JP2017003827A - 顕微鏡装置、制御方法および制御プログラム - Google Patents

顕微鏡装置、制御方法および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の合焦位置が存在する場合であっても所望の合焦位置を正確に検出することができる顕微鏡装置、制御方法および制御プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる顕微鏡装置は、二つの界面を有する試料を保持し、光路に沿って移動可能なステージと、対物レンズの特性情報、ならびに第1および第2移動限界位置を記憶する記憶部と、試料から反射された光をもとに、試料の合焦位置を検出する合焦位置検出部と、第1移動限界位置側からステージを移動させた場合に、第1の合焦位置に基づき、該第1の合焦位置と対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更部と、変更後の移動限界位置のうち、一方の移動限界位置からステージを光路に沿って移動させつつ、合焦位置検出部に他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御部とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡装置、制御方法および制御プログラムに関するものである。
従来、医学や生物学等の分野では、細胞等の観察に、標本を照明して観察する顕微鏡が用いられている。また、工業分野においても、金属組織等の品質管理や、新素材の研究開発、電子デバイスや磁気ヘッドの検査等、種々の用途で顕微鏡が利用されている。
近年、顕微鏡のオートフォーカス(AF)処理として、赤外光を標本を含む試料に照射し、屈折率差を有する界面から反射される反射光を検出して、検出した反射光の強度をもとに合焦しているか否かを判断する技術が知られている。AF処理では、電気制御によって上下方向(Z方向)に移動するステージなどの焦準部の位置(以下、Z位置という)を変えながら赤外光の照射を行う。
水浸対物レンズやシリコーン浸対物レンズのような対物レンズとディッシュとの間に液体を介在させて、ディッシュやボトムに収容された培養液中の標本を観察する際、例えば液体とディッシュとの界面、およびディッシュと培養液との界面のような屈折率差がほぼ同じ界面が存在する場合、所望の界面とは異なる界面において合焦していると判断されてしまうことがある。
この問題に対して、合焦位置が複数存在する場合に、ディッシュ等の厚さ情報に基づいて対物レンズをZ方向に移動させて、所望の合焦位置を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−3543号公報
しかしながら、ディッシュやボトムなどの厚さは、同種の容器であっても個体差により異なる場合がある。特許文献1が開示する技術では、使用する容器の実際の厚さと、厚さ情報とが異なる場合、例えばディッシュの底部における外表面および内表面などの二つの合焦位置の検出精度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、二つの合焦位置が存在する場合であっても所望の合焦位置を正確に検出することができる顕微鏡装置、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる顕微鏡装置は、倒立型の顕微鏡装置であって、対物レンズを光路上に配置可能なレボルバ本体と、二つの界面を有する観察対象物を保持するとともに、前記光路に沿って移動可能なステージと、前記対物レンズの特性情報、ならびに前記光路に対する前記ステージの移動限界位置であって、前記対物レンズに近づく側の移動限界位置である第1移動限界位置、および前記対物レンズから遠ざかる側の移動限界位置である第2移動限界位置を記憶する記憶部と、前記観察対象物から反射された赤外光をもとに、前記観察対象物の合焦位置を検出する合焦位置検出部と、前記第1移動限界位置側から前記ステージを移動させた場合に、前記合焦位置検出部により検出された一方の界面に相当する第1の合焦位置に基づき、該第1の合焦位置と前記対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも前記第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更部と、前記移動限界位置変更部による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、一方の移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させつつ、前記合焦位置検出部に他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、観察対象物は、標本および該標本を保持する保持部材を含み、前記記憶部は、前記対物レンズの特性情報として、対物レンズの作動距離を記憶するとともに、使用し得る複数の前記容器の各底面の厚さをさらに記憶し、前記移動限界位置変更部は、前記第1の合焦位置、および使用中の前記容器の底面の厚さに基づいて前記第1移動限界位置を変更するとともに、前記第1の合焦位置および前記作動距離に基づいて前記第2移動限界位置を変更し、前記移動制御部は、前記移動限界位置変更部による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、前記第1移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させることを特徴とする。
また、本発明にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、観察対象物は、標本および該標本を保持する保持部材を含み、前記記憶部は、前記対物レンズの特性情報として、対物レンズの作動距離を記憶し、前記移動限界位置変更部は、前記第1の合焦位置および前記作動距離に基づいて前記第2移動限界位置を変更し、前記移動制御部は、前記移動限界位置変更部による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、前記第2移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させることを特徴とする。
また、本発明にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記保持部材は、少なくとも底部が光を透過可能である収容容器であり、前記合焦位置検出部は、前記収容容器の前記底部の外表面を前記第1の合焦位置として検出し、前記底部の内表面を前記第2の合焦位置として検出することを特徴とする。
また、本発明にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記移動制御部は、前記合焦位置検出部により前記第2の合焦位置が検出された後、前記第2の合焦位置を合焦位置として追従させる追従モードに移行することを特徴とする。
また、本発明にかかる顕微鏡装置の制御方法は、対物レンズを光路上に配置可能なレボルバ本体と、二つの界面を有する観察対象物を保持するとともに、前記光路に沿って移動可能なステージと、を備えた倒立型の顕微鏡装置の制御方法であって、前記対物レンズに近づく側の移動限界位置である第1移動限界位置側から前記ステージを移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに一方の界面に相当する第1の合焦位置を検出する検出ステップと、前記検出ステップの検出結果に基づき、前記第1の合焦位置と対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも前記対物レンズから遠ざかる側の移動限界位置である第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更ステップと、前記移動限界位置変更ステップによる変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、一方の移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる制御プログラムは、対物レンズを光路上に配置可能なレボルバ本体と、二つの界面を有する観察対象物を保持するとともに、前記光路に沿って移動可能なステージと、を備えた倒立型の顕微鏡装置の制御プログラムであって、前記対物レンズに近づく側の移動限界位置である第1移動限界位置側から前記ステージを移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに一方の界面に相当する第1の合焦位置を検出する検出手順と、前記検出手順の検出結果に基づき、前記第1の合焦位置と対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも前記対物レンズから遠ざかる側の移動限界位置である第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更手順と、前記移動限界位置変更手順による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、一方の移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御手順と、を前記顕微鏡装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、二つの合焦位置が存在する場合であっても所望の合焦位置を正確に検出することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の全体の概略構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の要部の構成を示す模式図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の要部の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置のコントロール部が記憶する情報を説明する図である。 図5Aは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図5Bは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図5Cは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図6Aは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図6Bは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図6Cは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図7Aは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図7Bは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図7Cは、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDへの結像の様子を説明するための図である。 図8は、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDの検出信号の強度を示すグラフである。 図9は、本発明の実施の形態1にかかる2分割PDの検出信号から算出したEF値を示すグラフである。 図10は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明するフローチャートである。 図11は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明する模式図である。 図12は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明する模式図である。 図13は、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明するフローチャートである。 図14は、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明する模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面とともに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の全体の概略構成を示す模式図である。図1に示す顕微鏡装置100は、倒立型であって、ステージ1およびレボルバ本体2を有する顕微鏡本体部101と、結像レンズおよびミラー等を介して入射された観察像を拡大する接眼レンズ102と、を備える。接眼レンズ102は、一または複数のレンズを用いて構成される。本実施の形態1では、観察対象である標本Sが、培養液とともにディッシュ103に収容されているものとして説明する。
ステージ1は、ディッシュ103を保持し、光路上に配置されている対物レンズの光軸方向に移動可能である。レボルバ本体2は、対物レンズ3a〜3cを保持するとともに、自身の回転動作によりいずれかの対物レンズを光路上に配置する。なお、本実施の形態1では、対物レンズ3aが中NAの対物レンズ、対物レンズ3bが高NAの対物レンズ、対物レンズ3cが低NAの対物レンズであるものとして説明する。
続いて、顕微鏡装置100の内部に設けられ、焦点を標本Sに自動で合焦させるオートフォーカス(AF)機構について、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置の要部の構成を示す模式図である。本実施の形態1にかかるオートフォーカス機構は、顕微鏡装置100は、基準光源4、コリメートレンズ5、投光側ストッパー6、偏光ビームスプリッター(PBS:Polarization Beam Splitter)7、集光レンズ群8、オフセットレンズ群9、λ/4板10、ダイクロックミラー11、受光側ストッパー12、集光レンズ群13、2分割フォトダイオード(PD)14、レボルバ用モーター15、焦準用モーター16、オフセットレンズ用モーター17、レボルバ用モーター駆動制御部18、焦準用モーター駆動制御部19、オフセットレンズ用モーター駆動制御部20、レボ穴位置検出部21、レーザー駆動制御部22、A/D変換器23、コントロール部24、パルスカウンタ25、JOGエンコーダ26、リミット検出部27を備える。
基準光源4は、AFに用いられる光源であって、赤外線等の可視外光波長領域の光源が使用される。基準光源4は、レーザー駆動制御部22による制御のもと、AFを行うためのAF光として赤外レーザー光を出射する。基準光源4は、光源のパルス点灯等を行ない、光源の強弱をコントロールするレーザー駆動制御部22により制御される。
コリメートレンズ5は、平行光を保つために設けられる。投光側ストッパー6は、コリメートレンズ5を通過した平行光の光束の半分をカットする。PBS7は、AF光を透過するとともに、AF光の偏光成分を反射する。集光レンズ群8は、PBS7を透過した光の光束を一旦集光するとともに、オフセットレンズ群9を透過した光を透過する。
オフセットレンズ群9は、オフセットレンズ用モーター17により焦点距離を変更するズーム機構と、光軸方向への移動を行なう機構の両方を兼ね備えた構成になっており、オフセットレンズ用モーター駆動制御部20によって駆動される。また、オフセットレンズ群9の光軸方向における所定の範囲の両端には、リミット検出部27が設けられており、オフセットレンズ群9の光軸方向の移動範囲を制限している。
λ/4板10は、直線偏光を楕円偏光や円偏光に、また逆に楕円偏光や円偏光を直線偏光に変える。ダイクロックミラー11は、赤外域の光を反射し、可視域の光を通過する。これにより、ダイクロックミラー11は、AF光を反射し、標本Sを視察するための可視光、すなわち観察光および照明光は、光路中に挿入された対物レンズを介して、接眼レンズ102に至り、観察試料Sを観察することが可能になる。受光側ストッパー12は、PBS7により反射されたAF光の偏光成分の光の光束の半分をカットする。集光レンズ群13は、PBS7により反射されたAF光の偏光成分の光を2分割PD14に集光する。
2分割PD14は、光軸を中心に二つの受光領域(第1領域RA、第2領域RB)を有するフォトダイオードにより実現される光検出器である。2分割PD14で結像されたスポットの光強度に応じた電流信号は、電流/電圧変換された後に所定の増幅率をもって増幅され、その後A/D変換器23にてデジタル値に変換されてからコントロール部24で演算処理される。
焦準用モーター16は、焦準用モーター駆動制御部19の制御のもと、観察対象となる標本S(ディッシュ103)を載置する焦準部としてのステージ1を光軸方向に移動する。
レボルバ用モーター15は、レボルバ用モーター駆動制御部18による制御のもと、レボルバ本体2を回転させて任意の対物レンズ(対物レンズ3a〜3cのいずれか)を光路中に挿入させるために電気的な駆動を行なう。
レボ穴位置検出部21は、レボルバ本体2のどの対物レンズ取付け位置が現在光路中に挿入されているかを検出する。レボ穴位置検出部21は、例えば、磁気センサや光学センサ、ボタン等を用いて構成される。
このような電動レボルバにおいて、コントロール部24からの信号を受けるレボルバ用モーター駆動制御部18の駆動制御によりレボルバ用モーター15が回転駆動され、レボルバ本体2のどの穴位置に対物レンズが装着されているかを検出するレボ穴位置検出部21で検出された情報がコントロール部24へ送られる。
また、観察者が直接操作する操作部として、レボルバ本体2を回転させて、光路上に配置する対物レンズを変更するための対物レンズ変換スイッチ(不図示)、AF動作の設定/解除を行なうAFスイッチ、並びにステージ1の上下動およびオフセットレンズ群9の移動を指示するためのJOGエンコーダ26が設けられている。JOGエンコーダ26からのエンコーダ信号は、パルスカウンタ25にてパルス数に変換されてコントロール部24に送られる。コントロール部24は、このパルスカウンタ25からのパルス数を読込むことでJOGエンコーダ26がどちらの方向にどれだけ回転されたかを判断し、JOGエンコーダ26の回転量に応じて各々の駆動部を動かすようになっている。
コントロール部24は、周知のCPU(Central Processing Unit)回路であり、CPU本体、制御プログラムを格納したROM、制御に必要なデータを随時格納する揮発性メモリであるRAM、制御信号の入出力を行なうI/Oポート、およびこれらの各部を接続するデータバス、発振器、アドレスデコーダ等の周知の周辺回路から構成され、データバスおよびI/Oポートを介して周辺装置の制御を行なう。
図3は、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置の要部の構成を示すブロック図であって、コントロール部24の内部構成を示すブロック図である。図4は、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置のコントロール部が記憶する情報を説明する図である。コントロール部24は、入出力部240、検出信号記憶部241、EF値演算部242、AF処理部243、サーチレンジ記憶部244、オフセットレンズ駆動指示部245、焦準部駆動指示部246、レボルバ駆動指示部247、レーザー駆動指示部248、ワークディスタンス(WD)記憶部249、サーチリミット変更部250(移動限界位置変更部)およびボトム厚記憶部251を備える。各記憶部は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現され、各々が個別のメモリにより構成されるものであってもよいし、一つのメモリにより構成されるものであってもよい。
入出力部240は、A/D変換器23にてデジタル値に変換された2分割PD14の検出値、パルスカウンタ25にてパルス数に変換されたJOGエンコーダ26からのエンコーダ信号、または現在光路中に挿入されているレボルバ本体2の対物レンズ取付け位置を入力したり、レボルバ用モーター駆動制御部18、焦準用モーター駆動制御部19、オフセットレンズ用モーター駆動制御部20、およびレーザー駆動制御部22を駆動するための駆動信号を各駆動部に対して出力したりする。
検出信号記憶部241は、A/D変換器23にてデジタル値に変換された2分割PD14の検出値を格納し、EF値演算部242は、検出信号記憶部41に格納された2分割PD14の検出値に基づいて、EF値を算出する。
AF処理部243は、EF値演算部242で算出したEF値を用いて、後述するAF処理を実行する。サーチレンジ記憶部244は、ステージ1のZ方向への検出範囲(サーチレンジ)の上限値(上側サーチリミット)および下限値(下側サーチリミット)を記憶する。図4に示すように、ステージ1は、上側サーチリミットSRupおよび下側サーチリミットSRdownの間のサーチレンジR20を移動可能である。
ここで、本実施の形態1では、対物レンズとディッシュ103との間には、浸液Lgが設けられている。浸液Lgとしては、水やシリコーンオイル、一般的なイマージョンオイル、グリセリンなどが挙げられる。標本Sの深部(例えば培養液300中の核などの対象物C)を観察する場合は、標本の屈折率に近い水などが好ましく用いられ、細胞の屈折率が約1.38であるため、細胞を観察する場合には、屈折率が約1.4のシリコーンオイルが好ましく用いられる。
オフセットレンズ駆動指示部245は、オフセットレンズ群9の駆動を指示し、焦準部駆動指示部246は、焦準用モーター駆動制御部19に焦準用モーター16の駆動を指示し、レボルバ駆動指示部247は、電動レボルバの駆動を指示し、レーザー駆動指示部248は、レーザー駆動制御部22に基準光源4の駆動を指示する。
WD記憶部249は、対物レンズ3a〜3cについて、焦点を合わせたときの、対物レンズ先端から標本面までの距離である作動距離を記憶する。なお、本実施の形態1では、作動距離がディッシュ103のボトム厚よりも大きいものとして説明する。
サーチリミット変更部250は、AF処理部243による検出結果に基づいて、ステージ1のZ方向へのサーチレンジの上限値(上側サーチリミット)および下限値(下側サーチリミット)の少なくとも一方を変更し、サーチレンジの再設定を行う。設定変更については、後述する。
ボトム厚記憶部251は、使用し得るディッシュ103のボトム厚を記憶する。ディッシュ103は、同種のディッシュであっても個体差があり、ボトム厚が若干異なる。このため、ボトム厚記憶部251は、使用し得る複数のディッシュ103の各ボトム厚を記憶する。
図2に戻り、オートフォーカス機構において、基準光源4から発せられたAF光としての赤外レーザー光は、コリメートレンズ5を通り、投光側ストッパー6を介して標本S側に導かれる。すなわち、集光レンズ群8により一旦集光された光束は、オフセットレンズ群9を通り、λ/4板10を通過し、ダイクロックミラー11により反射される。
ダイクロックミラー11により反射されたAF光は、対物レンズにより標本S(またはディッシュ103)にスポット状の像を形成する。そして、標本Sにより反射されたAF光は、対物レンズ、ダイクロックミラー11を介し、λ/4板10を通過する。その後、オフセットレンズ群9、集光レンズ群8を通過し、PBS7へ入射する。PBS7で反射されたAF光の偏光成分は、受光側ストッパー12、集光レンズ群13を通過した後に2分割PD14に結像される。
フォトダイオードの領域は、反射光の光軸を中心にして2つの領域(第1領域RA、第2領域RB)に分けられ、2分割PD14が、分割された二つの領域に対応するセンサがそれぞれの領域の光強度を検出信号QA,QBとして検出する。そして、EF値演算部242が、これらの差(QA−QB)をこれらの和(QA+QB)で除算した値((QA−QB)/(QA+QB))をEF値として算出し、AF処理部243が、そのEF値を用いて合焦判定を行なう。すなわち、対物レンズと標本Sとの距離を相対的に変化させ、EF値が0となる箇所を合焦位置と判定している。
次に、顕微鏡装置100によって実行されるAF処理について説明する。AF動作の設定/解除を行なうAFスイッチが押下されると、コントロール部24は、AF用の赤外光のスポットを標本Sに照射させるためにレーザー駆動制御部22に信号を与え、基準光源4の発振を開始する。
基準光源4からの光束により観察試料Sにスポットが照射され、その反射光が2分割PD14に投影される。そして、この投影されたスポットの位置によりAF制御が行なわれる。
図5A〜5C、図6A〜6C、図7A〜7Cは、2分割PD14への結像の様子を説明するための図であり、図5A〜5Cが中NAの対物レンズ3aを用いた場合、図6A〜6Cが高NAの対物レンズ3bを用いた場合、図7A〜7Cが低NAの対物レンズ3cを用いた場合である。
まず、焦点深度が中間のNA(中NA)の対物レンズ3aの場合であって、ディッシュ103の底面の位置が合焦位置より下の場合、すなわちディッシュ103の底面が対物レンズ3aから遠い位置の場合を考える。この場合、AF光は、ディッシュ103の底面から早く反射されるので、図5Aに示すように、2分割PD14に結像されるスポット像201aは、中心位置から第1領域RA側に結像される。他方、ディッシュ103の底面が合焦位置より上にある場合、すなわちディッシュ103の底面が対物レンズ3aから近い位置の場合には、図5Bに示すように、2分割PD14に結像されるスポット像202aは、第2領域RB側に結像される。
これに対し、ディッシュ103の底面が正確に合焦位置にある場合のスポット像203aは、図5Cに示すように、第1領域RAおよび第2領域RBが共に均等な範囲でほぼ光軸の中心に結像する。さらに、この場合は焦点位置にあるために中心の光強度は最も高くなっている。
焦点深度が小さい高NAの対物レンズ3bの場合は、図6A,6Bに示すように、合焦位置より下、上のスポットの形状201b,202bは、中NAの対物レンズのスポット像201a,202aに比べて大きくなる。焦点深度が大きい低NAの対物レンズ3cの場合は、図7A,7Bに示したように、合焦位置より下、上のスポットの形状201c,202cは、中NAの対物レンズのスポット像201a,202aに比べて小さくなる。また、図6C,7Cに示すように、ディッシュ103の底面が正確に合焦位置にある場合のスポット像203b,203cは、第1領域RAおよび第2領域RBが共に均等な範囲でほぼ光軸の中心に結像する。
このように、2分割PD14のフォトダイオードに形成されるスポットは、中NA、高NA、低NAの対物レンズによって異なる。上述したように2分割PD14は、フォトダイオードの領域を反射光の光軸を中心にして2つの領域(第1領域RA、第2領域RB)に分け、2個のセンサとしてそれぞれの領域の光強度を検出信号として検出する。コントロール部24は、EF値を算出して合焦判定を行なう。
具体的には、対物レンズと標本Sとの距離を相対的に変化させ、EF値が0となるようにステージ1を移動することによりAF動作を行なう。すなわち、第1領域RAからの出力(検出信号QA)が大きい場合はステージ1を上に駆動し、第2領域RBからの出力(検出信号QB)が大きい場合は下に移動する。これにより、標本Sに正確に合焦できることになる。
このような移動量は、対物レンズの特性、基準光源4の使用波長により異なることから、予め対物レンズ3a〜3cごとの移動値をROMあるいはその他の記憶媒体、例えば不揮発性メモリであるEEPROM等に格納しておく。
コントロール部24が上述のようにして合焦したと判断しても、AF光により検出できるのは、屈折率差のあるディッシュと水との界面、またはディッシュと空気との界面であり、観察対象となる細胞等は、この界面よりも上方に位置する。これを補正するのがオフセットレンズ群9である。
コントロール部24は、オフセットレンズ用モーター駆動制御部20に駆動指示を与え、オフセットレンズ用モーター17を駆動してオフセットレンズ群9の光軸方向に対する移動量を調整し、2分割PD14の結像位置の補正を行なう。
図8は、2分割PD14の検出信号の強度を示すグラフであり、QAmが中NAの対物レンズを用いて検出した場合の検出信号QAの出力値(信号強度)にかかる曲線、QBmが中NAの対物レンズを用いて検出した場合の検出信号QBの出力値(信号強度)にかかる曲線、QAhが高NAの対物レンズを用いて検出した場合の検出信号QAの出力値(信号強度)にかかる曲線、QBhが高NAの対物レンズを用いて検出した場合の検出信号QBの出力値(信号強度)にかかる曲線、QAlが低NAの対物レンズを用いて検出した場合の検出信号QAの出力値(信号強度)にかかる曲線、QBlが低NAの対物レンズを用いて検出した場合の検出信号QBの出力値(信号強度)にかかる曲線を示す。図8に示すグラフでは、縦軸が出力値であり、横軸が光軸に対するステージ1(焦準部)位置である。図9は、2分割PD14の検出信号QA,QBから算出したEF値((QA−QB)/(QA+QB))を示すグラフであって、EFMが中NAの対物レンズのEF値にかかる曲線、EFHが高NAの対物レンズのEF値にかかる曲線、EFLが低NAの対物レンズのEF値にかかる曲線を示す図である。
AF処理部243は、検出信号QA,QBの和(QA+QB)、およびEF値((QA−QB)/(QA+QB))を用いて以下のように合焦位置の判定を行う。まず、対物レンズ3a〜3cごとに設定されているノイズ判定閾値(NTH)を不揮発性メモリ(不図示)から読み出し、(QA+QB)の値と比較する。その結果、(QA+QB)の値が所定のノイズ判定閾値NTHより小さければ、すなわち、(QA+QB)<NTHであれば、コントロール部24は、ディッシュ103の底面を補足していないと判定し、(QA+QB)の値がノイズ判定閾値NTH以上になるように、すなわち(QA+QB)≧NTHが成立するように、ステージ1を駆動する。
ディッシュ103の底面を補足する範囲は、図8に示す通り、低NAの対物レンズの場合が範囲R11であり、同様に中NAの対物レンズが範囲R12、高NAの対物レンズが範囲R13であり、高NAの対物レンズが最も狭く、対物レンズの倍率が小さくなるほどこの範囲は広くなる。
そして、(QA+QB)≧NTHが成立すると、コントロール部24は、EF値が所定の合焦範囲内に入るように、ステージ1を駆動する。すなわち、下式(1)が成立するように、コントロール部24はステージ1を移動させ、成立したところでステージ1の動作を止める。
−FTH<(QA−QB)/(QA+QB)<+FTH ・・・(1)
ここで、FTHは合焦判定閾値であり、ステージ1の位置が各対物レンズの焦点深度の範囲内に必ず移動されるように決められており、対物レンズごとに設定されている値である。
続いて、顕微鏡装置100によって実行されるAF処理の流れを、図10を参照して説明する。図10は、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明するフローチャートである。図11,12は、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明する模式図である。以下のフローチャートでは、コントロール部24の制御のもとで各部が動作するものとして説明する。AF動作の設定/解除を行なうAFスイッチが押下されると、コントロール部24は、AF光を標本(ディッシュ103)に照射させるためにレーザー駆動制御部22に信号を与え、基準光源4の発振を開始する。
コントロール部24は、合焦サーチレンジを最大に設定する(ステップS101)。具体的には、コントロール部24は、検出範囲記憶部244を参照して、合焦サーチレンジを、図4に示すような、上側サーチリミットSRupおよび下側サーチリミットSRdownの間であるサーチレンジR20に設定する。
合焦サーチレンジを設定後、コントロール部24は、焦準部駆動指示部246にステージ1(焦準部)を下側サーチリミットSRdownまで移動させるよう指示する(ステップS102)。焦準部駆動指示部246は、焦準用モーター駆動制御部19の制御のもと、ステージ1を下側サーチリミットSRdownまで移動させる。
その後、焦準部駆動指示部246の制御によりステージ1をディッシュ103に近づく方向(図12の矢印Y1)に移動させて合焦サーチを行いながら(ステップS103)、AF処理部243が移動した位置においてAF光LAFにより取得した検出信号をもとに合焦判定を行う(ステップS104:検出ステップ)。ここで、AF処理部243が合焦していないと判定した場合は(ステップS104:No)、コントロール部24は、ステップS103に移行して、ステージ1を移動させて合焦判定を繰り返す。一方、AF処理部243が合焦していると判定し、該判定した位置を合焦位置として検出した場合(ステップS104:Yes)、コントロール部24は、ステップS105に移行する。この際の合焦位置は、ディッシュ103の下側界面Bdown(ディッシュ103の外表面)である(図11(a)参照)。
ステップS105では、サーチリミット変更部250は、上側界面に合焦するような上側界面用の合焦サーチレンジの設定を行う(移動限界位置変更ステップ)。具体的には、下側から上側に向かう方向を正としたときに、下側界面Bdownに光路上に配置している対物レンズのWDを加算した位置(Bdown+WD)を上側サーチリミットSRup’として再設定するとともに、下側界面Bdownに、ボトム厚記憶部251を参照して使用中のディッシュ103のボトム厚を読み出すことにより、個体差を加味したディッシュ103のボトム厚(No1Sガラス:0.15〜0.19mm)をボトムの屈折率で除した値の1/2(例えば50μm)を加算した位置(Bdown+50)を下側サーチリミットSRdown’として再設定する(図12参照)。サーチリミット変更部250は、合焦サーチレンジを、図12に示すような、上側サーチリミットSRup’および下側サーチリミットSRdown’の間であるサーチレンジR21に設定する。
合焦サーチレンジを再設定後、コントロール部24は、焦準部駆動指示部246に焦準部(ステージ1)を下側サーチリミットSRdown’まで移動させるよう指示する(ステップS106)。焦準部駆動指示部246は、焦準用モーター駆動制御部19の制御のもと、ステージ1を下側サーチリミットSRdown’まで移動させる(図12の矢印Y2)。
その後、焦準部駆動指示部246の制御によって、ステージ1を下側サーチリミットSRdown’からディッシュ103に近づく方向(図12の矢印Y3)に移動させて合焦サーチを行いながら(ステップS107)、AF処理部243が移動した位置において取得した検出信号をもとに合焦判定を行う(ステップS108)。ここで、AF処理部243が合焦していないと判定した場合(ステップS108:No)、コントロール部24は、ステップS107に移行して、ステージ1を移動させて合焦判定を繰り返す。一方、AF処理部243が合焦していると判定し、該判定した位置を合焦位置として検出した場合(ステップS108:Yes)、コントロール部24は、ステップS109に移行する。この際の合焦位置は、ディッシュ103の上側界面Bup(ディッシュ103の内表面)である(図11(b)参照)。
ステップS109では、観察用の照明光LSによりAF処理を行ない、ステージ1が移動した際に上側界面Bupを合焦位置として追従する合焦追従モードに移行する(図11(c)参照)。その後は、本AF処理の終了指示の入力があるか否かを判断する(ステップS110)。ここで、AF処理の終了指示の入力がなければ(ステップS110:No)、ステップS109に移行して合焦追従モードを継続する。これに対して、本AF処理の終了指示の入力があれば(ステップS110:Yes)、本AF処理を終了する。上述した処理により、標本(例えば対象物C)に焦点の合った観察を行なうことが可能となる。
上述した本実施の形態1によれば、ディッシュ103の下側界面Bdownを検出後、該下側界面Bdownに基づいて上側サーチリミットSRup’および下側サーチリミットSRdown’を再設定し、下側界面Bdownを含まないサーチレンジR21でディッシュ103の上側界面Bupを検出するようにしたので、複数の合焦位置(界面)が存在する場合であって、ディッシュ103の実際の厚さなどが不明な場合であっても所望の合焦位置を正確に検出することができる。さらに、ディッシュ103の上側界面Bupを検出後に、該上側界面Bupに合焦した状態を維持する追従モードに移行するようにしたので、オフセットレンズ群9による細胞の深部観察を迅速に行うことができる。
また、本実施の形態1にかかるAF処理をボタン入力により実行するようにすることで、術者による一回のボタンの入力操作のみで、ディッシュ103の上側界面Bupを簡易に検出することができる。このため、術者の操作にかかる負担を軽減することができる。
なお、上述した実施の形態1では、浸液Lgに関わらずにAF処理を行なうものとして説明したが、浸液Lgの種別に応じてAF処理を行なうか否かを判断するようにしてもよい。この場合、例えば、浸液Lgが水またはシリコーンオイルであれば一連のAF処理を行ない、浸液Lgが低自家蛍光オイルであればS105からS108のAF処理を行なわないようにしてもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、下側界面Bdownを検出後、該下側界面Bdownに基づいて上側サーチリミットSRup’および下側サーチリミットSRdown’を再設定するものとして説明したが、本実施の形態2では、下側界面Bdownを検出後、該下側界面Bdownに基づいて上側サーチリミットSRup’のみを再設定する。
図13は、本実施の形態2にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明するフローチャートである。図14は、本実施の形態2にかかる顕微鏡装置が行うAF処理を説明する模式図である。以下のフローチャートでは、コントロール部24の制御のもとで各部が動作するものとして説明する。上述した実施の形態1と同様、AF動作の設定/解除を行なうAFスイッチが押下されると、コントロール部24は、AF光を標本(ディッシュ103)に照射させるためにレーザー駆動制御部22に信号を与え、基準光源4の発振を開始する。
コントロール部24は、合焦サーチレンジを最大に設定する(ステップS201)。具体的には、サーチリミット変更部250は、サーチレンジ記憶部244を参照して、合焦サーチレンジを、図14に示すような、上側サーチリミットSRupおよび下側サーチリミットSRdownの間であるサーチレンジR20に設定する。
合焦サーチレンジを設定後、コントロール部24は、焦準部駆動指示部246に焦準部(ステージ1)を下側サーチリミットSRdownまで移動させるよう指示する(ステップS202)。焦準部駆動指示部246は、焦準用モーター駆動制御部19の制御のもと、ステージ1を下側サーチリミットSRdownまで移動させる。
その後、焦準部駆動指示部246の制御によりステージ1をディッシュ103に近づく方向(図14の矢印Y1)に移動させながら(ステップS203)、AF処理部243が移動した位置において取得した検出信号をもとに合焦判定を行う(ステップS204)。ここで、AF処理部243により合焦していないと判定された場合は(ステップ204:No)、ステップS203に移行して、ステージ1を移動させて合焦判定を繰り返す。一方、AF処理部243により合焦していると判定された場合は(ステップS204:Yes)、ステップS205に移行する。この際の合焦位置は、ディッシュ103の下側界面Bdownである。
ステップS205では、サーチリミット変更部250は、上側界面に合焦するような上側界面用の合焦サーチレンジの設定を行う。具体的には、下側から上側に向かう方向を正としたときに、下側界面Bdownに光路上に配置している対物レンズのWDを加算した位置(Bdown+WD)を上限である上側サーチリミットSRup’’として再設定する(図14参照)。本実施の形態2では、下限である下側サーチリミットSRdownの再設定は行わない。サーチリミット変更部250は、合焦サーチ範囲を、図14に示すような、上側サーチリミットSRup’ ’および下側サーチリミットSRdownの間であるサーチレンジR22に設定する。
合焦サーチレンジを再設定後、コントロール部24は、焦準部駆動指示部246に焦準部(ステージ1)を上側サーチリミットSRup’’まで移動させるよう指示する(ステップS206)。焦準部駆動指示部246は、焦準用モーター駆動制御部19の制御のもと、ステージ1を上側サーチリミットSRup’’まで移動させる(図14の矢印Y2’)。
その後、焦準部駆動指示部246の制御によって、ステージ1を上側サーチリミットSRup’’から下方(図14の矢印Y3’)に移動させながら(ステップS207)、AF処理部243が移動した位置において取得した検出信号をもとに合焦判定を行う(ステップS208)。ここで、AF処理部243により合焦していないと判定された場合は(ステップS208:No)、ステップS207に移行して、ステージ1を移動させて合焦判定を繰り返す。一方、AF処理部243により合焦していると判定された場合は(ステップS208:Yes)、ステップS209に移行する。この際の合焦位置は、ディッシュ103の上側界面Bupである。
ステップS209では、観察用の照明光LSによりAF処理を行ない、標本、例えば、対象物Cに追従する合焦追従モードに移行する(例えば図11(c)を参照)。その後は、本AF処理の終了指示の入力があるか否かを判断する(ステップS210)。ここで、AF処理の終了指示の入力がなければ(ステップS210:No)、ステップS209に移行して合焦追従モードを継続する。これに対して、本AF処理の終了指示の入力があれば(ステップS210:Yes)、本AF処理を終了する。上述した処理により、標本(対象物C)に焦点の合った観察を行なうことが可能となる。
上述した本実施の形態2によれば、ディッシュ103の下側界面Bdownを検出後、該下側界面Bdownに基づいて上側サーチリミットSRup’’を再設定し、下側界面Bdownを含まない検出範囲R22で上側サーチリミットSRup’’側から上側界面Bupを検出するようにしたので、複数の合焦位置(界面)が存在する場合であって、ディッシュ103の実際の厚さなどが不明な場合であっても所望の合焦位置を正確に検出することができる。さらに、ディッシュ103の上側界面Bupを検出後に、該上側界面Bupに合焦した状態を維持する追従モードに移行するようにしたので、オフセットレンズ群9による細胞の深部観察を迅速に行うことができる。
なお、上述した実施の形態1,2では、ステージを焦準部として説明したが、対物レンズを光軸に沿って移動可能な焦準部としてもよい。また、対象物Cを保持する保持部材は、上述したディッシュ103に限らず、対象物Cを載置して保持するスライドガラスなど、光を透過可能な底部が厚みを有する保持部材であれば適用可能である。
上述した実施の形態1,2は、本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明は、各実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成できる。本発明は、仕様等に応じて種々変形することが可能であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは、上記記載から自明である。
1 ステージ
2 レボルバ本体
3a〜3c 対物レンズ
4 基準光源
5 コリメートレンズ
6 投光側ストッパー
7 偏光ビームスプリッター(PBS)
8,13 集光レンズ群
9 オフセットレンズ群
10 λ/4板
11 ダイクロックミラー
12 受光側ストッパー
14 2分割フォトダイオード(PD)
15 レボルバ用モーター
16 焦準用モーター
17 オフセットレンズ用モーター
18 レボルバ用モーター駆動制御部
19 焦準用モーター駆動制御部
20 オフセットレンズ用モーター駆動制御部
21 レボ穴位置検出部
22 レーザー駆動制御部
23 A/D変換器
24 コントロール部
25 パルスカウンタ
26 JOGエンコーダ
27 リミット検出部
100 顕微鏡装置
101 顕微鏡本体部
102 接眼レンズ
103 ディッシュ
240 入出力部
241 検出信号記憶部
242 EF値演算部
243 AF処理部
244 サーチレンジ記憶部
245 オフセットレンズ駆動指示部
246 焦準部駆動指示部
247 レボルバ駆動指示部
248 レーザー駆動指示部
249 ワークディスタンス(WD)記憶部
250 サーチリミット変更部
251 ボトム厚記憶部

Claims (7)

  1. 倒立型の顕微鏡装置であって、
    対物レンズを光路上に配置可能なレボルバ本体と、
    二つの界面を有する観察対象物を保持するとともに、前記光路に沿って移動可能なステージと、
    前記対物レンズの特性情報、ならびに前記光路に対する前記ステージの移動限界位置であって、前記対物レンズに近づく側の移動限界位置である第1移動限界位置、および前記対物レンズから遠ざかる側の移動限界位置である第2移動限界位置を記憶する記憶部と、
    前記観察対象物から反射された赤外光をもとに、前記観察対象物の合焦位置を検出する合焦位置検出部と、
    前記第1移動限界位置側から前記ステージを移動させた場合に、前記合焦位置検出部により検出された一方の界面に相当する第1の合焦位置に基づき、該第1の合焦位置と前記対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも前記第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更部と、
    前記移動限界位置変更部による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、一方の移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させつつ、前記合焦位置検出部に他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御部と、
    を備えたことを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 観察対象物は、標本および該標本を保持する保持部材を含み、
    前記記憶部は、前記対物レンズの特性情報として、対物レンズの作動距離を記憶するとともに、使用し得る複数の前記容器の各底面の厚さをさらに記憶し、
    前記移動限界位置変更部は、前記第1の合焦位置、および使用中の前記容器の底面の厚さに基づいて前記第1移動限界位置を変更するとともに、前記第1の合焦位置および前記作動距離に基づいて前記第2移動限界位置を変更し、
    前記移動制御部は、前記移動限界位置変更部による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、前記第1移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 観察対象物は、標本および該標本を保持する保持部材を含み、
    前記記憶部は、前記対物レンズの特性情報として、対物レンズの作動距離を記憶し、
    前記移動限界位置変更部は、前記第1の合焦位置および前記作動距離に基づいて前記第2移動限界位置を変更し、
    前記移動制御部は、前記移動限界位置変更部による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、前記第2移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記保持部材は、少なくとも底部が光を透過可能である収容容器であり、
    前記合焦位置検出部は、前記収容容器の前記底部の外表面を前記第1の合焦位置として検出し、前記底部の内表面を前記第2の合焦位置として検出することを特徴とする請求項2または3に記載の顕微鏡装置。
  5. 前記移動制御部は、前記合焦位置検出部により前記第2の合焦位置が検出された後、前記第2の合焦位置を合焦位置として追従させる追従モードに移行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  6. 対物レンズを光路上に配置可能なレボルバ本体と、二つの界面を有する観察対象物を保持するとともに、前記光路に沿って移動可能なステージと、を備えた倒立型の顕微鏡装置の制御方法であって、
    前記対物レンズに近づく側の移動限界位置である第1移動限界位置側から前記ステージを移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに一方の界面に相当する第1の合焦位置を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップの検出結果に基づき、前記第1の合焦位置と対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも前記対物レンズから遠ざかる側の移動限界位置である第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更ステップと、
    前記移動限界位置変更ステップによる変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、一方の移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御ステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  7. 対物レンズを光路上に配置可能なレボルバ本体と、二つの界面を有する観察対象物を保持するとともに、前記光路に沿って移動可能なステージと、を備えた倒立型の顕微鏡装置の制御プログラムであって、
    前記対物レンズに近づく側の移動限界位置である第1移動限界位置側から前記ステージを移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに一方の界面に相当する第1の合焦位置を検出する検出手順と、
    前記検出手順の検出結果に基づき、前記第1の合焦位置と対物レンズの特性情報とに応じて少なくとも前記対物レンズから遠ざかる側の移動限界位置である第2移動限界位置を変更する移動限界位置変更手順と、
    前記移動限界位置変更手順による変更後の前記第1および第2移動限界位置のうち、一方の移動限界位置から前記ステージを前記光路に沿って移動させながら、前記観察対象物から反射された光をもとに他方の界面に相当する第2の合焦位置を検出させる制御を行う移動制御手順と、
    を前記顕微鏡装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
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