JP2017011133A - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削後のウェーハの搬送時の破損を抑制できるウェーハの加工方法を提供する。
【解決手段】ウェーハの加工方法は、機能層の表面に外的刺激によって硬化する保護テープを貼着する保護テープ貼着ステップと、保護テープ貼着ステップを実施した後、外的刺激を加えて保護テープを硬化させる保護テープ硬化ステップと、切削手段を備える切削装置のチャックテーブルに保護テープを介してウェーハを保持する第1保持ステップと、基板の裏面側から分割予定ラインに沿って切削手段の切削ブレードで切削し、機能層に至らない残存部を残した切削溝を形成する切削溝形成ステップと、加工装置のチャックテーブルに保護テープを介してウェーハを保持する第2保持ステップと、非機械加工によって残存部を加工し、ウェーハをデバイスチップに分割する分割ステップと、を含む。硬化した保護テープが切削溝が形成されたウェーハの搬送時の破損を抑制する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ウェーハの加工方法に関する。
デバイスの製造工程において、ウェーハにマトリクス状に配置される複数のデバイスと複数のデバイスを区画する格子状の分割予定ラインとが設けられる。切削装置によってウェーハが分割予定ラインに沿って分割されることにより、IC(integrated circuit)又はLSI(large scale integration)のようなデバイスチップが製造される。
デバイスの処理能力の向上のために、SiOF又はBSG(SiOB)のような無機物系の膜とポリイミド系又はパリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜とからなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)を含む機能層を有するウェーハからデバイスを製造する方法が実用化されている。機能層は脆い性質を有する。そのため、切削装置の切削ブレードによる切削により、機能層が基板から容易に剥離してしまうという問題が生じる。この問題に対処するため、分割予定ラインの幅方向の両側に分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射し、分割予定ラインに沿って2条のレーザー加工溝を形成することによって機能層を除去し、この2条のレーザー加工溝の間に切削ブレードを位置付けて切削ブレードとウェーハとを相対移動することにより、ウェーハを分割予定ラインに沿って切断する加工方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この加工方法では、機能層の除去のために少なくとも2回のレーザー光線の走査が必要であり加工時間が長期化してしまう。また、形成されたレーザー加工溝の形状によっては切削ブレードが偏摩耗してしまう。また、レーザー光線の照射により発生するデブリ(レーザー加工屑)の付着防止のためにウェーハの表面に保護膜を設ける必要がある。また、機能層の表面にはSiO又はSiNを含むパシベーション膜が形成されており、照射されたレーザー光線がパシベーション膜を透過して機能層の内部に達すると、そのレーザー光線のエネルギーが逃げ場を失い、そのエネルギーによりデバイスが損傷してしまう。
これらの課題を解決するために、本出願人は、切削ブレードで基板の裏面を切削して、機能層に至らない基板の一部を残して切削溝を形成し、基板の裏面から切削溝の底に沿ってレーザー光線を照射して機能層を除去する加工方法を提案している(特許文献2参照)。
特開2005−64231号公報 特願2014−152961号
しかし、この加工方法では、切削装置において切削ブレードでウェーハ(基板)の厚み方向の大半が切削された後、そのウェーハがレーザー加工装置に搬送されるため、搬送時においてウェーハが破損する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、切削後のウェーハの搬送時の破損を抑制できるウェーハの加工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し目的を達成するために、本発明は、基板の表面に積層された機能層に、格子状に形成された複数の分割予定ラインと該分割予定ラインに区画された複数の領域にデバイスが形成されているウェーハの加工方法であって、機能層の表面に外的刺激によって硬化する保護テープを貼着する保護テープ貼着ステップと、該保護テープ貼着ステップを実施した後、該保護テープに外的刺激を加えて該保護テープを硬化させる保護テープ硬化ステップと、切削手段を備える切削装置のチャックテーブルに該保護テープを介してウェーハを保持する第1保持ステップと、該第1保持ステップを実施した後、基板の裏面側から分割予定ラインに沿って該切削手段の切削ブレードで切削し、機能層に至らない残存部を残した切削溝を形成する切削溝形成ステップと、該保護テープ硬化ステップと該切削溝形成ステップを実施した後、加工装置のチャックテーブルに該保護テープを介してウェーハを保持する第2保持ステップと、該第2保持ステップを実施した後、非機械加工によって該残存部を加工し、ウェーハをデバイスチップに分割する分割ステップと、を含み、硬化した該保護テープが該切削溝が形成されたウェーハの搬送時の破損を抑制するウェーハの加工方法を提供する。
上記ウェーハの加工方法において、該外的刺激は紫外線であることが好ましい。
本発明のウェーハの加工方法によれば、外的刺激によって硬化する保護テープを用いることで、切削後のウェーハの搬送時の破損が抑制される。
図1は、実施形態1に係るウェーハの加工システムを示す図である。 図2は、実施形態1に係る切削装置を示す斜視図である。 図3は、実施形態1に係るレーザー加工装置を示す斜視図である。 図4は、実施形態1に係るウェーハを示す斜視図である。 図5は、実施形態1に係るウェーハの要部を示す断面図である。 図6は、実施形態1に係るウェーハの加工方法を示すフローチャートである。 図7は、実施形態1に係る保護テープ貼着ステップを示す図である。 図8は、実施形態1に係る保護テープ貼着ステップを示す図である。 図9は、実施形態1に係る保護テープ硬化ステップを示す図である。 図10は、実施形態1に係る第1保持ステップを示す図である。 図11は、実施形態1に係る第1保持ステップを示す図である。 図12は、実施形態1に係る高さ計測器の動作を示す図である。 図13は、実施形態1に係る記憶装置に記憶されているテーブルを示す図である。 図14は、実施形態1に係る切削溝形成ステップを示す図である。 図15は、実施形態1に係る切削溝形成ステップを示す図である。 図16は、実施形態1に係る切削溝形成ステップを示す図である。 図17は、実施形態1に係る切削溝形成ステップを示す図である。 図18は、実施形態1に係る分割ステップを示す図である。 図19は、実施形態1に係る分割ステップを示す図である。 図20は、実施形態1に係る分割ステップを示す図である。 図21は、実施形態1に係る分割ステップを示す図である。 図22は、実施形態2に係る分割ステップを示す図である。 図23は、実施形態2に係る分割ステップを示す図である。 図24は、実施形態3に係る分割ステップを示す図である。 図25は、実施形態3に係る分割ステップを示す図である。 図26は、実施形態3に係る分割ステップを示す図である。 図27は、実施形態4に係る保護テープ硬化ステップを示す図である。 図28は、実施形態5に係る保護テープ硬化ステップを示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。X軸及びY軸を含むXY平面は、水平面と平行である。XY平面と直交するZ軸方向は、鉛直方向である。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るウェーハ200の加工システム1の一例を模式的に示す図である。加工システム1は、ウェーハ200を複数のデバイスチップに分割する。図1に示すように、加工システム1は、ウェーハ200を切削する切削装置2と、ウェーハ200を非機械加工によって加工する加工装置3と、切削装置2と加工装置3との間でウェーハ200を搬送する搬送装置4とを備えている。切削装置2は、ウェーハ200を保持するチャックテーブル10と、ウェーハ200を切削する切削手段20とを有する。実施形態1において、加工装置3はレーザー加工装置である。加工装置3は、ウェーハ200を保持するチャックテーブル130と、ウェーハ200にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段140とを有する。搬送装置4は、ウェーハ200を吸着保持して搬送する。
図2は、切削装置2の一例を示す斜視図である。切削装置2は、ウェーハ200を切削する。図2に示すように、切削装置2は、基台5と、基台5に支持される門型フレーム6と、ウェーハ200を保持するチャックテーブル10と、ウェーハ200を切断する切削手段20と、チャックテーブル10を移動する加工送り手段30と、切削手段20を移動する割り出し送り手段40及び切り込み送り手段50と、チャックテーブル10のX軸方向の位置を検出するX軸方向位置検出手段60と、切削手段20のY軸方向の位置を検出するY軸方向位置検出手段70と、切削手段20のZ軸方向の位置を検出するZ軸方向位置検出手段80とを備える。X軸方向は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200を加工送りする方向である。Y軸方向は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200に対して切削手段20を割り出し送りする方向である。
チャックテーブル10は、ウェーハ200を着脱可能に保持する。チャックテーブル10は、基台5に支持される。チャックテーブル10は、ウェーハ200を保持する円形状の保持面11を有する。保持面11は、XY平面と平行である。チャックテーブル10は、アクチュエータを含む回転手段により、保持面11の中心と直交する回転軸を中心に回転可能である。真空ポンプを含む真空吸引源と接続される吸引口が保持面11に複数設けられる。保持面11にウェーハ200が載せられた状態で真空吸引源が作動することにより、ウェーハ200はチャックテーブル10に吸着保持される。真空吸引源の作動が停止されることにより、ウェーハ200はチャックテーブル10から解放される。
切削手段20は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200を切削する。切削手段20は、割り出し送り手段40及び切り込み送り手段50を介して門型フレーム6に支持される。門型フレーム6は、基台5に支持される。
切削手段20は、切削ブレード21と、スピンドル22と、ハウジング23と有する。切削ブレード21は、スピンドル22に装着される円環状の切削砥石を含む。切削ブレード21は、スピンドル22の先端部に着脱可能に装着される。ハウジング23は、回転モータのような駆動源を有し、Y軸と平行な回転軸を中心にスピンドル22を回転可能に支持する。駆動源の作動によりスピンドル22が回転することにより、ウェーハ200は切削ブレード21によって切削される。
加工送り手段30は、チャックテーブル10をX軸方向に移動する。加工送り手段30により、チャックテーブル10と切削手段20とはX軸方向に相対移動する。加工送り手段30は、ボールねじ機構を含む。加工送り手段30は、基台5に支持されX軸方向に延在する一対のガイドレール31と、ガイドレール31と平行に配置されるねじ軸32と、ねじ軸32の周囲にボールを介して配置されるナットと、ナットに固定されるX軸移動基台33と、ねじ軸32を回転させるための動力を発生するパルスモータとを有する。X軸移動基台33は、ガイドレール31によりX軸方向にガイドされる。加工送り手段30は、パルスモータによりねじ軸32を回転させてX軸移動基台33をX軸方向に移動することにより、X軸移動基台33に支持されているチャックテーブル10をX軸方向に移動する。
割り出し送り手段40は、切削手段20をY軸方向に移動する。切削手段20は、切り込み送り手段50を介して、割り出し送り手段40に支持される。割り出し送り手段40により、チャックテーブル10と切削手段20とはY軸方向に相対移動する。割り出し送り手段40は、ボールねじ機構を含む。割り出し送り手段40は、門型フレーム6に支持されY軸方向に延在する一対のガイドレール41と、ガイドレール41と平行に配置されるねじ軸42と、ねじ軸42の周囲にボールを介して配置されるナットと、ナットに固定されるY軸移動基台43と、ねじ軸42を回転させるための動力を発生するパルスモータとを有する。Y軸移動基台43は、ガイドレール41によりY軸方向にガイドされる。割り出し送り手段40は、パルスモータによりねじ軸42を回転させてY軸移動基台43をY軸方向に移動することにより、Y軸移動基台43に支持されている切り込み送り手段50をY軸方向に移動する。切り込み送り手段50がY軸方向に移動することにより、切り込み送り手段50に支持されている切断出段20は、切り込み送り手段50と一緒にY軸方向に移動する。
切り込み送り手段50は、切削手段20をZ軸方向に移動する。切り込み送り手段50により、チャックテーブル10と切削手段20とがZ軸方向に相対移動する。切り込み送り手段50は、ボールねじ機構を含む。切り込み送り手段50は、Y軸移動基台43に支持されZ軸方向に延在する一対のガイドレールと、ガイドレールと平行に配置されるねじ軸と、ねじ軸の周囲にボールを介して配置されるナットと、ナットに固定されるZ軸移動基台51と、ねじ軸を回転させるための動力を発生するパルスモータ52とを有する。Z軸移動基台51は、切り込み送り手段50のガイドレールによりZ軸方向にガイドされる。切り込み送り手段50は、パルスモータ52によりねじ軸を回転させてZ軸移動基台51をZ軸方向に移動することにより、Z軸移動基台51に支持されている切削手段20をZ軸方向に移動する。
X軸方向位置検出手段60は、チャックテーブル10のX軸方向における位置を検出する。X軸方向位置検出手段60は、基台5に支持されガイドレール31に沿ってX軸方向に延在するリニアスケール61と、X軸移動基台33に支持されリニアスケール61に沿ってX軸移動基台33と一緒に移動する読み取りヘッド62とを有する。読み取りヘッド62は、光学系を介してリニアスケール61の目盛りを検出し、パルス信号を出力する。
Y軸方向位置検出手段70は、切削手段20のY軸方向における位置を検出する。Y軸方向位置検出手段70は、門型フレーム6に支持されガイドレール41に沿ってY軸方向に延在するリニアスケール71と、Y軸移動基台43に支持されリニアスケール71に沿ってY軸移動基台43と一緒に移動する読み取りヘッド72とを有する。読み取りヘッド72は、光学系を介してリニアスケール71の目盛りを検出し、パルス信号を出力する。
Z軸方向位置検出手段80は、切削手段20のZ軸方向における位置を検出する。Z軸方向位置検出手段80は、Y軸移動基台43に支持されZ軸方向に延在するリニアスケール81と、Z軸移動基台51に支持されリニアスケール81に沿ってZ軸移動基台51と一緒に移動する読み取りヘッド82とを有する。読み取りヘッド82は、光学系を介してリニアスケール81の目盛りを検出し、パルス信号を出力する。
また、切削装置2は、ウェーハ200の基板201と機能層202との界面230の高さ(Z軸方向の位置)を計測する計測手段90と、計測手段90を移動するY軸方向送り手段100及びZ軸方向送り手段110と、切削装置2を制御する制御手段120とを備える。
計測手段90は、Y軸方向送り手段100及びZ軸方向送り手段110を介して門型フレーム6に支持される。計測手段90は、基板201と機能層202との界面230で反射する反射光を利用して界面230の高さを測定する高さ測定器91を有する。高さ測定器91は、分光干渉方式又は共焦点方式のような既存方式を用いて基板201と機能層202との界面230の高さを検出する。
Y軸方向送り手段100は、計測手段90をY軸方向に移動する。計測手段90は、Z軸方向送り手段110を介して、Y軸方向送り手段100に支持される。Y軸方向送り手段100により、チャックテーブル10と計測手段90とがY軸方向に相対移動する。Y軸方向送り手段100は、ボールねじ機構を含む。Y軸方向送り手段100は、門型フレーム6に支持されY軸方向に延在する一対のガイドレール101と、ガイドレール101と平行に配置されるねじ軸102と、ねじ軸102の周囲にボールを介して配置されるナットと、ナットに固定されるY軸移動基台103と、ねじ軸102を回転させるための動力を発生するパルスモータとを有する。Y軸移動基台103は、ガイドレール101によりY軸方向にガイドされる。Y軸方向送り手段100は、パルスモータによりねじ軸102を回転させてY軸移動基台103をY軸方向に移動することにより、Y軸移動基台103に支持されているZ軸方向送り手段110をY軸方向に移動する。Z軸方向送り手段110がY軸方向に移動することにより、Z軸方向送り手段110に支持されている計測手段90は、Z軸方向送り手段110と一緒にY軸方向に移動する。
Z軸方向送り手段110は、計測手段90をZ軸方向に移動する。Z軸方向送り手段110により、チャックテーブル10と計測手段90とがZ軸方向に相対移動する。Z軸方向送り手段110は、ボールねじ機構を含む。Z軸方向送り手段110は、Y軸移動基台103に支持されZ軸方向に延在する一対のガイドレールと、ガイドレールと平行に配置されるねじ軸と、ねじ軸の周囲にボールを介して配置されるナットと、ナットに固定されるZ軸移動基台111と、ねじ軸を回転させるための動力を発生するパルスモータ112とを有する。Z軸移動基台111は、Z軸方向送り手段110のガイドレールによりZ軸方向にガイドされる。Z軸方向送り手段110は、パルスモータ112によりねじ軸を回転させてZ軸移動基台111をZ軸方向に移動することにより、Z軸移動基台111に支持されている計測手段90をZ軸方向に移動する。
制御手段120は、コンピュータシステムを含む。制御手段120は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。制御手段120の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、切削装置2を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して出力する。
制御手段120は、切削装置2の構成要素を制御する。制御手段120は、加工送り手段30、割り出し送り手段40、及び切り込み送り手段50のパルスモータを駆動する駆動回路に接続され、駆動回路を制御して、チャックテーブル10のX軸方向の位置、切削手段20のY軸方向の位置、及び切削手段20のZ軸方向の位置を決定する。また、制御手段120は、Y軸方向送り手段100及びZ軸方向送り手段110のパルスモータを駆動する駆動回路に接続され、駆動回路を制御して、計測手段90のY軸方向の位置、及び計測手段90のZ軸方向の位置を決定する。
図3は、レーザー加工装置3の一例を示す図である。レーザー加工装置3は、ウェーハ200を保持するチャックテーブル130と、チャックテーブル130に保持されたウェーハ200にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段140と、チャックテーブル130に保持されたウェーハ200を撮像する撮像手段150を備える。
チャックテーブル130は、ウェーハ200を着脱可能に保持する。チャックテーブル130は、ウェーハ200を保持する円形状の保持面131を有する。保持面131は、XY平面と平行である。真空ポンプを含む真空吸引源と接続される吸引口が保持面131に複数設けられる。保持面131にウェーハ200が載せられた状態で真空吸引源が作動することにより、ウェーハ200はチャックテーブル130に吸着保持される。真空吸引源の作動が停止されることにより、ウェーハ200はチャックテーブル130から解放される。
レーザー加工装置3は、チャックテーブル130をX軸方向に移動する加工送り手段と、チャックテーブル130をY軸方向に移動する割り出し送り手段とを有する。加工送り手段及び割り出し送り手段により、チャックテーブル130に保持されたウェーハ200は、X軸方向及びY軸方向に移動する。
レーザー光線照射手段140は、パルスレーザー光線発振手段を収容するケーシング141と、ケーシング141の先端部に装着されパルスレーザー光線発振手段から出力されたパルスレーザー光線を集光する集光器142とを有する。パルスレーザー光線発振手段は、パルスレーザー光線発振器及び繰り返し周波数設定手段を含む。また、レーザー光線照射手段140は、集光器142によって集光されるパルスレーザー光線の集光点位置を調整するための集光点位置調整手段を有する。
撮像手段150は、ケーシング141に支持される。撮像手段150は、光学系と、光学系の視野領域に配置されるウェーハ200を照明する照明手段と、照明光線で照明されたウェーハ2の光学像を、光学系を介して取得する撮像素子とを有する。撮像素子によって取得されたウェーハの画像信号は、レーザー加工装置3の制御手段に出力される。
図4は、ウェーハ200を示す斜視図である。図5は、ウェーハ200の要部を示す断面図である。図4及び図5に示すように、ウェーハ200は、基板201と、基板201に設けられた機能層202とを有する。基板201は、シリコン基板である。なお、基板201がガリウムヒ素を含んでもよいし、サファイア又はSiCを含んでもよい。基板201は、実質的に円板状であり、表面201Aと、表面201Aの逆方向を向く裏面201Bとを有する。基板201にノッチ203が設けられる。
機能層202は、基板201の表面201Aに設けられる。機能層202は、絶縁膜と回路を形成する機能膜とが積層された層である。機能層202を形成する絶縁膜は、SiOF又はBSG(SiOB)のような無機物系の膜とポリイミド系又はパリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜とからなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)である。機能層202の表面202Aには、SiO又はSiNを含むパシベーション膜が形成される。
基板201の表面201Aに積層された機能層202に、格子状に形成された複数の分割予定ライン204と、分割予定ライン204に区画された複数の領域にデバイス205とが形成されている。ウェーハ200が分割予定ライン204で分割されることにより、デバイス204からIC(integrated circuit)又はLSI(large scale integration)のようなデバイスチップが製造される。
次に、ウェーハの加工方法について説明する。図6は、実施形態1に係るウェーハ200の加工方法を示すフローチャートである。図6に示すように、ウェーハ200の加工方法は、機能層202の表面に外的刺激によって硬化する保護テープ300を貼着する保護テープ貼着ステップ(SP1)と、保護テープ貼着ステップ(SP1)を実施した後、保護テープ300に外的刺激を加えて保護テープ300を硬化させる保護テープ硬化ステップ(SP2)と、切削手段20を備える切削装置2のチャックテーブル10に保護テープ300を介してウェーハ200を保持する第1保持ステップ(SP3)と、第1保持ステップ(SP1)を実施した後、基板201の裏面201B側から分割予定ライン204に沿って切削手段20の切削ブレード21で切削し、機能層202に至らない残存部210を残した切削溝220を形成する切削溝形成ステップ(SP4)と、保護テープ硬化ステップ(SP2)と切削溝形成ステップ(SP4)を実施した後、加工装置3のチャックテーブル130に保護テープ300を介してウェーハ200を保持する第2保持ステップ(SP5)と、第2保持ステップ(SP5)を実施した後、非機械加工によって残存部210を加工し、ウェーハ200をデバイスチップに分割する分割ステップ(SP6)と、を含む。
保護テープ貼着ステップ(SP1)について説明する。図7及び図8は、保護テープ貼着ステップを示す図である。図7に示すように、ウェーハ200の機能層202と保護テープ300とが対向された後、ウェーハ200の機能層202の表面202Aに、保護テープ300が貼着される。保護テープ300により、機能層202のデバイス205が保護される。図8に示すように、保護テープ300の外形の大きさと、ウェーハ200の外形の大きさとは実質的に等しい。保護テープ300は、基材層と基材層に積層された糊層とからなり、糊層によって保護テープ300はウェーハ200の機能層202に貼着され、機能層202の表面202Aの全域が保護テープ300により覆われる。
保護テープ300の糊層は、外的刺激によって硬化する。外的刺激は、紫外線である。紫外線が照射されることにより、保護テープ300は硬化する。保護テープ300の糊層は、紫外線硬化樹脂によって形成されている。
次に、保護テープ硬化ステップ(SP2)について説明する。保護テープ硬化ステップは、保護テープ貼着ステップの後に実施される。図9は、保護テープ硬化ステップを示す図である。図9に示すように、紫外線照射装置160により、保護テープ300に紫外線が照射される。紫外線照射装置160は、保護テープ300が貼着されたウェーハ200を保持するチャックテーブル161と、ウェーハ200がチャックテーブル161に保持された状態で保護テープ300に紫外線を照射する外的刺激付与手段である紫外線照射手段162とを有する。
チャックテーブル161は、ウェーハ200を着脱可能に保持する保持面を有する。チャックテーブル161の保持面とウェーハ200の基板201の裏面201Bとが対向する。チャックテーブル161は、紫外線照射手段162と保護テープ300とが対向するようにウェーハ200を保持する。
紫外線照射手段162は、紫外線を射出可能な光源163を有する。紫外線照射手段162は、整列された複数の光源163を有する。光源163は、UV(ultraviolet)ランプを含む。光源163は、例えば低圧水銀ランプであり、波長184nmの紫外線、波長254nmの紫外線、及び波長365nmの紫外線の少なくとも一つを保護テープ300に照射可能である。なお、光源163は、波長172nmの紫外線を射出可能なエキシマUVランプでもよいし、LED(light emitting diode)光源でもよいし、高圧水銀ランプでもよい。
保護テープ300は、ウェーハ200に貼着された状態で紫外線照射される。紫外線が照射されることにより、保護テープ300は硬化する。紫外線照射手段162は、チャックテーブル161に保持されているウェーハ200に貼着された保護テープ300に紫外線を照射する。保護テープ300は、ウェーハ200の機能層202に接触した状態で硬化する。
次に、第1保持ステップ(SP3)について説明する。第1保持ステップは、保護テープ硬化ステップの後に実施される。図10及び図11は、第1保持ステップを示す図である。図10に示すように、ウェーハ200は、切削装置2のチャックテーブル10に保護テープ300を介して保持される。チャックテーブル10の保持面11と保護テープ300とが対向する。チャックテーブル10は、保護テープ300を介して、ウェーハ200を保持する。チャックテーブル10は、ウェーハ200の基板201の裏面201Bが上方を向くように、保護テープ300を保持する。
ウェーハ200が保護テープ300を介して切削装置2のチャックテーブル10に保持された後、制御手段120は、計測手段90を使って、ウェーハ200の基板201と機能層202との界面230の高さ(Z軸方向の位置)を計測する高さ記録ステップを実施する。高さ記録ステップにおいて、制御手段120は、チャックテーブル10に保護テープ300を介してウェーハ200を保持した後、アライメント処理を行う。次に、制御手段120は、高さ測定器91をY軸方向及びZ軸方向に移動させるとともに、チャックテーブル10をX軸方向に移動させ、分割予定ライン204に高さ測定器91を位置付ける。例えば、制御手段120は、Y軸方向における最も端に位置する分割予定ライン204の測定開始位置に高さ測定器91を位置付ける。チャックテーブル10に保持されたウェーハ200の基板201の裏面201Bと、高さ測定器91とが対向する。
次に、制御手段120は、図10及び図11に示すように、高さ測定器91から基板201を透過する波長のレーザー光線LB1をZ軸方向に射出させるとともに、測定対象の分割予定ライン204における測定終了位置までチャックテーブル10をX軸方向に移動させる。
図12は、高さ測定器91によって計測される高さを説明するための図である。図12に示すように、高さ測定器91は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200の裏面201B側から分割予定ライン204に対応する機能層202と基板201との界面230の高さH1を検出する。例えば、高さ測定器91は、先ず、機能層202と基板201との界面230から反射される反射光に基づいて界面230までの距離H2を求める。次に、高さ測定器91は、チャックテーブル10の保持面11から高さ測定器91までの距離H3から界面230までの距離H2を減算し、チャックテーブル10の保持面11から界面230までの高さH1を検出する。高さ測定器91は、検出した高さH1を制御手段120に出力する。
図13は、制御手段120の記憶装置に記憶されているテーブルTの一例を示す図である。図13に示すように、制御手段120は、機能層202と基板201との界面230の高さH1と、分割予定ライン204のX座標と、機能層202に至らない基板201の残存部210を基板201に形成するための厚みhを高さH1に加算して求めた高さH4を示すZ座標と、を対応づけたテーブルTを分割予定ライン204毎に、記憶装置に記録する。制御手段120は、全ての分割予定ライン204に対してX座標と、高さH1と、Z座標とが関連づけられたテーブルTを記録する。記録される分割予定ライン204のX座標は、切削溝形成ステップ(SP4)において切削ブレード21が位置付けられるX座標と同じX座標である。また、分割予定ライン204のZ座標は、切削ブレード21の下端が位置付けられるZ座標と同じZ座標である。なお、残存部210を形成するための厚みhは、オペレータが切削装置2に厚みhの値を設定することにより、適宜変更可能である。
次に、切削溝形成ステップ(SP4)について説明する。切削溝形成ステップは、第1保持ステップ及び高さ記録ステップの後に実施される。高さ記録ステップが終了した後、計測手段90はチャックテーブル10から退避される。
切削溝形成ステップでは、制御手段120は、基板201の裏面201B側から分割予定ライン204に沿って切削手段20の切削ブレード12で切削し、機能層202に至らない残存部210を残した切削溝220を基板201に形成する。
図14、図15、図16、及び図17は、切削溝形成ステップを示す図である。図14及び図15に示すように、制御手段120は、基板201の裏面201B側から加工対象の分割予定ライン204を加工する開始位置に切削ブレード21を位置付ける。そして、制御手段120は、記憶装置を参照し、加工対象の分割予定ライン204に対応するテーブルTを読み出す。図16及び図17に示すように、制御手段120は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200をX軸方向に移動させるとともに、テーブルTが示す分割予定ライン204のX座標とZ座標に基づいて切削ブレード21をZ軸方向に移動させ、機能層202に至らない均一な厚みhの残存部210を残した切削溝220を形成する。このとき、制御手段120は、X軸方向位置検出手段60の読み取りヘッド62から出力されるパルス信号に基づいてチャックテーブル10のX座標、すなわち、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200の分割予定ライン204のX座標を取得する。また、制御手段120は、Z軸方向位置検出手段80の読み取りヘッド82から出力されるパルス信号に基づいて切削ブレード21のZ座標を取得する。制御手段120は、全ての分割予定ライン204に対して、残存部210を有する切削溝220を形成するように制御する。
次に、第2保持ステップ(SP5)について説明する。第2保持ステップは、切削溝形成ステップの後に実施される。切削溝形成ステップが終了した後、搬送装置4により、切削装置2のチャックテーブル10に保持されているウェーハ200が保護テープ300と一緒に、チャックテーブル10から搬出される。
搬送装置4は、ウェーハ200の基板201の裏面201Bを吸着保持して、ウェーハ200及び保護テープ300を搬送する。硬化した保護テープ300が切削溝220が形成されたウェーハ200の搬送時の破損を抑制する。基板200に切削溝220が形成されることにより、ウェーハ200は破損し易い状態となっているが、硬化した保護テープ300がウェーハ200に貼着されているので、ウェーハ200は保護テープ300によって補強される。そのため、搬送装置4による切削装置2から加工装置3への搬送において、ウェーハ200の破損が抑制される。
搬送装置4は、保持したウェーハ200を、加工装置3のチャックテーブル130に搬入する。搬送装置4は、ウェーハ200に貼着されている保護テープ300とチャックテーブル130の保持面とが対向するように、保護テープ300が貼着されているウェーハ200を加工装置3のチャックテーブル130に搬入する。ウェーハ200は、加工装置3のチャックテーブル130に保護テープ300を介して保持される。
次に、分割ステップ(SP6)について説明する。分割ステップは、第2保持ステップの後に実施される。分割ステップは、加工装置3において実施される。
分割ステップでは、加工装置3による非機械加工によって残存部210が加工される。加工装置3は、レーザー加工装置であり、レーザー光線を照射して、残存部210を有する切削溝220が形成されたウェーハ200を分割する。
図18、図19、図20、及び図21は、分割ステップを示す図である。加工装置3は、保護テープ300を介してウェーハ200をチャックテーブル130により吸引保持し、レーザー光線照射手段140により分割予定ライン204に沿って切削溝220の残存部210にレーザー光線LB2を照射して切断溝240を形成し、残存部210及び機能層202を分割する(アブレーション加工)。例えば、アブレーション加工は、吸収性を有する波長のレーザー光線LB2の集光点を残存部210の表面付近に合わせて行われる。加工装置3は、全ての分割予定ライン204に沿って切削溝220の残存部210にレーザー光線LB2を照射して残存部210及び機能層202を分割する。残存部210及び機能層202が分割されることにより、ウェーハ200が複数のデバイスチップに分割される。
以上のように、実施形態1に係るウェーハ200の加工方法によれば、外的刺激によって硬化する保護テープ300をウェーハ200の機能層202の表面202Aに貼着し、保護テープ300を硬化させた後、切削装置2でウェーハ200に切削溝220を形成する切削溝形成ステップと、切削溝220が形成されたウェーハ200を保護テープ300に貼着させた状態で加工装置3に搬送して残存部210を加工する分割ステップとが実施される。切削溝220が形成された後のウェーハ200は破損し易い。硬化された保護テープ300によりウェーハ200が補強されるので、ウェーハ200の破損を抑制しつつ、ウェーハ200を搬送することができる。したがって、デバイスチップの生産性の低下、及び製造されるデバイスチップの品質の低下が抑制される。
また、残存部210及び機能層202は、非機械加工であるレーザー光線LB2の照射により分割され、切削ブレードを使用した機械加工では分割されないので、切削ブレードのズレや倒れ、あるいは切削ブレードに偏摩耗が生ずることが抑制される。
また、ウェーハ200の裏面201B側からレーザー光線LB2が照射されるので、デブリがウェーハ200の表面に付着することが抑制される。
また、切削溝220の底にレーザー光線LB2が照射されるので、レーザー光線LB2のエネルギーを小さくすることができ、ウェーハ200における熱歪の残留が抑制される。また、デバイス205の抗折強度の低下が抑制される。
また、基板201の裏面201B側から切削溝220が形成された後、切削溝220にレーザー光線LB2が照射されることによりウェーハ200が分割される。レーザー光線LB2の照射は1回(1パス)で済むので、ウェーハ200は作業効率良く分割される。また、分割予定ライン204の幅を小さくすることができるため、分割予定ライン204の領域を狭くすることができ、ウェーハ200の表面に形成するデバイス205の面積を多くすることができる。
なお、実施形態1において、保護テープ300に紫外線を照射するとき、切削装置2に紫外線照射手段162が設けられていてもよく、切削装置2内で紫外線を照射されたり、ウェーハ200が切削装置2のチャックテーブル10に保持された状態で、そのウェーハ200に貼着されている保護テープ300に紫外線が照射されてもよい。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係るウェーハ200の加工方法について説明する。図22及び図23は、実施形態2に係るプラズマエッチングによるウェーハ200の分割ステップを示す断面図である。
全ての分割予定ライン204に沿って残存部210を有する切削溝220がウェーハ200の裏面201Bに形成された後、図22に示すように、ウェーハ200の裏面201Bに対して、切削溝220の残存部210を除く部分にレジスト膜250が形成される。例えば、ウェーハ200の裏面201B全体にレジスト膜250が塗布され、所定のマスクパターンを介してレジスト膜250に光が照射され、ウェーハ200が現像液に浸されることにより、残存部210のレジスト膜250が除去される。次に、プラズマチャンバー雰囲気においてプラズマエッチングが実施される。これにより、図23に示すように、切削溝220の残存部210及び残存部210に対応する機能層202が除去される。
以上のように、加工装置3としてレーザー加工装置を用いずに、プラズマエッチングにより切削溝220の残存部210及び機能層202が除去されウェーハ200が分割されてもよい。
なお、切削加工前にレジスト膜250がウェーハ200の裏面201Bに塗布され、切削溝220を形成する切削加工によってレジスト膜250が分割予定ライン204に沿って除去されてもよい。
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係るウェーハ200の加工方法について説明する。図24、図25、及び図26は、実施形態3に係る改質層によるウェーハ200の分割ステップを示す断面図である。
全ての分割予定ライン204に沿って残存部210を有する切削溝220がウェーハ200の裏面201Bに形成された後、レーザー光線照射手段140により分割予定ライン204に沿って切削溝220の残存部210にレーザー光線LB3がウェーハ200の裏面201B側から照射される。レーザー光線LB3は、基板201に対して透過性を有する波長のレーザー光線である。レーザー光線LB3の集光点が残存部210の厚み方向の中央に位置付けられる。レーザー光線LB3の照射により基板201に改質層260が形成される。
改質層260が設けられた部分の強度は低下し、改質層260は破断起点となる。テープエキスパンドなどによりウェーハ200に外力が付与されることにより、分割予定ライン204に沿って残存部210及び機能層202が破断する。なお、機能層202の表面に貼着された保護テープ300は、伸縮性を有するエキスパンドテープである。
以上のように、このように、レーザー加工装置である加工装置3によりアブレーション加工を行わずに、レーザー光線LB3の照射により破断起点となる改質層260が形成され、切削溝220の残存部210及び機能層202が破断されることによって、ウェーハ200が分割されてもよい。
〔実施形態4〕
次に、実施形態4に係るウェーハ200の加工方法について説明する。図27は、実施形態4に係る保護テープ硬化ステップを示す図である。ウェーハ200の機能層202の表面に外的刺激によって硬化する保護テープ400が貼着される。実施形態4において、外的刺激は、熱(加温)である。加温されることにより、保護テープ400は硬化する。保護テープ400は、熱硬化樹脂によって形成されたシート状の部材である。図27に示すように、保護テープ400は、加温装置170により加温される。加温装置170は、保護テープ400が貼着されたウェーハ200を保持するチャックテーブル171と、ウェーハ200がチャックテーブル171に保持された状態で保護テープ400を加温する外的刺激付与手段である加温手段172とを有する。加温手段172は、例えば電熱線が設けられたヒータ装置を含む。
チャックテーブル171は、ウェーハ200を保持する保持面を有する。チャックテーブル171の保持面とウェーハ200の基板201の裏面201Bとが対向する。チャックテーブル171は、加温手段172と保護テープ400とが対向するようにウェーハ200を保持する。加温手段172によって加温されることにより、保護テープ400は、機能層202に接触した状態で硬化する。
[実施形態5]
次に、実施形態5に係るウェーハ200の加工方法について説明する。上述の各実施形態では、保護テープ硬化ステップ(SP2)の後、第1保持ステップ(SP3)が実施されることとした。第1保持ステップ(SP3)の後、保護テープ硬化ステップ(SP2)が実施されてもよい。
図28は、実施形態5に係る保護テープ硬化ステップを示す図である。図28に示すように、切削装置2のチャックテーブル10Bに保護テープ300を介してウェーハ200が保持される(第1保持ステップ)。ウェーハ200が保護テープ300を介してチャックテーブル10Bに保持された後、保護テープ硬化ステップが実施される。
チャックテーブル10Bは、紫外線に対して透過性の材料で形成される。紫外線照射手段162Bは、チャックテーブル10Bを介して、チャックテーブル10Bの保持面と対向する保護テープ300に紫外線を照射する。紫外線照射手段162Bから射出された紫外線は、チャックテーブル10Bを通過した後、チャックテーブル10Bに保持されている保護テープ300に照射される。これにより、保護テープ300が硬化される(保護テープ硬化ステップ)。
保護テープ300が硬化された後、切削溝形成ステップ(SP4)が実施される。
なお、保護テープ300を硬化させる前に、切削溝形成ステップが実施され、ウェーハ200に切削溝220が形成された後、チャックテーブル10Bを介して保護テープ300に紫外線を照射する保護テープ硬化ステップが実施されてもよい。
なお、実施形態5において、ウェーハ200に熱硬化性の保護テープ400が貼着され、チャックテーブル10Bが加温されることによって、保護テープ400が硬化されてもよい。
なお、上述の各実施形態において、機能層202は、Low−k膜のみならず、パシベーション膜や金属膜、光デバイス層などの機能を有する膜全般を含む。
1 加工システム
2 切削装置
3 レーザー加工装置
4 搬送装置
5 基台
6 門型フレーム
10 チャックテーブル
11 保持面
20 切削手段
21 切削ブレード
22 スピンドル
23 ハウジング
30 加工送り手段
31 ガイドレール
32 ねじ軸
33 X軸移動基台
40 割り出し送り手段
41 ガイドレール
42 ねじ軸
43 Y軸移動基台
50 切り込み送り手段
51 Z軸移動基台
52 パルスモータ
60 X軸方向位置検出手段
61 リニアスケール
62 読み取りヘッド
70 Y軸方向位置検出手段
71 リニアスケール
72 読み取りヘッド
80 Z軸方向位置検出手段
81 リニアスケール
82 読み取りヘッド
90 計測手段
91 高さ測定器
100 Y軸方向送り手段
101 ガイドレール
102 ねじ軸
103 Y軸移動基台
110 Z軸方向送り手段
111 Z軸移動基台
112 パルスモータ
120 制御手段
130 チャックテーブル
140 レーザー光線照射手段
150 撮像手段
160 紫外線照射装置
161 チャックテーブル
162 紫外線照射手段
170 加温装置
171 チャックテーブル
172 加温手段
163 光源
200 ウェーハ
201 基板
201A 表面
201B 裏面
202 機能層
202A 表面
203 ノッチ
204 分割予定ライン
205 デバイス
210 残存部
220 切削溝
230 界面
240 切断溝
250 レジスト膜
260 改質層
300 保護テープ
400 保護テープ

Claims (2)

  1. 基板の表面に積層された機能層に、格子状に形成された複数の分割予定ラインと該分割予定ラインに区画された複数の領域にデバイスが形成されているウェーハの加工方法であって、
    機能層の表面に外的刺激によって硬化する保護テープを貼着する保護テープ貼着ステップと、
    該保護テープ貼着ステップを実施した後、該保護テープに外的刺激を加えて該保護テープを硬化させる保護テープ硬化ステップと、
    切削手段を備える切削装置のチャックテーブルに該保護テープを介してウェーハを保持する第1保持ステップと、
    該第1保持ステップを実施した後、基板の裏面側から分割予定ラインに沿って該切削手段の切削ブレードで切削し、機能層に至らない残存部を残した切削溝を形成する切削溝形成ステップと、
    該保護テープ硬化ステップと該切削溝形成ステップを実施した後、加工装置のチャックテーブルに該保護テープを介してウェーハを保持する第2保持ステップと、
    該第2保持ステップを実施した後、非機械加工によって該残存部を加工し、ウェーハをデバイスチップに分割する分割ステップと、を含み、
    硬化した該保護テープが該切削溝が形成されたウェーハの搬送時の破損を抑制するウェーハの加工方法。
  2. 該外的刺激は紫外線であることを特徴とする請求項1記載のウェーハの加工方法。
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