JP2017000906A - ガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材 - Google Patents

ガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材 Download PDF

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Abstract

【課題】高温での活性化が不要にも拘らず安全であり、減圧環境下でもターゲットガスに対する吸着性能に優れたガス吸着材を実現できるようにする。
【解決手段】ガス吸着材は、平均1次粒子径が1μm以下で且つ比表面積が10m2/g未満の酸化カルシウムと、酸化カルシウム中に分散した一酸化パラジウムとを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材に関するものであり、特に、減圧環境でターゲットガスを吸着可能なガス吸着材と、このガス吸着材をガスバリア性の樹脂フィルム中に収容した真空断熱材に関するものである。
最近では、省エネルギーを推進する動きが活発化し、家電製品や設備機器で優れた断熱効果を有する真空断熱材が求められている。真空断熱材として、グラスウールやシリカ粉末などの微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものが知られている。真空断熱材の優れた断熱効果を長期にわたって維持するために、真空断熱材へ侵入する水蒸気や酸素、窒素などのガスを除去するためのガス吸着材が芯材と共に真空断熱材に減圧密封されている。
ガス吸着材として、水分を不可逆的に固定吸着する化学型吸着材が知られている。酸化カルシウムCaOはこの一例である。一方、真空断熱材の外装材を透過してくる大気中の酸素及び窒素に対しては、酸化カルシウム等の水分吸着材は吸着能を有していない。従って、真空断熱環境における減圧状態を維持するためには、これらガスに対する吸着材が必要である。
酸素や窒素に対し吸着能力を示すものとして、バリウムゲッターやジルコニウム−バナジウム−鉄の三元系合金からなる金属吸着材が知られている。金属吸着材は、減圧環境中で400℃以上の高温で活性化される必要があるため、減圧環境をプラスチックフィルムと金属箔を多層化した外装材を利用して構築することが多い真空断熱材では、外装材が溶融して破損するため、金属吸着材をそもそも活性化することができない。
一方、事前に活性化する必要がないガス吸着材として、例えば、窒素・酸素吸着性Ba−Li合金がある。特許文献1に、Ba−Li合金を窒素及び酸素のゲッター材として用いた真空断熱材が記載されている。特許文献1では、Ba−Li合金と水分吸着材とを混合することにより、大気中でゲッター材を放置し得る時間を長くしようとしている。
特開1996−159377号公報
使用済み家電製品が破砕処理される際、真空断熱材と共にガス吸着材も破砕されてBa−Li合金が露出する。破砕時の粉塵の発生を抑えるために散水されると、Ba−Li合金は水との反応性が非常に高いために、水素ガスが一気に大量発生する。従って、Ba−Li合金は安全性の観点から実用され得るものとして普及するに至っていない。
そこで、本開示の課題は、高温での活性化が不要にも拘らず安全であり、減圧環境下でもターゲットガスに対する吸着性能に優れたガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材を実現できるようにすることである。
本開示のガス吸着材の一態様は、平均1次粒子径が1μm以下で且つ比表面積が10m2/g未満の酸化カルシウムと、酸化カルシウム中に分散した一酸化パラジウムとを有している。
ガス吸着材の一態様において、一酸化パラジウムの前記酸化カルシウムに対する濃度は、0.001wt%以上、2.5wt%以下とすることができる。
本開示の真空断熱材の一態様は、本開示のガス吸着材と、ガス吸着材を内包し、内部を真空にして密閉した外装材とを備え、ガス吸着材は、酸素ガス透過率が16g/m2・24h・1atm以下である樹脂製の不織布内に収容されている。
真空断熱材の一態様において、不織布はポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートのいずれか又はその組み合わせとすることができる。
真空断熱材の一態様は、以下の式1を満たすようにすることができる。
(Kc30/Kc1−1)×100<3% ・・・ 式1
但し、Kc1はガス吸着材と大気との接触時間を1分未満として形成した真空断熱材の熱伝導率であり、Kc30はガス吸着材と大気との接触時間を30分間として形成した真空断熱材の熱伝導率である。
本開示によれば、高温での活性化が不要にも拘らず安全であり、減圧環境下でもターゲットガスに対する吸着性能に優れたガス吸着材、及び、これを用いた真空断熱材を実現できる。
本発明の真空断熱材の一例を示す模式断面図である。 一酸化パラジウムの分散濃度と、熱伝導率との関係を示すグラフである。 酸化カルシウムの比表面積と、熱伝導率の変化割合との関係を示すグラフである。 酸化カルシウムの比表面積と、加速試験後の水素分圧との関係を示すグラフである。
本開示のガス吸着材は、真空断熱材に用いることができる。真空断熱材は、例えばグラスウール又はシリカ粉末等の微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外装材で覆い、外装材の内部を減圧密封したものとすることができる。真空断熱材は、例えば冷蔵庫、冷凍庫、給湯容器、自動車用断熱材、建造物用断熱材、自動販売機、保冷箱、保温庫、保冷車等に使用することができる。
図1は、真空断熱材1の一例を示す模式断面図である。図1に示されるように、本発明に係る真空断熱材1は、芯材6及び吸着材7を2枚の外装材で挟むように内包、密閉するように構成されている。
真空断熱材1は例えば以下のようにして製造することができる。まず、2枚の外装材2の周囲は、開口端を残して3方を封止(例えば、ヒートシール)し、全体として袋状の形態とする。袋状とした外装材2の内部に芯材6及び吸着材7を収容した後、内部を減圧し開口部を封止(例えば、ヒートシール)する。図1において符号8により示す部分は、開口部が封止された接合部である。
吸着材7は、不織布等からなる袋内に収容されたガス吸着材とすることができる。ガス吸着材は、平均1次粒子径が1μm以下で且つ比表面積が10m2/g未満の酸化カルシウム(CaO)と、酸化カルシウム中に分散した一酸化パラジウム(PdO)とを有する、
本発明者が鋭意検討したところ、水分吸着材のみを収容した真空断熱材中に残存する主なガスは、窒素、水素、酸素、及び二酸化炭素であることが分かった。水素は、熱伝導率が窒素、酸素及び水と比べて、高い気体であり、真空断熱材中に存在することで熱伝導率の劣化に大きく影響する。従って、吸着材により水素を除去できるようにすることにより、真空断熱材の性能向上を期待できる。
一酸化パラジウムは、水素を水に変換する。このため、水分吸着材と一酸化パラジウムとを合わせてガス吸着材とすることにより、水分だけでなく水素も除去できる吸着材が得られると期待される。
一酸化パラジウムは、水分吸着材と別々に真空断熱材中に収容されていても、水素を水に変換して、水分吸着材に吸着させることができる。しかし、一酸化パラジウムの周りを水分吸着材が囲んでいるようにすれば、一酸化パラジウムにより水素から変換された水分を迅速に吸収することができ好ましい。特に、水分吸着材の粒子の中に一酸化パラジウムの粒子が分散している状態とすることにより、一酸化パラジウムと水素の接触が生じやすく且つ生成した水が吸着されやすくなり好ましい。
一酸化パラジウムは、特に限定されないが、水素との接触面積を大きくする観点から0.1μm〜100μm程度の平均粒子径を有するものが好ましい。
水分吸着材は、化学的な水分吸着材であるアルカリ土類酸化物が好ましく、特に、酸化カルシウムがコスト面において好ましい。酸化カルシウムは、比表面積が大きい方が、水分を吸着しやすいと予想される。しかし、本発明者が検討した結果、一酸化パラジウムと組み合わせて水素の除去も行う場合には、ある程度比表面積が小さい方が良いことが明らかとなった。具体的に、酸化カルシウムの比表面積を10m2/g未満にすることにより、比表面積が大きい酸化カルシウムを用いる場合と比べて、真空断熱材内部の水素濃度を大幅に低減できる。酸化カルシウムの比表面積はBET法により測定することができる。このような比表面積の酸化カルシウムを得るために、酸化カルシウムの平均1次粒子径は、1μm以下であることが好ましい。また、平均2次粒子径は100μm以下であることが好ましい。
水分吸着材は、酸化カルシウムに他の材料を混合して用いてもよい。例えば、酸化カルシウム以外のアルカリ土類酸化物を混合してもよい。酸化カルシウム以外のアルカリ土類酸化物としては、例えば酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム及び酸化バリウム等の少なくとも1つを用いることができる。
また、物理的な水分吸着材を混合することもできる。物理的な水分吸着材としては、例えばゼオライト、アルミナ及びシリカゲル等の少なくとも1つを用いることができ、中でもゼオライトが好ましい。ゼオライトは特に限定されないが、疎水性ゼオライトであって、多孔性結晶性アルミノケイ酸塩からなり、ゼオライト骨格中のシリカ対アルミナ比(Si/Al)が1〜1500、好ましくは5〜1000、さらに好ましくは5.5〜500であるものを用いることができる。
一酸化パラジウムの酸化カルシウムに対する分散濃度は、特に限定されないが、真空断熱材中の水素濃度を低減して熱伝導率を向上させる観点から、0.001wt%以上が好ましく、0.01wt%以上がより好ましく、0.05wt%以上がさらに好ましい。また、コストの観点から2.5wt%以下が好ましく、1wt%以下がより好ましい。図2には、一酸化パラジウムの酸化カルシウムに対する分散濃度と、真空断熱材を形成した直後の熱伝導率との関係を示す。図2において縦軸は、一酸化パラジウムを含んでいない吸着材を用いた場合の熱伝導率を1として規格化した熱伝導率を示している。分散濃度が0.001wt%の場合においても、酸化カルシウムのみの場合と比べて熱伝導率は十分に低下している。
一酸化パラジウムを酸化カルシウム中に分散させたガス吸着材は、ガスの吸着を効率良く行う観点から、樹脂製の不織布からなる袋状の容器内に収容されていることが好ましい。不織布は、酸素ガスの透過率が16g/m2・24h・1atm以下であることが好ましい。このような特性の不織布を用いることにより、ガス吸着材が酸素と接触しにくくすることができ、酸素によるガス吸着材の劣化を生じにくくすることができる。このような特性の不織布は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリエチレンテレフタレート等の1種又はこれらの混合体により形成することができる。
ガス吸着材は、その成分によっては、大気中の種々の成分により急激に劣化するおそれがある。しかし、一酸化パラジウムを酸化カルシウム中に分散させたガス吸着材は、大気中での急激な劣化が生じにくい。具体的には、大気との接触時間を1分未満としたガス吸着材を真空断熱材中に配置した場合と、30分間大気と接触させたガス吸着材を真空断熱材中に配置した場合との熱伝導率の変化割合Rkc=(Kc30/Kc1−1)×100は3%未満である。但し、Kc1は大気との接触時間を1分未満としたガス吸着材を真空断熱材中に配置した場合の熱伝導率であり、Kc30は30分間大気と接触させたガス吸着材を真空断熱材中に配置した場合の熱伝導率である。
真空断熱材を減圧状態で維持することにより窒素が外装材を透過するおそれがある。また、外装材が窒素を放出するおそれもある。このような窒素による影響を低減するために、ガス吸着材は、銅イオン交換ゼオライトやリチウムーバリウムゲッターやジルコニウム−バナジウム−鉄の三元系合金からなる金属吸着材等の窒素吸着材をさらに含んでいる構成とすることもできる。
外装材2は、ガスバリア性を有し、気体侵入を抑制可能な種々の材料及び複合材料を用いることができる。一般に、外装材2は、熱可塑性樹脂のフィルム及び金属箔等をラミネート加工してバリア性を付与したものとすることができ、芯材6を空気及び水分等から隔離する役割を果たす。
図1には、熱溶融層(熱溶着フィルム)5、ガスバリア層(ガスバリアフィルム)4及び表面保護層(表面保護フィルム)3が順次積層された、外装材2を示している。
熱溶着フィルム5は、外装材2の熱溶着層が熱と圧力により溶融した後に固化したものであり、外装材2を所定の形状に保持する役割を果たす。また、ガスが外装材2の端部から真空断熱材1内へ侵入することを抑える役割も果たす。
熱溶着フィルム5は、通常のシール法(例えば、ヒートシール)によって接着できるものであれば特に限定されない。熱溶着フィルムを構成する材料としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、並びにポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、上記材料は、単独で使用することも、2種類以上を混合して使用することもできる。また、熱溶着フィルム5は、単層とすることも、2層以上の積層体とすることもできる。積層体とする場合、各層が、同様の組成を有している構成とすることも、異なる組成を有している構成とすることもできる。
熱溶着フィルム5の厚さは、ヒートシール時に十分な密着強度を得る観点からは、10μm以上が好ましく、屈曲性等の加工性の観点からは100μm以下が好ましい。但し、外装材2を溶着できれば特に制限されない。なお、熱溶着フィルム5が積層構造を有する場合には、熱溶着フィルム5の厚さとは、合計厚さである。また、熱溶着フィルム5が積層構造を有する場合には、各層の厚さは、すべて同じとすることも、少なくとも1つが異なるようにすることもできる。単層とすることも、2層以上の積層体とすることもできる。
ガスバリアフィルム4は、必要とするガスバリア性を有していれば特に制限されず、種々のものを用いることができる。例えば、アルミニウム箔若しくは銅箔等の金属箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム若しくはエチレン−ビニルアルコール共重合体にアルミニウム若しくは銅等の金属材料、又はアルミナ若しくはシリカ等の金属酸化物材料を蒸着したフィルム等を使用することができる。ガスバリアフィルムの厚さは、特に制限されない。ガスバリアフィルム4は、単層とすることも、2層以上の積層体とすることもできる。
表面保護フィルム3は、特に制限されず、外装材の表面保護フィルムとして通常使用されるのを用いることができる。表面保護フィルムを構成する材料としては、例えば、ナイロン−6、若しくはナイロン−66等のポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、若しくはポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、若しくはポリスチレン(PS)等のポリオレフィン、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、又はポリアクリルニトリル樹脂(PAN)等が挙げられる。
表面保護フィルム3の厚さは、ガスバリアフィルム4の保護の観点からは10μ以上が好ましく、屈曲性等の加工性の観点からは100μm以下が好ましい。但し、表面保護フィルム3の厚さは、特に制限されない。なお、表面保護フィルム3が2層以上の積層構造を有する場合には、表面保護フィルム3厚さとは、合計厚さである。また、表面保護フィルム3が積層構造を有する場合には、各層の厚さは、すべて同じとすることも、少なくとも1つが異なるようにすることもできる。また、各層は、同様の組成を有していても又は異なる組成を有していてもよい。さらに、表面保護フィルム3は種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、及び滑剤等の少なくとも1つを含んでいてもよい。
外装材2の厚さは、特に制限されないが、1μm以上、100μm以下が好ましい。このような厚さとすれば、ヒートブリッジをより有効に抑制・防止して断熱性能が向上することが期待できる。また、ガスバリア性及び加工性の向上も期待できる。
また、ガスバリア性フィルムからなる外装材2を、金属箔を積層したラミネートフィルムからなる面と、金属箔を積層しないラミネートフィルムからなる面の少なくとも2面で構成することができる。この場合、金属箔を積層しないラミネートフィルムからなる面が、少なくとも内層側にアルミニウム蒸着を施したエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物からなるフィルム層、又は内層側にアルミニウム蒸着を施したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物からなるフィルム層のいずれかを有するようにすることができる。
また、外装材2は、上記のようなラミネートフィルムでなくてもよく、例えば、金属容器やガラス容器、樹脂と金属の積層されたガスバリア容器のようなものであってもよい。このようなプラスチックラミネートフィルム容器には、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、及び金属蒸着フィルム等の1種又は2種以上のフィルムをラミネートした容器等が使用できる。
図1に示すように、芯材6は、外装材の内部に配置されている。芯材6は、真空断熱材1の骨格となり、真空空間を形成する。芯材6は、特に限定されず、公知の材料を使用できる。具体的には、グラスウール、ロックウール、アルミナ繊維、若しくは熱伝導率の低い金属からなる金属繊維等の無機繊維;ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、若しくはアラミドなどの合成繊維、木材パルプから製造されるセルロース、コットン、麻、ウール、若しくはシルクなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、又はアセテート等の半合成繊維等の有機繊維などが挙げられる。上記芯材材料は、単独で使用することも、2種以上を混合して使用することもできる。中でも、繊維自体の弾性が高く、また繊維自体の熱伝導率が低く、かつ工業的に安価であるため、グラスウールが好ましい。
以下に、実施例を用いて本発明についてさらに詳細に説明する。以下に実施例は、一例であり、本発明を限定するものではない。
−真空断熱材の形成−
外装材2として、延伸ナイロン(25μm)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、アルミ箔(7μm)、そして、高密度ポリエチレンフィルム(50μm)をドライラミネートして貼り合わせたラミネートフィルムを用いた。芯材6として平均繊維径約4μmの短繊維グラスウールの積層体を用いた。吸着材7は、酸化カルシウム及び酸化パラジウムを混合して調製したガス吸着材を、通気性を有する不織布(70mm×70mm、山中産業製)に収納し、4方シールして形成した。なお、吸着材7の調製は、酸素濃度1ppm以下のアルゴン又は窒素雰囲気下で行った。芯材6及び吸着材7を収容した外装材2を真空状態にして封止し、真空断熱材1を形成した。吸着材7を大気中に暴露してから外装材2内を真空状態とするまでの時間は1分未満又は30分とした。真空断熱材1の大きさは290mm×410mm×12mmとした。真空断熱材1の空隙空間容積は約1.284Lであった。なお、空隙空間容積は真空断熱材体積と芯材の空隙率との積とした。
−熱伝導率の測定−
加速試験の前後において、真空断熱材の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、ヒートフローメータ(HFM436、ネッチジャパン製)を用いて測定した。
−大気との接触による熱伝導率の変化割合の評価−
調製したガス吸着材と大気との接触時間が1分未満となるようにして製造した真空断熱材の熱伝導率Kc1と、ガス吸着材と大気との接触時間が30分となるようにして製造した真空断熱材の熱伝導率Kc30とをそれぞれ測定し、以下の式により熱伝導率の変化割合RKc(%)を求めた。Rkc=(Kc30/Kc1−1)×100
−加速試験−
作成した真空断熱材を、低温低湿から高温多湿な条件まで周期的に変化する環境に1ヶ月間置き、加速試験を実施した。加速試験実施後において、真空断熱材中に残留する気体の水素分圧を測定した。水素分圧は、真空チャンバー中で真空断熱材を真空開封し、Q−MSにより測定した。
(実施例1)
BET比表面積が2m2/gの酸化カルシウム(吉澤石灰製)4.0gと、一酸化パラジウム(和光純薬工業)1mgとを混合してガス吸着材を形成した。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc1は2.10mW/m・Kであった。ガス吸着材と大気との接触時間を30分間とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc30は2.11mW/m・Kであった。ガス吸着材を大気と接触させたことによる熱伝導率の変化割合RKcは、0.5%であった。
(実施例2)
酸化カルシウムとして、BET比表面積が4m2/g(吉澤石灰製)のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc1は2.08mW/m・Kであった。ガス吸着材と大気との接触時間を30分間とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc30は2.12mW/m・Kであった。ガス吸着材を大気と接触させたことによる熱伝導率の変化割合RKcは、1.9%であった。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の加速試験後の水素分圧は、2.9Paであった。
(実施例3)
酸化カルシウムとして、BET比表面積が5m2/g(吉澤石灰製)のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc1は2.06mW/m・Kであった。ガス吸着材と大気との接触時間を30分間とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc30は2.10mW/m・Kであった。ガス吸着材を大気と接触させたことによる熱伝導率の変化割合RKcは、1.9%であった。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の加速試験後の水素分圧は、3.1Paであった。
(実施例4)
酸化カルシウムとして、BET比表面積が8m2/g(吉澤石灰製)のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc1は2.05mW/m・Kであった。ガス吸着材と大気との接触時間を30分間とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc30は2.11mW/m・Kであった。ガス吸着材を大気と接触させたことによる熱伝導率の変化割合RKcは、2.9%であった。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の加速試験後の水素分圧は、3.3Paであった。
(比較例1)
酸化カルシウムとして、BET比表面積が10m2/g(吉澤石灰製)のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc1は2.04mW/m・Kであった。ガス吸着材と大気との接触時間を30分間とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc30は2.26mW/m・Kであった。ガス吸着材を大気と接触させたことによる熱伝導率の変化割合RKcは、10.8%であった。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の加速試験後の水素分圧は、5.8Paであった。
(比較例2)
酸化カルシウムとして、BET比表面積が20m2/g(吉澤石灰製)のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc1は1.98mW/m・Kであった。ガス吸着材と大気との接触時間を30分間とした真空断熱材の形成直後の熱伝導率Kc30は2.34mW/m・Kであった。ガス吸着材を大気と接触させたことによる熱伝導率の変化割合RKcは、18.2%であった。
ガス吸着材と大気との接触時間を1分未満とした真空断熱材の加速試験後の水素分圧は、5.9Paであった。
実施例1〜4及び比較例1、2の結果を、表1、図2及び図3にまとめて示す。
1 真空断熱材
2 外装材
3 表面保護フィルム
4 ガスバリアフィルム
5 熱溶着フィルム
6 芯材
7 吸着材

Claims (5)

  1. 平均1次粒子径が1μm以下で且つ比表面積が10m2/g未満の酸化カルシウムと、
    前記酸化カルシウム中に分散した一酸化パラジウムとを有する、ガス吸着材。
  2. 前記一酸化パラジウムの前記酸化カルシウムに対する濃度は、0.001wt%以上、2.5wt%以下である、請求項1に記載のガス吸着材。
  3. 請求項1又は2に記載のガス吸着材と、
    前記ガス吸着材を内包し、内部を真空にして密閉した外装材とを備え、
    前記ガス吸着材は、酸素ガス透過率が16g/m2・24h・1atm以下である樹脂製の不織布内に収容されている、真空断熱材。
  4. 前記樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートのいずれか又はその組み合わせである、請求項3に記載の真空断熱材。
  5. 以下の式1を満たす、請求項3又は4に記載の真空断熱材。
    (Kc30/Kc1−1)×100<3% ・・・ 式1
    但し、Kc1はガス吸着材と大気との接触時間を1分未満として形成した真空断熱材の熱伝導率であり、Kc30はガス吸着材と大気との接触時間を30分間として形成した真空断熱材の熱伝導率である。
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