JP2017025348A - Mo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
Mo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017025348A JP2017025348A JP2015141562A JP2015141562A JP2017025348A JP 2017025348 A JP2017025348 A JP 2017025348A JP 2015141562 A JP2015141562 A JP 2015141562A JP 2015141562 A JP2015141562 A JP 2015141562A JP 2017025348 A JP2017025348 A JP 2017025348A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- sputtering target
- oxide
- diffraction peak
- oxide sputtering
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
【課題】組成の均質性に優れ抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法の提供。【解決手段】Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有し、X線回折において、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有さないMo−W酸化物スパッタリングターゲット。【選択図】図1
Description
本発明は、WとMoとを含むMo−W酸化物膜を形成する際に使用されるMo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
上述のWとMoとを含むMo−W酸化物膜は、例えば特許文献1−3に開示されているように、各種電子デバイスにおいて用いられている。このMo−W酸化物膜は、ある程度の導電性を備えており、その抵抗値が重要な特性となる。
このMo−W酸化物膜をスパッタ法で成膜する場合には、スパッタガスに酸素を混合して成膜中に酸素を導入する方法、あるいは、成膜されるMo−W酸化物膜の組成に準じた組成のMo−W酸化物スパッタリングターゲットを用いて非酸化雰囲気で成膜する方法がある。
このMo−W酸化物膜をスパッタ法で成膜する場合には、スパッタガスに酸素を混合して成膜中に酸素を導入する方法、あるいは、成膜されるMo−W酸化物膜の組成に準じた組成のMo−W酸化物スパッタリングターゲットを用いて非酸化雰囲気で成膜する方法がある。
ここで、上述のMo−W酸化物スパッタリングターゲットにおいては、WOX粉末(タングステン酸化物粉末)とMoOX粉末(モリブデン酸化物粉末)とW粉末(金属タングステン粉末)とMo粉末(金属モリブデン粉末)とを、所定の組成となるように秤量して混合し、この混合粉末を成型して焼結することで製造される。なお、上述のWOX(タングステン酸化物)としては、WO3、W18O49、WO2等が挙げられる。
ところで、上述のMo−W酸化物ターゲットにおいては、その組成比によっては、原料粉末としてMoOX粉末を用いず、WOX粉末とW粉末とMo粉末が用いられることがある。この場合、Mo−W酸化物ターゲットの酸素量はWOX粉末の配合量によって調整される。
ここで、WOX粉末の一種であるWO2粉末は、WO3粉末を還元処理することによって製造されている。このWO3粉末の還元処理の過程において、比較的安定な相としてW18O49が形成される。このため、市販のWO2粉末においては、図4のX線回折パターンに示すように、WO2とW18O49とが混在しており、その混在比も一定ではなかった。
ここで、WOX粉末の一種であるWO2粉末は、WO3粉末を還元処理することによって製造されている。このWO3粉末の還元処理の過程において、比較的安定な相としてW18O49が形成される。このため、市販のWO2粉末においては、図4のX線回折パターンに示すように、WO2とW18O49とが混在しており、その混在比も一定ではなかった。
このように、WOXとして、WO3、W18O49、WO2が存在しているとともに、市販のWO2粉末には、WO2及びW18O49が混在している。WO2粉末はWO3粉末を出発原料として例えば水素還元下など還元雰囲気下で製造されることが一般的であり、WO2とW18O49の比率を一定に調整することは困難である。このことから、これらの原料粉末を用いて形成されたMo−W酸化物スパッタリングターゲットの組成均一性は良好ではなく、このMo−W酸化物ターゲットを用いて成膜されたMo−W酸化物膜においてW,Mo,Oの組成の均質性が低下することになる。このため、Mo−W酸化膜の抵抗率等の特性のばらつきが生じるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、組成の均質性に優れ抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のMo−W酸化物スパッタリングターゲットは、Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有し、X線回折において、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有さないことを特徴としている。
このような構成とされた本発明のMo−W酸化物スパッタリングターゲットによれば、X線回折において、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有さないことから、ターゲット中に含まれる酸化物がWO2単相となり、ターゲットにおける組成比のばらつきが抑制される。これにより、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜することが可能となる。
また、本発明のMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法においては、Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有するMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法であって、WO2粉末と、W粉末と、Mo粉末と、を混合する原料粉末混合工程と、混合された原料粉末を、非酸化雰囲気で焼結する焼結工程と、を有し、前記WO2粉末は、X線回折において、WO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないことを特徴としている。
このような構成とされた本発明のMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法によれば、WO2粉末と、W粉末と、Mo粉末と、を混合する原料粉末混合工程を有し、前記WO2粉末として、X線回折において、WO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないものを用いているので、ターゲット中に含まれる酸化物がWO2単相となり、ターゲットにおける組成比のばらつきが抑制される。また、混合された原料粉末を、非酸化雰囲気で焼結する焼結工程を有しているので、焼結工程において酸素の混入を抑制することができる。
よって、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲットを製造することができる。
よって、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲットを製造することができる。
以上のように、本発明によれば、組成の均質性に優れ抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態であるMo−W酸化物スパッタリングターゲット及びMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係るMo−W酸化物スパッタリングターゲットは、Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有する。
そして、ターゲット面のX線回折パターンにおいて、図1に示すように、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有していない。
そして、ターゲット面のX線回折パターンにおいて、図1に示すように、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有していない。
すなわち、本実施形態に係るMo−W酸化物スパッタリングターゲットは、Mo相(金属Mo相)と、W相(金属W相)と、WO2相とからなり、酸化物相がWO2単相とされている。
ここで、ターゲット面の組織観察の結果、Mo相(金属Mo相)の面積率が9%以上11%以下、W相(金属W相)の面積率が2%以上22%以下、とされ、残部がWO2相(酸化物相)とされている。
ここで、ターゲット面の組織観察の結果、Mo相(金属Mo相)の面積率が9%以上11%以下、W相(金属W相)の面積率が2%以上22%以下、とされ、残部がWO2相(酸化物相)とされている。
次に、本実施形態に係るMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法について、図2のフロー図を参照して説明する。
本実施形態に係るMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、図2に示すように、所定の配合量で配合された原料粉末を混合する原料粉末混合工程S01と、混合された原料粉末を加熱して焼結する焼結工程S02と、得られた焼結体を加工する加工工程S03と、を備えている。
本実施形態に係るMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法は、図2に示すように、所定の配合量で配合された原料粉末を混合する原料粉末混合工程S01と、混合された原料粉末を加熱して焼結する焼結工程S02と、得られた焼結体を加工する加工工程S03と、を備えている。
<原料粉末混合工程S01>
まず、原料粉末として、Mo粉末、W粉末及びWO2粉末を準備する。ここで、Mo粉末としては、純度が99.9質量%以上、平均粒径が1μm以上45μm以下とされたものを用いることが好ましい。また、W粉末としては、純度が99.9質量%以上、平均粒径が1μm以上45μm以下とされたものを用いることが好ましい。上述の純度、平均粒径によれば、組織の粒径が小さく緻密で異常放電の少ないスパッタリングターゲットを得ることができる。
そして、WO2粉末として、図3に示すように、X線回折パターンにおいて、WO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないものを使用する。WO2単相の粉末は、市販のWO3を出発原料とし水素雰囲気下により還元することにより製造される。なお、より均一な成膜を可能とするため、WO2粉末の平均粒径は、1μm以上2μm以下の範囲内とすることが好ましい。
まず、原料粉末として、Mo粉末、W粉末及びWO2粉末を準備する。ここで、Mo粉末としては、純度が99.9質量%以上、平均粒径が1μm以上45μm以下とされたものを用いることが好ましい。また、W粉末としては、純度が99.9質量%以上、平均粒径が1μm以上45μm以下とされたものを用いることが好ましい。上述の純度、平均粒径によれば、組織の粒径が小さく緻密で異常放電の少ないスパッタリングターゲットを得ることができる。
そして、WO2粉末として、図3に示すように、X線回折パターンにおいて、WO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないものを使用する。WO2単相の粉末は、市販のWO3を出発原料とし水素雰囲気下により還元することにより製造される。なお、より均一な成膜を可能とするため、WO2粉末の平均粒径は、1μm以上2μm以下の範囲内とすることが好ましい。
上述のMo粉末、W粉末、WO2粉末を、Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成となるように秤量し、これを混合する。本実施形態においては、秤量された原料粉末を、例えばボールミルを用いて、有機溶媒中又は乾式にて混合した。
<焼結工程S02>
次に、上述のようにして混合された原料粉末(混合粉末)を、所定形状のモールド内に充填し、真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結を行う。なお、焼結工程S02における焼結方法としては、ホットプレス、熱間静水圧プレスを適用することが可能である。
本実施形態では、真空炉を用いて、炉内が10-2Torr(1.3Pa)の到達真空圧力になるまで排気した後、保持温度が1100℃以上1300℃以下、保持時間が2時間以上4時間以下、プレス圧力が10MPa以上35MPa以下の条件で、ホットプレス焼結を行った。
次に、上述のようにして混合された原料粉末(混合粉末)を、所定形状のモールド内に充填し、真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結を行う。なお、焼結工程S02における焼結方法としては、ホットプレス、熱間静水圧プレスを適用することが可能である。
本実施形態では、真空炉を用いて、炉内が10-2Torr(1.3Pa)の到達真空圧力になるまで排気した後、保持温度が1100℃以上1300℃以下、保持時間が2時間以上4時間以下、プレス圧力が10MPa以上35MPa以下の条件で、ホットプレス焼結を行った。
<加工工程S03>
焼結工程S02で得られた焼結体に対して切削加工又は研削加工を施すことにより、所定形状のMo−W酸化物スパッタリングターゲットに加工する。
焼結工程S02で得られた焼結体に対して切削加工又は研削加工を施すことにより、所定形状のMo−W酸化物スパッタリングターゲットに加工する。
以上のような工程により、本実施形態であるMo−W酸化物スパッタリングターゲットが製造される。このMo−W酸化物スパッタリングターゲットは、Inをはんだとして、Cu又はSUS(ステンレス)又はその他の金属(例えばMo)からなるバッキングプレートにボンディングして使用される。
以上のような構成とされた本実施形態であるMo−W酸化物スパッタリングターゲットによれば、X線回折において、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有さないことから、ターゲット中の酸化物相がWO2単相となり、ターゲットにおける酸素量のばらつきが抑制される。
これにより、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜することが可能となる。
これにより、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜することが可能となる。
また、本実施形態では、ターゲット面の組織観察の結果、Mo相(金属Mo相)の面積率が9%以上11%以下、W相(金属W相)の面積率が2%以上22%以下、とされ、残部がWO2相(酸化物相)とされているので、成膜したMo−W酸化物膜の抵抗率を比較的低く抑えることができる。
本実施形態であるMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法によれば、原料粉として、Mo粉末、W粉末及びWO2粉末を用いており、WO2粉末として、X線回折パターンにおいて、WO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないものを用いているので、ターゲット中の酸化物相がWO2単相となる。また、焼結工程S02において非酸化雰囲気で焼結しているので、焼結時の酸素混入が抑制される。
これにより、ターゲットにおける酸素量のばらつきが抑制されることになり、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲットを製造することができる。
これにより、ターゲットにおける酸素量のばらつきが抑制されることになり、組成の均質性に優れ、抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲットを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、原料粉末の混合を、ボールミルを用いて行うものとして説明したが、これに限定されることはなく、均一に粉末を混合できるものであれば、他の手段を用いてもよい。
例えば、本実施形態では、原料粉末の混合を、ボールミルを用いて行うものとして説明したが、これに限定されることはなく、均一に粉末を混合できるものであれば、他の手段を用いてもよい。
また、原料粉末として用いたMo粉末、W粉末の純度や、Mo粉末、W粉末及びWO2粉末の平均粒径は、本実施形態で規定した範囲に限定されることはなく、適宜設計変更してもよい。
以下に、本発明に係るMo−W酸化物スパッタリングターゲットの作用効果について評価した評価試験の結果について説明する。
原料粉末として、純度が99.9質量%以上のMo粉末(平均粒径17.6μm)、純度が99.9質量%以上のW粉末(平均粒径7.5μm)、図3のX線回折パターンに示すようにWO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないWO2粉末(平均粒径1.5μm)、図4のX線回折パターンに示すようにWO2の回折ピーク及びW18O49の回折ピークを有するWO2粉末(平均粒径0.2μm)、WO3粉末(平均粒径0.2μm)を準備し、表1に示す配合比となるように、それぞれ秤量した。
なお、WO2粉末は、市販のWO3粉末を出発原料として水素還元することにより製造した。
なお、WO2粉末は、市販のWO3粉末を出発原料として水素還元することにより製造した。
秤量されたMo粉末、W粉末及びWO2粉末を、ボールミル装置に装入し、混合した。
得られた混合粉末をグラファイト製モールドに充填し、圧力:19.6MPa、保持温度:1200℃、保持時間:3時間、到達真空圧力:1.3Paの条件で真空ホットプレスすることによりホットプレス焼結体を作製した。
そして、得られたホットプレス焼結体を機械加工して直径:125mm、厚さ:5mmのMo−W酸化物スパッタリングターゲットを作製した。
そして、得られたホットプレス焼結体を機械加工して直径:125mm、厚さ:5mmのMo−W酸化物スパッタリングターゲットを作製した。
<ターゲットの組成>
得られたMo−W酸化物スパッタリングターゲットから組成分析用の試料を採取し、IPC発光分光分析法(アジレント・テクノロジー株式会社製マルチ型ICP発光分光分析装置)によって組成分析した。分析結果を表1に示す。
得られたMo−W酸化物スパッタリングターゲットから組成分析用の試料を採取し、IPC発光分光分析法(アジレント・テクノロジー株式会社製マルチ型ICP発光分光分析装置)によって組成分析した。分析結果を表1に示す。
<ターゲットのX線回折>
X線回折は、株式会社リガク社製のRINT ULTIMAIIIにてX線源としてCuKα管球を使用し、2θ=10°〜90°の範囲で2θ/θ測定を行った。
WO2、WO3、W、Mo,W18O49の回折ピークの有無は、ICDDのPDFデータベースを用い判断した。データベースカードNo.は、WO2は01−086−0134、WO3は00−054−0508、Wは00−004−0806、Moは00−004−0809、W18O49は01−0184−1516を用い、各カードの最大ピーク位置における強度が10cps以上の場合に、回折ピークありと判断した。
X線回折は、株式会社リガク社製のRINT ULTIMAIIIにてX線源としてCuKα管球を使用し、2θ=10°〜90°の範囲で2θ/θ測定を行った。
WO2、WO3、W、Mo,W18O49の回折ピークの有無は、ICDDのPDFデータベースを用い判断した。データベースカードNo.は、WO2は01−086−0134、WO3は00−054−0508、Wは00−004−0806、Moは00−004−0809、W18O49は01−0184−1516を用い、各カードの最大ピーク位置における強度が10cps以上の場合に、回折ピークありと判断した。
<ターゲットの組織観察>
W相及びMo相の面積率の算出は、EPMAで得られた元素分析像から、金属Wと金属Mo相の面積を算出し、金属W、金属Moそれぞれの面積/元素分析像の測定面積×100によって面積率を得た。
W相及びMo相の面積率の算出は、EPMAで得られた元素分析像から、金属Wと金属Mo相の面積を算出し、金属W、金属Moそれぞれの面積/元素分析像の測定面積×100によって面積率を得た。
<Mo−W酸化物膜の成膜>
次に、上述のMo−W酸化物スパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これをスパッタ装置に装着し、以下の条件にてスパッタリング成膜を実施した。
次に、上述のMo−W酸化物スパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これをスパッタ装置に装着し、以下の条件にてスパッタリング成膜を実施した。
電力:DC200W
到達真空度:7×10-4Pa
全圧:5Pa
Ar流量:30sccm
成膜速度:0.72nm/sec
基板:無アルカリガラス基板(コーニング社製Eagle XG)
膜厚:300nm
到達真空度:7×10-4Pa
全圧:5Pa
Ar流量:30sccm
成膜速度:0.72nm/sec
基板:無アルカリガラス基板(コーニング社製Eagle XG)
膜厚:300nm
<Mo−W酸化物膜の抵抗値測定>
成膜されたMo−W酸化物膜(膜厚:300nm)の抵抗値を以下のようにして測定し、その平均値及びばらつきを評価した。なお、ばらつきは、以下のようにして算出した。
膜の抵抗値の測定条件、ばらつきの算出方法を御教示ください。Mo−W酸化物膜の抵抗値の測定は、抵抗測定装置で測定した。この抵抗測定には、三菱化学株式会社製の低抵抗率計(Loresta−GP)を用い、四探針法により比抵抗(Ω・cm)を測定した。測定時の温度は、23±5℃にて、湿度は、50±20%にて測定した。なお、Mo−W酸化物膜の抵抗値のばらつきは、無アルカリガラス基板5枚に成膜されたMo−W酸化物膜の比抵抗測定値の標準偏差(σ)を平均値で割ることで算出した。
ここで、Mo−W酸化物膜の抵抗値は、膜中に含まれるW,Mo,酸素の割合で決定されるが、本発明ではスパッタリングターゲット中に含まれる酸化物がWO2単相であり、W18O49及びWO3の相を含んでいないことから、ターゲットにおけるW,Mo,Oの組成ばらつきが抑制されている。このスパッタリングターゲットにより成膜したMo−W酸化物膜のW,Mo,酸素の組成均質性も良好であり、Mo−W酸化物膜の抵抗値のばらつきが抑制されることになる。
成膜されたMo−W酸化物膜(膜厚:300nm)の抵抗値を以下のようにして測定し、その平均値及びばらつきを評価した。なお、ばらつきは、以下のようにして算出した。
膜の抵抗値の測定条件、ばらつきの算出方法を御教示ください。Mo−W酸化物膜の抵抗値の測定は、抵抗測定装置で測定した。この抵抗測定には、三菱化学株式会社製の低抵抗率計(Loresta−GP)を用い、四探針法により比抵抗(Ω・cm)を測定した。測定時の温度は、23±5℃にて、湿度は、50±20%にて測定した。なお、Mo−W酸化物膜の抵抗値のばらつきは、無アルカリガラス基板5枚に成膜されたMo−W酸化物膜の比抵抗測定値の標準偏差(σ)を平均値で割ることで算出した。
ここで、Mo−W酸化物膜の抵抗値は、膜中に含まれるW,Mo,酸素の割合で決定されるが、本発明ではスパッタリングターゲット中に含まれる酸化物がWO2単相であり、W18O49及びWO3の相を含んでいないことから、ターゲットにおけるW,Mo,Oの組成ばらつきが抑制されている。このスパッタリングターゲットにより成膜したMo−W酸化物膜のW,Mo,酸素の組成均質性も良好であり、Mo−W酸化物膜の抵抗値のばらつきが抑制されることになる。
比較例1−6では、ターゲットのX線回折の結果、いずれもWO2以外のWOXの回折ピークが確認されており、成膜されたMo−W酸化物膜における抵抗値のばらつきが大きくなっていた。
これに対して、本発明例1−3においては、ターゲットのX線回折の結果、いずれもWO2以外のWOXの回折ピークが確認されておらず、酸化物相がWO2単相となっており、成膜されたMo−W酸化物膜における抵抗値のばらつきが小さくなっていた。
これに対して、本発明例1−3においては、ターゲットのX線回折の結果、いずれもWO2以外のWOXの回折ピークが確認されておらず、酸化物相がWO2単相となっており、成膜されたMo−W酸化物膜における抵抗値のばらつきが小さくなっていた。
以上の確認実験の結果から、本発明によれば、組成の均質性に優れ抵抗率のばらつきが少ないMo−W酸化物膜を成膜可能なMo−W酸化物スパッタリングターゲットを提供可能であることが確認された。
Claims (2)
- Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有し、
X線回折において、WO2の回折ピーク、Wの回折ピーク及びMoの回折ピークを有するとともに、W18O49の回折ピーク及びWO3の回折ピークを有さないことを特徴とするMo−W酸化物スパッタリングターゲット。 - Wを32原子%以上40原子%以下、Moを8原子%以上10原子%以下含有し、残部がO及び不可避不純物からなる組成を有するMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法であって、
WO2粉末と、W粉末と、Mo粉末と、を混合する原料粉末混合工程と、混合された原料粉末を、非酸化雰囲気で焼結する焼結工程と、を有し、
前記WO2粉末は、X線回折において、WO2の回折ピークを有し、W18O49の回折ピークを有さないことを特徴とするMo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015141562A JP2017025348A (ja) | 2015-07-15 | 2015-07-15 | Mo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015141562A JP2017025348A (ja) | 2015-07-15 | 2015-07-15 | Mo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017025348A true JP2017025348A (ja) | 2017-02-02 |
Family
ID=57946328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015141562A Pending JP2017025348A (ja) | 2015-07-15 | 2015-07-15 | Mo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017025348A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107523988A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-12-29 | 西北大学 | 一种w18o49包覆碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN107604635A (zh) * | 2017-07-21 | 2018-01-19 | 西北大学 | 一种w18o49包覆碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN113423859A (zh) * | 2019-03-15 | 2021-09-21 | 三菱综合材料株式会社 | 氧化钨溅射靶 |
CN113508188A (zh) * | 2019-03-15 | 2021-10-15 | 三菱综合材料株式会社 | 氧化钨溅射靶 |
KR20220122465A (ko) | 2021-02-26 | 2022-09-02 | 제이엑스금속주식회사 | 산화물 스퍼터링 타깃 및 그 제조 방법 그리고 산화물 박막 |
-
2015
- 2015-07-15 JP JP2015141562A patent/JP2017025348A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107523988A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-12-29 | 西北大学 | 一种w18o49包覆碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN107604635A (zh) * | 2017-07-21 | 2018-01-19 | 西北大学 | 一种w18o49包覆碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN107523988B (zh) * | 2017-07-21 | 2020-05-05 | 西北大学 | 一种w18o49包覆碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN107604635B (zh) * | 2017-07-21 | 2020-05-05 | 西北大学 | 一种w18o49包覆碳纤维复合材料及其制备方法 |
CN113423859A (zh) * | 2019-03-15 | 2021-09-21 | 三菱综合材料株式会社 | 氧化钨溅射靶 |
CN113508188A (zh) * | 2019-03-15 | 2021-10-15 | 三菱综合材料株式会社 | 氧化钨溅射靶 |
KR20220122465A (ko) | 2021-02-26 | 2022-09-02 | 제이엑스금속주식회사 | 산화물 스퍼터링 타깃 및 그 제조 방법 그리고 산화물 박막 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2017025348A (ja) | Mo−W酸化物スパッタリングターゲット、及び、Mo−W酸化物スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP5926870B1 (ja) | セラミック構造体、基板保持装置用部材及びセラミック構造体の製法 | |
WO2014069328A1 (ja) | タングステン焼結体スパッタリングターゲット及び該ターゲットを用いて成膜したタングステン膜 | |
TWI722121B (zh) | 陶瓷結構體、其製造方法及半導體製造裝置用構件 | |
JP2013173658A (ja) | 酸化錫系焼結体およびその製造方法 | |
JP2014194072A (ja) | 酸化ニオブスパッタリングターゲット、その製造方法及び酸化ニオブ膜 | |
JP2013082998A (ja) | MoTiターゲット材およびその製造方法 | |
Lorenz et al. | Effect of processing parameters on in situ screen printing-assisted synthesis and electrical properties of Ti 3 SiC 2-based structures | |
WO2018207770A1 (ja) | CuNi合金スパッタリングターゲットおよびCuNi合金粉末 | |
TWI675116B (zh) | Ti-Al合金濺鍍靶 | |
JP2023165778A (ja) | スパッタリングターゲット及び、スパッタリングターゲットの製造方法 | |
CN110741106A (zh) | 氧化物烧结体及溅射靶 | |
JP4860335B2 (ja) | 導電性耐食部材及びその製造方法 | |
WO2020179900A1 (ja) | セラミックス部材およびその製造方法 | |
CN109234689B (zh) | 陶瓷膜、溅射靶以及溅射靶的制造方法 | |
JP7024636B2 (ja) | スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP2021075749A (ja) | スパッタリングターゲット | |
JP2007231381A (ja) | Itoスパッタリングターゲットおよびその製造方法 | |
JP2007019274A (ja) | 抵抗薄膜、薄膜抵抗体およびその製造方法 | |
JP2021521334A5 (ja) | ||
CN111936660A (zh) | Cu-Ni合金溅射靶 | |
JP2019039070A (ja) | SiCスパッタリングターゲット | |
JP2021521334A (ja) | ターゲット及びターゲットの製造方法 | |
WO2019054489A1 (ja) | スパッタリングターゲット | |
JP7077474B2 (ja) | スパッタリングターゲット材及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181012 |