JP4297911B2 - 熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベルおよび容器 - Google Patents

熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベルおよび容器 Download PDF

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Description

本発明は、植物由来の樹脂を用いた熱収縮性積層フィルムに関し、特に低温収縮性、腰強さ(常温での剛性)、および収縮仕上がり性に優れ、かつ自然収縮率が小さい、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベルおよび容器に関する。
現在、ジュース等の清涼飲料、ビール等のアルコール飲料等は、瓶、ペットボトル等の容器に充填された状態で販売されている。その際、他商品との差異化や商品の視認性を向上させ商品価値を高める目的で、容器の外側に印刷を施した熱収縮性ラベルを装着していることが多い。
上記熱収縮性ラベルの中でも、需要の増大が見込まれるペットボトルのラベル用途等では、比較的短時間かつ低温において高度な収縮仕上がり外観が得られ、小さな自然収縮率を有する熱収縮性フィルムが要求されている。その理由としては、最近のペットボトルに装着されるシュリンクフィルムのラベリング工程における低温化のニーズが挙げられる。すなわち、現在、蒸気シュリンカーを用いて熱収縮フィルムをシュリンクさせてラベリングする方法が主流となっているが、無菌充填や内容物の温度上昇による品質低下を回避するためには、シュリンク工程はできるだけ低温で行うことが望ましい。このような理由から、現在のシュリンクフィルム業界では、ラベリング時に蒸気シュリンカー内でできるだけ低温で収縮を開始し、かつ蒸気シュリンカー通過後に優れた収縮仕上がり特性が得られる熱収縮性フィルムの開発が行われている。
この熱収縮性ラベルの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリスチレン系樹脂が用いられている。これらの樹脂で形成された延伸フィルムは、高い透明性や光沢性、剛性を有し、かつ優れた低温収縮特性を有することから、熱収縮性フィルムとして好適に使用することができる。これに対し、ポリオレフィン(以下、「PO」と略することがある。)系樹脂は、燃焼生成ガスやいわゆる環境ホルモンである内分泌攪乱化学物質に関する問題が比較的少なく、また比重が小さいためゴミ重量の削減につながるという望ましい特徴を有する素材である。しかしながら、このPO系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、フィルムの剛性、低温収縮性が十分ではなく、熱収縮時における収縮が不足し、さらには自然収縮(常温よりやや高い温度、例えば夏場においてフィルムが本来の使用前に少し収縮してしまうこと)が起こりやすいなどといった問題があった。
また、他方では、これらの樹脂は石油由来であるため、石油の枯渇などに関わる問題から、石油由来樹脂の代替樹脂が求められているという現状もある。
石油由来樹脂の代替樹脂の一例として、ポリ乳酸(以下、「PLA」と略することがある。)系樹脂が知られている。PLA系樹脂は、澱粉の発酵により得られる乳酸を原料とする植物由来樹脂であり、化学工学的に量産でき、かつ透明性、剛性等に優れるという特徴を有する。そのため、PLA系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等より優れた低温収縮性と優れた剛性とを兼ね備えた代替材料として、フィルム包装材料分野や射出成形分野において注目されている。
しかしながら、PLA系熱収縮性フィルムは、収縮温度に対し鋭敏な収縮率変化を示すため、均一な収縮が得られにくく、収縮ムラ等の収縮仕上がりの面で問題があった。
一方、PO系樹脂とPLA系樹脂とを組み合わせた積層フィルムも報告されている(特許文献1および2参照)。しかしながら、特許文献1に記載されたフィルムは、表面層で使用されるPO系樹脂の粘度平均分子量が1,000〜7,000と低いため、機械強度や耐熱性などの物性を十分に発現することができず、熱収縮性フィルムの用途としては不適切なものであった。また、特許文献2に記載されたフィルムは、充填材を35〜80質量%含有した外側層を有するため、延伸後のフィルムは透明性を有さず、機械強度に劣っていた。さらに、特許文献2に記載のフィルムは表面に微細孔が多数あるため、印刷性、すべり性などに劣り、ラベル用途として用いることは困難であった。
また、PO系樹脂を主成分とする層とPLA系樹脂を主成分とする層とを有する収縮シートが例示されている(特許文献3参照)。しかしながら、この特許文献3に示されるシートは、PO層を外層とするシートであるため、筒状シール製袋を行う場合、シールが困難であった。また、このシートはインフレーション法により成形された収縮シートであり、低温高収縮が必要とされるボトル用ラベルとして使用した場合には、十分な低温収縮特性が得られないという欠点があった。
また、PLA系樹脂とPO系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)との積層フィルムも例示されている(特許文献4および5参照)。しかしながら、これらの発明は、ヒートシール性を与える目的でEVA層をフィルムの表裏層として導入するものであり、本発明の目的とする効果(すなわち収縮仕上がり性、透明性、溶剤シール性など)は得られなかった。
特開2003−276144号公報 特開2002−347184号公報 特開2002−019053号公報 特開2000−108202号公報 特開2004−262029号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、植物由来の樹脂を用いた、優れた低温収縮性、腰強さ(常温での剛性)、および収縮仕上がり性を有し、かつ自然収縮率が小さい、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルム、および該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、ならびに該ラベルを備えた容器を提供することにある。
本発明者は、積層フィルムを形成する表裏層と中間層、さらには接着層の各組成を鋭意検討した結果、上記従来技術の課題を解決し得る積層フィルムを得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は、中間層と、該中間層の両側に積層された表裏層の少なくとも3層を有する熱収縮性積層フィルムであって、上記中間層が少なくとも1種のPO系樹脂を主成分とする層で構成され、上記表裏層が少なくとも1種のPLA系樹脂を主成分とする層で構成され、かつ80℃の温水中で10秒間加熱したときのフィルム主収縮方向の熱収縮率が30%以上であり、かつ80℃の温水中で10秒間加熱したときのフィルム主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が10%以下であることを特徴とする熱収縮性積層フィルムによって解決することができる。
本発明のもう一つの課題は、上記熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品または該熱収縮性ラベルを装着した容器により達成される。
本発明の熱収縮性積層フィルムは、表裏層がPLA系樹脂層、中間層がPO系樹脂層でそれぞれ構成されるため、本発明によれば、PLA系樹脂単独またはPO系樹脂単独で構成される熱収縮性フィルムでは得られなかった、優れた低温収縮性、腰強さ(常温での剛性)、収縮仕上がり性を兼ね備え、かつ自然収縮率が小さい、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムが得られる。また、本発明に使用するPLA系樹脂は植物由来の樹脂であるため、本発明の熱収縮性積層フィルムによれば、バイオマスの利用を促進し、循環型社会を目指す上で好適である。
また、本発明の成形品、熱収縮ラベルは、本発明の熱収縮性積層フィルムが用いられているため、本発明によれば、腰強さ、収縮仕上がり性の良好な成形品、熱収縮性ラベルを提供することができる。さらに、本発明の容器は、上記成形品または熱収縮性ラベルを装着しているため、本発明によれば、外観の見栄えの良好な容器を提供することができる。
以下、本発明の熱収縮性積層フィルム、成形品、熱収縮性ラベル、ならびに該成形品およびラベルを装着した容器(以下「本発明のフィルム」、「本発明の成形品」、「本発明のラベル」および「本発明の容器」という。)について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、各層を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各層の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上かつ100質量%以下を占める成分である。
[熱収縮性積層フィルム]
本発明のフィルムの第一の態様は、PO系樹脂を主成分とする中間層と、該中間層の両面に形成されたPLA系樹脂を主成分とする表裏層により構成される少なくとも3層を有する。
<表裏層>
本発明のフィルムにおいて、表裏層はPLA系樹脂を主成分とする組成物で構成される。本発明のフィルムは、表裏層がPLA系樹脂を主成分とする組成物からなる層で構成されているため、以下の利点を有する。第一に、表裏層がポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリスチレン系樹脂で構成される熱収縮性フィルムよりも優れた低温収縮性と剛性が得られる。第二に、表裏層がPO系樹脂で構成される熱収縮性フィルムよりも印刷時に良好なインキ密着性が得られるため、製膜後のコロナ処理等を省略でき、製造工程を簡略化できる。第三に、製袋時にTHFなどの溶剤によるシールが良好であるため、シール時における接着剤の使用を省略することができ、製造コストの低廉化に資することができる。
本発明のフィルムで使用されるPLA系樹脂の種類は特に制限されないが、構造単位がL−乳酸とD−乳酸との共重合体(ポリ(DL−乳酸))、およびこれらの共重合体の混合物を好適に用いることができる。
構造単位がL−乳酸およびD−乳酸である共重合体は、D−乳酸とL−乳酸との共重合比がD−乳酸/L−乳酸=99.5/0.5〜85/15、またはD−乳酸/L−乳酸=0.5/99.5〜15/85、好ましくはD−乳酸/L−乳酸=99/1〜87/13またはD−乳酸/L−乳酸=1/99〜13/87であることが望ましい。かかる共重合比のPLA系樹脂であれば、結晶性が低くなりすぎて耐熱性に劣り、フィルム同士の融着が起こるというような不具合が生じることがない。
また本発明のフィルムでは、L−乳酸(以下、L体と称すこともある)とD−乳酸(以下、D体と称すともある)の共重合比が異なる複数のPLA系樹脂をブレンドしてもよい。この場合、複数のPLA系樹脂のL体とD体の共重合比の平均値が上記範囲に入るようにブレンドすることが好ましい。
上記PLA系樹脂は、縮合重合法、開環重合法等の各種の公知の方法を採用して重合することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸またはD−乳酸、あるいはこれらの混合物等を直接脱水縮合重合して、任意の組成を有するPLA系樹脂が得られる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを必要に応じて重合調整剤等を用いながら、適当な触媒、例えばオクチル酸スズ等を使用することによりPLA系樹脂が得られる。ラクチドには、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、さらに、L−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性を有するPLA系樹脂が得られる。
本発明において、耐熱性を向上させる等の目的で、上記PLA系樹脂の本質的な性質を損なわない範囲であれば、少量の共重合成分として乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸、テレフタル酸等の非脂肪族ジカルボン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の非脂肪族ジオール、エチレングリコール等の脂肪族ジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。また、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を使用することもできる。
乳酸以外のα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、および、ドデカン二酸等が挙げられる。
乳酸と、α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、または脂肪族ジカルボン酸との共重合体の共重合比は乳酸:α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、または脂肪族ジカルボン酸=90:10〜10:90の範囲であることが好ましく、80:20〜20:80であることがより好ましく、30:70〜70:30であることがさらに好ましい。共重合比が上記範囲内であれば、剛性、透明性、耐衝撃性などの物性バランスの良好なフィルムを得ることができる。
本発明において使用されるPLA系樹脂は、重量平均分子量の下限値が50,000、好ましくは100,000であり、上限値が400,000、好ましくは300,000、さらに好ましくは250,000であることが望ましい。PLA系樹脂の重量平均分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高くなりすぎて成形加工性に劣ることがある。
本発明のフィルムにおいて、好ましく使用されるPLA系樹脂の代表的なものとしては、三井化学(株)製の「レイシア」、NatureWorks LLC社製の「Nature Works」等が商業的に入手されるものとして挙げられる。
また、本発明のフィルムは、耐衝撃性や耐寒性を向上させる等のために、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の脂肪族ポリエステル樹脂や、芳香族ポリエステル樹脂などを、PLA系樹脂100質量部に対して70質量部以下の範囲でブレンドしてもよい。このような脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステル、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル等のPLA系樹脂を除く脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
具体的には、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール、またはこれらの無水物や誘導体と、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれらの無水物や誘導体の中からそれぞれ1種類以上選んで縮合重合することにより得られる。この際に、必要に応じてイソシアネート化合物等を添加することにより、所望のポリマーを得ることができる。
また、耐熱性や機械強度を高めるために、ジカルボン酸成分として50モル%以下のテレフタル酸等の芳香族モノマー成分を共重合してもよい。このような成分を含むPLA系樹脂として、例えば、商品名「イースターバイオ」(イーストマンケミカルズ社製)や、商品名「エコフレックス」(BASF社製)が挙げられる。
また、環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルとしては、環状モノマーとして、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等から1種類以上を選択して、重合することにより得られる脂肪族ポリエステルが挙げられる。このように、ε−カプロラクトンを開環縮合して得られるものとしては、例えば「セルグリーン」(ダイセル化学工業社製)などが商業的に入手できる。
また、合成系脂肪族ポリエステルとしては、無水コハク酸等の環状酸無水物と、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のオキシラン類との共重合体等が挙げられる。
さらに、本発明のフィルムは、PLA系樹脂とジオールとジカルボン酸の共重合体も好適に用いることができる。この共重合体の構造としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられ、いずれの構造でもよい。但し、フィルムの耐衝撃性および透明性の観点から、ブロック共重合体またはグラフト共重合体が好ましい。
PLA系樹脂とジオールとジカルボン酸とのランダム共重合体の具体例としては、例えば「GS−Pla」(三菱化学社製)が挙げられ、またブロック共重合体またはグラフト共重合体の具体例としては、例えば「プラメート」(大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
<中間層>
本発明のフィルムにおいて、中間層はPO系樹脂を主成分とする組成物からなる層である。
本発明のフィルムで用いられるPO系樹脂は特に限定されない。使用可能なPO系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体が挙げられる。中でも、熱収縮率と成形性との観点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、重合方法や共重合成分などにより多様な種類が存在するため、その範囲に特に限定されるものではない。好ましい種類を以下に示す。
本発明で用いられるポリエチレン系樹脂としては、通常、密度が0.94g/cm3以上0.97g/cm3以下の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、密度が0.92g/cm3以上0.94g/cm3以下の中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、密度が0.92g/cm3未満の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が挙げられる。この中でも延伸性、フィルムの耐衝撃性、透明性等の観点からは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が特に好適に用いられる。
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)としては、エチレンと炭素数3以上20以下、好ましくは炭素数4以上12以下のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。この中でも1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いても構わない。
また、上記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.800g/cm3以上が好ましく、0.850g/cm3以上がより好ましく、0.900g/cm3以上がさらに好ましく、また上限は0.950g/cm3以下が好ましく、0.940g/cm3以下がより好ましく、0.930g/cm3以下がさらに好ましい。密度が0.800g/cm3以上であればフィルム全体の腰(常温での剛性)や耐熱性を著しく低下させないため、実用上好ましい。一方、密度が0.950g/cm3以下であれば、低温での延伸性が維持され、実用温度域(70℃以上90℃以下程度)の熱収縮率が充分得ることができる点で好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR:JIS K7210、温度:190℃、荷重:2.16kg)が0.1g/10分以上10g/10分以下のものが好適に用いられる。MFRが0.1g/10分以上であれば、押出加工性を良好に維持でき、一方、MFRが10g/10分以下であれば積層フィルムの厚み斑や力学強度の低下を起こしにくく、好ましい。
次に、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンゴムなどが挙げられる。これら中でも延伸性、透明性、剛性などの観点から、ランダムポリプロピレン樹脂が特に好適に使用される。
上記ランダムポリプロピレン樹脂において、プロピレンと共重合させるα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数2以上20以下、より好ましくは炭素数4以上12以下のものが挙げられ、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどを例示できる。本発明においては、延伸性、熱収縮特性、フィルムの耐衝撃性や透明性、剛性等の観点から、α−オレフィンとしてエチレン単位の含有率が2質量%以上10質量%以下のランダムポリプロピレンが特に好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いても構わない。
また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K7210、温度:230℃、荷重:2.16kg)が、0.5g/10分以上、好ましくは1.0g/10分以上であり、かつ15g/10分以下、好ましくは10g/10分以下であることが望ましい。
これらのポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、より具体的には、ポリエチレン系樹脂として商品名「ノバテックHD、LD、LL」「カーネル」「タフマーA,P」(日本ポリエチ社製)、「サンテックHD,LD」(旭化成社製)、「HIZEX」「ULTZEX」「EVOLUE」(三井化学社製)、「モアテック」(出光興産社製)、「UBEポリエチレン」「UMERIT」(宇部興産社製)、「NUCポリエチレン」「ナックフレックス」(日本ユニカー社製)、「Engage」(ダウケミカル社製)などとして市販されている。またポリプロピレン系樹脂として商品名「ノバテックPP」「WINTEC」「タフマーXR」(日本ポリプロ社製)、「三井ポリプロ」(三井化学社製)、「住友ノーブレン」「タフセレン」「エクセレンEPX」(住友化学社製)、「IDEMITSU PP」「IDEMITSU TPO」(出光興産社製)、「Adflex」「Adsyl」(サンアロマー社製)などとして市販されている。これらの共重合体は、各々単独に、または2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明のフィルムは、さらにPO系樹脂として、上記エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体も好適に用いることができる。エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体を例示すれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性、経済性の観点からエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好適に使用される。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体のエチレン含有率は50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、かつ95質量%以下、好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下であるものが望ましい。エチレン含有率が50質量%以上であれば、フィルム全体の剛性と耐熱性とを良好に維持できる。またエチレン含有率が95質量%以下であれば、フィルムの耐破断性に対する効果が十分に得られるほか、透明性も維持できるため好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の市販品としては、例えば、「エバフレックス」(三井デュポンポリケミカル社製)、「ノバテックEVA」(三菱化学社製)、「エバスレン」(大日本インキ化学工業社製)、「エバテート」(住友化学社製)が挙げられる。また、エチレン/エチルアクリレート共重合体(EEA)の市販品としては、例えば「エバフレックスEEA」(三井デュポンポリケミカル社製)、エチレン/メチルアクリレート共重合体としては「エルバロイAC」(三井デュポンポリケミカル社製)などがそれぞれ挙げられる。
上記エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体のMFRは、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:2.16kg)が、0.5g/10分以上、好ましくは1.0g/10分以上であり、かつ15g/10分以下、好ましくは10g/10分以下であることが望ましい。
本発明で使用されるPO系樹脂は、重量平均分子量の下限値が50,000、好ましくは100,000であり、上限値が700,000、好ましくは600,000、さらに好ましくは500,000であることが好ましい。PO系樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であれば、所望の機械物性や耐熱性等の実用物性を発現でき、また適度な溶融粘度が得られ、良好な成形加工性が得られる。
また、上記PO系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
さらに、本発明においては、PO系樹脂に収縮率を調整するなどの用途のため、必要に応じて石油樹脂などを適当量添加することができる。石油樹脂を添加することにより、低温での延伸性が維持でき、熱収縮特性の向上が期待できる。
上記石油樹脂としては、シクロペンタジエンまたはその二量体からの脂環式石油樹脂やC成分からの芳香族石油樹脂が挙げられる。石油樹脂は、PO系樹脂等に混合した場合に比較的良好な相溶性を示すことが知られているが、色調、熱安定性および、相溶性から水素添加誘導体を用いることが好ましい。
具体的には、三井化学(株)の商品名「ハイレッツ」、「ペトロジン」、荒川化学工業(株)の商品名「アルコン」、出光石油化学(株)の商品名「アイマーブ」、トーネックス(株)の商品名「エスコレッツ」等の市販品を用いることができる。
石油樹脂は、主に分子量に応じて種々の軟化温度を有するものがあるが、本発明においては、軟化温度が100℃以上150℃以下、好ましくは110℃以上140℃以下のものが好適に用いられる。石油樹脂の軟化温度が100℃以上であれば、PO系樹脂に混合した際に、シート表面に石油樹脂がブリードし、ブロッキングを招いたり、シート全体の機械的強度が低下して破れやすくなったりすることがなく、実用的好ましい。一方、軟化温度が150℃以下であれば、PO系樹脂との相溶性が良好に維持され、経時的にフィルム表面に石油樹脂がブリードし、ブロッキングや透明性の低下を招いたりすることがなく、好ましい。
中間層に添加する石油樹脂の混合量は、中間層を構成するPO系樹脂100質量部に対し、5質量部以上80質量部以下であることが好ましい。石油樹脂の混合量が5質量部以上であれば、フィルム表面の光沢度や収縮特性の向上効果が得られる。一方、石油樹脂の混合量が80質量部以下であれば、経時的に表面に石油樹脂がブリードし、フィルム同士がブロッキングしやすくなったり、耐衝撃性が低下したりするなどの問題の発生を抑えることができる。これらのことから中間層に添加する石油樹脂の混合量は、中間層を構成する樹脂100質量部に対し、10質量部以上60質量部以下であることがより好ましい。
中間層は、その他、表裏層を構成する樹脂を含むことができる。PLA系樹脂は、表裏層で用いられるPO系樹脂と比較的近い屈折率を有するため、フィルムの耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂を添加した場合に透明性が阻害されることなく、良好な透明性を維持できる。
中間層に添加できる表裏層を構成する樹脂の含有量は、中間層を構成するPO系樹脂100質量部に対して表裏層を構成する樹脂50質量部以下、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下の範囲であることが望ましい。中間層を構成するPO系樹脂100質量部に対し、表裏層を構成する樹脂を50質量部以下とすることにより、得られる積層フィルムの透明性を維持できる。
<接着層>
本発明のフィルムの第2の態様としては、上記中間層と上記表裏層の間に接着性の向上を目的とした接着層を有する態様を例示することができる。
本発明で用いられる接着層は、接着性樹脂を主成分とする。
接着性樹脂としては上記中間層と表裏層の層間接着性を向上させるものであれば特に限定されないが、表裏層のPLA系樹脂に対し、反応性または親和性を有する部位と、中間層のPO系樹脂と親和性を有する部位とを兼ね備えた樹脂が好適に用いられる。
ここで、「PLA系樹脂に対し反応性または親和性を有する」とは、PLA系樹脂と親和性の高い官能基またはPLA系樹脂と反応し得る官能基を有することを意味する。そのような特性を有する官能基の例としては、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、またはオキサゾリン基などの官能基が挙げられ、中でも酸無水物基、カルボン酸基、またはカルボン酸エステル基が好ましい。
また、「中間層のPO系樹脂と親和性を有する部位」とは、PO系樹脂と親和性のある連鎖を有することを意味し、より詳しくは、直鎖または分岐した飽和炭化水素部位を主鎖、あるいはブロック鎖、グラフト鎖として有することを意味する。
また接着層に用いる、その他の好ましい樹脂としては、軟質PO系樹脂や、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、またはその水素添加樹脂が挙げられる。具体例としては、軟質PO系樹脂として軟質な直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、低結晶性ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体としてスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体などが挙げられる。
上記PLA系樹脂と親和性の高い、または反応可能な極性基を有し、かつPO系樹脂と相溶可能な樹脂の具体的な商品としては、酸変性ポリオレフィン樹脂として「アドマー」(三井化学社製)、「モディック」(三菱化学社製)、「モディパー」(日本油脂社製)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体として「ボンダイン」(住友化学社製)、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体として「ボンドファースト」(住友化学社製)、酸変性スチレン系熱可塑性樹脂として商品名「タフテックM」(旭化成ケミカルズ社製)、「エポフレンド」(ダイセル化学社製)、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、またはその水素添加樹脂として「タフテックH」(旭化成ケミカルズ社製)、「クレイトン」(JSRクレイトンポリマー社製)、「ダイナロン」(JSR社製)、「セプトン」(クラレ社製)、「ハイブラー」(クラレ社製)、「タフプレン」(旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明の第2態様において、中間層は表裏層で用いられるPLA系樹脂や接着層で用いられる接着性樹脂を含むことができる。中間層に表裏層および/または接着層で用いられる樹脂を含ませることができれば、例えばフィルムの耳などのトリミングロス等から発生するリサイクルフィルムを再利用することができ、製造コストを削減することができる。中間層が表裏層を構成する樹脂を含む場合、中間層を構成するPO系樹脂100質量部に対し、表裏層を構成する樹脂を50質量部以下、好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下とすることが望ましい。表裏層を構成する樹脂が50質量部以下であれば、フィルムの機械的強度を低下させることなく、再生添加時の透明性を維持することができる。同様に中間層が接着層を構成する樹脂を含む場合、中間層を構成するPO系樹脂100質量部に対し、接着層を構成する樹脂を1質量部以上30質量部以下、好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下とすることが望ましい。
本発明では、表裏層、中間層、接着層には、上述した成分のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、成形加工性、生産性および熱収縮性フィルムの諸物性を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を適宜添加できる。
<フィルムの層構成>
本発明のフィルムは、少なくとも1種のPO系樹脂を主成分とする中間層と、該中間層の両面に積層された少なくとも1種のPLA系樹脂を主成分とする表裏層とから構成される。本発明のフィルムは、屈折率が比較的近いPO系樹脂とPLA樹脂とからなる熱収縮性フィルムであるため、フィルムの耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂を添加した際にも、フィルムの透明性を確保することができる。
本発明のフィルムは、少なくとも上記3層を有すれば、層構成は特に限定されるものではない。ここで、「中間層の両面に積層された表裏層」とは、中間層に隣接して表裏層が積層される場合(第一の態様)のみならず、中間層と表裏層の間に第3の層(例えば、第二の態様)を有する場合も含まれる。また、中間層は表裏層と同様の層を含んでいても構わない。
本発明において、フィルムの積層構成は、表裏層/中間層/表裏層からなる3層構成であり、より好ましい層構成は表裏層/接着層/中間層/接着層/表裏層からなる5層構成である。この層構成を採用することにより、本発明の目的である低温収縮性、フィルムの腰(常温での剛性)、収縮仕上がり性に優れ、かつ自然収縮が小さく、フィルムの層間剥離が抑制された、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムを生産性、経済性よく得ることができる。
次に、本発明の好適な実施形態の例である表裏層と中間層とからなる表裏層/中間層/接着層の3層構成のフィルム、および表裏層/接着層/中間層/接着層/表裏層からなる5層構成のフィルムについて説明する。
各層の厚み比は、上述した作用効果を考慮して設定すればよく、特に限定されるものではない。フィルム全体の厚みに対する表裏層の厚み比は10%以上、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上であり、かつ80%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは50%以下、最も好ましくは45%以下の範囲にすることができる。またフィルム全体の厚みに対する中間層の厚み比は、10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは30% 以上であり、かつ90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下である。
中間層と表裏層との間に接着層を有する場合、接着層はその機能から、0.5μm以上、好ましくは0.75μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、6μm以下、好ましくは5μm以下である。
各層の厚み比が上記範囲内であれば、フィルムの低温収縮性、腰強さ(常温での剛性)、収縮仕上がり性に優れ、かつ自然収縮が小さく、フィルムの層間剥離が抑制された、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムが得ることができる。
本発明のフィルムの総厚みは特に限定されるものではないが、透明性、収縮加工性、原料コスト等の観点からは薄い方が好ましい。具体的には延伸後のフィルムの総厚みが80μm以下であり、好ましくは70μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下であり、最も好ましくは40μm以下である。また、フィルムの総厚みの下限は特に限定されないが、フィルムのハンドリング性を考慮すると、10μm以上であることが好ましい。
<物理的性質>
(1)熱収縮率
本発明のフィルムは、80℃温水中で10秒間加熱したときの熱収縮率が少なくとも一方向において30%以上であることが重要である。この熱収縮率は、ペットボトルの収縮ラベル用途等の比較的短時間(数秒〜十数秒程度)での収縮加工工程への適応性を判断する指標となる。例えばペットボトルの収縮ラベル用途に適用される熱収縮性フィルムに要求される必要収縮率はその形状によって様々であるが一般に20%以上70%以下程度である。
また、現在ペットボトルのラベル装着用途に工業的に最も多く用いられている収縮加工機としては、収縮加工を行う加熱媒体として水蒸気を用いる蒸気シュリンカーと一般に呼ばれているものである。さらに熱収縮性フィルムは被覆対象物への熱の影響などの点からできるだけ低い温度で十分熱収縮することが必要である。
このような工業生産性も考慮して、上記条件における熱収縮率が30%以上のフィルムであれば、収縮加工時間内に十分に被覆対象物に密着することができるため好ましい。これらのことから、80℃温水中で10秒間加熱したときの熱収縮率は、少なくとも一方向、通常は主収縮方向に30%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上であり、70%以下、好ましくは65%以下、さらに好ましくは60%以下である。
なお、本明細書において「主収縮方向」とは、縦方向(長手方向)と横方向(幅方向)のうち熱収縮率の大きい方向を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向を意味し、「直交方向」とは主収縮方向と直交する方向を意味する。また本明細書の実施例では、積層フィルムの引き取り(流れ)方向およびその直角方向は、それぞれ「直交方向」および「主収縮方向」と一致するものとする。
また、本発明のフィルムが熱収縮性ラベルとして用いられる場合、直交方向の熱収縮率は、80℃温水中で10秒間加熱したときは10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。直交方向の熱収縮率が10%以下のフィルムであれば、収縮後のフィルム主収縮方向と直交する方向の寸法自体が短くなったり、収縮後の印刷柄や文字の歪み等が生じやすかったり、角型ボトルの場合においては縦ひけ等のトラブルが発生し難く、好ましい。
本発明のフィルムは、70℃温水中で10秒間加熱したときのフィルム主収縮方向の熱収縮率が5%以上、好ましくは7%以上、さらに好ましくは10%以上であり、かつ50%未満、好ましくは45%以下、さらに好ましくは40%以下である。70℃におけるフィルム主収縮方向の熱収縮率の下限を5%とすることにより、蒸気シュリンカーでボトル装着を行う際に、局部的に発生し得る収縮ムラを抑え、結果的にシワ、アバタ等の形成を抑えることができる。また、熱収縮率の上限を50%未満とすることにより、低温における極端な収縮を抑えることができ、例えば、夏場などの高温環境下においても自然収縮を小さく維持することができる。
また、70℃温水中で10秒間加熱したときのフィルム直交方向の熱収縮率は10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が10%以下のフィルムであれば、収縮後の主収縮方向と直交する方向の寸法自体が短くなったり、収縮後の印刷柄や文字の歪み等が生じやすかったり、角型ボトルの場合においては縦ひけ等のトラブルが発生し難く、好ましい。
本発明のフィルムにおいて、70℃および80℃の温水中に10秒浸漬したときの熱収縮率を上記範囲に調整するためには、樹脂組成を本発明で記載するように調整するとともに、延伸温度を後述する範囲に調整することが好ましい。例えば、主収縮方向の熱収縮率をより増加させたい場合には、表裏層の厚み比率を高くする、延伸倍率を高くする、延伸温度を低くする等の手段を用いるとよい。
本発明のフィルムの自然収縮率はできるだけ小さいほうが望ましいが、一般的に熱収縮性フィルムの自然収縮率は、例えば、30℃で30日保存後の自然収縮率が3.0%以下、好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下であることが望ましい。上記条件下における自然収縮率が3.0%であれば作製したフィルムを長期保存する場合であっても容器等に安定して装着することができ、実用上問題を生じにくい。
本発明のフィルムにおいて、フィルムの自然収縮率を調整する手段としては、各層の樹脂組成を本発明で規定する範囲とすることが重要であるが、特に表裏層のフィルム全体の厚みに対する厚み比率を増加させることで調整可能である。
本発明のフィルムの透明性は、再利用品を添加した場合を含め、透明性が要求される用途、例えば、フィルムの裏面に印刷された印刷面を表面から視認させるような用途においては、厚み50μmのフィルムをJIS K7105に準拠して測定した場合、ヘーズ値は10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。ヘーズ値が10%以下であれば、フィルムの透明性が得られ、ディスプレー効果を奏することができる。
また、本発明においては、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度2℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、測定温度が−150℃から150℃の範囲で、フィルム延伸方向と直交する方向について動的粘弾性を測定した際の、20℃における貯蔵弾性率(E’)が1,200MPa以上3,000MPa以下の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは1,200MPa以上2,500MPa以下の範囲である。貯蔵弾性率E’が1,200MPa以上であれば、フィルム全体としての腰(常温での剛性)を高くすることができ、フィルムが柔らかくなり過ぎて変形しやすくなり、印刷、製袋等の2次加工時にロールテンションによってフィルムが伸びるなどの不具合や、フィルムの厚みを薄くした場合において、ペットボトルなどの容器に製袋したフィルムをラベリングマシンなどで被せる際に、斜めに被ったり、フィルムの腰折れなどで歩留まりが低下したりしやすいなどの問題点が発生し難いため、好ましい。一方、貯蔵弾性率E’が3,000MPa以内であれば、硬くて伸びにくいフィルムになり、2次加工時にシワが入りやすくなる、使用時にカサカサした感触を感じさせるといった不具合が起きないため、好ましい。
フィルム延伸方向と直交する方向について20℃における貯蔵弾性率(E’)を1,200MPa以上3,000MPa以下の範囲とするためには、各層の樹脂組成を本発明で規定する範囲とすることが重要であるが、特に表裏層、中間層、接着層のフィルム全体の厚みに対する厚み比率を変更させることで調整可能である。例えば、貯蔵弾性率(E’)を高くしたい場合は全層に対する表裏層の厚み比率を上げる、中間層の樹脂の剛性を上げることで調整できる。
<フィルムの製造方法>
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、)巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
延伸倍率はオーバーラップ用等、二方向に収縮させる用途では、縦方向が2倍以上10倍以下、横方向が2倍以上10倍以下、好ましくは縦方向が3倍以上6倍以下、横方向が3倍以上6倍以下程度である。一方、熱収縮性ラベル用等、主として一方向に収縮させる用途では、主収縮方向に相当する方向が2倍以上10倍以下、好ましくは4倍以上8倍以下、それと直交する方向が1倍以上2倍以下(1倍とは延伸していな場合を指す)、好ましくは1.1倍以上1.5倍以下の、実質的には一軸延伸の範疇にある倍率比を選定することが望ましい。上記範囲内の延伸倍率で延伸した二軸延伸フィルムは、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が大きくなりすぎることはなく、例えば、収縮ラベルとして用いる場合、容器に装着するとき容器の高さ方向にもフィルムが熱収縮する、いわゆる縦引け現象を抑えることができるため好ましい。
延伸温度は、用いる樹脂のガラス転移温度や熱収縮性フィルムに要求される特性によって変える必要があるが、概ね50℃以上、好ましくは60℃以上であり、上限が130℃以下、好ましくは110℃以下の範囲で制御される。また、延伸倍率は、用いる樹脂の特性、延伸手段、延伸温度、目的の製品形態等に応じて、主収縮方向には1.5倍以上10倍以下、好ましくは3倍以上7倍以下、さらに好ましくは3倍以上5倍以下の範囲で1軸または2軸方向に適宜決定される。また、横方向に1軸延伸の場合でもフィルムの機械物性改良等の目的で縦方向に1.05倍以上1.8倍以下程度の弱延伸を付与することも効果的である。次いで、延伸したフィルムは、必要に応じて、自然収縮率の低減や熱収縮特性の改良等を目的として、50℃以上100℃以下程度の温度で熱処理や弛緩処理を行った後、分子配向が緩和しない時間内に速やかに冷却され、熱収縮性フィルムとなる。
また本発明のフィルムは、必要に応じてコロナ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面処理や表面加工、さらには、各種溶剤やヒートシールによる製袋加工やミシン目加工などを施すことができる。
本発明のフィルムは、被包装物によってフラット状から円筒状等に加工して包装に供される。ペットボトル等の円筒状の容器で印刷を要するものの場合、まずロールに巻き取られた広幅のフラットフィルムの一面に必要な画像を印刷し、そしてこれを必要な幅にカットしつつ印刷面が内側になるように折り畳んでセンターシール(シール部の形状はいわゆる封筒貼り)して円筒状とすれば良い。センターシール方法としては、有機溶剤による接着方法、ヒートシールによる方法、接着剤による方法、インパルスシーラーによる方法が考えられる。この中でも、生産性、見栄えの観点から有機溶剤による接着方法が好適に使用される。
[成形品、熱収縮性ラベルおよび容器]
本発明のフィルムは、フィルムの低温収縮性、収縮仕上がり性、透明性、自然収縮等に優れているため、その用途が特に制限されるものではないが、必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、ボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器等の様々な成形品のための収縮包装、結束バンドとして用いることができる。特に本発明のフィルムを食品容器(例えば清涼飲料水用または食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用熱収縮性ラベルとして用いる場合、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる。本発明の成形品および容器は、通常の成形法を用いることにより作製することができる。
本発明のフィルムは、優れた低温収縮性、収縮仕上り性を有するため、高温に加熱すると変形を生じるようなプラスチック成形品の熱収縮性ラベル素材のほか、熱膨張率や吸水性等が本発明の熱収縮性フィルムとは極めて異なる材質、例えば金属、磁器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種を構成素材として用いた包装体(容器)の熱収縮性ラベル素材として好適に利用できる。
本発明のフィルムが利用できるプラスチック容器を構成する材質としては、上記の樹脂の他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。これらのプラスチック包装体は2種以上の樹脂類の混合物でも、積層体であってもよい。
以下に本発明について実施例を用いて説明する。
なお、実施例に示す測定値および評価は次のように行った。実施例では、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向、その直角方向を「横」方向と記載する。
(1)貯蔵弾性率(E’)
得られたフィルムを横4mm×縦60mmの大きさに正確に切り出し、サンプルとした。粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測(株)製)を用い、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度2℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、測定温度が−150℃から150℃の範囲で、縦方向について動的粘弾性を測定した。なお、貯蔵弾性率(E’)としては、20℃における貯蔵弾性率を示した。
(2)熱収縮率
得られたフィルムを縦100mm、横100mmの大きさに切り取り、70℃および80℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、縦方向および横方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
(3)自然収縮率
得られたフィルムを縦100mm、横1,000mmの大きさに切り取り、30℃の雰囲気の恒温槽に30日間放置し、主収縮方向について、収縮前の原寸に対する収縮量を測定し、その比率を%値で表示した。
(4)ヘーズ値
JIS K7105に準拠してフィルム厚み50μmでフィルムのヘーズ値を測定し、10%以上を×、5%以上10%未満を○、5%未満を◎として評価した。
(5)層間接着強度
得られたフィルムを縦100mm×横298mmの大きさに切り取り、横方向のフィルムの両端を10mm重ねてテトロヒドロフラン(THF)溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムを、容量1.5リットルの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、4〜8秒で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は、蒸気量を蒸気バルブで調整し、70℃以上85℃以下の範囲とした。ボトル装着時のフィルムの様子を目視により確認し、以下の基準で評価した。
◎:ボトル装着時、層間剥離がなく、シール部分よりラベルを剥がした際にも、層間剥離を生じない。
○:ボトル装着時、層間剥離はないが、シール部分よりラベルを剥がした際に、層間剥離を生じる。
△:ボトル装着時、シール部分にわずかに層間剥離が生じる。
×:ボトル装着時、シール部分の全面に層間剥離が生じる。
(6)収縮仕上がり性
10mm間隔の格子目を印刷したフィルムを縦100mm×横298mmの大きさに切り取り、横方向のフィルム両端を10mm重ねてテトロヒドロフラン(THF)溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製した。この円筒状フィルムを、容量1.5リットルの円筒型ペットボトルに装着し、蒸気加熱方式の長さ3.2m(3ゾーン)の収縮トンネル中を回転させずに、約4秒間で通過させた。各ゾーンでのトンネル内雰囲気温度は、蒸気量を蒸気バルブで調整し、70℃から85℃までの範囲とした。フィルム被覆後は下記基準で評価した。
◎:収縮が十分でシワ、アバタ、格子目の歪みが生じない。
○:収縮は十分であるが、所々シワ、アバタまたは格子目の歪みが生じている。
×:収縮は十分だがシワ、アバタ、格子目の歪みが顕著に生じる。または、収縮が十分でなく、ボトルへの被覆が不十分である。
(実施例1)
表1に示すように、表裏層で使用するPLA系樹脂として、NatureWorks LLC社製 商品名「Nature Works4060D(L体:D体比率=88:12)」(以下「PLA1」と略称する)を用い、中間層で使用するPO系樹脂として、日本ポリプロ(株)製 ランダムPP 商品名「ウィンテックWFX4T」(以下「PO1」と略称する)50質量%と宇部興産(株)製直鎖状低密度ポリエチレン 商品名「ユメリット0540F」(以下「PO3」と略称する)50質量%との混合樹脂組成物を用いた。各樹脂をそれぞれ別個の三菱重工業(株)製単軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混合後、未延伸積層シートでの各層の厚みが表裏層/中間層/表裏層=45μm/160μm/45μmとなるよう2種3層ダイスより共押出した後、40℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ250μmの未延伸積層シートを得た。次いで、京都機械(株)製フィルムテンターにて、延伸温度75℃で横一軸方向に5.0倍延伸した後、冷風で急冷して、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(実施例2)
表1に示すように、表裏層で使用するPLA系樹脂として、PLA1を50質量%と、NatureWorks LLC社製 商品名「Nature Works4050D(L体:D体比率=95:5)」(以下「PLA2」と略称する)50質量%の混合樹脂を用い、中間層で使用するPO系樹脂として、PO1:80質量%、出光興産(株)製ポリオレフィン「TPO310V」(以下「PO2」と略称する):20質量%の混合樹脂組成物を用い、さらに接着層として三井化学(株)製 酸変性ポリオレフィン樹脂 商品名「アドマーSF731」(以下「AD1」と略称する。)を用いた。各樹脂をそれぞれ別個の三菱重工業(株)製単軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混合後、各層の厚みが表裏層/接着層/中間層/接着層/表裏層=40μm/10μm/150μm/10μm/40μmとなるよう3種5層ダイスより共押出した後、40℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅300mm、厚さ250μmの未延伸積層シートを得た。次いで、延伸温度75℃で横一軸方向に5.0倍延伸した後、冷風で急冷して、厚さ50μmの熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(実施例3)
表1に示すように、実施例2の表裏層をPLA1:90質量%、大日本インキ化学工業(株)製 ポリ乳酸系樹脂とジオールとジカルボン酸の共重合体 商品名「プラメートPD150」(以下「ゴム成分」と略称する。):10質量%の混合樹脂、中間層をPO1:55質量%、PO2:30質量%、荒川化学(株)製 水添石油樹脂 商品名「アルコンP140」(以下「石油樹脂」と略称する。):15質量%の混合樹脂とし、接着層として旭化成ケミカルズ(株)製 酸変性SEBS 商品名「タフテック M1913」(以下「AD2」と略称する。)を用いた以外は、実施例2と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(実施例4)
表1に示すように、実施例2の表裏層をPLA1:50質量%、PLA2:40質量%、ゴム成分:10質量%の混合樹脂、中間層をPO1:35質量%、PO3:40質量%、石油樹脂:25質量%の混合樹脂とし、接着層として住友化学(株)製 エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル共重合体 商品名「ボンドファースト 7M」(以下「AD3」と略称する。)を用いた以外は、実施例2と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(実施例5)
表1に示すように、実施例2の接着層を旭化成ケミカルズ(株)製 SEBS 商品名「タフテック H1221」(以下「AD4」と略称する)とした以外は、実施例2と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(実施例6)
表1に示すように、実施例1の中間層を日本ポリエチ(株)製 エチレン−酢酸ビニル共重合体 商品名「ノバテックEVA LV141」(以下「PO4」と略称する)とした以外は、実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(実施例7)
表1に示すように、実施例3の中間層をPO1:45質量%、PO2:30質量%、石油樹脂:15質量%、PLA1:10質量%の混合樹脂とした以外は、実施例2と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(比較例1)
表1に示すように、中間層を設けずにPLA単層からなる未延伸単層シートを厚みが250μmとなるように作製した以外は実施例1と同様の方法で熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(比較例2)
表1に示すように、表裏層を設けずに、PO1:80質量%とPO3:20質量%とからなる厚み250μmの未延伸単層シートを作製した以外は実施例1と同様に熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。なお、テトロヒドロフラン(THF)溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製しようとしたところ、溶剤シール適性が悪く、円筒状に製袋できなかった。
(比較例3)
表1に示すように、実施例1において、表裏層をPO1、中間層をPLA1に変更した、未延伸積層シートでの各層の厚みが表裏層/中間層/表裏層=80μm/90μm/80μmとなるように変更した以外は実施例1と同様に熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。なお、テトロヒドロフラン(THF)溶剤で接着し、円筒状フィルムを作製しようとしたところ、溶剤シール適性が悪く、円筒状に製袋できなかった。
(参考例1)
表1に示すように、中間層のPO系樹脂としてPO1:50質量%とPO2:50質量%との混合樹脂組成物を用い、未延伸積層シートでの各層の厚みが表裏層/中間層/表裏層=105μm/40μm/105μmとなるように変更した以外は実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
(参考例2)
表1に示すように、中間層のPO系樹脂としてPO1:50質量%とPO2:50質量%との混合樹脂組成物を用い、未延伸積層シートでの各層の厚みが表裏層/中間層/表裏層=10μm/230μm/10μmとなるように変更した以外は実施例1と同様に熱収縮性積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表2に示す。
Figure 0004297911
Figure 0004297911
表1より本発明で規定する範囲内で構成された実施例のフィルムは、低温収縮性、腰強さ(積層フィルムの貯蔵弾性率)、自然収縮、収縮率の立ち上がり、層間接着性、および収縮仕上がり性が比較例1〜3と同等以上であった。
これに対し、中間層にPO系樹脂を有さず、接着層を有さない場合(比較例1)には70℃において著しく高い収縮率を示し、収縮仕上がり性に劣り、また、表裏層としてPLA系樹脂を有さない場合(比較例2)には、腰強さ、熱収縮率、および自然収縮がそれぞれ低下した。また、中間層をPLA系樹脂、表裏層をPO系樹脂で構成した場合(比較例3)には、溶剤シール性が悪く、製袋できない結果となった。
また、表裏層の厚みが厚い場合(参考例1)には高い熱収縮率を示し、収縮仕上がり性が実施例1、2のフィルムより僅かに劣っていた。一方、表裏層の厚みが薄い場合(参考例2)には、自然収縮率が大きくなると共に、腰強さと収縮仕上がり性が実施例1、2のフィルムより僅かに劣っていた。
これより、本発明のフィルムは、低温収縮性、腰強さ(常温での剛性)、収縮仕上がり性、自然収縮性に優れ、かつフィルムの層間剥離が抑制された、収縮包装、収縮結束包装や熱収縮性ラベル等の用途に適した熱収縮性積層フィルムであることが分かる。
本発明のフィルムは、優れた低温収縮性、剛性、収縮仕上がり性、および低い自然収縮性を有するため、熱収縮性を必要とする成形品、特にシュリンクラベル等に好適に利用することができる。また、本発明に使用するPLA系樹脂は植物由来樹脂であるため、バイオマスの利用を促進し、循環型社会を目指す上で好適である。

Claims (10)

  1. 中間層と、該中間層の両側に積層された表裏層の少なくとも3層を有する熱収縮性積層フィルムであって、
    上記中間層が少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂を主成分とする層で構成され、
    上記表裏層が少なくとも1種のポリ乳酸系樹脂を主成分とする層で構成され、
    かつ80℃の温水中で10秒間加熱したときのフィルム主収縮方向の熱収縮率が30%以上であり、かつ80℃の温水中で10秒間加熱したときのフィルム主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が10%以下であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
  2. 上記ポリ乳酸系樹脂が、D−乳酸およびL−乳酸の共重合体、またはこの共重合体の混合物からなる樹脂である請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
  3. 上記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはこれらの混合物である請求項1または2に記載の熱収縮性積層フィルム。
  4. フィルム全体の厚みに対する上記表裏層の厚み比が10%以上70%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  5. 上記中間層と上記表裏層との間に、少なくとも一層の接着層を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  6. 上記中間層が、中間層を構成するポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、表裏層を構成する樹脂50質量部以下を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  7. JIS K7105に準拠して測定されるヘーズ値が10%以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
  10. 請求項に記載の成形品または請求項に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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