JP2017007483A - ガラス板モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、構造物の窓枠に固定されるガラス板モジュールであって、ガラス板と、ガラス板の周縁全体に亘って取り付けられる樹脂製の枠部材と、ガラス板に取り付けられ、当該ガラス板を窓枠に固定するための固定具と、固定具をガラス板または枠部材に固定するための樹脂製の支持部と、を備え、固定具は、窓枠に形成された孔に係合し、ガラス板の表面から垂直方向に突出する支柱部と、支柱部の基端部に設けられ、支柱部と垂直な方向に延びるとともに、少なくとも一部が支持部内に配置される座面部と、を備え、座面部のうち、前記支持部内に配置されている部分において、引き抜き抵抗を受ける主たる部分の最小の外径が、支柱部の最大の外径よりも大きい。
【選択図】図2
Description
ガラス板1には、自動車用の公知のガラス板を利用することができる。例えば、ガラス板1には、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラス若しくはグリーンガラス、又はUVグリーンガラスが利用されてもよい。ただし、このようなガラス板1は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、日射吸収率、可視光線透過率などが安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラスの組成の一例と、熱線吸収ガラス組成の一例を示す。
SiO2:70〜73質量%
Al2O3:0.6〜2.4質量%
CaO:7〜12質量%
MgO:1.0〜4.5質量%
R2O:13〜15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3):0.08〜0.14質量%
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe2O3に換算した全酸化鉄(T−Fe2O3)の比率を0.4〜1.3質量%とし、CeO2の比率を0〜2質量%とし、TiO2の比率を0〜0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl2O3)をT−Fe2O3、CeO2及びTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
次に、枠部材2について説明する。図1及び図2に示すように、枠部材は、ガラス板1の周縁に沿って配置されるものである。具体的には、ガラス板1の車外側の面に配置される表面部21と、ガラス板1の車内側の面に配置され、表面部21よりも幅の小さい裏面部22と、表面部21と裏面部22とを接続し、ガラス板1の端面を覆う外縁部23と、を備えており、全体として断面J字型に形成されている。また、外縁部23には、ガラス板1の面方向に突出する薄肉状のリップ24が形成されている。これら表面部21、裏面部22、外縁部23、及び、リップ24は、樹脂材料によって一体的に形成されており、ガラス板1の全周に亘って配置されている。
次に、支持部4及び固定具3について、図3〜図6も参照しつつ説明する。図3は固定具の正面図、図4は固定具の側面図、図5は図3の底面図、図6は固定具3を底面側から見た斜視図である。支持部4は、ガラス板1の4隅において、枠部材2の内縁からやや離れた位置にそれぞれ配置された樹脂製の部材であり、ブロック状に形成されている。そして、各支持部4に、固定具3の一部が埋め込まれている。
次に、ガラス板モジュール10の製造方法の一例について説明する。まず、ガラス板1において、枠部材2が取り付けられる箇所、及び支持部4が取り付けられる箇所にプライマ等の接着剤を塗布しておく、次に、ガラス板1、装飾部材25、及び固定具3を射出成形の成形型に配置する。なお、装飾部材25及び固定具3は、上記のように、ロボットアームによって成形型に配置する。続いて、枠部材2及び支持部4を構成する樹脂材料を成形型内に注入し、射出成形によってガラス板1の表面に枠部材2及び支持部4を形成する。これにより、図1及び図6に示すように、枠部材2がガラス板1の周縁に形成されるとともに、枠部材2の内縁よりも内側に4つの支持部4が形成される。このとき、枠部材2及び支持部4は、接着剤を介して、ガラス板1に固定される。
次に、ガラス板モジュールの窓枠への取付について、図7及び図8を参照しつつ説明する。まず、自動車の窓枠5において、ガラス板モジュール10が配置される箇所には、凹部51が形成されており、この凹部51に、ガラス板モジュール10が取り付けられる。凹部51の周縁には、側面511と底面512とが形成されており、底面512の4箇所には、固定具3の支柱部31が挿入される貫通孔513が形成されている。各貫通孔513の内径は、固定具3の両係合部314,315の下端部間の距離よりも小さく、本体部311及びリブ312,313の最大径よりも大きくなっている。
以上のように、本実施形態によれば、第2座面部材33の最小径M1が、支柱部31の最大径M2よりも大きいため、固定具3において支持部4に埋め込まれる面積を大きくすることができる。そのため、固定具3の支持部4からの引き抜き抵抗を大きくすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。そして、以下に示す複数の変形例は適宜組合わせることが可能である。
ガラス板モジュールと窓枠との取り付けの態様は種々のものがあり、上記実施形態に限定されない。例えば、図9のように、枠部材2を延長し、これと支持部4を一体化するほか、図10に示すように、枠部材2の中に支持部4を一体的に設けることもできる。また、図11に示すように、窓枠5の底面512において、固定具3が取り付けられる箇所に凹部514を形成し、この凹部514に貫通孔513を形成することができる。こうすることで、貫通穴513近傍の窓枠5の剛性が上がるため、ガラス板モジュールを窓枠5により強固に固着することができる。
支柱部31は上記以外の態様でもよく、少なくとも窓枠5の貫通孔513に挿入可能であればよい。例えば、上記実施形態では、板状の本体部311と一対のリブ312,313とで支柱部31を形成しているが、これ以外に、例えば、中実または中空の円錐状、棒状などに形成することもできる。また、抜け止めである係合部は必ずしも必要ではなく、貫通孔513に支柱部31が固定できればよい。したがって、例えば、支柱部31を貫通孔513に挿入した後、車内側に突出する支柱部31に事後的に抜け止めを取り付けることもできる。
座面部材32,33の構成も特には限定されず、少なくとも支柱部31の最大径よりも外径が大きければよい。この限りにおいては、第1座面部材32が第2座面部材33よりも小さくてもよい。また、切欠き部331〜334は必ずしも必要ではなく、第2座面部材33の外周縁に沿って凹凸が形成されていてもよい。上記実施形態では、第2座面部材33に切欠き部321〜324を形成することで、第2座面部材33よりも支柱部31側の樹脂材料と、第2座面部材33よりもガラス板1側の樹脂材料との連結面積を広くしているが、その方法は特には限定されない。例えば、第2座面部材33に貫通孔を形成し、これによって樹脂材料の連結を行うこともできる。さらに、本発明においては、座面部材を一つだけにした座面部とし、これを支持部4内に配置することもできる。
本発明においては、座面部のうち、支持部4内に配置されている部分において、引き抜き抵抗を受ける主たる部分の最小の外径が支柱部31の最大外径よりも大きければよい。「最小の外径」とは、例えば、引き抜き抵抗を受ける主たる部分が第2座面部材23のような楕円状である場合には、短径を意味する。また、上記実施形態では、座面部を2つの座面部材32,33で構成しているが、第1座面部材32は支持部4の上面から露出しているため、固定具3が引き抜かれる際には、主として第2座面部材33の上面が引き抜き抵抗を受ける。したがって、上記実施形態では、第2座面部材33の最小外径(短径)を,支柱部31の最大外径よりも大きくしている。これに対して、例えば、両座面部材32,33が支持部4内に埋め込まれている場合には、第1座面部材32が主として引き抜き抵抗を受けるため、第1座面部材32の最小外径(短径)が、支柱部31の最大外径よりも大きければよい。但し、例えば、第2座面部材33が第1座面部材32よりも大きければ、第2座面部材32が主として引き抜き抵抗を受けるため、第2座面部材33の最小外径(短径)が、支柱部31の最大外径よりも大きければよい。また、座面部材を1つにして、本発明に係る座面部を構成する場合には、その座面部の上面が主として引き抜き抵抗を受けるため、その最小の外径が、支柱部4の最大外径よりも大きければよい。
上記実施形態では、ガラス板モジュール10を自動車の窓枠5に取り付けた例を示したが、開閉しないタイプのガラス板として、自動車のウインドシールド、リアガラス、サイドボディに固定して設置されるガラス板のいずれにも適用することができる。また、本発明に係るガラス板モジュールは、自動車以外の建築物などの構造物に対しても適用することができる。
2 :枠部材
3 :固定具
4 :支持部
5 :窓枠
10 :ガラス板モジュール
31 :支柱部
32 :第1座面部材
33 :第2座面部材
34 :第1連結部
35 :第2連結部
36 :第3連結部
331 :第1切欠き部
332 :第2切欠き部
333 :第3切欠き部
334 :第4切欠き部
Claims (12)
- 構造物の窓枠に固定されるガラス板モジュールであって、
ガラス板と、
前記ガラス板の周縁全体に亘って取り付けられる樹脂製の枠部材と、
前記ガラス板に取り付けられ、当該ガラス板を前記窓枠に固定するための固定具と、
前記固定具を前記ガラス板または前記枠部材に固定するための樹脂製の支持部と、
を備え、
前記固定具は、
前記窓枠に形成された孔に係合し、前記ガラス板の表面から垂直方向に突出する支柱部と、
前記支柱部の基端部に設けられ、前記支柱部と垂直な方向に延びるとともに、少なくとも一部が前記支持部内に配置される座面部と、
を備え、
前記座面部のうち、前記支持部内に配置されている部分において、引き抜き抵抗を主として受ける部分の最小の外径が、前記支柱部の最大の外径よりも大きい、ガラス板モジュール。 - 前記座面部は、
前記支柱部の基端部側に設けられ、板状に形成された第1座面部材と、
前記第1座面部材と対向配置され、板状に形成された第2座面部材と、
前記第1座面部材及び第2座面部材との間に隙間を形成するように、当該の両座面部材を連結する少なくとも1つの連結部と、
を備えている、請求項1に記載のガラス板モジュール。 - 前記第2座面部材の最小の外径が、前記支柱部の最大の外径よりも大きく、
前記第1座面部材が、前記第2座面部材よりも大きい、請求項2に記載のガラス板モジュール。 - 前記第2座面部材の最大の外径は、前記支柱部の最大の外径の2倍以下である、請求項3に記載のガラス板モジュール。
- 前記第2座面部材には、少なくとも1つの欠損部が形成されている、請求項2から4のいずれかに記載のガラス板モジュール。
- 前記欠損部は、前記第2座面部材の外周縁に形成される切欠き部によって形成されている、請求項5に記載のガラス板モジュール。
- 前記切欠き部が複数形成されており、
前記複数の切欠き部のうち、対向配置されている一対の切欠き部の内縁間の距離が、当該一対の切欠き部の外縁間の距離の30〜70%である、請求項6に記載のガラス板モジュール。 - 前記連結部の断面積の合計が、前記第2座面の面積の5〜30%である、請求項2から7のいずれかに記載のガラス板モジュール。
- 前記第2座面部材は、直径が7mm以上の円形の領域を収容可能な大きさに形成されている、請求項2から8のいずれかに記載のガラス板モジュール。
- 前記支持部は、前記枠部材内に一体的に形成されている、請求項1から8のいずれかに記載のガラス板モジュール。
- 前記支持部は、熱可塑性エラストマーで形成されている、請求項1から8のいずれかに記載のガラス板モジュール。
- 自動車のサイドボディに固定して設置されるウインドウガラスとして用いられる、請求項1から9のいずれかに記載のガラス板モジュール。
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