地12の網目を通過することによって、布地11の両面のうち一方の面(表面)にさらに転写捺染するから、布地11の外観意匠をより向上させることができる。
さらに、請求項2の発明によれば、転写捺染工程S2において、表転写紙13(転写紙)の昇華性染料13aを昇華して布地11の両面のうち一方の面(表面)に転写捺染するから、従来のオフセット印刷、スクリーン印刷等に使用される転写捺染装置と比較して、転写捺染装置1の消費電力を抑えることができ、これにより、転写捺染装置1から排出される二酸化炭素の排出量を低減することができる。また、請求項2の発明によれば、転写捺染工程S2において、表転写紙13(転写紙)の昇華性染料13aを昇華して布地11の表面に転写捺染するから、転写捺染後の水洗工程が不要になる。したがって、水洗工程に必要な水洗装置、脱水装置、排水装置、乾燥装置等を省略でき、これにより、転写捺染のコストをさらに低減することができる。
請求項3の発明によれば、重畳工程S1において、布地11の両面のうち他方の面(裏面)にバックペーパ14(下紙)が重ね合わせられるから、転写捺染工程S2において、昇華した昇華性染料13aが飛散して重畳体10を搬送する押圧ベルト5が汚染されることを防止できるとともに、加熱ドラム4と押圧ベルト5とで重畳体10の両面のうち一方の面(表面)を挟持して加熱押圧したときに、緩衝部材(クッション)として機能すると同時に、押圧ベルト5が布地11に接触して布地11が傷付くことを抑止できる。
請求項4の発明によれば、転写捺染工程S2において、裏転写紙15(第2の転写紙)の昇華性染料15aが昇華することによって、布地11の両面のうち他方の面(裏面)にさらに転写捺染するから、布地11の外観意匠をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る転写捺染方法による転写捺染装置を例示する側断面図である。 同実施形態に係る転写捺染方法の重畳工程を行うときの重畳体を例示する分解斜視図である。 同実施形態に係る転写捺染方法の転写捺染を行うとき及び転写捺染を行った後の重畳体を例示し、(a)は転写捺染を行うときのレース地の拡大平面図、(b)は転写捺染を行った後の布地の拡大平面図である。 同実施形態に係る転写捺染方法の重畳工程を行うときの重畳体を例示する模式断面図である。 本発明の一実施形態の別の実施形態に係る転写捺染方法の重畳工程を行う前の重畳体を例示する模式断面図である。 本発明の一実施形態のさらに別の実施形態に係る転写捺染方法の重畳工程を行う前の重畳体を例示する模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る転写捺染方法を例示するフローチャートである。
以下に、本発明に係る転写捺染方法による転写捺染装置1の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
転写捺染装置1は、図1に示すように、布地11、レース地12、表転写紙13及びバックペーパ14を前方(図1の右方向)に搬送し、図2及び図4に示すように、表転写紙13、レース地12、布地11及びバックペーパ14の順となるように図2及び図4の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなすようにしている(図7に示す重畳工程S1)。さらに、図1に示すように、加熱ドラム4と押圧ベルト5とで重畳体10を挟持して加熱押圧することによって、図3(b)に示すように、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを転写捺染するとともに、布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aを転写捺染するようにしている(図7に示す転写捺染工程S2)。そしてさらに、図1に示すように、布地11から、レース地12、表転写紙13及びバックペーパ14を剥離することによって(図7に示す剥離工程S3)、立体模様11a及び昇華性染料13aが転写捺染された布地11を連続的に製造することができる昇華転写捺染装置である。ここで、布地11に転写捺染するとは、布地11の表面に立体模様11aを浮き彫り加工(凹凸加工、エンボス加工)すること、及び布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aを染色(捺染)することを意味する。詳細には、レース地12の網目模様12aは、図3(a)に示すように、表裏を貫通する貫通孔(図3(a)において白色で示される部分)によって形成される模様であって、レース(図3(a)において黒色で示される部分)によって囲まれている。そして、図7に示す転写捺染工程S2が行われると、布地11には、図3(b)に示すように、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが形成される。立体模様11aは、レース地12の網目模様12aをなす貫通孔(図3(a)において白色で示される部分)が転写された凸形状の部分であって、図3(b)において黒色で示される部分である。さらに、立体模様11aの全表面には、レース地12の網目模様12aをなす貫通孔(図3(a)において白色で示される部分)を通過した昇華性染料13aが染色される。布地11の図3(b)において白色で示される部分は、レース地12のレース(図3(a)において黒色で示される部分)が転写された凹形状の部分であって、図7に示す転写捺染工程S2が行われるときに昇華性染料13aが透過しないために、染色されない。なお、いずれも図示しないが、転写捺染装置1は、転写捺染を行う前の布地11の布目を矯正する布目矯正装置と、布目が矯正された布地11をセンタリングするセンタリング装置と、転写捺染が行われた後の布地11を検反する検反装置と、を備えている。
布地11は、被服、幕、旗等に使用される基布(布帛、生地)であって、ポリエステル、トリアセテート、アセテート、ナイロン(登録商標)等を単体又は混合して得られた繊維を縦横に組み合わせて織った織布又は不織布である。布地11は、図1に示すように、加熱ドラム4の加熱及び押圧ベルト5の押圧に耐え得る耐熱性及び耐圧性を有するとともに、昇華性染料13aが昇華して染色可能な材料からなり、表面が平滑で肌触りの良好なものである。布地11は、例えば、テトロン(登録商標)ポンジ、テトロン(登録商標)トロピカル等のポリエステル単体(ポリエステル100%)、又はポリエステルに綿、レーヨン、アクリル、ウレタン、ナイロン(登録商標)等を混合した繊維から得られ、あるいは、綿、レーヨン、アクリル、ウレタン、ナイロン(登録商標)等の基布の表面にポリエステルを織り込んで得られる。さらに、布地11は、単色又は多色であって、特に、昇華性染料13aが染色しやすい色が好ましい。
レース地12は、綿、ポリエステル、レーヨン等を単体又は混合して得られた繊維を編み込み、図3(a)に示すように、透かし模様からなる網目模様12aを生成して布状にしたものであって、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを浮き彫り加工(型押し)するための型紙として機能する。レース地12は、図2に示すように、例えば、花柄模様となる網目模様12aが形成される。レース地12は、図1に示すように、加熱ドラム4の加熱及び押圧ベルト5の押圧に耐え得る耐熱性及び耐圧性を有するとともに、布地11よりも硬質な材料からなり、表面がざらざらとした触感を有するものである。レース地12は、例えば、アニオン系のレギュラーポリエステル単体(ポリエステル100%)、又はカチオン可染ポリエステル(ポリエステルCDP)単体(ポリエステル100%)からなる繊維を編み込んで得られる。レース地12は、繰り返し使用するために脱色・漂白が行われ、例えば、ポリエステルの素材色である白色(生成り色、未晒し色)である。
表転写紙13は、図4に示すように、薄紙からなる剥離紙13bと、剥離紙13bの表面にインクジェット印刷等により剥離可能に印刷された昇華性染料13aと、を有する。昇華性染料13aは、例えば、界面活性剤(分散剤)により水溶液中に微小粒子に分散してポリエステル等の疎水性合成繊維を染色する分散染料であって、例えば、150度〜220度の高温で加熱されると昇華する染色インクである。昇華性染料13aは、単色又は多色であって、例えば、単色の昇華性染料13aが剥離紙13bの表面の全面に印刷される。なお、布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aを転写捺染するとき、昇華性染料13aが布地11の表面の立体模様11a上の一部に染色されるように、昇華性染料13aは、剥離紙13bの表面の一部に印刷されていてもよい。
バックペーパ14は、図2及び図4に示すように、布地11の裏面に重ね合わせられ、昇華性染料13aが染み込み可能な薄紙であって、例えば、透過紙、ハトロン紙等が使用される。本実施形態では、図7に示す重畳工程S1において、布地11の裏面にバックペーパ14が重ね合わせられるから、図7に示す転写捺染工程S2において、昇華した昇華性染料13aが飛散して重畳体10を搬送する押圧ベルト5が汚染されることを防止できるとともに、加熱ドラム4と押圧ベルト5とで重畳体10の表面を加熱押圧したときに、緩衝部材として機能すると同時に、押圧ベルト5が布地11に接触して布地11が傷付くことを抑止できる。
転写捺染装置1は、図1に示すように、布地11を上方に繰り出し前方(図1の右方向)に供給する布地供給ロール2aと、布地供給ロール2aの後方(図1の左方向)に配置されレース地12を上方に繰り出し前方に供給する図示しないレース地供給ロールと、布地供給ロール2aの前方に配置されバックペーパ14を前方に供給するバックペーパ供給ロール2bと、バックペーパ供給ロール2bの前方かつ上方に配置され表転写紙13を下方に供給する表転写紙供給ロール2dと、表転写紙供給ロール2dの上方に配置され表転写紙13を下方に供給する表転写紙供給ロール2eと、を備える。布地供給ロール2a、レース地供給ロール、表転写紙供給ロール2d,2e及びバックペーパ供給ロール2bは、それぞれ、円筒状のロールに布地11、レース地12、表転写紙13及びバックペーパ14が巻回されたものである。表転写紙供給ロール2d,2eは、いずれか一方を選択使用可能なものであって、図1では、表転写紙供給ロール2dが使用される。
転写捺染装置1は、図1に示すように、布地供給ロール2aから繰り出された布地11を上方及び前方に案内する案内ロール3a〜3cと、レース地供給ロールから繰り出されたレース地12を前方に繰り出す案内ロール3dと、バックペーパ供給ロール2bから繰り出されたバックペーパ14を上方に繰り出す案内ロール3eと、表転写紙供給ロール2d,2e(図1では、表転写紙供給ロール2d)から繰り出された表転写紙13を下方に繰り出す案内ロール3fと、案内ロール3a〜3fを介して搬送された布地11、レース地12、表転写紙13及びバックペーパ14を、上側から表転写紙13、レース地12、布地11及びバックペーパ14の順となるように重ね合わせて重畳体10をなしたものを挟持して、この重畳体10の表面を押圧加熱するための加熱ドラム4及び押圧ベルト5と、押圧ベルト5の内周部に張力を付与しなら支持する案内ロール6a〜6gと、押圧ベルト5の張力を変更して重畳体10の押圧圧力を調整する張力調整装置6hと、をさらに備える。
案内ロール3a〜3fは、図1に示すように、回転自在に設けられる円筒状のロールであって、布地11、レース地12、表転写紙13及びバックペーパ14の搬出方向を変更するものである。案内ロール3bは、案内ロール3aから繰り出された布地11の裏面と、案内ロール3eから繰り出されたバックペーパ14の表面とを重ね合わせた状態で前方に搬送する。案内ロール3cは、案内ロール3dから繰り出されたレース地12の裏面と、案内ロール3bから繰り出された布地11及びバックペーパ14の重畳物の表面(布地11の表面)とを重ね合わせた状態で前方に搬送する。案内ロール3fから繰り出された表転写紙13の裏面(図4に示す昇華性染料13aが印刷された面)と、案内ロール3cから繰り出されたレース地12、布地11及びバックペーパ14の重畳物の表面(レース地12の表面)とが重ね合わせられた重畳体10が、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に進入する。加熱ドラム4は、図示しない駆動ベルトにより回転自在に設けられる金属製の円筒状部材であって、外周面を加熱可能な図示しないヒータを内部に有する。押圧ベルト5は、例えば、フエルト、不織布等からなる無端ベルト(エンドレスベルト)であって、コ字形状の凹陥部の外周面が加熱ドラム4の外周面に接触するように配置される。押圧ベルト5は、案内ロール6a〜6g及び張力調整装置6hによって張力が付与された状態で支持され、加熱ドラム4の外周面は、押圧ベルト5の外周面によって押圧される。したがって、加熱ドラム4と押圧ベルト5との隙間に進入した重畳体10は、加熱ドラム4の外周面と押圧ベルト5の外周面とで挟持され、加熱押圧される。重畳体10が加熱ドラム4と押圧ベルト5とで挟持されて加熱押圧されることによって、図3(b)に示すように、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが転写捺染されるとともに、布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aが転写捺染される。案内ロール6a〜6gは、押圧ベルト5の内周部を回転可能に支持する円筒状のロールであって、押圧ベルト5を張設して支持するものである。張力調整装置6hは、例えば、空圧シリンダ又は油圧シリンダによって上下方向に移動自在かつ押圧ベルト5の内周部に接触する押圧ロールであって、この押圧ロールを上下方向に移動させることによって押圧ベルト5の張力を調整するものである。加熱ドラム4と押圧ベルト5との隙間に挟持された重畳体10は、加熱ドラム4の回転に伴って、加熱ドラム4の外周面に沿って回転移動して搬送され、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から、押圧ベルト5とともに外方に繰り出される。なお、加熱ドラム4及び押圧ベルト5の回転は、加熱ドラム4又は押圧ベルト5の何れか一方の回転に追従して回転させるか、又は、同時に回転させるか、あるいは、並行して回転させるようにすれば良い。
転写捺染装置1は、図1に示すように、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から外方に繰り出された重畳体10から表転写紙13を剥離する案内ロール7aと、案内ロール7aから剥離された表転写紙13を案内する案内ロール7bと、レース地12、布地11及びバックペーパ14の重畳物からバックペーパ14を剥離する案内ロール7cと、レース地12及び布地11の重畳物を案内する案内ロール7dと、案内ロール7dから案内されたレース地12及び布地11の重畳物からレース地12を剥離する案内ロール7eと、案内ロール7eから案内されたレース地12を引き込む駆動ロール7fと、案内ロール7dから案内されたレース地12及び布地11の重畳物から布地11を剥離して引き込む駆動ロール7gと、駆動ロール7gから繰り出された布地11を案内する案内ロール7h〜7jと、案内ロール7bから繰り出された表転写紙13を巻き取る表転写紙巻取ロール8aと、案内ロール7cから繰り出されたバックペーパ14を巻き取るバックペーパ巻取ロール8bと、駆動ロール7fから繰り出されたレース地12を巻き取る図示しないレース地巻取ロールと、案内ロール7jから繰り出された布地11を巻き取る図示しない布地巻取ロールと、をさらに備える。
案内ロール7a〜7e,7h〜7jは、回転自在に設けられる円筒状のロールであって、布地11、レース地12、表転写紙13及びバックペーパ14の搬出方向を変更するものである。駆動ロール7f,7gは、レース地12及び布地11を引き込み可能に回転する円筒状のロールであって、図示しない駆動ベルトにより回転力が付与されるものである。図示しないレース地巻取ロール、表転写紙巻取ロール8a及びバックペーパ巻取ロール8bは、それぞれ、使用済みのレース地12、表転写紙13及びバックペーパ14を巻き取るものであり、図示しない布地巻取ロールは、立体模様11a及び昇華性染料13aが転写捺染された布地11を巻き取るものである。
次に、上記の転写捺染装置1を使用して布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを転写捺染するより詳細な方法を図7のフローチャートも参照して説明することとする。
まず、図7に示す重畳工程S1は、布地11の表面にレース地12を重ね合わせる工程と、裏面(図4の下面)に昇華性染料13aが付着した表転写紙13をレース地12の表面(図4の上面)に重ね合わせる工程と、バックペーパ14を布地11の裏面(図4の下面)に重ね合わせる工程と、を有する。重畳工程S1では、表転写紙13、レース地12、布地11及びバックペーパ14の順となるように図2及び図4の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなす。詳細には、図1に示すように、布地11は、布地供給ロール2aから繰り出され、案内ロール3a〜3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。バックペーパ14は、バックペーパ供給ロール2bから繰り出され、案内ロール3e,3b,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。バックペーパ14は、案内ロール3bにおいて、布地11の裏面に重ね合わせられる。レース地12は、図示しないレース地供給ロールから繰り出され、案内ロール3d,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。レース地12は、案内ロール3cを介して、布地11及びバックペーパ14の重畳物の表面(布地11の表面)に重ね合わせられる。表転写紙13は、表転写紙供給ロール2d,2e(図1では、表転写紙供給ロール2d)から繰り出され、案内ロール3fを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。表転写紙13は、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間において、レース地12、布地11及びバックペーパ14の重畳物に重ね合わせられ、これにより、表転写紙13、レース地12、布地11及びバックペーパ14の順となるように図2及び図4の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなす。
次に、図7に示す転写捺染工程S2は、重畳体10の表面を加熱押圧してレース地12の網目模様12a(図3(a)参照)に対応する立体模様11a(図3(b)参照)を布地11の表面に転写捺染する工程を有する。転写捺染工程S2は、重畳体10を加熱押圧しながら搬送する工程と、表転写紙13の昇華性染料13aが昇華してレース地12の網目を通過することによって、布地11の表面にさらに転写捺染する工程と、をさらに有する。詳細には、図1に示すように、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に進入した重畳体10は、加熱ドラム4と押圧ベルト5とで挟持されて加熱押圧され、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが転写捺染されるとともに、布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aが転写捺染される。このとき、重畳体10の加熱温度は、150度以上220度以下の範囲であり、重畳体10の押圧圧力は、0.05MPa以上0.7MPa以下の範囲であることが好ましい。また、重畳体10は、加熱ドラム4の回転に伴って、加熱ドラム4の外周面に沿って回転移動して搬送され、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から、押圧ベルト5とともに外方に繰り出される。このとき、重畳体10の搬送速度は、1m/min以上10m/min以下の範囲であることが好ましく、2m/min以上7m/min以下の範囲であることがより好ましい。重畳体10の加熱温度、押圧圧力及び搬送速度を上記の範囲とすることにより、レース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが布地11の表面に確実に転写捺染されるから、さらに高級感のある外観意匠を呈することができる。
次に、図7に示す剥離工程S3は、布地11からレース地12を剥離する工程と、重畳工程S1において重ね合わされた表転写紙13をレース地12から剥離する工程と、重畳工程S1において重ね合わされたバックペーパ14を布地11から剥離する工程と、を有する。詳細には、図1に示すように、表転写紙13は、案内ロール7aによって、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から外方に繰り出された重畳体10から剥離される。バックペーパ14は、案内ロール7cによって、レース地12、布地11及びバックペーパ14の重畳物から剥離される。レース地12は、案内ロール7eによって、レース地12及び布地11の重畳物から剥離される。この結果、立体模様11a及び昇華性染料13aが転写捺染された布地11は、駆動ロール7gによって引き込まれ、案内ロール7h〜7jを介して、図示しない布地巻取ロールに巻き取られる。
しかして、本実施形態によれば、転写捺染方法は、重畳工程S1において、布地11の表面にレース地12を重ね合わせて重畳体10をなし、転写捺染工程S2において、重畳体10の表面を加熱押圧してレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを布地11の表面に転写捺染し、剥離工程S3において、布地11からレース地12を剥離する。また、本実施形態では、転写捺染工程S2において、レース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが布地11の表面に転写捺染されるから、高級感のある外観意匠を呈することができる。さらに、本実施形態によれば、剥離工程S3において、レース地12が布地11から剥離され、布地11の表面がざらざらとした触感を有することがないから、肌触りが良好な布地11を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、転写捺染工程S2において、レース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを布地11の表面に転写捺染するから、例えば、レース地12の網目模様12aに相当する凹凸型を有する金型ロールを製作する場合に比して、格段に安価な構成で転写捺染を行うことができる。また、転写捺染工程S2において、転写捺染を行ったレース地12は、例えば、漂白や脱色を行うことにより再利用することが可能であるから、転写捺染のコストをさらに低減することができる。また、本実施形態によれば、転写捺染工程S2において、表転写紙13の昇華性染料13aが昇華してレース地12の網目を通過することによって、布地11の表面にさらに転写捺染するから、布地11の外観意匠をより向上させることができる。さらに、本実施形態によれば、転写捺染工程S2において、表転写紙13の昇華性染料13aを昇華して布地11の表面に転写捺染するから、従来のオフセット印刷、スクリーン印刷等に使用される転写捺染装置と比較して、転写捺染装置1の消費電力を抑えることができ、これにより、転写捺染装置1から排出される二酸化炭素の排出量を低減することができる。また、本実施形態によれば、転写捺染工程S2において、表転写紙13の昇華性染料13aを昇華して布地11の表面に転写捺染するから、転写捺染後の水洗工程が不要になる。したがって、水洗工程に必要な水洗装置、脱水装置、排水装置、乾燥装置等を省略でき、これにより、転写捺染のコストをさらに低減することができる。
一方、本実施形態の転写捺染装置1は、立体模様11a及び昇華性染料13aが布地11の表面に印刷(片面印刷)されていたが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、バックペーパ14に代えて、裏転写紙15を設けることによって、昇華性染料15aが布地11の裏面に印刷(両面印刷)されていてもよい。
本実施形態の変形例(別実施形態)に係る転写捺染装置1は、図1に示すように、裏転写紙15を上方に繰り出し前方に供給する裏転写紙供給ロール2cをさらに備える。裏転写紙供給ロール2cは、円筒状のロールに裏転写紙15が巻回されたものである。裏転写紙供給ロール2cから繰り出された裏転写紙15は、案内ロール3b,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。案内ロール3bは、案内ロール3aから繰り出された布地11の裏面と、裏転写紙供給ロール2cから繰り出された裏転写紙15の表面(図5に示す昇華性染料15aが印刷された面)とを重ね合わせた状態で前方に搬送する。案内ロール3cは、案内ロール3dから繰り出されたレース地12の裏面と、案内ロール3bから繰り出された布地11及び裏転写紙15の重畳物の表面(布地11の表面)とを重ね合わせた状態で前方に搬送する。案内ロール3fから繰り出された表転写紙13の裏面(図4に示す昇華性染料13aが印刷された面)と、案内ロール3cから繰り出されたレース地12、布地11及び裏転写紙15の重畳物の表面(レース地12の表面)とが重ね合わせられた重畳体10が、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に進入する。加熱ドラム4と押圧ベルト5との隙間に進入した重畳体10は、加熱ドラム4の外周面と押圧ベルト5の外周面とで挟持され、加熱押圧される。重畳体10が加熱ドラム4と押圧ベルト5とで挟持されて加熱押圧されることによって、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが転写捺染されるとともに、布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aが転写捺染されると同時に、布地11の裏面に昇華性染料15aが転写捺染される。加熱ドラム4と押圧ベルト5との隙間に挟持された重畳体10は、加熱ドラム4の回転に伴って、加熱ドラム4の外周面に沿って回転移動して搬送され、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から、押圧ベルト5とともに外方に繰り出される。加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から外方に繰り出された重畳体10は、案内ロール7a,7bによって、表転写紙13が剥離され、案内ロール7cによって、レース地12、布地11及び裏転写紙15の重畳物から裏転写紙15が剥離される。案内ロール7cから繰り出された裏転写紙15は、裏転写紙巻取ロール8cに巻き取られる。なお、裏転写紙巻取ロール8cは、バックペーパ巻取ロール8bと同一のものである。裏転写紙15が剥離されたレース地12及び布地11の重畳物は、案内ロール7eによって、レース地12が剥離される。立体模様11a、昇華性染料13a及び昇華性染料15aが転写捺染された布地11は、駆動ロール7g、案内ロール7h〜7jを介して、図示しない布地巻取ロールに巻き取られる。
裏転写紙15は、図5に示すように、薄紙からなる剥離紙15bと、剥離紙15bの表面にインクジェット印刷等により剥離可能に印刷された昇華性染料15aと、を有する。昇華性染料15aは、昇華性染料13aと同一のものである。裏転写紙15は、布地11の裏面に昇華性染料15aを転写捺染するとき、昇華性染料15aが布地11の裏面の全部に染色されるように、昇華性染料15aは、剥離紙15bの表面の全部に印刷される。
次に、本実施形態の変形例(別実施形態)に係る転写捺染装置1を使用して布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを転写捺染するより詳細な方法を図7のフローチャートも参照して説明することとする。
まず、図7に示す重畳工程S1は、布地11の表面にレース地12を重ね合わせる工程と、裏面(図5の下面)に昇華性染料13aが付着した表転写紙13をレース地12の表面(図5の上面)に重ね合わせる工程と、裏転写紙15を布地11の裏面(図5の下面)に重ね合わせる工程と、を有する。重畳工程S1では、表転写紙13、レース地12、布地11及び裏転写紙15の順となるように図5の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなす。詳細には、図1に示すように、布地11は、布地供給ロール2aから繰り出され、案内ロール3a〜3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。裏転写紙15は、裏転写紙供給ロール2cから繰り出され、案内ロール3b,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。裏転写紙15は、案内ロール3bにおいて、布地11の裏面に重ね合わせられる。レース地12は、図示しないレース地供給ロールから繰り出され、案内ロール3d,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。レース地12は、案内ロール3cにおいて、布地11及び裏転写紙15の重畳物の表面(布地11の表面)に重ね合わせられる。表転写紙13は、表転写紙供給ロール2d,2e(図1では、表転写紙供給ロール2d)から繰り出され、案内ロール3fを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。表転写紙13は、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間において、レース地12、布地11及び裏転写紙15の重畳物に重ね合わせられ、これにより、表転写紙13、レース地12、布地11及び裏転写紙15の順となるように図5の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなす。
次に、図7に示す転写捺染工程S2は、重畳体10の表面を加熱押圧してレース地12の網目模様12a(図3(a)参照)に対応する立体模様11a(図3(b)参照)を布地11の表面に転写捺染する工程を有する。転写捺染工程S2は、重畳体10を加熱押圧しながら搬送する工程と、表転写紙13の昇華性染料13aが昇華してレース地12の網目を通過することによって、布地11の表面にさらに転写捺染する工程と、裏転写紙15の昇華性染料15aが昇華することによって、布地11の裏面にさらに転写捺染する工程と、をさらに有する。詳細には、図1に示すように、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に進入した重畳体10は、加熱ドラム4と押圧ベルト5とで挟持されて加熱押圧され、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが転写捺染されるとともに、布地11の表面の立体模様11a上に昇華性染料13aが転写捺染されると同時に、布地11の裏面に昇華性染料15aが転写捺染される。
次に、図7に示す剥離工程S3は、布地11からレース地12を剥離する工程と、重畳工程S1において重ね合わされた表転写紙13をレース地12から剥離する工程と、重畳工程S1において重ね合わされた裏転写紙15を布地11から剥離する工程と、を有する。詳細には、図1に示すように、表転写紙13は、案内ロール7aによって、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から外方に繰り出された重畳体10から剥離される。裏転写紙15は、案内ロール7cによって、レース地12、布地11及び裏転写紙15の重畳物から剥離される。レース地12は、案内ロール7eによって、レース地12及び布地11の重畳物から剥離される。この結果、立体模様11a、昇華性染料13a及び昇華性染料15aが転写捺染された布地11は、駆動ロール7gによって引き込まれ、案内ロール7h〜7jを介して、図示しない布地巻取ロールに巻き取られる。
しかして、本実施形態の変形例(別実施形態)によれば、転写捺染工程S2において、裏転写紙15の昇華性染料15aが昇華することによって、布地11の裏面にさらに転写捺染するから、布地11の外観意匠をさらに向上させることができる。
また一方、本実施形態の転写捺染装置1では、立体模様11a及び昇華性染料13aが転写捺染されていたが、図6に示すように、表転写紙13を設けないことによって、立体模様11aのみを転写捺染する構成であってもよい。
本実施形態の別の変形例(別実施形態)に係る転写捺染装置1は、図1に示すように、布地供給ロール2aから繰り出された布地11は、案内ロール3a〜3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。レース地供給ロールから繰り出されたレース地12は、案内ロール3d,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。バックペーパ供給ロール2bから繰り出されたバックペーパ14は、案内ロール3eを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。案内ロール3cは、案内ロール3dから繰り出されたレース地12の裏面と、案内ロール3bから繰り出された布地11及びバックペーパ14の重畳物の表面(布地11の表面)とを重ね合わせて重畳体10をなして、この重畳体10が、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に進入する。加熱ドラム4と押圧ベルト5との隙間に進入した重畳体10は、加熱ドラム4の外周面と押圧ベルト5の外周面とで挟持され、加熱押圧される。重畳体10が加熱ドラム4と押圧ベルト5とで挟持されて加熱押圧されることによって、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが転写捺染される。加熱ドラム4と押圧ベルト5との隙間に挟持された重畳体10は、加熱ドラム4の回転に伴って、加熱ドラム4の外周面に沿って回転移動して搬送され、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から、押圧ベルト5とともに外方に繰り出される。加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6gの外周部)との隙間から外方に繰り出された重畳体10は、案内ロール7cによって、バックペーパ14が剥離される。バックペーパ14が剥離されたレース地12及び布地11の重畳物は、案内ロール7eによって、レース地12が剥離される。立体模様11aが転写捺染された布地11は、駆動ロール7g、案内ロール7h〜7jを介して、図示しない布地巻取ロールに巻き取られる。
次に、本実施形態の別の変形例(別実施形態)に係る転写捺染装置1を使用して布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aを転写捺染するより詳細な方法を図7のフローチャートも参照して説明することとする。
まず、図7に示す重畳工程S1は、布地11の表面にレース地12を重ね合わせる工程を有する。重畳工程S1では、レース地12及び布地11の順となるように図6の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなす。詳細には、図1に示すように、布地11は、布地供給ロール2aから繰り出され、案内ロール3a〜3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。レース地12は、図示しないレース地供給ロールから繰り出され、案内ロール3d,3cを介して、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送される。レース地12は、案内ロール3cを介して、布地11の表面に重ね合わせられて加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に搬送され、これにより、レース地12及び布地11の順となるように図6の上側から下方向に重ね合わせて重畳体10をなす。
次に、図7に示す転写捺染工程S2は、重畳体10の表面を加熱押圧してレース地12の網目模様12a(図3(a)参照)に対応する立体模様11a(図3(b)参照)を布地11の表面に転写捺染する工程を有する。転写捺染工程S2は、重畳体10を加熱押圧しながら搬送する工程をさらに有する。詳細には、図1に示すように、加熱ドラム4と押圧ベルト5(案内ロール6aの外周部)との隙間に進入した重畳体10は、加熱ドラム4と押圧ベルト5とで挟持されて加熱押圧され、布地11の表面にレース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが転写捺染される。
次に、図7に示す剥離工程S3は、布地11からレース地12を剥離する工程を有する。詳細には、図1に示すように、バックペーパ14は、案内ロール7cによって、レース地12及び布地11の重畳物から剥離される。レース地12は、案内ロール7eによって、レース地12及び布地11の重畳物から剥離される。この結果、立体模様11aが転写捺染された布地11は、駆動ロール7gによって引き込まれ、案内ロール7h〜7jを介して、図示しない布地巻取ロールに巻き取られる。
しかして、本実施形態の別の変形例(別実施形態)においても、転写捺染工程S2において、レース地12の網目模様12aに対応する立体模様11aが布地11の表面に転写捺染されるから、高級感のある外観意匠を呈することができる。さらに、本実施形態の別の変形例においても、剥離工程S3において、レース地12が布地11から剥離され、布地11の表面が露出するから、肌触りが良好な布地11を提供することができる。
なお、本実施形態の転写捺染装置1は、立体模様11a及び昇華性染料13aが転写捺染された布地11を連続的に製造するドラム式の昇華転写捺染装置であったが、これに限定されるものではなく、例えば、上から表転写紙13、レース地12、布地11及びバックペーパ14の順となるように重ね合わせた重畳体10をプレス台に載置し、平板からなるプレス板で重畳体10の表面を加熱押圧することによって、立体模様11a及び昇華性染料13aが転写捺染された布地11を1枚ずつ製造するプレス式の昇華転写捺染装置であってもよい。
1 転写捺染装置
2a 布地供給ロール
2b バックペーパ供給ロール
2c 裏転写紙供給ロール
2d,2e 表転写紙供給ロール
3a〜3f 案内ロール
4 加熱ドラム
5 押圧ベルト
6a〜6g 案内ロール
6h 張力調整装置
7a〜7e,7h〜7j 案内ロール
7f,7g 駆動ロール
8a 表転写紙巻取ロール
8b バックペーパ巻取ロール
8c 裏転写紙巻取ロール
10 重畳体
11 布地
11a 立体模様
12 レース地
12a 網目模様
13 表転写紙(転写紙)
13a 昇華性染料
13b 剥離紙
14 バックペーパ(下紙)
15 裏転写紙(第2の転写紙)
15a 昇華性染料
15b 剥離紙
S1 重畳工程
S2 転写捺染工程
S3 剥離工程







Claims (4)

  1. 布地の両面のうち一方の面にレース地を重ね合わせて重畳体をなす重畳工程と、
    該重畳工程においてなされた前記重畳体の両面のうち一方の面を加熱押圧して前記レース地の網目模様に対応する立体模様を前記布地の両面のうち一方の面に転写捺染する転写捺染工程と、
    該転写捺染工程において転写捺染された前記布地から前記レース地を剥離する剥離工程と、を有してなる転写捺染方法。
  2. 前記重畳工程は、昇華性染料が付着した転写紙を前記レース地の両面のうち一方の面に重ね合わせる工程をさらに有し、
    前記転写捺染工程は、前記転写紙の前記昇華性染料が昇華して前記レース地の前記網目を通過することによって、前記布地の両面のうち一方の面にさらに転写捺染する工程をさらに有し、
    前記剥離工程は、前記重畳工程において重ね合わされた前記転写紙を前記レース地から剥離する工程をさらに有してなる請求項1に記載の転写捺染方法。
  3. 前記重畳工程は、下紙を前記布地の両面のうち他方の面に重ね合わせる工程をさらに有し、
    前記剥離工程は、前記重畳工程において重ね合わされた前記下紙を前記布地から剥離する工程をさらに有してなる請求項1又は2に記載の転写捺染方法。
  4. 前記重畳工程は、昇華性染料が付着した第2の転写紙を前記布地の両面のうち他方の面に重ね合わせる工程をさらに有し、
    前記転写捺染工程は、前記第2の転写紙の前記昇華性染料が昇華することによって、前記布地の両面のうち他方の面にさらに転写捺染する工程をさらに有し、
    前記剥離工程は、前記重畳工程において重ね合わされた前記第2の転写紙を前記布地から剥離する工程をさらに有してなる請求項1又は2に記載の転写捺染方法。

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