JP6104550B2 - 不織布を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不織布に関し、さらには、その不織布を製造する方法に関する。
嵩高紙は、クッキングペーパー、ペーパータオル、ティッシュ等のワイプスとして使用され、嵩高紙の更なる品質向上を目的として、近年、嵩高紙に関する製造技術開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、吸引部に沿って周回する開孔パターンネットに、水分率が50〜85重量%の繊維シートを移送させ、その繊維シートを開孔パターンネット上に保持した状態でその繊維シートを吸引すると共に、その吸引と同時に、またはその吸引の前後に、5kcal/kg以上の熱量を有する水蒸気を繊維シートに吹き付けて、開孔パターンネットに対応するパターンを繊維シートに形成し、乾燥工程において乾燥させることによりパターン付けされた嵩高紙を得ることを特徴とする嵩高紙の製造方法が提案されている。特許文献1の発明の嵩高紙の製造方法によれば、吸引部付近での熱量付与により、パターン成形性が向上し、嵩高性及び吸収性に富んだ嵩高紙が得られ、また、厚みが大きく、吸収性が高く、柔らかさに優れ、かつ、適度な強度を有する嵩高紙が得られ、さらに、開孔パターンネットが吸引部に沿って周回するのみなのでそれ程長いネットを製造する必要がないと記載されている。そして、特許文献1の発明においては、開孔パターンネットを取り替えるだけの簡単な操作で、パターン形状の変更が容易にでき、また、上記開孔パターンネット31を乾燥工程内に導かないので、長時間連続使用しても劣化しにくく、その耐用年数が長くなり、さらに、パターン付与工程を移動させて繊維シートの走行パスから外すだけで、通常抄紙の生産も容易にでき、通常抄紙の生産との切り替えが簡単であると記載されている。
特許第3461122号公報
しかしながら、例えば特許文献1に記載されているような嵩高紙の製造方法では、水蒸気の噴射圧力により、所定の水分を含んだ繊維シートを支持体である開孔パターンネットに押さえつけ、開孔パターンネットに対応するパターンがついた繊維シートであるために、以下の課題が生じることとなる。すなわち、パターンネットにより出来た凹凸賦型は、巻取り・スリッター等の工程により潰れ易く、嵩維持が難しく、蒸気の圧力で押えつけパターン付与しているため、エンボス同様に熱可塑性繊維等を使用しないとウエット状態で形状を維持する事が難しい。また、繊維シートを押し込んで凸凹賦型を付けていることより、見かけ上は嵩高になっているが、繊維が移動しているわけではないため、繊維密度は賦型前のシートと比べ同等か、又は部分的に高密度化している。さらに、繊維交絡のされていない繊維シートであるので、強度を保持させるために紙力増強剤等の併用が必要である。
本発明は上述の課題を解決するものである。つまり、本発明は、不織布の少なくとも2つの面のそれぞれに少なくとも2つの高圧水蒸気噴射ノズルを幅方向(CD方向)にずらして配置して用いた、嵩高性を有する不織布を製造する方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、少なくとも2つの面を有する不織布であって、その少なくとも2つの面のそれぞれの面に形成された凹凸部のパターンの位相が異なる、嵩高性を有する不織布を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の第(1)項〜第(11)項である。
(1)水分を含んだ抄紙原料を、一方向に移動するベルト上に供給して、そのベルト上に、少なくとも2つの面を有する紙層を形成する工程と、
そのベルト上に形成されたその紙層のその少なくとも2つの面のそれぞれに、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて高圧水蒸気を噴射する工程と、
を含む、不織布を製造する方法であって、
その高圧水蒸気を噴射する工程が、その第1高圧水蒸気噴射ノズルを用いてその紙層のその少なくとも2つの面のうちの一方の面に、機械方向に延在して幅方向に間欠的に並ぶ第1凹部及び第1凸部を形成し、その第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いてその紙層のその少なくとも2つの面のうちの他方の面に、機械方向に延在して幅方向に間欠的に並ぶ第2凹部及び第2凸部を形成して、その第1凹部のパターンの位相がその第2凹部のパターンの位相と異なり、かつ、その第1凸部のパターンの位相がその第2凸部のパターンの位相と異なる、工程である、
不織布を製造する方法。
(2)水分を含んだ抄紙原料を、一方向に移動するベルト上に供給して、そのベルト上に、少なくとも2つの面を有する紙層を形成する工程と、
そのベルト上に形成されたその紙層の該少なくとも2つの面のそれぞれに、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて高圧水蒸気を噴射する工程と、
を含む、不織布を製造する方法であって、
その高圧水蒸気を噴射する工程が、その第1高圧水蒸気噴射ノズルの幅方向の全長部の距離を2等分し、機械方向に平行である第1仮想中心線の位置と、その第2高圧水蒸気噴射ノズルのその幅方向の全長部の距離を2等分し、その機械方向に平行である第2仮想中心線の位置とがその幅方向で異なるように、その第1高圧水蒸気噴射ノズルをその紙層のその少なくとも2つの面のうちの一方の面方向に配置し、かつ、その第2高圧水蒸気噴射ノズルをその紙層のその少なくとも2つの面のうちの他方の面方向に配置する、工程である、
不織布を製造する方法。
(3)その高圧水蒸気を噴射する工程において、その高圧水蒸気の蒸気圧力が0.2MPa以上1.5MPa以下であって、かつ、サクションドラム又はそのベルトの吸引力が−1kPa以上である、第(1)項又は第(2)項に記載の不織布を製造する方法。
(4)その高圧水蒸気を噴射する工程後のその紙層の水分率が0%以上40%以下であって、かつ、その高圧水蒸気を噴射する工程前のその紙層の水分率より少なくとも5%低い、第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
(5)その紙層のその他方の面の蒸気圧力がその紙層のその一方の面の蒸気圧力に対して等しいか、又は大きい、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
(6)そのベルト上にその紙層を形成する工程の後に、そのベルト上に形成されたその紙層のその少なくとも2つの面のうちの一方の面に高圧水流を噴射し、その機械方向に延在し、その幅方向に間欠的に並ぶ溝部をその紙層のその一方の面に形成する工程を更に含む、第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
(7)その高圧水流を噴射する工程の後に、その高圧水流が噴射されたその紙層が10%以上45%以下の水分率になるように、その高圧水流が噴射されたその紙層を、第1回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって乾燥する工程を更に含む、第(6)項に記載の不織布を製造する方法。
(8)その高圧水蒸気が噴射されたその紙層を、第2回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって乾燥する工程と、
乾燥されたその紙層を巻き取る工程と、
を更に含み、
乾燥されたその紙層の巻き取り後のその紙層の水分率が5%以下である、
第(1)項〜第(7)項のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
(9)その高圧水蒸気が噴射されたその紙層をその第2回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって、乾燥されたその紙層の紙層嵩密度が、0.10g/cm3以下である、第(8)項に記載の不織布を製造する方法。
(10)縦方向と、その縦方向に交差して横方向と、その縦方向及びその横方向に対して垂直をなす厚さ方向と、その厚さ方向に対して垂直をなす一方の面と、その一方の面に対してその厚さ方向に対向する他方の面と、その一方の面に形成される、その縦方向に延在してその横方向に間欠的に並ぶ第1凹部及び第1凸部と、その他方の面に形成される、その縦方向に延在してその横方向に間欠的に並ぶ第2凹部及び第2凸部と、
を有する不織布であって、
該第1凹部と該第2凹部とが互いに幅方向にずれて該一方の面及び該他方の面のそれぞれに位置し、かつ、該第1凸部と該第2凸部とが互いに幅方向にずれて該一方の面及び該他方の面のそれぞれに位置する、
不織布。
(11)DRYのカンチレバー評価数値が機械方向及び幅方向で100mm以下である、第(10)項に記載の不織布。
本発明によれば、不織布の少なくとも2つの面のそれぞれに少なくとも2つの高圧水蒸気噴射ノズルを幅方向(CD方向)にずらして配置して用いた、嵩高性を有する不織布を製造する方法が提供される。さらに、本発明によれば、少なくとも2つの面を有する不織布であって、その少なくとも2つの面のそれぞれの面に形成された凹凸部のパターンの位相が異なる、嵩高性を有する不織布が提供される。
図1は、本発明による不織布を製造する方法の1実施態様で使用する不織布製造装置を示す図である。 図2は、本発明による不織布を製造する方法で用いられる第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを使用して、高圧水蒸気を紙層の表面と裏面とに噴射することを示す1例の図である。 図3は、本発明による不織布を製造する方法で用いられる高圧水流ノズルのノズルパターン並びに紙層の裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン及び紙層の表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンを示す1例の図である。 図4は、本発明による不織布を製造する方法の1実施態様の製造過程を断面模式的に表した図である。 図5は、本発明による不織布の1実施態様を断面模式的に表した図である。 図6は、本発明による不織布を製造する方法で用いられる高圧水流ノズルのノズルパターンの1例、並びに紙層の裏面側の第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンの1例及び紙層の表面側の第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンノズルパターンの1例を示す図である。 図7は、実施例1、比較例1及び比較例2を実施して製造された不織布の表面及び裏面を示す顕微鏡写真である。
本発明による不織布を製造する方法は、水分を含んだ抄紙原料を、一方向に移動するベルト上に供給して、ベルト上に、少なくとも2つの面を有する紙層を形成する工程と、ベルト上に形成された紙層の少なくとも2つの面のそれぞれに、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて高圧水蒸気を噴射する工程とを含み、高圧水蒸気を噴射する工程が、第1高圧水蒸気噴射ノズルを用いて紙層の該少なくとも2つの面のうちの一方の面に、機械方向に延在して幅方向に間欠的に並ぶ第1凹部及び第1凸部を形成し、第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて紙層の該少なくとも2つの面のうちの他方の面に、機械方向に延在して幅方向に間欠的に並ぶ第2凹部及び第2凸部を形成して、第1凹部のパターンの位相が第2凹部のパターンの位相と異なり、かつ、第1凸部のパターンの位相が第2凸部のパターンの位相と異なる工程であることを特徴とする、不織布を製造する方法である。
また、本発明による不織布を製造する方法は、水分を含んだ抄紙原料を、一方向に移動するベルト上に供給して、そのベルト上に、少なくとも2つの面を有する紙層を形成する工程と、ベルト上に形成されたその紙層の該少なくとも2つの面のそれぞれに、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて高圧水蒸気を噴射する工程と、
を含み、高圧水蒸気を噴射する工程が、その第1高圧水蒸気噴射ノズルの幅方向の全長部の距離を2等分し、機械方向に平行である第1仮想中心線の位置と、その第2高圧水蒸気噴射ノズルのその幅方向の全長部の距離を2等分し、その機械方向に平行である第2仮想中心線の位置とがその幅方向で異なるように、その第1高圧水蒸気噴射ノズルをその紙層のその少なくとも2つの面のうちの一方の面方向に配置し、かつ、その第2高圧水蒸気噴射ノズルをその紙層のその少なくとも2つの面のうちの他方の面方向に配置する、工程であることを特徴とする、不織布を製造する方法である。
紙層が有する少なくとも2つの面は、機械方向(MD方向)に対応する方向1と、方向1に交差して幅方向(CD方向)に対応する方向2と、方向1及び方向2に対して垂直をなす方向3と、方向3に対して垂直をなす一方の面と、その1つの面に対して方向3に対向する他方の面とであることが好ましい。そして、紙層が有する、その2つの面のうち、ベルトの面に接する面を紙層の裏面といい、その裏面に対して紙層の厚さ方向に対向する面を紙層の表面という。2つの面のうちの一方の面が紙層の裏面であり、かつ、2つの面のうちの他方の面が表面であってもよく、また、2つの面のうちの一方の面が紙層の表面であり、かつ、2つの面のうちの他方の面が裏面であってもよい。本発明におけるノズルとは、1又は複数の孔を有する、液体又は気体を噴出するための装置をいう。本発明におけるノズルは任意の形状でよいが、ボックス型の形状であることが好ましい。
本発明による不織布は、縦方向と、その縦方向に交差して横方向と、その縦方向及びその横方向に対して垂直をなす厚さ方向と、その厚さ方向に対して垂直をなす一方の面と、その一方の面に対してその厚さ方向に対向する他方の面と、その一方の面に形成される、その縦方向に延在してその横方向に間欠的に並ぶ第1凹部及び第1凸部と、その他方の面に形成される、その縦方向に延在してその横方向に間欠的に並ぶ第2凹部及び第2凸部とを有し、第1凹部と該第2凹部とが互いに幅方向にずれて一方の面及び他方の面のそれぞれに位置し、かつ、第1凸部と第2凸部とが互いに幅方向にずれて一方の面及び他方の面のそれぞれに位置する、不織布である。縦方向は機械方向(MD方向)であって、幅方向(CD方向)であることが好ましい。
本発明による不織布を製造する方法によって、裏面処理部と同じ位相で表面処理を行った場合、紙層が表裏からほぐされ低目付化し、著しい強度低下が発生すると共に、裏面処理で低目付化しているために表面処理可能な繊維量が少なく、殆ど凸凹賦型が判らない程度にしか賦型させることが出来ないので、位相をずらすことにより、著しい強度低下が防止でき、かつ、表面側でも十分な凸凹賦型を発現させる事が可能となり、そして、両面凸凹賦型の不織布製造が可能となり、また、位相をずらして高圧水蒸気処理を表裏から行うことにより、紙層全面に高圧水蒸気処理を施すことができるため、紙層水分率を効果的に低減でき、乾燥効率高める事が出来るとともに、不織布の柔軟性を高める事が可能となる。また、本発明による不織布を製造する方法によれば、位相をずらして不織布両面に大きな凸凹賦型を形成することにより、ワイプスとして使用した場合、不織布の表裏共に拭き取り性が良いワイプス製造が可能となり、また、DRYワイプス、WETワイプスとして使用する場合、表裏差が少なく嵩高で柔軟な不織布を得ることができるのでポップアップ式WETワイプスの場合、スムーズにポップアップさせるためには不織布同士の表面摩擦が重要な要素となるが、両面賦型する事により不織布同士の接触面積が低下し、スムーズにポップアップさせることが可能となる。ここで、ポップアップとは、BOXティッシュの様に1枚取り出すと、次の一枚が取り易い位置まで引き出される方式の事であって、表面摩擦が大き過ぎると一度に複数枚連なって取り出されてしまう減少が発生する。
また、本発明による不織布を製造する方法によれば、紙層形成後、高圧水流処理により繊維を交絡させて紙層の強度を持たせた後、搬送コンベアへの搬送工程、脱水のためのプレス工程、回転円筒状ドライヤーに紙層を搬送する工程等の紙層に圧力がかかり紙層厚みが低下する工程を通過し、少なくとも1つの回転円筒状ドライヤーを通過後、第1高圧水蒸気吹き付けノズルを用いて、高圧水流処理裏面側に高圧水蒸気を吹き付け、熱と圧力を同時に付与する事により、不織布にノズル跡をつけながら繊維を掻き分けることによって凸凹を形成し、嵩高にすると同時に繊維がほぐされて柔軟性も増大するとともに、紙層の水分率を低下させ、その後、第2高圧水蒸気吹き付けノズルを用いて、高圧水流処理面側(第1高圧水蒸気噴射ノズルによる吹き付け裏面)で、かつ、第1高圧水蒸気噴射ノズルによる吹き付け部に重ならないように高圧水蒸気を吹き付け、紙層の表裏両面に高圧蒸気吹き付けノズル跡を付けて、凸凹賦型を形成させる。高圧水流噴射面側は、繊維交絡が裏面側より強いため、繊維を掻き分け凸凹賦型させるのに必要なエネルギー量が裏面より多く必要であり、第1の高圧水蒸気噴射ノズルと第2高圧水蒸気噴射ノズルを出来るだけ近づける事により、不織布蛇行による位相ずれが発生し難くする事ができる。第2高圧水蒸気噴射ノズルが、マシン駆動方向に対し水平に移動可能であり、位相のずれが発生した場合には、調整可能である。また、高圧飽和水蒸気による凸凹形成を効率良く行うためには、繊維が動き易いように紙層が水分を含んでいる事が重要となる。水分率が低過ぎると、紙層に水素結合力が強く発生し、凸凹を形成するための高圧蒸気エネルギーが多大に必要となり、効率が著しく低下する。
しかしながら、高圧蒸気処理を行う際の紙層水分率が高いと、高圧蒸気処理で最終乾燥を兼ねている場合、高圧蒸気エネルギーが多大に必要となり、効率が著しく悪くなる。また、この時乾燥効率を高めるために、第1回転円筒状ドライヤー温度よりも高い温度の高圧蒸気を吹き付け、高圧蒸気処理後の紙層水分率を5%以上低減するとともに、紙層温度がNo.1ドライヤー出口の紙層温度と同等以上にする事により、第1回転円筒状ドライヤーでの最終乾燥効率を有効に高める事ができる。また、ある程度乾燥した(生乾き)状態での高圧蒸気処理となるため、乾燥を進めながら凸凹賦型を形成し、巻き取り時にも嵩が潰れ難い賦型状態を造る事ができる。また、通常高圧水蒸気賦型により紙層強度は低下し賦型条件によっては、強度が低くなり過ぎ、生産時に切れ等が発生し易くなるというトラブルが発生するが、本発明の不織布を製造する方法では、賦型と同時に乾燥を促進(乾燥すると水素結合力が発生)するため、賦型処理による極端な不織布強度低下が起こらず、生産性を悪化させる切れ等のトラブル発生を防ぐ事が出来る。
以下、図を参照しながら、本発明による不織布及び不織布を製造する方法について更に詳細に説明をする。なお、本発明の不織布及び不織布を製造する方法は、本発明の目的及び主旨を逸脱しない範囲で、図で表される本発明の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明による不織布を製造する方法の1実施形態で使用する不織布製造装置1を説明するための図である。繊維懸濁液などの水分を含んだ抄紙原料が原料供給ヘッド11に供給される。原料供給ヘッド11に供給された抄紙原料は、原料供給ヘッド11から紙層形成コンベア16(紙層形成ベルトともいう)の紙層形成ベルト上に供給され、紙層形成ベルト上に堆積する。紙層形成ベルトは、蒸気が通過可能な通気性を有する支持体であることが好ましい。たとえば、ワイヤーメッシュ、毛布などを紙層形成ベルトとして使用できる。
原料供給ヘッド11に供給された抄紙原料に用いる繊維として、たとえば繊維長20mm以下の短繊維が好ましい。このような短繊維には、たとえば針葉樹や広葉樹の化学パルプ、半化学パルプ及び機械パルプなどの木材パルプ、これら木材パルプを化学処理したマーセル化パルプ及び架橋パルプ、麻や綿などの非木材系繊維並びにレーヨン繊維などの再生繊維のようなセルロース系繊維、並びにポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維のような合成繊維などが挙げられる。抄紙原料に用いる繊維は、とくに木材パルプ、非木材パルプ、レーヨン繊維などのセルロース系繊維が好ましい。
紙層形成ベルト上に堆積した抄紙原料は吸引ボックス15により適度に脱水され、紙層23が形成する。紙層23は、紙層形成ベルト上に配置された2台の高圧水流ノズル12と、紙層形成ベルトを挟んで高圧水流ノズル12に対向する位置に配置された2台の吸引ボックス15との間を通過する。高圧水流ノズル12は紙増23に高圧水流を噴射する。吸引ボックス15は高圧水流ノズル12から噴射された水を吸引して回収する。高圧水流ノズル12から高圧水流が紙層23に噴射され、紙層23の表面に溝部が形成される。
高圧水流ノズル12は、紙層23の幅方向(CD)に並んだ複数の高圧水流を紙層23に向けて噴射する。その結果、紙層23の表面には、紙層23の幅方向(CD)に間欠的に並び、機械方向(MD)に延びる複数の溝部が形成される。
紙層23が高圧水流を受けると、紙層23に溝部が形成されるとともに紙層23の繊維同士が交絡し、紙層23の強度が高くなる。
高圧水流ノズル12が高圧水流を紙層23に噴射すると、高圧水流は、紙層23及び紙層形成ベルトを通過する。これにより紙層23の繊維は、高圧水流が紙層形成ベルト41を通過する所定の部分に向かって引き込まれることになる。その結果、紙層23の繊維が、高圧水流が紙層形成ベルトを通過する所定の部分に向かって集まり、これにより繊維同士が交絡することになる。
紙層23の繊維同士が交絡することにより紙層23の強度は高くなる。これにより、後の工程で、高圧水蒸気を紙層23に噴射しても、紙層23に孔が開いたり、紙層23が破れたり、及び吹き飛んだりすることが少なくなる。また、抄紙原料に紙力増強剤を添加しなくても紙層23の湿潤強度を増加させることができる。
高圧水流によって紙層23の表面に溝部が形成される。高圧水流が噴射された面の反対側の面には、紙層形成ベルトのパターンに対応するパターン(不図示)が形成される。
その後、図1に示すように、紙層23は、吸引ピックアップ17によって紙層搬送コンベア18に搬送される。さらに、紙層23は紙層搬送コンベア19に搬送され、そして、第1回転円筒状ドライヤー20に搬送される。
第1回転円筒状ドライヤー20の表面に紙層23を沿わせることによって、高圧水流が噴射された紙層23は乾燥される。第1回転円筒状ドライヤーとしては、たとえば、ヤンキードライヤーが用いられてよい。第1回転円筒状ドライヤー20は、回転する円筒状ドライヤーでよく、第1回転円筒状ドライヤー20の表面は蒸気などにより約160℃に加熱されてよい。
第1回転円筒状ドライヤー20は、好ましくは10〜45%、より好ましくは20〜40%の水分率になるように紙層23を乾燥する。ここで、水分率とは、紙層23の乾燥質量を100%としたときの紙層に含有している水の量である。
紙層23の水分率が10%よりも小さいと、紙層23の繊維間の水素結合力が強くなり、後述の高圧水蒸気によって紙層23の繊維をほぐすために必要なエネルギーが非常に高くなる場合がある。また、紙層23の水分率が10%よりも小さいと、第1回転円筒状ドライヤー20の表面への紙層23の付着力が弱くなる場合がある。
一方、紙層23の水分率が45%よりも大きくなると、後述の高圧水蒸気によって紙層23を所定の水分率以下に乾燥させるために必要なエネルギーが非常に高くなる場合がある。また、紙層23の水分率が45%よりも大きくなると、紙層中の繊維間の水素結合力が弱くなる場合がある。
次に、図1に示すように、第1回転円筒状ドライヤー20を通過した紙層23は、円筒状のサクションドラム13−1及びサクションドラム13−2のメッシュ状の外周面上に移動する。その後、図2に示すように、サクションドラム13−1の外周面の上方に配置された、第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1から高圧水蒸気が紙層23に噴射され、次に、サクションドラム13−2の外周面の下方に配置された、第2高圧水蒸気噴射ノズル14-2から高圧水蒸気が紙層23に噴射される。図1に示すように、高圧水流を噴射した面が紙層23の表面であるので、第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1が高圧水蒸気を噴射する面は紙層23の裏面であり、第2高圧水蒸気噴射ノズル14-2が高圧水蒸気を噴射する面は紙層23の表面である。第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14-2は、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の幅方向の全長部の距離を2等分し、機械方向に平行である第1仮想中心線の位置と、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の幅方向の全長部の距離を2等分し、機械方向に平行である第2仮想中心線の位置とが幅方向で異なるように互いに配置される。そして、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1は紙層23の裏面に配置されて、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2は紙層23の表面に配置される。サクションドラム13−1及びサクションドラム13−2は吸引装置を内蔵しており、第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2から噴射された高圧水蒸気は吸引装置によって吸引される。図2に示すように、第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1から噴射された高圧水蒸気によって、紙層23の裏面に、高圧水流によって形成された溝部よりも幅が大きい、凹部32及び凸部33が形成され、次に、第2高圧水蒸気噴射ノズル14-2から噴射された高圧水蒸気によって、紙層23の表面に、高圧水流によって形成された溝部よりも幅が大きい、凹部34及び凸部35が形成される。凹部32及び凸部33、並びに凹部34及び凸部35は、機械方向(MD方向)に延在して、幅方向(CD方向)に間欠的に並ぶことができる。さらに、凹部32のパターンの位相が凹部34のパターンの位相と異なり、かつ、凸部33のパターンの位相が凸部35のパターンの位相と異なる。
なお、紙層の表裏両面に高圧蒸気吹き付けノズル跡を付けて、凸凹賦型を形成させることができるならば、図1に示された不織布製造装置1の第1高圧水蒸気噴射ノズル(裏面側)及び第2高圧水蒸気噴射ノズル(表面側)の配置に限定されことはなく、例えば、第1高圧水蒸気噴射ノズルによる高圧水蒸気を紙層の裏面に噴射後、紙層自体を180度で幅方向に反転させて、第2高圧水蒸気噴射ノズルによる高圧水蒸気を紙層の表面に噴射してもよい。その場合、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルは、不織布製造装置の高圧水蒸気を噴射する工程の紙層搬送ベルト(紙層搬送路)の上方又は下方に共に配置される。
第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14-2から噴射される高圧水蒸気は、100%の水からなる水蒸気でもよいし、空気などの他の気体を含んだ水蒸気でもよい。しかし、第1高圧水蒸気噴射ノズル14-1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14-2から噴射される高圧水蒸気は、100%の水からなる水蒸気であることが好ましい。
高圧水蒸気の温度は、好ましくは105〜220℃である。これにより、高圧水蒸気を紙層23に噴射しているときも紙層23の乾燥は進み、紙層23は嵩が高くなるのと同時に乾燥する。紙層23が乾燥すると紙層23の繊維同士の水素結合が強くなるので、紙層23の強度は高くなり、紙層23の高くなった嵩はつぶれにくくなる。また、紙層23の強度は高くなることによって、高圧水蒸気の噴射により紙層23に穴が開いたり、紙層23が切れたりすることを防止できる。
図3は、高圧水流ノズルのノズルパターン41、並びに紙層23の裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42及び紙層23の表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43を示す1例の図である。高圧水流ノズルのノズルパターン、並びに第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン及び第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンはそれぞれ孔径及びノズルピッチで決定される。高圧水流ノズルのノズルパターン41は、孔が紙層の幅方向(CD)に列をなして1列に並んで配置される。高圧水流ノズルのノズルパターン41の孔径は、90〜150μmでよい。高圧水流ノズルのノズルパターン41の孔径が90μmよりも小さいと、高圧水流ノズルが詰まりやすくなる場合があり、孔径が150μmよりも大きいと、処理効率が悪くなる場合がある。
高圧水流ノズルのノズルパターン41のノズルピッチ(幅方向(CD)に隣接する2つの孔の中心間の距離)は、0.5〜1.0mmでよい。高圧水流ノズルのノズルパターン41のノズルピッチが0.5mmよりも小さいと、ノズルの耐圧が低下し、破損する場合があり、ノズルピッチが1.0mmよりも大きいと、繊維交絡が不十分となる場合がある。
図3に示すように、紙層23の裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42は、孔が紙層の幅方向(CD方向)に列をなして機械方向(MD方向)に3列に並んで配置され、紙層23の表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43は、孔が紙層の幅方向(CD方向)に列をなして機械方向(MD方向)に3列に並んで配置される。したがって、図2に示すように、紙層23の裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1によって、幅方向(CD方向)に並んだ複数の高圧水蒸気31は、機械方向(MD方向)に3列に並ぶ。そして、紙層23の表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2によって、幅方向(CD方向)に並んだ複数の高圧水蒸気31は、機械方向(MD方向)に3列に並ぶ。なお、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42及び第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43の幅方向(CD方向)に列をなした3つの孔列が機械方向(MD方向)に並ぶ列の数は、3つに限定されず、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。また、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1又は第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2を、機械方向(MD方向)に並べることによって、幅方向(CD方向)に列をなした複数の孔列を機械方向(MD方向)に列をなすように並べてもよい。なお、幅方向(CD方向)に列をなした複数の孔列が、機械方向(MD方向)に複数で列をなすように孔を配置することによって、凹凸部を紙層に確実に形成させて、これにより、紙層の嵩を確実に高めてもよい。
図3に示すように、裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42の孔径は200μm〜600μmであることが好ましい。第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42の孔径が200μmよりも小さいと、処理エネルギー不足で凸凹賦型が出来難くなるという場合があり、孔径が600μmよりも大きいと、エネルギー量が大きくなり過ぎ紙層が破れるという場合がある。
図3に示すように、裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42のノズルピッチ(幅方向(CD方向)に隣接する2つの孔の中心間の距離←定義づけをしています。)は、3mm〜20mmであることが好ましい。図3に示すように、ノズルピッチは一定の距離でもよいし、図3に示すのと異なり、ノズルピッチは一定の距離でなくてもよい。ノズルピッチが3mmよりも小さいと、全面処理に近い状態となり、表裏で位相差が付けられないという場合があり、ノズルピッチが20mmよりも大きいと、凸凹賦型間距離が広くなり過ぎ、嵩が潰れ易くなるという場合がある。
図3に示すように、表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43の孔径は200μm〜600μmであること好ましい。第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43の孔径が200μmよりも小さいと、処理エネルギー不足で凸凹賦型が出来難くなるという場合があり、孔径が600μmよりも大きいと、エネルギー量が大きくなり過ぎ紙層が破れるという場合がある。
図3に示すように、表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43のノズルピッチ(幅方向(CD方向)に隣接する2つの孔の中心間の距離)は、3mm〜20mmであることが好ましい。図3に示すように、ノズルピッチは一定の距離でもよいし、図3に示すのと異なり、ノズルピッチは一定の距離でなくてもよい。ノズルピッチが3mmよりも小さいと、全面処理に近い状態となり、表裏で位相差が付けられないという場合があり、ノズルピッチが20mmよりも大きいと、凸凹賦型間距離が広くなり過ぎ、嵩が潰れ易くなるという場合がある。
図3に示すように、上記で述べた第1仮想中心線の位置と第2仮想中心線の位置とが幅方向(CD方向)で異なるように、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42と第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43とが配置される。すなわち、図3に示すように、第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43は、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42に対して、機械方向(MD方向)に向かって、幅方向(CD方向)に左側にずれるように配置される。図示はされていないが、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン及び第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンが同じならば、すなわち、第1高圧水蒸気噴射ノズルの孔径と第2高圧水蒸気噴射ノズルの孔径とが同じ大きさであって、かつ、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンのノズルピッチと第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンのノズルピッチとが同じであるならば、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンに対して第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンが機械方向に向かって幅方向の左側又は右側に、たとえずれていたとしても、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンの孔と第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターンの孔とが機械方向に向かって一直線上に並ぶ場合には、第1高圧水蒸気噴射ノズルによって形成される第1凹部のパターンの位相と第2高圧水蒸気噴射ノズルによって形成される第2凹部のパターンの位相とが同じであって、かつ、第2高圧水蒸気噴射ノズルによって形成される第1凸部のパターンの位相と第2高圧水蒸気噴射ノズルによって形成される第2凸部のパターンの位相とが同じである場合がある。
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2から噴射される高圧水蒸気の蒸気圧力は、好ましくは0.2〜1.5MPaである。高圧水蒸気の蒸気圧力が0.2MPaよりも小さいと、紙層23の嵩が、高圧水蒸気31によってあまり高くならない場合がある。また、高圧水蒸気の蒸気圧力が1.5MPaよりも大きいと、紙層23に孔が開いたり、紙層23が破れたり、及び吹き飛んだりする場合がある。
紙層23に高圧水蒸気31が噴射されると、まず、裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1による噴射によって、紙層23全体の繊維がほぐれ、紙層23の裏面側の嵩は高くなり、そして、表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2による噴射によって、紙層23全体の繊維がほぐれ、紙層23の表面側の嵩は高くなる。裏面側の嵩と表面側の嵩とは幅方向(CD方向)でずれる。これにより、紙層23の柔軟性が高まり、紙層23の触感が改善される。
裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1が高圧水蒸気31を噴射すると、高圧水蒸気31はサクションドラム13−1にあたる。表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2が高圧水蒸気31を噴射すると、高圧水蒸気31はサクションドラム13−2にあたる。高圧水蒸気31は、大部分はサクションドラム13−1及び13−2にはね返される。これにより紙層23の繊維は、巻き上がり、そしてほぐされる。そして、ほぐされた紙層23の繊維は、高圧水蒸気31によってかき分けられる。結果として、紙層23に、裏面側に配置される第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の噴射よって、凹部32及び凸部33が形成され、表面側に配置される第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の噴射よって、凹部34及び凸部35が形成される。かき分けられた繊維は、高圧水蒸気31が紙層23にあたる所定の部分の幅方向側に移動して集まり、紙層23の嵩が高くなる。また、紙層23に含まれる水分は、高圧水蒸気31の熱により蒸発し、紙層23から除去される。これにより、紙層23の乾燥が進む。
本発明による不織布の製造方法では、紙層の嵩を高くするために、高圧水蒸気によって紙層に凹凸部を形成する。したがって、高圧水蒸気によってかき分けられる繊維の量を多くするために、高圧水蒸気によって形成された凹部の幅は、高圧水流によって形成された凹部の幅よりも大きくなる。
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2から噴射された高圧水蒸気を吸引する、サクションドラム13−1及び13−2に内蔵された吸引装置又はベルトにより、サクションドラム13−1及び13−2、又はベルトが紙層23を吸引する吸引力は、好ましくは−1〜−12kPaである。サクションドラム13−1及び13−2、又はベルトの吸引力が−1kPaよりも小さいと蒸気を吸いきれず吹き上がりが生ずる場合がある。また、サクションドラム13−1及び13−2、又はベルトの吸引力が−12kPaよりも大きいとサクション内への繊維脱落が多くなる場合がある。
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の先端と紙層23との上面との間の距離、及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の先端と紙層23との上面との間の距離は、好ましくは1.0〜10mmである。第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の先端と紙層23との上面との間の距離、及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の先端と紙層23との上面との間の距離が1.0mmよりも小さいと、紙層23に孔が開いたり、紙層23が破れたり、吹き飛んだりする場合がある。また、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の先端と紙層23との上面との間の距離、及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の先端と紙層23との上面との間の距離が10mmよりも大きいと、高圧水蒸気における紙層23の表面に凹凸部を形成するための力が分散してしまい、紙層23の表面に凹凸部を形成する能率が悪くなる場合がある。
高圧水蒸気を噴射する工程後の紙層23の水分率は、好ましくは0%以上40%以下であり、より好ましくは0%以上35%以下であり、さらに好ましくは0%以上30%以下である。高圧水蒸気を噴射した後の紙層23の水分率が40%よりも大きいと、後述の第2回転円筒状ドライヤーによる乾燥によって紙層23の水分率を5%以下にすることが難しい場合がある。この場合、さらに追加の乾燥が必要であり、不織布の製造効率が悪くなる。
その後、図1に示すように、第1回転円筒状ドライヤー20とは別の第2回転円筒状ドライヤー22に紙層23は搬送される。第2回転円筒状ドライヤー22は、高圧水蒸気を噴射した紙層23を、最終製造物である不織布になるまで乾燥する。第2回転円筒状ドライヤー22には、たとえば、ヤンキードライヤーが用いられる。第2回転円筒状ドライヤー22は、蒸気により約150℃に加熱されて、第2回転円筒状ドライヤーの表面に紙層23を沿わせることによって、紙層23を乾燥させる。
第2回転円筒状ドライヤー22を通過した後の紙層23は十分に乾燥されていることが必要である。具体的には、第2回転円筒状ドライヤー22を通過した後の紙層23の水分率は、好ましくは5%以下である。なお、高圧水蒸気を噴射した直後の紙層23の水分率が5%以下である場合、高圧水蒸気を噴射した紙層23を、第2回転円筒状ドライヤー22などを使用して乾燥しなくてもよい。
第2回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって乾燥された紙層の紙層嵩密度は、0.10g/cm3以下であることが好ましく、0.08g/cm3以下であることがより好ましく、0.07g/cm3以下であることが更に好ましい。
乾燥した紙層23(不織布)は、巻き取り機21に巻き取られて、不織布を得る。
図4は、本発明による不織布を製造する方法の1実施態様の製造過程を断面模式的に表した図である。図4(a)に示すように、紙層23が形成され、高圧水流噴射により紙層23中の繊維同士が交絡し、この時、表面側(高圧水流噴射面)の方がより交絡が進んだ紙層が形成される。さらに、表面側(高圧水流噴射面)には、高圧水流の通った跡が筋状に細かな凸凹賦型として発生し、紙層23の裏面は極僅かに凹凸が発生する。
図4(b)に示すように、表面側(高圧水流噴射面)を第1回転円筒状ドライヤー(130℃以上)に接触させることにより、紙層23の持つ水分率を45%以下になるように一次乾燥させる。
図4(c)に示すように、第1回転円筒状ドライヤーで水分率が45%以下になるように調整された紙層23の裏面側に先ず、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1にて高圧水蒸気(160℃以上)を吹付けて、蒸気圧力にて瞬間的に紙層を部分的にほぐすと同時に、紙層23中の吹付け部の水分率をほぼ均一に5%以上減らし、水分率が40%以下になるように調整する。
図4(d)に示すように、第1高圧水蒸気噴射ノズルによって形成された凹凸部のパターンの位相と幅方向(CD方向)に位相差が出るように配置された第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2によって、高圧水蒸気(175℃以上)を吹付けて、蒸気圧力にて瞬間的に紙層を部分的にほぐすと同時に、紙層の蒸気吹付け部の水分率を5%以上減らし、紙層23の水分率が、35%以下になるように調整する。
図4(e)に示すように、高圧水蒸気の吹付けにて、乾燥し切れなかった水分を有する紙層23は、第2回転円筒状ドライヤー(160℃以上)にて紙層の水分率が5%以下になるように加熱乾燥されて巻き取られる。
紙層23の表裏両面に効率良く大きな凸凹形状賦型を発現させる為に、裏面賦型と表面賦型の位相をずらした2段階で行い、繊維交絡のより強力な表面は、裏面よりも高い蒸気圧又はノズルパターンの孔列数を多くし、蒸気量を増やす事により表裏差の少ない両面凸凹賦型不織布を製造する事が出来る。また、結果的に高圧蒸気によるほぐしを紙層全面で行うことにより、ほぼ均一に水分率低下が起こり、水分率ムラが低減する事により、乾燥効率も良くなり、全体的に嵩高な不織布を効率良く製造することが可能となる。
図5は本発明による不織布の1実施態様を断面模式的に表した図である。図5に示すように、不織布5の裏面側には、第1凹部51及び第1凸部52が形成されて、不織布5の表面側には、第1凹部53及び第1凸部54が形成される。図5に示すように、第1凹部と第2凹部とが互いに幅方向(CD方向)にずれて一方の面及び他方の面のそれぞれに位置し、かつ、第1凸部と該第2凸部とが互いに幅方向(CD方向)にずれて一方の面及び該他方の面のそれぞれに位置する。
本発明による不織布はDRYのカンチレバー評価数値が機械方向及び幅方向で100mm以下であることが好ましく、100mm以下であることがより好ましい。
以上のように作製した不織布を所定寸法に裁断することによって、この不織布を乾燥ワイプスとして使用することができる。また、以上のように作製した不織布を所定寸法に裁断し、所定量の薬液を裁断した不織布に含浸させることによって、この不織布を湿潤ワイプスとして使用することができる。
以下、本発明をより具体的に説明するための実施例を提供する。なお、本発明は、その目的及び主旨を逸脱しない範囲で以下の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例1〜4及び比較例1〜5で用いた評価方法及び測定方法について説明をする。高圧水蒸気吹付け前紙層水分率、高圧水蒸気吹付け後紙層水分率、巻き取り後紙層水分率、紙層目付、乾燥厚み、密度、乾燥(DRY)引張強度、乾燥(DRY)引張伸度、湿潤(WET)引張強度、湿潤(WET)引張伸度、高圧水蒸気噴射面における汚れ除去率、並びに高圧水流噴射面及び高圧水蒸気噴射面における汚れ除去率を、以下のように、20℃の温度及び60%の相対湿度の環境下で測定をした。
(高圧水蒸気吹付け前紙層水分率)
第1回転円筒状ドライヤー20で乾燥した紙層を30cm×30cmのサイズにサンプリングし、第1回転円筒状ドライヤー20の出口重量(W1)を測定し、その後サンプル片を105℃の恒温槽に1時間静置し絶乾させたのち重量(D1)を測定する。高圧水蒸気吹付け前紙層水分率は、N=10での測定値の平均値である。
高圧水蒸気吹付け前紙層水分率=(W1−D1)/W1×100(%)
(高圧水蒸気吹付け後紙層水分率)
1つのサクションドラム13上で1台の揺動型高圧水蒸気ノズル14から紙層に高圧水蒸気を噴射した紙層を30cm×30cmのサイズにサンプリングし、揺動型高圧水蒸気ノズル14通過後の重量(W2)を測定し、その後サンプル片を105℃の恒温槽に1時間静置し絶乾させたのち重量(D2)を測定する。高圧水蒸気吹付け後紙層水分率は、N=10での測定値の平均値である。
高圧水蒸気吹付け後紙層水分率=(W2−D2)/W2×100(%)
(巻き取り後紙層水分率)
第2回転円筒状ドライヤー22を通過し、巻き取られた紙層を30cm×30cmのサイズにサンプリングし、巻き取り後の重量(W3)を測定し、その後サンプル片を105℃の恒温槽に1時間静置し絶乾させたのち重量(D3)を測定する。巻き取り後紙層水分率は、N=10での測定値の平均値である。
巻き取り後紙層水分率=(W3−D3)/W3×100(%)
(紙層目付)
紙層の目付は、巻き取り時紙層水分率を測定した際の絶乾サンプル重量(D3)より算出した。紙層目付は、N=10での測定値の平均値である。
(乾燥厚み)
15cm2の測定子を備えた厚み計((株)大栄化学精器製作所製 型式FS-60DS)を使用して、3g/cm2の測定荷重の測定条件で、製造した不織布の厚みを測定した。1つの測定用試料について3ヶ所の厚みを測定し、3ヶ所の厚みの平均値をプレス前乾燥厚みとした。
(密度)
乾燥嵩密度は、紙層目付と、上述のプレスの後の紙層の乾燥厚みより算出した。
(乾燥(DRY)引張強度)
製造した不織布から、長手方向が紙層の機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向が紙層の幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製した。機械方向及び幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ 型式AGS-1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張強度を測定した。機械方向及び幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張強度の平均値を機械方向及び幅方向の乾燥(DRY)引張強度とした。
(乾燥(DRY)引張伸度)
製造した不織布から、長手方向が紙層の機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向が紙層の幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製した。機械方向及び幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ 型式AGS-1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張伸度を測定した。ここで、引張伸度とは、引張試験機で測定用試料を引っ張ったときの最大の伸び(mm)をつかみ間距離(100mm)で割り算した値である。機械方向及び幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張伸度の平均値を機械方向及び幅方向の乾燥(DRY)引張伸度とした。
(湿潤(WET)引張強度)
製造した不織布から長手方向が紙層の機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向が紙層の幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製し、測定用試料の質量の2.5倍の水を測定用試料に含浸させた(含水倍率、250%)。そして、機械方向及び幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ 型式AGS-1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張強度を測定した。機械方向及び幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張強度の平均値を機械方向及び幅方向の湿潤(WET)引張強度とした。
(湿潤(WET)引張伸度)
製造した不織布から長手方向が紙層の機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向が紙層の幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製し、測定用試料の質量の2.5倍の水を測定用試料に含浸させた(含水倍率、250%)。そして、機械方向及び幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ 型式AGS-1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張伸度を測定した。機械方向及び幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張伸度の平均値を機械方向及び幅方向の湿潤(WET)引張伸度とした。
(高圧水流噴射面の裏面及び高圧水蒸気噴射面における汚れ除去率)
以下の手順で不織布の高圧水蒸気を噴射した面(高圧水蒸気噴射面)における汚れ除去率を測定した。不織布は水分率300%(対不織布(基材質量))になるように蒸留水を含浸したWETワイプスを用いた。
(1)12.6重量%のカーボンブラック(Carbon Black、米山薬品工業(株)製)、20.8重量%の牛脂極度硬化油(日本油脂(株)製)及び66.6重量%の流動パラフィン(ナカライテスク(株)製)を含む模擬汚れペーストを作製した。汚れペースト:ヘキサン(ナカライテスク(株)製)が重量比で85:15になるように、模擬汚れペーストをヘキサンで希釈し、模擬汚れ剤を作製した。
(2)プレパラート上に模擬汚れ剤を0.05ml滴下し、20℃の温度及び60%の湿度の条件の雰囲気中で、模擬汚れ剤を滴下したプレパラートを24時間乾燥した。
(3)乾燥後、スキャナー(Calario GT-750、Epson社製)を使用して、原稿種:フィルム、タイプ:ポジフィルム、イメージ:16bitグレー、品質:画質優先、解像度:1200dpi、原稿サイズ:68.6×237mm、出力:等倍の条件でプレパラートの画像を取り込み、取り込んだ画像の画像データから、プレパラートの模擬汚れ剤が付着している部分のうちの16.9mm×16.9mmの範囲の色味を算出した。ここで、色味を以下のように算出した。所定のしきい値を設定して調補正で取り込んだ画像を2階調化した。汚れが付着している部分の階調が0(黒)、汚れが付着していない部分の階調が255(白)になるように、2階調化するためのしきい値を設定した。そして、エクセル2007(Microsoft社製)を使用して横軸が階調、縦軸が頻度のヒストグラムを作成した。0の階調の頻度を色味とした。
(4)不織布によるプレパラートに付着した模擬汚れ剤の拭き取りは、プラスチックフィルム−及びシート−摩擦係数試験方法(JIS−K−7125:1999)を応用して実施した。製造した不織布から140×190mmのサイズの測定用試料をサンプリングし、摩擦係数測定装置(テスター産業株式会社製)のテーブルに、高圧水蒸気噴射面が上になるように測定用試料を取り付けた。このとき、滑り片の移動方向が、測定用試料が拭き取る方向(機械方向(MD)または幅方向(CD))なるように測定用試料を配置した。模擬汚れ剤が付着した面が測定用試料と接触するように、模擬汚れ剤が付着したプレパラートを、測定用試料の上に載せた後、プレパラートの模擬汚れ剤が付着した面の反対側の面に滑り片及びロードセルを取り付けた。そして、150mm/分の送り速度及び60g荷重の条件で摩擦係数測定を1回行うことによって、プレパラートに付着した模擬汚れ剤を測定用試料で拭き取った。
(5)プレパラートに付着した模擬汚れ剤を拭き取った後、上述のスキャナーを使用して同一の条件でプレパラートの画像を取り込み、取り込んだ画像の画像データから、模擬汚れ剤を拭き取る前のプレパラートにおいて色味を算出した範囲と同じ範囲の色味を算出した。
(6)プレパラートに付着した模擬汚れ剤を拭き取る前の色味からプレパラートに付着した模擬汚れ剤を拭き取った後の色味を引き算し、プレパラートに付着した模擬汚れ剤を拭き取る前の色味でその値を割り算することによって色味の変化率を算出した。この値を測定用試料の汚れ除去率とした。測定用試料の拭き取り性がよいと、プレパラートに付着した模擬汚れ剤は測定用試料によってきれいに拭き取られるので、色味の変化率、すなわち汚れ除去率は大きくなる。一方、測定用試料の拭き取り性が悪いと、測定用試料によって模擬汚れ剤を拭き取ったプレパラートには模擬汚れ剤が多く残っているので、色味の変化率、すなわち汚れ除去率は小さくなる。このように汚れ除去率の値によって、測定用試料の汚れを拭く取る能力を評価することができる。3つの測定用試料について、汚れ除去率を測定し、その平均値をその測定用試料の汚れ除去率とした。
(高圧水流噴射面及び高圧水蒸気噴射面、高圧水流噴射面、高圧水流噴射面の裏面、並びに高圧水蒸気噴射面における汚れ除去率)
摩擦係数測定装置のテーブルに、高圧水流噴射面(高圧水流を噴射した面)及び高圧水蒸気噴射面、高圧水流噴射面、高圧水流噴射面の裏面、並びに高圧水蒸気噴射面が上になるように測定用試料を取り付けた以外、高圧水蒸気噴射面における汚れ除去率と同じ方法で高圧水流噴射面及び高圧水蒸気噴射面における汚れ除去率を測定した。
(DRYカンチレバー)
カンチレバー形試験装置を用いた。まず、25mm×約150mmの試験片を、縦方向及び横方向にそれぞれ5枚採取した。サンプル表面の短辺をカンチレバー形試験装置の端部に平行にあわせておき、木製のさしで軽く押さえながらずらして行き、自重で折れ曲がったとき、折れ曲がった方の長さを測定する(単位 :(整数値)mm)。次いで、それぞれの表裏を測定し、平均値をとった。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜5について詳細に説明する。
(実施例1)
本発明による不織布を製造する方法の1実施形態で使用する不織布製造装置1を使用して不織布を製造した。70質量%の針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、繊度が1.1dtexであり、繊維長が7mmである30質量%のレーヨン(ダイワボウレーヨン(株)製、コロナ)とを含む抄紙原料を作製した。そして、原料ヘッドを使用して紙層形成ベルト(日本フィルコン(株)製 OS80)上に抄紙原料を供給し、吸引ボックスを使用して抄紙原料を脱水して紙層を形成した。このときの紙層の紙層水分率は80%であった。その後、2台の高圧水流ノズルを使用して高圧水流を紙層に噴射した。2台の高圧水流ノズルを使用して紙層に噴射した高圧水流の高圧水流交絡処理エネルギーは0.2846kW/m2であった。ここで、高圧水流エネルギーは下記の式から算出される。
高圧水流交絡処理エネルギー(kW/m2)=1.63×噴射圧力(kg/cm2)×噴射流量(m3/分)/処理速度(M/分)/60
ここで、噴射流量(立方M/分)=750×オリフィス開孔総面積(m2)×噴射圧力(kg/cm2)0.495である。
また、高圧水流ノズルの先端と紙層の上面との間の距離は10mmであった。図5に示すように、高圧水流ノズルのノズルパターン41は、孔径が92μmであり、ノズルピッチが0.5mmであった。
紙層は、2台の紙層搬送コンベアに搬送された後、約130℃に加熱された第1回転円筒状ドライヤー20(ヤンキードライヤー)に搬送されて、乾燥された。この第1回転円筒状ドライヤー20(ヤンキードライヤー)におけるライン速度は70であった。紙層が有する水分率は40%であった。
次に、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面の反対の面、すなわち紙層23の裏面に噴射し、次いで、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面に噴射した。このときの高圧水蒸気の蒸気圧力は紙層の裏面側で0.5MPaであり、紙層の表面側で0.7MPaであった。蒸気温度(高圧水蒸気吹付けノズル温度)は、紙層の裏面側で160℃であり、紙層の表面側で175℃であった。また、蒸気ノズルの先端と紙層の上面との間の距離はともに2.0mmであった。図5に示すように、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42及び第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43は、孔が紙層23の幅方向(CD方向)に列をなして機械方向(MD方向)に3つの孔列を備えて配置されて、孔径が500μmであり、ノズルピッチが一定の4mmであった。また、図5に示すように、第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43は、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42に対して、機械方向(MD方向)に向かって、幅方向(CD方向)に左側にずれており、そのずれの位相差は2mmであった。サクションドラム13−1及び13−2が紙層を吸引する吸引力は、−5kPaであった。サクションドラムの外周にはステンレス製の18メッシュ開孔スリーブを使用した。紙層23の水分率を5%以上減らして紙層が有する水分率を35%であった。
そして、紙層は、約160℃に加熱した第2回転円筒状ドライヤー22(ヤンキードライヤー)に搬送され、乾燥した。第2回転円筒状ドライヤー22(ヤンキードライヤー)におけるライン速度は70m/分(←よろしいでしょうか?)であった。乾燥後の紙層が有する水分率は5%であった。以上より、不織布を得た。
(実施例2)
第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の蒸気圧力を0.5MPaとした点を除いて、実施例1と同様な製造方法で、不織布を得た。
(実施例3)
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の蒸気圧力を0.8MPaとし、孔径を400μmとした点を除いて、実施例1と同様な製造方法で、不織布を得た。
(実施例4)
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面に噴射し、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面の反対の面、すなわち紙層23の裏面に噴射し、さらに、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−2の蒸気圧力を0.7MPaとし、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の蒸気圧力を0.5MPaとした点を除いて、実施例1と同様な製造方法で、不織布を得た。
(実施例5)
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1の蒸気圧力を0.4MPaとし、第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42の孔を紙層23の幅方向(CD方向)に列をなして機械方向(MD方向)に2列を備えて配置して、孔径を500μmにし、ノズルピッチを2.0mmの一定ピッチとし、さらに、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−1の蒸気圧力を0.5MPaとし、第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43の孔を紙層23の幅方向(CD方向)に列をなして機械方向(MD方向)に2列を備えて配置して、孔径を500μmにし、ノズルピッチを2.0mmの一定ピッチとした点を除いて、実施例1と同様な製造方法で、不織布を得た。
(実施例6)
第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面に噴射し、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面の反対の面、すなわち紙層23の裏面に噴射した点を除いて、実施例1と同様な製造方法で不織布を得た。
(比較例1)
高圧水蒸気を噴射する工程を経なかった点を除いて(高圧水蒸気を噴射しなかった点を除いて)、実施例1と同様な製造方法で不織布を得た。
(比較例2)
第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2を使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面に噴射しなかった点(第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1のみを使用して高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面の反対の面、すなわち紙層23の裏面に噴射した点)を除いて、実施例1と同様な製造方法で不織布を得た。
(比較例3)
第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン42と第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン43とはずれておらず、位相差が0mmであった点を除いて、実施例1と同様な製造方法で不織布を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜3の製造条件を表1に示す。
実施例1〜6及び比較例1〜3における、高圧水蒸気吹付け前紙層水分率、高圧水蒸気吹付け後紙層水分率、巻き取り後紙層水分率、紙層目付、乾燥厚み、密度、乾燥(DRY)引張強度、乾燥(DRY)引張伸度、湿潤(WET)引張強度、湿潤(WET)引張伸度、及びDRYカンチレバーの測定結果を表2に示す。
実施例1、比較例1及び比較例2における汚れ除去率の測定結果を表3に示す。
(評価結果)
実施例1〜6で得られた不織布は、裏面の凹部のパターンの位相が表面の凹部のパターンの位相と異なり、かつ、裏面の凸部のパターンの位相が表面の凸部のパターンの位相と異なるため、嵩高性を有し、柔軟性を有し、かつ、強度性を有し、優れた拭き取り性を有し、さらに、優れたポップアップ性(ハンドリング性)を有することがわかった。
実施例1〜6で得られた不織布を比較例1〜3で得られた不織布のそれぞれと比較した。実施例1〜6で得られた不織布は、比較例1で得られた不織布に対して、嵩高性を有することが確認できた。比較例1で得られた不織布は、高圧水流交絡による細かなノズルスジ跡の小さな凸凹が賦型されているが、繊維同士の交絡を進めるだけに留まった。実施例1〜6で得られた不織布は、比較例2で得られた不織布に対して、嵩高性を有することが確認できた。比較例2で得られた不織布は、紙層の裏面のみに高圧水蒸気を吹付けているため、嵩高効果性がやや低く、凹凸部による賦型状態の表面と裏面との差が、実施例1〜6で得られた不織布に対してやや大きくなった。実施例1〜6で得られた不織布は、比較例3で得られた不織布に対して、強度性及び嵩高性を有することがわかった。すなわち、実施例1〜6で得られた不織布は、紙層の表面の凹部のパターンの位相が裏面の凹部のパターンの位相と異なり、かつ、紙層の表面の凸部のパターンの位相が裏面の凹部のパターンの位相と異なっているのに対して、比較例3で得られた不織布は、紙層の表面の凹部のパターンの位相が裏面の凹部のパターンの位相と同じであり、かつ、紙層の表面の凸部のパターンの位相が裏面の凹部のパターンの位相と同じであるため、実施例1〜6で得られた不織布に対して、強度性が著しくなく、また嵩出し効果性も低かった。
実施例1で得られた不織布を、実施例2〜6で得られた不織布のそれぞれと比較した。
実施例2では、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の蒸気圧力が0.5MPaであるのに対して、実施例1では、第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2の蒸気圧力が0.7MPaであるため、水流交絡面である紙層の表面の繊維をよくほぐし、実施例1で得られた不織布は、実施例2で得られた不織布に対してより嵩高性を有していることがわかった。実施例3では、第1高圧水蒸気噴射の孔径を400μmとしているが、蒸気圧力を0.8MPaで高圧としているため、実施例3で得られた不織布は、実施例1で得られた不織布と同等の嵩高性を有した。実施例4では、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1を使用して0.7MPaの蒸気圧力の高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面に噴射ているので、嵩が出て緩衝効果により、続く紙層裏面の中圧(0.5MPa)処理時に、嵩出しの効率性が実施例1に比べて、やや低下していると考えられる。実施例5では、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1及び第2高圧水蒸気噴射ノズル14−2のノズルのノズルピッチ2mmであるため、不織布の表裏全面吹付けなり不織布への負荷が実施例1で得られた不織布に比べてやや大きくなり、強度がやや低下する。実施例6では、第1高圧水蒸気噴射ノズル14−1を使用して、蒸気圧力が0.5MPaの高圧水蒸気を、高圧水流が噴射された紙層23の表面に噴射しているので、紙層表面の繊維交絡をほぐせず、実施例1で得られた不織布に比べて、嵩出し効果及び柔軟効果がやや低かった。
比較例1及び比較例2で得られた不織布に対する実施例1で得られた不織布の汚れ除去率の結果は、表3から明らかなように、実施例1で得られた不織布の表面及び裏面とも汚れ除去率が高く、拭き取り性が良好であった。
図7は、実施例1で得られた不織布、比較例1で得られた不織布及び比較例2で得られた不織布の表面及び裏面を示す顕微鏡写真である。実施例1で得られた不織布は、不織布の表面及び裏面で高圧水蒸気の吹付け部が重ならない様に位相がずれているので、両面に凸凹賦型が発現して、表面及び裏面の凹凸差が少ないことが理解できる。一方、比較例1で得られた不織布は、表面への高圧水流噴射のみのため、表面側における高圧水流ノズル跡と裏面側におけるノズル跡とワイヤーパターンとで、不織布の表面及び裏面の凹凸差が大きい。比較例1で得られた不織布は、不織布の裏面側の高圧水蒸気吹付け面は大きく凸凹賦型が出来ているが、不織布の裏面側はあまり賦型せず、表面及び裏面の凹凸差が大きいことが理解できる。
1 不織布を製造する装置
5 不織布
11 原料供給ヘッド
12 高圧水流ノズル
13−1 第1サクションドラム
13−2 第2サクションドラム
14−1 第1高圧水蒸気噴射ノズル
14−2 第2高圧水蒸気噴射ノズル
15 吸引ボックス
16 紙層形成コンベア
17 吸引ピックアップ
18 第1紙層搬送コンベア
19 第2紙層搬送コンベア
20 第1回転円筒状ドライヤー
21 巻き取り機
22 第2回転円筒状ドライヤー
23 紙層
31 高圧水蒸気
32 凹部
33 凸部
34 凹部
35 凸部
41 高圧水流ノズルのノズルパターン
42 第1高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン
43 第2高圧水蒸気噴射ノズルのノズルパターン
51 第1凹部
52 第1凸部
53 第2凹部
54 第2凸部

Claims (9)

  1. 水分を含んだ抄紙原料を、一方向に移動するベルト上に供給して、該ベルト上に、少なくとも2つの面を有する紙層を形成する工程と、
    該ベルト上に形成された該紙層の該少なくとも2つの面のそれぞれに、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて高圧水蒸気を噴射する工程と、
    を含む、不織布を製造する方法であって、
    該高圧水蒸気を噴射する工程が、該第1高圧水蒸気噴射ノズルを用いて該紙層の該少なくとも2つの面のうちの一方の面に、機械方向に延在して幅方向に間欠的に並ぶ第1凹部及び第1凸部を形成し、該第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて該紙層の該少なくとも2つの面のうちの他方の面に、機械方向に延在して幅方向に間欠的に並ぶ第2凹部及び第2凸部を形成して、該第1凹部のパターンの位相が該第2凹部のパターンの位相と異なり、かつ、該第1凸部のパターンの位相が該第2凸部のパターンの位相と異なる、工程である、
    不織布を製造する方法。
  2. 水分を含んだ抄紙原料を、一方向に移動するベルト上に供給して、該ベルト上に、少なくとも2つの面を有する紙層を形成する工程と、
    該ベルト上に形成された該紙層の該少なくとも2つの面のそれぞれに、第1高圧水蒸気噴射ノズル及び第2高圧水蒸気噴射ノズルを用いて高圧水蒸気を噴射する工程と、
    を含む、不織布を製造する方法であって、
    該高圧水蒸気を噴射する工程が、該第1高圧水蒸気噴射ノズルの幅方向の全長部の距離を2等分し、機械方向に平行である第1仮想中心線の位置と、該第2高圧水蒸気噴射ノズルの該幅方向の全長部の距離を2等分し、該機械方向に平行である第2仮想中心線の位置とが該幅方向で異なるように、該第1高圧水蒸気噴射ノズルを該紙層の該少なくとも2つの面のうちの一方の面方向に配置し、かつ、該第2高圧水蒸気噴射ノズルを該紙層の該少なくとも2つの面のうちの他方の面方向に配置する、工程である、
    不織布を製造する方法。
  3. 前記高圧水蒸気を噴射する工程において、前記高圧水蒸気の蒸気圧力が0.2MPa以上1.5MPa以下であって、かつ、サクションドラム又は前記ベルトの吸引力が−1kPa以上である、請求項1又は2に記載の不織布を製造する方法。
  4. 前記高圧水蒸気を噴射する工程後の前記紙層の水分率が0%以上40%以下であって、かつ、前記高圧水蒸気を噴射する工程前の前記紙層の水分率より少なくとも5%低い、請求項1から3のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
  5. 前記紙層の前記他方の面の蒸気圧力が前記紙層の前記一方の面の蒸気圧力に対して等しいか、又は大きい、請求項1から4のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
  6. 前記ベルト上に前記紙層を形成する工程の後に、前記ベルト上に形成された前記紙層の前記少なくとも2つの面のうちの一方の面に高圧水流を噴射し、前記機械方向に延在し、前記幅方向に間欠的に並ぶ溝部を前記紙層の該一方の面に形成する工程を更に含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
  7. 前記高圧水流を噴射する工程の後に、前記高圧水流が噴射された前記紙層が10%以上45%以下の水分率になるように、前記高圧水流が噴射された前記紙層を、第1回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって乾燥する工程を更に含む、請求項6に記載の不織布を製造する方法。
  8. 前記高圧水蒸気が噴射された前記紙層を、第2回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって乾燥する工程と、
    乾燥された前記紙層を巻き取る工程と、
    を更に含み、
    乾燥された前記紙層の巻き取り後の前記紙層の水分率が5%以下である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の不織布を製造する方法。
  9. 前記高圧水蒸気が噴射された前記紙層を前記第2回転円筒状ドライヤーの表面に沿わせることによって、乾燥された前記紙層の紙層嵩密度が、0.10g/cm3以下である、請求項8に記載の不織布を製造する方法。
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