JP2017052209A - ポリ乳酸系積層フィルム、該積層フィルムを用いた熱収縮性積層フィルム、該熱収縮性積層フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び、該成形品を用いた、または該ラベルを装着した容器 - Google Patents
ポリ乳酸系積層フィルム、該積層フィルムを用いた熱収縮性積層フィルム、該熱収縮性積層フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び、該成形品を用いた、または該ラベルを装着した容器 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)とを含む樹脂組成物からなるI層と、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および相溶化剤(D)を含む樹脂組成物からなるII層とを有し、I/II/Iの順に積層された少なくとも3層以上で構成される積層フィルムであって、前記熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)が、下記(a)及び(b)のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とするポリ乳酸系積層フィルム。
(a)ポリシロキサンを含む
(b)脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートのうち少なくとも1つを含む
【選択図】なし
Description
このように、従来技術では、高い透明性とともに、耐破断性等の機械特性にも優れたフィルムを得ることは困難であった。
すなわち本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)とを含む樹脂組成物からなるI層と、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および相溶化剤(D)を含む樹脂組成物からなるII層が、I/II/Iの順に積層された少なくとも3層以上で構成される積層フィルムであって、前記熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)が、下記(a)及び(b)のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とするポリ乳酸系積層フィルムによって達成される。
(a)ポリシロキサンを含む
(b)脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートのうち少なくとも1つを含む
本発明のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)とを含む樹脂組成物からなるI層と、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および相溶化剤(D)を含む樹脂組成物からなるII層が、I/II/Iの順に積層された少なくとも3層以上で構成されるポリ乳酸系積層フィルムである。
本発明のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)とを含む樹脂組成物からなるI層を有する。
本発明のフィルムのI層で使用されるポリ乳酸系樹脂(A)は、D−乳酸もしくはL−乳酸の単独重合体、またはこれらの共重合体であり、具体的には構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、また、D−乳酸とL−乳酸との共重合比の異なる複数の上記共重合体の混合樹脂も含まれる。
D/L比が99より高い、または1未満の場合には、高い結晶性を示し、融点も高く、耐熱性および機械的物性に優れる傾向がある。しかしながら、熱収縮性フィルムとして使用する場合は、通常、印刷および溶剤を用いた製袋工程が伴うため、印刷適性および溶剤シール性を向上させるために構成材料自体の結晶性を適度に下げることが必要となる。また、結晶性が過度に高い場合、延伸時に配向結晶化が進行し、加熱時のフィルム収縮特性が低下する傾向がある。さらに、延伸条件を調整することによって結晶化を抑えたフィルムとしても、熱収縮時に加熱により結晶化が収縮より先に進行してしまい、その結果、収縮ムラや収縮不足を生じてしまう傾向がある。
一方、D/L比が90未満、10より高い場合は、結晶性がほぼ完全になくなってしまうため、その結果、加熱収縮後にラベル同士がぶつかった場合に熱にて融着してしまうなどのトラブルが発生することがある。また、延伸過程において、幅方向に厚みが揃いにくい傾向や、表面の平滑性を付与しにくく、透明性を阻害する傾向がある。
前記範囲にD/L比を調整することにより、このような問題を生じにくく、収縮特性の優れた熱収縮性フィルムを得ることが可能となる。本発明のフィルムでは、D/L比が異なるポリ乳酸系樹脂をブレンドすることも可能である。D/L比が異なるポリ乳酸系樹脂をブレンドすることによりポリ乳酸系樹脂のD/L比を比較的容易に調整できるため好ましい。この場合、複数の乳酸系重合体のD/L比を平均した値が上記範囲内に入るようにすればよい。使用用途に合わせて、D/L比の異なるポリ乳酸系樹脂を2種以上ブレンドし、結晶性を調整することにより、耐熱性と熱収縮特性のバランスをとることができる。
また、前記ジカルボン酸の具体例としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、前記ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロへキサンジメタノール等が挙げられる。
本発明のフィルムのI層で使用される熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)は、下記の(a)及び(b)のうち少なくとも1つを満たすことが重要である。
(a)ポリシロキサンを含む
(b)脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートのうち少なくとも1つを含む
また、ポリエステルエーテル系ポリオールとして、前記脂肪族ジカルボン酸、前記芳香族ジカルボン酸、前記脂肪族ジカルボン酸、及び、そのエステル化合物、または、酸無水物と、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド付加物などのグリコール等、または、これらの混合物との縮合反応物などが挙げられる。
本発明のフィルムのI層を構成する樹脂組成物の、ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)との混合比は、(A)/(B)=97質量%/3質量%〜35質量%/65質量%とすることが好ましい。
熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)の混合比の下限は、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上であり、上限は、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。また、ポリ乳酸系樹脂(A)の混合比の下限は、より好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上であり、上限は、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは92質量%以下である。
熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)の混合比が3質量%以上であれば、I層の耐破断性が向上し、積層構造を有する本発明フィルムにおいても、I層の耐破断性の向上により積層フィルム全体への破断の伝播を抑制することができ、熱収縮フィルムとしての要求品質に十分な引張破断伸度を得ることができる。また、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)の混合比が65質量%以下であれば、透明性を満足することができる。
本発明のII層は、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および相溶化剤(D)からなる樹脂組成物を主成分とする。また、後に説明するとおりII層は内層として配される。
II層で使用されるポリ乳酸系樹脂(A)は、上記I層で使用されるものと同様である。
本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂(C)は、従来一般に公知のものを適宜採用することができ、特に限定されるものではないが、特には軟質ポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。軟質ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上の混合物で用いてもよい。本発明においては中でも、エチレン・α−オレフィン共重合体が、透明性や収縮特性の観点から好適に用いられる。
MFRが上記範囲であれば、透明性、収縮特性等の調整が容易となり、好ましい。
損失弾性率E’’のピーク温度が上記範囲内であれば、フィルムの機械的強度が高く、また延伸性の低下などが起こらず好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂の貯蔵弾性率(E’)は、20℃および70℃の温度下で、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度2℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、−150℃から200℃の範囲で動的粘弾性を測定することにより算出することができる。
本発明において相溶化剤(D)は、ポリ乳酸系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを相溶化させ得るものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリ乳酸系樹脂に対して反応性や親和性を有する部位と、ポリオレフィン系樹脂と親和性を有する部位とを兼ね備えた樹脂が好適に用いられる。
本発明において、前記II層を構成するポリ乳酸系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および相溶化剤(D)の質量比は、前記II層を構成する樹脂組成物100質量%に対して、ポリ乳酸系樹脂(A)が50質量%以上96質量%以下であり、ポリオレフィン系樹脂(C)が3質量%以上35質量%以下であり、相溶化剤(D)が1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明のフィルムの各層には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、さらに、従来公知のその他各種熱可塑性樹脂を含有してもよい。また、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂等を適宜添加することもできる。
その他の樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂以外のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、硬質ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を主成分とした共重合体や、コアシェル型多層構造重合体、及びこれらの変性体などが挙げられる。
これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂は、ポリ乳酸系樹脂との相溶性に優れるため、ポリ乳酸系樹脂とブレンドすることによって収縮特性に影響を及ぼすガラス転移温度の調整や、ポリ乳酸系樹脂中に微分散されることによる更なる耐破断性の付与などに有効である。
また、本発明のフィルムの各層には、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、一般的に使用される添加剤を適宜添加してもよい。前記添加剤としては、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、着色剤などの添加剤が挙げられる。
本発明のフィルムは、I層およびII層が、I/II/Iの順に積層された少なくとも3層を有するものであればよく、必要に応じて、さらにその他の層を適宜追加しても構わない。本発明においては、I層を表裏層に配し、II層を内層に配することで、優れた透明性を実現し、かつ、優れた耐破断性などのフィルム物性バランスを得ることができ、加えて熱収縮性フィルムとした際には、優れた収縮特性を実現することが可能となる。
本発明のフィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。具体的には例えば、押出機等を用いて樹脂を溶融混練し、ペレット状とした後、Tダイ法、チューブラー法、プレス法などによりフィルムを形成する。積層方法としては、共押出法や、各層のフィルムを形成した後に、重ね合わせて熱融着する方法、接着剤等で接合する方法等が挙げられる。
本発明のフィルムを熱収縮性フィルムとする方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムは、80℃温水中に10秒間浸漬させた際の主収縮方向の熱収縮率が20%以上80%以下であることが好ましく、下限については30%以上であることが好ましく、上限に関しては70%以下であることがより好ましい。
上記熱収縮率を上記範囲とするには、後述の本発明の熱収縮性フィルムの製造方法における延伸工程における、延伸速度、延伸温度、延伸倍率、さらには、熱処理や弛緩処理における、温度、時間、脂環率等の延伸条件により調整することができる。
本発明のフィルムの透明性は、JIS K7136に準拠して測定した場合、全ヘイズ値は10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、7%以下であることがさらに好ましい。全ヘイズ値が10%以下であれば、フィルムを装着した被覆体や裏面印刷の視認性を十分に確保することができる。
本発明のフィルムの透明性は、JIS K7136に準拠して測定した場合、内部ヘイズ値は10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、6%以下であることがさらに好ましい。内部ヘイズ値が10%以下であれば、フィルムを装着した被覆体や裏面印刷の視認性を十分に確保することができる。
本発明のフィルムの耐破断性は、引張破断伸度により評価できる。この引張破断伸度は、雰囲気温度0℃の引張試験において、特にラベル用途ではフィルムの引き取り(流れ)方向(MD)で伸び率が100%以上、好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上ある。雰囲気温度0℃での引張破断伸度が100%以上あれば印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じにくくなり、好ましい。また、印刷・製袋などの工程の高速化にともなってフィルムに対してかかる張力が増加するような際にも、引張破断伸度が150%以上あれば破断しづらく、好ましい。上限については特に限定されないが、現在の工程の速度を考えた場合、500%ほどあれば十分だと考えられ、伸びを付与しすぎようとするとその反面フィルムの剛性が低下してしまう傾向となる。
本発明の熱収縮性フィルムは、その用途が特に制限されるものではないが、これを基材として、必要に応じて印刷層、蒸着層、その他機能層を積層して形成することにより、ボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、惣菜容器、乳製品容器などの様々な成形品として用いることができる。
実施例に示す測定及び評価は、次のように行った。実施例では、フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向(または「MD」)、その直角方向を「横」方向(または「TD」)と記載する。
得られた熱収縮性フィルムを縦10mm、横200mmの大きさに切り取り、80℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
○:80℃の熱収縮率が20%以上70%以下の場合
×:80℃の熱収縮率が20%未満、又は70%を超える場合
得られた熱収縮性フィルムを主収縮方向と直交する方向(縦方向、MD)に110mm、主収縮方向に15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度200mm/minで、雰囲気温度23℃/0℃におけるフィルムの主収縮方向と直交する方向(縦方向、MD)での引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定し、下記基準にて判断した。
23℃引張破断伸度(縦方向、MD)
○:引張破断伸度が200%以上である場合
△:引張破断伸度が100%以上である場合
×:引張破断伸度が100%未満である場合
0℃引張破断伸度(縦方向、MD)
○:引張破断伸度が150%以上である場合
△:引張破断伸度が100%以上である場合
×:引張破断伸度が100%未満である場合
得られた熱収縮性フィルムを、JIS K7136に準拠して、全ヘイズ値を測定し、下記基準にて判断した。
○:全ヘイズ値が10%以下の場合
×:全ヘイズ値が10%を超える場合
得られた熱収縮性フィルムを、JIS K7136に準拠して、内部ヘイズ値を測定し、下記基準にて判断した。
○:内部ヘイズ値が10%以下の場合
×:内部ヘイズ値が10%を超える場合
(ポリ乳酸系樹脂(A))
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4043D、D体/L体量=4.25/95.75、「A−1」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4060D、D体/L体量=12/88、「A−2」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4032D、D体/L体量=1.2/98.8、「A−3」と略する。
・大日精化工業社製、商品名:レザミンPS22470、イソシアネート成分:芳香族イソシアネート、ポリオール成分:ポリエーテル系ポリオール、シリコーン成分含有量:16%、「B−1」と略する。
・東ソー社製、商品名:ミラクトランXN−2001、イソシアネート成分:脂肪族イソシアネート、ポリオール成分:ポリカーボネート系ポリオール、「B−2」と略する。
・三井化学社製、商品名:タフマーA4050S、ポリエチレン系樹脂(エチレン/ブテン‐1=72.4/27.6)、「C−1」と略する。
・JSR社製、商品名:ダイナロン8660P、変性スチレン系エラストマー、以下「D−1」と略する。
・旭化成ケミカルズ社製、商品名:タフテックM1943、変性スチレン系エラストマー、以下「D−2」と略する。
・日油社製、商品名:モディパーA5200、(エチレン‐アクリル酸エチル)−メタクリル酸メチルグラフト共重合体(=70/30)、以下「D−3」と略する。
表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を69質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を21質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−3)を5質量%、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B−1)を5質量%の割合で配合し、2軸押出機(スクリュー径35mmφ)に投入し、設定温度200℃で溶融混合し、設定温度200℃のストランドダイスより押出した後、水槽にて冷却した樹脂組成物を、ストランドカッターにより切削し、ペレットを得て、後述する実施例1に示す検討に用いた(I層用樹脂(1)と称する)。
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を65質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を20質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−3)を5質量%、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B−1)を10質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例2に示す検討に用いた(I層用樹脂(2)と称する)。
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を69質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を21質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−3)を5質量%、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B−2)を5質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例3に示す検討に用いた(I層用樹脂(3)と称する)。
また、表1及び2に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を65質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を20質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−3)を5質量%、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B−2)を10質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例4、実施例7〜9、比較例1〜3、及び参考例1に示す検討に用いた(I層用樹脂(4)と称する)。
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を58質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を17質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−3)を5質量%、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B−2)を20質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例5に示す検討に用いた(I層用樹脂(5)と称する)。
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を27質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を8質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−3)を5質量%、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B−2)を60質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例6に示す検討に用いた(I層用樹脂(6)と称する)。
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を58質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を32質量%、ポリオレフィン系樹脂(C−1)を5質量%、相溶化剤(D−1)を5質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例7に示す検討に用いた(II層用樹脂(2)と称する)
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を52質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を28質量%、ポリオレフィン系樹脂(C−1)を15質量%、相溶化剤(D−2)を5質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例8に示す検討に用いた(II層用樹脂(3)と称する)。
また、表1に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を52質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を28質量%、ポリオレフィン系樹脂(C−1)を15質量%、相溶化剤(D−3)を5質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例9に示す検討に用いた(II層用樹脂(4)と称する)。
また、表2に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を36質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を19質量%、ポリオレフィン系樹脂(C−1)40質量%、相溶化剤(D−1)を5質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例1に示す検討に用いた(II層用樹脂(5)と称する)。
また、表2に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を55質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を30質量%、ポリオレフィン系樹脂(C−1)15質量%、と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例2に示す検討に用いた(II層用樹脂(6)と称する)。
また、表2に示す、ポリ乳酸系樹脂(A−1)を65質量%、ポリ乳酸系樹脂(A−2)を35質量%と変更した以外は、上記I層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例3に示す検討に用いた(II層用樹脂(7)と称する)。
2台の単軸押出機(三菱重工社製)、および2種3層マルチマニホールド口金により、I層/II層/I層の積層共押出が可能な設備において、II層を形成する単軸押出機に、先にペレット化したII層用樹脂(1)を導入し、I層を形成する単軸押出機に、I層用樹脂(1)を導入し各押出機設定温度200℃で溶融混合後、各層の厚みが、I層/II層/I層=25μm/150μm/25μmとなるように共押出し、50℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ200μmの未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、予熱82℃、延伸82℃、熱処理82℃、予熱1ゾーン、延伸2ゾーン、熱処理3ゾーンにて、横方向に5倍延伸して、厚さ40μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(2)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をそれぞれI層用樹脂(3)〜(6)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をII層用樹脂(2)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をII層用樹脂(3)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をII層用樹脂(4)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表2に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をII層用樹脂(5)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により積層製膜を実施した。口金−キャストロール間で押出されたシートが大きくネックインし、良好なシートが得られなかった。
表2に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をII層用樹脂(6)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をII層用樹脂(7)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例1におけるI層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更し、II層用樹脂(1)をI層用樹脂(4)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
Claims (10)
- ポリ乳酸系樹脂(A)と熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)とを含む樹脂組成物からなるI層と、ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および相溶化剤(D)を含む樹脂組成物からなるII層とを有し、I/II/Iの順に積層された少なくとも3層以上で構成される積層フィルムであって、前記熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)が、下記(a)及び(b)のうち少なくとも1つを満たすことを特徴とするポリ乳酸系積層フィルム。
(a)ポリシロキサンを含む
(b)脂肪族イソシアネート及び脂環族イソシアネートのうち少なくとも1つを含む - 前記I層を構成する樹脂組成物における、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(B)の含有率が、樹脂組成物全体を100質量%としたとき、3質量%以上65質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系積層フィルム。
- 前記II層を構成する樹脂組成物において、樹脂組成物全体を100質量%としたとき、ポリ乳酸系樹脂(A)を50質量%以上96質量%以下、ポリオレフィン系樹脂(C)を3質量%以上35質量%以下、相溶化剤(D)を1質量%以上15質量%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸系積層フィルム。
- 前記相溶化剤(D)が、熱可塑性樹脂セグメントと、少なくとも1種以上のビニル系単量体から形成されるセグメントとを有するグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリ乳酸系積層フィルム。
- 請求項1から4のいずれかに記載のポリ乳酸系積層フィルムを少なくとも1方向に延伸してなり、80℃温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上80%以下であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
- JIS K7136に準拠した全へーズ値が10%以下であることを特徴とする請求項5に記載の熱収縮性積層フィルム。
- JIS K7136に準拠した内部ヘーズ値が10%以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 請求項5から7いずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品。
- 請求項5から7いずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
- 請求項8に記載の成形品、または請求項9に記載の熱収縮性ラベルを装着した、容器。
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