JP2016536166A - 印刷機の印刷機シリンダーの洗浄のための洗浄用布の製造方法とこの製造方法で製造される洗浄用布 - Google Patents
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Abstract
凸部と凹部の押し模様を備えるポリエステル繊維を有する基布ウェブを提供する方法であって、次のステップを特徴とする:i.基布を圧縮する2つのローラの間で基布にカレンダー処理を施すこと、ii.カレンダー処理を施した基布を、2つの圧痕ローラであって、その内の少なくとも1つは所望する押し模様のネガ像に一致する模様が施されている圧痕ローラの間に通すこと。【選択図】図1
Description
本発明は、凸部と凹部の押し模様を備えるポリエステル繊維を含む基布ウェブを提供するための方法に関する。
また、本発明は、上記の方法で製造される洗浄用布に関する。
オフセット印刷は、周知の、かつ、広範囲に浸透している印刷技術である。オフセット印刷は油と水とが混ざらないという現象に基づいており、印刷のためにいわゆる「間接的」方法を用いている。本明細書において、「間接的」とは、印刷機シリンダーが直接、紙に触れないことである。更にいうと、印刷機シリンダーは転写胴、又は、ブランケット胴の上に印刷するであろうし、転写胴、又は、ブランケット胴は印刷画像を印刷すべき紙に転写するであろう。
少なくとも新たな連続印刷を始めようとするときには、時々、ブランケット胴を清掃することが必要である。通常、ブランケット胴の清掃は、ブランケット胴が回転している間に、洗浄用布をブランケット胴に押し付けることによって行われる。洗浄用布はブランケット胴に固着しているインクを溶かす洗浄液(通常は低揮発性の炭化水素)に浸してもよいし、紙からリントとほこりを取るために、洗浄用布、及び/又は、ブランケット胴を水につけることも、また、普通に行われている。
オフセット印刷の技術においては、定期的に印刷機の印刷機シリンダーを清掃することが必要であり、通常は、溶媒、若しくは、溶媒の混合物に浸され、又は、溶媒、若しくは、溶媒の混合物が塗られた布に、印刷機シリンダーを接触させることによって清掃する。布は有機溶媒の中に浸された状態で納入され、印刷機シリンダーに接触する前、又は、接触している間に、布に水が添加される場合もある。
印刷機シリンダーと接触している間に溶媒、又は、水を添加する場合においては、ミシン目を有する布が使われている。ミシン目は布を通して水、又は、溶媒が印刷機シリンダーの方に移動することを促進する。他のすべての用途に対しては、布は概ねフラットである。
布は印刷機シリンダーに対向している面上においてのみ、ほこりを吸収する傾向があり、布の反対側は、かえってきれいなままであるということは、当業者の間では周知の問題である。それ故に、布の厚さの一部のみがほこりを収集するのに使用されていると結論づけることができ、このことは、布の厚さのより多くの部分がほこりの吸収に使用されるなら、布は、清掃という役務に必要とされていたよりも、もっと使用されなければならないことを意味する。
前述のように、布に小さな穴を設けること(すなわち、ミシン目を有する布)は、ほこりを布の中に貯留するための布の容量を改善するであろう。しかし、ほこりは布の印刷機シリンダーに対向していない側に移動するであろう。布は、しばしば、印刷機シリンダーに対して布を押し付けるような装置類の上で支持されるであろうことから、穴が開けられた布を使用することは支持装置が詰まったり汚れたりするようなリスクを増やす。
使用される洗浄用布は、主にセルロース繊維とポリエステル繊維を漕ぎ形成(ローイングコンフィギュレーション)で混ぜたフリースから製造される。重要なことは、フリースは繊維を放出しないことである。したがって、フリースはしばしば「カレンダー処理」がなされる。すなわち、熱処理がなされ、そして2つの加熱されたローラの間で圧縮され、布の中のポリエステル繊維が圧縮され部分的に溶かされ、これにより、フリース上に滑らかな表面が形成され、フリースの中の繊維が互いに結合するようになる。この種の、ひとつのタイプの布はソンタラ(商標)という商品名でデュポン社によって販売されている。
異なった方向に異なった特性が所望される場合には、繊維を所望の特性が得られるような方向に向けることができる(一般的に、繊維の多くの部分が長手方向に向いている場合には、布は長手方向には高い強度が得られ、繊維の多くの部分が横断方向に向いている場合には、横断方向の強度が増加するであろう)。
本発明によってフリースを製造する一般的な方法は、ペーパーウェブに繊維(通常はポリエステル繊維)の層を与え、ポリエステル繊維とペーパーウェブとをいわゆる「水交絡」で結合することであり、これが意味することは、ペーパーウェブに使用された繊維を小さいが高圧の水噴流によってペーパーウェブの中に圧入し、紙を部分的に分解し、分解した紙の繊維を圧縮してポリエステル繊維ウェブとすることである。
所望の特性を得るために、水交絡によって繊維に結合されているペーパーウェブを処理しなければならない。従来技術において、この処理の最も多いものは「カレンダー処理」の形態である。すなわち、使用された繊維と結合しているペーパーウェブを2つのローラの間で圧縮する。この工程の間、ローラは加熱されてもよいし、加熱されなくてもよい。使用された繊維と結合しているペーパーウェブの厚さは、元の厚さの約50%にその厚さを減少させるのが普通である。
特許文献1は、予め梱包され、予め浸された洗浄システム、及び、その製造方法を開示している。前記システムは、ロール上に巻きつけられる布を含んでおり、布は有機化合物に浸されている。ロール上に巻きつけられた布は、熱の遮断が可能なプラスティックスリーブの中に挿入されており、プラスティックスリーブは布に密着している。特許文献1に開示されている洗浄用布は、フラットな布であるが、小さな開口部、すなわちミシン目が設けられていてもよい。このことは、この文献による布は、たとえ従来技術の中で卓絶しているとしても、ほこりを集積するという点においては最適ではないことを意味する。
特許文献2は、印刷可能なラベルのウェブと一体化した印刷機洗浄カードを開示している。この洗浄カードはまさに特許文献1に開示されているもののような予め浸された布を含んでいるが、特許文献2における布は少なくとも3つの異なった層からなる。特許文献2の布にはいくつかの開口部があるかもしれないが、これらの開口部は製造工程の結果であって、布の洗浄能力を増大するために設けられたものではなく、試験結果はこのタイプの開口部は洗浄しようとする表面に筋を残す傾向があることを示している。更に、特許文献2の布は遠い技術分野のものである。
特許文献3は、フラットな基板からほこりを擦り取ろうとする洗浄シートを開示している。洗浄シートは液体を吸収できる材料では作られていなく、むしろ、固形膜から作られる。更に、特許文献3は、任意の型の模様が施されたような洗浄シートを開示しており、出願人は、これらの模様の内1つを除くすべてについて、洗浄すべき表面に所望しない筋が残ることを発見している。
特許文献4は、水交絡によって生産される繊維積層体を開示している。また、この文献は押し模様をいかにして繊維積層体に適用するかについても開示している。しかし、布の寸法は、布が印刷機シリンダーの洗浄用には非常に不適合な程のものである。
公知の洗浄フリースは効率的であるが、インクや糸くずを吸収する能力が低いという難点があり、このことは洗浄用布の消費が高いことを意味する。
本発明の目的は、オフセット印刷機のブランケット胴を洗浄するための洗浄用布を製造するための方法を提供することである。本発明のもう1つの目的は、この方法で製造された洗浄用布を提供することである。
本発明は、凸部、及び、凹部の押し模様がされたポリエステル繊維を含む基布ウェブを提供するための方法を提供することによって、上記の問題、及び、その他の問題を解決するものであって、次のステップを含んでいる:
i.基布を圧縮する2つのローラの間で基布ウェブにカレンダー処理を施すこと;
ii.カレンダー処理された基布ウェブを2つの圧痕ローラであって、圧痕ローラの内の少なくとも1つは所望する押し模様のネガ像と一致する模様を備えている圧痕ローラの間に通すこと、
iii.カレンダー処理された基布ウェブに洗浄剤を浸み込ませること、
iv.浸み込ませた基布ウェブをボビン上に巻きつけること、及び
v.布が巻きついたボビンを容器の中に詰めて洗浄剤が布から蒸発するのを防ぐこと。
i.基布を圧縮する2つのローラの間で基布ウェブにカレンダー処理を施すこと;
ii.カレンダー処理された基布ウェブを2つの圧痕ローラであって、圧痕ローラの内の少なくとも1つは所望する押し模様のネガ像と一致する模様を備えている圧痕ローラの間に通すこと、
iii.カレンダー処理された基布ウェブに洗浄剤を浸み込ませること、
iv.浸み込ませた基布ウェブをボビン上に巻きつけること、及び
v.布が巻きついたボビンを容器の中に詰めて洗浄剤が布から蒸発するのを防ぐこと。
洗浄すべき目的物のストリップを防止するために、基布ウェブの長手方向と比べて垂直方向に延びる凸部、及び、凹部を設けてもよい。
模様に耐久性をもたせるために、少なくとも1つの圧痕ローラは、ポリエステル繊維を少なくとも部分的に溶かすに十分高い温度を有していてよい。加熱された圧痕ローラが、所望の押し模様のネガ像と一致する模様が備わったローラであれば、最高の耐久性が得られるという結果が示されている。
また、本発明は、上に示した方法によって製造された洗浄用布に関する。
以下において、本発明について添付図面を参照して詳説する。
図1に参照されるように、本発明による洗浄用布は、刻み目110を備える布100を含む。刻み目は、円形、矩形、又は、細長、の任意の適切な形状を有してよい。図1に示されているように、それぞれの刻み目は、底壁120、及び、2つの側壁130、140を有する。刻み目は正面150によって境画される。
図2には、本発明による刻み目の配列の第1実施例が示されている。図2に示されるように、刻み目は布110一面を一直線に拡延している。矢印Aは、布によって洗浄されるべきシリンダーの移動方向を示す。刻み目を前記の方向に設けることにより、2つの有利な効果が得られる。第1に、洗浄されるべきシリンダーの全福に渡って布の洗浄特性の同一性が持久されること、そして、第2に、ほこりが刻み目の全体によって効率よく拾い上げられることである。
図3には、洗浄用布100と図3の(Cで表記した)シリンダーとの間の協働が図式的に示されている。シリンダーCは回転方向Bを有している。図示されるように、シリンダーCは主に正面150と接触するであろう。しかしながら、側壁140と正面150の間の角は洗浄過程において重要な役割を果たす。第1に、角はシリンダーからほこりを「擦り」取るであろう。その後、擦り取られたほこりは側壁140を画成している布によって吸収されるであろう。その上、ほこりは刻み目110上で成長するかもしれない。ほこりの成長は、布自体をほこりの汚染からアンロードするであろう。
本発明によると、洗浄用布は型押しが施される。このことは、布は厚さが変化するということを意味している。
型押しはどのようにして行ってもよいが、試験結果は、型押しを施すのは洗浄用布の製造の最終段階で行うのが好ましいことを示している。
図1に参照されるように、洗浄用布100が表示されている。洗浄用布100は「背景技術」の段落で開示したような方法でポリエステル繊維から製造されるが、凹部150によって分離される凸部120の押し模様が施される。これについては後述する。
凸部、及び、凹部を施す前の布の厚さは0.25〜0.5mmでよい。凸部、及び、凹部を施した後では、凸部一面の厚さは模様を施す前と略同一となるであろう。一方、凹部の中の布の厚さは模様を施す前の約30〜60%、すなわち、0.075から0.3mmとなるであろう。布の比重量は55から125g/m2の間で変化してよい。
図4には、カレンダー処理ローラの例示的形態を図式的に表示した。図4においては、歯をつけた圧痕ローラCC1は、歯形200を備えている。歯形200は任意の適した模様に配置してよい。例えば、歯形は直立していて軸方向に拡延してもよい(そのような歯形の結果は図2による模様が施された布となるであろう)が、歯形は任意の適した模様に配置してよい。
歯形は第2の圧痕ローラCC2と協働する。実施例に示されるように、第2の圧痕ローラCC2は平ら、すなわち、歯をつけていないが、第2の圧痕ローラに歯をつけるのも、また、本発明の範囲である。そのような選択的な歯形は(少なくとも)2つの方法で配置してよい。幾つかの実施例においては、第2の圧痕ローラCC2の選択的な歯形は、歯がつけられた圧痕ローラCC1の歯形200と対向するように、すなわち、歯形200が第2の圧痕ローラCC2の選択的な歯形と整列するように、配置されてもよい。この結果は、両面に刻みを有する布となるであろう。
隣接する2つの凹部の中央部分の距離は1ミリメートル程度である。
次に、本発明による洗浄用布の製造方法について説明する。
製造の最初の段階においては、基布は、ポリエステル繊維の糸をウェブに使用することによって形成される。場合によっては、その上にポリエステル糸が置かれるウェブは、基布(例えば、ウェブは紙製でもよい)の一部を形成することを意味する。糸は、多数のポリエステル細糸、すなわち、繊維で組成され、適当な長さ、多くの場合は数センチメートルに切断される。ポリエステル繊維は、例えば周知の方法である溶融紡糸によって製造してもよい。
ポリエステル糸をウェブ上に置いた後は、糸を結合しなければならない。糸の結合はしばしば「水交絡」によって行われる。「水交絡」とは、ポリエステル糸を薄いが強力な水の噴流に曝して糸を部分的に壊し、糸が製造されるもとになる繊維にすることを意味する。隣接する糸の壊された繊維は、その際にお互いに絡みつき、それ故、互いに糸を保持しているであろう。糸が置かれるウェブを基布の一部と仮定すると、糸からの繊維はウェブをもまた絡みつかせるであろう。ペーパーウェブとポリエステル繊維との組合せにおいて、基布は、十分な強度がある限り多くの液体を吸収することができるであろう。更に、繊維による紙の絡みつきは、布が紙の粒子を「漏らす」のを阻止するであろう。いくつかの基布において、紙の含有率は重量比で50%程度である。あとからポリエステル繊維で絡みつかせるペーパーウェブを使用することの重要な優位点は、コストである。紙はポリエステル繊維よりも著しくコストが低い。
次の段階では、基布を乾燥させることであろう。通常、乾燥はウェブを幾つかのローラに通すことにより行われる。このローラは、繊維の糸及び(選択的に)紙をお互いに絡みつかせるのに用いられた水の蒸発を促進するために、加熱してもよい。
前文にて述べたように、印刷機内の転写胴の洗浄にとって最良の結果は、基布がカレンダー処理された場合に得られる。カレンダー処理とは、基布が2つのローラの間で圧縮されることを意味する(単語の「カレンダー処理」とは、実際、「シリンダー」という単語を起源としているが、ローラにとっては別の単語である)。カレンダー処理中に基布が元の厚さの約半分に圧縮され、基布の表面がより滑らかになり、それ故に、基布が洗浄中に押し付けている転写胴の摩耗を減少させる。
カレンダー処理のもうひとつの効果は、1ロール当たりの洗浄用布の布の長さを著しく増加させることができることである。布の厚さが50%減少すると、同一直径の1ロールに布を2倍程収容することができる。
本発明によると、洗浄用布は凸部と凹部の押し模様が施される。試験結果は、洗浄用布の上に押し模様を施すことによって、洗浄結果が著しく改善されていることを示している。この改善はより良い洗浄結果を得ること、又は、洗浄用布の消費を減少させること、又は、これらの組合せを得ることのために使用できる可能性がある。更に、例えば、ヘリンボーン模様、ドット、円形くぼみ等の数多くの異なった押し模様が評価されたが、1つの模様が最良の結果を与えることが示された。すなわち、図2に示すような、洗浄用布の一般的なウェブの方向とは垂直の方向に延びている凸部と凹部からなる模様である。他のすべての模様は、洗浄する転写胴の上に「筋」を生じさせる傾向があるが、洗浄用布の一般的なウェブの方向とは垂直に凹部が延びれば、転写胴の上に筋は生じないであろう。
側壁130、140は異なる2つの方法で形成することができる。上述のように、基布は幾分無作為な方向に向いている繊維を有するフリースのような布である。押し模様を施す間に、圧痕ローラCC1の歯形200は、基布の繊維を曲げることにより、又は、基布の繊維を切断することにより、刻み目110を形成してもよい。繊維が曲げられると、側壁130、140は、底壁120、及び、正面150の繊維方向に垂直な繊維方向を有するであろう。この結果、液体、又は、ほこりを吸収するときには、側壁130、140の特性は、底壁120、及び、正面150に関しては、側壁としてほぼ同じになるであろう。繊維が切断されると、側壁は「開放される」であろう。すなわち、繊維の間の空間は、ほこりを拾い上げるためによりアクセスし易くなるであろう。
本発明の一実施形態によると、カレンダー処理中に、基布を圧縮する平らなローラの内の1つを、ローラの長手方向に延びる歯形を有するローラに置換することにより、凸部と凹部が施される。しかしながら、試験結果は、この方法を使用した場合には、押し模様は所望の耐久性が得られないことを示している。
より良い結果は、押し模様を、基布のカレンダー処理後に施すことによって得られている。基本的には、押し模様を施す方法は前述した方法と同じである。すなわち、布を平らな圧痕ローラ、及び、ローラの長手方向に間隔を置いて延びている歯形を備える圧痕ローラとの間のニップ部に通すことである。より良い結果は、少なくとも圧痕ローラの1つを、好ましくは、少なくとも、ポリエステル繊維を部分的に溶解する温度まで加熱する場合に得られる。もっとも良い結果は、温度が約170度(摂氏)の圧痕ローラを用いて得られている。この場合の圧痕ローラの直径は約40〜50cmであり、歯形の間隔は約1mmで、ニップ圧力は約100barである。押し模様を施す間のウェブ速さは低く、10m/分(0.15m/秒)程度であるが、圧痕ローラの直径、及び、温度の違いとともに変化してよい。より小さな直径を有する圧痕ローラはより低いウェブ速さを要求するであろう。なぜなら、圧痕ローラと布との接触長さがより短いからである。それ故に圧痕ローラから布への熱伝導時間を減少させる。そして、より高い温度はローラから布への熱伝導を増加させるであろう。それ故により高いウェブ速さを可能にする。しかしながら、温度を増加し過ぎると、ポリエステル繊維を完全に溶解させ、それ故に加熱されたローラに固着させる危険性を増やすであろう。
ローラは、ウェブの幅に渡って均一なニップ圧力を与えるために、クラウニングされるのがよい。クラウニングの分量は、ローラの直径、ウェブ幅、及び、要求されるニップ圧力によって、広い範囲で変化してよい。
(1つ、又は、2つの)圧痕ローラの加熱は任意の適切な方法で行ってよいが、油加熱は好ましい方法である。なぜならば、油加熱はどちらかといえば速くて、正確であり、油(特定すると、熱を運ぶ流体として使用され、燃料としては使用されない油)でローラを加熱することは十分確立されているからである。温度は制御しなくてはならない。そして、温度を良好に制御する1つの方法は、表面温度計を用いて、圧痕ローラ表面のIR信号を感知し、この信号に基づいて表面温度を計算することである。
押し模様が施されて完成した洗浄用布は、オフセット印刷機の転写胴、又は、ブランケット胴の洗浄に使用してよい。
本発明によるもうひとつの優位性は、いわゆるプレパック洗浄ロールに現れる。そのようなプレパック洗浄ロールは、洗浄液を予め浸み込ませてある。洗浄液は多少コストが高い。本発明によって、必要な洗浄液の量を著しく減らすことができる。なぜならば、底壁120を画成している材料は囲んでいる布の表面よりも洗浄液の吸収が著しく少ないであろう、ということによる。これは、厚さが減少していること、及び、底壁を画成している材料がより圧縮されていることの両方によるものであり、それ故に洗浄液を吸収する布の容量を減らすからである。
上述のように、添付図面を参照しながら本発明の幾つかの実施例を詳述した。しかしながら、当業者であれば、本発明の範囲内で他の可能な実施例があることを理解する可能性がある。
布の好ましい厚さは、正面150から布の反対面へ測定して、例えば、0.6mmでよい。布の幅は1600mmでよく、また、布は約20メートルの布を運ぶボビンの上に巻きつけてもよい。幾つかの実施例では、布は印刷サイトへ出荷される前に溶剤に浸されていてもよい。そのような実施例では、布はボビンの周りに巻かれて液密パッケージの中に梱包されてもよい。洗浄液の分布状態を長く維持するために、パッケージを密封する前に中を真空にしてもよい。予め布を浸す溶剤が有機溶剤である場合には、布の洗浄特性を改善するために印刷サイトにおいて水を添加してもよい。
刻み目の幅、すなわち、側壁130、及び、140間の距離は約0.1mmから約3mmの範囲にあればよい。深さ、すなわち、正面150から底部120に至る間の距離は約0.1mmから0.5mmの範囲にあればよい。
Claims (5)
- 印刷機の印刷機シリンダーの洗浄のためのウェブを提供する方法であって、前記ウェブは凸部と凹部の押し模様を備えるポリエステル繊維を有し、前記方法は:
i.基布を圧縮する2つのローラの間で基布ウェブにカレンダー処理を施すこと;
ii.カレンダー処理された前記基布ウェブを、2つの圧痕ローラであって、前記圧痕ローラのうち少なくとも1つは所望する押し模様のネガ像と一致する模様が施されている、前記圧痕ローラの間に通すこと、
iii.カレンダー処理された前記基布に洗浄剤を浸み込ませること、
iv.浸み込ませた前記基布ウェブをボビン上に巻きつけること、及び
v.前記巻きつけた布を有する前記ボビンを容器の中に詰めて前記洗浄剤が前記布から蒸発するのを防ぐこと、
のステップを特徴とする方法。 - 前記押し模様は、前記基布ウェブの長手方向に比べて垂直方向に延びている凸部、及び、凹部を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記圧痕ローラのうち少なくとも1つは、前記ポリエステル繊維を少なくとも部分的に溶解するのに十分高い温度を有する、請求項1、又は、2に記載の方法。
- 前記加熱された圧痕ローラは、前記所望する押し模様のネガ像と一致している前記模様が施されているローラである、請求項3に記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれかの方法で製造された洗浄用布(100)。
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