JP2017040298A - 荷役車両の油圧駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビテーションの発生を容易に防止することができる荷役車両の油圧駆動装置を提供する。【解決手段】作動油温度推定部69は、回転数センサ59が検出した実回転数と、リフト操作レバー操作量センサ55が検出した操作量と、リフトシリンダボトム圧センサ70が検出したボトム圧とに基づいて作動油温度を推定することができる。このように、作動油温度を直接測定するためのセンサ等を別途設けなくとも、各種検出部で検出された検出結果に基づいて、容易に作動油温度を推定することが可能となる。作動油温度を推定することで、例えば、作動油温度が低くて作動油の粘度が低いと推定した場合に、キャビテーションの発生を防止できる条件にて油圧シリンダの運転を行うことができる。【選択図】図4

Description

本発明は、荷役車両の油圧駆動装置に関するものである。
荷役車両の油圧駆動装置として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の油圧駆動装置は、作動油の給排により昇降物を昇降させる昇降用油圧シリンダと、昇降用油圧シリンダを作動させるための昇降操作部と、昇降用油圧シリンダに対する作動油の給排を行う油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する電動機と、油圧ポンプの吸込口と昇降用油圧シリンダのボトム室との間に配設され、昇降操作部の下降操作の操作量に基づいて作動油の流れを制御する制御弁と、を備えている。
米国特許第5649422号明細書
ここで、上述のような従来の油圧駆動装置においては、以下の問題点が存在する。すなわち、作動油温度が低い場合は作動油の粘度が高くなる。従って、作動油温度が低い場合に油圧駆動装置内のシリンダの速度を高めようとすると、例えば、油圧ポンプの吸込み口側に設けられたサクションチェック弁などによる圧力損失によってキャビテーションが発生し、油圧ポンプがダメージを受ける可能性がある。このようなキャビテーションの発生を防止するために、サクションチェック弁の流路径を大きくして圧力損失を低減するとした場合には油圧駆動装置が大型化してしまうという問題が発生し、また、作動油の温度を検出する温度センサを設けて作動油温に応じたポンプ制御を行うとした場合にはコストが増大してしまうという問題が発生する。従って、装置の大型化や高コスト化を伴うことなく、キャビテーションの発生を容易に防止することが要請されている。
本発明の目的は、キャビテーションの発生を容易に防止することができる荷役車両の油圧駆動装置を提供することである。
本発明の一側面に係る荷役車両の油圧駆動装置は、作動油の給排により昇降物を昇降させる昇降用油圧シリンダと、昇降用油圧シリンダを作動させるための昇降操作部と、昇降操作部による上昇操作時には昇降用油圧シリンダに作動油を供給するポンプとして機能するとともに、昇降操作部による下降操作時には昇降用油圧シリンダから排出される作動油により駆動される油圧モータとして機能する油圧ポンプと、油圧ポンプに接続されて、電動機または発電機として機能する電動モータと、昇降操作部による単独下降操作時には昇降用油圧シリンダから排出される作動油が油圧ポンプの吸込口へと流れるように昇降用油圧シリンダのボトム室と油圧ポンプの吸込口とを接続する下降油路と、下降油路に配設され、昇降操作部の下降操作に基づいて作動油の流れを制御する制御弁と、電動モータの実回転数を検出する回転数検出部と、昇降操作部の操作量を検出する操作量検出部と、昇降用油圧シリンダのボトム圧を検出するボトム圧検出部と、昇降操作部による単独下降操作がなされて電動モータの力行トルク制限制御が行われている時において、回転数検出部が検出した実回転数と、操作量検出部が検出した操作量と、及びボトム圧検出部が検出したボトム圧とに基づいて作動油温度を推定する作動油温度推定部と、を備える。
本発明に係る荷役車両の油圧駆動装置において、作動油温度推定部は、回転数検出部が検出した実回転数と、操作量検出部が検出した操作量と、ボトム圧検出部が検出したボトム圧とに基づいて、作動油温度を推定することができる。このように、作動油温度を直接測定するためのセンサ等を別途設けなくとも、各種検出部で検出された検出結果に基づいて、容易に作動油温度を推定することが可能となる。作動油温度を推定することで、例えば、作動油温度が低くて作動油の粘度が低いと推定した場合に、キャビテーションの発生を防止できる条件にて油圧シリンダの運転を行うことができる。以上により、キャビテーションの発生を容易に防止することができる。
また、本発明の他の側面に係る荷役車両の油圧駆動装置において、昇降操作部による単独下降操作がなされて電動モータの力行トルク制限制御が行われている時、電動機の実回転数、昇降操作部の操作量、昇降用油圧シリンダのボトム圧、及び作動油温度同士の関係を示す複数のマップを記憶する記憶部を更に備え、複数のマップは、ボトム圧に基づいて複数種類に分類されると共に、操作量に基づいて複数種類に分類され、複数のマップの各々は、所定の作動油温度における実回転数のデータを複数有しており、作動油温度推定部は、操作量検出部が検出した操作量、及びボトム圧検出部が検出したボトム圧に基づいて複数のマップの内から一のマップを選定し、選定された一のマップと回転数検出部が検出した実回転数とを照会することで、作動油温度を推定してよい。これによれば、作動油温度を直接測定するためのセンサ等を別途設けなくとも、予め記憶されたマップと各種検出部で検出された検出結果とを照会させることで、容易に作動油温度を推定することが可能となる。また、操作条件が変化しても、精度良く作動油温度を推定することができ、不要にモータ回転数を落として作業効率を悪化させることを防止することができる。
また、本発明の他の側面に係る荷役車両の油圧駆動装置において、作動油温度推定部は、マップの中に、回転数検出部が検出した実回転数、操作量検出部が検出した操作量、及びボトム圧検出部が検出したボトム圧に対応する作動油温度が存在しない場合、補完演算によって作動油温度を推定してよい。これによれば、検出した条件が、記憶部に記憶されているマップの条件に合致しない場合であっても、作動油温度を推定することができる。従って、過度な量のデータを準備しなくとも、あらゆる条件における作動油温度を推定することができる。
本発明によれば、キャビテーションの発生を容易に防止することができる。
本発明の実施形態に係る油圧駆動装置を備えた荷役車両を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る油圧駆動装置を示す油圧回路図である。 図2に示した油圧駆動装置の制御系を示す構成図である。 図2に示した油圧駆動装置の制御系を示すブロック構成図である。 図3に示したコントローラにより実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 図3に示したコントローラにより実行される作動油温度推定の制御処理手順を示すフローチャートである。 記憶部が記憶するマップの一例を示す図である。 記憶部が記憶するマップの一例を示す図である。 記憶部が記憶するマップの一例を示す図である。 記憶部が記憶するマップの他の例を示す図である。
以下、本発明に係る荷役車両の油圧駆動装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る油圧駆動装置を備えた荷役車両を示す側面図である。同図において、本実施形態に係る荷役車両1は、バッテリ式のフォークリフトである。荷役車両1は、車体フレーム2と、この車体フレーム2の前部に配置されたマスト3とを備えている。マスト3は、車体フレーム2に傾動可能に支持された左右1対のアウターマスト3aと、これらのアウターマスト3aの内側に配置され、アウターマスト3aに対して昇降可能なインナーマスト3bとからなっている。
マスト3の後側には、昇降用油圧シリンダとしてのリフトシリンダ(昇降用油圧シリンダ)4が配置されている。リフトシリンダ4のピストンロッド4pの先端部は、インナーマスト3bの上部に連結されている。
インナーマスト3bには、リフトブラケット5が昇降可能に支持されている。リフトブラケット5には、荷物を積載するフォーク(昇降物)6が取り付けられている。インナーマスト3bの上部にはチェーンホイール7が設けられ、チェーンホイール7にはチェーン8が掛装されている。チェーン8の一端部はリフトシリンダ4に連結され、チェーン8の他端部はリフトブラケット5に連結されている。リフトシリンダ4を伸縮させると、チェーン8を介してフォーク6がリフトブラケット5と共に昇降する。
車体フレーム2の左右両側には、傾動用油圧シリンダとしてのティルトシリンダ9がそれぞれ支持されている。ティルトシリンダ9のピストンロッド9pの先端部は、アウターマスト3aの高さ方向ほぼ中央部に回動可能に連結されている。ティルトシリンダ9を伸縮させると、マスト3が傾動する。
車体フレーム2の上部には、運転室10が設けられている。運転室10の前部には、リフトシリンダ4を作動させてフォーク6を昇降させるためのリフト操作レバー(昇降操作部)11と、ティルトシリンダ9を作動させてマスト3を傾動させるためのティルト操作レバー12とが設けられている。
また、運転室10の前部には、操舵を行うためのステアリング13が設けられている。ステアリング13は、油圧式のパワーステアリングであり、パワーステアリング(PS)用油圧シリンダとしてのPSシリンダ14(図2参照)により運転者の操舵をアシストすることが可能である。
また、荷役車両1は、アタッチメント(図示せず)を動作させるアタッチメント用油圧シリンダとしてのアタッチメントシリンダ15(図2参照)を備えている。アタッチメントとしては、例えばフォーク6を左右移動、傾動、回転させるもの等がある。また、運転室10には、アタッチメントシリンダ15を作動させてアタッチメントを動作させるためのアタッチメント操作レバー(図示せず)が設けられている。
さらに、運転室10には、特に図示はしないが、荷役車両1の走行方向(前進/後進/ニュートラル)を切り換えるためのディレクションスイッチが設けられている。
図2は、本発明に係る油圧駆動装置の第1実施形態を示す油圧回路図である。同図において、本実施形態の油圧駆動装置16は、リフトシリンダ4、ティルトシリンダ9、アタッチメントシリンダ15及びPSシリンダ14を駆動する装置である。
油圧駆動装置16は、単一の油圧ポンプモータ(油圧ポンプ)17と、この油圧ポンプモータ17を駆動する単一の電動モータ(電動機)18とを備えている。油圧ポンプモータ17は、リフトシリンダ4に対する作動油の給排を行うポンプである。油圧ポンプモータ17は、作動油を吸い込むための吸込口17aと、作動油を吐出するための吐出口17bとを有している。油圧ポンプモータ17は、一方向に回転可能な構成とされている。
電動モータ18は、電動機または発電機として機能する。具体的には、油圧ポンプモータ17が油圧ポンプとして作動する場合には、電動モータ18は電動機として機能し、油圧ポンプモータ17が油圧モータとして作動する場合には、電動モータ18は発電機として機能する。電動モータ18が発電機として機能すると、電動モータ18で発生した電力がバッテリ(図示せず)に蓄電される。つまり、回生動作が行われることとなる。
油圧ポンプモータ17の吸込口17aには、作動油を貯留するタンク19が油圧配管20を介して接続されている。油圧配管20には、タンク19から油圧ポンプモータ17への方向にのみ作動油を流通させる逆止弁21が設けられている。油圧ポンプモータ17は、リフト操作レバー11による上昇操作時にはリフトシリンダ4に作動油を供給するポンプとして機能するとともに、リフト操作レバー11による下降操作時にはリフトシリンダ4から排出される作動油により駆動される油圧モータとして機能する。
油圧ポンプモータ17の吐出口17bとリフトシリンダ4のボトム室4bとは、油圧配管22を介して接続されている。油圧配管22には、リフト上昇用の電磁比例弁23が配設されている。電磁比例弁23は、油圧ポンプモータ17からリフトシリンダ4のボトム室4bへの作動油の流通を許容する開位置23aと、油圧ポンプモータ17からリフトシリンダ4のボトム室4bへの作動油の流通を遮断する閉位置23bとの間で切り換えられる。
電磁比例弁23は、通常は閉位置23b(図示)にあり、ソレノイド操作部23cに操作信号(リフト操作レバー11の上昇操作の操作量に応じたリフト上昇用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置23aに切り換わる。すると、油圧ポンプモータ17からリフトシリンダ4のボトム室4bに作動油が供給され、リフトシリンダ4が伸長し、これに伴ってフォーク6が上昇する。なお、電磁比例弁23は、開位置23aにあるときは、操作信号に応じた開度で開く。油圧配管22における電磁比例弁23とリフトシリンダ4との間には、電磁比例弁23からリフトシリンダ4への方向にのみ作動油を流通させる逆止弁24が設けられている。
油圧配管22における油圧ポンプモータ17と電磁比例弁23との分岐点には、油圧配管25を介してティルト用の電磁比例弁26が接続されている。油圧配管25には、油圧ポンプモータ17から電磁比例弁26への方向にのみ作動油を流通させる逆止弁27が設けられている。
電磁比例弁26とティルトシリンダ9のロッド室9a及びボトム室9bとは、油圧配管28,29を介してそれぞれ接続されている。電磁比例弁26は、油圧ポンプモータ17からティルトシリンダ9のロッド室9aへの作動油の流通を許容する開位置26aと、油圧ポンプモータ17からティルトシリンダ9のボトム室9bへの作動油の流通を許容する開位置26bと、油圧ポンプモータ17からティルトシリンダ9への作動油の流通を遮断する閉位置26cの間で切り換えられる。
電磁比例弁26は、通常は閉位置26c(図示)にあり、開位置26a側のソレノイド操作部26dに操作信号(ティルト操作レバー12の後傾操作の操作量に応じたティルト用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置26aに切り換わり、開位置26b側のソレノイド操作部26eに操作信号(ティルト操作レバー12の前傾操作の操作量に応じたティルト用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置26bに切り換わる。電磁比例弁26が開位置26aに切り換わると、油圧ポンプモータ17からティルトシリンダ9のロッド室9aに作動油が供給され、ティルトシリンダ9が収縮し、これに伴ってマスト3が後傾する。電磁比例弁26が開位置26bに切り換わると、油圧ポンプモータ17からティルトシリンダ9のボトム室9bに作動油が供給され、ティルトシリンダ9が伸長し、これに伴ってマスト3が前傾する。なお、電磁比例弁26は、開位置26a,26bにあるときは、操作信号に応じた開度で開く。
油圧配管25における逆止弁27の上流側には、油圧配管30を介してアタッチメント用の電磁比例弁31が接続されている。油圧配管30には、油圧ポンプモータ17から電磁比例弁31への方向にのみ作動油を流通させる逆止弁32が設けられている。
電磁比例弁31とアタッチメントシリンダ15のロッド室15a及びボトム室15bとは、油圧配管33,34を介してそれぞれ接続されている。電磁比例弁31は、油圧ポンプモータ17からアタッチメントシリンダ15のロッド室15aへの作動油の流通を許容する開位置31aと、油圧ポンプモータ17からアタッチメントシリンダ15のボトム室15bへの作動油の流通を許容する開位置31bと、油圧ポンプモータ17からアタッチメントシリンダ15への作動油の流通を遮断する閉位置31cの間で切り換えられる。
電磁比例弁31は、通常は閉位置31c(図示)にあり、開位置31a側のソレノイド操作部31dに操作信号(アタッチメント操作レバーの一方側操作の操作量に応じたアタッチメント用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置31aに切り換わり、開位置31b側のソレノイド操作部31eに操作信号(アタッチメント操作レバーの他方側操作の操作量に応じたアタッチメント用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置31bに切り換わる。なお、アタッチメントシリンダ15の動作については省略する。また、電磁比例弁31は、開位置31a,31bにあるときは、操作信号に応じた開度で開く。
油圧配管30における逆止弁32の上流側には、油圧配管35を介してPS用の電磁比例弁36が接続されている。油圧配管35には、油圧ポンプモータ17から電磁比例弁36への方向にのみ作動油を流通させる逆止弁37が設けられている。
電磁比例弁36とPSシリンダ14の第1ロッド室14a及び第2ロッド室14bとは、油圧配管38,39を介してそれぞれ接続されている。電磁比例弁36は、油圧ポンプモータ17からPSシリンダ14の第1ロッド室14aへの作動油の流通を許容する開位置36aと、油圧ポンプモータ17からPSシリンダ14の第2ロッド室14bへの作動油の流通を許容する開位置36bと、油圧ポンプモータ17からPSシリンダ14への作動油の流通を遮断する閉位置36cの間で切り換えられる。
電磁比例弁36は、通常は閉位置36c(図示)にあり、開位置36a側のソレノイド操作部36dに操作信号(ステアリング13の左右一方側操作の操作速度に応じたPS用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置36aに切り換わり、開位置36b側のソレノイド操作部36eに操作信号(ステアリング13の左右他方側操作の操作速度に応じたPS用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置36bに切り換わる。なお、PSシリンダ14の動作については省略する。また、電磁比例弁36は、開位置36a,36bにあるときは、操作信号に応じた開度で開く。
油圧配管22における油圧ポンプモータ17と電磁比例弁23との分岐点は、油圧配管40を介してタンク19と接続されている。油圧配管40には、アンロード弁41及びフィルタ42が設けられている。また、油圧配管40と電磁比例弁26,31,36とは、油圧配管43〜45を介して接続されている。さらに、電磁比例弁23,26,31,36は、油圧配管46を介して油圧配管40と接続されている。
油圧ポンプモータ17の吸込口17aとリフトシリンダ4のボトム室4bとは、油圧配管(下降油路)47を介して接続されている。油圧配管47は、リフト操作レバー11による単独下降操作時にはリフトシリンダ4から排出される作動油が油圧ポンプモータ17の吸込口17aへと流れるように、リフトシリンダ4のボトム室4bと油圧ポンプモータ17の吸込口17aとを接続する。油圧配管47には、リフト下降用の電磁比例弁(制御弁)48が配設されている。電磁比例弁48は、リフトシリンダ4のボトム室4bから油圧ポンプモータ17の吸込口17aへの作動油の流通を許容する開位置48aと、リフトシリンダ4のボトム室4bから油圧ポンプモータ17の吸込口17aへの作動油の流通を遮断する閉位置48bとの間で切り換えられる。
電磁比例弁48は、通常は閉位置48b(図示)にあり、ソレノイド操作部48cに操作信号(リフト操作レバー11の下降操作の操作量に応じたリフト下降用ソレノイド電流指令値)が入力されると、開位置48aに切り換わる。すると、フォーク6の自重によりフォーク6が下降し、これに伴ってリフトシリンダ4が収縮し、リフトシリンダ4のボトム室4bから作動油が流れ出る。なお、電磁比例弁48は、開位置48aにあるときは、操作信号に応じた開度で開く。
油圧配管47における油圧ポンプモータ17と電磁比例弁48との分岐点は、油圧配管49を介してタンク19と接続されている。油圧配管49には、圧力補償弁50が配設されている。圧力補償弁50は、圧力補償機能付きの流量制御弁である。なお、油圧配管49には、フィルタ54が設けられている。
圧力補償弁50は、作動油の流通を許容する開位置50aと、作動油の流通を遮断する閉位置50bと、作動油の流通量を調整する絞り位置50cとの間で切り換えられる。圧力補償弁50の閉位置50b側のパイロット操作部と電磁比例弁48の上流側(前側)とは、パイロット流路51を介して接続されている。圧力補償弁50の開位置50a側のパイロット操作部と電磁比例弁48の下流側(後側)とは、パイロット流路52を介して接続されている。圧力補償弁50は、電磁比例弁48の前後の圧力差に応じた開度で開く。具体的には、圧力補償弁50は、通常は閉位置(図示)にある。そして、電磁比例弁48の前後の圧力差が大きくなるほど、圧力補償弁50の開度が小さくなる。
図3は、油圧駆動装置16の制御系を示す構成図である。同図において、油圧駆動装置16は、リフト操作レバー11の操作量を検出するリフト操作レバー操作量センサ(操作量検出部)55と、ティルト操作レバー12の操作量を検出するティルト操作レバー操作量センサ56と、アタッチメント操作レバー(図示せず)の操作量を検出するアタッチメント操作レバー操作量センサ57と、ステアリング13の操作速度を検出するステアリング操作速度センサ58と、電動モータ18の実回転数(モータ実回転数)を検出する回転数センサ(回転数検出手段)59と、リフトシリンダ4のボトム圧を検出するリフトシリンダボトム圧センサ(ボトム圧検出部)70と、コントローラ60と、各種情報を記憶する記憶部71と、を備えている。
コントローラ60は、操作レバー操作量センサ55〜57、ステアリング操作速度センサ58、回転数センサ59、及びリフトシリンダボトム圧センサ70の検出値を入力し、所定の処理を行い、電動モータ18、電磁比例弁23,26,31,36,48を制御する。また、コントローラ60は、記憶部71へ要求信号を送信すると共に、当該要求信号に基づいて記憶部71より出力された情報を取得する。なお、記憶部71が記憶する情報の詳細については後述する。
図4は、油圧駆動装置16の制御系のブロック構成を示すブロック構成図である。図4に示すように、コントローラ60は、モータドライバ61と、力行トルク制限制御目標回転数算出部66と、モータ指令回転数算出部67と、作動油温度推定部69と、を備える。
モータドライバ61は、比較部62A,62Bと、PID演算部63と、出力トルク決定部64と、モータ制御部65とを有している。比較部62Aは、モータ指令回転数算出部67で設定されたモータ指令回転数と回転数センサ59により検出されたモータ実回転数との回転数偏差を算出する。比較部62Bは、力行トルク制限制御目標回転数算出部66で設定された力行トルク制限制御目標回転数と回転数センサ59により検出されたモータ実回転数との回転数偏差を算出する。PID演算部63は、モータ指令回転数とモータ実回転数との回転数偏差のPID演算を行い、当該回転数偏差がゼロになるような電動モータ18の力行トルク指令値を求める。PID演算は、比例(Proportional)動作、積分(Integral)動作及び微分(Derivative)動作を組み合わせた演算である。力行トルク制限値算出部68は、力行トルク制限制御目標回転数と回転数センサ59により検出されたモータ実回転数との回転数偏差に基づいて、電動モータ18の力行トルク制限値を算出する。
出力トルク決定部64は、PID演算部63で得られた力行トルク指令値と力行トルク制限値算出部68で設定された電動モータ18の力行トルク制限値とを比較し、電動モータ18の出力トルクを決定する。具体的には、力行トルク指令値が力行トルク制限値以下のときは、力行トルク指令値を電動モータ18の出力トルクとし、力行トルク指令値が力行トルク制限値よりも高いときは、力行トルク制限値を電動モータ18の出力トルクとする。モータ制御部65は、出力トルク決定部64で決定された出力トルクを電流信号に変換して電動モータ18に送出する。
モータ指令回転数算出部67は、各センサ55,56,57,58で検出された検出値を取得し、当該検出値に基づいてモータ指令回転数を設定する。モータ指令回転数算出部67は、各操作レバーの操作量に応じてモータ指令回転数を設定する。力行トルク制限制御目標回転数算出部66は、各センサ55,56,57,58で検出された検出値を取得し、当該検出値に基づいて力行トルク制限制御目標回転数を設定する。力行トルク制限制御目標回転数算出部66は、各操作レバーの操作状況に応じて力行トルク制限制御目標回転数を設定する。
作動油温度推定部69は、回転数センサ59が検出した電動モータ18の実回転数(以下の説明では、単に「実回転数」と称する)、リフト操作レバー操作量センサ55が検出したリフト操作レバー11の操作量(以下の説明では、単に「操作量」と称する)、及びリフトシリンダボトム圧センサ70が検出したリフトシリンダ4のボトム圧(以下の説明では、単に「ボトム圧」と称する)と、記憶部71に記憶されたマップとを照会することで、作動油温度を推定する。
記憶部71は、リフト操作レバー11による単独下降操作時(リフト操作レバー11で下降操作がなされ、他の操作レバーの操作がなされていない状態)における、電動モータ18の実回転数、リフト操作レバー11の操作量、リフトシリンダ4のボトム圧、及び作動油温度の関係を示す複数のマップを記憶する。また、このマップは、力行トルク制限制御が行われたときの各条件と作動油温度との関係を示す。具体的には、記憶部71は、図7〜図9に示すような複数のマップを有している。複数のマップは、ボトム圧に基づいて複数種類に分類されると共に、操作量に基づいて複数種類に分類されている。例えば、図7(a)、図8(a)及び図9(a)のマップは「ボトム圧=高」に分類される。当該条件は、積荷が重い場合に分類される。図7(b)、図8(b)及び図9(b)のマップは「ボトム圧=低」に分類される。当該条件は、積荷が軽い場合に分類される。また、図7のマップは「操作量=大」に分類され、図8のマップは「操作量=中」に分類され、図9のマップは「操作量=小」に分類される。複数のマップの各々は、所定の作動油温度における実回転数のデータを複数有している。例えば、図7(a)に示すマップは、「ボトム圧=高」及び「操作量=大」という条件における指令回転数Aに対して、作動油温度が50℃、20℃、0°、及び−20℃の場合における実回転数のデータを有している。他のマップについても同様である。なお、操作量の大、中、小は、電磁比例弁48の開度の大、中、小時に対応している。このように、操作量に応じて最大回転数が規定される。また、積荷が軽くなると、積荷が重い場合に比べて回転数が低くなる。
記憶部71が記憶する複数のマップは、事前に実験によって取得される。例えば、「操作量=大」に該当する条件として操作量が大きい範囲に属する値のうち所定の値を設定し、「操作量=中」に該当する条件として操作量が中間の範囲に属する値のうち所定の値を設定し、操作量が小さい範囲に属する値のうち所定の値を設定する。なお、条件設定のための所定の操作量の値は、どのような値に設定してもよい。例えば、一般的な運転者が操作量を大きくする場合に採用される操作量の値を設定してよい。あるいは、運転者が固定されている場合は、当該運転者の過去の運転の履歴データに基づいて値を設定してもよい。また、各条件を定める値として、一つの値が設定されてもよく、一定の範囲を持った値が設定されてもよい。なお、操作量の条件として3種類に分類されているが、2種類に分類してもよく、4種類以上に分類してもよい。「ボトム圧=高」に該当する条件としてボトム圧が大きい範囲に属する値のうち所定の値を設定し、「ボトム圧=低」に該当する条件として操作量が低い範囲に属する値のうち所定の値を設定する。なお、条件設定のための所定の操作量の値は、どのような値に設定してもよい。例えば、一般的に積荷が大きいとされる場合におけるボトム圧の値を設定してよい。あるいは、運転者が固定されている場合は、当該運転者の過去の運転の履歴データに基づいて値を設定してもよい。また、各条件を定める値として、一つの値が設定されてもよく、一定の範囲を持った値が設定されてもよい。なお、ボトム圧の条件として2種類に分類されているが、3種類に分類してもよい。操作量の条件及びボトム圧の条件を所定の値に設定(これにより、指令回転数が所定の値に設定される)した上で、各作動油温度における実際の実回転数を測定し、データとして記録する。なお、本実施形態では、作動油温度の条件として50℃、20℃、0°、及び−20℃を採用しているが、条件の数は限定されず、異なる温度を採用してもよい。あるいは一定の範囲を持った温度範囲を設定してもよい。なお、作動油温度が低い程、作動油の粘度が高くなり、作動油温度が高い程、作動油の粘度が低くなる。このような影響により、作動油温度が低くなれば回転数の上限が低くなり、作動油温度が高くなれば回転数の上限が高くなる。従って、回転数の上限は、作動油温度に応じて規定される。
作動油温度推定部69は、リフト操作レバー操作量センサ55が検出した操作量、及びリフトシリンダボトム圧センサ70が検出したボトム圧に基づいて複数のマップの内から一のマップを選定する。作動油温度推定部69は、選定された一のマップと回転数センサ59が検出した実回転数とを照会することで、作動油温度を推定する。また、作動油温度推定部69は、複数のマップの中に、回転数センサ59が検出した実回転数、リフト操作レバー操作量センサ55が検出した操作量、及びリフトシリンダボトム圧センサ70が検出したボトム圧に対応する作動油温度が存在しない場合、補完演算によって作動油温度を推定する。補完演算とは、記憶部71に予め記憶している条件に対応するデータを用いて、記憶部71に記憶されていない条件に対応する値を算出することである。例えば、図に示す例では、回転数が50℃のときの回転数と20℃のときの回転数との間の値であった場合、作動油温度推定部69は、50℃と20℃との間の温度であると推定すると共に、50℃の回転数及び20℃の回転数を参考にして、具体的な作動油温度を算出する。
図5は、コントローラ60により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。なお、本制御処理では、フォーク6の下降(リフト下降)を含む動作のみを対象としている。また、本制御処理を実行する周期は、実験等により適宜決められている。
同図において、コントローラ60は、まず操作レバー操作量センサ55〜57により検出されたリフト操作レバー11、ティルト操作レバー12及びアタッチメント操作レバーの操作量と、ステアリング操作速度センサ58により検出されたステアリング13の操作速度とを取得する(手順S101)。
続いて、コントローラ60は、手順S101で取得されたリフト操作レバー11、ティルト操作レバー12、アタッチメント操作レバーの操作量及びステアリング13の操作速度に基づいて、操作条件としてのリフト下降モードを判定する(手順S102)。リフト下降モードとしては、リフト下降単独操作、リフト下降+ティルト操作、リフト下降+アタッチメント操作、リフト下降+パワーステアリング操作、リフト下降+ティルト+パワーステアリング操作がある。
続いて、コントローラ60は、手順S101で取得されたリフト操作レバー11、ティルト操作レバー12、アタッチメント操作レバーの操作量及びステアリング13の操作速度と手順S102で判定されたリフト下降モードとに応じた電磁比例弁ソレノイド電流指令値を求める(手順S103)。電磁比例弁ソレノイド電流指令値としては、リフト操作レバー11の下降操作の操作量に応じたリフト下降用ソレノイド電流指令値、ティルト操作レバー12の操作量に応じたティルト用ソレノイド電流指令値、アタッチメント操作レバーの操作量に応じたアタッチメント用ソレノイド電流指令値、ステアリング13の操作速度に応じたパワーステアリング(PS)用ソレノイド電流指令値がある。
続いて、コントローラ60は、手順S102で得られた操作条件に対するモータ必要回転数を求める(手順S104)。モータ必要回転数としては、リフト必要モータ回転数、ティルト必要モータ回転数、アタッチメント必要モータ回転数及びパワーステアリング(PS)必要モータ回転数がある。リフト必要モータ回転数は、リフト動作を行うのに必要な電動モータ18の回転数である。ティルト必要モータ回転数は、ティルト動作を行うのに必要な電動モータ18の回転数である。アタッチメント必要モータ回転数は、アタッチメント動作を行うのに必要な電動モータ18の回転数である。PS必要モータ回転数は、PS動作を行うのに必要な電動モータ18の回転数である。
続いて、コントローラ60のモータ指令回転数算出部67は、手順S102で判定されたリフト下降モードと手順S104で得られたモータ必要回転数に基づいて、モータ指令回転数を設定する(手順S105)。このとき、モータ指令回転数は、リフト下降単独操作の場合は、モータ指令回転数をリフト必要モータ回転数にしてよい。リフト下降+ティルト操作の場合、リフト下降+アタッチメント操作の場合、リフト下降+パワーステアリング操作の場合、リフト下降+ティルト+パワーステアリング操作の場合は、予め設定された条件にしたがってモータ指令回転数を設定する。
続いて、コントローラ60の力行トルク制限値算出部68は、手順S102で判定されたリフト下降モードに基づいて、電動モータ18の力行トルク制限値を設定する(手順S106)。力行トルク制限値は、許容する力行トルクの値のことである。リフト下降単独操作の場合は、力行トルク制限をONにする。このとき、力行トルク制限値は、例えば0Nm(0%)もしくはそれに近い値に設定される。リフト下降+ティルト操作、リフト下降+アタッチメント操作、リフト下降+パワーステアリング操作、リフト下降+ティルト+パワーステアリング操作の場合は、力行トルク制限をOFFにしてよい。つまり、この時の力行トルク制限値は、100%に設定してよい。
コントローラ60は、手順S107を実施した後、手順S103で得られた電磁比例弁ソレノイド電流指令値を対応する電磁比例弁のソレノイド操作部に送出する(手順S107)。このとき、コントローラ60は、リフト下降用ソレノイド電流指令値を電磁比例弁48のソレノイド操作部48cに送出する。また、ティルト用ソレノイド電流指令値を求めたときは、その電流指令値を電磁比例弁26のソレノイド操作部26d,26eの何れかに送出し、アタッチメント用ソレノイド電流指令値を求めたときは、その電流指令値を電磁比例弁31のソレノイド操作部31d,31eの何れかに送出し、PS用ソレノイド電流指令値を求めたときは、その電流指令値を電磁比例弁36のソレノイド操作部36d,36eの何れかに送出する。
続いて、コントローラ60の出力トルク決定部64は、手順S105で設定されたモータ回転数指令値(モータ指令回転数)と回転数センサ59により検出されたモータ実回転数と手順S106で設定された電動モータ18の力行トルク制限値とに基づいて電動モータ18の出力トルクを求め、モータ制御部65は、その出力トルクを制御信号として電動モータ18に送出する(手順S108)。
図6は、コントローラ60の作動油温度推定部69により実行される作動油推定制御処理手順を示すフローチャートである。なお、本制御処理は、単独下降操作がなされて力行トルク制限制御が行われている時に実行される。また、本制御処理を実行する周期は、実験等により適宜決められている。
作動油温度推定部69は、回転数センサ59が検出した電動モータ18の回転数を取得する(手順S201)。作動油温度推定部69は、リフトシリンダボトム圧センサ70が検出したリフトシリンダ4のボトム圧を取得する(手順S202)。作動油温度推定部69は、リフト操作レバー操作量センサ55が検出したリフト操作レバー11の操作量を取得する(手順S203)。
作動油温度推定部69は、手順S201で取得された実回転数、手順202で取得されたボトム圧、及び手順S203で取得された操作量と、記憶部に記憶された複数のマップとを照会する(手順S204)。作動油温度推定部69は、手順S203で取得された操作量、及びS202で取得されたボトム圧に基づいて記憶部71が記憶する複数のマップの内から一のマップを選定する。例えば、作動油温度推定部69は、取得した値に基づいて、図7〜図9の複数のマップのうち、「ボトム圧=高」、「ボトム圧=低」の分類と、「操作量=大」、「操作量=中」、「操作量=小」の分類の中から、一のマップを選定する。そして、作動油温度推定部69は、手順S201で取得した実回転数がマップ中のどの作動油温度のデータに一致するかを照会する。
作動油温度推定部69は、S204でのマップの照会の結果に基づいて、作動油温度を推定する(手順S205)。手順S205が終了すると、図6に示す制御処理が終了する。作動油温度推定部69は、図6の制御処理が終了すると、手順S205にて推定した作動油温度を、例えばモータ指令回転数算出部67へ出力する。これにより、モータ指令回転数算出部67は、作動油温度を考慮して、上昇操作等の操作において、系内(例えば逆止弁21等)においてキャビテーションを防止できる程度に抑えられた回転数を、モータ指令回転数に設定することができる。
次に、本発明の実施形態に係る荷役車両の油圧駆動装置16の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る荷役車両1の油圧駆動装置16においては、作動油温度推定部69は、回転数センサ59が検出した実回転数、リフト操作レバー操作量センサ55が検出した操作量、及びリフトシリンダボトム圧センサ70が検出したボトム圧と、記憶部71に記憶されたマップとを照会することで、作動油温度を推定することができる。このように、作動油温度を直接測定するためのセンサ等を別途設けなくとも、各種センサで検出された検出結果に基づいて、容易に作動油温度を推定することが可能となる。作動油温度を推定することで、例えば、作動油温度が低くて作動油の粘度が低いと推定した場合に、キャビテーションの発生を防止できる条件にて油圧シリンダの運転を行うことができる。以上により、キャビテーションの発生を容易に防止することができる。
また、本実施形態に係る荷役車両1の油圧駆動装置16は、リフト操作レバー11による単独下降操作時における、電動モータ18の実回転数、リフト操作レバー11の操作量、リフトシリンダ4のボトム圧、及び作動油温度同士の関係を示す複数のマップを記憶する記憶部71を更に備えている。また、複数のマップは、ボトム圧に基づいて複数種類に分類されると共に、操作量に基づいて複数種類に分類され、複数のマップの各々は、所定の作動油温度における実回転数のデータを複数有している。作動油温度推定部69は、リフト操作レバー操作量センサ55が検出した操作量、及びリフトシリンダボトム圧センサ70が検出したボトム圧に基づいて複数のマップの内から一のマップを選定し、選定された一のマップと回転数センサ59が検出した実回転数とを照会することで、作動油温度を推定する。これによれば、作動油温度を直接測定するためのセンサ等を別途設けなくとも、予め記憶されたマップと各種検出部で検出された検出結果とを照会させることで、容易に作動油温度を推定することが可能となる。また、操作条件が変化しても、精度良く作動油温度を推定することができ、不要にモータ回転数を落として作業効率を悪化させることを防止することができる。
また、本実施形態に係る荷役車両1の油圧駆動装置16において、作動油温度推定部69は、マップの中に、回転数センサ59が検出した実回転数、リフト操作レバー操作量センサ55が検出した操作量、及びリフトシリンダボトム圧センサ70が検出したボトム圧に対応する作動油温度が存在しない場合、補完演算によって作動油温度を推定してよい。これによれば、検出した条件が、記憶部71に記憶されているマップの条件に合致しない場合であっても、作動油温度を推定することができる。従って、過度な量のデータを準備しなくとも、あらゆる条件における作動油温度を推定することができる。
以上、本発明に係る荷役車両の油圧駆動装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
記憶部に記憶されたマップは、上述の実施形態に示したものに限らず、昇降操作部による単独下降操作時における、電動機の実回転数、昇降操作部の操作量、昇降用油圧シリンダのボトム圧、及び作動油温度同士の関係を示すものであればどのような表現態様のマップでもよい。例えば、図10に示すようなマップを採用してもよい。図10のマップは、横軸として回転数が設定され、縦軸として作動油温度が設定される。また、図10(a)に示すマップは、「ボトム圧=高」、すなわち積荷重量が大きい場合に分類される。また、図10(b)に示すマップは、「ボトム圧=低」、すなわち積荷重量が小さい場合に分類される。また、図10(a),(b)は、「操作量=大」、「操作量=中」、「操作量=小」の場合におけるデータを有している。
上述の実施形態では、作動油温度推定部69は、記憶部71に記憶されたマップを用いて温度を推定していた。これに代えて、実験結果から推定温度算出用の近似演算式を作成し、その演算式を用いて実回転数、操作量、ボトム圧に基づいて、作動油温度推定部69が推定温度を算出するようにしてもよい。
下降用の電磁比例弁は、油圧ポンプの吸込口と昇降用油圧シリンダのボトム室との間に配設され、昇降操作部の下降操作に基づいて作動油の流れを制御する制御弁であればよい。従って、下降用の制御弁は、例えば、電磁式、油圧式、機械式のいずれでもよい。また、下降用の制御弁は、比例弁でなく、切替弁でもよい。
上述の実施形態では、油圧配管49及び圧力補償弁50等によってバイパス回路が構築されていたが、当該バイパス回路は省略されてもよい。
また、上述の実施形態では、リフトシリンダ以外の油圧シリンダとして、ティルトシリンダ、PSシリンダ、及びアタッチメントシリンダが設けられている。しかし、リフトシリンダ以外のシリンダは、一部又は全部が省略されてよい。例えば、上記実施形態では、アタッチメント及びパワーステアリングが搭載されているが、本発明の油圧駆動装置は、アタッチメント及びパワーステアリングが搭載されていないフォークリフトにも適用可能である。また、本発明の油圧駆動装置は、フォークリフト以外のバッテリ式の荷役車両であれば適用可能である。
1…荷役車両、4…リフトシリンダ(昇降用油圧シリンダ)、4b…ボトム室、6…フォーク(昇降物)、11…リフト操作レバー(昇降操作部)、16…油圧駆動装置、17…油圧ポンプモータ(油圧ポンプ)、17a…吸込口、17b…吐出口、18…電動モータ(電動機、発電機)、48…リフト下降用の電磁比例弁(制御弁)、55…リフト操作レバー操作量センサ(操作量検出部)、59…回転数センサ(回転数検出部)、60…コントローラ、69…作動油温度推定部、70…リフトシリンダボトム圧センサ(ボトム圧検出部)、71…記憶部。

Claims (3)

  1. 作動油の給排により昇降物を昇降させる昇降用油圧シリンダと、
    前記昇降用油圧シリンダを作動させるための昇降操作部と、
    前記昇降操作部による上昇操作時には前記昇降用油圧シリンダに前記作動油を供給するポンプとして機能するとともに、前記昇降操作部による下降操作時には前記昇降用油圧シリンダから排出される作動油により駆動される油圧モータとして機能する油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプに接続されて、電動機または発電機として機能する電動モータと、
    前記昇降操作部による単独下降操作時には前記昇降用油圧シリンダから排出される作動油が前記油圧ポンプの吸込口へと流れるように前記昇降用油圧シリンダのボトム室と前記油圧ポンプの吸込口とを接続する下降油路と、
    前記下降油路に配設され、前記昇降操作部の下降操作に基づいて前記作動油の流れを制御する制御弁と、
    前記電動モータの実回転数を検出する回転数検出部と、
    前記昇降操作部の操作量を検出する操作量検出部と、
    前記昇降用油圧シリンダのボトム圧を検出するボトム圧検出部と、
    前記昇降操作部による単独下降操作がなされて前記電動モータの力行トルク制限制御が行われている時において、前記回転数検出部が検出した前記実回転数と、前記操作量検出部が検出した前記操作量と、及び前記ボトム圧検出部が検出した前記ボトム圧とに基づいて作動油温度を推定する作動油温度推定部と、を備える荷役車両の油圧駆動装置。
  2. 前記昇降操作部による単独下降操作がなされて前記電動モータの力行トルク制限制御が行われている時における、前記電動モータの前記実回転数、前記昇降操作部の前記操作量、前記昇降用油圧シリンダの前記ボトム圧、及び作動油温度同士の関係を示す複数のマップを記憶する記憶部を更に備え、
    複数の前記マップは、前記ボトム圧に基づいて複数種類に分類されると共に、前記操作量に基づいて複数種類に分類され、
    前記複数のマップの各々は、所定の作動油温度における前記実回転数のデータを複数有しており、
    前記作動油温度推定部は、前記操作量検出部が検出した前記操作量、及び前記ボトム圧検出部が検出した前記ボトム圧に基づいて前記複数のマップの内から一のマップを選定し、
    選定された前記一のマップと前記回転数検出部が検出した前記実回転数とを照会することで、前記作動油温度を推定する、請求項1に記載の荷役車両の油圧駆動装置。
  3. 前記作動油温度推定部は、前記マップの中に、前記回転数検出部が検出した前記実回転数、前記操作量検出部が検出した前記操作量、及び前記ボトム圧検出部が検出した前記ボトム圧に対応する前記作動油温度が存在しない場合、補完演算によって前記作動油温度を推定する請求項1又は2に記載の荷役車両の油圧駆動装置。
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