JP2017049100A - 放射線検出装置、放射線検出システム及び放射線検出装置の製造方法 - Google Patents

放射線検出装置、放射線検出システム及び放射線検出装置の製造方法 Download PDF

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尚志郎 猿田
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知昭 市村
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Abstract

【課題】帯電による画像のノイズを低減することができる放射線検出装置、放射線検出システム及び放射線検出装置の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】放射線検出装置は、光を電荷に変換する光電変換部(108)を有する基板(107)と、前記基板の上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層(104)と、前記シンチレータ層の上に形成され、前記シンチレータ層の表面を平坦化する平坦化層(102)と、前記平坦化層の上に形成されている第1の粘着層(103)とを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出装置、放射線検出システム及び放射線検出装置の製造方法に関する。
近年、大面積ガラス上にアレイ状に形成された光電変換素子の表面に、放射線を照射することによって発光する蛍光体層を積層したデジタル放射線検出装置が商品化されている。このデジタル放射線検出装置は、主に複数のフォトセンサ及びスイッチング素子等の素子が2次元状に配置されている光検出器(以下センサ基板という)上に、放射線を光電変換素子で検出可能な光に変換するためのシンチレータ層を形成している。このように、画像情報を有する放射線を蛍光体層などの波長変換体により光電変換素子が感知可能な波長の光に変換し、変換された光を光電変換素子により電気信号に変換してデジタル画像情報を取得するものは、間接変換方式の放射線検出装置と呼ばれている。
通常、シンチレータ層は、被検体を透過した放射線を光電変換素子の感度特性に見合った波長の光に変換する蛍光体層、及び蛍光体層からの発光を効率的にセンサ基板側へ誘導するための反射層を備える。また、シンチレータ層上部には、センサ基板及び蛍光体層を外部環境から保護する目的でアルミニウム等の薄膜フィルムを用いた保護層が設けられる。
特許文献1には、保護層の外側、又は保護層の外側と蛍光体側に帯電防止フィルムを用いる方法が開示されている。特許文献1によると、保護層の構成中に帯電防止フィルムを含ませることにより、プロセス時、又は製品使用時に発生する静電気による帯電を防ぐことができ、安定した画像品質を保証することが可能である。
特開2013−217904号公報
粒子状蛍光体を堆積形成する方法には、主に2つの方法がある。まず、第1の方法は、支持体上に粒子状蛍光体のペーストをダイコート、スリットコート、スクリーン印刷等の方法を用いて厚膜印刷し、乾燥後、この蛍光体層上に粘着層を転写形成し、これをセンサ基板上に転写する方法である。ここで、一般的に、支持体には、蛍光体の発光を効率よくセンサ基板に出射させる目的で、高反射率を有する反射フィルム等が用いられる。この方法を「間接形成法」と呼ぶ。「間接形成法」では、更に、センサ基板を電磁波や水分から保護する目的で、アルミニウム等の低原子量金属の皮膜の施された樹脂フィルムを、蛍光体層を覆うように転写形成する。このフィルムを「保護層」と呼ぶ。上記の「間接形成法」は、蛍光体層形成プロセスをセンサ基板と切り離して実施できるため、工程設計上有利である。しかし、その反面、高コストになるといった課題と、蛍光体層とセンサ基板の間に粘着層が介在してしまうため、界面での光散乱が増大し、この結果MTFを低下させてしまうという課題がある。
第2の方法は、センサ基板上に直接、粒子状蛍光体のペーストをダイコート、スリットコート、スクリーン印刷等の方法を用いて厚膜印刷し、乾燥後、蛍光体層上に、反射層及び保護層を転写形成する方法である。この方法を「直接形成法」と呼ぶ。「直接形成法」の反射層及び保護層は、予め複合形成させたフィルムとすることが可能であり、この場合、転写の回数を減ずることができ、コスト的に有利である。また、「直接形成法」では、センサ基板と蛍光体層の間に粘着層を設ける必要がないため、界面の光散乱の抑制が可能であり、「間接形成法」に比べ、MTF及び感度が共に有利である。
上記のように、「直接形成法」では、反射層及び保護層の複合フィルムを用いることが可能である。複合フィルムの離形フィルムを剥離し、粘着剤を露出させると、粘着剤に帯電し、粘着剤の表面に電荷が偏在してしまう。その状態で、複合フィルムを蛍光体層に貼り合せると、帯電が素子へ悪影響を及ぼし、センサ基板の局所的な暗電流の増加により、画像にアーチファクトのノイズを生じさせる課題がある。
本発明の目的は、帯電による画像のノイズを低減することができる放射線検出装置、放射線検出システム及び放射線検出装置の製造方法を提供することである。
本発明の放射線検出装置は、光を電荷に変換する光電変換部を有する基板と、前記基板の上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、前記シンチレータ層の上に形成され、前記シンチレータ層の表面を平坦化する平坦化層と、前記平坦化層の上に形成されている第1の粘着層とを有することを特徴とする。
平坦化層を設けることにより、帯電による局所的な暗電流の増加を低減し、画像のノイズの低減することができる。
放射線検出装置の構成例を示す図である。 放射線検出システムの構成例を示す図である。 複合フィルムの構成例を示す断面図である。 吸着台での離形フィルムの帯電を示す図である。 転写台での接触帯電を示す図である。 シンチレータ層の断面を示す走査電子顕微鏡による図面代用写真である。 比較例と実施形態の結果を示す図である。
(第1の実施形態)
図1(A)は本発明の第1の実施形態による放射線検出装置11の構成例を示す上面図であり、図1(B)は図1(A)の放射線検出装置11の線X−Xに沿った断面図である。放射線検出装置11は、センサ基板107と、回路基板111と、回路基板112と、フレキシブルプリント基板110とを有する。センサ基板107は、フレキシブルプリント基板110を介して、信号を読み出すための回路基板111と、放射線検出装置11を駆動するための回路基板112に接続される。センサ基板107内の光電変換部108は、放射線を検出し、信号を生成する。光電変換部108により生成された信号は、回路基板112から入力された駆動信号に従って、回路基板111に出力される。
放射線検出装置11は、入射した放射線を光に変換するためのシンチレータ層(蛍光体層)104と、その光を検出するためのセンサ基板107とを有する。センサ基板107は、光を電荷に変換する光電変換部108と、光電変換部108を保護するためのセンサ保護層106とを有する。シンチレータ層104は、センサ基板107のセンサ保護層106の上に形成されている。平坦化層102は、シンチレータ層104の上に形成され、シンチレータ層104の表面を平坦化する。反射層103は、図3に示すように、反射層303及び第1の粘着層304を有し、平坦化層102の上に形成されている。すなわち、第1の粘着層304は平坦化層102の上に形成され、反射層303は第1の粘着層304の上に形成されている。保護層101は、図3に示すように、保護層301及び第2の粘着層302を有し、光電変換部108内では、反射層103の上に形成され、光電変換部108外では、センサ保護層106の上に形成されている。すなわち、光電変換部108内では、第2の粘着層302は反射層303の上に形成され、保護層301は第2の粘着層302の上に形成されている。
シンチレータ層104は、放射線を光に変換する。反射層103は、シンチレータ層104からの発光を効率的にセンサ基板107側へ誘導する。センサ基板107内の光電変換部108は、光電変換素子及び薄膜トランジスタを有し、シンチレータ層104により変換された光を電荷に変換し、画素信号を生成する。
次に、シンチレータ層(蛍光体層)104について説明する。シンチレータ層104は、放射線を可視光に変換する。シンチレータ層104としては、ハロゲン化アルカリ系の材料からなるもの、又は金属酸硫化物の母体に、発光中心としてテルビウムやユーロピウムといった3価の希土類を微量ドープした粉末蛍光体の堆積層を用いることが可能である。ハロゲン化アルカリを主成分とする材料としては、例えばCsI:Tl、CsI:Na、CsBr:Tl、NaI:Tl、LiI:Eu、KI:Tl等が用いられる。金属酸硫化物粉末蛍光体としては、例えばGd22SにTbをドープした粉末蛍光体(GOS)等を塗布・乾燥によりシンチレータ層104を形成することができる。
次に、センサ基板107について説明する。センサ基板107は、ガラス基板上に光電変換素子及びTFTを含む画素を2次元アレイ状に複数配置した光電変換部108を有する。また、センサ基板107は、シリコーン基板上に光電変換素子を2次元アレイ状に複数配置した光電変換部108を形成したCMOSセンサやCCDセンサを用いてもよい。ガラス基板上に光電変換素子を形成する場合、光電変換素子の構成は特に限定されず、MIS型センサ又はPIN型センサ等を用いることができる。複数の光電変換素子は、それぞれ、光を電荷に変換することにより、画素信号を生成する。
図2は、上記の放射線検出装置11を適用した放射線検出システム20の構成例を示す図である。放射線検出システム20は、例えば、放射線検出装置11を備えた筐体200と、イメージプロセッサ等を含む信号処理部230と、ディスプレイ等を含む表示部240と、放射線を発生させるための放射線源210とを有する。放射線源210は、放射線(例えばX線)を発生する。放射線源210から発せられた放射線は、被験者220を透過し、被験者220の体内の情報を含む放射線が、筐体200が備える放射線検出装置11により検出される。これにより得られた放射線画像を用いて、例えば、信号処理部230は、所定の信号処理を行い、画像データを生成する。この画像データは、表示部240に表示される。
上記では、放射線検出装置11を放射線検出システム20に適用した例を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、及びその他の仕様の変更が適宜可能である。
図3は、複合フィルム403の断面構造を示す図である。複合フィルム403は、ポリエチレンテレフタレート(PET)基台にアルミニウムを蒸着した保護層301と、第2の粘着層302と、反射層303と、第1の粘着層304とを有する。第1の粘着層304を粘着直前まで保護する目的で、ポリエチレンテレフタレート(PET)による離形フィルム403が設けられている。保護シート付きフィルム404は、複合フィルム403に離形フィルム305を設けたものである。図1(A)及び(B)の保護層101は、保護層301及び第2の粘着層302を有する。図1(A)及び(B)の反射層103は、反射層303及び第1の粘着層304を有する。
保護層301は、樹脂フィルム層及び金属層を有する。樹脂フィルム層としては、例えばPETやPEN、ポリイミド、パリレン、ポリ塩化ビニリデン、PCTFE、ナイロン等の一般的な樹脂フィルムを用いることができる。金属層としては、樹脂フィルム上にアルミニウムや銅、銀、金等の金属薄膜を蒸着等の手法により形成したもの、又は粘着層を介して上記金属箔を貼り合わせることにより形成したものを用いることができる。金属層の目的は、放射線検出装置11の内部、又は外部からの電磁ノイズを遮蔽することである。また、貼り合わせ性の観点から、樹脂フィルムは1000μm以下、金属層は500μm以下であることが好ましい。
反射層303は、シンチレータ層104から発せられ、センサ基板107と反対側に進行する光を反射し、効率的にセンサ基板107へ送り届けることを目的とする。反射層303は、Al23やTiO2、SiO2等の白色の金属酸化物粒子を樹脂中に分散させたものを用いることが好ましく、例えば、東レ社製ルミラーE20等を用いることができる。また、反射層303は、導電性を有していてもよく、PET中に金属フィラーや導電性樹脂(ポリアセチレンやポリチオフェン、ポリピロール等)を混ぜ込んだものを使用してもよい。
第2の粘着層302は、保護層301と反射層303とを貼り合わせるために配置されている。第2の粘着層302に用いられる粘着剤は、必ずしも導電性を有している必要はない。第2の粘着層302としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂からなる常温で接着性を有する粘着シートを用いることができる。また、第2の粘着層302として、加熱により接着性を有するホットメルト樹脂を用いることができる。また、第2の粘着層302に導電性を持たせるために金属フィラーや導電性樹脂、炭素粉末(カーボンブラック等)を混ぜ込むことができる。金属フィラーとしては、アルミニウムやニッケル等の一般的な金属粉末を用いることができ、導電性樹脂としてはポリアセチレンやポリチオフェン、ポリピロール等を使用することができる。
第1の粘着層304は、複合シート403と平坦化層102とを貼り合わせるために配置されている。第1の粘着層304としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂からなる常温で接着性を有する粘着シートを用いることができる。また、第1の粘着層304として、加熱により接着性を有するホットメルト樹脂を用いることができる。第1の粘着層304に導電性を持たせるために、金属フィラーや導電性樹脂、炭素粉末(カーボンブラック等)を混ぜ込むことができる。金属フィラーとしては、アルミニウムやニッケル等の一般的な金属粉末を用いることができ、導電性樹脂としてはポリアセチレンやポリチオフェン、ポリピロール等を用いることができる。また、第1の粘着層304の透過率は、シンチレータ層104により変換された光に対して透明であることが望ましく、特に波長500〜600nmの領域において光透過率50%以上であることが好ましい。
保護シート付きフィルム404は、複合フィルム403と剥離フィルム305を貼り合わせたものである。剥離フィルム305は、PETやナイロン等の一般的な樹脂フィルムに離型剤(シリコーン系でもフッ素系でも非シリコーン系でもよい)を塗布したフィルムを用いることができる。
図4は、吸着台401での保護シート付きフィルム404の剥離帯電を示す図である。保護シート付きフィルム404は、取り扱い上の問題から、位置を十分合わせた上で装置の吸着台401に吸着させ、この後に、離形フィルム305を剥離する。この際、大きな剥離帯電が発生し、第1の粘着層304の表面に正の電荷が帯電する。特に、均一な力で剥離する機構等を有さない場合は、正の帯電は第1の粘着層304の表面に偏在してしまう。ここで、吸着台401は、転写台への移動や精度といった点から、通常SUSを用いるため、導電性であり、装置を通じて接地されている。吸着台401が導電性で接地されている場合は、静電誘導現象が発生し、除電ブロワ402等による除電は、非常に困難である。
図5は、複合フィルム403をセンサ基板107に転写する工程を示す図である。複合フィルム403の周辺部では、反射膜103が除去されている。すなわち、複合フィルム403は、中央部では、保護層101及び反射層103を有し、周辺部では、保護層101のみを有する。吸着台401は、平坦化層102及びシンチレータ層104が形成されたセンサ基板107上に移動される。複合フィルム403の第1の粘着層304をセンサ基板107の端部に接触させた後、転写ロール501を移動回転させることにより、複合フィルム403をセンサ基板107に転写する。この際、複合フィルム403は、吸着台401と接触することによる静電誘導現象により帯電していないように見えていたが、本来、複合フィルム403はプラスに帯電しており、吸着台401と引き離されると、静電誘導により見えていなかった静電気が発現する。
上記の理由により、複合フィルム403の第1の粘着層304は、正電荷に帯電しており、この状態で、更に接触帯電を伴い、センサ基板107上に転写及び接着されることになる。平坦化層102の上には、保護層101及び反射層103が形成される。平坦化層102及びシンチレータ層104がない領域では、センサ保護層106の上には、保護層101が設けられる。
平坦化層102は、上記の接触帯電を低減することができる。平坦化層102がない場合、複合フィルム403の第1の粘着層304が、転写時に、ポーラスなシンチレータ層104の粒子表面上に浸透する形となる。その結果、第1の粘着層304とシンチレータ層104との間では、接触面積が非常に大きくなる。
図6は、第1の粘着層304とシンチレータ層104の接触部の断面を示す走査電子顕微鏡(SEM)による図面代用写真である。第1の粘着層304は、シンチレータ層104の粒子間に深く浸透している。第1の粘着層304とシンチレータ層104との間の接触面積は、非常に大きいことが分かる。その結果、第1の粘着層304とシンチレータ層104との間の接触帯電量が非常に多くなる。
平坦化層102がない場合、複合フィルム403の貼り合わせ工程中に発生した電荷は、貼り合わせ後も、シンチレータ層104と第1の粘着層304界面やシンチレータ層104中に偏在し続ける。このため、帯電が素子へ影響を及ぼし、光電変換部108の局所的な暗電流の増加により、画像中にアーチファクトのノイズが発生するという課題が生じる。
本実施形態では、シンチレータ層104の表面を平坦化するための平坦化層102を設ける。平坦化層102は、有機樹脂であり、粒子状のシンチレータ層104と第1の粘着層304との間に設けられる。シンチレータ層104の算術平均粗さRa1と平坦化層102の算術平均粗さRa2は、Ra1>Ra2の関係を有する。なお、算術平均粗さRa1及びRa2の評価計算は、JIS B0601(1994)・JIS B0031(1994)による方法である。
平坦化層102は、シンチレータ層104の表面を平坦化することができる。平坦化層102を設けることにより、複合フィルム403を転写する際、第1の粘着層304がシンチレータ層104の表面の粒子間に浸透することを防ぐことが可能となる。第1の粘着層304と平坦化層102との間では、第1の粘着層304とシンチレータ層104との間に比べ、接触面積が1/10以下になり、接触帯電量が1/10以下になる。
また、平坦化層102と第1の粘着層304は、相互に同一の樹脂により形成されていることが好ましい。また、平坦化層102と第1の粘着層304は、帯電列上、相互の隣接している樹脂により形成されていることが好ましい。また、平坦化層102と第1の粘着層304は、帯電列上負側に存在する樹脂により形成されていることが好ましい。その場合、平坦化層102と第1の粘着層304との接触時の接触帯電を減ずることが可能となる。
例えば、第1の粘着層304に用いる通常の粘着剤がアクリル系を多く用いていることを考えると、平坦化層102は、アクリル系樹脂、ポリアセテート系樹脂又はポリエチレン樹脂により形成されていることが好ましい。また、平坦化層102の算術平均粗さRa2は、小さいほど効果が大きいが、特にRa2≦1.5の関係を有すると好適に接触帯電を減ずることができる。
本実施形態では、例えば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂のトルエン溶液を基板にスプレー散布しつつ、低回転でスピンさせる方法により、平坦化層102を形成する。すなわち、ポリメチルメタアクリレート樹脂のトルエン溶液をスプレースピンすることにより、平坦化層102を形成する。この方法では、溶液の濃度を変化させることにより、膜厚の異なる平坦化層102を形成することが可能である。また、スピン回転数を変化させることにより、平坦化層102の算術平均粗さRa2を容易に変えることが可能である。
本実施形態によれば、シンチレータ層104と第1の粘着層304との間に平坦化層102を設けることにより、第1の粘着層304と平坦化層102との間の接触面積及び接触帯電量を低減することができる。これにより、光電変換部108の局所的な暗電流の増加を防止し、画像中のアーチファクトのノイズを防止することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、平坦化層102の形成方法が異なる。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態では、アクリルエマルジョン水溶液をスプレースピンすることにより、平坦化層102を形成する。この場合、平坦化層102の厚みは、第1実施形態の場合に比べ、厚くすることが可能であるため、強固な平坦化層102を得ることが可能である。
(比較例)
図7に示す比較例について説明する。比較例は、平坦化層102を設けない放射線検出装置である。まず、最初の工程では、550mm×445mm×0.7tの無アルカリガラス基板の上に、アモルファスシリコン(非晶質シリコン)を用いた半導体薄膜を形成した。次いで、その上に、光を検出する複数の光電変換部108と、これらを駆動するための複数の配線とを形成した。光電変換部108は、光を電荷に変換する光電変換素子と薄膜トランジスタ(スイッチング素子)とを含む画素を行列状に複数有する。光電変換部108は、ここでは、2816×3416の画素から構成されている。光電変換部108のうちの外周部の各8画素は、センサ基板作成時、ドライエッチング等のプロセスマージン等を確保するために形成される所謂ダミー画素と呼ばれる画素であり、有効画素部の外周部の約1.2mmの幅で形成されている。その後、センサ保護層106として、SiNx層及びポリイミド樹脂層を形成し、センサ基板を得た。
次の工程では、シンチレータ層104のペーストを準備した。シンチレータ層104は、日亜化学製 Gd2O2S:Tb(NP−3010)(2kg)を用い、日本香料製のターピネオール(1kg)に添加し、分散・撹拌した。なお、日機装製マイクロトラック2000を用いて測定したシンチレータ層104の粒度分布中心値は6.2μmであった。
次いで、上述の分散液を加熱(温度150°)しつつ、シンチレータ層104の粒子に対する体積比が2.5%となるように、溶剤系ポリビニルブチラール粉末を添加して溶解させ、完全な溶解を確認した後に室温まで自然冷却した。念のため、溶解物は、SUSメッシュのフィルタを通過させ、未溶解分を除去した。冷却後、25℃、0.3rpmにおける回転粘度が50Pa・sとなるようにブチルカルビトールを添加し、スリットコーター用シンチレータ層104のペーストを得た。なお、調製後のペーストは、3本ロールミルを用いて十分に分散させ、最終的に粒ゲージを用い、分散度を測定したところ、22.5μm以下に分散されていることを確認した。
以上の様にして得られたスリットコーター用シンチレータ層104のペーストを用いて、シンチレータ層104を形成するため、センサ基板107をスクリーンコーター上にセットし、スリットコートによる塗工を行った。具体的には、スリットコーターのダイヘッドリップ部と基板間のギャップを330μmに固定し、ダイヘッドを5mm/secの速さで移動することにより塗工を行った。塗工後の基板を、IR乾燥機に投入し、120℃、45分間乾燥させ、室温まで冷却させた後、乾燥機から取り出した。このようにして、センサ基板107上にシンチレータ層104を形成した。
次いで、キーエンス製LT−9030レーザー変位計を用い、シンチレータ層104の未塗布部と塗布部の差分を測定し、膜厚測定を行ったところ200μmであった。また、同じ装置で、シンチレータ層104の膜厚分布を測定し、このデータより計算した算術平均粗さRa1は2.3μmであった。また、同様の条件で、素ガラス上に塗布したシンチレータ層104を作成し、1cm2の膜片を剥離し、この重量を測定することにより充填率を算出したところ68%であった。
次に、図3に示す断面構造を有する複合フィルム403を準備し、ロールラミネータ装置の吸着台401に位置を合わせ、真空吸着させた。次いで、キーエンス社製SJ−E 除電バーを吸着台401上の保護フィルム上部約20cmにセットし、0.25MPaの流量で除電を行いながら、5cm/秒の速度で離形フィルム305を剥離した。続いて、シンチレータ層104が形成されたセンサ基板107をロールラミネータ装置の転写台側にアライメントを合わせてセットした。この後、吸着台401を転写台上に移動させ、8cm/秒の速度で、複合フィルム403をセンサ基板107上のシンチレータ層104の上に転写した。さらに、その後、気泡を抜くために加圧脱泡を行い、電気実装と緩衝材の接着、及び電気回路の接続、機構部分への実装を行い、放射線検出装置を得た。
この放射線検出装置の電源を入れ、X線照射を行わず10秒間アイドリングを実施し、その後、1秒間蓄積させた画像を取得し、暗電流の分布を調べた。図7に示すように、比較例では、面内に、正常部に比べ、最高18%の高暗電流領域が20個以上、円形の形を呈して確認できた。
(第3の実施形態)
図7に示す第3の実施形態の(a)〜(e)の放射線検出装置11の製造方法について説明する。第3の実施形態の(a)〜(e)は、第1の実施形態の具体例である。まず、最初の工程では、比較例と同様の方法にて、センサ基板107を5枚得た。次の工程では、5枚のセンサ基板107に、比較例と同様の方法で、シンチレータ層104を形成し、この膜厚測定を行ったところ、全て200μm前後であった。また、比較例と同様の条件で、シンチレータ層104の充填率を算出したところ、全て68%前後であった。
次の工程では、これらの5枚のシンチレータ層104が形成されたセンサ基板107について、光電変換部108以外の領域が保護されるようタック性を有する低粘着のマスキングテープにてマスキングし、スピンコーター上にセットした。次に、ポリメチルメタアクリレート(ローム アンド ハース社製パラロイドB72)2.5重量部をトルエン1000重量部に溶解した液を準備した。次いで、スピンコーター上のセンサ基板107を回転数10rpmにて回転させ、10秒間の間、上記の溶液をスプレー散布した後、一定の回転数で45秒間スピンさせ、80℃の温風雰囲気中に5分間晒すことにより、乾燥を行った。
ここで、上記のスプレー後の回転数は、第3の実施形態の(a)では60rpm、第3の実施形態の(b)では80rpm、第3の実施形態の(c)では100rpm、第3の実施形態の(d)では120rpm、第3の実施形態の(e)では140rpmとした。このようにして、スプレースピンすることにより、様々な算術平均粗さRa2を有する平坦化層102を形成した。
第3の実施形態の(a)〜(e)について、比較例と同じ装置で、平坦化層102の算術平均粗さRa2を測定及び計算した。平坦化層102の算術平均粗さRa2は、第3の実施形態の(a)では2.0μm、第3の実施形態の(b)では1.5μm、第3の実施形態の(c)では1.1μm、第3の実施形態の(d)では1.1μm、第3の実施形態の(e)では0.5μmであった。
次の工程では、比較例と同様の複合フィルム403を、比較例と同様の条件で、センサ基板107上のシンチレータ層104の上に転写した。さらに、比較例と同様に、気泡を抜くために加圧脱泡を行い、電気実装と緩衝材の接着、及び電気回路の接続、機構部分への実装を行い、第3の実施形態の(a)〜(e)の平坦化層102の算術平均粗さRa2が異なる放射線検出装置11を得た。
第3の実施形態の(a)〜(e)の放射線検出装置11の暗電流の分布を、比較例と同様の方法にて調べた。第3の実施形態の(a)では、面内に、正常部に比べ最高10%の高暗電流領域が12個以上、円形の形を呈して確認できた。また、第3の実施形態の(b)では、面内に、正常部に比べ最高3%の比較的軽微な高暗電流領域が3個以上、円形の形を呈して確認できた。また、第3の実施形態の(c)〜(e)では、高暗電流領域を確認することはできなかった。
以上の結果より、第3の実施形態の(a)〜(e)は、比較例に比べ、平坦化層102を設けることにより、有効に接触帯電を軽減でき、高暗電流領域によるアーチファクトを低減できることがわかる。シンチレータ層104の算術平均粗さRa1と平坦化層102の算術平均粗さRa2は、Ra1>Ra2の関係を有する。特に、第3の実施形態の(b)〜(e)は、Ra2≦1.5の関係を有し、有効に接触帯電を軽減でき、高暗電流領域によるアーチファクトを低減できることがわかる。
(第4の実施形態)
図7に示す第4の実施形態の放射線検出装置11の製造方法について説明する。第4の実施形態は、第2の実施形態の具体例である。まず、比較例と同様の方法で、センサ基板107を得た。また、このセンサ基板107に、比較例と同様の方法で、シンチレータ層104を形成し、この膜厚測定を行ったところ200μm前後であった。また、比較例と同様の条件で、シンチレータ層104の充填率を算出したところ68%前後であった。このシンチレータ層104が形成されたセンサ基板107について、光電変換部108以外の領域が保護されるように、タック性を有する低粘着のマスキングテープにてマスキングし、スピンコーター上にセットした。
次に、アクリルエマルジョン(ダウ・ケミカル社製 プライマルB74)水溶液を準備した。次に、スピンコーター上のセンサ基板107を回転数10rpmにて回転させ、10秒間の間、上記のアクリルエマルジョン水溶液をスプレー散布した後、回転数80rpmで180秒間スピンさせ、150℃の温風雰囲気中に20分間晒すことにより乾燥した。このようにして、スプレースピンすることにより、平坦化層102を形成した。比較例と同じ装置で、測定及び計算した平坦化層102の算術平均粗さRa2は0.8μmであった。
次いで、比較例と同様の複合フィルム403を、比較例と同様の条件で、センサ基板107上のシンチレータ層104の上に転写した。さらに、比較例と同様に、気泡を抜くために加圧脱泡を行い、電気実装と緩衝材の接着、及び電気回路の接続、機構部分への実装を行い、放射線検出装置11を得た。
この放射線検出装置11の暗電流の分布を、比較例と同様の方法で調べたところ、高暗電流領域を確認することはできなかった。以上の結果より、本実施形態は、アクリルエマルジョン水溶液を用いて作成した平坦化層102を設けることにより、高電流領域によるアーチファクトを低減できることがわかる。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
102 平坦化層、104 シンチレータ層、107 センサ基板、108 光電変換部、304 第1の粘着層

Claims (15)

  1. 光を電荷に変換する光電変換部を有する基板と、
    前記基板の上に形成され、放射線を光に変換するシンチレータ層と、
    前記シンチレータ層の上に形成され、前記シンチレータ層の表面を平坦化する平坦化層と、
    前記平坦化層の上に形成されている第1の粘着層と
    を有することを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記シンチレータ層の算術平均粗さRa1と前記平坦化層の算術平均粗さRa2は、Ra1>Ra2の関係を有することを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
  3. 前記平坦化層の算術平均粗さRa2は、Ra2≦1.5の関係を有することを特徴とする請求項1又は2記載の放射線検出装置。
  4. 前記平坦化層と前記第1の粘着層は、相互に同一の樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記平坦化層と前記第1の粘着層は、帯電列上、相互に隣接している樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  6. 前記平坦化層は、帯電列上負側に存在する樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  7. 前記平坦化層は、アクリル系樹脂、ポリアセテート系樹脂又はポリエチレン樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  8. さらに、前記第1の粘着層の上に形成されている反射層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  9. さらに、前記反射層の上に形成されている第2の粘着層を有することを特徴とする請求項8記載の放射線検出装置。
  10. さらに、前記第2の粘着層の上に形成されている保護層を有することを特徴とする請求項9記載の放射線検出装置。
  11. 前記光電変換部は、光を電荷に変換する光電変換素子を含む画素を行列状に複数有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    放射線を発生する放射線源と
    を有することを特徴とする放射線検出システム。
  13. 光を電荷に変換する光電変換部を有する基板の上に、放射線を光に変換するシンチレータ層を形成する工程と、
    前記シンチレータ層の上に、前記シンチレータ層の表面を平坦化する平坦化層を形成する工程と、
    前記平坦化層の上に第1の粘着層を形成する工程と
    を有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  14. 前記平坦化層を形成する工程では、ポリメチルメタアクリレート樹脂のトルエン溶液をスプレースピンすることにより、前記平坦化層を形成することを特徴とする請求項13記載の放射線検出装置の製造方法。
  15. 前記平坦化層を形成する工程では、アクリルエマルジョン水溶液をスプレースピンすることにより、前記平坦化層を形成することを特徴とする請求項13記載の放射線検出装置の製造方法。
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