JP2016521290A - 界面活性剤応答性乳化ポリマーを調製するためのプロセス - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含み、大きな粘度の増加を伴わない降伏応力特性、低濁度、および懸濁または安定化が必要な粒子および/または液滴の形の不溶性物質を懸濁させる能力を有する界面活性剤含有組成物を配合するための酢酸ビニルに富むポリマーを調製するプロセスが開示される。一態様では、本発明のいくつかの実施形態は、界面活性剤組成物の存在下で膨潤し、その組成物に降伏応力特性を付与することができる架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーに関する。

Description

本発明の実施形態はレオロジー変性ポリマーに関し、さらに具体的には、降伏応力特性を有する酢酸ビニルに富む乳化ポリマーを調製するためのレドックス法に関する。さらに、本発明の実施形態は、広いpH領域にわたり粒子および不溶性物質を懸濁させるために使用可能な酢酸ビニルに富む乳化ポリマーを含み、レオロジー的に安定でかつ相安定性を有する界面活性剤応答性降伏応力組成物の形成にも関する。
我々は、日常生活において、降伏応力流体に取り囲まれている。簡単に述べると、降伏応力流体は、流動するのに十分な応力がその流体に加えられるまで、静止したままである。その応力は、応力下で流動するための初期抵抗と考えることができ、降伏値とも呼ばれる。降伏応力は、粘度と同様に測定可能な量であるが、しかしそれは粘度には依存しない。特定のレオロジー変性剤は、変性剤を含む組成物を粘稠化する、すなわちその粘度を高めることができるが、その組成物が望ましい降伏応力特性を有するとは限らない。
望ましい降伏応力特性は、液体媒体中の粒子や不溶性液滴の無期限の懸濁、または気泡の安定化などの液体媒体中における特定の物理的および審美的特性を実現するために極めて重要である。液体媒体中に分散された粒子は、その媒体の降伏応力(降伏値)がそれらの粒子に加わる重力または浮力の作用を克服するのに十分な場合に、懸濁されたままで存続することになる。降伏値を配合するための尺度として用いて、不溶性液滴が浮上や凝集するのを阻止し、気泡を液体媒体中に懸濁させ、均一に分布させることができる。降伏応力流体の一例は、水性組成物のレオロジー特性を調節するかまたは変性するために通常使用されるミクロゲルレオロジー変性剤である。このような特性には、粘度、流速、粘度変化に対する経時的安定性、および粒子を無期限に懸濁させる能力が含まれるがこれらに限定されない。これらの降伏応力流体は、多くの民生用途および産業用途において有用である。重要な民生用途には、ボディソープ、スキンクリーム、練り歯磨き、シャンプー、整髪用ジェルおよびその他の化粧品などのパーソナルケア製品の配合物におけるそれらの使用が挙げられる。産業用途では、これらは、石油およびガス産業における地下処理流体用の掘削および破砕流体中の成分として有用である。一般に、これらは、塩基または酸感受性であるpH応答性官能基を有する化学的に架橋されたポリマーを含む。このポリマーを、配合物中の他の成分と混合し、その後、酸または塩基などの中和剤の添加により中和することができる。酸感受性増粘剤は酸性剤と接触すると活性化され、塩基感受性増粘剤はアルカリ剤と接触すると活性化される。中和されると、ポリマーは著しく膨潤して、膨潤した架橋ミクロゲル粒子のランダム最密(RCP)詰め込み型ネットワーク(jammed network)を形成し、配合物に対し所望のレオロジープロファイル、すなわち降伏応力、弾性係数および粘度ならびに光学的透明性を付与する。
これらのタイプのレオロジー変性剤は当技術分野で周知である。例えば、米国特許第2,798,053号;同第2,858,281号;同第3,032,538号;および同第4,758,641号は、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、またはメタクリル酸モノマーをベースにした架橋カルボン酸ポリマーについて記載している。米国特許第6,635,702号は、1つまたは1つより多くのカルボン酸モノマーおよび1つまたは1つより多くの非酸ビニルモノマーを含む架橋アルカリ膨潤性アクリレートコポリマーについて記載している。米国特許第7,378,479号は、低pHでカチオン性である少なくとも1つの塩基性アミノ置換基、会合性ビニルモノマーから誘導された少なくとも1つの疎水変性されたポリオキシアルキレン置換基および半疎水性ビニル界面活性剤モノマーから誘導された少なくとも1つのポリオキシアルキレン置換基を含む架橋酸膨潤性ポリマーを開示している。これらのpH応答性ミクロゲルの重要な特徴は、中和時の個々の架橋ポリマー粒子の直径(または大きさ)の極めて大きな増加である。高い膨潤効率は、配合技術者が比較的少量のポリマーを使って所望の降伏応力および粘度を実現し、低い使用コストを得ることを可能とする。Dalmont、PinprayoonおよびSaunders(Langmuir vol.24,page 2834,2008)は、エチルアクリレートと、ブタンジオールジアクリレートで架橋したメタクリル酸とのコポリマーのミクロゲル分散物中の個々の粒子は、pH活性化または中和時に、直径が少なくとも3倍に増大することを示している。このレベルの膨潤は、体積割合で少なくとも27(3)倍の増大を引き起こす。比較的低いポリマー濃度(3重量%未満)での中和(または活性化)時に詰め込み型ネットワークが達成される。
pH応答性ミクロゲルは、配合技術者が望む高い効率を降伏応力流体に与えるが、彼らは大きな欠点に悩まされる。レオロジー特性は、pHの広い範囲にわたって均一ではなく、pHの関数として急激な変化を示す。これらの困難を克服するために、様々な非イオン性増粘剤が提案されてきた。米国特許第4,722,962号は、水溶性のモノエチレン系不飽和モノマーおよび非イオン性ウレタンモノマーを含む非イオン性の会合性増粘剤について記載している。これらのポリマーは、pHに比較的独立している水性配合物の粘度の増加すなわち粘稠化を可能にするが、これらのポリマーは架橋せず、純粋に会合性の相互作用は降伏応力を生じさせない。
pH応答性ミクロゲルに加えて、温度応答性ミクロゲルが当技術分野で公知である。SenffおよびRichtering(Journal of Chemical Physics,vol.111,page 1705,1999)は、温度の関数としての非イオン性の化学的に架橋したポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)ミクロゲル粒子の大きさの変化について記載している。温度が35℃から10℃に低下すると、粒子は直径がほぼ2.5倍(体積割合換算では15倍)膨潤する。これは、かなりの程度の膨潤を示しているが、ミクロゲルを活性化するために温度を使用することは望ましくない。活性化の方法は、周囲条件下で、易流動性懸濁液から詰め込まれた降伏応力流体への切り替えを可能にすることが必要である。
WuおよびZhou(Journal of Polymer Science:Part B:Polymer Physics,vol.34,page 1597,1996)は、水中における化学的に架橋したPNIPAMホモポリマーミクロゲル粒子の膨潤に与える界面活性剤の効果について記載している。多くの配合物が界面活性剤を共成分(co−ingredient)として含むので、ミクロゲルを活性化させるために界面活性剤を使用することは魅力的である。しかし、WuおよびZhouによって報告されている膨潤の効率は極めて低い。アニオン性界面活性剤ドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウムは、架橋PNIPAM粒子の大きさを室温で1.4倍にしか増加させない。さらに、WuおよびZhouは、高い光学的透明性を有する、ずり流動化降伏応力流体の作製方法を教示していない。
Hidi、NapperおよびSangster(Macromolecules,vol.28,page 6042,1995)は、水中でのポリ(酢酸ビニル)ホモポリマーミクロゲルの膨潤に与える界面活性剤の効果について記載している。架橋されていないミクロゲルに関して、彼らは、ドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウムの存在下で、元の粒子の体積の30〜60倍の変化に相当する直径の3〜4倍の増加を報告している。しかし、架橋粒子に対しては、膨潤が劇的に低下している。彼らは、この場合には直径が1.4倍しか増加していないことを観察している。ここでも、Hidi、NapperおよびSangsterは、高い光学的透明性を有する、ずり流動化降伏応力流体の作製方法を教示していない。
粒子および/または他の水不溶性物質を懸濁できるパーソナルケア組成物が非常に望まれる。これらの材料は、角質の除去、視覚的美観および/または使用時に有益な薬剤のカプセル化と放出などの様々な利用者利益を付与またはそれに寄与するがこれらに限定されない。パーソナルケア組成物における活性剤および審美剤(aesthetic agent)としての粒子状物質および不溶性物質の懸濁は、配合技術者に次第に広まってきている。一般に、アクリレートポリマー、構造化ゴム(例えば、キサンタンガム)、デンプン、寒天、ヒドロキシルアルキルセルロースなどの構造化系を使って、粒子をパーソナルケア組成物中に懸濁させる。しかし、パーソナルケア組成物へのビーズまたは粒子の添加には問題が生ずる傾向がある。例えば、1つの問題は、粒子または不溶性物質の密度が、それらが添加されている組成物の連続相とは異なる場合が極めて多いことである。この密度の不一致は、連続相からの粒子の分離および全体的な製品安定性の欠如につながる可能性がある。一態様では、添加された粒子が、組成物連続相の密度より低い場合、粒子はこのような相の上部へ浮上する(「クリーミング」)傾向がある。別の態様では、添加された粒子が、連続相より高い密度を有している場合、粒子はそのような相の底部へ沈下する傾向がある(「沈降」)。大きな粒子を懸濁させたい場合(例えば、ポリエチレン粒子、グアービーズなど)、通常は使用するポリマーの量を増加させて、懸濁ビーズの構造形成を増強する。液体を粘稠化させて懸濁ビーズの構造形成を行わせる結果として、液体粘度の大幅な増加およびそれに対応する注型適性の低下をもたらす。この特性は必ずしも望ましいとは限らない。高粘度製品は、特に粘性形成剤のずり流動化プロファイルが不十分である場合、通常、適用および洗い流すのが困難である。高粘性は製品の包装、分注、溶解、ならびに起泡および知覚特性にも悪影響を及ぼす場合がある。さらに、従来法で構造化された液体は不透明であるかまたは混濁している場合が多く、そのために消費者から懸濁ビーズが見えにくいものになり、製品の審美的アピールに悪影響を及ぼす。
キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カラギーナンならびにアクリル酸ホモポリマーおよびコポリマーなどの多くの一般的な増粘剤はアニオン性であり、したがってカチオン性界面活性剤と反応し、カチオン性物質および増粘剤の沈澱を引き起こすか、またはカチオン性界面活性剤の有効性を低下させる可能性がある。ヒドロキシエチルセルロース(HEC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの非イオン性増粘剤は、カチオン系に粘性を与えることができるが、その流体に懸濁特性はほとんど付与されない。ポリクオタニウム−10(カチオン変性されたHEC)およびカチオン性グアーなどのカチオン性増粘剤は、カチオン系に粘稠化を付与するが、懸濁状態はもたらさない。いくつかのアクリルポリマーは、カチオン系を粘稠化するのに効果的であるが、これらは、pHによって制約され、高濃度を必要とし使用コストが高く、多くの場合、カチオン性材料との適合性の範囲が狭い。
アニオン性界面活性剤は、その優れた洗浄および起泡特性のため、洗剤や洗浄製品における洗浄剤として使用されることが多い。これらの配合物において従来から利用されている代表的アニオン性界面活性剤には、例えば、アルキルスルフェートおよびアルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。アニオン性界面活性剤、特にアニオン性スルフェートおよびスルホネートは効果的な洗浄剤であるが、これらは、激しい眼への刺激物であり、一部の感受性の高い人に、軽度から中等度の皮膚刺激を生じる恐れがある。したがって、使用時に眼や皮膚を刺激しないという点で水性洗浄組成物であれば低刺激性であるはずであるということが、消費者にとって益々重要になってきている。製造業者は、安定な懸濁性を必要とする不溶性の有益な薬剤および/または審美剤も一緒に組み込んだ低刺激性洗浄製品を提供しようと努力している。アニオン性スルフェートおよびスルホネートによって引き起こされる刺激は、そのエトキシ化型を利用することによって低減させることができることは公知である。組成物中に含まれるエトキシ化界面活性剤は、眼および皮膚への刺激を和らげることができるが、これらの界面活性剤を使用する際の主な問題は、エトキシ化系において、所望の降伏応力特性を得ることが困難であるということである。
米国特許第5,139,770号は、比較的高い粘度を得るための、コンディショニングシャンプーなどの界面活性剤含有配合物におけるビニルピロリドンの架橋ホモポリマーの使用について記載している。しかし、この特許は、ずり流動化でもある高い光学的透明性を有する降伏応力流体の作製の方法を教示していない。
米国特許第5,663,258号は、ビニルピロリドン/酢酸ビニルの架橋コポリマーの調製について記載している。ポリマーが水と混合された場合に高粘性が得られるが、界面活性剤によって活性化される降伏応力流体を作製するためのポリマーの使用については教示していない。
米国特許第6,645,476号は、不飽和酸およびその塩および/またはN−ビニルラクタムおよび酢酸ビニルを含む無数の他のモノマーから選択される共重合性の第2のモノマーと組み合わせて、疎水変性されたエトキシ化マクロマーのフリーラジカル重合によって調製された水溶性ポリマーを開示している。好ましいポリマーは架橋され、中和されたアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(acrylamidolmethylpropanesulfonic acid)と組み合わせて疎水変性されたエトキシ化マクロマーから重合される。このポリマーの1%水溶液の粘度は、好ましくは、20,000mPa・s〜100,000mPa・sの範囲である。粘度の実質的な増大を伴うことなく、良好な懸濁特性を示す降伏応力流体が得られる疎水変性されたエトキシ化マクロマー反復単位をもたない界面活性剤活性化ポリマーについての教示はない。
米国特許第4,609,704号は、ウェットピック強度を示す紙コーティング組成物用の酢酸ビニル/ブチルアクリレートコポリマーバインダーエマルジョンを開示している。このコポリマーは、特定の安定化系およびレドックスフリーラジカル開始剤系の存在下で水性乳化重合プロセスにより調製される。酸化剤には、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物、過硫酸アンモニウムまたはカリウムなどの過硫酸塩、等が挙げられる。
米国特許第5,540,987号は、酢酸ビニル、架橋モノマーおよび任意成分のコモノマーを、疎水性のヒドロペルオキシド(t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、およびクメンヒドロペルオキシド)から選択される酸化剤およびアスコルビン酸から選択される還元剤を含むレドックス開始剤系を使って乳化重合する工程を含む酢酸ビニルベース乳化ポリマーの改善された調製プロセスについて記載している。架橋剤は、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアリルカルバマート、イソブトキシメチルアクリルアミド、およびn−ブトキシメチルアクリルアミドから選択される。乳化重合された酢酸ビニルポリマーは、繊維用途におけるバインダーとして有用である。米国特許第4,609,704号および同第5,540,987号は、界面活性剤含有組成物において良好な懸濁特性を与える界面活性剤活性化降伏応力ポリマーについて教示していない。
米国特許第6,143,817号は、乳化ポリマーが、水性媒体中でエチレン系不飽和モノマーをポリアミノ酸ヘテロポリマー乳化剤および安定化剤の存在下でフリーラジカル開始剤により開始して、重合することにより調製することができることを教示している。好適する重合可能なエチレン系不飽和モノマーには、酢酸ビニルなどのビニルエステルモノマーが挙げられる。他の重合可能なエチレン系不飽和モノマーには、アルキル(メタ)アクリレートモノマー、モノエチレン系不飽和カルボン酸モノマー、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、アクリルアミド、n−メチロールアクリルアミド、ジブチルマレエート、エチレン、および塩化ビニルが挙げられる。乳化重合は、無数の熱およびレドックス開始剤系により開始することができる。好適なフリーラジカル重合開始剤には、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメン過酸化物、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルジペルフタレート、メチルエチルケトンペルオキシド、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、アゾジイソブチロニトリル(azodusobutyronitrile)、およびこれらの混合物、ならびに、セリウム、マンガン、およびバナジウム触媒系および照射により触媒される開始剤等のその他の系などの過酸化物、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、およびアゾ開始剤を含む当該技術分野において既知の開始剤が挙げられる。レドックス条件を採用する場合は、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、または亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を利用して、フリーラジカル開始剤の分解が促進される。開始剤はフリーラジカル重合の開始に適する照射源であってもよい。
水性乳化ポリマーの設計において操作可能な多数の独立した変数がある。これが、改善された水性乳化ポリマーの調製を技術的に取り組みがいのあるものにしている。例えば、特定のレドックス開始剤および特定の架橋モノマーは、所望の降伏応力特性を有する酢酸ビニルに富むポリマーの形成を不都合なほどに生じさせることが明らかになった。したがって、安定な界面活性剤含有組成物中で粒子を効果的に懸濁させる能力を示す降伏応力ポリマーを提供する課題だけでなく、このようなポリマーを得る効果的な乳化重合プロセスを提供する必要性も残されている。
米国特許第2,798,053号明細書 米国特許第2,858,281号明細書 米国特許第3,032,538号明細書 米国特許第4,758,641号明細書 米国特許第6,635,702号明細書 米国特許第7,378,479号明細書
Langmuir vol.24,page 2834,2008
本発明のいくつかの実施形態は、降伏応力特性を有する水性乳化ポリマーおよび水性乳化ポリマーの調製方法に関する。
一態様では、本発明のいくつかの実施形態は、界面活性剤組成物の存在下で膨潤し、その組成物に降伏応力特性を付与することができる架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーに関する。別の態様では、本発明の一実施形態は、架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーおよび界面活性剤を含む降伏応力組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明の一実施形態は、架橋された非イオン性の酢酸ビニルポリマーおよび少なくとも1つの界面活性剤を含む粘稠化水性組成物であって、ポリマーの濃度が、組成物の総重量を基準として5重量%以下であり、少なくとも1つの界面活性剤が組成物の30重量%以下であり、組成物の降伏応力が約0.1〜約1s−1(reciprocal second)の剪断速度での0.5未満のずり流動化指数で少なくとも0.1Paであり、組成物の降伏応力、弾性係数および光学的透明性が約2〜約14の範囲でpHに実質的に独立している組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明の一実施形態は、架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーおよび少なくとも1つの界面活性剤を含む粘稠化水性組成物であって、ポリマーの濃度が組成物の総重量を基準として5重量%以下であり、少なくとも1つの界面活性剤が組成物の30重量%以下であり、降伏応力、弾性係数および光学的透明性の測定値の平均値に対する標準偏差の比が、約2〜約14のpH範囲で、一態様では0.3未満、別の態様では0.2未満である組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明の一実施形態は、架橋された非イオン性の酢酸ビニルポリマーおよび少なくとも1つの界面活性剤を含む粘稠化水性組成物であって、ポリマーの濃度が組成物の総重量を基準として5重量%以下であり、少なくとも1つの界面活性剤が組成物の30重量%以下であり、組成物の降伏応力が約0.1〜約1s−1の剪断速度での0.5未満のずり流動化指数で少なくとも0.1Paであり、組成物の降伏応力、弾性係数および光学的透明性が約2〜約14の範囲でpHに実質的に独立しており、その組成物が0.5〜1.5mmの大きさのビーズを懸濁させることができ、水に対するビーズの比重差が室温で少なくとも4週間の期間において0.2〜0.5の範囲内にある組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明の一実施形態は、架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーおよび1つまたは1つより多くの界面活性剤を含む粘稠化水性組成物であって、ポリマーの濃度が組成物の総重量を基準として5重量%以下であり、界面活性剤の合計濃度が組成物の30重量%以下であり、組成物の降伏応力が約0.1〜約1s−1の剪断速度での0.5未満のずり流動化指数で少なくとも0.1Paであり、組成物の降伏応力、弾性係数および光学的透明性が約2〜約14の範囲でpHに実質的に独立している、その組成物が0.5〜1.5mmの大きさのビーズを懸濁させることができ、水に対するビーズの比重差が室温で少なくとも4週間の期間において0.2〜0.5の範囲内にあり、界面活性剤の1つがエチレンオキシド部分を含み、前記界面活性剤が合計界面活性剤の75重量%超である組成物に関する。
本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー組成物およびその調製方法、ならびにポリマーおよび少なくとも1つの界面活性剤を含む粘稠化水性流体は、本明細書で記載の成分、要素およびプロセス記述を適切に含む、それからなる、あるいは本質的にそれからなることができる。本明細書で例示的に適切に開示される本発明は、本明細書で具体的に開示されていないいずれかの要素がなくても実施することができる。
別段の記述のない限り、本明細書で表されるすべてのパーセンテージ、部および比は、本発明の組成物中に含まれる成分の合計重量を基準にしている。
本発明で使用する場合、「酢酸ビニルに富む」という用語は、ポリマー材料が重合性モノマー組成物中に存在するモノマー合計重量を基準にして、少なくとも65重量%の酢酸ビニルを含む重合性モノマー組成物から調製されることを意味する。ポリマー技術分野ではよく行われるように、これらのモノマー「に由来する反復単位」などの用語を使用することなく、ポリマーはそれらの構成モノマーを基準にして記載できる。したがって、酢酸ビニルに由来するポリマーは、すでに重合されていてそのポリマーが酢酸ビニルモノマーを含まないと思われる場合であっても、酢酸ビニルポリマーとして記載できる。
「非イオン性」は、モノマー、モノマー組成物またはモノマー組成物から重合されたポリマーが、イオン性部分またはイオン化可能な部分をもたない(「非イオン化可能である(nonionizable)」)ことを意味する。
イオン化可能な部分は、酸または塩基による中和によってイオン性にすることができるいずれかの基である。
イオン性部分またはイオン化された部分は、酸または塩基で中和されているいずれかの部分である。
「実質的に非イオン性の」は、モノマー、モノマー組成物またはモノマー組成物から重合されたポリマーが、一態様では5重量%未満、別の態様では3重量%未満、さらなる態様では1重量%未満、またさらなる態様では0.5重量%未満、追加の態様では0.1重量%未満、さらなる態様では0.05重量%未満のイオン化可能な部分および/またはイオン化された部分を含むことを意味する。
本明細書において、接頭辞「(メタ)アクリル」は「アクリル」ならびに「メタクリル」を含む。例えば、「(メタ)アクリルアミド」という用語は、アクリルアミドとメタクリルアミドの両方を含む。
本発明による例示的実施形態を記載する。開示されているそのままで、本明細書で記載の例示的実施形態の種々の修正、改変または変更が当業者に明らかになるであろう。このようなすべての修正、改変または変更は、本発明の教示に依存し、これらを通してこれらの教示が当該技術を進歩させてきたものであり、本発明の範囲および趣旨の範囲内にあると考えられることを理解されよう。
本発明の組成物に含めることができる種々の成分および構成要素に対する重複した重量範囲が、本発明のいくつかの選択された実施形態および態様において表現されているが、開示組成物中の各成分の具体的な量は、各成分の量が、組成物中のすべての成分の合計が全体で100重量パーセントとなるよう調整されるように、その開示された範囲から選択されるのは容易に明らかになるはずである。採用される量は、所望の製品の目的および特徴によって変化することになり、当業者によって容易に決定できる。
特定の化学的に架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーを水中で界面活性剤と混合すると、広いpH範囲にわたって優れたずり流動化および光学的透明性を有する非常に効果的な降伏応力流体が得られることを予想外に発見した。少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーの存在下で、特定のレドックス開始剤系を使って酢酸ビニルに富むモノマー組成物を乳化重合することにより、水性の界面活性剤媒体中の粒子の機械的剛性と膨張との間の適切なバランスが付与され、効果的な降伏応力ポリマーが得られることが明らかになった。本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルポリマーは、水中で高度の界面活性剤活性化膨潤を示し、粒子直径が一態様では少なくとも2.5倍、別の態様では少なくとも2.7倍に増加する。さらに、本発明のポリマーをベースとした膨潤ミクロゲルは水性界面活性剤媒体中で相互作用して、pHに実質的に独立している、高い降伏応力とずり流動化を有する軟質ガラス状の物質(SGM)を生成する。
酢酸ビニルに富むポリマー
本発明の実施に有用な架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、フリーラジカル重合可能な不飽和を含むモノマー成分から乳化重合される。一実施形態では、本発明の実施において有用な架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、少なくとも65重量%の酢酸ビニルおよび疎水性モノマー、および少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーを含むモノマー組成物から重合される。該ポリマーは、重合性モノマー組成物中の合計モノマー重量を基準にして、一態様では65〜100重量%、別の態様では70〜95重量%、およびさらなる態様では75〜90重量%の酢酸ビニルを含むモノマー組成物から乳化重合できる。
一態様では、酢酸ビニルモノマーは、以降で記載の少なくとも1つのフリーラジカル共重合性コモノマーを使って乳化重合法により共重合できる。代表的コモノマーには、
i)少なくとも1つのC〜C22アルキル(メタ)アクリレート;
ii)少なくとも1つのN−ビニルアミド;
iii)2〜22個の炭素原子を有するアシル部分を含む脂肪族カルボン酸の少なくとも1つのビニルエステル(酢酸ビニル以外の);
iv)少なくとも1つのアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート、少なくとも1つのヒドロキシ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート、およびこれらの組み合わせ;
v)少なくとも1つのアルコキシ化会合性モノマー;
vi)少なくとも1つのアルコキシ化半疎水性モノマー;および
vii)モノマーi)、ii)、iii)、iv)、v)、およびvi)の混合物、が挙げられるが、これらに限定されない。
一態様では、重合性モノマー組成物中に、共重合性コモノマー(単一または複数)は、重合性モノマー組成物中の合計モノマー重量パーセントを基準にして、一態様では約0または1〜35重量%、別の態様では約3%〜約30重量%、またさらに別の態様では約5〜約20重量%、およびさらなる態様では約10〜約15重量%の範囲の量で存在する。
共重合性モノマー
モノマーi)は1〜22個の炭素原子を含むアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルである。一態様では、モノマーi)は、以下の式:
Figure 2016521290
(式中、Rは水素またはメチルであり、Rは、一態様ではC〜C22アルキル基、別の態様ではC〜Cアルキル基である)で表すことができる。
式i)に属する代表的モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
モノマーii)は、鎖状および環状N−ビニルアミド(ラクタム環部分に4〜9原子を含むN−ビニルラクタムで、環炭素原子は1つまたは1つより多くのメチル、エチルまたはプロピルなどの低級アルキル基で任意に置換できる)を含むN−ビニルアミド;アミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミド、N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドおよびN,N−ジ(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドから選択されるアミノ基含有ビニルモノマーであって、二置換アミノ基上のアルキル部分は同じでも異なっていてもよく、一置換および二置換アミノ基上のアルキル部分が任意にヒドロキシル基により置換されてもよいアミノ基含有ビニルモノマーであり、その他のモノマーには、ビニルアルコール;ビニルイミダゾール;および(メタ)アクリロニトリルが含まれる。上記モノマーの混合物も利用することができる。
代表的な鎖状N−ビニルアミドには、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−(ヒドロキシメチル)−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルメチルアセトアミド、N−(ヒドロキシメチル)−N−ビニルアセトアミド、およびこれらの混合物が挙げられる。さらに、ペンダントN−ビニルラクタム部分を含むモノマー、例えば、N−ビニル−2−エチル−2−ピロリドン(メタ)アクリレートを採用することもできる。
代表的な環状N−ビニルアミド(N−ビニルラクタムとしても知られる)には、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−(1−メチルビニル)ピロリジノン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチルピロリジノン、N−ビニル−3,3−ジメチルピロリジノン、N−ビニル−5−エチルピロリジノンおよびN−ビニル−6−メチルピペリドン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
モノマーiii)は、3〜22個の炭素原子を有するアシル部分を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステル(酢酸ビニル以外の)である。一態様では、該ビニルエステルは式:
Figure 2016521290
(式中、RはアルキルまたはアルケニルであってよいC〜C21脂肪族基である)により表すことができる。式(II)は、3〜22個の炭素原子を含むアシル部分を含む。式(II)に属する代表的なモノマーには、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−メチルヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、イソオクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
モノマーiv)は、式:
Figure 2016521290
(式中、Rは水素またはメチルであり、Rは1〜5個の炭素原子を含む二価のアルキレン部分であり、Zは−NHまたは−OHであり、アルキレン部分は1つまたは1つより多くのメチル基で任意に置換されてもよい)で表されるアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはヒドロキシ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートである。代表的モノマーには、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物が挙げられる。
モノマーv)は、本発明の他のモノマーとの付加重合のためのエチレン系不飽和末端基部分(i)、生成物ポリマーに選択的親水および/または疎水性を付与するためのポリオキシアルキレン中央部分(ii)およびそのポリマーに選択的疎水性を与えるための疎水性末端基部分(iii)を有するアルコキシ化会合性モノマーである。
エチレン系不飽和末端基を提供する部分(i)はα,β−エチレン系不飽和モノカルボン酸から誘導される残基であってよい。あるいは、会合性モノマーの部分(i)は、アリルエーテルもしくはビニルエーテルから誘導される残基;米国再発行特許第33,156号もしくは米国特許第5,294,692号で開示されているものなどの非イオン性ビニル置換ウレタンモノマー;または米国特許第5,011,978号で開示されているものなどのビニル置換尿素反応生成物であってよい。それぞれの関係する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
中央部分(ii)は、一態様では約2〜約150、別の態様では約10〜約120、さらなる態様では約15〜約60の反復C〜Cアルキレンオキシド単位のポリオキシアルキレンセグメントである。中央部分(ii)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシド単位のランダムまたはブロック配列で配置された、一態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、さらなる態様では約10〜約60、またさらなる態様では約15〜約30のエチレン、プロピレンおよび/またはブチレンオキシド単位を含む、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシブチレンセグメントならびにこれらの組合せを含む。
会合性モノマーの疎水性末端基部分(iii)は、次の炭化水素のクラス:C〜C30直鎖アルキル、C〜C30分枝アルキル、C〜C30アルキル置換フェニル、アリール置換C〜C30アルキル基、C〜C30飽和または不飽和の炭素環式アルキル基、の内の1つに属する炭化水素部分である。飽和または不飽和の炭素環式部分は、C〜Cアルキル置換もしくは非置換単環式または二環式部分であってよい。一態様では、二環式部分は、ビシクロヘプチルまたはビシクロヘプテニルから選択される。別の態様では、ビシクロヘプテニル部分は、アルキル置換基(単一または複数)で二置換される。さらなる態様では、ビシクロヘプテニル部分は、メチルにより同一炭素原子上で二置換される。
会合性モノマーの適切な疎水性末端基部分(iii)の非限定的な例は、約8〜約30個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、例えば、カプリル(C)、イソオクチル(分枝C)、デシル(C10)、ラウリル(C12)、ミリスチル(C14)、セチル(C16)、セテアリル(C16〜C18)、ステアリル(C18)、イソステアリル(分枝C18)、アラキジル(C20)、ベヘニル(C22)、リグノセリル(C24)、セロチル(C26)、モンタニル(C28)、メリシル(C30)などである。
天然資源から誘導される約8〜約30個の炭素原子を有する直鎖および分枝アルキル基の例には、水素化ピーナッツ油、大豆油およびキャノーラ油(すべて、主にC18)、水素化タロー油(C16〜C18)など;ならびに水素化C10〜C30テルペノール、例えば、水素化ゲラニオール(分枝C10)、水素化ファルネソール(分枝C15)、水素化フィトール(分枝C20)などから誘導されるアルキル基が挙げられるがこれらに限定されない。
適切なC〜C30アルキル置換フェニル基の非限定的な例には、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ドデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、オクタデシルフェニル、イソオクチルフェニル、sec−ブチルフェニルなどが挙げられる。
代表的アリール置換C〜C40アルキル基には、スチリル(例えば、2−フェニルエチル)、ジスチリル(例えば、2,4−ジフェニルブチル)、トリスチリル(例えば、2,4,6−トリフェニルヘキシル)、4−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルエチル、トリスチリルフェノリルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
適切なC〜C30炭素環式基には、コレステロール、ラノステロール、7−デヒドロコレステロールなどの動物源から;フィトステロール、スチグマステロール、カンペステロールなどの植物源から;エルゴステロール、ミコステロールなどの酵母源からのステロールから誘導される基が挙げられるがこれらに限定されない。本発明に有用な他の炭素環式アルキル疎水性末端基には、シクロオクチル、シクロドデシル、アダマンチル、デカヒドロナフチル、および天然炭素環式物質から誘導される基、例えば、ピネン、水素化レチノール、樟脳、イソボルニルアルコール、ノルボルニルアルコール、ノポールなどが挙げられるがこれらに限定されない。
有用なアルコキシ化会合性モノマーは当技術分野で公知の任意の方法で調製することができる。例えば、Changらの米国特許第4,421,902号;Sonnabendの同第4,384,096号;Shayらの同第4,514,552号;Ruffnerらの同第4,600,761号;Ruffnerの同第4,616,074号;Barronらの同第5,294,692号;Jenkinsらの同第5,292,843号;Robinsonの同第5,770,760号;Wilkerson,IIIらの同第5,412,142号;およびYangらの同第7,772,421号を参照されたい。これらの当該開示は参照により本明細書に組み込まれる。
一態様では、代表的アルコキシ化会合性モノマーには、下記の式:
Figure 2016521290
(式中、R14は水素またはメチルであり;Aは、−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−、または−CHCHNHC(O)−であり;
Arは二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eは、Hまたはメチルであり;zは0または1であり;kは約0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であり、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1〜約30の範囲である場合、mは1であり;Dはビニルまたはアリル部分を表し;(R15−O)はポリオキシアルキレン部分であり、これはC〜Cオキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよく、R15はC、CまたはCおよびこれらの組合せから選択される二価アルキレン部分であり;nは一態様では約2〜約150、別の態様では約10〜約120、さらなる態様では約15〜約60の範囲の整数であり;Yは、−R15O−、−R15NH−、−C(O)−、−C(O)NH−、−R15NHC(O)NH−、−C(O)NHC(O)−、または1〜5個の炭素原子、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンを含む二価のアルキレン基であり;R16は、C〜C30直鎖アルキル、C〜C30分枝アルキル、C〜C30炭素環式、C〜C30アルキル(araalkyl)置換フェニル、アラルキル置換フェニルおよびアリール置換C〜C30アルキルから選択される置換または非置換アルキルであり;R16のアルキル基、アリール基、フェニル基、または炭素環式基は、メチル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ベンジル基、フェニルエチル基およびハロゲン基からなる群から選択される1つまたは1つより多くの置換基を任意に含む)により表されるモノマーが含まれる。
一態様では、Yはエチレンであり、R16は:
Figure 2016521290
である。
一態様では、疎水変性されたアルコキシ化会合性モノマーは、次の式:
Figure 2016521290
(式中、R14は水素またはメチルであり;R15は、C、CおよびCから独立に選択される二価アルキレン部分であり、nは、一態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、さらなる態様では約10〜約60、またさらなる態様では約15〜約30の範囲の整数を表し、(R15−O)はランダムまたはブロック構成で配置されてもよく;R16は、C〜C30直鎖アルキル、C〜C30分枝アルキル、アルキル置換および非置換C〜C30炭素環式アルキル、C〜C30アルキル置換フェニルおよびアリール置換C〜C30アルキルから選択される置換または非置換アルキルである)で表される8〜30個の炭素原子を含む疎水基を有するアルコキシ化(メタ)アクリレートである。
式Vに属する代表的なモノマーには、ラウリルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(LEM)、セチルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、ω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(これらのモノマーのポリエトキシ化部分は、一態様では約2〜約150のエチレンオキシド単位、別の態様では約5〜約120のエチレンオキシド単位、さらなる態様では約10〜約60のエチレンオキシド単位、またさらなる態様では約15〜約30のエチレンオキシド単位を含む)、オクチルオキシポリエチレングリコール(8)ポリプロピレングリコール(6)(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(6)ポリプロピレングリコール(6)(メタ)アクリレート、およびノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
モノマーviは、上記の会合性モノマーと構造的に類似しているアルコキシ化半疎水性モノマーであるが、実質的に非疎水性の末端基部分を有する。アルコキシ化半疎水性モノマーは、本発明の他のモノマーとの付加重合のためのエチレン系不飽和末端基部分(i);生成物ポリマーに選択的親水および/または疎水特性を付与するためのポリオキシアルキレン中央部分(ii)ならびに半疎水性末端基部分(iii)を有する。付加重合のためのビニルまたは他のエチレン系不飽和末端基を提供する不飽和末端基部分(i)は、α,β−エチレン系不飽和モノカルボン酸から誘導されるのが好ましい。あるいは、この末端基部分(i)は、アリルエーテル残基、ビニルエーテル残基または非イオン性ウレタンモノマーの残基から誘導することができる。
ポリオキシアルキレン中央部分(ii)は特に、上記会合性モノマーのポリオキシアルキレン部分と実質的に類似しているポリオキシアルキレンセグメントを含む。一態様では、ポリオキシアルキレン部分(ii)は、ランダムまたはブロック配列で配置された、一態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、さらなる態様では約10〜約60のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンおよび/またはポリオキシブチレン単位を含む。
一態様では、半疎水性モノマーは、次の式:
Figure 2016521290
(式中、R14は水素またはメチルであり;Aは、−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−、または−CHCHNHC(O)−であり;Arは二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eは、Hまたはメチルであり;zは0または1であり;kは約0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であり、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1〜約30の範囲である場合、mは1であり;(R15−O)はポリオキシアルキレン部分であり、これはC〜Cオキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよく、R15はC、CまたはCおよびこれらの組合せから選択される二価アルキレン部分であり;nは一態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、さらなる態様では約10〜約60の範囲の整数であり;R17は水素および直鎖または分枝C〜Cアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)から選択され;Dはビニルまたはアリル部分を表す)により表すことができる。
一態様では、式Vに属する半疎水性モノマーは、次の式:
CH=C(R14)C(O)O−(CO)(CO)−H VA
CH=C(R14)C(O)O−(CO)(CO)−CH VB
(式中、R14は水素またはメチルであり、「a」は、一態様では0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、さらなる態様では約10〜約.25の範囲の整数であり、「b」は、一態様では約0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、さらなる態様では約10〜約.25の範囲の整数であり、ただし、「a」と「b」が同時に0であることはない)により表すことができる。
式VIIIAに属する半疎水性モノマーの例には、Blemmer(登録商標)PE−90(R14=メチル、a=2、b=0)、PE−200(R14=メチル、a=4.5、b=0)およびPE−350(R14=メチル、a=8、b=0)の製品名で入手できるポリエチレングリコールメタクリレート;Blemmer(登録商標)PP−1000(R14=メチル、b=4〜6、a=0)、PP−500(R14=メチル、a=0、b=9)、PP−800(R14=メチル、a=0、b=13)の製品名で入手できるポリプロピレングリコールメタクリレート;Blemmer(登録商標)50PEP−300(R14=メチル、a=3.5、b=2.5)、70PEP−350B(R14=メチル、a=5、b=2)の製品名で入手できるポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート;Blemmer(登録商標)AE−90(R14=水素、a=2、b=0)、AE−200(R14=水素、a=2、b=4.5)、AE−400(R14=水素、a=10、b=0)の製品名で入手できるポリエチレングリコールアクリレート;Blemmer(登録商標)AP−150(R14=水素、a=0、b=3)、AP−400(R14=水素、a=0、b=6)、AP−550(R14=水素、a=0、b=9)の製品名で入手できるポリプロピレングリコールアクリレートが挙げられる。Blemmer(登録商標)は、日本の東京都にあるNOF Corporationの登録商標である。
式VIIIBに属する半疎水性モノマーの例には、Visiomer(登録商標)MPEG750MA W(R14=メチル、a=17、b=0)、MPEG1005MA W(R14=メチル、a=22、b=0)、MPEG2005MA W(R14=メチル、a=45、b=0)およびMPEG5005MA W(R14=メチル、a=113、b=0)の製品名でEvonik Roehm GmbH,Darmstadt,Germany)から入手できるメトキシポリエチレングリコールメタクリレート;GEO Specialty Chemicals,Ambler PAからのBisomer(登録商標)MPEG350MA(R14=メチル、a=8、b=0)およびMPEG550MA(R14=メチル、a=12、b=0);Blemmer(登録商標)PME−100(R14=メチル、a=2、b=0)、PME−200(R14=メチル、a=4、b=0)、PME400(R14=メチル、a=9、b=0)、PME−1000(R14=メチル、a=23、b=0)、PME−4000(R14=メチル、a=90、b=0)が挙げられる。
一態様では、式IXで示される半疎水性モノマーは、次の式:
CH=CH−O−(CH−O−(CO)−(CO)−H VIA
CH=CH−CH−O−(CO)−(CO)−H VIB
(式中、dは2、3または4の整数であり;eは一態様では約1〜約10、別の態様では約2〜約8、さらなる態様では約3〜約7の範囲の整数であり;fは一態様では約5〜約50、別の態様では約8〜約40、さらなる態様では約10〜約30の範囲の整数であり;gは一態様では1〜約10、別の態様では約2〜約8、さらなる態様では約3〜約7の範囲の整数であり;hは一態様では約5〜約50、別の態様では約8〜約40の範囲の整数であり;e、f、gおよびhは0であってよく、ただし、eとfは同時に0であることはできず、gとhは同時に0であることはできないものとする)により表すことができる。
式VIAおよびVIBに属するモノマーは、Clariant Corporationによって販売されているEmulsogen(登録商標)R109、R208、R307、RAL109、RAL208およびRAL307;Bimax,Inc.によって販売されているBX−AA−E5P5の商品名で市販されているものおよびこれらの組み合わせである。EMULSOGEN(登録商標)R109は、実験式CH=CH−O(CHO(CO)(CO)10Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)R208は、実験式CH=CH−O(CHO(CO)(CO)20Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)R307は、実験式CH=CH−O(CHO(CO)(CO)30Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化された1,4−ブタンジオールビニルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)RAL109は、実験式CH=CHCHO(CO)(CO)10Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化されたアリルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)RAL208は、実験式CH=CHCHO(CO)(CO)20Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化されたアリルエーテルであり;Emulsogen(登録商標)RAL307は、実験式CH=CHCHO(CO)(CO)30Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化されたアリルエーテルであり;BX−AA−E5P5は、実験式CH=CHCHO(CO)(CO)Hを有するランダムにエトキシ化/プロポキシ化されたアリルエーテルである。
本発明の会合性および半疎水性モノマーでは、これらのモノマー中に含まれるポリオキシアルキレン中央部分を、それらが含まれるポリマーの親水性および/または疎水性を調整するために利用することができる。例えば、エチレンオキシド部分が豊富な中央部分はより親水性であり、プロピレンオキシド部分が豊富な中央部分はより疎水性である。これらのモノマー中に存在するプロピレンオキシド部分に対するエチレンオキシド部分の相対量を調節することによって、これらのモノマーが含まれるポリマーの親水および疎水特性を望み通り調整することができる。
本発明のポリマーの調製で利用される会合性および/または半疎水性モノマーの量は、とりわけ、ポリマーにおいて望ましい最終のレオロジー的および審美的特性に応じて幅広く変えることができ、かつそれらに依存する。利用される場合、モノマー反応混合物は、合計モノマー重量を基準にして、一態様では約0.01〜約15重量%、別の態様では約0.1重量%〜約10重量%の、さらに別の態様では約0.5〜約8重量%、さらなる態様では約1、2または3〜約5重量%の範囲の量で上記に開示した会合性および/または半疎水性モノマーから選択される1つまたは1つより多くのモノマーを含む。
イオン化可能なモノマー
本発明の一態様では、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー組成物は、本発明のポリマーを含む降伏応力流体の降伏応力値が悪影響を受けない(すなわち、その流体の降伏応力値が0.1Paより低くならない)限り、合計モノマー重量を基準にして、0〜5重量%のイオン化可能なおよび/またはイオン化されたモノマーを含むモノマー組成物から重合することができる。
別の態様では、本発明の酢酸ビニルに富むポリマー組成物は、合計モノマー重量を基準にして、一態様では3重量%未満、さらなる態様では1重量%未満、またさらなる態様では0.5重量%未満、追加の態様では0.1重量%未満、さらなる態様では0.05重量%未満のイオン化可能なおよび/またはイオン化された部分を含むモノマー組成物から重合することができる。
イオン化可能なモノマーは、塩基中和可能な部分を有するモノマーおよび酸中和可能な部分を有するモノマーを含む。塩基中和可能なモノマーには、3〜5個の炭素原子を含むオレフィン系不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸とそれらの塩ならびにその無水物が挙げられる。例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびこれらの組み合わせが挙げられる。他の酸性モノマーには、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS(登録商標)モノマー)、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸;およびそれらの塩が挙げられる。
酸中和可能なモノマーには、酸の添加によって塩または四級化部分を形成することができる塩基性窒素原子を含むオレフィン系不飽和モノマーが挙げられる。例えば、これらのモノマーには、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビニルイミダゾール、ビニルメチルイミダゾール、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレートおよびメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ならびにジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
架橋モノマー
本発明の実施に有用な架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、少なくとも65重量%の酢酸ビニル、架橋モノマー、および任意成分である上記i)からvi)のモノマーから選択される1つまたは1つより多くのモノマーを含むモノマー組成物から調製される。架橋モノマー(単一または複数)は、酢酸ビニルに富むポリマーの主鎖中に共有結合性の架橋重合を行わせるために利用される。意外にも、レドックス開始剤系(酸化剤は疎水性のヒドロペルオキシドから選択される)の存在下で、少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有するポリアルケニルポリエーテル架橋剤を使って酢酸ビニルに富むモノマー組成物を重合することにより、降伏応力特性を有する架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーが得られることが明らかになった。
一態様では、架橋モノマーは、平均して少なくとも2つの不飽和部分を含む多価不飽和化合物である。別の態様では、架橋モノマーは平均して少なくとも3つの不飽和部分を含む。代表的多価不飽和化合物には、1分子当たり2〜8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル、例えば、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルおよびペンタエリスリトールテトラアリルエーテルならびにこれらの組み合わせ;トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル、例えば、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
上記多価不飽和化合物の2つまたは2つより多くの混合物を利用して、本発明の非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーを架橋することもできる。一態様では、不飽和架橋モノマーの混合物は平均で2つの不飽和部分を含む。別の態様では、架橋モノマーの混合物は平均で2.5の不飽和部分を含む。さらに別の態様では、架橋モノマーの混合物は平均で約3つの不飽和部分を含む。さらなる態様では、架橋モノマーの混合物は平均で約3.5の不飽和部分を含む。
本発明の一実施形態では、架橋モノマー成分を、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーの乾燥重量を基準にして、一態様では約0.01〜約1重量%、別の態様では約0.05〜約0.75重量%、さらなる態様では約0.1〜約0.5重量%、またさらなる態様では約0.15〜約0.35重量%の範囲の量で使用することができる。
本発明の別の実施形態では、架橋モノマー成分は、平均で約3つの不飽和部分を含み、本発明の非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーの合計重量を基準にして、一態様では約0.01〜約0.3重量%、別の態様では約0.02〜約0.25重量%、さらなる態様では約0.05〜約0.2重量%、またさらなる態様では約0.075〜約0.175重量%、別の態様では約0.1〜約0.15重量%の範囲の量で使用することができる。
ポリマー合成
本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーの調製プロセスは、乳化重合条件下で、少なくとも65重量%の酢酸ビニルモノマー、少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される少なくとも0.01重量%の架橋モノマー、およびフリーラジカルレドックス開始剤系を含むモノマー組成物を用意する工程を含む。
レドックス開始剤系は、酸化還元対、酸化剤(フリーラジカル発生剤)および還元剤(フリーラジカル発生剤の分解を促進するための)を含む。酸化剤は、第3級C〜Cアルキルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、および混合物を含む疎水性のヒドロペルオキシドである。代表的な第3級C〜Cアルキルヒドロペルオキシドには、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、およびこれらの混合物が挙げられる。
還元剤は、疎水性のヒドロペルオキシドを分解してラジカル開始剤化学種を形成できるいずれかの化合物から選択される。代表的還元剤としては、亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸アンモニウム;亜硫酸水素ナトリウムおよび亜硫酸水素アンモニウム;チオ硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸アンモニウム;ヒドロ亜硫酸ナトリウムおよびヒドロ亜硫酸アンモニウム;硫化ナトリウムおよび硫化アンモニウム;硫化水素ナトリウムおよび硫化水素アンモニウム;ホルムアミジンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、重亜硫酸アセトン、エタノールアミン、グリコール酸とその塩、グリオキシル酸水和物、アスコルビン酸とその塩、エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)とその塩、乳酸とその塩、グリセリン酸とその塩、リンゴ酸とその塩、2−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸とその塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸とその塩、酒石酸とその塩;およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
乳化重合組成物中に存在するフリーラジカル重合開始剤(酸化剤)の量は、用いられるモノマーの特定の組成物および所望の重合条件に応じて変えることができる。一般的には、酸化剤の量は、所望のポリマー組成物を得るのに効果的な量であろう。通常、酸化剤の量は、乾燥ポリマーの重量を基準にして、一態様では約0.01〜約10重量%、別の態様では約0.02〜約3重量%、また別の態様では約0.05〜約1重量%、さらなる態様では約0.1〜約0.5重量%の範囲の量である。
還元剤(reducing agent)(レダクタント(reductant))の量は、フリーラジカルを形成するために酸化剤の分解を促進するのに十分な当量で添加される。通常、利用される還元剤の量は、乾燥ポリマーの重量を基準にして、一態様では約0.01〜約10重量%、別の態様では約0.01〜約3重量%、また別の態様では約0.025〜約1重量%、さらなる態様では約0.1〜約0.5重量%の範囲である。別の態様では、レダクタント化合物に対する酸化剤化合物の比は、重量ベースで30:1〜0.05:1の範囲であってよい。
任意選択で、金属錯化剤と一緒に、またはそれなしで、レドックス反応を触媒する鉄、銅、マンガン、銀、白金、バナジウム、ニッケル、クロム、パラジウム、またはコバルトの金属塩を利用してもよい。
酸化剤およびレダクタントは、通常は別のプロセス流中でモノマー組成物に加えられる。酸化剤およびレダクタントは、十分なフリーラジカルが発生して所望の重合反応が行える限りにおいて、任意の順序で添加してよい。酸化還元対(酸化剤とレダクタント)の追加の添加に関しては、全ての残余酢酸ビニルモノマーまたは残余共重合可能なモノマー(単一または複数)を減らすために、最初の酸化還元対の添加後の重合反応中に、任意の順序、および任意の時点で添加してよい。
重合は連鎖移動剤の存在下で実施することができる。適切な連鎖移動剤には、チオおよびジスルフィド含有化合物、例えば、tert−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタンなどのC〜C18アルキルメルカプタン;メルカプトアルコール、例えば、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロパノール;メルカプトカルボン酸、例えば、メルカプト酢酸および3−メルカプトプロピオン酸;メルカプトカルボン酸エステル、例えば、ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート、ドデシルチオグリコレート、イソオクチル3−メルカプトプロピオネート、およびブチル3−メルカプトプロピオネート;チオエステル;C〜C18アルキルジスルフィド;アリールジスルフィド;多官能性チオール、例えば、トリメチロールプロパン−トリス−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトール−テトラ−(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトール−テトラ−(チオグリコレート)、ペンタエリトリトール−テトラ−(チオラクテート)、ジペンタエリトリトール−ヘキサ−(チオグリコレート)など;ホスファイトおよびハイポホスファイト;C〜Cアルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド;ハロアルキル化合物、例えば、四塩化炭素、ブロモトリクロロメタンなど;ヒドロキシルアンモニウム塩、例えば、硫酸ヒドロキシルアンモニウム;ギ酸、亜硫酸水素ナトリウム;イソプロパノール;および、例えば、コバルト錯体(例えば、コバルト(II)キレート)などの触媒連鎖移動剤が挙げられるがこれらに限定されない。
連鎖移動剤は、通常は重合媒体中に存在するモノマーの合計重量を基準として、0.1〜10重量%の範囲の量で使用される。
乳化重合プロセスにおいては、界面活性助剤を使って、モノマー/ポリマーの液滴または粒子を安定化させることが好都合な場合がある。一般に、これらは、乳化剤または保護コロイドである。使用される乳化剤はアニオン性、非イオン性、カチオン性または両性であってよい。乳化重合を促進するための適切なアニオン性界面活性剤は当技術分野で公知であり、それらには、(C〜C18)アルキルスルフェート、(C14〜C16)アルファオレフィンスルホネート、(C〜C18)アルキルエーテルスルフェート(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウレス硫酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミノおよびアルカリ金属塩、例えば、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートおよびジメチルエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウム(C〜C16)アルキルフェノキシベンゼンスルホネート、ジナトリウム(C〜C16)アルキルフェノキシベンゼンスルホネート、ジナトリウム(C〜C16)ジアルキルフェノキシベンゼンスルホネート、ジナトリウムラウレス−3スルホスクシネート、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムジ−sec−ブチルナフタレンスルホネート、ジナトリウムドデシルジフェニルエーテルスルホネート、ジナトリウムn−オクタデシルスルホスクシネート、分枝アルコールエトキシレートのリン酸エステルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
乳化重合を促進するのに適した非イオン性界面活性剤はポリマー技術分野で周知されており、それらには、直鎖または分枝C〜C30脂肪アルコールエトキシレート、例えば、カプリルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ミリスチルアルコールエトキシレート、セチルアルコールエトキシレート、ステアリルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、ステロールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、およびベヘニルアルコールエトキシレート;アルキルフェノールアルコキシレート、例えば、オクチルフェノールエトキシレートおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられるがこれらに限定されない。非イオン性界面活性剤として適する追加の脂肪アルコールエトキシレートを以下に記載する。他の有用な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレングリコールのC〜C22脂肪酸エステル、エトキシ化モノおよびジグリセリド、ソルビタンエステルおよびエトキシ化ソルビタンエステル、C〜C22脂肪酸グリコールエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。前述のエトキシレートのそれぞれの中のエチレンオキシド単位の数は、一態様では2または2より大きく、別の態様では2〜約150の範囲であってよい。
使用されるカチオン性および両性乳化剤の例は、四級化アミンアルコキシレート、アルキルベタイン、アルキルアミドベタインおよびスルホベタインである。乳化剤の量は、通常は、重合に利用されるモノマーの重量を基準にして、一態様では約1〜約10重量%、別の態様では約2〜約8重量%の範囲である。重合反応に使われる乳化剤は、その全体を最初のモノマーの重合反応器への投入と一緒に添加してもよく、または重合中に乳化剤の一部、例えば、25〜90%を連続的にもしくは間欠的に添加してもよい。
上記乳化剤に加えて種々の保護コロイドも同様に使用できる。典型的な保護コロイドの例は、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ(ビニルアルコール)、部分水解ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルエーテル、デンプンおよびデンプン誘導体、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルスクシンイミド、ポリビニル−2−メチルスクシンイミド、ポリビニル−1,3−オキサゾリド−2−オン、ポリビニル−2−メチルイミダゾリンおよびマレイン酸または無水物コポリマーである。保護コロイドは、通例、合計エマルジョンの重量を基準にして、約0.05〜約5重量%の範囲の濃度で使用される。
本発明の一実施形態では、保護コロイドは、一態様では約80〜95%、別の態様では約85〜90%の範囲の加水分解度を有するポリ(ビニルアルコール)から選択される。
重合反応は、窒素などの不活性雰囲気下において、一態様では約40〜約80℃、別の態様では約55〜約70℃、さらなる態様では約60〜約65℃の範囲の温度で実施することができる。
重合は、一態様では2〜7、別の態様では3〜5の範囲のpHで実施できる。pH範囲を維持するために、通例の緩衝系、例えば、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属炭酸塩、およびアルカリ金属りん酸塩を利用することが有用であり得る。
通常、重合反応は、残余モノマーである酢酸ビニルモノマーの反応媒体中の含量が、一態様では約1%未満、別の態様では約0.5%未満、さらなる態様では約0.2%未満になるまで続けられる。反応完了物を不活性雰囲気下で室温まで冷却させる。
当技術分野で周知のように、乳化プロセスは単一反応器中または多段反応器中で実施することができる。モノマーは予混合バッチ混合物として添加することができる、または各モノマーを、反応器中に段階的に計量投入することができる。乳化重合における典型的な混合物は、水、モノマー(単一または複数)、開始剤(通常水溶性)および乳化剤を含む。モノマーは、乳化重合技術分野において周知の方法にしたがって、一段、二段または多段重合プロセスで乳化重合することができる。二段重合プロセスにおいては、第一段のモノマーを加え、最初に水性媒体中で重合し、続いて第二段のモノマーの添加および重合を行う。水性媒体は任意選択で有機溶媒を含むことができる。利用する場合、有機溶媒は水性媒体の約5重量%未満である。水混和性有機溶媒の適切な例には、エステル、アルキレングリコールエーテル、アルキレングリコールエーテルエステル、低分子量脂肪族アルコールなどが挙げられるがこれらに限定されない。
典型的な二段レドックス乳化重合では、モノマーの混合物を、不活性雰囲気下で第1の反応器に添加して乳化界面活性剤(例えば、アニオン性界面活性剤)水溶液に加える。所望により、任意選択の加工助剤(例えば、保護コロイド、補助乳化剤(単一または複数))を加えることができる。反応器の内容物を撹拌してモノマーエマルジョンを調製する。撹拌機、不活性ガス入口および供給ポンプを備えた第2の反応器に、不活性雰囲気下で所望量の水、ならびに追加のアニオン性界面活性剤および任意選択の加工助剤を加える。第2の反応器の内容物を混合撹拌しながら加熱する。第2の反応器の内容物が約55〜70℃の範囲の温度に達した後、フリーラジカルレドックス開始剤を、第2の反応器中の上述のように形成した界面活性剤水溶液に注入し、第1の反応器からのモノマーエマルジョンを、通常は約0.5〜約4時間かけて第2の反応器に徐々に計量投入する。反応温度を約45〜約95℃の範囲で制御する。モノマー添加が終了した後、追加量のフリーラジカル開始剤を任意選択で第2の反応器に添加することができる。得られた反応混合物を通常、約45〜95℃の温度で、重合反応を完了させてポリマーエマルジョンを得るために十分な時間保持する。用いるモノマー(単一または複数)および所望の反応条件に応じて、温度範囲を変えることができる。
一態様では、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、約65〜約100重量%(合計モノマー重量を基準にして)の酢酸ビニルと、少なくとも0.1重量%(乾燥ポリマー重量を基準にして)の少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーと、約0〜約35重量%(合計モノマー重量を基準にして)の、
i)少なくとも1つのC〜C22アルキル(メタ)アクリレート;
ii)少なくとも1つのN−ビニルアミド;
iii)2〜22個の炭素原子を有するアシル部分を含む脂肪族カルボン酸の少なくとも1つのビニルエステル(酢酸ビニル以外の);
iv)少なくとも1つのアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート、少なくとも1つのヒドロキシ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート、およびこれらの組み合わせ;
v)少なくとも1つのアルコキシ化会合性モノマー;
vi)少なくとも1つのアルコキシ化半疎水性モノマー;および
vii)i)からvi)の混合物から選択される共重合性モノマー、
とを用意する工程、ならびに
重合を開始させるために十分な量の酸化剤および還元剤を含むフリーラジカルレドックス開始剤対であって前記酸化剤が疎水性のヒドロペルオキシドから選択されるレドックス開始剤対の存在下、乳化重合条件下でモノマー混合物を重合する工程により調製される。
一態様では、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、約70〜約95重量%(合計モノマー重量を基準にして)の酢酸ビニルと、少なくとも0.1重量%(乾燥ポリマー重量を基準にして)の少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーと、約5〜約30重量%の、
i)少なくとも1つのC〜Cアルキル(メタ)アクリレート;
ii)少なくとも1つのN−ビニルアミド;およびi)とii)の混合物から選択される共重合性モノマーとを含むモノマー混合物を用意する工程、ならびに
重合を開始させるために十分な量の酸化剤および還元剤を含むフリーラジカルレドックス開始剤対であって前記酸化剤が疎水性のヒドロペルオキシドから選択されるレドックス開始剤対の存在下、乳化重合条件下でモノマー混合物を重合する工程により調製される。
一態様では、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、約70〜約95重量%(合計モノマー重量を基準にして)の酢酸ビニルと、少なくとも0.1重量%(乾燥ポリマー重量を基準にして)の少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーと、約5〜約30重量%の、
i)エチルアクリレート、ブチルアクリレート、およびこれらの混合物;
ii)N−ビニル−2−ピロリジノン;およびi)とii)の混合物から選択される共重合性モノマーとを含むモノマー混合物を用意する工程、ならびに
重合を開始させるために十分な量の酸化剤および還元剤を含むフリーラジカルレドックス開始剤対であって前記酸化剤が疎水性のヒドロペルオキシドから選択されるレドックス開始剤対の存在下、乳化重合条件下でモノマー混合物を重合する工程により調製される。
一態様では、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、約70〜約95重量%(合計モノマー重量を基準にして)の酢酸ビニルと、少なくとも0.1重量%(乾燥ポリマー重量を基準にして)の少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーと、約5〜約10重量%(合計モノマー重量を基準にして)のN−ビニル−2−ピロリジノンから選択される共重合性モノマーと、0〜20重量%のエチルアクリレート、ブチルアクリレート、およびこれらの混合物から選択される共重合性モノマーとを含むモノマー混合物を用意する工程、ならびに重合を開始させるために十分な量の酸化剤および還元剤を含むフリーラジカルレドックス開始剤対であって前記酸化剤が疎水性のヒドロペルオキシドから選択されるレドックス開始剤対の存在下、乳化重合条件下でモノマー混合物を重合する工程により調製される。
降伏応力流体
本発明の1つの例示的態様では、本発明の降伏応力流体は:i)前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数);ii)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの界面活性剤;およびiii)水を含む。
本発明の別の例示的態様では、本発明の降伏応力流体は:i)前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数);ii)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;ならびにiii)水を含む。
本発明の別の例示的態様では、本発明の降伏応力流体は:i)前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数);ii)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤および少なくとも1つの両性界面活性剤;ならびにiii)水を含む。
意外にも、本明細書で記載のエマルジョンレドックス重合プロセスにより調製されるこの酢酸ビニルに富むポリマーは、界面活性剤により活性化されて、水性媒体中に粒子状物質および不溶性物質を、pHにから独立しており、無期限に懸濁させる能力を備えた望ましいレオロジー的および審美的特性を有する安定な降伏応力流体を提供することができる。降伏応力値、弾性係数および光学的透明性は、粒子状物質および不溶性物質が含まれる組成物のpHに実質的に無関係である。本発明の降伏応力流体は、一態様では約2〜約14、別の態様では約3〜11、さらなる態様では約4〜約9の範囲のpHで有用である。所望のレオロジープロファイルを付与するように酸または塩基で中和する必要があるpH応答性架橋ポリマー(酸または塩基感受性のもの)とは異なって、本発明の架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーのレオロジープロファイルはpHに実質的に無関係である。pHに実質的に無関係であるということは、本発明のポリマーを含む降伏応力流体が、広いpH範囲(例えば、約2〜約14)にわたって所望のレオロジープロファイル(例えば、一態様では少なくとも0.1Pa、別の態様では少なくとも少なくとも0.5Pa、さらに別の態様では少なくとも1Pa、さらなる態様では少なくとも2Paの降伏応力)を付与し、そのpH範囲全体にわたる降伏応力値の標準偏差が本発明の一態様では1Pa未満、別の態様では0.5Pa未満、さらなる態様では0.25Pa未満であることを意味する。
本発明の1つの例示的態様では、降伏応力流体は、前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数)、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、任意選択の非イオン性界面活性剤、および水を含む。
別の例示的態様では、降伏応力流体は、前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数)、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤、任意選択の非イオン性界面活性剤、および水を含む。
さらに別の例示的態様では、降伏応力流体は、前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数)、少なくとも1つのアニオン性エトキシ化界面活性剤、任意選択の非イオン性界面活性剤、および水を含む。一態様では、アニオン性界面活性剤における平均エトキシ化度は、約1〜約3の範囲であってよい。別の態様では、平均エトキシ化度は約2である。
さらなる例示的態様では、降伏応力流体は、前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数)、少なくとも1つのアニオン性エトキシ化界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤、任意選択の非イオン性界面活性剤、および水を含む。一態様では、アニオン性界面活性剤における平均エトキシ化度は、約1〜約3の範囲であってよい。別の態様では、平均エトキシ化度は約2である。
またさらなる例示的態様では、降伏応力流体は、前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数)、少なくとも1つのアニオン性非エトキシ化界面活性剤、少なくとも1つのアニオン性エトキシ化界面活性剤、任意選択の非イオン性界面活性剤、および水を含む。一態様では、アニオン性界面活性剤における平均エトキシ化度は、約1〜約3の範囲であってよい。別の態様では、平均エトキシ化度は約2である。
別の例示的態様では、降伏応力流体は、前述のプロセスにより調製される少なくとも1つの架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマー(単一または複数)、少なくとも1つのアニオン性非エトキシ化界面活性剤、少なくとも1つのアニオン性エトキシ化界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤、任意選択の非イオン性界面活性剤、および水を含む。一態様では、アニオン性界面活性剤における平均エトキシ化度は、約1〜約3の範囲であってよい。別の態様では、平均エトキシ化度は約2である。
本発明の降伏応力流体を配合するのに利用される酢酸ビニルに富むポリマーの量は、全組成物の重量を基準にして、約0.5〜約5重量%のポリマー固形物(100%活性ポリマー)の範囲である。別の態様では、配合物に利用される酢酸ビニルに富むポリマーの量は、約0.75重量%〜約3.5重量%の範囲である。さらに別の態様では、降伏応力流体に用いられる酢酸ビニルに富むポリマーの量は、約1〜約3重量%の範囲である。さらなる態様では、降伏応力流体に用いられる酢酸ビニルに富むポリマーの量は、約1.5重量%〜約2.75重量%の範囲である。またさらなる態様では、降伏応力流体に利用される酢酸ビニルに富むポリマーの量は、約2〜約2.5重量%の範囲である。本発明の降伏応力流体の配合に利用される架橋された非イオン性の酢酸ビニルに富むポリマーは、乳化ポリマーである。
本発明の降伏応力流体の配合に利用される界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびこれらの混合物から選択することができる。
アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、Allured Publishing Corporationによって出版されたMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition、1998年;およびMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992年)中で開示されている。これら両文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。アニオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野で公知であるかまたは以前に使用されているいずれかのアニオン性界面活性剤であってもよい。適切なアニオン性界面活性剤には、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルカリルスルホネート、α−オレフィン−スルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルカリルポリエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルスルフェート、アルキルモノグリセリドスルフェート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、N−アルキルアミノ酸、N−アシルアミノ酸、アルキルペプチド、N−アシルタウレート、アルキルイセチオネート、アシル基が脂肪酸から誘導されたカルボン酸塩;およびそれらのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンおよびトリエタノールアミン塩が挙げられるがこれらに限定されない。
一態様では、上記塩のカチオン部分は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノ、ジおよびトリエタノールアミン塩ならびにモノ、ジおよびトリイソプロピルアミン塩から選択される。上記界面活性剤のアルキルおよびアシル基は、一態様では約6〜約24個の炭素原子、別の態様では8〜22個の炭素原子、さらなる態様では約12〜18個の炭素原子を含み、これらは飽和であっても不飽和であってもよい。界面活性剤中のアリール基は、フェニルまたはベンジルから選択される。上記のエーテル含有界面活性剤は、一態様では界面活性剤1分子当たり1〜10エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位、別の態様では界面活性剤1分子当たり1〜3エチレンオキシド単位を含むことができる。
適切なアニオン性界面活性剤の例には、1、2、3、4または5モルのエチレンオキシドでエトキシ化された、ラウレススルフェート、トリデセススルフェート、ミレススルフェート、C12〜C13パレススルフェート、C12〜C14パレススルフェートおよびC12〜C15パレススルフェートのナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムおよびアンモニウム塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム、およびトリエタノールアミンラウリルスルフェート、ココスルフェート、トリデシルスルフェート、ミリスチル(myrstyl)スルフェート、セチルスルフェート、セテアリルスルフェート、ステアリルスルフェート、オレイルスルフェート、およびタロースルフェート、二ナトリウムラウリルスルホスクシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムC12〜C14オレフィンスルホネート、ナトリウムラウレス−6カルボキシレート、ナトリウムメチルココイルタウレート、ナトリウムココイルグリシネート、ナトリウムミリスチルサルコシネート(sarcocinate)、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムココイルサルコシネート、ナトリウムココイルグルタメート、カリウムミリストイルグルタメート、トリエタノールアミンモノラウリルホスフェート、ならびに脂肪酸せっけん(約8〜約22個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびトリエタノールアミン塩を含む)が挙げられるがこれらに限定されない。
カチオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野で公知であるまたは従来使用されているカチオン性界面活性剤のいずれかであってよい。有用なカチオン性界面活性剤は、例えば、上記のMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998年およびKirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,23巻、478−541頁に記載されている1つまたは1つより多くのカチオン性界面活性剤であってよい。この内容は参照により本明細書に組み込まれる。適切なクラスのカチオン性界面活性剤には、アルキルアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシ化アミン、四級化合物および四級化エステルが挙げられるがこれらに限定されない。さらに、アルキルアミンオキシドは、低いpHでカチオン性界面活性剤として機能させることができる。
アルキルアミン界面活性剤は、置換または非置換の第一級、第二級および第三級脂肪C12−C22アルキルアミンの塩であってよく、これらの物質は「アミドアミン」と呼ばれることがある。アルキルアミンおよびその塩の非限定的な例には、ジメチルコカミン、ジメチルパルミタミン、ジオクチルアミン、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロープロパンジアミン、エトキシ化ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、アラキジルベヘニルアミン、ジメチルラウラミン、ステアリルアミン塩酸塩、ソイアミンクロリド、ステアリルアミンホルメート、N−タロープロパンジアミンジクロリドおよびアモジメチコンが挙げられる。
アミドアミンおよびその塩の非限定的な例には、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミンシトレート、パルミタミドプロピルジエチルアミンおよびコカミドプロピルジメチルアミンラクテートが挙げられる。
アルキルイミダゾリン界面活性剤の非限定的な例には、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、例えば、ステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン、ココヒドロキシエチルイミダゾリン、エチルヒドロキシメチルオレイルオキサゾリンなどが挙げられる。
エトキシ化アミンの非限定的な例には、PEG−ココポリアミン、PEG−15タローアミン、クオタニウム−52などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤として有用な四級アンモニウム化合物の中のいくつかは次の一般式に相当する:(R20212223)E、(式中、R20、R21、R22およびR23は、1〜約22個の炭素原子を有する脂肪族基、または芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールもしくはアルキル鎖中に1〜約22個の炭素原子を有するアルキルアリール基から独立に選択され;Eは塩形成アニオン、例えば、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフェートおよびアルキルスルフェートから選択されるものである)。脂肪族基は、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合、エステル結合およびアミノ基などの他の基を含むことができる。より長鎖の脂肪族基、例えば、約12個の炭素またはそれより多くの脂肪族基は飽和であっても不飽和であってもよい。一態様では、アリール基はフェニルおよびベンジルから選択される。
四級アンモニウム界面活性剤の例には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリドおよびジ(ココナッツアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムアセテート、ジタロージメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジタロージプロピルアンモニウムホスフェートならびにジタロージメチルアンモニウムニトレートが挙げられるがこれらに限定されない。
低いpHで、アミンオキシドはプロトン化し、N−アルキルアミンと類似した挙動を示すことができる。例には、ジメチルドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2−ヒドロキシエチル)テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘンアミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12〜C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタローアミンオキシド、水素化パームカーネルアミンオキシド、水素化タローアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12〜C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG−3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タローアミンオキシドおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で用いる「両性界面活性剤」という用語は、両性界面活性剤のサブセットとして当技術分野の配合技術者に周知である双性イオン界面活性剤も包含することが意図されている。両性界面活性剤の非限定的な例は、上記のMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Editionおよび上記のMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Editionに開示されている。これら両文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。適切な例には、アミノ酸(例えば、N−アルキルアミノ酸およびN−アシルアミノ酸)、ベタイン、スルタインおよびアルキルアンフォカルボキシレート(alkyl amphocarboxylate)が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の実施に適したアミノ酸ベースの界面活性剤には次式:
Figure 2016521290
(式中、R25は、10〜22個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和炭化水素基または9〜22個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和炭化水素基を含むアシル基を表し、Yは水素またはメチルであり、Zは水素、−CH、−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、−CH、−CHOH、−CHOH、−CH(OH)CH、−(CHNH、−(CHNHC(NH)NH、−CHC(O)O、−(CHC(O)Oから選択される。Mは塩形成カチオンである) で表される界面活性剤が含まれる。一態様では、R25は、直鎖または分枝C10〜C22アルキル基、直鎖または分枝C10〜C22アルケニル基、R26C(O)−で表されるアシル基から選択される基を表し、ここで、R26は直鎖または分枝C〜C22アルキル基、直鎖または分枝C〜C22アルケニル基から選択される。一態様では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムカチオンならびにモノ、ジおよびトリエタノールアミン(TEA)のアンモニウム塩から選択されるカチオンである。
アミノ酸界面活性剤は、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、フェニルアラニン、セリン、チロシンおよびバリンなどのα−アミノ酸のアルキル化およびアシル化によって誘導することができる。代表的なN−アシルアミノ酸界面活性剤は、N−アシル化グルタミン酸のモノおよびジカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびTEA塩)、例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、テアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウムおよびミリストイルグルタミン酸カリウム;N−アシル化アラニンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびTEA塩)、例えば、ココイルアラニンナトリウムおよびラウロイルアラニンTEA;N−アシル化グリシンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびTEA塩)、例えば、ココイルグリシンナトリウムおよびココイルグリシンカリウム;N−アシル化サルコシンのカルボン酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムおよびTEA塩)、例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレオイルサルコシンナトリウムおよびラウロイルサルコシンアンモニウム、ならびに上記界面活性剤の混合物であるがこれらに限定されない。
本発明において有用なベタインおよびスルタインは、アルキルベタイン、アルキルアミノベタインおよびアルキルアミドベタイン、ならびに式:
Figure 2016521290
(式中、R27はC〜C22アルキルまたはアルケニル基であり、各R28は独立にC〜Cアルキル基であり、R29はC〜Cアルキレン基またはヒドロキシ置換C〜Cアルキレン基であり、nは2〜6の整数であり、Aはカルボキシレートまたはスルホネート基であり、Mは塩形成カチオンである)で表される対応するスルホベタイン(スルタイン)から選択される。一態様では、R27はC11〜C18アルキル基またはC11〜C18アルケニル基である。一態様では、R28はメチルである。一態様では、R29はメチレン、エチレンまたはヒドロキシプロピレンである。一態様では、nは3である。さらなる態様では、Mはナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウムカチオンならびにモノ、ジおよびトリエタノールアミンのアンモニウム塩から選択される。上記ベタインおよびスルタインの混合物も利用することができる。
適切なベタインの例には、ラウリルベタイン、ミリスチルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ココヘキサデシルジメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(CAPB)、コカミドプロピルヒドロキシスルタインおよびそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキルアンフォアセテート(alkylamphoacetate)およびアルキルアンフォプロピオネート(alkylamphopropionate)(モノおよび二置換カルボキシレート)などのアルキルアンフォカルボキシレートは、次式:
Figure 2016521290
(式中、R27はC〜C22アルキルまたはアルケニル基であり、R30は−CHC(O)O、−CHCHC(O)Oまたは−CHCH(OH)CHSO であり、R31は水素または−CHC(O)Oであり、Mはナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウムならびにモノ、ジおよびトリエタノールアミンのアンモニウム塩から選択されるカチオンである)で表すことができる。
アルキルアンフォカルボキシレートの例には、ナトリウムココアンフォアセテート、ナトリウムラウロアンフォアセテート、ナトリウムカプリロアンフォアセテート、ジナトリウムココアンフォジアセテート、ジナトリウムラウロアンフォジアセテート、ジナトリウムカプリルアンフォジアセテート、ジナトリウムカプリロアンフォジアセテート、ジナトリウムココアンフォジプロピオネート、ジナトリウムラウロアンフォジプロピオネート、ジナトリウムカプリルアンフォジプロピオネートおよびジナトリウムカプリロアンフォジプロピオネートが挙げられるがこれらに限定されない。
非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、前出のMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,1998年;および前出のMcCutcheon’s,Functional Materials,North Americanで開示されている。これら両文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤の追加的な例は、Barratらの米国特許第4,285,841号およびLeikhimらの米国特許第4,284,532号に開示されている。これらの両方の特許は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非イオン性界面活性剤は一般に、長鎖アルキル基またはアルキル化アリール基などの疎水性部分ならびに種々のエトキシ化度および/またはプロポキシ化度(例えば1〜約50)のエトキシおよび/またはプロポキシ部分を含む親水性部分を有する。使用できるいくつかのクラスの非イオン性界面活性剤の例には、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化およびプロポキシ化脂肪アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪酸のエトキシ化エステル、エチレンオキシドと長鎖アミンまたはアミドの縮合生成物、エチレンオキシドとアルコールの縮合生成物、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
適切な非イオン性界面活性剤には、例えば、アルキルポリサッカリド、アルコールエトキシレート、ブロックコポリマー、ヒマシ油エトキシレート、セト/オレイルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、デシルアルコールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、ドデシルフェノールエトキシレート、エンドキャップ化エトキシレート、エーテルアミン誘導体、エトキシ化アルカノールアミド、エチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪アルコールアルコキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、モノ分枝アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、ランダムコポリマーアルコキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、ステアリルアミンエトキシレート、タロー油脂肪酸エトキシレート、タローアミンエトキシレート、トリデカノールエトキシレート、アセチレンジオール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびこれらの混合物が挙げられる。適切な非イオン性界面活性剤の具体的な例には、メチルグルセス−10、PEG−20メチルグルコースジステアレート、PEG−20メチルグルコースセスキステアレート、セテス−8、セテス−12、ドドキシノール−12、ラウレス−15、PEG−20ヒマシ油、ポリソルベート20、ステアレス−20、ポリオキシエチレン−10セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−20セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−20オレイルエーテル、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化オクチルフェノール、エトキシ化ドデシルフェノールまたは3〜20のエチレンオキシド部分を含むエトキシ化脂肪(C〜C22)アルコール、ポリオキシエチレン−20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン−23グリセロールラウレート、ポリオキシエチレン−20グリセリルステアレート、PPG−10メチルグルコースエーテル、PPG−20メチルグルコースエーテル、ポリオキシエチレン−20ソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレン−80ヒマシ油、ポリオキシエチレン−15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン−6トリデシルエーテル、ラウレス−2、ラウレス−3、ラウレス−4、PEG−3ヒマシ油、PEG600ジオレエート、PEG400ジオレエート、ポロキサマー188などのポロキサマー、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ソルビタンカプリレート、ソルビタンココエート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタンイソステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンウンデシレネートまたはこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキルグリコシド非イオン性界面活性剤を使用することもでき、これらは一般に、酸性媒体中で単糖、または加水分解して単糖にすることができる化合物を脂肪アルコールなどのアルコールと反応させて調製する。例えば、米国特許第5,527,892号および同第5,770,543号はアルキルグリコシドおよび/またはそれらの調製方法を記載している。適切な例はGlucopon(商標)220、225、425、600および625、PLANTACARE(登録商標)ならびにPLANTAPON(登録商標)の名称で市販されているものであり、これらはすべてCognis Corporation of Ambler,Pennsylvaniaから入手することができる。
別の態様では、非イオン性界面活性剤には、限定されないが、例えば、それぞれGlucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10およびGlucam(登録商標)P20の商標名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から入手できるメチルグルセス−10、メチルグルセス−20、PPG−10メチルグルコースエーテルおよびPPG−20メチルグルコースエーテルなどのアルコキシ化メチルグリコシド;ならびにそれぞれGlucamate(登録商標)DOE−120、Glucamate(商標)LTおよびGlucamate(商標)SSE−20の商標名でLubrizol Advanced Materials,Inc.から入手できるPEG120メチルグルコースジオレエート、PEG−120メチルグルコーストリオレエートおよびPEG−20メチルグルコースセスキステアレートなどの疎水変性されたアルコキシ化メチルグリコシドが挙げられ、これらもやはり適している。疎水変性されたアルコキシ化メチルグリコシドの他の例は、米国特許第6,573,375号および同第6,727,357号に開示されている。これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
他の有用な非イオン性界面活性剤には、水溶性シリコーン、例えばPEG−10ジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG−14ジメチコン、PEG−17ジメチコン、PPG−12ジメチコン、PPG−17ジメチコンならびにその誘導化/官能化型、例えばビス−PEG/PPG−20/20ジメチコン、ビス−PEG/PPG−16/16 PEG/PPG−16/16ジメチコン、PEG/PPG−14/4ジメチコン、PEG/PPG−20/20ジメチコン、PEG/PPG−20/23ジメチコンおよびペルフルオロノニルエチルカルボキシデシルPEG−10ジメチコンが挙げられる。
本発明の降伏応力流体の配合に利用される少なくとも1つの界面活性剤の量(活性重量ベース)は、合計降伏応力流体組成物の重量を基準にして、約1〜約30重量%の範囲である。他の態様では、配合物で利用される少なくとも1つの界面活性剤の量は、約3〜約25重量%の範囲にある。さらに別の態様では、降伏応力流体に用いられる少なくとも1つの界面活性剤の量は、約5〜約22重量%の範囲にある。さらなる態様では、利用される少なくとも1つの界面活性剤の量は、約6〜約20重量%の範囲である。またさらなる態様では、少なくとも1つの界面活性剤の量は、応力流体の全重量収量を基準にして、約10、12、14、16および18重量%である。
本発明の一実施形態では、両性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤(非エトキシ化および/またはエトキシ化のもの)の重量比(活性物質を基準にして)は一態様では約10:1〜約2:1であってよく、別の態様では9:1、8:1、7:1 6:1、5:1、4.5:1、4:1または3:1であってよい。エトキシ化アニオン性界面活性剤を非エトキシ化アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤と組み合わせて使用する場合、エトキシ化アニオン性界面活性剤と非エトキシ化アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の重量比(活性物質を基準として)は、一態様における約3.5:3.5:1〜他の態様における約1:1:1の範囲であってよい。
一実施形態では、流体の降伏応力値は、一態様では少なくとも約0.1Pa、一態様では約0.5Pa、別の態様では少なくとも約1Pa、さらなる態様では少なくとも約1.5Paである。別の実施形態では、流体の降伏応力は、一態様では約0.1〜約20Pa、別の態様では約0.5Pa〜約10Pa、さらなる態様では約1〜約3Pa、またさらなる態様では約1.5〜約3.5の範囲である。
任意選択で、本発明の降伏応力流体は電解質を含むことができる。適切な電解質は公知の化合物であり、それらには、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウムおよびクエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなどの多価アニオンの塩、塩化カルシウムおよび臭化カルシウムならびにハロゲン化亜鉛、塩化バリウムおよび硝酸カルシウムなどのアルカリ土類金属塩を含む多価カチオンの塩、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよび臭化アンモニウムを含むアルカリ金属またはアンモニウムのハロゲン化物、アルカリ金属硝酸塩または硝酸アンモニウムならびにそのブレンドを含む一価カチオンと一価アニオンの塩が挙げられる。通常は使用される電解質の量は組み込まれる酢酸ビニルに富むポリマーの量に依存するが、全組成物の重量を基準にして、一態様では約0.1〜約4重量%、別の態様では約0.2〜約2重量%の濃度レベルで使用することができる。
降伏応力流体は、0.1〜1s−1の剪断速度で0.5未満のずり流動化指数を有し、少なくとも10%の光透過率を有する容易に注入可能なものでなければならない。本発明の降伏応力流体は、粘稠化された液体の降伏値を高めるためのレオロジー変性剤(増粘剤)と組み合わせて利用することができる。一態様では、本発明の降伏応力流体を、単独で使用された場合には、十分な降伏応力値を付与しないレオロジー変性剤である非イオン性レオロジー変性剤と組み合わせることができる。水に可溶性で、安定であり、イオン性基またはイオン化可能な基を含まない限り、いずれのレオロジー変性剤も適している。適切なレオロジー変性剤には、天然ゴム(例えば、フェヌグリーク、カッシア、イナゴマメ、タラおよびグアーから選択されるポリガラクトマンナンゴム)、変性セルロース(例えば、エチルヘキシルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびセチルヒドロキシエチルセルロース);ならびにこれらの混合物、メチルセルロース、ポリエチレングリコール(例えば、PEG4000、PEG6000、PEG8000、PEG10000、PEG20000)、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド(ホモポリマーおよびコポリマー)および疎水変性エトキシ化ウレタン(HEUR)が挙げられるがこれらに限定されない。レオロジー変性剤は、組成物の総重量の重量を基準にして、一態様では約0.5〜約25重量%、別の態様では約1〜約15重量%、さらなる態様では約2〜約10重量%の範囲の量で使用することができる。
本発明の降伏応力流体は、降伏応力特性を必要とする任意の用途で使用することができる。降伏応力流体は、単独か、またはその降伏応力値を高めるための他の流体と組み合わせて使用することができる。
一実施形態では、本発明の降伏応力流体を、水性組成物中で粒子状物質および不溶性液滴を懸濁させるために利用することができる。このような流体は石油およびガス、パーソナルケアおよびホームケア産業において有用である。
石油およびガス産業では、本発明の降伏応力流体を、掘削および水圧破砕流体の降伏応力値を高めるために使用することができ、穿孔堀くず、および、例えば、砂、焼結ボーキサイト、ガラス玉、セラミック材料、ポリスチレンビーズなどの破砕プロパントを懸濁させるために採用することができる。
パーソナルケア産業では、本発明の降伏応力流体を、清浄用組成物、ヘアーおよびスキンケア組成物ならびに化粧品の降伏応力特性を改善するために利用でき、不溶性シリコーン、乳白剤および真珠光沢剤(例えば、雲母、被覆雲母)、顔料、角質除去剤、フケ防止剤、粘土、膨潤性粘土、ラポナイト、気泡、リポソーム、マイクロスポンジ、化粧品用ビーズ、化粧品用マイクロカプセルおよびフレークを懸濁させるために利用することができる。本発明の降伏応力流体は、懸濁物中のこれらの物質を23℃で、一態様では少なくとも1カ月間、別の態様では少なくとも6ヶ月、さらなる態様では少なくとも1年間安定化させることができる。
この安定な組成物は、粘度が大きく増加または低下することなく、相分離、例えば沈降もしくはクリーミングアウト(表面への浮上)、または45℃で長期間、例えば、少なくとも1ヶ月間にわたって透明性の喪失を伴うことなく、良好なずり流動化特性を有する許容可能な滑らかなレオロジーを維持する。
代表的ビーズ成分には、寒天ビーズ、アルギネートビーズ、ホホバビーズ、ゼラチンビーズ、Styrofoam(商標)ビーズ、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンビーズ、Unispheres(商標)およびUnipearls(商標)化粧品用ビーズ(Induchem USA,Inc.,New York、NY)、Lipocapsule(商標)、Liposphere(商標)およびLipopearl(商標)マイクロカプセル(Lipo Technologies Inc.,Vandalia,OH)ならびにConfetti II(商標)皮膚送達用フレーク(United−Guardian,Inc.,Hauppauge,NY)が挙げられるがこれらに限定されない。ビーズは、審美材料として使用することができる、あるいは環境の劣化作用からそれらを保護するため、または最終製品における最適な送達、放出および性能に対する有益剤をカプセル化するために使用することができる。
一態様では、化粧品用ビーズは約0.5〜約1.5mmの大きさの範囲である。別の態様では、ビーズと水の比重差は、一態様では約±0.01〜0.5、別の態様では約±0.2〜0.3g/mlである。
一態様では、マイクロカプセルは約0.5〜約300μmの大きさの範囲にある。別の態様では、マイクロカプセルと水の比重差は約±0.01〜0.5である。マイクロカプセルビーズの非限定的な例は、米国特許第7,786,027号に開示されている。この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の一態様では、粒子状成分および/または不溶性液滴の量は、組成物の総重量を基準として、約0.1%〜約10重量%の範囲であってよい。
本発明の降伏応力流体に含めることができる種々の成分および構成要素についての重複した重量範囲が、本発明の選択された実施形態および態様において表現されているが、その組成物中の各成分の具体的な量は、各成分の量が、組成物中のすべての成分の和が合計100重量パーセントとなるよう調整されるように、その開示された範囲から選択されることは容易に明らかなはずである。採用される量は、所望の製品の目的および特徴によって変化することになり、それは配合技術分野の当業者によって、および文献から容易に決定できる。
本発明を以下の実施例によって例示するが、これらは、例示のためだけものものに過ぎず、本発明の範囲またはそれを実行できる方法を限定するとみなされるべきものではない。別段の指定が特にない限り、部およびパーセンテージは重量で与えられる。
試験方法
降伏応力
これらの試料の降伏応力を、コーンプレート型配置(2度のコーン角度と56μmのギャップを有する40mmコーン)を備えた応力制御型レオメーター(TA Instruments AR1000Nレオメーター、New Castle,DE)を使って25℃における振動および定常剪断測定により決定する。振動測定は、1Hz〜0.001Hzの固定周波数で行う。増加する応力振幅の関数として弾性および粘性係数(それぞれG’およびG”)が得られる。膨潤したポリマー粒子が、低応力振幅時に詰め込み型ネットワークを形成した場合にはG’はG”より大きくなるが、より高い振幅の交差G”ではネットワークの破壊によりG’は減少する。G’とG’’の交差に対応するこの応力は、降伏応力として表される。
粘度(ブルックフィールド法)
ブルックフィールド回転スピンドル法(本明細書で報告される全ての粘度測定値は、言及の有無にかかわらずブルックフィールド法で行われる):粘度測定値は、20回転/分(rpm)で、約20〜25℃の周囲室温下、ブルックフィールド回転スピンドル粘度計、モデルRVT(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.)を採用して、mPa・sで計算される(以降では粘度と呼ぶ)。スピンドルサイズは、製造業者の標準的操作推奨条件に従って選択される。通常、スピンドルサイズは次のように選択される:
Figure 2016521290
スピンドルサイズの推奨条件は、例証の目的のためのみのものである。当業者なら測定されるシステムに適するスピンドルサイズを選択するであろう。
濁度
組成物の濁度(透明性)は、ネフェロ分析濁度メーター(Mircro100濁度計、HF Scientific,Inc.)を用いて、約20〜25℃の周囲室温下で、比濁計濁度単位(NTU)で測定される。蒸留水(NTU=0)を標準として利用する。6ドラムスクリューキャップバイアル(70mmx25mm)に試験試料をほぼ上端まで満たし、全ての気泡が除かれるまで100rpmで遠心分離する。遠心分離時に、各試料バイアルをティッシュぺーパーで拭き取って濁度計にセットする前に汚れを全て取り除く。試料を濁度計にセットし、読み取る。読みが安定するとすぐに、NTU値が記録される。バイアルを1/4回転させ、別の読取りを行い、記録する。これを4回読み取りが行われるまで繰り返す。4つの読み値の内で最も小さい値を濁度値として報告する。一態様では濁度値≦100NTU、別の態様では濁度値≦75NTU、さらに別の態様では濁度値≦50NTU、さらなる態様では濁度値≦30NTU、またさらなる態様では濁度値≦15NTU、追加の態様では濁度値10NTUは、透明と見なされる。
懸濁安定性
活性なおよび/または審美的に喜ばれる不溶性でオイル状、ガス状および粒子状物質を懸濁させるポリマーシステムの能力は、製品の有効性とアピールの観点から重要である。懸濁安定性は、界面活性剤組成物含有ポリマーが、約1.4の比重の1.2mmの大きさのビーズ(Induchem AG,Switzerlandから入手したUnisphere(商標)REL552)を選択された期間にわたり懸濁させる(沈降またはクリーム分離を起こすことなく)能力を評価する。各配合物を6ドラムバイアル(約70mm高さx25mm直径)の50mmの位置まで満たす。ビーズをそれぞれの試料(合計配合物の重量を基準にして0.6重量%)中に秤取し、ビーズが各試料全体に均一に分散するまで木製スパチュラで緩やかに攪拌する。バイアルを実験台上に置いて、周囲室温で4週間または16週間にわたり熟成させる。各試料のビーズ懸濁性を毎日モニターする。懸濁結果を4週間または16週間の試験期間にわたり目視で観察する。前記組成物を合否判定により等級付けを行う。ビーズが試験配合物中で懸濁したままである(浮上または沈降しない)場合、その組成物は合格である。ビーズが試験配合物を含むバイアルの底に沈降するかまたは上部に浮上する(クリーム分離する)場合、その組成物は不合格である。
以下の略語および商品名を実施例で使用する。
Figure 2016521290
実施例1
100重量%VAを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.291重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは次のようにして合成される。
140gの水、16.67gのSulfochem(商標)ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)界面活性剤、1.0グラムの酢酸ナトリウム、498.72gのVAおよび1.43gのAPEを混合してモノマープレミックスを作製する。40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合して酸化剤Aを作製する。5gの水に0.13gのエリソルビン酸を溶解させてレダクタントAを調製する。100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させてレダクタントBを調製する。3リットルの反応容器に700gの水、20gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤、および8.33gのSLSを投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら反応容器の内容物を60℃に加熱する。酸化剤Aを反応容器に加え、続いてレダクタントAを加える。約2分後、モノマープレミックスを、180分間かけて反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの計量投入開始約2分後、レダクタントBを、210分間かけて反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの供給が完了した後、33gの水を使ってプレミックス容器の残留内容物を反応容器中に流し出す。レダクタントBの供給が完了した後、反応容器内容物の温度を60℃で60分間保持する。その後、反応容器の内容物を55℃に冷却する。1.79gの70%TBHP、0.17gのSLSおよび25gの水の酸化剤溶液を反応容器に加える。5分後、25gの水中の0.75gのBruggolite(商標)FF6レダクタントの溶液を反応容器に加える。反応混合物を55℃で保持する。30分後、25gの水の中の1.79gの70%TBHPおよび0.17gのSLSの酸化剤溶液を反応容器に加える。5分後、25gの水中の0.75gのBruggolite(商標)FF−6レダクタント、133gのSLSの溶液を反応容器に加える。反応容器を55℃で約30分間保持する。反応容器を室温に冷却し、ポリマーエマルジョンを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。濾過エマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで4.6に調節する。エマルジョンは75nmの平均粒径を有する28.5重量%のポリマー固形物を含む。エマルジョンの粘度は7cpsである。
実施例2
100重量%VAを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.291重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは次のようにして合成される。
140gの水、5gのSulfochem(商標)ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)界面活性剤、1.0グラムの酢酸ナトリウム、499.0gのVAおよび1.43gのAPEを混合してモノマープレミックスを作製する40gの水中で2.86gの70%TBHPを混合して酸化剤Aを調製する。5gの水に0.15gのエリソルビン酸を溶解させてレダクタントAを調製する。100gの水に2.0gのエリソルビン酸を溶解させてレダクタントBを調製する。3リットルの反応容器に700gの水、30gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤、および8.33gのSLSを投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら内容物を60℃に加熱する。酸化剤Aを反応容器に加え、続いてレダクタントAを加える。約2分後、モノマープレミックスを、180分間かけて反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの供給開始約2分後、レダクタントBを、210分間かけて反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの供給が完了した後、33gの水を使ってプレミックス容器の残留内容物を反応容器中に流し出す。レダクタントBの供給が完了した後、反応容器内容物の温度を60℃で60分間保持する。次いで反応容器内容物を55℃に冷却する。25gの水中の1.79gの70%TBHP、0.17gのSLSの酸化剤溶液を反応容器に加える。5分後、25gの水中の0.75gのBruggolite(商標)FF6レダクタントの溶液を反応容器に加える。反応容器の温度を55℃に保持する。30分後、25gの水中の1.79gの70%TBHPおよび0.17gのSLSの酸化剤溶液を反応容器に加える。5分後、25gの水中の0.75gのBruggolite(商標)FF6レダクタントの溶液を反応容器に加える。反応容器を60℃で約30分間保持する。反応容器を室温に冷却し、ポリマーエマルジョンを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。濾過エマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで4.1に調節する。エマルジョンは104nmの平均粒子サイズを有する29.0重量%のポリマー固形物を含む。エマルジョンの粘度は7cpsである。
実施例3
モノマープレミックスに473gのVA、15gのNVPおよび1.43gのAPEを利用することを除いて、95重量%のVAと5重量%のNVPを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.291重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは実施例1のプロセスにより調製される。ポリマーエマルジョンは、29.3重量%のポリマー固形分含有量、7cpsの粘度、および82nmの粒子サイズを有する。
実施例4
90重量%のVA、10重量%のNVPを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.15重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは次のように行われる。
62.5gの水、8.33gのSulfochem(商標)ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)界面活性剤、223.13gのVA、25gのNVPおよび1.43gの20重量%APEと80重量%の酢酸ビニルの混合物を混合してモノマープレミックスを作製する。20gの水に1gのエリソルビン酸を溶解させてレダクタントAを調製する。50gの水中で1.43gの70%TBHPと0.22gのSLSを混合して酸化剤Aを作製する。1リットルの反応容器に375gの水、10gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤、および4.17gのSLSを投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら内容物を68℃に加熱する。次いでレダクタントAを反応容器に加える。約2分後、酸化剤Aを、210分間かけて反応容器に計量投入する。酸化剤Aの供給開始約2分後、モノマープレミックスを、180分間かけて反応容器に計量投入する。プレミックスの供給が完了した後、16.5gの水を使ってプレミックス容器の残留内容物を反応容器中に流し出す。酸化剤Aの供給が完了した後、反応容器内容物を68℃で60分間保持する。反応容器の内容物を55℃に冷却する。12.5gの水中の0.89gの70%TBHP、0.08gのSLSの酸化剤溶液を反応容器に加える。5分後、12.5gの水中の0.75gのエリソルビン酸のレダクタント溶液を反応容器に加える。反応容器内容物の温度を55℃に保持する。30分後、12.5gの水中の0.89gの70%TBHPと0.08gのSLSの酸化剤溶液を反応容器に加える。5分後、12.56gの水中の0.75gのエリソルビン酸のレダクタント溶液を反応容器に加える。反応容器の温度を55℃で約30分間保持する。反応容器の内容物を室温に冷却し、ポリマーエマルジョンを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。得られたエマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで4.5に調節する。エマルジョンは112nmの平均粒子サイズを有し、28.7重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例5
70重量%のVA、5重量%のBAおよび15重量%のEAを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.251重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは次のように合成される。
62.5gの水、8.33gのSulfochem(商標)ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)界面活性剤、171.88gのVA、25gのNVP、12.5gのBA、37.5gのEA、および3.13gの20重量%APEと80重量%のVAの混合物を混合してモノマープレミックスを作製する。20gの水に1gのBruggolite(商標)FF6レダクタントを溶解してレダクタントAを調製する。50gの水中で1.43gの70%TBHPと0.22gのSLSを混合して酸化剤Aを作製する。1リットルの反応容器に375gの水、15gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤、および4.17gのSLSを投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら反応容器の内容物を68℃に加熱する。次いでレダクタントAを反応容器に加える。約2分後、210分間かけて反応容器に酸化剤Aを計量投入する。酸化剤Aの供給開始約2分後、モノマープレミックスを、180分間かけて反応容器に計量投入する。プレミックスの供給が完了した後、16.5gの水を使ってプレミックス容器の残留内容物を反応容器中に流し出す。酸化剤Aの供給が完了した後、反応容器の温度を68℃で60分間保持する。その後、反応容器の内容物を55℃に冷却する。12.5gの水中の0.89gの70%TBHP、0.08gのSLSの溶液を反応容器に加える。5分後、12.5gの水中の0.38gのBruggolite(商標)FF6レダクタントの溶液を反応容器に加える。反応容器を55℃で保持する。30分後、12.5gの水中の0.89gの70%TBHPおよび0.08gのSLSの溶液を反応容器に加えた。5分後、12.56gの水中の0.38gのBruggolite(商標)FF6レダクタントの溶液を反応容器に加えた。反応容器を55℃で約30分間保持した。反応容器の内容物を室温に冷却し、乳化ポリマーを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。得られたエマルジョンのpHは5である。エマルジョンは172nmの平均粒子サイズと8cpsの粘度を有し、29.9重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例6
174.38gのVA、50gのEA、25gのNVPおよび3.13gの20重量%のAPEと80重量%のVAの混合物をモノマープレミックスに利用することを除いて、70重量%のVA、20重量%のEA、および10重量%のNVPを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.251重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは実施例4のプロセスにより合成される。ポリマーエマルジョンは、170nmの平均粒子サイズと7cpの粘度を有し、29.0重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例7
70重量%のVA、20重量%のBAおよび10重量%のNVPを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.251重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは次のように合成される。
62.5gの水、6.25gのSulfochem(商標)AOS−K界面活性剤(AOS)、171.88gのVA、25gのNVP、50gのBA、および3.13gの20重量%APEと80重量%の酢酸ビニルの混合物を混合してモノマープレミックスを作製する。20gの水に1gのBruggolite(商標)FF6還元剤を溶解してレダクタントAを調製する。50gの水中で1.43gの70%TBHPと0.16gのAOSを混合して酸化剤Aを作製する。1リットルの反応容器に375gの水、15gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤、および3.13gのAOSを投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら反応容器の内容物を68℃に加熱する。次いでレダクタントAを反応容器に加える。約2分後、酸化剤Aを、210分間かけて反応容器に計量投入する。反応開始剤Aの供給開始約2分後、モノマープレミックスを、180分間かけて反応容器に計量投入する。プレミックスの供給が完了した後、16.5gの水を使ってプレミックス容器の残留内容物を反応容器中に流し出す。酸化剤Aの供給が完了した後、反応容器の温度を68℃で60分間保持する。その後、反応容器の内容物を55℃に冷却する。12.5gの水中の0.89gの70%TBHP、0.08gのAOSの溶液を反応容器に加える。5分後、12.5gの水中の0.38gのBruggolite FF6の溶液を反応容器に加えた。反応容器を55℃で保持した。30分後、12.5gの水中の0.89gの70%TBHPおよび0.08gの40%AOSの溶液を反応容器に加えた。5分後、12.56gの水中の0.38gのBruggolite(商標)FF6レダクタントの溶液を反応容器に加える。反応容器を55℃で約30分間保持する。反応容器の内容物を室温に冷却し、その後、ポリマーエマルジョンを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。得られたエマルジョンのpHは5.25である。エマルジョンは88nmの平均粒子サイズを有し、27.7重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例8
171.88gのVA、50gのVA−10、25gのNVPおよび3.13gの20重量%のAPEと80重量%のVAの混合物をモノマープレミックスに利用することを除いて、70重量%のVA、20重量%のVA−10、および10重量%のNVPを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.251重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは実施例5のプロセスにより合成される。ポリマーエマルジョンは、104nmの平均粒子サイズ、7cpの粘度、pH5.1を有し、28.6重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例9(比較例)
100重量%のVAを含むモノマー混合物から調製される直鎖乳化ポリマー(架橋剤なし)は次のようにして合成される。
1リットルの反応容器に、649.7gの水、150gのVA、8.7gの10%(活性剤)ドデシル硫酸ナトリウム、14.5gの2%重炭酸ナトリウム、および8.6gの5%過硫酸カリウム開始剤を投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら反応器の内容物を40℃に加熱する。40℃で18時間保持後、反応温度を90℃に上げる。90℃で4時間保持後、反応容器の内容物を室温に冷却し、その後、ポリマーエマルジョンを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。エマルジョンは154nmの平均粒子サイズ、pH3.7、4cpsの粘度を有し、18.2重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例10(比較例)
プレミックスに使用するモノマー組成物が150gのVAと0.098gの55%DVBを含むことを除いて、100重量%のVAを含み、DVB(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.04重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは比較例9に記載のようにして合成される。エマルジョンは94nmの平均粒子サイズ、pH3.5、4cpsの粘度を有し、16.4重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例11(比較例)
100重量%のVAを含み、APE(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.291重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは次のようにして合成される。
140gの水、3gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤、1.0グラムの酢酸ナトリウム、499gのVAおよび1.43gのAPEを混合してモノマープレミックスを作製する。40gの水に2gのエリソルビン酸を混合してレダクタントAを作製する。5gの水に0.25gの過硫酸アンモニウムを溶解させて酸化剤Aを調製する。100gの水に2gの過硫酸アンモニウムを溶解させて酸化剤Bを調製する。3リットルの反応容器に800gの水と20gの50%Abex(商標)2545非イオン性界面活性剤を投入する。窒素雰囲気下で穏やかな撹拌を加えながら反応器の内容物を60℃に加熱する。次に、レダクタントAを反応容器に加え、続いて酸化剤Aを加える。約1分後、モノマープレミックスを、150分間かけて反応容器に計量投入する。モノマープレミックスの供給開始約2分後、酸化剤Bを、180分間かけて反応容器に計量投入する。プレミックスの供給が完了した後、33gの水を使ってプレミックス容器の残留内容物を反応容器中に流し出す。酸化剤Bの供給が完了した後、反応容器の温度を65℃に上げて60分間保持する。次いで反応容器を55℃に冷却する。25gの水中の1.79gの70%TBHP、0.17gのSLSの溶液を反応容器に加える。5分後、25gの水中の0.75gのBruggolite(商標)FF6還元剤の溶液を反応容器に加える。反応容器を55℃で保持する。30分後、25gの水中の1.79gの70%TBHP、0.17gのSLSの溶液を反応容器に加える。5分後、25gの水中の0.75gのエリソルビン酸レダクタントの溶液を反応容器に加える。反応容器の内容物を55℃で約30分間保持する。反応容器を室温に冷却し、ポリマーエマルジョンを100ミクロンフィルタークロスを通してろ過する。得られたエマルジョンのpHを、水酸化アンモニウムで4.6に調節する。エマルジョンは113nmの平均粒子サイズと7cpsの粘度を有し、29.4重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例12(比較例)
プレミックスに使用するモノマー組成物が174.38gのVA、50gのEA、25gのNVPおよび0.63gの架橋モノマーMBAMを含むことを除いて、70重量%のVA、20重量%のEA、10重量%のNVPを含み、MBAM(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.251重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは実施例4に記載のようにして合成される。エマルジョンは、298nmの平均粒子サイズ、pH5、9cpsの粘度を有し、26.6重量%のポリマー固形分含有量である。
実施例13(比較例)
プレミックスに使用するモノマー組成物が174.38gのVA、50gのEA、25gのNVPおよび0.63gのTMPTAを含むことを除いて、70重量%のVA、20重量%のEA、10重量%のNVPを含み、TMPTA(乾燥ポリマーの重量を基準にして0.251重量%)で架橋したモノマー混合物から調製される乳化ポリマーは実施例4に記載のようにして合成される。エマルジョンは、195nmの平均粒子サイズ、pH5、7cpsの粘度を有し、29.4重量%のポリマー固形分含有量である。
表1は、上述の乳化重合実施例で利用されたモノマー成分についてまとめている。
Figure 2016521290
実施例14
この実施例はpHが、実施例1のプロセスにより調製される酢酸ビニルホモポリマーを含む非エトキシ化アニオン性(SLS)/両性(CAPB)界面活性剤ブレンドの降伏応力値、粘度および濁度に与える影響を調査する。脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中の3重量%のポリマー固形物および14重量%のSLSおよび3重量%のCAPBの界面活性剤ブレンドを含む試料を調製する。水酸化ナトリウム(18%重量/重量)またはクエン酸(50%重量/重量)の希釈水溶液を使って、これらの試料のpHを約3〜約13の範囲の値に調節する。上述の試験方法に従って、各pH値に対する降伏応力(1Hzの周波数)、ブルックフィールド粘度(BV)および濁度特性を測定する。結果を表2に示す。
Figure 2016521290
この結果は、本発明のプロセスにより調製されるVAに富んだホモポリマーを使って配合される場合、両性界面活性剤と組み合わせた非エトキシ化アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤の骨格は、大きな粘度の増加もなく、広いpH領域にわたり良好な透明性と降伏応力特性をもたらすことを示している。
実施例15
この実施例はpHが、実施例3のプロセスにより調製される酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマーを含む非エトキシ化アニオン性(SLS)/両性(CAPB)界面活性剤ブレンドの降伏応力値、粘度および濁度に与える影響を調査する。実施例3のコポリマーを含む試料を実施例14のようにして調製する。水酸化ナトリウム(18%重量/重量)またはクエン酸(50%重量/重量)の希釈水溶液を使って、これらの試料のpHを約3〜約13の範囲の値に調節する。上述の試験方法に従って、各pH値に対する降伏応力(1Hzの周波数)、ブルックフィールド粘度(BV)および濁度特性を測定する。結果を表3に示す。
Figure 2016521290
この結果は、本発明のプロセスにより調製されるVAに富んだコポリマーを使って配合される場合、両性界面活性剤と組み合わせた非エトキシ化アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤の骨格は、広いpH領域にわたり良好な透明性と降伏応力特性をもたらすことを示している。
実施例16
この実施例はpHが、実施例3のプロセスにより調製される酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマーを含むエトキシ化アニオン性(SLES−1)/両性(CAPB)界面活性剤ブレンドの降伏応力値、粘度および濁度に与える影響を調査する。非エトキシ化(SLS)界面活性剤がエトキシ化(SLES−1)界面活性剤で置き換えられたことを除いて、実施例3のコポリマーを含む試料を実施例15と同様にして調製する。水酸化ナトリウム(18%重量/重量)またはクエン酸(50%重量/重量)の希釈水溶液を使って、これらの試料のpHを約3〜約13の範囲の値に調節する。上述の試験方法に従って、各pH値に対する降伏応力(1Hzの周波数)、ブルックフィールド粘度(BV)および濁度値を測定する。結果を表4に示す。
Figure 2016521290
この結果は、本発明のプロセスにより調製されるVAに富んだコポリマーを使って配合される場合、両性界面活性剤と組み合わせたエトキシ化アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤の骨格は、広いpH領域にわたり良好な透明性と降伏応力特性をもたらすことを示している。
実施例17
この実施例は、両性界面活性剤(CAPB)が、脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中の非エトキシ化アニオン性(SLS)界面活性剤およびエトキシ化アニオン性(SLES)界面活性剤を含む界面活性剤組成物の降伏応力(1Hzの周波数)、粘度および濁度に与える影響を調べる。界面活性剤ブレンドは、実施例7のプロセスにより調製されるポリマーを使って配合される。結果を表5に示す。
Figure 2016521290
本発明のプロセスにより調製されるポリマーを含むアニオン性界面活性剤骨格への両性界面活性剤の添加は、降伏応力および粘度値を改善し、さらには混濁のより少ない組成物を提供する。
実施例18
界面活性剤骨格の配合に異なる両性界面活性剤(アルキルベタイン(AB))、および非エトキシ化アニオン性界面活性剤(ラウリル硫酸アンモニウム(ALS))を利用することを除いて、実施例17の実験を繰り返す。結果を表6に示す。
Figure 2016521290
実施例19
実施例1のプロセスにより調製されるVAに富んだホモポリマーをアニオン性/両性界面活性剤骨格中に配合し、降伏応力(1Hzの周波数)、粘度、濁度および懸濁安定性を調べた。結果を表7に記す。
Figure 2016521290
1重量%および1重量%より大きい活性ポリマー濃度で、界面活性剤組成物は降伏応力およびビーズを安定に懸濁させる能力を示す。
実施例20
脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中で、実施例7のプロセスにより調製される酢酸ビニルに富むコポリマーを下表中で示される選択アニオン性/両性界面活性剤骨格中に配合する。界面活性剤組成物の降伏応力(1Hz周波数)、粘度、濁度および懸濁安定性を調べる。結果を表8〜11に示す。
Figure 2016521290
Figure 2016521290
Figure 2016521290
Figure 2016521290
実施例21
比較例9のプロセスにより調製されるVAホモポリマーを脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中の種々の界面活性剤骨格中に種々の濃度で配合し、濁度特性を調査する。結果を表12に示す。
Figure 2016521290
SLS/CAPB界面活性剤配合物は、低ポリマー濃度(0.5重量%)で比較的高い濁度値を示し、より高いポリマー濃度では、界面活性剤組成物は非常に混濁する。
実施例22
比較例10のプロセスにより調製されるVAホモポリマーを脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中のSLS/CAPBおよびSLES/CAPB界面活性剤ブレンド中に2.5重量%および3.0重量%の濃度で配合し、実施例20の場合のように、降伏応力、粘度、濁度および懸濁安定性を調べる。結果を表13と14に示す。
Figure 2016521290
比較例10のプロセスにより調製されるVAコポリマーを使って配合されるSLS/CAPBの界面活性剤ブレンドは、ビーズを懸濁させることなく、混濁する。
Figure 2016521290
比較例10のプロセスにより調製されるVAコポリマーと共に配合したSLES−1/CAPB界面活性剤ブレンドはビーズを懸濁させることができるが、これらの配合物は本発明のプロセスにより調製されるポリマーに比べて非常に混濁している。
実施例23
比較例11のプロセスにより調製されるVAホモポリマーを脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中のSLS界面活性剤中に2.5重量%の濃度で配合し、実施例20の場合のように、降伏応力、粘度、濁度および懸濁安定性を調べる。結果を表15に示す。
Figure 2016521290
VAホモポリマーは本発明と類似のプロセスにより調製されるが(酸化剤開始剤の過硫酸アンモニウムを除いて)、比較ポリマーを使って配合したSLS界面活性剤は降伏応力値がなく、(高濃度でも)ビーズを懸濁させない。
実施例24
比較例12のプロセスにより調製されたVAに富むコポリマーを脱イオン(D.I.)水(適量を加えて100重量%にする)中のSLS/CAPBおよびSLES/CAPB界面活性剤ブレンド中に2.5重量%の濃度で配合する。架橋モノマーMBAM(アクリルアミドベース架橋剤)が利用されることを除いて、酢酸ビニルコポリマーは本発明と類似のプロセスにより調製される。実施例20の場合のように、界面活性剤組成物の降伏応力、粘度、濁度および懸濁安定性に関して評価する。結果を表16に示す。
Figure 2016521290
比較例12のプロセスにより調製されるポリマーを使って配合される界面活性剤組成物は低濁度値を示すが、組成物は降伏応力を有さず、ビーズを懸濁させることができない。
実施例25
比較例13のプロセスにより調製されるVAに富むコポリマーを実施例24の場合のように2.5重量%で配合する。架橋モノマーTMPTA(アクリレートベース架橋剤)が利用されることを除いて、VAに富むコポリマーは本発明と類似のプロセスにより調製される。実施例20の場合のように、界面活性剤組成物の降伏応力、粘度、濁度および懸濁安定性に関して評価する。結果を表17に示す。
Figure 2016521290
比較例12と13のプロセスにより調製されるポリマーは(アニオン性/両性界面活性剤ブレンド中へ配合される場合)低濁度値を有するが、降伏応力をもたらさず、また、ビーズを懸濁させない。

Claims (43)

  1. 酢酸ビニルに富む降伏応力乳化ポリマーを調製するプロセスであって、
    a)約65重量%〜約100重量%(合計モノマー重量を基準にして)の酢酸ビニルと、少なくとも0.01重量%(乾燥ポリマー重量を基準にして)の少なくとも2つの重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1つのポリアルケニルポリエーテルから選択される架橋モノマーとを含むモノマー組成物を用意する工程、
    b)重合を開始させるために十分な量の酸化剤および還元剤を含むフリーラジカルレドックス開始剤対の存在下、乳化重合条件下で該モノマー組成物を重合する工程であって、該酸化剤がクメンヒドロペルオキシド、第3級C〜Cアルキルヒドロペルオキシド、およびこれらの混合物から選択される、工程
    を含むプロセス。
  2. 前記酸化剤がクメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記還元剤が、亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸アンモニウム;亜硫酸水素ナトリウムおよび亜硫酸水素アンモニウム;チオ硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸アンモニウム;ヒドロ亜硫酸ナトリウムおよびヒドロ亜硫酸アンモニウム;硫化ナトリウムおよび硫化アンモニウム;硫化水素ナトリウムおよび硫化水素アンモニウム;ホルムアミジンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、重亜硫酸アセトン、エタノールアミン、グリコール酸とその塩、グリオキシル酸水和物、アスコルビン酸とその塩、エリソルビン酸(イソアスコルビン酸)とその塩、乳酸とその塩、グリセリン酸とその塩、リンゴ酸とその塩、2−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸とその塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸とその塩、酒石酸とその塩;およびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  4. 前記還元剤が、エリソルビン酸、2−ヒドロキシ−2−スルフィナート酢酸のナトリウム塩、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸のナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせから選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  5. 前記少なくとも1つの架橋モノマーが、トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル、スクロースのポリアリルエーテルおよびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  6. 前記少なくとも1つの架橋モノマーが、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルおよびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  7. 前記モノマー混合物が、
    i)少なくとも1つのC〜C22アルキル(メタ)アクリレート;
    ii)少なくとも1つのN−ビニルアミド;
    iii)2〜22個の炭素原子を有するアシル部分を含む脂肪族カルボン酸の少なくとも1つのビニルエステル(酢酸ビニル以外の);
    iv)少なくとも1つのヒドロキシ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレート;
    vi)少なくとも1つの会合性モノマー;
    vii)少なくとも1つの半疎水性モノマー;および
    viii)モノマーi)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、およびvii)の混合物、から選択される、
    一態様では約1〜35重量%、別の態様では約3〜約30重量%、さらなる態様では約5〜約20重量%、約10〜約15のフリーラジカル重合性モノマーをさらに含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  8. 前記少なくとも1つのC〜C22アルキル(メタ)アクリレートが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  9. 前記N−ビニルアミドが、N−ビニルホルムアミド,N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−(ヒドロキシメチル)−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルメチルアセトアミド、N−(ヒドロキシメチル)−N−ビニルアセトアミド、およびこれらの混合物から選択されるビニルアミドから選択され;前記N−ビニルラクタムが、N−ビニル−2−ピロリジノン、N−(1−メチルビニル)ピロリジノン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチルピロリジノン、N−ビニル−3,3−ジメチルピロリジノン、N−ビニル−5−エチルピロリジノンおよびN−ビニル−6−メチルピペリドン、およびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  10. 前記少なくとも1つの2〜22個の炭素原子を有するアシル部分を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステルが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、2−メチルヘキサン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、イソオクタン酸ビニル、ノナン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  11. 前記C〜Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーが、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  12. 前記少なくとも1つの会合性モノマーが、(i)重合可能なエチレン系不飽和末端基部分、(ii)ポリオキシアルキレン中央部分、および(iii)7〜30個の炭素原子を含む疎水性末端基部分を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  13. 前記少なくとも1つの会合性モノマーが、式VIIおよび/またはVIIA:
    Figure 2016521290
    (式中、R14は水素またはメチルであり;Aは、−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−、または−CHCHNHC(O)−であり;1〜5個の炭素原子を含む二価のアルキレン基であり;Arは二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eは、Hまたはメチルであり;zは0または1であり;kは約0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であり、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1〜約30の範囲である場合、mは1であり;Dはビニルまたはアリル部分を表し;(R15−O)はポリオキシアルキレン部分であり、これはC〜Cオキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよく、R15はC、CまたはCおよびこれらの組合せから選択される二価アルキレン部分であり;nは一態様では約2〜約150、別の態様では約10〜約120、さらなる態様では約15〜約60の範囲の整数であり;Yは−R15O−、−R15NH−、−C(O)−、−C(O)NH−、−R15NHC(O)NH−、または−C(O)NHC(O)−であり;R16は、C〜C30直鎖アルキル、C〜C30分枝アルキル、C〜C30炭素環式アルキル、C〜C30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニルおよびアリール置換C〜C30アルキルから選択される置換または非置換アルキルであり;R16のアルキル基、炭素環式アルキル基、アリール基、フェニル基は、メチル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ベンジル基、スチリル基およびハロゲン基から選択される群から選択される1つまたは1つより多くの置換基を任意選択で含む)で表される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  14. 前記少なくとも1つの会合性モノマーが、式VIIB:
    Figure 2016521290
    (式中、R14は水素またはメチルであり;R15は、C、CおよびCから独立に選択される二価アルキレン部分であり、nは約10〜約60の範囲の整数を表し、(R15−O)はランダムまたはブロック構成で配置されていてよく;R16は、C〜C30直鎖アルキル、C〜C30分枝アルキル、C〜C30炭素環式アルキル、C〜C30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニルおよびアリール置換C〜C30アルキルから選択される置換または非置換アルキルであり;R16のアルキル基、アリール基、フェニル基は、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基およびハロゲン基からなる群から選択される1つまたは1つより多くの置換基を任意選択で含む)で表される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  15. 前記少なくとも1つの半疎水性モノマーが、(i)重合可能なエチレン系不飽和末端基部分、(ii)ポリオキシアルキレン中央部分、および(iii)水素または1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選択される末端基部分を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  16. 前記少なくとも1つの半疎水性モノマーが、式VIIIおよびIX:
    Figure 2016521290
    (式中、R14は水素またはメチルであり;Aは、−CHC(O)O−、−C(O)O−、−O−、−CHO−、−NHC(O)NH−、−C(O)NH−、−Ar−(CE−NHC(O)O−、−Ar−(CE−NHC(O)NH−、または−CHCHNHC(O)−であり;Arは二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;EはHまたはメチルであり;zは0または1であり;kは約0〜約30の範囲の整数であり、mは0または1であり、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1〜約30の範囲である場合、mは1であり;(R15−O)はポリオキシアルキレン部分であり、これはC〜Cオキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであってよく、R15はC、CまたはCおよびこれらの組合せから選択される二価アルキレン部分であり;nは一態様では約2〜約150、別の態様では約5〜約120、さらなる態様では約10〜約60、またさらなる態様では約15〜約30の範囲の整数であり;R17は水素および直鎖または分枝C〜Cアルキル基から選択され;およびDはビニルまたはアリル部分を表す)により表される少なくとも1つのモノマーから選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  17. 前記少なくとも1つの半疎水性モノマーが、式VIIIAおよびVIIIB:
    CH=C(R14)C(O)O−(CO)(CO)−H VIIIA
    CH=C(R14)C(O)O−(CO)(CO)−CH VIIIB
    (式中、R14は水素またはメチルであり、「a」は、一態様では0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、さらなる態様では約10〜約25の範囲の整数であり、「b」は、一態様では約0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、さらなる態様では約10〜約25の範囲の整数であり、ただし、「a」と「b」が同時に0であることはない)により表される少なくとも1つのモノマーから選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  18. 前記少なくとも1つの会合性モノマーが、ラウリルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(LEM)、セチルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリエトキシ化(メタ)アクリレート、ω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(これらのモノマーのポリエトキシ化部分は、一態様では約2〜約150のエチレンオキシド単位、別の態様では約5〜約120のエチレンオキシド単位、さらなる態様では約10〜約60のエチレンオキシド単位、またさらなる態様では約15〜約30のエチレンオキシド単位を含む);オクチルオキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、およびノニルフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(これらのモノマーのポリエトキシ化および/またはポリプロポキシ化部分は独立に一態様では0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、さらなる態様では約10〜約25を含む)、およびこれらの混合物)から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  19. 前記少なくとも1つの半疎水性モノマーが、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレートまたはメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(これらのモノマーのポリエトキシ化および/またはポリプロポキシ化部分は独立に一態様では0または2〜約120、別の態様では約5〜約45、さらなる態様では約10〜約25を含む)、およびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  20. 前記少なくとも1つの半疎水性モノマーが、式:
    CH=CH−O(CHO(CO)(CO)10H;
    CH=CH−O(CHO(CO)(CO)20H;
    CH=CH−O(CHO(CO)(CO)30H;
    CH=CHCHO(CO)(CO)10H;
    CH=CHCHO(CO)(CO)20H;
    CH=CHCHO(CO)(CO)30H;および
    CH=CHCHO(CO)(CO)H、
    を有する化合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  21. 前記モノマー組成物が、
    a)約70〜約100重量%の酢酸ビニル;
    b)一態様では約0〜約30重量%、別の態様では約5〜約25重量%、さらなる態様では約10〜約15重量%(合計モノマー重量を基準にして)の少なくとも1つのC〜C22アルキル(メタ)アクリレート;
    c)一態様では約0〜約25重量%、別の態様では約5〜約20重量%、さらなる態様では約10〜約15の少なくとも1つのN−ビニルラクタム;
    d)一態様では約0〜約25重量%、別の態様では約5〜約20重量%、さらなる態様では約10〜約15の少なくとも1つの2〜22個の炭素原子を有するアシル部分を含む脂肪族カルボン酸のビニルエステルであって、a)〜d)のモノマーのすべての重量%が合計モノマーの重量を基準にしている脂肪族カルボン酸のビニルエステル;および
    e)約0〜約1重量%、別の態様では約0.01〜約0.75重量%、また別の態様では約0.1〜約0.5重量%、さらなる態様では、約0.15〜約0.3重量%(ポリマーの合計乾燥重量を基準にして)の、トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル、スクロースのポリアリルエーテル、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの架橋モノマー、
    を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  22. 前記少なくとも1つの架橋モノマーが、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルおよびこれらの混合物から選択される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  23. 前記少なくとも1つの架橋モノマーが、平均で約3個の架橋可能な不飽和部分を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  24. 追加量の前記フリーラジカルレドックス開始剤対が、重合反応の開始後に重合モノマー組成物に添加される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
  25. 約6〜約25重量%の少なくとも1つのアニオン性界面活性剤(活性物質)を含む組成物を含む水性界面活性剤の降伏応力を高める方法であって、前記方法は、該界面活性剤組成物に、一態様では約0.5〜約5重量%、別の態様では約1〜約4重量%、さらなる態様では約2.5〜約3重量%(ポリマー固形物として)の前述の請求項のいずれかに記載のプロセスにより調製される少なくとも1つの降伏応力ポリマーを添加する工程を含む方法。
  26. 降伏応力が少なくとも0.1Paである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記界面活性剤含有組成物が、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物をさらに含む、請求項25または26に記載の方法。
  28. 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤がエトキシ化されている、請求項25〜27に記載の方法。
  29. 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤が、平均で1〜3モルのエトキシ化を含む、請求項25〜28に記載の方法。
  30. 少なくとも1つのアニオン性界面活性剤が、平均で1〜2モルのエトキシ化を含む、請求項25〜29に記載の方法。
  31. 界面活性剤の濃度が、全組成物の重量を基準にして、約6〜約20重量%(活性物質)の範囲である、請求項25〜30に記載の方法。
  32. 両性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤(活性物質)の比が、一態様では10:1〜約2:1、別の態様では9:1、8:1、7:1 6:1、5:1、4.5:1、4:1または3:1である、請求項25〜31に記載の方法。
  33. 前記組成物の前記降伏応力が、一態様では少なくとも0.5Pa、別の態様では少なくとも1Paである、請求項25〜32に記載の方法。
  34. 前記組成物が、0.5〜1.5mmの大きさのビーズを23℃で少なくとも4週間懸濁させることができ、ビーズ材料と水の比重差が±0.01〜0.5である、請求項25〜33に記載の方法。
  35. 前記組成物が、0.5〜300μmの大きさのマイクロカプセルを23℃で少なくとも4週間懸濁させることができ、マイクロカプセルビーズと水の比重差が±0.2〜0.5である、請求項25〜34に記載の方法。
  36. 前記降伏応力が、pH2〜14の範囲で実質的にpHから独立している、請求項25〜35に記載の方法。
  37. 前記降伏応力が、pH3〜10の範囲で実質的にpHから独立している、請求項25〜36に記載の方法。
  38. 前記組成物が、不溶性物質、粒子状物質、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項25〜37に記載の方法。
  39. 前記粒子状物質が、雲母、被覆雲母、顔料、角質除去剤、フケ防止剤、粘土、膨潤性粘土、ラポナイト、マイクロスポンジ、化粧品用ビーズ、化粧品用マイクロカプセル、フレークまたはこれらの混合物から選択される、請求項25〜38に記載の方法。
  40. 前記粒子状物質が、砂、焼結ボーキサイト、ガラス玉、セラミック材料、ポリスチレンビーズまたはこれらの混合物から選択される、請求項25〜39に記載の方法。
  41. 前記不溶性物質が、気泡、リポソーム、シリコーンまたはこれらの混合物から選択される、請求項25〜40に記載の方法。
  42. 前記降伏応力が、一態様では少なくとも0.1Pa、別の態様では少なくとも1、さらに別の態様では少なくとも3、さらなる態様では少なくとも5、追加の態様では少なくとも10(1Hz〜0.001Hzの範囲の周波数で)である、請求項25〜41に記載の方法。
  43. 前記濁度が、一態様では濁度値≦100NTU、別の態様では濁度値≦75NTU、さらに別の態様では濁度値≦50NTU、さらなる態様では濁度値≦30NTU、濁度値≦15NTU、追加の態様では濁度値≦10NTUである、請求項25〜42に記載の方法。

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