JP2017009706A - 潤滑剤塗布機構、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

潤滑剤塗布機構、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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良太 後藤
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信幸 田口
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倫哉 岡本
信哉 唐澤
Shinya Karasawa
信哉 唐澤
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Abstract

【課題】発泡体層を有するローラ状の供給部材を備える潤滑剤塗布機構において、帯電部材に電圧が印加されている状態における像担持体表面への潤滑剤の塗布ムラを抑制することができる潤滑剤塗布機構、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供する。【解決手段】帯電部材によって一様に帯電される像担持体表面に、発泡体層を有するローラ状の供給部材61によって潤滑剤を塗布し、像担持体表面における供給部材によって潤滑剤が塗布される領域が、像担持体表面における帯電部材によって帯電される帯電領域と、像担持体表面における帯電部材によって帯電されない非帯電領域αとを含む潤滑剤塗布機構において、非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも、帯電部材に電圧が印加されていない状態では多くした。【選択図】図7

Description

本発明は、潤滑剤塗布機構、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関するものである。
従来、感光体などの像担持体の表面を保護するため、像担持体表面に供給部材によって潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が知られている。
この種の潤滑剤塗布機構として、例えば特許文献1には、発泡体層を有するローラ状の供給部材を用いて、帯電部材によって一様に帯電される像担持体の表面に保護剤(潤滑剤)を塗布する潤滑剤塗布機構が記載されている。
この潤滑剤塗布機構は、保護剤の摺擦による保護剤の粉の飛散がほとんど発生せず、供給部材にブラシ状回転部材を用いた場合と比べて、保護剤を効率的に像担持体表面に塗布することができるとされている。
しかしながら、特許文献1の潤滑剤塗布機構は、供給部材、潤滑剤、及び、像担持体表面の帯電部材によって帯電される帯電領域の像担持体幅方向における長さ関係によっては、像担持体への塗布ムラが発生するという不具合が生じるおそれがある。
すなわち、像担持体の幅方向において、供給部材の長さが潤滑剤の長さと等しく、像担持体表面の帯電領域よりも長い関係にある場合、像担持体表面における供給部材によって潤滑剤が塗布される潤滑剤塗布領域に、像担持体表面の帯電領域と、像担持体表面における帯電部材によって帯電されない非帯電領域とを像担持体の幅方向において含む。
像担持体表面に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量は、像担持体表面への帯電による帯電ハザードの影響を受ける。具体的には、像担持体表面の帯電ハザードの影響が大きい箇所に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量は、像担持体表面の帯電ハザードの影響が小さい箇所に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量よりも多くなる。
したがって、像担持体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量は、帯電ハザードの影響を受けないため、像担持体表面にの帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量に比べて少なくなる。
このため、供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量に、像担持体幅方向において偏差が生じ、供給部材と接触する潤滑剤の接触面において像担持体幅方向で段差が生じてしまう。供給部材と接触する潤滑剤の接触面において像担持体幅方向で段差が生じてしまうと、潤滑剤に対する供給部材の接触が像担持体幅方向で不安定になってしまい、供給部材が潤滑剤をうまく掻き取ることができず、像担持体への塗布ムラが発生するという不具合が生じる。
上述した課題を達成するために、帯電部材によって一様に帯電される像担持体表面に、発泡体層を有するローラ状の供給部材によって潤滑剤を塗布し、前記像担持体幅方向において、前記像担持体表面における前記供給部材によって前記潤滑剤が塗布される領域が、前記像担持体表面における前記帯電部材によって帯電される帯電領域と、前記像担持体表面における前記帯電部材によって帯電されない非帯電領域とを含む潤滑剤塗布機構において、
前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、前記帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも、前記帯電部材に電圧が印加されていない状態において多くしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、発泡体層を有するローラ状の供給部材を備える潤滑剤塗布機構において、帯電部材に電圧が印加されている状態における像担持体表面への潤滑剤の塗布ムラを抑制することができる。
本実施形態に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタを示す概略構成図。 同カラープリンタの本体ケースに設けられている側面カバーを開放した状態を示す斜視図。 同カラープリンタの備える感光体周辺の構成を示す断面図。 帯電部材へのAC電圧印加の有無と、A/Bの関係を示すグラフ。 帯電部材にAC電圧が印加されている状態での潤滑剤の削れ方と、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態での潤滑剤の削れ方をについての説明図。 本実施形態に係る供給部材の構成の一例についての説明図。 実施例1に係る供給部材の構成の一例についての説明図。 実施例4に係る潤滑剤の構成の一例についての説明図。図8(a)は従来及び本実施例の潤滑剤塗布装置の潤滑剤周囲の構成を示す。図8(b)は図8(a)に示す矢印Iから見たときの潤滑剤の供給部材との当接面の形状を示す。図8(c)は本実施例の潤滑剤の供給部材との当接面の形状を示す。 従来の潤滑剤塗布装置の構成についての説明図。図9(a)は初期状態を示し、図9(b)は経時変化後の状態を示す。 従来の潤滑剤塗布装置における帯電ローラ、潤滑剤塗布部材、及び潤滑剤の位置関係についての説明図。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるカラープリンタに適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタ1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例であるカラープリンタ1を示す概略構成図である。
カラープリンタ1の本体ケース2内には、プリンタエンジン3、光ビームを出射する光書込装置4、被転写体である記録媒体Pを収納する記録媒体収納部である給紙カセット5が設けられている。さらに、トナー画像が転写された記録媒体Pを定着処理する定着装置6、トナー画像を転写した後に発生した廃トナーを回収する廃トナー回収容器7等も設けられている。
プリンタエンジン3は、トナー画像を形成し、形成したトナー画像を記録媒体Pに転写する部分である。このプリンタエンジン3は、像担持体である4つの感光体8(8Y、8C、8M、8K)、各感光体8の周囲に配置された帯電手段としての帯電ローラ9、現像装置10、クリーニング装置11、一次転写ローラ12、中間転写ベルト13、転写装置である二次転写ローラ14、及び、クリーニング装置15等により構成されている。ここで、本明細書及び図面の記載において、Y、C、M、Kの添え字は、各々イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色を示しており、これらの添え字は必要に応じて割愛する。
感光体8は、円筒状に形成されて駆動モータが連結され、駆動モータからの駆動力により中心線回りに回転する。感光体8の外周面には静電潜像が形成される感光層が設けられている。
帯電ローラ9は、感光体8の外周面に配置されている帯電装置である。この帯電ローラ9に対して電源部から電圧が印加されることにより、感光体8の外周面が一様に帯電される。
光書込装置4は、画像データに応じた光ビームを出射し、一様に帯電された感光体8の外周面を露光する。この露光により、感光体8の外周面に画像データに応じた静電潜像が形成される。
現像装置10は、感光体8に対してトナーを供給する。供給されたトナーは感光体8の外周面に形成されている静電潜像に付着し、感光体8の外周面上の静電潜像がトナー画像として顕像化される。
中間転写ベルト13は、感光体及び被転写体であり、樹脂フィルム又はゴムを基体として形成されたループ状のベルトである。また、中間転写ベルト13は、駆動ローラ16と入口ローラ17とテンションローラ18との回りに巻回され、駆動モータに連結された駆動ローラ16が回転駆動されることにより矢印A方向に回転する。入口ローラ17とテンションローラ18とは、中間転写ベルト13が矢印A方向へ回転することにより中間転写ベルト13との摩擦力によって従動回転する。
一次転写ローラ12は中間転写ベルト13の内周面側(ループの内側)に配置されており、これらの一次転写ローラ12に転写用電圧が印加されることによって各感光体8上のトナー画像が中間転写ベルト13上に転写される。各感光体8上に形成されたトナー画像は中間転写ベルト13上に順次転写されて重ね合わされ、中間転写ベルト13上にはカラーのトナー画像が形成される。
クリーニング装置11は、トナー画像が中間転写ベルト13に転写された後の感光体8の外周面をクリーニングするクリーニング手段である。このクリーニングによって、トナー画像が中間転写ベルト13に転写された後に感光体8の外周面上に残留しているトナーや紙粉等が廃トナーとして回収される。
中間転写ベルト13上に形成されたカラーのトナー画像は、中間転写ベルト13と二次転写ローラ14とが当接された転写位置に記録媒体Pが送り込まれたタイミングで二次転写ローラ14に転写用電圧が印加されることにより、記録媒体Pに転写される。記録媒体Pは、給紙カセット5内から給紙されて搬送ローラ19やレジストローラ20により搬送され、トナー画像を転写された後に定着装置6に送り込まれる。トナー画像が転写された記録媒体Pは定着装置6内で熱と圧力とを加えられて定着処理され、この定着処理により溶融したトナー画像が記録媒体Pに定着される。定着処理が終了した記録媒体Pは本体ケース2の上面部に形成されている排紙トレイ21上に排紙される。
クリーニング装置15は、カラーのトナー画像が記録媒体Pに転写された後の中間転写ベルト13の外周面をクリーニングする。このクリーニングによって、トナー画像の転写後に中間転写ベルト13の外周面上に残留したトナーや紙粉等が廃トナーとして回収される。
廃トナー回収容器7は、クリーニング装置11、15で回収された廃トナーがクリーニング装置11、15から投入され、投入された廃トナーを貯溜する部分である。また、廃トナー回収容器7は、本体ケース2に対して着脱可能に取付けられており、廃トナー回収容器7内の廃トナーが満杯状態に近付いた場合に本体ケース2から取り外され、空の廃トナー回収容器7が取付けられる。
プリンタエンジン3の構成部材である感光体8と、各感光体8の周囲に配置された現像装置10とクリーニング装置11とはユニット化してケース22内に収納され、プロセスカートリッジ23(23Y、23C、23M、23K)が形成されている。各プロセスカートリッジ23は本体ケース2内に着脱可能に装着されている。感光体8と現像装置10とクリーニング装置11とがプロセスカートリッジ23としてユニット化されることにより、交換やメンテナンスの作業が容易になる。また、各部材間の位置精度を高精度で維持することができ、形成される画像品質の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、感光体8と現像装置10とクリーニング装置11とをユニット化したプロセスカートリッジ23を例に挙げて説明したが、本実施形態に適用できるプロセスカートリッジの構成としてはこれに限らない。プロセスカートリッジの構成としては様々のものがあり、例えば、帯電ローラ9、現像装置10、クリーニング装置11のうち少なくとも一つと感光体8とをケース内に収納してユニット化したものが挙げられる。
図2は、本体ケース2に設けられている側面カバー24を開放した状態を示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態のカラープリンタ1は、側面カバー24を開放することにより、プリンタエンジン3と廃トナー回収容器7とが現われ、プロセスカートリッジ23や中間転写ベルト13及び廃トナー回収容器7の交換等やその他のメンテナンスを行うことができる。中間転写ベルト13とローラ16、17、18とクリーニング装置15とは、ベルトケース13a内に収納されてユニット化されている。
次に、本実施形態のプロセスカートリッジ23について説明する。
図3は、カラープリンタ1の備える感光体8周辺の構成を示す断面図である。
図3に示すように、プロセスカートリッジ23は、感光体である感光体8、感光体8上に付着した転写残トナー等を除去するクリーニングブレード31(クリーニング部材)、及び、飛散防止シート32、転写残トナー等を搬送する粉体搬送コイル33を備えている。さらに、潤滑剤塗布機構である潤滑剤塗布装置50、感光体に供給された潤滑剤を薄膜塗布する潤滑剤均しブレード34、帯電ローラ9、及び、帯電ローラ9の表面を清掃する帯電クリーナローラ9aを備えている。これらのプロセスカートリッジ23の構成部品等は、プロセスカートリッジ23の枠体30によって直接または間接的に保持されている。
飛散防止シート32は、クリーニングブレード31で掻き取った転写残トナー等の飛散を防止するものである。
潤滑剤塗布装置50は、供給部材である潤滑剤供給ローラ51、潤滑剤である固形潤滑剤52、固形潤滑剤52を保持する潤滑剤保持部材53、固形潤滑剤52を潤滑剤供給ローラ51に押圧するための潤滑剤押圧バネ54とを備えている。潤滑剤供給ローラ51は発泡体層を有するローラ状の供給部材であり、像担持体の表面に潤滑剤を塗布するものである。なお、潤滑剤塗布装置50の詳しい構成について、後ほど説明する。
本実施形態のプロセスカートリッジ23においては、クリーニングブレード31によるクリーニング後の感光体8の表面に潤滑剤供給ローラ51で潤滑剤を供給することで、転写残トナー等の異物の影響を受けずに潤滑剤をムラなく供給することが可能となる。これにより、ユーザの使用条件の中で転写残トナーが最も多くなる高画像面積の連続出力の条件においても感光体表面に潤滑剤を安定して供給することが可能となり、クリーニングブレード31の機能を損なわずにクリーニング不良による通紙方向のスジ状汚れ画像の発生を抑えることが可能となる。すなわち、クリーニングの高機能、高信頼化が可能となる。また、感光体8表面にムラなく潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレードの寿命を長寿命化することができる。
本実施形態の帯電ローラ9は、画像領域外であって帯電ローラ9の両端部にギャップ形成手段であるコロを備え、このコロが感光体8と接触することで感光体とのギャップを保っている。帯電ローラ9に帯電バイアスを印加する事で感光体表面は一様に帯電される。
また、本実施形態における潤滑剤均しブレード34は、トレーリング方式で感光体8に当接している構成としている。これにより、感光体8に対する潤滑剤均しブレード34の接触面圧を小さくすることが可能であり、潤滑剤均しブレード34の摩耗を従来のカウンタ方式よりも大きく減らすことが可能である。
また、本実施形態の潤滑剤均しブレード34は、感光体との接触による撓みが生じていない状態では、感光体と対向する潤滑剤均しブレード34の長手方向の先端が、感光体8の中心に向かう配置とした。これにより、潤滑剤均しブレード34の配置面積を小さくすることができ、装置の省スペース化が可能となる。
なお、本実施形態の潤滑剤均しブレード34においては、感光体8に対する当接方式をトレーリング方式としたが、これに限らず当接方式としてカウンタ方式を用いても良い。
次に、本実実施形態の潤滑剤塗布装置50に用いられる潤滑剤について詳述する。
図3に示す潤滑剤塗布装置50では、潤滑剤として固形潤滑剤を用いているが、本実施形態の潤滑剤塗布装置50に適用可能な潤滑剤を固形潤滑剤に限定するものではない。例えば粉末の潤滑剤や、固形と粉末の潤滑剤を併用する構成としてもよい。
潤滑剤には下記の脂肪酸金属塩(A)や無機潤滑剤(B)などを使用することで、クリーニング性の高耐久・高信頼・長寿命化を達成できる。
脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム、及び、それらの混合物があるが、本実施形態に適用可能な脂肪酸金属塩(A)をこれに限るものではない。また、これらの脂肪酸金属塩(A)を混合して使用してもよい。中でも、特に感光体への成膜性に優れることから、ステアリン酸亜鉛が最も好ましく用いられる。
また、無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるが、本実施形態に適用可能な無機潤滑剤(B)をこれに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、最も好ましく用いられる。
なお、これらの無機潤滑剤は、疎水性付与等の目的で必要に応じて表面処理がなされていても良い。
また、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)の両方を塗布又は付着させる工程を行うことでクリーニングに関してさらに大きな効果が得られる。さらにまた、固形潤滑剤として、上記した脂肪酸基に少なくとも窒化ホウ素を混合して形成されたものを用いることで、感光体表面のクリーニングに関してさらに大きな効果が得られる。
次に、本実施形態の潤滑剤塗布装置50について詳述する。
図9は、従来の潤滑剤塗布装置150の構成についての説明図である。図9(a)は初期状態を示し、図9(b)は経時変化後の状態を示す。
図9(a)に示すように、従来の潤滑剤塗布装置150は、感光体に潤滑剤を塗布する供給部材としての潤滑剤塗布部材151と、潤滑剤152と、押圧機構153とを備えている。なお、図9に示す潤滑剤塗布装置150の構成は、本実施形態に係る潤滑剤塗布装置とほぼ同様の構成であるため、同様の構成については説明を省略する。
潤滑剤塗布部材151は、発泡体層を有するローラ状の供給部材である。押圧機構153は、押圧部材153a、バネ153b、及び、板部材153cを備え、押圧部材153aの一端部をバネ153bによって引っ張り、押圧部材153aの他端部が板部材153cを介して潤滑剤152を潤滑剤塗布部材151に向けて押圧するものである。
発泡体層を有するローラ状の供給部材の潤滑剤を削る潤滑剤削り能力は、帯電部材にAC電圧が印加されていない状況下では、ブラシ状の回転部材からなる供給部材よりも小さい。しかし、感光体への帯電ハザードによる滑剤供給量の収支やトナー等が研磨剤の役割をすることで、必要な潤滑剤削り量を確保している。
このように、発泡体層を有するローラ状の供給部材を用いた従来の潤滑剤塗布装置150では、帯電ハザードの有無で潤滑剤削れ量が変わる。詳しくは、感光体表面における帯電ハザードの影響が小さい領域ほど、この領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量が小さくなる。
図10は、従来の潤滑剤塗布装置150における帯電ローラ109、潤滑剤塗布部材151、及び潤滑剤152の位置関係についての説明図である。
図10に示すように、従来の潤滑剤塗布装置150は、感光体表面を帯電する帯電部材として、非接触式の帯電ローラ109を用いている。この帯電ローラ109は、ローラ端部に感光体とのギャップを形成するためのコロ部材109aを有している。このコロ部材109aは樹脂などで形成されており、感光体表面におけるコロ部材109aとの対向領域αは非帯電領域となる。このため、従来の潤滑剤塗布装置150では、感光体表面の非帯電領域であるコロ部材109aとの対向領域αにおいては帯電ハザードが生じない。
また、従来の潤滑剤塗布装置150は、コロ部材109aとの対向領域αが非帯電領域であるため、感光体幅方向で感光体表面の潤滑剤塗布領域内に非帯電領域と帯電領域が含まれる。したがって、感光体幅方向において、感光体表面の対向領域αに潤滑剤を塗布するために削られる潤滑剤削れ量が、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布するために削られる潤滑剤削れ量と比較して少なくなる。
その結果、潤滑剤における感光体幅方向において、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも、経時使用によって、供給部材によって多く削られてしまう。これにより、潤滑剤の供給部材との接触面において、感光体幅方向で段差が生じ、図9(b)に示すように、潤滑剤152と潤滑剤塗布部材151との接触が感光体幅方向で不安定となる。潤滑剤152と潤滑剤塗布部材151との接触が感光体幅方向で不安定となると、例えば、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の領域に対する供給部材の接触圧が所望の範囲よりも低下したり、潤滑剤の感光体幅方向の段差によって供給部材が接触できない箇所が生じたりする。これにより、供給部材が潤滑剤をうまく掻き取ることができなくなり、感光体への塗布ムラが生じてしまう。
また、潤滑剤は感光体保護の役割があため、潤滑剤の塗布ムラがあると、フィルミングやクリーニング不良を発生させ、結果異常画像が発生してしまう。
本実施形態の潤滑剤塗布装置50においては、感光体8表面に固形潤滑剤52を塗布するために潤滑剤供給ローラ51によって削られる感光体幅方向の潤滑剤削れ量が次のようになるように構成した。すなわち、感光体8表面における非帯電領域である帯電ローラ9のコロとの対向領域αに固形潤滑剤52を塗布するために潤滑剤供給ローラ51によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に固形潤滑剤52を塗布するために潤滑剤供給ローラ51によって削られる潤滑剤削れ量よりも、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態においては多くなるようにした。
これにより、帯電ローラ9にAC電圧が印加されている状態において、従来の発泡体層を有するローラ状の供給部材を備える潤滑剤塗布機構に比べて、潤滑剤供給ローラ51によって削られる潤滑剤削れ量の感光体幅方向おける偏差を無くすことが可能となることが分かった。これにより、AC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向で均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。したがって、帯電部材にAC電圧が印加されている状態における像担持体への潤滑剤塗布の均一化を図ることができ、従来の潤滑剤塗布装置150に比べて、像担持体表面への潤滑剤の塗布ムラを抑制することができる。
図4は、帯電部材へのAC電圧印加の有無と、後述するB/Aの関係を示すグラフである。
感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量をAとし、感光体表面の帯電ローラコロ部との対向領域(非帯電領域)に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量をBとする。
本発明者らが行った実験によって、帯電部材にAC電圧が印加されている状態における供給部材によって削られる潤滑剤削れ量の感光体幅方向の偏差を小さくするためには、潤滑剤削れ量Aと潤滑剤削れ量Bとの関係を、次のようにすることが好ましいことがわかった。すなわち、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、1.1≦B/A≦1.4とすることが好ましいことがわかった。
従来の潤滑剤塗布装置のように、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態において、感光体表面の帯電領域の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量と、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量とが感光体幅方向で均一である場合は、B/Aが1である。この場合、図4中点aで示すように、帯電部材にAC電圧が印加された状態ではB/Aが0.7となった。すなわち、従来の潤滑剤塗布装置では、帯電部材にAC電圧が印加された状態において、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の帯電領域に対して塗布される領域が、感光体表面の非帯電領域に対して塗布される領域よりも多く削られていることがわかる。
図5は、帯電部材へAC電圧を印加している状態での潤滑剤の削れ方と、帯電部材へAC電圧を印加していない状態での潤滑剤の削れ方についての説明図である。
図5(a)〜(d)は、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態での潤滑剤の削れ方の種類を4つに分類し、それぞれ同条件で帯電部材にAC電圧が印加された場合の潤滑剤の削れ方の変化を示したものである。
従来の潤滑剤塗布装置では、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態では潤滑剤削れ量が感光体幅方向において均一となるため、図5(a)に示すように、感光体幅方向において潤滑剤が均一に削れた。
しかし、帯電部材にAC電圧が印加された状態では、感光体幅方向における潤滑剤の削れ方が次のようになってしまった。すなわち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電ローラのコロとの対向領域(非帯電領域)αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまった。この結果、感光体幅方向で潤滑剤に段差が生じてしまった。
また、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態におけるB/Aが1.4より大きいと、感光体幅方向における潤滑剤の削れ方が次のようになってしまった。すなわち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまった。この結果、感光体幅方向で潤滑剤に段差が生じてしまった。
一方、本実施形態の潤滑剤塗布装置のように、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態におけるB/Aを1.1以上、1.4以下とした場合、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において、感光体幅方向における潤滑剤の削れ方が次のようになった。すなわち、図5(c)に示すように、潤滑剤における感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域と、感光体表面の非帯電領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域とが均一に削られた。したがって、B/Aを1.1以上、1.4以下とすることで、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において感光体の幅方向における潤滑剤削れ量の偏差を無くすことができる。
次に、本実施形態の潤滑剤塗布装置50において、帯電部材にAC電圧が印加されている状態における供給部材によって削られる潤滑剤削れ量の感光体幅方向の偏差を小さくするための具体的な構成について、実施例をもとに説明する。
まず、潤滑剤供給ローラ51の構成によって、帯電部材にAC電圧が印加されている状態における供給部材によって削られる潤滑剤削れ量の感光体幅方向の偏差を小さくする構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る潤滑剤供給ローラ51の構成の一例についての説明図である。
例えば、図6に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されていない状況下において、潤滑剤供給ローラ51の潤滑剤削り能力を、感光体幅方向において変化させる構成とする。具体的には、感光体8表面の帯電ローラ9のコロとの対向領域αに対する潤滑剤削り能力を、感光体8表面の他の領域に対する潤滑剤削り能力と比較して向上させる。
これにより、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態で、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。したがって、帯電ローラ9にAC電圧が印加されている状態において、供給部材によって削られる潤滑剤削れ量の感光体幅方向の偏差をを無くすことができ、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向で均一に削ることができる。
このように、感光体8表面の帯電ローラ9のコロとの対向領域αに対する潤滑剤削り能力を、感光体8表面の他の領域に対する潤滑剤削り能力と比較して向上させる具体的な構成の例としては、次の構成が挙げられる。潤滑剤供給ローラ51の当該対向領域αの外径を大きくする、密度を高くする、硬度を高くする、材質を変更する等の構成が挙げられる。しかし、本実施形態の潤滑剤塗布装置50に係る供給部材の構成としてはこれに限らない。
[実施例1]
本実施形態に係る潤滑剤等装置の第一の実施例(以下、実施例1という)について説明する。
図7は、実施例1に係る供給部材61の構成の一例についての説明図である。
本実施例の潤滑剤塗布装置は、発砲体層を有する供給部材61の外径を感光体幅方向で変化させている以外は、実施形態の潤滑剤塗布装置50について説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。
本実施例の供給部材61は、感光体表面の帯電ローラコロ部との対向領域(非帯電領域)に潤滑剤を塗布する領域の外径h1を、感光体表面の他の領域(帯電領域)に潤滑剤を塗布する領域の外径h2と比較して大きくしている。
すなわち、発砲体層を有する供給部材61において、感光体8表面の非帯電領域αに潤滑剤を塗布する領域の外径をC、感光体8表面の他の領域に潤滑剤を塗布する領域の外径をDとする。この場合、本実施例の供給部材61は、C/D>1の関係を満たす。
発泡体層を有する供給部材は、その外径が大きくなるほど潤滑剤との単位長さ当たりの接触面積が広くなり、潤滑剤との単位長さ当たりの接触面積が広いほど潤滑剤を削る量が多くなる。したがって、本実施例の潤滑剤塗布装置においては、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
本発明者らが行った実験によって、C/Dが1よりも大きく、1.05よりも小さい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(b)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の非帯電領域に対して塗布される領域よりも多く削られることがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置、つまり、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態において潤滑剤削れ量が感光体幅方向で均一な潤滑剤塗布装置における潤滑剤の削れ方と比べて、AC電圧が印加されている状態における感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
また、C/Dが1.2よりも大きい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(d)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまうことがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方と比べて、感光体の幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
さらにまた、C/Dが1.05以上、1.2以下である場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(c)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態での潤滑剤削れ量が、感光体幅方向で均一になることがわかった。これにより、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向で均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。このため、感光体への潤滑剤の塗布ムラを無くすことができる。したがって、本実施例の供給部材61におけるC/Dは、1.05以上、1.2以下であることが好ましい。
[実施例2]
本実施形態に係る潤滑剤等装置の第二の実施例(以下、実施例2という)について説明する。
本実施例の潤滑剤塗布装置は、発砲体層を有する供給部材の硬度を感光体幅方向で変化させている以外は、実施形態の潤滑剤塗布装置50について説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。
本実施例の供給部材は、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の硬度を、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布する領域の硬度と比較して大きくしている。
すなわち、発砲体層を有する供給部材における、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の硬度をE、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布する領域の硬度をFする。この場合、本実施例の潤滑剤供給ローラ51の硬度は、E/F>1の関係を満たす。
発泡体層を有する供給部材は、その硬度が高いほど潤滑剤を削る量が多くなる。したがって、本実施例の潤滑剤塗布装置においては、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、感光体8表面における非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
本発明者らが行った実験によって、E/Fが1よりも大きく、1.1よりも小さい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(b)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の非帯電領域に対して塗布される領域よりも多く削られることがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方と比べて、AC電圧が印加されている状態における感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
また、E/Fが1.4よりも大きい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(d)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまうことがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方に比べて、感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
さらにまた、E/Fが1.1以上、1.4以下である場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(c)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態での潤滑剤削れ量が、感光体幅方向で均一になることがわかった。これにより、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向にで均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。このため、感光体への潤滑剤の塗布ムラを無くすことができる。したがって、本実施例の供給部材におけるE/Fは、1.1以上、1.4以下であることが好ましい。
[実施例3]
本実施形態に係る潤滑剤等装置の第三の実施例(以下、実施例3という)について説明する。
本実施例の潤滑剤塗布装置は、発砲体層を有する供給部材の密度を感光体幅方向で変化させた以外は、実施形態の潤滑剤塗布装置50について説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。
本実施例の供給部材は、供給部材における、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の密度[kg/m]を、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布する領域の密度[kg/m]と比較して大きくしている。
すなわち、発砲体層を有する供給部材における、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の密度[kg/m]をG、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布する領域の密度[kg/m]をHとする。この場合、本実施例の供給部材は、G/H>1の関係を満たす。
発泡体層を有する供給部材は、その密度が高いほど潤滑剤を削る量が多くなる。したがって、本実施例の潤滑剤塗布装置においては、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態で、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに対する潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に対する潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
本発明者らが行った実験によって、G/Hが1よりも大きく、1.1よりも小さい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(b)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の非帯電領域に対して塗布される領域よりも多く削られることがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方と比べて、AC電圧が印加されている状態における感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
また、G/Hが1.4よりも大きい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(d)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまうことがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方に比べて、感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
さらにまた、G/Hが1.1以上、1.4以下である場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。図5(c)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態での潤滑剤削れ量が感光体幅方向で均一になることがわかった。これにより、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向にで均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。このため、感光体への潤滑剤の塗布ムラを無くすことができる。したがって、本実施例の供給部材におけるG/Hは、1.1以上、1.4以下であることが好ましい。
なお、実施例1〜3では、供給部材の外径、硬度、及び密度を各々変化させた構成について説明したが、本実施形態に係る供給部材の構成としてはこれに限らない。例えば、外径、硬度、及び密度の変化を組み合わせた構成としてもよい。
次に、固形潤滑剤52の構成によって、帯電部材にAC電圧が印加されている状態における供給部材によって削られる潤滑剤削れ量の感光体幅方向の偏差を小さくする構成について説明する。
帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態で、非帯電領域と帯電領域に対する潤滑剤削れ量の偏差を少なくする構成としては、実施例1〜3について説明した構成に限らない。例えば、潤滑剤の構成を、潤滑剤の感光体幅方向の領域のうち、感光体表面の非帯電領域であるコロ部に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域と比較して削れやすい構成としてもよい。
[実施例4]
本実施形態に係る潤滑剤等装置の第四の実施例(以下、実施例4という)について説明する。
図8は、実施例4に係る潤滑剤62の構成の一例についての説明図である。図8(a)は、従来及び本実施例の潤滑剤塗布装置の潤滑剤周囲の構成を示すものである。また、図8(b)は、図8(a)に示す矢印Iから見たときの、潤滑剤の供給部材との接触面の形状を示すものであり、図8(c)は、本実施例の潤滑剤の供給部材との接触面の形状を示すものである。
図8(b)に示すように、従来の潤滑剤塗布装置が備える潤滑剤152の供給部材は、潤滑剤の供給部材との接触面152aにおける供給部材回転方向の長さHが感光体幅方向で一定である。
本実施例の潤滑剤塗布装置は、潤滑剤62の供給部材との接触面62aにおける供給部材回転方向の長さを感光体の幅方向で変化させている以外は、実施形態の潤滑剤塗布装置50について説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。
また、図8(a)に示すように、本実施例の潤滑剤塗布装置は、押圧機構63を備え、この押圧機構63によって潤滑剤62が供給部材に向けて押圧されている。なお、押圧機構63の構成は、図9を用いて説明した従来の押圧機構153と同様の構成であるため、説明を省略する。
本実施例の潤滑剤62は、図8(c)に示すように、潤滑剤62の感光体幅方向の領域のうち、感光体表面の非帯電領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の供給部材回転方向の長さh3を、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の供給部材回転方向の長さh4と比較して短くしている。
すなわち、潤滑剤62において、感光体表面の非帯電領域αに潤滑剤を塗布するために削られる領域の供給部材回転方向の長さをI、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の供給部材回転方向の長さをJとした場合、本実施例の潤滑剤62は、I/J<1の関係を満たす。
潤滑剤が供給部材に向かって加圧される力が感光体の幅方向で一定である場合、潤滑剤の供給部材との当接面における供給部材回転方向の長さが短い方が、供給部材との単位長さ当たりの接触圧が大きくなる。このため、本実施例の潤滑剤62においては、供給部材回転方向の長さが短い領域において供給部材によって削られる潤滑剤削れ量が、供給部材回転方向の長さが長い領域において供給部材によって削られる潤滑剤削れ量に比べて増加する。
したがって、本実施例の潤滑剤塗布装置においては、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
本発明者らが行った実験によって、I/Jが1よりも小さく、0.9よりも大きい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(b)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の非帯電領域に対して塗布される領域よりも多く削られることがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方と比べて、AC電圧が印加されている状態における感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
また、I/Jが0.7よりも小さい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(d)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまうことがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方に比べて、感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
さらにまた、I/Jが0.7以上、0.9以下である場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(c)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態での潤滑剤削れ量が、感光体幅方向で均一になることがわかった。これにより、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向にで均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。このため、本実施例の潤滑剤におけるI/Jは0.7以上、0.9以下であることが好ましい。
[実施例5]
本実施形態の第五の実施例(以下、実施例5という)について説明する。
本実施例の潤滑剤塗布装置は、潤滑剤の密度を感光体幅方向で変化させた以外は、実施形態の潤滑剤塗布装置50について説明した構成と同様であるため、その説明を省略する。
本実施例の潤滑剤は、潤滑剤62の感光体幅方向の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の密度を、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の密度と比較して小さくしている。
すなわち、潤滑剤において、感光体表面の非帯電領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の密度をK、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の密度をLとした場合、本実施例の潤滑剤は、K/L<1の関係を満たす。
潤滑剤は、密度が小さいほど供給部材によって削られやすくなるなる。このため、本実施例の潤滑剤においては、密度の小さい領域において供給部材によって削られる潤滑剤削れ量が、より密度の大きい領域において供給部材によって削られる潤滑剤削れ量に比べて増加する。したがって、本実施例の潤滑剤塗布装置においては、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
本発明者らが行った実験によって、K/Lが1よりも小さく、0.95よりも大きい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(b)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の非帯電領域に対して塗布される領域よりも多く削られることがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方と比べて、AC電圧が印加されている状態における感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
また、K/Lが0.9よりも小さい場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(d)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態では、感光体幅方向における潤滑剤の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまうことがわかった。しかし、この場合においても、図5(a)に示す従来の潤滑剤塗布装置の潤滑剤の削れ方に比べて、感光体幅方向の潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができた。
さらにまた、K/Lが0.9以上、0.95以下である場合、潤滑剤が次のように削られることがわかった。すなわち、図5(c)に示すように、帯電部材にAC電圧が印加されている状態での潤滑剤削れ量が、感光体幅方向で均一になることがわかった。これにより、帯電部材にAC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向にで均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。このため、本実施例の潤滑剤おけるK/Lは0.9以上、0.95以下であることが好ましい。
なお、実施例4、5では、感光体幅方向で潤滑剤の密度や供給部材回転方向の長さを各々変化させた構成について説明したが、本実施形態に係る潤滑剤の構成としてはこれに限らない。例えば、感光体幅方向で潤滑剤の密度や供給部材回転方向の長さの変化を組み合わせた構成としてもよい。
また、潤滑剤の感光体幅方向の領域のうち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の処方を変えることで、感光体表面の他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域と比較し削れやすくしてもよい。
また、本実施形態に係る潤滑剤塗布装置の構成としては、実施例1〜3について説明した感光体幅方向で供給部材の外径、硬度、及び密度を各々変化させる構成と、実施例4、5について説明した感光体幅方向で潤滑剤の密度や供給部材回転方向の長さを各々変化させる構成とを組み合わせた構成を用いてもよい。
また、本実施形態の潤滑剤塗布装置を画像形成装置に用いる事で、感光体へ効率良く潤滑剤を塗布しながら、感光体幅方向で感光体に対して均一に潤滑剤を塗布する事ができる。これにより、感光体表面の潤滑剤の塗布ムラによるフィルミング、クリーニング不良等の発生を防ぐことができ、高画質な画像を提供することが可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
帯電ローラ9等の帯電部材によって一様に帯電される感光体8等の像担持体表面に、発泡体層を有するローラ状の潤滑剤供給ローラ51等の供給部材によって固形潤滑剤52等の潤滑剤を塗布し、前記像担持体表面における前記供給部材によって前記潤滑剤が塗布される領域が、前記像担持体表面における前記帯電部材によって帯電される帯電領域と、前記像担持体表面における前記帯電部材によって帯電されない非帯電領域とを含む潤滑剤塗布装置50等の潤滑剤塗布機構において、前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、前記帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも、前記帯電部材に電圧が印加されていない状態において多くしたことを特徴とする。
本態様においては、実施形態について説明したように、帯電部材に電圧が印加されている状態において、従来の発泡体層を有するローラ状の供給部材を備える潤滑剤塗布機構に比べて、像担持体表面に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量の像担持体幅方向における偏差を小さくすることが可能となる。これにより、AC電圧が印加されている状態において、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向で均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。したがって、帯電ローラ9にAC電圧が印加されている状態における感光体8への潤滑剤塗布の均一化を図ることができ、像担持体表面への潤滑剤の塗布ムラを抑制することができる。
(態様B)
態様Aにおいて、帯電ローラ9等の前記帯電部材は、交流成分を含む電圧が印加され、前記像担持体と所定のギャップを形成するためのコロ部材等のギャップ形成手段を有し、前記像担持体と非接触で前記像担持体の表面を一様に帯電するものであり、前記像担持体表面における前記ギャップ形成手段と対向する対向領域α等の領域が前記非帯電領域であることを特徴とする。
本態様においては、実施形態について説明したように、帯電ローラ9にAC電圧が印加されている状態において、感光体8表面の帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量と、感光体8表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量との偏差を無くすことが可能となる。
これにより、AC電圧が印加されている状態で、供給部材によって潤滑剤を感光体8幅方向において均一に削ることができ、潤滑剤に対して供給部材を安定して接触させることができる。したがって、帯電ローラ9にAC電圧が印加されている状態における感光体8への潤滑剤塗布の均一化を図ることができ、像担持体表面への潤滑剤の塗布ムラを抑制することができる。
(態様C)
態様Bにおいて、感光体8等の前記像担持体表面の前記帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量をA、前記像担持体表面の対向領域α等の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量をBとしたとき、前記帯電部材に電圧が印加されていない状態では、1.1≦B/A≦1.4の関係を満たす。
本態様においては、上記実施形態について説明したとおり、帯電部材へAC電圧を印加している状態における感光体8幅方向での潤滑剤削れ量の偏差を小さくすることができる。
帯電部材にAC電圧が印加されていない状態においてB/Aが1である場合、帯電部材にAC電圧が印加された状態では、感光体幅方向における潤滑剤の削れ方が次のようになってしまった。すなわち、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電ローラのコロとの対向領域(非帯電領域)αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまった。また、帯電部材にAC電圧が印加されていない状態におけるB/Aが1.4より大きいと、感光体幅方向における潤滑剤の削れ方が次のようになってしまった。すなわち、感光体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域が、感光体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域よりも多く削られてしまった。
(態様D)
態様B又は態様Cにおいて、供給部材61等の前記供給部材における、感光体8等の前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布する領域の外径h1等の外径をC、前記像担持体表面の他の領域に前記潤滑剤を塗布する領域の外径h2等の外径をDとしたとき、C/D>1の関係を満たす。
本態様においては、上記実施例1について説明したとおり、供給部材における像担持体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の外径よりも、前記供給部材における像担持体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の外径を大きくすることが可能となる。発泡体層を有する供給部材は、その外径が大きくなるほど潤滑剤との単位長さ当たりの接触面積が広くなり、潤滑剤との単位長さ当たりの接触面積が広いほど供給部材によって削られる潤滑剤削る量が多くなる。したがって、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
(態様E)
態様B〜Dいずれか一の態様において、前記供給部材における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布する領域の硬度をE、前記像担持体表面の他の領域に前記潤滑剤を塗布する領域の硬度をFとしたとき、E/F>1の関係を満たす。
本態様においては、上記実施例2について説明したとおり、供給部材における像担持体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の硬度よりも、供給部材における像担持体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の硬度を高くすることが可能となる。発泡体層を有する供給部材は、その硬度が高いほど潤滑剤を削る量が多くなる。したがって、帯電ローラ9にAC電圧が印加されていない状態において、感光体8表面における帯電ローラコロ部との対向領域αに潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、感光体8表面における他の領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも多くすることができる。
(態様F)
態様B〜Eいずれか一の態様において、前記供給部材における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布する領域の密度をG、前記像担持体表面の他の領域に前記潤滑剤を塗布する領域の密度をHとしたとき、G/H>1の関係を満たす。
本態様においては、上記実施例3について説明したとおり、供給部材における像担持体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の密度よりも、供給部材における像担持体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布する領域の密度を高くすることが可能となる。発泡体層を有する供給部材は、その密度が高いほど潤滑剤を削る量が多くなる。したがって、帯電部材に電圧が印加されていない状態において、像担持体表面における非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量を、像担持体表面における帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量よりも多くすることができる。
(態様G)
態様B〜Fいずれか一の態様において、潤滑剤62等の前記潤滑剤の前記供給部材との接触面62a等の接触面における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の長さh3等の前記供給部材回転方向の長さをI、前記像担持体表面のその他の領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の長さh4等の前記供給部材回転方向の長さをJとしたとき、I/J<1の関係を満たす。
本態様においては、上記実施例4について説明したとおり、潤滑剤62の供給部材との接触面62aにおける、像担持体表面の非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の供給部材回転方向の長さh3を、像担持体表面の帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の供給部材回転方向の長さh4よりも短くすることが可能となる。
潤滑剤が供給部材に向かって加圧される力が感光体の幅方向で一定である場合、潤滑剤62の供給部材との接触面62aにおける供給部材回転方向の長さが短い方が、供給部材との単位長さ当たりの接触圧が大きくなる。このため、本実施例の潤滑剤62においては、供給部材回転方向の長さが短い領域において供給部材によって削られる潤滑剤削れ量が、供給部材回転方向の長さが長い領域において供給部材によって削られる潤滑剤削れ量に比べて増加する。
したがって、帯電部材に電圧が印加されていない状態において、像担持体表面における非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量を、像担持体表面における帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量よりも多くすることができる。
(態様H)
態様B〜Gいずれか一の態様において、前記潤滑剤における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の密度をK、前記像担持体表面のその他の領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の密度をLとしたとき、K/L<1の関係を満たす。
潤滑剤は、密度が小さいほど供給部材によって削られやすくなるなる。このため、本態様においては、上記実施例5について説明したとおり、潤滑剤の密度の小さい領域の潤滑剤削れ量が、より密度の大きい領域の潤滑剤削れ量と比べて増加する。したがって、帯電ローラ9に電圧が印加されていない状態において、像担持体表面における非帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量を、像担持体表面における帯電領域に潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる潤滑剤の削れ量よりも多くすることができる。
(態様I)
像担持体表面を一様に帯電する帯電ローラ9等の帯電手段と、前記像担持体表面へ潤滑剤を供給するための潤滑剤供給手段と、前記像担持体表面をクリーニングするためのクリーニング装置11等のクリーニング手段とを備えるカラープリンタ1等の画像形成装置において、前記潤滑剤供給手段として態様A〜Hいずれか一の態様の潤滑剤塗布機構を用いることを特徴とする。
本態様においては、感光体へ効率良く潤滑剤を塗布しながら、潤滑剤長手で感光体に対して均一に潤滑剤を塗布する事ができる。このため、感光体表面の潤滑剤の塗布ムラによるフィルミング、クリーニング不良等の発生を防ぐことができ、高画質な画像を提供することが可能である。また、感光体を潤滑剤によって保護することができる。
(態様J)
帯電ローラ9等の帯電手段によって一様に帯電される感光体8等の像担持体の表面に固形潤滑剤52等の潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置50等の潤滑剤塗布機構を備えるカラープリンタ1等の画像形成装置に用いられ、少なくとも前記帯電手段と該潤滑剤供給手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて前記画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスカートリッジ23等のプロセスカートリッジにおいて、前記潤滑剤供給手段として態様A〜Hいずれか一の態様の潤滑剤供給機構を用いることを特徴とする。
本態様においては、メンテナンス部品を一度の作業で交換できるため、交換やメンテナンスの作業が容易になり、画像形成装置におけるメンテナンス性を高めることができる。
1 カラープリンタ
8 感光体
9 帯電ローラ
10 現像装置
11 クリーニング装置
23 プロセスカートリッジ
50 潤滑剤塗布装置
51 潤滑剤供給ローラ
52 固形潤滑剤
54 潤滑剤押圧バネ
61 実施例1に係る供給部材
62 実施例4に係る潤滑剤
h1,h2 供給部材の外径
h3,h4 潤滑剤の供給部材回転方向の長さ
α 感光体表面におけるコロ部材との対向領域(非帯電領域)
特開2012−177882号公報

Claims (10)

  1. 帯電部材によって一様に帯電される像担持体表面に、発泡体層を有するローラ状の供給部材によって潤滑剤を塗布し、前記像担持体表面における前記供給部材によって前記潤滑剤が塗布される領域が、前記像担持体表面における前記帯電部材によって帯電される帯電領域と、前記像担持体表面における前記帯電部材によって帯電されない非帯電領域とを含む潤滑剤塗布機構において、前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量を、前記帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量よりも、前記帯電部材に電圧が印加されていない状態において多くしたことを特徴とする潤滑剤塗布機構。
  2. 請求項1に記載の潤滑剤塗布機構において、前記帯電部材は、交流成分を含む電圧が印加され、前記像担持体と所定のギャップを形成するためのギャップ形成手段を有し、前記像担持体と非接触で前記像担持体の表面を一様に帯電するものであり、前記像担持体表面における前記ギャップ形成手段と対向する領域が前記非帯電領域であることを特徴とする潤滑剤塗布機構。
  3. 請求項2に記載の潤滑剤塗布機構において、前記像担持体表面の前記帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量をA、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる潤滑剤削れ量をBとしたとき、前記帯電部材に電圧が印加されていない状態では、1.1≦B/A≦1.4の関係を満たすことを特徴とする潤滑剤塗布機構。
  4. 請求項1乃至3いずれか一に記載の潤滑剤塗布機構において、前記供給部材における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布する領域の外径をC、前記像担持体表面の他の領域に前記潤滑剤を塗布する領域の外径をDとしたとき、C/D>1の関係を満たすこと特徴とする潤滑剤塗布機構。
  5. 請求項1乃至4いずれか一に記載の潤滑剤塗布機構において、前記供給部材おける、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布する領域の硬度をE、前記像担持体表面の他の領域に前記潤滑剤を塗布する領域の硬度をFとしたとき、E/F>1の関係を満たすこと特徴とする潤滑剤塗布機構。
  6. 請求項1乃至5いずれか一に記載の潤滑剤塗布機構において、前記供給部材における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布する領域の密度をG、前記像担持体表面の他の領域に前記潤滑剤を塗布する領域の密度をHとしたとき、G/H>1の関係を満たすこと特徴とする潤滑剤塗布機構。
  7. 請求項1乃至6いずれか一に記載の潤滑剤塗布機構において、前記潤滑剤の前記供給部材との接触面における、前記像担持体表面の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の前記供給部材回転方向の長さをI、前記像担持体表面のその他の領域に前記潤滑剤を塗布するために供給部材によって削られる領域の前記供給部材回転方向の長さをJとしたとき、I/J<1の関係を満たすこと特徴とする潤滑剤塗布機構。
  8. 請求項1乃至7いずれか一に記載の潤滑剤塗布機構において、前記潤滑剤における、前記像担持体表面の前記帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の密度をK、前記潤滑剤における前記像担持体の前記非帯電領域に前記潤滑剤を塗布するために前記供給部材によって削られる領域の密度をLとしたとき、K/L<1の関係を満たすこと特徴とする潤滑剤塗布機構。
  9. 像担持体表面を一様に帯電する帯電手段と、前記像担持体表面へ潤滑剤を供給するための潤滑剤供給手段と、前記像担持体表面をクリーニングするためのクリーニング手段とを備える画像形成装置において、前記潤滑剤供給手段として請求項1乃至8いずれか一に記載の潤滑剤塗布機構を用いることを特徴とする画像形成装置。
  10. 帯電手段によって一様に帯電される像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構を備える画像形成装置に用いられ、少なくとも該帯電手段と該潤滑剤供給手段とを1つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能に構成したプロセスカートリッジにおいて、前記潤滑剤供給手段として請求項1乃至8いずれか一に記載の潤滑剤供給機構を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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