JP2017049103A - 放射線検出装置及び放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置及び放射線検出システム Download PDF

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慶人 佐々木
尚志郎 猿田
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尚志郎 猿田
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Abstract

【課題】帯電による画像のノイズを低減することができる放射線検出装置及び放射線検出システムを提供することを課題とする。
【解決手段】放射線検出装置は、光を電荷に変換する光電変換部(108)を有する基板(102)と、前記基板の上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層(104)と、前記基板の上に形成されている導電性配線(106)とを有し、前記シンチレータ層は、少なくとも一部が導電性を有し、前記導電性配線に電気的に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、放射線検出装置及び放射線検出システムに関する。
近年、大面積ガラス上にアレイ状に形成された光電変換素子の表面に、放射線を照射することによって発光する蛍光体層を積層したデジタル放射線検出装置が商品化されている。このデジタル放射線検出装置は、主に複数のフォトセンサ及びスイッチング素子等の素子が2次元状に配置されている光検出器(以下センサ基板という)上に、放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するためのシンチレータ層を形成している。このように、画像情報を有する放射線を蛍光体層などの波長変換体により光電変換素子が感知可能な波長の光に変換し、変換された光を光電変換素子により電気信号に変換してデジタル画像情報を取得するものは、間接変換方式の放射線検出装置と呼ばれている。
通常、シンチレータ層は、被検体を透過した放射線を光電変換素子の感度特性に見合った波長の光に変換する蛍光体層、及び蛍光体層からの発光を効率的にセンサ基板側へ誘導するための反射層を備える。また、シンチレータ層上部には、センサ基板及び蛍光体層を外部環境から保護する目的でアルミニウム等の薄膜フィルムを用いた保護層が設けられる。
特許文献1には、保護層の外側、又は保護層の外側と蛍光体側に帯電防止フィルムを用いる方法が開示されている。特許文献1によると、保護層の構成中に帯電防止フィルムを含ませることにより、プロセス時、又は製品使用時に発生する静電気による帯電を防ぐことができ、安定した画像品質を保証することが可能である。
特開2013−217904号公報
粒子状蛍光体を堆積形成する方法には、主に2つの方法がある。まず、第1の方法は、支持体上に粒子状蛍光体のペーストをダイコート、スリットコート、スクリーン印刷等の方法を用いて厚膜印刷し、乾燥後、この蛍光体層上に粘着層を転写形成し、これをセンサ基板上に転写する方法である。ここで、一般的に、支持体には、蛍光体の発光を効率よくセンサ基板に出射させる目的で、高反射率を有する反射フィルム等が用いられる。この方法を「間接形成法」と呼ぶ。「間接形成法」では、更に、センサ基板を電磁波や水分から保護する目的で、アルミニウム等の低原子量金属の皮膜の施された樹脂フィルムを、蛍光体層を覆うように転写形成する。このフィルムを「保護層」と呼ぶ。上記の「間接形成法」は、蛍光体層形成プロセスをセンサ基板と切り離して実施できるため、工程設計上有利である。その反面、高コストになるといった課題と、蛍光体層とセンサ基板の間に粘着層が介在してしまうため、界面での光散乱が増大し、この結果MTFを低下させてしまうという課題がある。
第2の方法は、センサ基板上に直接、粒子状蛍光体のペーストをダイコート、スリットコート、スクリーン印刷等の方法を用いて厚膜印刷し、乾燥後、蛍光体層上に、反射層及び保護層を転写形成する方法である。この方法を「直接形成法」と呼ぶ。「直接形成法」の反射層及び保護層は、予め複合形成させたフィルムとすることが可能であり、この場合、転写の回数を減ずることができ、コスト的に有利である。また、「直接形成法」では、センサ基板と蛍光体層の間に粘着層を設ける必要がないため、界面の光散乱の抑制が可能であり、「間接形成法」に比べ、MTF及び感度が共に有利である。
上記のように、「直接形成法」では、反射層及び保護層の複合フィルムを用いることが可能である。複合フィルムの離形フィルムを剥離し、粘着剤を露出させると、粘着剤に帯電し、粘着剤の表面に電荷が偏在してしまう。その状態で、複合フィルムを蛍光体層に貼り合せると、帯電が素子へ悪影響を及ぼし、センサ基板の局所的な暗電流の増加により、画像にアーチファクトのノイズを生じさせる課題がある。
本発明の目的は、帯電による画像のノイズを低減することができる放射線検出装置及び放射線検出システムを提供することである。
本発明の放射線検出装置は、光を電荷に変換する光電変換部を有する基板と、前記基板の上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、前記基板の上に形成されている導電性配線とを有し、前記シンチレータ層は、少なくとも一部が導電性を有し、前記導電性配線に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、帯電による局所的な暗電流の増加を低減し、画像のノイズを低減することができる。
放射線検出装置の構成例を示す図である。 放射線検出システムの構成例を示す図である。 複合フィルムの構成例を示す断面図である。 吸着台での離形フィルムの帯電を示す図である。 転写台での接触帯電及び剥離帯電を示す図である。 シンチレータ層を説明するための図である。
(第1の実施形態)
図1(A)は本発明の第1の実施形態による放射線検出装置11の構成例を示す上面図であり、図1(B)は図1(A)の放射線検出装置11の線X−Xに沿った断面図である。放射線検出装置11は、センサ基板102と、回路基板111と、回路基板112と、フレキシブルプリント基板110とを有する。センサ基板102は、フレキシブルプリント基板110を介して、信号を読み出すための回路基板111と、放射線検出装置11を駆動するための回路基板112に接続される。センサ基板102内の光電変換部108は、放射線を検出し、信号を生成する。光電変換部108により生成された信号は、回路基板112から入力された駆動信号に従って、回路基板111に出力される。
放射線検出装置11は、入射した放射線を光に変換する導電性のシンチレータ層(蛍光体層)104と、その光を検出するためのセンサ基板102とを有する。導電性のシンチレータ層104は、入射した放射線を光に変換するシンチレータ粒子と接着材より構成されており、直接形成法により形成される。センサ基板102は、光を電荷に変換する光電変換部108と、光電変換部108を保護するためのセンサ保護層105とを有する。センサ保護層105は、センサ基板102の光電変換部108を覆うように形成されている。導電性配線106は、センサ保護層105の外側において、センサ基板102の上に形成されている。シンチレータ層104は、図6(B)に示すように、センサ基板102のセンサ保護膜105及び導電性配線106の上に形成されている。シンチレータ層104は、少なくとも一部が導電性を有し、導電性配線106に電気的に接続されている。反射層103は、図3に示すように、反射層303及び第2の粘着層304を有し、シンチレータ層104の上に設けられる。保護層101は、図3に示すように、保護層301及び第1の粘着層302を有し、光電変換部108内では、反射層103上に設けられ、光電変換部108外では、導電性配線106上に設けられる。本実施形態では、粒子状のシンチレータ層104は、透明導電処理がされており、図6(B)に示すように、導電性配線106に電気的に接続されている。導電性配線106は、接地された筐体200(図2)に電気的に接続されている。
シンチレータ層104は、放射線を光に変換する。反射層103は、シンチレータ層104からの発光を効率的にセンサ基板102側へ誘導する。センサ基板102内の光電変換部108は、光電変換素子及び薄膜トランジスタを有し、シンチレータ層104により変換された光を電荷に変換し、画素信号を生成する。
次に、図1(A)及び(B)の導電性配線106について説明する。導電性配線106は、センサ基板102上において、図6(B)に示すように、シンチレータ層104の導電部と接するように配置されている。また、導電性配線106は、筐体200(図2)に電気的に接続される。また、導電性配線106は、フレキシブルプリント基板110を介して、回路基板111又は112に接続されていてもよく、その場合、導電性配線106は、光電変換部108の配線形成時と同時に形成させることが好ましい。導電性配線106は、センサ基板102の光電変換部108を覆うように形成してもよく、その場合は、センサ保護層105としても機能する。すなわち、導電性配線106は、センサ保護層105と一体化させてもよい。導電性配線106は、センサ保護層105とは別体で設置される場合は、センサ保護層105上、もしくはセンサ保護層105のエリアより外に設置されるのが好ましい。導電性配線106の材質としては、一般的に用いられる金属配線から選定してよく、形成方法も一般的な形成方法をそのまま使用できる。ただし、導電性配線106は、光電変換部108へ及ぶ場合は、ITO、ATO等の透明導電性膜を使用することが好ましい。また、プロセス条件や工程の制限から、導電性配線106は、作製容易な導電性有機樹脂を使用することも可能である。
図6(A)及び(B)は、シンチレータ層104の構成例を示す図である。図6(A)のように、シンチレータ層104は、多数のシンチレータ粒子601及び接着材602を有する。シンチレータ層104を構成するシンチレータ粒子601は、例えば、微量のテルビウム(Tb)が添加された硫酸化ガドリニウム(GOS:Tb)で構成される。以下、「:」は、添加されていることを示す。
シンチレータ粒子601は、耐湿性、発光効率、熱プロセス耐性、残光性の観点で、一般式Me22S:Reで示される金属酸硫化物で構成されることが好ましい。ここで、Meは、La、Y、Gdのいずれか1つであり、ReはTb、Sm、Eu、Ce、Pr、Tmの少なくとも1つである。シンチレータ粒子601が導電性を有するようにしてもよい。シンチレータ粒子601に導電性を持たせる場合は、湿式又は乾式の薄膜形成法を用いて、金属並びに導電性ポリマーを、乾式法(真空中での物理手法)又は湿式法(水系、非水系)を使用してコーティングすることができる。導電性を付与する材料としては、金属系の場合は各種金属材料単体や、その酸化物、窒化物等の化合物が挙げられるが、光学的な透過性に優れた、In23、SnO2、ZnO、ITO、ATOが好ましい。また、有機系導電性材料としては、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系、ポリピロール系等有るが、上記と同様、光学的に透過性の高いポリチオフェン系もしくはポリアセチレン系、並びにポリピロール系が好ましい。
シンチレータ層104を構成する接着材602は、少なくとも一部が導電性の樹脂で構成されている必要があり、光学的透明度の高いポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリアニリン系、ポリピロール系の樹脂が好ましい。また、接着材602は、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル系、ポリビニルブチラール溶剤系グレードなどのポリビニルアセタール系樹脂に導電性フィラーを含有するようにしてもよい。これにより、接着材602に導電性をもたせることができる。導電性フィラーは、一般的に用いられているカーボンブラックを使用してもよいし、金属微粒子を添加してもよい。ただ、添加量により光の透過率が著しく低下することから、表面抵抗率を維持した状態でできるだけ添加量を少なくすることが好ましい。また、上記の透明金属や導電性有機樹脂粒子等の透過率の高いフィラーを添加することが好ましい。
シンチレータ層104中の接着材602の比率は、多いほど光学的透明性に影響があるため、少ない方が好ましいが、少なすぎるとシンチレータ粒子601同士の接着性が悪くなってしまう。そこで、必要な接着力を得るために、シンチレータ層104の周辺部において、シンチレータ粒子601の体積(Vs)に対する接着材602の体積(Vr)の比(Vr/Vs)は、0.125以上であることが好ましい。また、導電性を有するシンチレータ層104と導電性配線106の表面抵抗率は、帯電しても減衰すればよく、少なくとも、1.0×1012Ω/□以下であればよい。また、シンチレータ層104において、反射層103との接触表面だけが導電性を有していてもよい。上記の構成で抵抗率が満足できない場合は接着材602中に、導電性フィラーを入れてもよい。
シンチレータ粒子601及び接着材602は、接着材602を溶解する有機溶剤に添加される。これによって、ペーストが形成され、ペーストがセンサ基板102の上に塗布され、その後、乾燥工程を経て、シンチレータ層104が形成される。有機溶剤は、接着材602を溶解し、チクソトロピックな特性を有するものが好ましい。また、有機溶剤は、塗工性の観点において、飽和蒸気圧の低いものが好ましい。
ペーストをセンサ基板102へ塗布する方法としては、特に限定はない。ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などを用いることができる。印刷法としては、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。乾燥温度は、導電性接着材602に用いている溶媒が有機化合物層から抜ければよく、0〜250℃、より好ましくは5〜200℃、更に好ましくは10〜150℃である。
なお、シンチレータ層104の表面が導電処理されている。これにより、保護層101及び反射層103をシンチレータ層104に転写する際、反射層103に帯電により発生した電荷は、シンチレータ層104より拡散し、導電性配線106から筐体200(図2)へと伝わり、外部へ放出される。また、保護層101及び反射層103の転写後に、反射層103の貼り合わせ界面やその周辺に残存している電荷も、導電性配線106を筐体200(図2)に接続することにより、放出されていく。この結果、放射線検出装置11内に留まっている電荷を大幅に減らすことが可能となる。
図2は、上記の放射線検出装置11を適用した放射線検出システム20の構成例を示す図である。放射線検出システム20は、例えば、放射線検出装置11を備えた筐体200と、イメージプロセッサ等を含む信号処理部230と、ディスプレイ等を含む表示部240と、放射線を発生させるための放射線源210とを有する。放射線源210は、放射線(例えばX線)を発生する。放射線源210から発せられた放射線は、被験者220を透過し、被験者220の体内の情報を含む放射線が、筐体200が備える放射線検出装置11により検出される。これにより得られた放射線画像を用いて、例えば、信号処理部230は、所定の信号処理を行い、画像データを生成する。この画像データは、表示部240に表示される。
図3は、複合フィルム403の断面構造を示す図である。複合フィルム403は、ポリエチレンテレフタレート(PET)基台にアルミニウムを蒸着した保護層301と、第1の粘着層302と、反射層303と、第2の粘着層304とを有する。第2の粘着層304を粘着直前まで保護する目的で、ポリエチレンテレフタレート(PET)による離形フィルム403が設けられている。保護シート付きフィルム404は、複合フィルム403に離形フィルム305を設けたものである。図1(A)及び(B)の保護層101は、保護層301及び第1の粘着層302を有する。図1(A)及び(B)の反射層103は、反射層303及び第2の粘着層304を有する。
図4は、吸着台401での保護シート付きフィルム404の剥離帯電を示す図である。保護シート付きフィルム404は、取り扱い上の問題から、位置を十分合わせた上で装置の吸着台401に吸着させ、この後に、離形フィルム305を剥離する。この際、大きな剥離帯電が発生し、第の粘着層304の表面に正の電荷が帯電する。特に、均一な力で剥離する機構等を有さない場合は、正の帯電は第2の粘着層304の表面に偏在してしまう。ここで、吸着台401は、転写台への移動や精度といった点から、通常SUSを用いるため、導電性であり、装置を通じて接地されている。吸着台401が導電性で接地されている場合は、静電誘導現象が発生し、除電ブロワ402等による除電は、非常に困難である。
図5は、複合フィルム403をセンサ基板102に転写する工程を示す図である。複合フィルム403の周辺部では、反射膜103が除去されている。すなわち、複合フィルム403は、中央部では、保護層101及び反射層103を有し、周辺部では、保護層101のみを有する。吸着台401は、シンチレータ層104が形成されたセンサ基板102上に移動される。複合フィルム403の第1の粘着層304をセンサ基板102の端部に接触させた後、転写ロール501を移動回転させることにより、複合フィルム403をセンサ基板102に転写する。この際、複合フィルム403は、吸着台401と接触することによる静電誘導現象により帯電していないように見えていたが、本来、複合フィルム403はプラスに帯電しており、吸着台401と引き離されると、静電誘導により見えていなかった静電気が発現する。
上記の理由により、複合フィルム403の第2の粘着層304は、正電荷に帯電しており、この状態で、更に接触帯電を伴い、センサ基板102上に転写及び接着されることになる。シンチレータ層104の上には、保護層101及び反射層103が形成される。シンチレータ層104がない領域では、導電性配線106の上には、保護層101が設けられる。
導電性配線106がない場合、複合フィルム403の貼り合わせ工程中に発生した電荷は、貼り合わせ後も、シンチレータ層104と第2の粘着層304界面やシンチレータ層104中に偏在し続ける。このため、帯電が素子へ影響を及ぼし、光電変換部108の局所的な暗電流の増加により、画像中にアーチファクトのノイズが発生するという課題が生じる。
本実施形態によれば、導電性配線106は、シンチレータ層104と、接地された筐体(接地ノード)200に電気的に接続されるので、第2の粘着層304及びシンチレータ層104の電荷を接地ノードに放出させることができる。なお、導電性配線106は、定電位ノードに電気的に接続されていてもよい。これにより、光電変換部108の局所的な暗電流の増加を防止し、画像中のアーチファクトのノイズを防止することができる。
(比較例)
比較例として、導電性配線106を有しない放射線検出装置11の例について述べる。まず、550mm×445mm×0.7tの無アルカリガラス基板の上に、アモルファスシリコン(非晶質シリコン)を用いた半導体薄膜を形成した。
次いで、その上に、光を電荷に変換する光電変換部108と、これらを駆動するための複数の配線とを形成した。光電変換部108は、光を電荷に変換する光電変換素子と薄膜トランジスタ(スイッチング素子)とを含む画素を行列状に複数有する。光電変換部108は、ここでは、2816×3416の画素から構成されている。この内外周部の各8画素は、センサ基板102作成時、ドライエッチング等のプロセスマージン等を確保するために形成される所謂ダミー画素と呼ばれる画素が有り、有効面の外周部約1.2mmの幅で形成されている。
その後、センサ保護層105として、SiNx層及びポリイミド樹脂層を形成し、センサ基板102を得た。
次に、蛍光体のペーストを準備した。具体的には、溶媒中に、接着材602としてポリビニルブチラールを溶かしたものに、Gd22Sからなるシンチレータ粒子601を混合してペーストを作成した。その重量比は、シンチレータ粒子601:溶媒:接着材602=89:10:1とした。ペーストを真空脱泡した後に、スリットコーターによってセンサ基板102上に塗工し、110℃で、30分乾燥させた。このようにして、センサ基板102上にシンチレータ層104を形成した。
次いで、キーエンス製LT−9030レーザー変位計を用い、シンチレータ層104の未塗布部と塗布部の差分を測定し、膜厚測定を行ったところ200μmであった。
次に、図3に示す断面構造を有する複合フィルム403を準備し、ロールラミネーター装置の吸着台401に位置を合わせ、真空吸着させた。
次いで、キーエンス社製SJ−Eの除電バーを吸着台401上の保護フィルム上部約20cmにセットし、0.25MPaの流量で除電を行いながら、5cm/秒の速度で離形フィルム305を剥離した。
続いて、シンチレータ層104が形成されたセンサ基板102をロールラミネーター装置の転写台側にアライメントを合わせてセットした。
この後、吸着台401を転写台上に移動させ、8cm/秒の速度で複合フィルム403をセンサ基板102上のシンチレータ層104上に転写した。
さらに、その後、気泡を抜くために加圧脱泡を行い、電気実装と緩衝材の接着、及び電気回路の接続、機構部分への実装を行い、放射線検出装置11を得た。
この放射線検出装置11の電源を入れ、X線照射を行わず、10秒間アイドリングを実施し、その後、1秒間蓄積させた画像を取得し、暗電流の分布を調べたところ、面内に、正常部に比べ、最高18%の高暗電流領域が20か所以上、円形の形を呈して確認できた。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、上記の比較例と同様の方法で、センサ基板102を得た。次に、凹パターンが形成されたマスターモールドに配線用インキを塗布し、その配線用インキをブランケットに転移させ、さらに、ブランケットに転移させた配線用インキをセンサ基板102上に再度転移させることによって、導電性配線106を形成した。
次に、蛍光体の導電性ペーストを準備した。具体的には、接着材602として分散処理を行った化研産業株式会社製Baytron PEDOTを使用し、溶媒中に溶かしたものにGd22Sからなるシンチレータ粒子601を混合してペーストを作成した。その重量比は、シンチレータ粒子601:溶媒:接着材602=89:10:1とした。ペーストを真空脱泡した後にスリットコーターによってセンサ基板102上に塗工し、110℃で、30分乾燥させた。この膜厚測定を行ったところ、200μm前後であった。これにより、導電性のシンチレータ層104が形成され、導電性のシンチレータ層104は導電性配線106に接続される。
次いで、上記の比較例と同様に、複合フィルム403をセンサ基板102上のシンチレータ層104上に転写した。さらに、上記の比較例と同様に、気泡を抜くために加圧脱泡を行った。次いで、導電性配線106と筐体200に接続されている外部配線とを導電ペーストでヒートシールすることにより接地する。次いで、電気実装と緩衝材の接着、及び電気回路の接続、機構部分への実装を行い、放射線検出装置11を得た。
第2の実施形態で作製した放射線検出装置11の暗電流の分布を、上記の比較例と同様の方法で調べたところ、高暗電流領域を確認することはできず、安定した画像品質を保証することができた。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、上記の比較例と同様の方法で、センサ基板102を得た。次に、センサ基板102にマスク処理を行い、スパッタ法にてITOの薄膜を光電変換部108の全面と配線部領域へ成膜する。このITOの薄膜は、導電性配線106及びセンサ保護層105の両方の機能を有し、センサ基板102の光電変換部108を覆うように形成される。このITOの薄膜の上に、第2の実施形態と同様の方法で、シンチレータ層104を形成した。他の製造方法は、第2の実施形態と同様の方法で行い、放射線検出装置11を得た。すなわち、上記のITOの薄膜を、筐体200に接続されている外部配線に接続することにより接地した。
第3の実施形態で作製した放射線検出装置11の暗電流の分布を、上記の比較例と同様の方法で調べたところ、高暗電流領域を確認することはできず、安定した画像品質を保証することができた。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態では、上記の第2の実施形態と同様に、センサ基板102上に導電性配線106を形成した。次に、上記の比較例と同様の方法で、シンチレータ層104を形成する。このとき、シンチレータ層104の厚さを180μmとなるようにスリットコーターの条件を調整し、塗布、形成する。
次に、第2の実施形態と同様のペーストを用い、上記のシンチレータ層104上に覆いかぶさるように、導電性シンチレータ層を塗工し、110℃で、30分乾燥させた。このとき、トータルのシンチレータ層104が200μmとなるように、条件を調整して塗布する。上記の導電性シンチレータ層は、導電性配線106に接続される。その後の工程は、第2の実施形態と同様の方法で行い、放射線検出装置11を得た。すなわち、導電性配線106を、筐体200に接続されている外部配線に接続することにより接地した。
第4の実施形態で作製した放射線検出装置11の暗電流の分布を、上記の比較例と同様の方法で調べたところ、高暗電流領域を確認することはできず、安定した画像品質を保証することができた。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
102 センサ基板、104 シンチレータ層、106 導電性配線、108 光電変換部

Claims (12)

  1. 光を電荷に変換する光電変換部を有する基板と、
    前記基板の上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、
    前記基板の上に形成されている導電性配線とを有し、
    前記シンチレータ層は、少なくとも一部が導電性を有し、前記導電性配線に電気的に接続されていることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記導電性配線は、筐体に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
  3. 前記導電性配線は、定電位ノードに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線検出装置。
  4. 前記シンチレータ層は、シンチレータ粒子と接着材とを有し、前記接着材の少なくとも一部が導電性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記接着材は、導電性フィラーを含有していることを特徴とする請求項4記載の放射線検出装置。
  6. 前記シンチレータ粒子は、導電性を有することを特徴とする請求項4又は5記載の放射線検出装置。
  7. 前記シンチレータ層は、シンチレータ粒子と接着材とを有し、前記シンチレータ粒子は、導電性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  8. 前記導電性を有するシンチレータ層と前記導電性配線の表面抵抗率は、1.0×1012Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  9. 前記導電性配線は、前記基板の前記光電変換部を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  10. さらに、前記基板の前記光電変換部を覆うように形成されている保護層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  11. 前記光電変換部は、光を電荷に変換する光電変換素子を含む画素を行列状に複数有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    放射線を発生する放射線源と
    を有することを特徴とする放射線検出システム。
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