JP2016518140A - I型インターフェロンの環状ジヌクレオチド誘導法 - Google Patents

I型インターフェロンの環状ジヌクレオチド誘導法 Download PDF

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Abstract

細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるための方法および組成物を提供する。本方法の態様は、細胞による該I型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるために十分であるように、該細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させることを含む。本方法の実施形態を実行するための組成物およびキットも提供する。

Description

関連出願の相互参照
米国特許法119条(e)に基づき、本出願は、その出願の開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年5月3日出願の米国特許仮出願第61/819,499号の出願日に対する優先権を主張する。
米国政府の権利
本発明は、米国国立衛生研究所によって認可された認可番号AI063302、AI075038、AI080749、AI082357、およびOD008677に基づく政府支援によって成された。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
序文
インターフェロン(「IFN」とも称される)は、その一部が抗ウイルス性、免疫調節性、および抗増殖性である、様々な生物学的活性を有するタンパク質である。これらは、ウイルス、ポリペプチド、***促進因子などの様々な誘導因子への曝露に応答して哺乳動物細胞によって産生される相対的に小さく、種特異的な単鎖ポリペプチドである。インターフェロンは、ウイルスによる攻撃から動物の組織および細胞を保護し、重要な宿主防御機構である。多くの場合に、インターフェロンは、それを産生した種の組織および細胞に対して、他の種類の組織および細胞よりも良好な保護を提供し、これは、ヒト由来インターフェロンが、他の種に由来するインターフェロンよりもヒト疾患の処置において有効であり得ることを示している。インターフェロンは、I型、II型、およびIII型インターフェロンとして分類され得る。哺乳動物I型インターフェロンには、IFN−α(alpha)、IFN−β(ベータ)、IFN−κ(カッパ)、IFN−δ(デルタ)、IFN−ε(イプシロン)、IFN−τ(タウ)、IFN−ω(オメガ)、およびIFN−ζ(ゼータ、リミチンとしても公知)が含まれる。
インターフェロンの産生を誘導する剤は、ワクチンアジュバントとして、かつエフェクターT細胞およびメモリーT細胞応答を開始する製剤において、使用されている。有効なアジュバントは、毒性副作用を最小化し、ワクチン接種の用量および投薬量を低減し、かつ免疫応答を拡大しながら、抗原に対する特異的免疫応答を増強する。細胞内病原体および癌細胞に由来する抗原と同時製剤化されて、細胞内病原体を処置し、腫瘍量を低減するために有効な細胞および体液免疫応答を活性化し得る有効なアジュバントが依然として必要とされている。インターフェロンタンパク質の免疫調節活性、およびインターフェロンの産生を調節するシグナル伝達経路は、新たなアジュバントを設計するためのターゲットとして、関心を集めている。
インターフェロン分子は、複数の段階で作用する抗癌活性を有するので、インターフェロンは、多数のヒト癌の処置において可能性を有する。第一に、インターフェロンタンパク質は、ヒト腫瘍細胞の増殖を直接的に阻害し得る。抗増殖活性はまた、シスプラチン、5FU、およびパクリタキセルなどの様々な認可された化学療法薬と相乗作用を有する。第二に、インターフェロンタンパク質の免疫調節活性は、抗腫瘍免疫応答の誘導をもたらし得る。この応答には、NK細胞の活性化、マクロファージ活性の刺激、およびMHCクラスIの表面発現の誘導が含まれ、抗腫瘍細胞傷害性Tリンパ球活性の誘導をもたらす。加えて、インターフェロンは、免疫系における抗原の交差提示において役割を果たす。そのうえ、一部の研究はさらに、IFN−βタンパク質が、抗血管新生活性を有し得ることを示している。新たな血管の形成である血管新生は、充実性腫瘍の成長にとって重要である。証拠によって、IFN-βは、bFGFおよびVEGFなどの血管新生促進因子の発現を阻害することによって、血管新生を阻害し得ることが示されている。最後に、インターフェロンタンパク質は、組織リモデリングにおいて重要であるコラゲナーゼおよびエラスターゼなどの酵素の発現を調節することによって、腫瘍侵襲性を阻害し得る。
インターフェロンはまた、2つの異なる機構に基づく抗ウイルス活性を有すると考えられる。例えば、I型インターフェロンタンパク質(αおよびβ)は、ヒトB型肝炎(「HBV」)およびC型肝炎ウイルス(「HCV」)の複製を直接的に阻害し得るが、他にも、これらのウイルスに感染した細胞を攻撃する免疫応答を刺激し得る。
概要
細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるための方法および組成物を提供する。該方法の態様には、細胞によるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるために十分であるように、細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させることを含む。また、本方法を実行するための組成物およびキットを提供する。
一態様では、本明細書において、細胞によるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるために十分であるように、細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドのレベルを増大させることによって、細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させる方法を提供する。
ある種の実施形態では、上記方法は、細胞を環状ジヌクレオチドと接触させるステップを含む。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のグアノシンヌクレオシドを含む。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のグアノシンヌクレオシドを含有する。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドを含む。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のアデノシンヌクレオシドを含有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有し、
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有する。
上記方法のある種の実施形態では、細胞におけるcGAMPシンターゼ(cGAS)の活性を増大させることによって、上記環状ジヌクレオチドのレベルを増大させる。一部の実施形態では、cGASをコードする核酸の発現を増強することによって、cGASの活性を増大させる。一部の実施形態では、cGASをコードする核酸を細胞に導入することによって、cGASの活性を増大させる。
ある種の実施形態では、上記方法は、インターフェロン(IFN)アルファの産生を増大させるためのものである。他の実施形態では、IFNは、インターフェロンベータである。
ある種の実施形態では、上記方法は、哺乳動物細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるためのものである。特定の実施形態では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、上記細胞はインビトロである。他の実施形態では、上記細胞はインビボである。
別の態様では、本明細書において、対象におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させる方法であって、対象におけるI型インターフェロンの産生を増大させるために有効な量の2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチド活性作用物質を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
活性作用物質には、これだけに限定されないが、本明細書に記載の2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドのいずれかが含まれ得る。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を有する。
一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のグアノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドを含有する。特定の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のアデノシンヌクレオシドを含有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有し、
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
本方法の一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチド活性作用物質には、cGAMPシンターゼ(cGAS)の細胞活性を増大させる作用物質が含まれる。特定の実施形態では、上記作用物質は、cGASをコードする核酸を含む。
ある種の実施形態では、上記方法は、対象におけるインターフェロン(IFN)アルファの産生を増大させるためのものである。他の実施形態では、上記方法は、対象におけるインターフェロンベータの産生を増大させるためのものである。
ある種の実施形態では、対象は、ウイルス感染症を有している。ある種の実施形態では、対象は、細菌感染症を有している。他の実施形態では、対象は、新生物疾患を有している。ある種の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
別の態様では、本明細書において、対象におけるインターフェロン遺伝子刺激因子(stimulator of interferon gene)(STING)媒介性応答を増大させるための方法であって、対象におけるSTING媒介性応答を増大させるために有効な量のSTING活性作用物質を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。ある種の実施形態では、STING媒介性応答は、2個の3'−5'ホスホジエステル結合を有する環状ジヌクレオチドに非応答性である。
STING活性作用物質には、これだけに限定されないが、本明細書に記載の2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドのいずれかが含まれ得る。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を有する。
一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のグアノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドを含有する。特定の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のアデノシンヌクレオシドを含有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有し、
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
本方法の一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記STING活性作用物質には、cGAMPシンターゼ(cGAS)の細胞活性を増大させる作用物質が含まれる。特定の実施形態では、上記作用物質は、cGASをコードする核酸を含む。
ある種の実施形態では、上記STING活性作用物質には、STINGの細胞活性を増大させる作用物質が含まれる。特定の実施形態では、上記作用物質は、STINGをコードする核酸を含む。
ある種の実施形態では、対象は、ウイルス感染症を有している。ある種の実施形態では、対象は、細菌感染症を有している。他の実施形態では、対象は、新生物疾患を有している。ある種の実施形態では、対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
別の態様では、本明細書において、2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドを提供する。そのような環状ジヌクレオチドは、例えば、これだけに限定されないが、細胞または対象におけるI型インターフェロンの産生を増大させるための方法を含めた本方法を実行する際に有用である。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のグアノシンヌクレオシドを含有する。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のアデノシンヌクレオシドを含有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。
一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有し、
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有する。
別の態様では、本明細書において、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドと、薬学的に許容される担体とを含有する組成物を提供する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を有する。
上記組成物のある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のグアノシンヌクレオシドを含有する。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドを含有する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個のアデノシンヌクレオシドを含有する。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含有する。
上記組成物のある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有し、
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
上記組成物のある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有する。
添付の図面と併せて次の詳細な説明を読むことで、本発明は最も良好に理解される。一般的な実施に従って、図面の様々な特徴は、正確な縮尺ではないことが強調される。むしろ、様々な特徴の寸法は、明確にするために、任意に拡大また縮小されている。図面には、次の図が含まれる。
アルギニン232までの環状ジヌクレオチドマップに対するヒトSTING変異体の可変的な応答性を示す図である。THP−1細胞に、STINGをターゲティングするshRNAまたは対照shRNAをコードするベクターを形質導入した。次いで、細胞を、環状ジ−GMP(cdG)、dsDNA、環状ジ−AMP(cdA)、ポリ−イノシン:シトシン(pI:C)、またはセンダイウイルスで刺激し、ヒトインターフェロン−β mRNAの誘導を、定量逆転写酵素PCRによって評価した。 アルギニン232までの環状ジヌクレオチドマップに対するヒトSTING変異体の可変的な応答性を示す図である。ウェスタンブロット法によって、STINGのノックダウンが有効であることが確認された。 アルギニン232までの環状ジヌクレオチドマップに対するヒトSTING変異体の可変的な応答性を示す図である。HEK293T細胞に、示されている量の様々なマウス(m)またはヒト(h)STING発現プラスミドを形質移入し、次いで、合成cdG(5μM)を移入することによって、6時間後に刺激した。GTは、Goldenticket(Gt)マウスに由来するStingのヌルI199N対立遺伝子を示している。STING活性化を、同時形質移入されたIFN−ルシフェラーゼレポーターコンストラクトを使用することによって評価した。 アルギニン232までの環状ジヌクレオチドマップに対するヒトSTING変異体の可変的な応答性を示す図である。Gt(STING−ヌル)マクロファージに、示されているSTING対立遺伝子をコードするレトロウイルスベクターを形質導入し、次いで、48時間後に、cdG(5μM)またはdsDNA 70マーオリゴヌクレオチド(0.5μg/mL)を移入することによって刺激した。IFN誘導を、qRT−PCRによって測定した。ND、検出されず。 アルギニン232までの環状ジヌクレオチドマップに対するヒトSTING変異体の可変的な応答性を示す図である。STINGと32P−c−ジ−GMPとの結合アッセイ法。STINGタンパク質をHEK293T細胞中で発現させ、細胞溶解産物を、32P−cdGとのUV架橋に掛け、SDS−PAGEによって分解した。結合を、オートラジオグラフィーによって定量化した。抗STINGポリクローナル抗体での細胞溶解産物のウェスタンブロットによって、様々なSTINGタンパク質の同様の発現が確認された。 アルギニン232までの環状ジヌクレオチドマップに対するヒトSTING変異体の可変的な応答性を示す図である。cGAMPに対するmSTINGの応答性は、R231の変異によって影響を受ける。示されている変異を、Cにおいてと同様に試験した。 hSTING変異体の配列アラインメントである。hSTINGをTHP−1細胞からクローニングし、参照STING対立遺伝子(NCBI NP_938023.1)と比較した。 ヒトSTINGのR232は、c−ジ−GMPに対する応答性のためには必要であるが、c−ジ−GMPの結合のためには必要ではないことを示す図である。(A)293T細胞に、マウス(m)STINGまたはヒト(h)STINGの示されている対立遺伝子を形質移入し、次いで、c−ジ−GMP(cdG)で刺激した。STING活性を、同時形質移入されたIFN−ルシフェラーゼレポーターコンストラクトの誘導によって検出し、刺激されていない細胞のルシフェラーゼ活性を上回る誘導倍数として表した。(B)形質移入された293T細胞の溶解産物を、α32P−c−ジ−GMPの存在下でUV架橋し、SDS−PAGEによって分離し、次いで、オートラジオグラフィーによって解析した。溶解産物をまた、STINGおよび発現対照としてのACTINについて平行してウェスタンブロット処理した。 G230AおよびH232Rが両方とも、c−ジ−ヌクレオチドに対する最適な応答性には必要であるが、c−ジ−ヌクレオチドへの結合には必要ないことを示す図である。(A、B)293T細胞に、マウス(m)STINGまたはヒト(h)STINGの示されている対立遺伝子を形質移入し、次いで、c−ジ−GMP(cdG)で刺激した。STING活性を、同時形質移入されたIFN−ルシフェラーゼレポーターコンストラクトの誘導によって検出した。 STING変異体がcGASに対して応答性であることを示す図である。HEK293T細胞に、示されているSTING対立遺伝子を、かつ示されているとおりのヒトおよびマウスcGAS(wtおよびGS>AA突然変異)を形質移入した。STING活性化を、同時形質移入されたIFN−ルシフェラーゼレポーターコンストラクトによって評価した。 STING変異体がcGASに対して応答性であることを示す図である。HEK293T細胞に、示されているSTING対立遺伝子を、かつV.choleraeに由来するcGAMPシンターゼ(DncV)をコードする哺乳動物発現ベクターを形質移入した。STING活性化を、Aにおいてのとおりに評価した。 STING変異体がcGASに対して応答性であることを示す図である。rWspR、rDncV、およびrcGASのインビトロで酵素的に生成された産生物を、示されているマウスおよびヒトSTINGタンパク質を発現するジギトニン透過化HEK293T細胞に形質移入した。化学的に合成された環状ジ−GMP(cdG)およびcGAMPが、対照として含まれた。STING活性化を、AおよびBにおいてのとおりに評価した。 cGASが、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する非標準の環状ジヌクレオチドを産生することを示す図である。精製組換えWspR、DncV、およびcGASをα32P−GTPまたはα32P−ATPおよび示されている非標識ヌクレオチドと混合した。反応物を、TLCランニング緩衝液と混合し、核酸種を、PEI−セルロースTLCプレートで分離した。 cGASが、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する非標準の環状ジヌクレオチドを産生することを示す図である。α32P−GTPで標識されたWspR、DncV、およびcGAS産物を、ヌクレアーゼP1およびヘビ毒ホスホジエステラーゼで消化し、核酸種を、PEI−セルロースTLCプレートで分離した。 cGASが、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する非標準の環状ジヌクレオチドを産生することを示す図である。600MHzおよび50℃で得られたHPLC精製cGAS産物のH−31P HMBC。ホスホジエステル結合についての厳密な結合相関(through−bond correlation)が示されている。cGAS産物のNMRによって明瞭にされた構造も示されている。 cGAS産物の追加のNMR分析である。すべてのデータの取得を、D2Oおよび50℃で行った。900MHzフィールドでの多重度編集1H−13C HSQC実験。メチンおよびメチルプロトンに対応する正相シグナルは緑色で示されており、メチレンプロトンに対応する逆相シグナルは、青色で示されている。 cGAS産物の追加のNMR分析である。すべてのデータの取得を、D2Oおよび50℃で行った。900MHzフィールドでの多重度編集1H−13C HSQC実験。メチンおよびメチルプロトンに対応する正相シグナルは緑色で示されており、メチレンプロトンに対応する逆相シグナルは、青色で示されている。 cGAS産物の追加のNMR分析である。すべてのデータの取得を、D2Oおよび50℃で行った。600MHzフィールドでのH−H COSY実験。 cGAS産物の追加のNMR分析である。すべてのデータの取得を、D2Oおよび50℃で行った。900MHzフィールドでのH−H NOESY実験。
詳細な説明
細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるための方法および組成物を提供する。上記方法の態様は、細胞によるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるために十分であるように、細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させることを含む。また、本方法の実施形態を実行するための組成物およびキットを提供する。
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は、記載されている特定の実施形態に限定されることなく、したがってもちろん、変動し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書において使用する専門用語は、特定の実施形態を記載するためのものに過ぎず、限定的であることを意図したものではないことを理解されたい。
値の範囲が示されている場合、文脈から明確にそうでないと示されない限り、その範囲の上限および下限の間の、下限の十分の1の位までの各々の介在する値、およびその記載の範囲内の任意の他の記述された値または介在する値が、本発明の範囲内に包含されると理解される。記述された範囲内における任意の特に除外される限度次第で、これらのより小さい範囲の上限および下限が、さらに小さい範囲に含まれてもよく、本発明の範囲内にも包含される。記述された範囲が、これらの限度の一方または両方を含む場合、その含まれた限度のいずれか一方または両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
本明細書において、特定の範囲は、用語「約」が先行する数値で示される。本明細書において、用語「約」は、「約」の後に来る正確な数、さらには、この用語の後にくる数に近いか、またはほぼその数である数に、文字上の支持を与えるために使用されている。数が、具体的に言及されている数の近似値または概数であるかどうかを決定する際には、挙げられた数の近似値または概数は、その数が提示されている文脈において、具体的に言及されている数の実質的な等価を提供する数であればよい。
別段に定義しない限り、本明細書において使用されるすべての専門用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様また同等の任意の方法および物質も、本発明の実行また試験において使用することができるが、代表的な例示的方法および材料をここでは記載する。
本明細書において引用するすべての公報および特許は、それぞれ個別の公報または特許が具体的かつ個別に参照により組み込まれると示されている場合と同様に、参照により本明細書に組み込まれ、かつ引用する公報に関連して方法および/または材料を開示および記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。いずれの公報の引用も、出願日前のその開示についてであり、本発明が、先行発明によって、そのような広報に先行する権利がないことを認めるものであると解釈されるべきではない。さらに、提示されている公告日は、実際の公告日とは異なることがあり、これは、独立に、確認する必要があることがある。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈から明確にそうでないと示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。さらに、特許請求の範囲は、場合による要素を除外するために、立案されていることがあることに留意されたい。したがって、この言明は、特許請求の範囲の要素の言及に関連して「単に」、「のみ」などの排他的専門用語を使用するための、または「マイナスの」限定を使用するための先行する基本として役立つものであることが意図されている。
本開示を読めば当業者には明らかであるように、本明細書において記載および例示されている個別の実施形態はそれぞれ、本発明の範囲または意図から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離するか、またはそれと組み合わせることができる別個の構成要素および特徴を有する。いずれの言及されている方法も、言及されている事象の順序で、または論理上可能である任意の他の順序で実施することができる。
方法
上記で概説したとおり、細胞における、例えば、インビトロまたはインビボでのI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させる方法を提供する。I型インターフェロンの産生の増大とは、本方法が、対照と比較した場合に、細胞におけるI型インターフェロンの産生を増大させることを意味する。増大の規模は変動し得、一部の事例では、適切な対照と比較した場合に、2倍以上、例えば、10倍以上を含む5倍以上である。したがって、一部の事例では、上記方法は、例えば、適切な対照と比較した場合に、2倍以上、例えば、10倍以上を含む5倍以上の規模で、細胞におけるI型インターフェロンの産生を増大させる方法である。これらの実施形態では、上記方法の実行前に、インターフェロンの産生が検出不可能な場合に、その増大が、検出可能な量のインターフェロンの産生をもたらすことがある。インターフェロンの産生は、これだけに限定されないが、水疱性口内炎ウイルス(VSV)攻撃バイオアッセイ法、酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)レプリコンベースのバイオアッセイ法を含めた任意の適切な方法を使用して、またはI型インターフェロンシグナル伝達経路の調節下でクローニングされたレポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ)を使用することによって測定することができる。例えば、Meager J. Immunol. Methods 261:21〜36(2002);Vrolijkら、C.J. Virol. Methods 110:201〜209(2003);およびFrancoisら、Antimicrob Agents Chemother 49(9):3770〜3775(2005)を参照されたい。
本方法は、これだけに限定されないが:IFN−α(アルファ)、IFN−β(ベータ)、IFN−κ(カッパ)、IFN−δ(デルタ)、IFN−ε(イプシロン)、IFN−τ(タウ)、IFN−ω(オメガ)、およびIFN−ζ(ゼータ、リミチンとしても公知)を含めた任意のI型インターフェロンの産生を増大させるために使用することができる。一部の実施形態では、上記方法は、IFN−αの産生を増大させるためのものである。一部の実施形態では、上記方法は、IFN−βを増大させるためのものである。
上記方法の態様は、細胞によるI型インターフェロンの産生を増大させるために十分であるように、細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させることを含む。2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルの増大とは、本方法が、対照と比較した場合に、2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドの量を増大させることを意味する。以下の実験セクションにおいて実証されているとおり、2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドは、I型インターフェロンの産生のレベルを増大させることができる。増大の規模は、変動し得、一部の事例では、適切な対照と比較した場合に、2倍以上、例えば、10倍以上、15倍超、20倍超、25倍超、30倍超、35倍超、40倍超、45倍超、50倍超、または100倍超を含む5倍以上である。
2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドレベルのレベルの増大は、様々な異なる手法を使用して達成することができる。一部の事例では、上記方法は、ターゲット細胞に、ターゲット細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させる環状ジヌクレオチド活性作用物質を供給するステップを含む。環状ジヌクレオチド活性作用物質は様々であってよく、それには、これらだけに限定されないが:小分子、核酸、タンパク質、およびペプチド作用物質が含まれる。
一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質は、環状ジヌクレオチド活性作用物質と接触していない対照と比較した場合に、細胞または対象におけるIFN−α(アルファ)、IFN−β(ベータ)、IFN−κ(カッパ)、IFN−δ(デルタ)、IFN−ε(イプシロン)、IFN−τ(タウ)、IFN−ω(オメガ)、および/またはIFN−ζ(ゼータ、リミチンとしても公知)を増大させる。このような実施形態では、増大は、2倍の増大から45倍の増大、5倍の増大から40倍の増大、10倍の増大から35倍の増大、15倍の増大から30倍の増大、20倍の増大から30倍の増大などを含めた1.5倍の増大から50倍またはそれ以上の増大である。
一部の事例では、環状ジヌクレオチド活性作用物質は、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドまたはその機能性類似体である。2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドには、これらだけに限定されないが、本明細書に記載の2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドが含まれる。
本明細書で使用する場合、「環状ジヌクレオチド」は、各ヌクレオシドの2'または3'炭素が、ホスホジエステル結合によって他方のヌクレオシドの5'炭素に連結している2個のヌクレオシド(すなわち、第1および第2ヌクレオシド)を含有する化合物を指す。したがって、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドは、少なくとも第1または第2のヌクレオシドの2'炭素が他方のヌクレオシドの5'炭素に連結している環状ジヌクレオチドを指す。2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドについては、以下でより詳細に論述する。
2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドの機能性類似体は、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドと同様の機能活性(例えば、I型IFNの産生の増大)を示し、同様の構造を有し得る化合物である。一部の事例では、機能性類似体は、小分子作用物質である。該当する天然に存在するか、または合成の小分子化合物には、50ダルトンより多く、約2,500ダルトンよりは少ない分子量を有する小さな有機化合物を含めた有機分子などの多数の化学群が含まれる。候補作用物質は、タンパク質との構造的相互作用、特に、水素結合に必要な官能基を含み、典型的には、少なくとも1個のアミン、カルボニル、ヒドロキシル、またはカルボキシル基、好ましくは、少なくとも2個の機能性化学基を含む。候補作用物質は、1個または複数の上記の官能基で置換された環状炭素または複素環状構造および/または芳香族またはポリ芳香族構造を含み得る。候補作用物質はまた、ペプチド、糖、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類似体、またはそれらの組み合わせを含めた生体分子からも見出される。他の方法では、そのような分子は、適切なスクリーニングプロトコルを使用することによって、同定することができる。
一部の事例では、環状ジヌクレオチド活性作用物質は、環状GMP−AMPシンターゼ(cGAS)の細胞活性を増大させる作用物質である。以下の実験セクションにおいて論述するとおり、cGMPシンターゼ(cGAS)のレベルを増大させることで、細胞における環状ジヌクレオチドの産生および/または活性を増大させ得る。したがって、細胞におけるI型インターフェロンの産生を増大させるために十分であるように、ターゲット細胞を、cGMPシンターゼ産生および/または細胞活性を増大させる作用物質と接触させることができる。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質は、cGASをコードする核酸である。様々なcGAS酵素をコードする核酸には、これらだけに限定されないが、Sunら、Science 339(6121):786〜91に記載されているもの、およびGENBANKに寄託され、寄託番号:NM_138441.2およびNP_612450.2(ヒト);NM_173386.4およびNP_775562.2(ハツカネズミ(mus musculus))を与えられたものが含まれる。
ある種の実施形態では、cGASをコードする核酸は、次の配列:
Figure 2016518140
を有する。
一部の実施形態では、cGASをコードする核酸は、野生型cGAS核酸配列と40%〜99%、45%〜99%、50%〜99%、55%〜99%、60%〜99%、65%〜99%、70%〜99%、75%〜99%、80%〜99%、85%〜99%、90%〜99%、または95%〜99%の配列同一性を有する核酸である。一部の実施形態では、cGASをコードする核酸は、野生型cGAS核酸配列と40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、または90〜99%の配列同一性を有する核酸である。一部の実施形態では、cGASをコードする核酸は、野生型cGAS核酸配列と40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を有する核酸である。
一部の事例では、環状ジヌクレオチド活性作用物質は、cGASをコードする核酸を含有するベクターである。ベクターを、対象細胞に直接供給することができる。言い換えると、ベクターが、細胞によって取り込まれるように、細胞を、環状ジヌクレオチド活性作用物質をコードする核酸(例えば、cGASをコードする核酸)を有するベクターと接触させる。電気穿孔法、塩化カルシウム形質移入、およびリポフェクションなどの、細胞を、プラスミドである核酸ベクターと接触させるための方法は、当技術分野で周知である。ウイルスベクター送達では、細胞を、環状ジヌクレオチド作用物質をコードする核酸を含むウイルス粒子と接触させる。レトロウイルス、例えば、レンチウイルスは、本発明の方法に特に適している。一般に使用されるレトロウイルスベクターは、「不完全」であり、すなわち、生産性感染に必要なウイルスタンパク質を産生することができない。むしろ、ベクターの複製は、パッケージング細胞系での増殖を必要とする。該当する核酸を含むウイルス粒子を生成するために、上記核酸を含むレトロウイルス核酸を、パッケージング細胞系によって、ウイルスカプシド中にパッケージングする。種々のパッケージング細胞系が、カプシドに組み込まれる異なるエンベロープタンパク質(環境栄養性、両栄養性、または異種栄養性)を供給し、このエンベロープタンパク質が、細胞についてのウイルス粒子の特異性を決定する(マウスおよびラットでは環境栄養性;ヒト、イヌ、およびマウスを含めた多くの哺乳動物細胞種では両栄養性;ならびにマウス細胞を除く多くの哺乳動物細胞では異種栄養性)。適切なパッケージング細胞系を使用することで、パッケージングされたウイルス粒子によって、細胞がターゲティングされることを保証することができる。初期化因子をコードする核酸を含むレトロウイルスベクターをパッケージング細胞系に導入し、パッケージング系によって生成されるウイルス粒子を収集する方法は、当技術分野で周知である。
環状ジヌクレオチド活性の活性作用物質をコードする核酸を対象細胞に供給するために使用されるベクターは、該当する核酸の発現の促進、すなわち、転写活性化のための適切なプロモーターを含み得る。言い換えると、該当する核酸は、プロモーターに機能的に連結される。これには、遍在的に作用するプロモーター、例えば、CMV−β−アクチンプロモーター、または特定の細胞集団において活性であるか、もしくはテトラサイクリンなどの薬物の存在に応答するプロモーターなどの誘導性プロモーターが含まれ得る。転写活性化では、転写が、ターゲット細胞における基礎レベルを超えて10倍以上、100倍以上、1000倍以上増大することが意図されている。加えて、環状ジヌクレオチド活性作用物質を対象細胞に供給するために使用されるベクターは、環状ジヌクレオチド活性の活性作用物質を取り込んだ細胞を同定するように、ターゲット細胞において選択可能なマーカーをコードする核酸配列を含んでよい。
環状ジヌクレオチド活性作用物質は、ポリペプチドとして細胞に供給することもできる。例えば、一部の事例では、環状ジヌクレオチド活性作用物質は、cGASポリペプチドである。様々なcGAS酵素のアミノ酸配列には、これらだけに限定されないが、Sunら、Science 339(6121):786〜91に記載されているもの、ならびにGENBANKに寄託され、寄託番号:NM_138441.2およびNP_612450.2(ヒト);NM_173386.4およびNP_775562.2(ハツカネズミ)を与えられたものが含まれる。
ある種の実施形態では、cGASポリペプチドは、次の配列:
Figure 2016518140
を有する。
一部の実施形態では、cGASポリペプチドは、野生型cGASアミノ酸配列と40%〜99%、45%〜99%、50%〜99%、55%〜99%、60%〜99%、65%〜99%、70%〜99%、75%〜99%、80%〜99%、85%〜99%、90%〜99%、または95%〜99%の配列同一性を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、cGASポリペプチドは、野生型cGASアミノ酸配列と40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、または90〜99%の配列同一性を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、cGASポリペプチドは、野生型cGASアミノ酸配列と40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を有するポリペプチドである。
そのようなポリペプチドは、場合により、産物の溶解度を増大させるポリペプチドドメインに融合させることができる。このドメインを、規定のプロテアーゼ切断部位、例えば、TEVプロテアーゼによって切断されるTEV配列を介して、ポリペプチドに連結させることができる。このリンカーはまた、例えば、1〜10個のグリシン残基の1つまたは複数の柔軟な配列を含んでよい。一部の実施形態では、融合タンパク質の切断を、産物の溶解度を維持する緩衝液中で、例えば、0.5〜2M尿素の存在下、溶解度を増大させるポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの存在下などで行う。該当するドメインには、エンドソーム分解性(endosomolytic)ドメイン、例えば、インフルエンザHAドメイン;および産生を援助する他のポリペプチド、例えば、IF2ドメイン、GSTドメイン、GRPEドメインなどが含まれる。ポリペプチドを、安定性の改善のために処方することができる。例えば、ペプチドをペグ化することができ、この場合、ポリエチレンオキシ基は、血流中における寿命の増強をもたらす。
加えて、または別法では、環状ジヌクレオチド活性作用物質を、ポリペプチド透過性ドメインに融合させて、細胞による取り込みを促進することができる。いくつかの透過性ドメインが当技術分野で公知であり、本発明の非組み込み型(non−integrating)ポリペプチドにおいて使用することができ、ペプチド、ペプチド模倣物質、および非ペプチド担体が含まれる。例えば、透過性ペプチドは、ペネトラチンとも称されるキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)転写因子Antennapaediaの第3アルファへリックスに由来し得、これは、アミノ酸配列RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号:03)を含む。別の例としては、透過性ペプチドは、HIV−1 tat塩基性領域アミノ酸配列を含み、これは、例えば、天然に存在するtatタンパク質のアミノ酸49〜57を含み得る。他の透過性ドメインには、ポリ−アルギニンモチーフ、例えば、HIV−1 revタンパク質のアミノ酸34〜56の領域、ノナ−アルギニン、オクタ−アルギニンなどが含まれる(例えば、特に、転座ペプチドおよびペプトイドの教示について参照により本明細書に組み込まれるFutakiら、Curr Protein Pept Sci. 4(2):87〜96(2003);およびWenderら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 97(24):13003〜8(2000);公開された米国特許出願第20030220334号;同第20030083256号;同第20030032593号;および同第20030022831号を参照されたい)。ノナ−アルギニン(R9)配列は、特徴づけられているさらに効率的なPTDの1種である(Wenderら、2000;Uemuraら、2002)。融合が行われる部位を、ポリペプチドの生物学的活性、分泌、または結合特性を最適化するように選択することができる。最適な部位は、常套的な実験によって決定される。
本明細書において提供する方法の実施形態を実行する際には、有効量の活性作用物質、すなわち、環状ジヌクレオチド活性作用物質(上記のとおりものなど)を、ターゲット細胞または細胞に供給する。本明細書で使用する場合、「有効量」または「有効な量」は、例えば、インビトロで細胞に導入すること、対象に投与することなどによって、細胞と接触させた場合に、細胞における環状ジヌクレオチドのレベルの増大をもたらすために十分な活性作用物質の量を意味する。「有効量」は、細胞、および/または生体、および/または化合物、および/または所望の結果の性質、および/または処置される対象の疾患およびその重症度ならびに年齢、体重などに応じて変動する。
一部の事例では、有効量の活性作用物質を、細胞を活性作用物質と接触させることによって、細胞に供給する。細胞と活性作用物質との接触は、任意の簡便なプロトコルを使用して行うことができる。上記プロトコルは、ターゲット細胞の位置に応じて、活性作用物質とターゲット細胞とのインビトロまたはインビボ接触を提供し得る。例えば、ターゲット細胞が、単離された細胞、例えば、インビトロの細胞(すなわち、培養中)、またはエクスビボの細胞(「エクスビボ」にある細胞または器官は、身体の外部で改変され、その場合、そのような細胞または器官は、典型的には、生体の身体に戻される)である場合には、活性作用物質を、ターゲット細胞の生存を許容する細胞培養条件下の細胞に直接導入することができる。そのような技術には、これらに必ずしも限定されないが、ウイルス感染、形質移入、コンジュゲーション、プロトプラスト融合、電気穿孔法、粒子ガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接微量注入、ウイルスベクター送達などが含まれる。方法の選択は一般に、接触させる細胞の種類および活性作用物質の性質、ならびに形質転換を行う状況(例えば、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)に左右される。これらの方法の一般的な論述は、Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology、第3版、Wiley & Sons、1995において見出すことができる。ターゲット細胞または細胞が多細胞生物の一部である別の例としては、活性作用物質が、例えば、インビボプロトコルを介して、ターゲット細胞と接触し得るように、該作用物質を生体または対象に投与することができる。「インビボ」とは、ターゲットにおいて、コンストラクトが動物の生体身体に投与されることを意味する。
一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質を、インビトロまたはエクスビボの有糸***細胞または有糸***後細胞におけるc−ジ−AMP活性を調節するために、すなわち、個体に再導入することができる改変細胞を作製するために使用する。これらの実施形態における該当する有糸***細胞および有糸***後細胞には、任意の真核細胞、例えば、多能性幹細胞、例えば、ES細胞、iPS細胞、および胚性生殖細胞;体性細胞、例えば、造血細胞、線維芽細胞、ニューロン、筋細胞、骨細胞、血管内皮細胞、腸細胞など、およびそれらの系統制限前駆細胞および前駆体;ならびに新生物、または癌細胞、すなわち、癌細胞に関連した1つまたは複数の特性、例えば、過増殖、接触阻害、他の組織を侵襲する能力などを実証している細胞が含まれる。ある種の実施形態では、真核細胞は、癌細胞である。ある種の実施形態では、真核細胞は、造血細胞、例えば、マクロファージ、NK細胞などである。細胞は、任意の哺乳動物種、例えば、マウス、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、霊長類、ヒトなどに由来してよい。細胞は、確立された細胞系に由来してよいか、または細胞は、一次細胞であってよく、この際、「一次細胞」、「一次細胞系」、および「一次培養」は、対象に由来していて、培養の限られた数の継代、すなわち、***のためにインビトロで成長させ得る細胞および細胞培養について言及するために、本明細書において互換的に使用される。例えば、一次培養は、0回、1回、2回、4回、5回、10回、または15回継代されていてよいが、危機段階を経るには十分な回数ではない培養である。典型的には、本発明の一次細胞系を、インビトロで10回未満の継代で維持する。
細胞が一次細胞であれば、これらは、任意の簡便な方法によって、個体から採取することができる。例えば、血液細胞、例えば、白血球、例えば、マクロファージは、成分除去、白血球成分除去、密度勾配分離などによって採取することができる一方で、皮膚、筋肉、骨髄、脾臓、肝臓、膵臓、肺、小腸、胃などの組織に由来する細胞は、生検によって採取することができる。適切な溶液を、採取した細胞の分散また懸濁のために使用することができる。そのような溶液は一般に、好都合には、ウシ胎児血清または他の天然に存在する因子を、一般に5〜25mMの低濃度の許容される緩衝剤と併せて補足されている平衡塩溶液、例えば、通常生理食塩水、PBS、ハンクス液などである。簡便な緩衝剤には、HEPES、リン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤などが含まれる。細胞をすぐに使用することもできるし、長期間にわたって貯蔵、凍結することができ、その際、解凍して、再び使用することができる。そのような場合、細胞を10%DMSO、50%血清、40%緩衝培地中で、またはそのような凍結温度で細胞を保存するために当技術分野で一般に使用されるようないくつかの他のそのような溶液中で凍結させ、凍結された培養細胞を解凍するために当技術分野で一般に公知のとおりの手法で解凍することができる。
環状ジヌクレオチド活性作用物質を、真核細胞または原核細胞によって生産することができ、これを、当技術分野で公知の方法を使用して、変性、例えば、熱変性、DTT還元などによってさらにプロセシングすることができ、さらに、再び折り畳むことができる。
一次配列を変更しない該当する改変には、ポリペプチドの化学的誘導体化、例えば、アシル化、アセチル化、カルボキシル化、アミド化などが含まれる。また、糖鎖形成の改変、例えば、その合成およびプロセシングの間に、またはさらなるプロセシングステップにおいてポリペプチドの糖鎖形成パターンを改変することによって;例えば、ポリペプチドを、哺乳動物のグリコシル化またはデグリコシル化酵素などの、糖鎖形成に影響を及ぼす酵素に曝露することによって作製されたものが含まれる。また、リン酸化アミノ酸残基、例えば、ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホトレオニンを有する配列が包含される。
また、タンパク質分解性変性に対する抵抗性を改善するか、または溶解度特性を最適化するか、または治療薬としてさらに適切なものとするために、普通の分子生物学的技術および合成化学を使用して改変された環状ジヌクレオチド活性作用物質ポリペプチド(例えば、cGASポリペプチド)が、本発明に含まれる。そのようなポリペプチドの類似体には、天然に存在するL−アミノ酸以外の残基、例えば、D−アミノ酸または天然に存在しない合成アミノ酸を含有するものが含まれる。D−アミノ酸を、一部またはすべてのアミノ酸残基の代わりに用いることができる。
環状ジヌクレオチド活性作用物質は、任意の適切な方法を使用してインビトロ合成によって調製することができる。様々な市販の合成装置、例えば、Applied Biosystems,Inc.、Beckmanなどによる自動シンセサイザーを利用することができる。シンセサイザーを使用することによって、天然に存在するアミノ酸を、非天然アミノ酸に置き換えることができる。特定の配列および調製手法を、簡便さ、経済性、必要な純度などによって決定する。
所望の場合には、他の分子または表面への連結を可能にする様々な基を、合成の間または発現の間にペプチドに導入することができる。したがって、チオエーテルを作製するためにはシステインを、金属イオン錯体に連結するためにヒスチジンを、アミドまたはエステルを形成するためにはカルボキシル基を、アミドを形成するためにはアミノ基を使用することなどができる。
環状ジヌクレオチド活性作用物質は、組換え合成の従来の方法に従って単離および精製することもできる。溶解産物を、発現宿主から調製し、その溶解産物を、HPLC、排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィー、または他の精製法を使用して精製することができる。多くの部分で、使用される組成物は、所望の生成物20重量%以上、例えば、所望の生成物95重量%以上を含めて所望の生成物75重量%以上を含み、治療目的では、生成物の調製方法およびその精製方法に関連した混入物に関連して99.5重量%以上であってよい(この百分率は、全タンパク質に対してでよい)。
環状ジヌクレオチド活性作用物質は、小分子(例えば、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチド)ポリペプチド、または環状ジヌクレオチド活性作用物質ポリペプチド(例えば、cGAS)をコードする核酸であるが、環状ジヌクレオチド活性および/または産生を調製するために、その環状ジヌクレオチド活性作用物質を、十分な期間にわたって、例えば、30分から24時間、例えば、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、12時間、16時間、18時間、20時間まで、または30分から24時間までの任意の他の期間にわたって、細胞に供給することができ、これを、毎日から、4日毎、例えば、1.5日毎、2日毎、3日毎の頻度で、またはほぼ毎日からほぼ4日毎の任意の他の頻度で繰り返すことができる。作用物質を、対象細胞に、1回または複数回、例えば、1回、2回、3回、または3回より多く供給することができ、細胞を、作用物質と共に、各接触事象の後に多少の時間にわたって、例えば、16〜24時間にわたってインキュベートし、その時間の後に、培地を新鮮な培地に替えて、細胞をさらに培養することができる。
ある種の実施形態では、細胞によるI型インターフェロンの産生を増大させるために十分であるように、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、または10種以上の異なる環状ジヌクレオチド活性作用物質を、細胞に供給する。一部の事例では、活性作用物質は、2種以上の異なる2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドを含む。ある種の実施形態では、活性作用物質は、1個の2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチド、およびcGASをコードする核酸またはcGASポリペプチドを含む。2種以上の異なる環状ジヌクレオチド活性作用物質を細胞に供給する事例では、すなわち、環状ジヌクレオチド活性作用物質カクテルでは、環状ジヌクレオチド活性作用物質を、同時に供給することができ、例えば、2種の環状ジヌクレオチドを同時に送達するか、または1種の環状ジヌクレオチド、およびcGASをコードする核酸を含有する1種のベクターを同時に送達する。別法では、これらを連続して供給することができ、例えば、第1の環状ジヌクレオチド活性作用物質を最初に供給し、続いて、環状ジヌクレオチド活性作用物質を供給するなどか、またはその逆である。
環状ジヌクレオチドレベルに変化が生じるように、有効量の環状ジヌクレオチド活性作用物質を細胞に供給する。環状ジヌクレオチド活性作用物質の有効量は、陰性対照、例えば、空のベクターまたは無関係ポリペプチドと接触させた細胞と比較して、観察される環状ジヌクレオチド産生の量の2倍以上の増大をもたらす量である。すなわち、有効量または有効な用量の環状ジヌクレオチド活性作用物質は、観察される環状ジヌクレオチドの量の2倍の増大、3倍の増大、4倍の増大、またはそれ以上、一部の事例では、5倍の増大、6倍の増大、またはそれ以上、時には、観察される活性量の7倍もしくは8倍またはそれ以上の増大、例えば、10倍、50倍、もしくは100倍、またはそれ以上の増大、一部の事例では、観察される活性量の200倍、500倍、700倍、もしくは1000倍、またはそれ以上の増大をもたらす。活性量は、任意の適切な方法によって測定することができる。例えば、細胞によって産生されるインターフェロンの量を、環状ジヌクレオチド活性作用物質と接触させた後に、例えば、環状ジヌクレオチド活性作用物質と接触させてから2時間後、4時間後、8時間後、12時間後、24時間後、36時間後、48時間後、72時間後、またはそれ以上後に評価することができる。
細胞と環状ジヌクレオチド活性作用物質との接触は、任意の培養培地中、細胞の生存を促進する任意の培養条件下で行うことができる。例えば、細胞を、ウシ胎児血清または熱不活性化ヤギ血清(約5〜10%)、L−グルタミン、チオール、特に、2−メルカプトエタノール、および抗生物質、例えば、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補充されたIscove改変DMEMまたはRPMI 1640などの簡便な任意の適切な栄養培地中に懸濁させることができる。上記培養は、細胞が応答し得る成長因子を含有してよい。本明細書において定義するとおりの成長因子は、膜貫通受容体に対する特異的な作用によって、培養中または無傷の組織中で細胞の生存、成長、および/または分化を促進し得る分子である。成長因子には、ポリペプチドおよび非ポリペプチド因子が含まれる。
上記の方法に従って、細胞を、環状ジヌクレオチドレベルの増大を有するようにエクスビボで改変することができる。一部の実施形態では、改変細胞を選択する、例えば、改変細胞の富化集団を作成することが望ましいことがある。環状ジヌクレオチド活性作用物質で改変されたものとして細胞をマーキングする、細胞への任意の簡便な改変を使用することができる。例えば、選択可能なマーカーを、細胞のゲノムに挿入して、細胞集団を、遺伝子的にマーキングされた細胞を残りの集団から分別することによって、遺伝子修飾を含むものについて富化することができるようにする。分別は、使用された選択可能なマーカーに適した任意の簡便な分別技術によるものであってよい。例えば、蛍光マーカーを挿入してあるならば、細胞を、蛍光活性化細胞の選別によって分別することができる一方で、細胞表面マーカーを挿入してあるならば、細胞を、親和性分別技術、例えば、磁気分別、アフィニティークロマトグラフィー、固体マトリックスに結合させた親和性試薬での「パンニング」、または他の簡便な技術によって、異種の集団から分別することができる。正確な分別をもたらす技術には、蛍光活性化セルソーターが含まれ、これは、多数のカラーチャンネル、低角度、および鈍角光散乱検出チャンネル、インピーダンスチャンネルなどの様々な程度の洗練法(sophistication)を有し得る。細胞を、死細胞に関連する色素(例えば、ヨウ化プロピジウム)を使用することによって、死細胞に対して選択することができる。遺伝的に改変された細胞の生存率に対して過度に有害ではない任意の技術を使用することができる。
このようして、環状ジヌクレオチド活性作用物質を含む細胞について高度に富化された細胞組成を得る。「高度に富化された」とは、遺伝的に改変された細胞が、細胞組成の70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、例えば、細胞組成の約95%以上、または98%以上であることを意味する。言い換えると、上記組成は、環状ジヌクレオチド活性作用物質を含む細胞からなる実質的に純粋な組成であってよい。
本明細書に記載の方法によって生産された環状ジヌクレオチド活性作用物質を含む細胞を、すぐに使用することができる。別法では、細胞を、液体窒素温度で凍結させ、長期間にわたって貯蔵することができ、その際、解凍して、再び使用することができる。そのような場合、細胞を10%DMSO、50%血清、40%緩衝培地中で、またはそのような凍結温度で細胞を保存するために当技術分野で一般に使用されるようないくつかの他のそのような溶液中で凍結させ、凍結された培養細胞を解凍するために当技術分野で一般に公知のとおりの手法で解凍することができる。
環状ジヌクレオチド活性作用物質を含む細胞を、様々な培養条件下でインビトロで培養することができる。細胞を、培養中で増やす、すなわち、その増殖を促進する条件下で増殖させることができる。培養培地は、液体であるか、または例えば、寒天、メチルセルロースなどを含有する半固体であってよい。細胞集団を、通常、ウシ胎児血清(約5〜10%)、L−グルタミン、チオール、特に、2−メルカプトエタノール、および抗生物質、例えば、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補充されたIscove改変DMEMまたはRPMI 1640などの適切な栄養培地中に懸濁させることができる。上記培養は、調節性T細胞が応答し得る成長因子を含有してよい。本明細書において定義するとおりの成長因子は、膜貫通受容体に対する特異的な作用によって、培養中または無傷の組織中で細胞の生存、成長、および/または分化を促進し得る分子である。成長因子には、ポリペプチドおよび非ポリペプチド因子が含まれる。
疾患を処置するために、または抗ウイルス薬、抗病原薬、もしくは抗癌薬として、または生物学的研究のために、環状ジヌクレオチド活性作用物質で改変されている細胞を対象に移植することができる。対象は、新生児、若年者、または成人であってよい。特に重要であるのは、哺乳動物対象である。本方法で処置され得る哺乳動物種には、イヌおよびネコ;ウマ;ウシ;ヒツジなど、ならびに霊長類、特にヒトが含まれる。動物モデル、特に、小さい哺乳動物、例えば、マウス、ウサギなどを、実験調査で使用することができる。
細胞を、単独で、または例えば、移植されている組織中でのその増殖および/または組織化を支持するための適切な基質もしくはマトリックスと共に、対象に供給することができる。一部の事例では、少なくとも1×10細胞、例えば、5×10細胞、1×10細胞、5×10細胞、1×10細胞、1×10細胞、またはそれ以上を投与する。次の経路:非経口、皮下、静脈内、頭蓋内、髄腔内、眼内のいずれかを介して、または脊髄液へと、細胞を対象に導入することができる。細胞は、注射、カテーテルなどによって導入することができる。局所送達、すなわち、損傷部位に送達する方法の例には、例えば髄腔内送達では、例えばOmmayaレザバーを介するもの(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,222,982号および同第5385582号を参照されたい);例えば、関節への大量注射、例えば、シリンジによるもの;連続注入、例えば、対流を伴うなどのカニューレ挿入によるもの(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第20070254842を参照されたい);または細胞が可逆的に取り付けられているデバイスの埋め込みによるもの(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第20080081064号および同第20090196903号を参照されたい)が含まれる。
本発明の他の態様では、環状ジヌクレオチド活性作用物質を、インビボにおけるI型インターフェロンの産生を増大させるために使用する。これらのインビボ実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質を、個体に直接投与する。一部の実施形態では、対象に投与される環状ジヌクレオチド活性作用物質は、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドを含有する。
環状ジヌクレオチド活性作用物質を、対象にペプチド、小分子、および核酸を投与するための任意の適切な方法によって投与することができる。環状ジヌクレオチド活性作用物質を、様々な製剤に組み込むことができる。特に、本発明の環状ジヌクレオチド活性作用物質を、適切な薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせることによって、薬学的組成物に製剤化することができる。本方法を実行する際に使用することができる薬学的組成物を以下に記載する。
そのような事例では、有効量の環状ジヌクレオチド活性作用物質を、対象に投与する。環状ジヌクレオチド活性作用物質の「有効量」または「治療有効量」とは、疾患の重症度、期間、および/または症状を低減するために必要な量を意味する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質を含有する薬学的組成物の有効量は、本明細書において提供する場合、0.025mg/ヒト対象の体重kgから1000mg/ヒト対象の体重kgの間である。ある種の実施形態では、薬学的組成物を、1000mg/体重kgもしくはそれ未満、950mg/体重kgもしくはそれ未満、900mg/体重kgもしくはそれ未満、850mg/体重kgもしくはそれ未満、800mg/体重kgもしくはそれ未満、750mg/体重kgもしくはそれ未満、700mg/体重kgもしくはそれ未満、650mg/体重kgもしくはそれ未満、600mg/体重kgもしくはそれ未満、550mg/体重kgもしくはそれ未満、500mg/体重kgもしくはそれ未満、450mg/体重kgもしくはそれ未満、400mg/体重kgもしくはそれ未満、350mg/体重kgもしくはそれ未満、300mg/体重kgもしくはそれ未満、250mg/体重kgもしくはそれ未満、200mg/体重kgもしくはそれ未満、150mg/体重kgもしくはそれ未満、100mg/体重kgもしくはそれ未満、95mg/体重kgもしくはそれ未満、90mg/体重kgもしくはそれ未満、85mg/体重kgもしくはそれ未満、80mg/体重kgもしくはそれ未満、75mg/体重kgもしくはそれ未満、70mg/体重kgもしくはそれ未満、または65mg/体重kgもしくはそれ未満の量でヒト対象に投与する。
別の態様では、本明細書において、対象におけるインターフェロン遺伝子刺激因子(STING)媒介性応答、例えば、STING媒介性免疫応答を増大させるための方法を提供する。ある種の実施形態では、上記方法は、対象におけるSTING媒介性応答を増大させるために有効な量のSTING活性作用物質を対象に投与するステップを含む。「STING」媒介性応答は、これだけに限定されないが、細菌病原体、ウイルス病原体、および真核病原体に対する免疫応答を含めた、STINGによって媒介されるあらゆる応答を指す。例えば、Ishikawaら、Immunity 29:538〜550(2008);Ishikawaら、Nature 461:788〜792(2009);およびSharmaら、Immunity 35:194〜207(2011)を参照されたい。STINGはまた、自己DNAの不適切な認識によって開始されるある種の自己免疫疾患(例えば、Gallら、Immunity 36:120〜131(2012)を参照されたい)において、さらには、DNAワクチンに応答しての適応免疫の誘導(例えば、Ishikawaら、Nature 461:788〜792(2009)を参照されたい)のために機能する。対象におけるSTING媒介性応答の増大とは、対照対象(例えば、STING活性作用物質を投与されない対象)と比較した場合の、対象におけるSTING媒介性応答の増大を意味する。ある種の実施形態では、上記方法は、対象におけるインターフェロン遺伝子刺激因子(STING)媒介性応答を増大させるためのものであり、この際、STING媒介性応答は、2個の3'−5'ホスホジエステル結合を有する環状ジヌクレオチド(すなわち、標準の環状ジヌクレオチド)には非応答性である。
以下の実験セクションにおいて記載するとおり、2'−5'ホスホジエステル結合を有する環状ジヌクレオチドは、STINGシグナル伝達を活性化することが示されている。さらに、2'−5'ホスホジエステル結合を有するそのような環状ジヌクレオチドは、2個のホスホジエステル結合を有する環状ジヌクレオチドには非応答性であるSTINGの対立遺伝子を刺激することが示されている。したがって、一部の実施形態では、STING活性作用物質は、本明細書に記載の環状ジヌクレオチド活性作用物質(例えば、環状ジヌクレオチド、cGASをコードする核酸)である。
他の実施形態では、STING活性作用物質は、STINGまたはSTINGポリペプチドをコードする核酸である。様々なSTINGをコードする核酸には、これらだけに限定されないが、Nittaら、Hepatology 57(1):46〜58(2013)およびJinら、J. Immunol. 190(6):2835〜2843(2013)において記載されているもの、ならびにGENBANKに寄託され、寄託番号:NM_198282.2およびNP_938023.1(ヒト);NM_028261.1およびNP_082537.1(ハツカネズミ);およびNM_057386.4およびNP_476734.1(キイロショウジョウバエ)を与えられたものが含まれる。
ある種の実施形態では、STINGをコードする核酸は、次の配列:
Figure 2016518140
を有する。
一部の実施形態では、STINGをコードする核酸は、野生型STING核酸配列と40%〜99%、45%〜99%、50%〜99%、55%〜99%、60%〜99%、65%〜99%、70%〜99%、75%〜99%、80%〜99%、85%〜99%、90%〜99%、または95%〜99%の配列同一性を有する核酸である。一部の実施形態では、STINGをコードする核酸は、野生型STING核酸配列と40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、または90〜99%の配列同一性を有する核酸である。一部の実施形態では、STINGをコードする核酸は、野生型STING核酸配列と40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を有する核酸である。
STINGのアミノ酸配列には、これらだけに限定されないが、Nittaら、Hepatology 57(1):46〜58(2013)およびJinら、J. Immunol. 190(6):2835〜2843(2013)において記載されているもの、ならびにGENBANKに寄託され、寄託番号:NM_198282.2およびNP_938023.1(ヒト); NM_028261.1およびNP_082537.1(ハツカネズミ);およびNM_057386.4およびNP_476734.1(キイロショウジョウバエ)を与えられたものが含まれる。
ある種の実施形態では、STINGポリペプチドは、次の配列:
Figure 2016518140
を有する。
他の実施形態では、STINGポリペプチドは、次の配列:
Figure 2016518140
を有する。
一部の実施形態では、STINGポリペプチドは、野生型STINGアミノ酸配列と40%〜99%、45%〜99%、50%〜99%、55%〜99%、60%〜99%、65%〜99%、70%〜99%、75%〜99%、80%〜99%、85%〜99%、90%〜99%、または95%〜99%の配列同一性を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、cGASポリペプチドは、野生型STINGアミノ酸配列と40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、または90〜99%の配列同一性を有するポリペプチドである。一部の実施形態では、STINGポリペプチドは、野生型STINGアミノ酸配列と40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または99%以上の配列同一性を有するポリペプチドである。
上記の方法は、様々な異なる用途において使用される。次いで、いくつかの用途を、次の有用性セクションにおいて総説する。
有用性
本明細書において提供する方法および組成物は、様々な用途において使用され、そのような用途には、対象におけるI型インターフェロン(例えば、インターフェロン−β)の増大が望ましい用途が含まれる。加えて、本明細書において提供する方法および組成物は、様々な用途において使用され、そのような用途には、対象におけるSTING媒介性応答の増大が望ましい用途が含まれる。該当する具体的な用途には、対象に治療有効量の環状ジヌクレオチド活性作用物質を供給することによるI型インターフェロンの増大から利益を得る疾患状態について、対象を処置する用途が含まれる。一部の事例では、健康な個体において、例えば、疾患または状態の予防のために、I型インターフェロンまたはSTING媒介性応答を増大させることが望ましいことがある。したがって、一部の実施形態では、本明細書において提供する方法および組成物は、感染症または他の疾患を予防するためのワクチンにおいて「アジュバント」効果を生じさせるために使用することができ、その際、活性作用物質は、将来の疾患または感染症から保護するための免疫記憶を刺激する。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法で処置するために適した対象には、これだけに限定されないが、癌、自己免疫疾患または障害、アレルギー反応、慢性感染症、および免疫不全疾患または障害を含めた免疫学的または炎症性の疾患または障害を有している個体が含まれる。
一部の実施形態では、本発明の方法で処置するために適した対象には、新生物疾患(例えば、癌)などの細胞増殖性疾患を有している個体が含まれる。細胞増殖性疾患は、これだけに限定されないが、新生物疾患状態、例えば、癌を含めた、細胞の望ましくない増殖によって特徴づけられる。
細胞増殖性疾患の例には、これだけに限定されないが、内皮細胞の異常な刺激(例えば、アテローム硬化症)、充実性腫瘍および腫瘍転位、良性腫瘍、例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、および膿原性肉芽種、血管機能不全、異常な創傷治癒、炎症および免疫障害、ベーチェット病、通風または通風性関節炎、例えば、関節リウマチに随伴する異常な血管新生、乾癬、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症(水晶体後方線維増殖)などの他の眼血管由来疾患、黄斑変性、角膜移植片拒絶、神経血管性緑内障およびOster Webber症候群、乾癬、再狭窄、真菌感染症、寄生虫感染症、ならびにサイトメガロウイルス感染症などのウイルス感染症が含まれる。本発明の方法に従って処置される対象には、上述の障害のいずれかを有している任意の個体が含まれる。
他の実施形態では、本方法で処置するために適した対象には、ウイルスに感染していると臨床的に診断されている個体が含まれる。一部の実施形態では、上記ウイルスは、肝炎ウイルス(例えば、HAV、HBV、HCV、デルタなど)であり、特にHCVが、本発明の方法での処置に適している。HCVに感染した個体は、その血中にHCV RNAを有しており、かつ/またはその血清中に抗HCV抗体を有していると同定される。そのような個体には、ナイーブ個体(例えば、HCVについて以前に処置されたことのない個体、特に、IFN−αベースまたはリバビリンベースの治療を以前に受けたことのない個体)およびHCVについての以前の処置が失敗した個体が含まれる。
一部の実施形態では、本明細書において提供する方法で処置するために適した対象には、これだけに限定されないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含めた神経変性疾患または障害を有している個体が含まれる。
他の実施形態では、本発明の方法で処置するために適した対象には、多発性硬化症を有している個体が含まれる。多発性硬化症は、乏突起神経膠芽細胞によって産生されるミエリンに対するリンパ球攻撃での中枢神経系内の炎症、プラーク形成、および脳および脊髄中の軸索突起のミエリン鞘の破壊での脱髄によって特徴づけられ、経時的に重大な神経学的身体障害へと至る自己免疫神経変性疾患を指す。典型的には、発症時に、そのほかの点では健康なヒトが、片側性視力喪失、めまい、運動失調、共調運動不全、歩行困難、知覚不全、感覚異常、感覚消失によって特徴づけられる感覚機能障害、尿失禁するまでの排尿障害、複視、構音障害、または麻痺までの様々な程度の運動性衰弱によって症状発現される神経学的総体的症状(発作)の急性または亜急性発症を示す。上記症状は、無痛性であり、数日から数週間にわたって残り、次いで、部分的に、または完全に解消することがある。緩解期間の後に、2回目の発作が生じる。1回目の発作後のこの期間の間に、患者は、推定(probable)MSに罹患していると規定される。推定MS患者は、数年間にわたって診断されないままであることがある。2回目の発作が生じると、臨床的に確定的なMS(CDMS)の診断が成される(Poser criteria 1983;C. M. Poserら、Ann. Neurol. 1983; 13、227)。
用語「対象」および「患者」は、本明細書に記載の薬学的方法、組成物、および処置を必要とし得る任意の哺乳動物または非哺乳動物種の1つまたは複数のメンバーを意味する。したがって、対象および患者には、限定ではないが、霊長類(ヒトを含む)、イヌ、ネコ、有蹄類(例えば、ウマ、ウシ、ブタ(例えば、ブタ))、鳥類、および他の対象が含まれる。ヒトおよび商業上の重要性を有する非ヒト動物(例えば、家畜および家庭動物)が、特に重要である。
「哺乳動物」は、任意の哺乳動物種の1つまたは複数のメンバーを意味し、例として、イヌ;ネコ;ウマ;ウシ;ヒツジ;げっ歯類など、および霊長類、特に、ヒトが含まれる。非ヒト動物モデル、特に、哺乳動物、例えば、霊長類、マウス、ウサギなどを、実験調査のために使用することができる。
状態または疾患を「処置する」またはその「処置」には、(1)その状態の症状の少なくとも1つを予防すること、すなわち、疾患に曝露されるか、もしくは罹患しやすい可能性があるが、まだその疾患の症状を経験もしくは表示していない哺乳動物において、臨床症状を有意に発生させないこと、(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患もしくはその症状の発生を阻止もしくは低減すること、または(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患またはその臨床症状を退縮させることが含まれる。したがって、本明細書で使用する場合、用語「処置する」は、疾患の予防および既存の状態の処置の両方を指すために使用される。例えば、環状ジヌクレオチド活性作用物質を投与する場合、細胞増殖の予防は、例えば、腫瘍の再増殖を予防し、転移増殖を予防するなどのために、明白な疾患の発生前に、本化合物を投与することによって達成され得る。別法では、上記化合物を、患者の臨床症状を安定化または改善することによって進行中の疾患を処置するために使用する。
併用療法
本方法において使用するために、本明細書に記載の環状ジヌクレオチド活性作用物質を、根底にある状態またはその状態の症状を処置する他の剤を含めた他の薬学的活性剤と組み合わせて投与することができる。「〜と組み合わせて」は、本明細書で使用する場合、例えば、第1の化合物を、第2の化合物の投与の全過程の間に投与する使用;第1の化合物を、第2の化合物の投与と重複するある期間にわたって投与する使用、例えば、第1の化合物の投与を、第2の化合物の投与前に開始し、第1の化合物の投与を、第2の化合物の投与が終了する前に終了する使用;第2の化合物の投与を、第1の化合物の投与前に開始し、第2の化合物の投与を、第1の化合物の投与を終了する前に終了する使用;第1の化合物の投与を、第2の化合物の投与前に開始し、第2の化合物の投与を、第1の化合物の投与が終了する前に終了する使用;第2の化合物の投与を、第1の化合物の投与の開始前に開始し、第1の化合物の投与を、第2の化合物の投与が終了する前に終了する使用を指す。したがって、「組み合わせて」は、また、2種以上の化合物の投与を伴うレジメンを指す。「〜と組み合わせて」は、また、本明細書で使用する場合、同じまたは異なる製剤中で、同じまたは異なる経路によって、かつ同じまたは異なる剤形種で投与することができる2種以上の化合物の投与を指す。
新生物疾患の併用療法で使用するための他の剤の例には、これらだけに限定されないが、サリドマイド、マリマスタット、COL−3、BMS−275291、スクアラミン、2−ME、SU6668、ネオバスタット、Medi−522、EMD121974、CAI、セレコキシブ、インターロイキン−12、IM862、TNP470、アバスチン、グリベック、ハーセプチン、およびその混合物が含まれる。併用療法で使用するための化学療法薬の例には、これらだけに限定されないが、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン(esorubicin)、ブレオマイシン、マホスファミド、イホスファミド、シトシンアラビノシド、ビス−クロロエチルニトロソウレア、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニゾン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロフォスファミド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−アザシチジン、ヒドロキシ尿素、デオキシコホルマイシン、4−ヒドロキシペルオキシシクロホスホル−アミド、5−フルオロウラシル(5−FU)、5−フルオロデオキシウリジン(5−FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、タキソール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(VP−16)、トリメトレキサート、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、テニポシド、シスプラチン、およびジエチルスチルベストロール(DES)が含まれる。
他の抗ウイルス薬も、本発明の処置方法において送達することができる。例えば、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)を阻害する化合物は、直接的な抗ウイルス活性を発揮する可能性を有することがあり、そのような化合物は、本明細書において記載するとおりの変異リステリア(Listeria)と組み合わせて投与することができる。C型肝炎 NS3プロテアーゼの有効な阻害物質である薬物を、本明細書において記載するとおりの変異リステリアと組み合わせて投与することができる。C型肝炎 NS3プロテアーゼ阻害物質は、ウイルス複製を阻害する。HCV NS3ヘリカーゼの阻害物質などの他の剤も、併用療法のための魅力的な薬物であり、本明細書に記載の併用療法において使用するために企図される。HCVタンパク質配列に相補的であり、ウイルスコアタンパク質の発現を阻害するHeptazyme(商標)およびホスホロチオエートオリゴヌクレオチドなどのリボザイムも、本明細書に記載の併用療法において使用するために適している。
多発性硬化症の併用療法において使用するための他の剤の例には、これらだけに限定されないが;グラチラマー;コルチコステロイド;チザニジン(Zanaflex)およびバクロフェン(Lioresal)などの筋弛緩薬;アマンタジン(Symmetrel)またはモダフィニル(Provigil)などの倦怠を低減する薬物;ならびにMSに随伴し得るうつ病、疼痛、および膀胱または腸制御問題のために使用することもできる他の薬物が含まれる。
併用療法の状況では、併用療法用の化合物を、環状ジヌクレオチド活性作用物質を投与するのと同じ投与経路(例えば、肺内、経口、腸内など)によって投与することができる。代わりに、環状ジヌクレオチド活性作用物質と併用療法において使用するための化合物を、異なる投与経路によって投与することもできる。
アジュバント
ある種の実施形態では、これだけに限定されないが、本明細書において提示した疾患および状態を含めた疾患または状態を治療または予防するための薬物またはワクチンと一緒に投与すると、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質は、アジュバントとして機能する。一部の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質を、ワクチンと一緒に投与する。ワクチンと共に投与される活性作用物質は、将来の疾患および/または感染症を予防する免疫記憶を刺激することを含めた、ワクチンによって誘発される免疫応答を増強するアジュバントとして機能し得る。
ある種の実施形態では、ワクチンのためのアジュバントとして投与される上記環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質は、例えば、比較的弱い抗原の免疫原性を増大させ、免疫応答を誘発するために必要な抗原の量を低減し、防御免疫を維持するために必要な免疫頻度を低減することによって、ワクチンの有効性を増強し、免疫無防備状態の個体または低い免疫応答を有する他の個体におけるワクチンの有効性を増強し、かつ/または粘膜免疫などのターゲット組織での免疫を増大させ得る。このような実施形態では、1種または複数種の抗原と共に同時投与される上記環状ジヌクレオチド活性作用物質は、抗原に対する細胞および体液免疫を促進し、かつワクチン接種の有効性を増大させる特定のサイトカインプロファイルを誘導し得る。
ワクチンを調製するために使用される抗原は、身体に通常は存在しない物質を含有するウイルス、細菌、および寄生虫などの様々な微生物、さらには、腫瘍細胞に由来し得る。これらの物質は、抗原、および細菌細胞または癌細胞などの抗原を含有する細胞の両方を破壊する免疫応答を生じさせるための抗原として使用することができる。ある種の事例では、微生物病原体の単離されたかまたは粗製の抗原を、感染症を処置するためのワクチンにおいて使用することができ;単離されたか、または粗製の腫瘍細胞抗原を、癌を処置するためのワクチンにおいて使用することができ;病的に異常な細胞に関連すると考えられる単離されたか、または粗製の抗原を、特定の細胞を破壊のためにターゲティングするのが有益である様々な疾患を処置するために使用することができる。
抗原の供給源であり得る微生物には、病原細菌を含めた細菌;ウイルス(例えば、インフルエンザ(Influenza)、麻疹(Measles)、コロナウイルス(Coronavirus));寄生虫(例えば、トリパノソーマ(Trypanosome)、プラスモディウム(Plasmodium)、リーシュマニア(Leishmania));真菌(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)、カンジダ(Candida)、コクシジオイデス(Coccidioides)、クリプトコッカス(Cryptococcus))などの臨床的に関連する微生物が含まれる。例えば、抗原は、炭疽(バシラス・アンスラシス(Bacillus anthracis))、ペスト(エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis))、結核(マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis))、サルモネラ症(サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica))、胃癌(ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori))、性行為感染症(クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)またはナイセリア・ゴノレエ(Neisseria gonorrhea))の原因因子などの細菌、特に、病原細菌などに由来し得る。他の代表的な例には、インフルエンザウイルス、ノーウォーク(Norwalk)ウイルス、天然痘(smallpox)ウイルス、西ナイル(West Nile)ウイルス、SARSウイルス、MERSウイルス、呼吸系発疹ウイルス、麻疹ウイルスなどの特定のウイルスに由来する抗原が含まれる。該当する真菌には、これらだけに限定されないが、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)またはアスペルギルス(Aspergillus)種が含まれ、該当する寄生虫には、トリパノソーマ症、リーシュマニア、肺ペスト、およびライム病(ボレリア・バーグドルフェリ(Borrellia burgdorferi))の原因因子が含まれる。
ワクチンにおいて使用される病的に異常な細胞は、病的状態を有している1つもしくは複数の個体、または得られたワクチンで処置された特定の個体を含めた1つもしくは複数のそのような個体から得られるエクスビボもしくはインビトロ培養細胞などの任意の供給源から得ることができる。
環状ジヌクレオチド活性作用物質を含有するアジュバントと共に使用するためのワクチン製剤は、例えば、感染患者または増殖培養に由来する弱毒化および不活性化ウイルスおよび細菌病原体、精製高分子、多糖、類毒素、組換え抗原、病原体由来の外来遺伝子を含有する生体、合成ペプチド、ポリ核酸、抗体、および腫瘍細胞を含んでよい。
組換え抗原は、当技術分野で周知であり、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、New York(1992)およびAnsubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons、Baltimore、Md.(1998)に記載されている組換え方法を使用して、例えば、細菌、酵母、昆虫、爬虫類、または哺乳動物細胞中で、任意の免疫原性ポリペプチドをコードする遺伝子を単離およびクローニングすることによって、得ることができる。ウイルス、細菌、および原生動物病原体に由来する表面抗原をコードするいくつかの遺伝子が、成功裏にクローニングされ、発現され、ワクチン開発のための抗原として使用されている。例えば、B型肝炎ウイルスの主な表面抗原、HbsAg、コレラ毒素のbサブユニット、大腸菌のエンテロトキシン、マラリア寄生虫のスポロゾイト周囲のタンパク質、およびエプスタイン−バーウイルスからの糖タンパク質膜抗原、さらには腫瘍細胞抗原が、様々な周知のベクター/宿主系において発現され、精製され、ワクチンにおいて使用されている。
環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質を含有するワクチン製剤は、有利には、他のワクチンアジュバントおよび担体を含有してよい。これらの担体およびアジュバントには、これらだけに限定されないが、イオン交換樹脂、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、乳剤(例えば、油/水乳剤)、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、およびポリエチレングリコールが含まれる。
ワクチン化合物または製剤が、自然免疫、体液免疫、細胞媒介性免疫、またはこれらの種類の免疫応答の任意の組み合わせを誘導するかどうかを決定する任意の簡便な方法を使用することができる。例えば、STINGによって自然免疫応答を誘導するワクチン化合物または製剤の能力は、本明細書に記載の方法、さらには他の方法を使用して決定することができる。自然免疫応答を検出するためのそのような方法は、一般に、ワクチン投与の数時間内に行うことができる。体液応答を誘導するワクチン化合物または製剤の能力は、ワクチンで初回刺激され、抗原で追加免疫された動物における抗原特異的抗体の力価を測定することによって、またはELISA、ウェスタンブロット法、もしくは他の周知の方法によって抗原と交差反応する抗体の存在を決定することによって、決定することができる。細胞免疫応答は、例えば、例えばFACS選別および当技術分野で周知の他の方法などの様々な方法を使用して、抗原に対する細胞傷害性T細胞応答を測定することによって、決定することができる。体液および細胞免疫応答を検出する方法は、一般に、ワクチン投与から数日または数週後に行うことができる。
環状ジヌクレオチド
別の態様では、本明細書において、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドを提供する。本明細書で使用する場合、「環状ジヌクレオチド」は、各ヌクレオシドの2'または3'炭素がホスホジエステル結合によって、他のヌクレオシドの5'炭素に連結している2個のヌクレオシド(すなわち、第1および第2のヌクレオシド)を含有する化合物を指す。したがって、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドは、少なくとも1個のヌクレオシドの2'炭素が、他のヌクレオシドの5'炭素に連結している環状ジヌクレオチドを指す。本明細書において論述しているとおり、2'−5'ホスホジエステル連結を含有する環状ジヌクレオチドは、細胞または対象におけるI型インターフェロンの産生を増大させるための本明細書に記載の方法を実行する際に使用することができる。本明細書で使用する場合、「環状ジヌクレオチド」には、本明細書に記載の環状ジヌクレオチドの立体異性体型のすべてが含まれる。
本明細書で使用する場合、「ヌクレオシド」は、糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)またはその類似体に共有結合している窒素塩基を含有する組成を指す。ヌクレオシドの例には、これらだけに限定されないが、シチジン、ウリジン、アデノシン、グアノシン、チミジン、およびイノシンが含まれる。一部の実施形態では、ヌクレオシドは、デオキシリボース糖を含有する。ヌクレオシドの類似体には、これらだけに限定されないが、デオキシアデノシン類似体(例えば、ジダノシンおよびビダラビン);デオキシシチジン類似体(例えば、シタラビン、エマトリシタビン(Ematricitabine)、ラミブジン、およびザルシタビン);デオキシグアノシン類似体(アバカビルおよびエンテカビル);(デオキシ−)チミジン類似体(例えば、スタブジン、テルビブジン、およびジドブジン);およびデオキシウリジン類似体(例えば、イドクスウリジンおよびトリフルリジン)が含まれる。
いずれの特定の操作理論にも束縛されることなく、かつ以下の実施例において示すとおり、環状ジヌクレオチドは、細胞におけるI型IFN産生を増大させ得る。ある種の実施形態では、環状ジヌクレオチドは、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)に関係する機構を介して、I型IFN産生を増大させる。
環状ジヌクレオチドには、本方法を実行する際に使用することができる本明細書において具体的に記載したもの、さらには、本明細書において具体的に記載したもののアイソフォーム(例えば、互変異性体)が含まれる。環状ジヌクレオチドは、任意の適切な方法を使用して得ることができる。例えば、環状ジヌクレオチドは、出発物質としてヌクレオシド誘導体を使用する化学合成によって作製することができる。環状ジヌクレオチドはまた、以下の実験セクションにおいて記載するとおり、組換え精製cGAMPシンターゼ(cGAS)を使用して、インビトロ合成によって作製することができる。さらに、そのような環状ジヌクレオチドの構造は、NMR分析を使用して確認することができる。
本明細書において提供する環状ジヌクレオチドは、次の命名法:環状[X(A−5')pX(B−5')p]によって記載することができ、XおよびXは、第1および第2のヌクレオシドであり、Aは、ホスホジエステル結合によって第2のヌクレオシドの5'炭素に連結している第1ヌクレオシドの炭素(例えば、2'または3'位)であり、Bは、ホスホジエステル結合によって第1のヌクレオシドの5'炭素に連結している第2のヌクレオシドの炭素(例えば、2'または3'位)である。例えば、この命名法に基づくと、環状[G(2'−5')pA(3'−5')p]は、以下の式:
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の2'−5'ホスホジエステル結合を有する。特定の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、1個の3'−5'ホスホジエステル結合をさらに含有する(例えば、環状[X(2'−5')pX(3'−5')p]または環状[X(3'−5')pX(2'−5')p])。他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、2個の2'−5'ホスホジエステル結合を含有する(環状[X(2'−5')pX(2'−5')p])。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、環状[A(2'−5')pA2'−5')p];環状[T(2'−5')pT(2'−5')p];環状[G(2'−5')pG(2'−5')p];環状[C(2'−5')pC(2'−5')p];または環状[U(2'−5')pU(2'−5')p]である。ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、環状[A(2'−5')pA(3'−5')p];環状[T(2'−5')pT(3'−5')p];環状[G(2'−5')pG(3'−5')p];環状[C(2'−5')pC(3'−5')p];環状[U(2'−5')pU(3'−5')p];環状[A(2'−5')pT(3'−5')p];環状[T(2'−5')pA(3'−5')p];環状[A(2'−5')pG(3'−5')p];環状[G(2'−5')pA(3'−5')p];環状[A(2'−5')pC(3'−5')p];環状[C(2'−5')pA(3'−5')p];環状[A(2'−5')pU(3'−5')p];環状[U(2'−5')pA(3'−5')p];環状[T(2'−5')pG(3'−5')p];環状[G(2'−5')pT(3'−5')p];環状[T2'−5')pC(3'−5')p];環状[C(2'−5')pT(3'−5')p];環状[T(2'−5')pU(3'−5')p];環状[U(2'−5')pT(3'−5')p];環状[G(2'−5')pC(3'−5')p];環状[C2'−5')pG(3'−5')p];環状[G(2'−5')pU(3'−5')p];環状[U(2'−5')pG(3'−5')p];環状[C(2'−5')pU(3'−5')p];または環状[U(2'−5')pC(3'−5')p]である。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
を有し、
式中、XおよびYは、窒素塩基を含む任意の有機分子であってよい。本明細書で使用する場合、「窒素塩基」は、これだけに限定されないが、ピリミジン誘導体(例えば、シトシン、チミン、およびウラシル)およびプリン誘導体(例えば、アデニンおよびグアニン)、さらには、置換ピリミジンおよびプリン誘導体、ピリミジンおよびプリン類似体、ならびにそれらの互変異性体を含めた、塩基の化学的特性を有する窒素含有分子を指す。ある種の実施形態では、XおよびYは、それぞれ、以下のいずれか1つである:
Figure 2016518140
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式(環状[G(2'5')pA(3'5')p]):
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式(環状[G(3'5')pA(2'5')p]):
Figure 2016518140
を有する。
他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式の環状[G(2'5')pA(2'5')p]:
Figure 2016518140
を有する。
他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式の環状[A(2'5')pA(3'5')p]:
Figure 2016518140
を有する。
また他の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式の環状[G(2'5')pG(3'5')p]:
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式の環状[A(2'5')pA(2'5')p]:
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式の環状[G(2'5')pG(2'5')p]:
Figure 2016518140
を有する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドは、以下の式:
Figure 2016518140
Figure 2016518140
Figure 2016518140
の1つを有し、
式中、Rは、任意のアミノ酸側鎖である。
薬学的組成物
別の態様では、本明細書において、本明細書において提供する環状ジヌクレオチド活性作用物質のいずれか、および薬学的に許容される担体を含有する薬学的組成物を提供する。薬学的組成物のある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質は、1種または複数種の環状ジヌクレオチドである。
用語「薬学的に許容される」は、連邦政府または州政府の規制当局によって認可されているか、または動物、特にヒトにおいて使用するために米国薬局方もしくは他の一般に認められている外国薬局方において挙げられていることを意味する。用語「担体」は、ミトコンドリア輸送タンパク質阻害物質をそれと共に投与する希釈剤、アジュバント、添加剤、またはビヒクルを指す。そのような薬学的担体は、例えば、水中の生理食塩水、およびラッカセイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物、または合成由来のものを含めた油などの滅菌液体であってよい。生理食塩水は、薬学的組成物を静脈内投与する場合に、好ましい担体である。生理食塩水ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液も、特に、注射用液剤のための液体担体として使用することができる。適切な薬学的品添加剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアラート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが含まれる。組成物は、所望の場合には、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することができる。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形態を取り得る。組成物は、トリグリセリドなどの従来の結合剤および担体を含む坐剤として製剤化することができる。阻害物質は、中性形態または塩形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸に由来するものなどの遊離のアミノ基で形成されるもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどの遊離のカルボキシル基で形成されるものが含まれる。適切な薬学的担体の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「Remington's Pharmaceutical Sciences」においてE. W. Martinによって記載されている。そのような組成物は、治療有効量のミトコンドリア輸送タンパク質(例えば、Miroタンパク質、TRAKタンパク質、またはKhc)阻害物質を好ましくは精製形態で、患者に適正に投与するための形態が得られるような適切な量の担体と一緒に含有する。製剤は、投与様式に適しているべきである。
薬学的組成物はまた、例えば、抗酸化剤などの様々な安定化剤のいずれかを含むことができる。薬学的組成物がポリペプチドを含む場合、上記ポリペプチドを、ポリペプチドのインビボ安定性を増強するか、または別段に、その薬理学的特性を増強する(例えば、ポリペプチドの半減期を増大させるか、毒性を低減するか、溶解度または取り込みを増強する)様々な周知の化合物と錯体形成させることができる。そのような改変または錯生成剤の例には、硫酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩およびリン酸塩が含まれる。組成物のポリペプチドはまた、それらのインビボ属性を増強する分子と錯体形成させることができる。そのような分子には、例えば、炭水化物、ポリアミン、アミノ酸、他のペプチド、イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン)、および脂質が含まれる。
様々な種類の投与に適した製剤に関するさらなるガイダンスは、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia, Pa.、第17版(1985)において見出すことができる。薬物送達のための方法の簡単な総説については、Langer、Science 249:1527〜1533(1990)を参照されたい。
薬学的組成物を製剤化するために使用される成分は、好ましくは、高い純度を有し、かつ有害である可能性がある混入物を実質的に含有しない(例えば、少なくとも米国食品(National Food)(NF)グレード、一般に、少なくとも分析グレード、さらに典型的には、少なくとも薬学的グレード)。さらに、インビボでの使用が意図されている組成物は、無菌であり得る。所与の化合物を、使用前に合成しなければならない限り、その結果生じる生成物は、典型的には、合成または精製プロセスの間に存在し得る毒性の可能性があるいずれの作用物質も、特に、いずれの内毒素も、実質的に含有しない。非経口投与のための組成物も無菌であり、実質的に等張性で、GMP条件下で作製される。
薬学的組成物は、静脈内投与、経口投与、埋め込み注射剤による投与、経粘膜投与、経皮投与、筋肉内投与、髄腔内投与、または皮下投与のために製剤化することができる。一部の実施形態では、薬学的組成物を、静脈内投与のために製剤化する。他の実施形態では、薬学的組成物を、皮下投与のために製剤化する。いくつかの常套的に使用される薬学的担体を使用する次の送達系は、本組成物を投与するために企図される多くの実施形態のうちの代表に過ぎない。
注射可能な薬物送達系には、液剤、懸濁剤、ゲル剤、マイクロスフェア、およびポリマー注射剤が含まれ、これは、溶解度改変剤(例えば、エタノール、プロピレングリコール、およびスクロース)およびポリマー(例えば、ポリカプリラクトン(polycaprylactone)およびPLGA)などの添加剤を含んでよい。埋め込み可能な系には、ロッドおよびディスクが含まれ、これは、PLGAおよびポリカプリラクトンなどの添加剤を含有してよい。オステオポンチンまたは本発明の核酸は、遺伝子ガンを使用して粒子に結合させて投与することもできる。
経口送達系には、錠剤およびカプセル剤が含まれる。これらは、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピリロドン(Ppolyvinyl pyrilodone)、他のセルロース材料、およびデンプン)、希釈剤(例えば、ラクトースおよび他の糖、デンプン、リン酸二カルシウム、ならびにセルロース材料)、崩壊剤(例えば、デンプンポリマーおよびセルロース材料)、および滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩およびタルク)などの添加剤を含有してよい。
経粘膜送達系には、貼付剤、錠剤、坐剤、膣坐剤、ゲル剤、およびクリーム剤が含まれ、これらは、溶解補助剤および促進剤(例えば、プロピレングリコール、胆汁酸塩、およびアミノ酸)、および他のビヒクル(例えば、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステルおよび誘導体、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒアルロン酸などの親水性ポリマー)などの添加剤を含有してよい。
皮膚送達系には、例えば、水性および非水性ゲル剤、クリーム剤、多層乳剤、マイクロ乳剤、リポソーム剤、軟膏剤、水性および非水性液剤、ローション剤、エアロゾル剤、炭化水素基剤、および散剤が含まれ、これらは、溶解補助剤、浸透促進剤(例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、およびアミノ酸)、および親水性ポリマー(例えば、ポリカルボフィルおよびポリビニルピロリドン)などの添加剤を含有してよい。一実施形態では、薬学的に許容される担体は、リポソームまたは経皮促進剤である。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチド活性作用物質を含有する薬学的組成物を、血液脳関門(BBB)を通過するように製剤化する。血液脳関門(BBB)を通過しての薬物送達のための1つの戦略は、マンニトールまたはロイコトリエンなどの浸透の手段によるか、または生化学的に、ブラジキニンなどの血管作動性物質の使用によるかのいずれかによる、BBBの破壊を必要とする。BBB破壊剤は、組成物が血管内注射によって投与される場合、治療用組成物と共に同時投与することができる。BBBを通過するための他の戦略は、カベオイル(caveoil)−1媒介性トランスサイトーシス、グルコースおよびアミノ酸担体などの担体媒介性輸送体、インスリンまたはトランスフェリンでは受容体媒介性トランスサイトーシス、およびp−糖タンパク質などの能動流出輸送体を含めた内在性輸送系の使用を必要とし得る。血管の内皮壁を通過する輸送を促進するために、能動輸送部分を、本発明において使用する治療用化合物にコンジュゲートすることもできる。別法では、BBBの背後でのND薬学的組成物の薬物送達は、局所送達、例えば、例えばOmmayaレザバーによる髄腔内送達によるもの(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,222,982号および同第5385582号を参照されたい);例えば、硝子体中または頭蓋内への、例えば、シリンジによる大量注射によるか;例えば、例えば対流を伴うカニューレ挿入による連続注入によるもの(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第20070254842号を参照されたい);または阻害薬学的組成物が可逆的に装備されているデバイスを埋め込むことによるものであってよい(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第20080081064号および同第20090196903号を参照されたい)。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質を含有する薬学的組成物を、例えば、サイトゾル輸送を増強する送達ビヒクル中で製剤化する。任意の簡便なプロトコルを、細胞の形質膜を通過し、サイトゾルに至る環状ジヌクレオチド活性作用物質の送達を促進するために使用することができる。ある種の実施形態では、薬学的組成物中の同じ送達ビヒクルによって送達されるように、上記環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質および、ワクチン中で使用するために有効な抗原を一緒に製剤化することができる。
一部の事例では、上記環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質を、薬学的組成物中の送達ビヒクルを含むリポソーム中に封入することができる。薬物送達および他の治療用途のためにリポソームを使用する方法は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8329213号、同第6465008号、同第5013556号、米国特許出願第20070110798号、およびAndrewsら、Mol Pharm 2012 9:1118を参照されたい。ポリエチレングリコール(「ペグ化」)を二重層に加えることによって、リポソームを、それらの表面がより親水性になるように改変することができ、それによって、血流中でのそれらの循環時間が増大する。これらは、「ステルス」リポソームとして公知であり、特に、環状ジヌクレオチド活性作用物質などの親水性(水溶性)分子のための担体として有用である。
ある種の実施形態では、ポリ(乳酸)、ポリ(γ−グルタミン酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ乳酸−コ−グリコール酸などの生分解性材料から作製されたナノ粒子またはマイクロ粒子、ポリエチレンイミンまたはアルギナートマイクロ粒子、およびシクロデキストリンなどのデドリマー(dedrimer)を含めた陽イオン性マイクロ粒子を、環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質のための送達ビヒクルとして使用して、細胞取り込みを促進することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8187571号、Krishnamachariら、Adv Drug Deliv Rev 2009 61:205、Garzonら、2005 Vaccine 23:1384を参照されたい。
別の実施形態では、光化学的内部移行を使用して、環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質のサイトゾル取り込みを増強することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第20120226217号を参照されたい。このような実施形態では、上記環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質を、光感作性剤と同時投与することができる。次いで、特定の波長の光にターゲット細胞を曝露することによって、環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質の内部移行を惹起する。
ある種の実施形態では、上記環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質を送達するための送達ビヒクルは、ターゲティング送達ビヒクル、例えば、リポソームの表面上に1個または複数個のターゲティング部分または生体内分布調整剤を含有するリポソームであってもよい。ターゲティング部分は、所望のターゲットと特異的に結合または相互作用し得る任意の作用物質であってよい。
特異的結合剤は、ターゲティングされたタンパク質、ペプチド、生体高分子、細胞、組織など(例えば、環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質がその所望の作用を発揮するタンパク質ペプチド、生体高分子、細胞、組織など)に特異的に結合する任意の分子であってよい。ターゲット部位の性質に応じて、特異的結合剤は、これだけに限定されないが、ペプチド分析物のエピトープに対する抗体、または特異的結合対のメンバーなどの任意の認識分子であってよい。例えば、適切な特異的結合対には、これらだけに限定されないが:受容体/リガンド対のメンバー;リガンド−受容体の結合部分;抗体/抗原対のメンバー;抗原−抗体の結合性断片;ハプテン;レクチン/炭水化物対のメンバー;酵素/基質対のメンバー;ビオチン/アビジン;ビオチン/ストレプトアビジン;ジゴキシン/抗ジゴキシン;ペプチドアプタマー結合対のメンバーなどが含まれる。
ある種の実施形態では、特異的結合部分には、抗体が含まれる。本明細書において定義される場合の抗体には、これだけに限定されないが、Fab、Fv、scFv、およびFd断片を含めた抗原への特異的結合を保持している抗体の断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、ならびに抗体の抗原結合性部分および非抗体タンパク質を含む融合タンパク質が含まれ得る。抗体にはまた、Fab'、Fv、F(ab')、およびまたは抗原への特異的結合を保持している他の抗体断片が含まれ得る。
ある種の実施形態では、ターゲティング部分は、環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質を含有するターゲティング送達ビヒクルが腫瘍の部位または特異的免疫細胞に送達されるように、腫瘍細胞または免疫細胞上で発現される分子(例えば、CD4、CD8、CD69、CD62Lなど)と特異的に相互作用する結合剤である。
所望の場合には、上記で挙げた送達ビヒクルの任意の組み合わせを、ターゲット細胞への環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質の送達を有利に増強するために使用することができる。
薬学的組成物の成分は、別々に、または一緒に混合して単位剤形で、例えば、無水の凍結乾燥散剤または無水濃縮物として供給することができる。組成物を注入によって投与すべき場合には、滅菌薬学的グレードの水または生理食塩水を含有する輸液ボトルを用いて分配することができる。組成物を注射によって投与する場合には、成分を投与前に混合し得るように、滅菌注射用水または生理食塩水のアンプルを準備することができる。
一部の実施形態では、薬学的組成物を、対象に投与するために適した濃度まで再構成することができる無水滅菌凍結乾燥散剤として供給する。一部の実施形態では、薬学的組成物を、無水濃縮物として供給する。一部の実施形態では、薬学的組成物を、無水滅菌凍結乾燥散剤として、少なくとも0.5mg、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg、または少なくとも75mgの単位投薬量で供給する。
再構成可能な送達系のための液剤、懸濁剤、および散剤には、懸濁化剤(例えば、ゴム、キサンタン、セルロース系、および糖)、湿潤剤(例えば、ソルビトール)、溶解補助剤(例えば、エタノール、水、PEG、およびプロピレングリコール)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、Spans、Tweens、およびセチルピリジン)、防腐剤および抗酸化剤(例えば、パラベン、ビタミンEおよびC、ならびにアスコルビン酸)、固化防止剤、コーティング剤、ならびにキレート化剤(例えば、EDTA)などのビヒクルが含まれる。
一部の実施形態では、薬学的組成物を、塩の形態として製剤化する。薬学的に許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するものなどのアニオンと共に形成されるもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどのカチオンと共に形成されるものが含まれる。
ある種の実施形態では、薬学的組成物は、本明細書において提供する環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質のいずれかのプロドラッグ誘導体を含有する。そのようなプロドラッグは後で、薬学的組成物を投与された対象の身体内で環状ジヌクレオチドまたはSTING活性作用物質の活性形態に変換され得る。
キット
例えば経口または注射可能用量で本環状ジヌクレオチド活性作用物質、例えば、1種または複数種の環状ジヌクレオチドの単位用量を備えたキットを提供する。本キットでは、簡便か、または望ましくあり得るように、1つまたは複数の構成要素が、同じか、または異なる容器内に存在する。
単位用量を含有する容器に加えて、該当する病的状態を処置する際の環状ジヌクレオチドの使用および付随する利益を記載する説明書が存在する。説明書は、様々な異なる形式で提供することができる。ある種の実施形態では、説明書は、本方法を実行するための完全なプロトコル、またはそれを得るための手段(例えば、説明書を提供するウェブページを使用者に示すウェブサイトURL)を含んでよく、この場合、これらの説明は、基材上に印刷されていてよく、基材は、添付文書、包装、試薬容器などのうちの1つまたは複数であってよい。
当業者に、本発明を作製および使用する方法の完全な開示および説明を提供するために、次の実施例を記載するが、これらは、本発明者らが発明とみなすものの範囲を限定することを意図したものでもなければ、以下の実験がすべてであるか、または実験のみが行われたことを示すために意図されたものでもない。使用された数値(例えば、量、温度など)に関して確度を保証する努力は成されているが、多少の実験誤差および偏差は考慮されるべきである。別段に示さない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
実験
I. 結果および論述
病原体由来の核酸の認識は、哺乳動物において自然免疫応答を開始させる主な機構である(Barbalatら、Annu Rev Immunol(2011)29:185)。Toll様受容体(TLR)およびRIG−I様受容体(RLR)を含めた、生殖細胞系によってコードされる核酸のセンサーのいくつかのファミリーは記載されている(Palmら、Immunol Rev(2009)227:221;Takeuchiら、Cell(2010)140:805)。核酸と結合すると、これらのセンサーは、宿主防御を提供するサイトカインと他の免疫エフェクタータンパク質との産生をもたらすシグナル伝達カスケードを開始する。
外来二本鎖(ds)DNAがサイトゾルに存在すると、I型インターフェロン(IFN)の産生によって支配される強力な抗ウイルス応答が引き起こされる(Ishiiら、Nat. Immunol.(2006)7:40;Stetsonら、Immunity(2006)24:93)。しかしながら、dsDNAとインターフェロンの産生を結び付ける分子機構は、十分には特徴づけられていない(Burdette & Vance、Nat. Immunol.(2013)14:19)。宿主タンパク質であるSTINGは同定されており、サイトゾルdsDNAに対するIFN応答に必要であることが示されている(Ishikawa & Barber、Nature(2008)455:674;Ishikawaら、Nature(2009)461:788;Sunら、Proc Natl Acad Sci U S A(2009)106:8653;およびZhongら、Immunity(2008)29:538)。STINGはまた、細菌由来のセカンドメッセンジャーと称される環状ジヌクレオチド(CDN)に対するインターフェロン応答に必要であることが示されている(Jinら、J Immunol(2011)187:2595;およびSauerら、Infect Immun(2011)79:688)。CDNは、特定の細菌病原体によってサイトゾルに分泌または放出されて(Woodwardら、Science(2010)328:1703)、STINGに直接結合する(Burdetteら、Nature(2011)478:515)。しかしながら興味深いことに、マウスSTINGの変異(R231A)対立遺伝子は、CDNに対する応答性を消失させているが、サイトゾルDNA(Id)に対するインターフェロン応答に、感知できるほどの影響を及ぼさないと同定された。反対に、野生型マウスSTINGを発現する293T細胞は、CDNに対して応答するが、dsDNAには応答しない。したがって、サイトゾルCDNおよびdsDNAに対するIFN応答は両方とも、STINGを必要とするが、これらの化学的に別個のリガンドに対する応答は、遺伝子的に切り離され得る。
2つの研究に基づき(Sunら、Science(2013)339:786;およびWuら、Science(2013)339:826)、dsDNAがサイトゾル内に存在することが、cGAMPシンターゼ(cGAS)と称されるDNA依存性センサーによって、CDN、環状GMP−AMP(cGAMP)の産生につながると提案された。cGAMPは、STINGに結合し、それを活性化することが示された。しかしながら、STING R231A変異体が、CDNに対する応答性を欠くにも関わらず、どのようにしてdsDNAに対する応答を未だ開始し得るかは、不明なままであった。したがって、cGASがSTINGを活性化させる機構が調査された。
先行する研究(Sauerら、Burdetteら)は、主に、マウスSTINGに焦点を当てており、ヒトSTINGがCDNに応答し得るかどうかは未だ不明であった(Conlonら、J Immunol、(2013)190:5216)。以前に報告されたとおり(Sunら、Wuら)、ヒトTHP−1細胞系は、STINGに依存して、CDNに強く応答することが見出された(図1A、B)。hSTINGを、THP−1細胞からクローニングし、そのアミノ酸配列を、以前に広く研究された参照対立遺伝子(NP_938023.1;本明細書ではhSTINGREFと示す)(7)(図2)と比較した。hSTINGREFおよびhSTINGTHP−1は4つのアミノ酸位で異なることが見出された。特に、hSTINGREFは、アミノ酸232位でヒスチジン(H)をコードするのに対して、hSTINGTHP−1は、CDNに対する応答性に重要であるmSTINGにおけるR231に対応するこの位置で、アルギニン(R)をコードする。したがって、内因性STINGを含まない293T細胞において、これらの対立遺伝子を発現させることによって、個々のhSTING対立遺伝子の機能性が試験された(Burdetteら)。以前に観察されたとおり(Burdetteら)、293T細胞におけるmSTINGの過剰発現は、IFN−ルシフェラーゼレポーターコンストラクトのリガンド非依存性活性化を誘導するために十分であるが;しかしながら、より少ない量のmSTINGの293T細胞への移入で、細胞は、CDNに対して応答性になる。同様に、hSTINGTHP−1を発現する293T細胞は、CDN刺激に対して応答性であった。反対に、hSTINGREFを発現する細胞は、応答性が不十分であるか、または非応答性であった(図1C)。興味深いことに、環状ジGMPに結合した3種の最近のSTINGの結晶構造は、応答性が不十分なhSTINGREFタンパク質のものであったことが観察された(Huangら、Nature Struct. & Mol. Biol.(2012)19:728;Ouyangら、Immunity(2012)36:1073;Yinら、Mol Cell(2012)46:735)。
293T細胞は、おそらく、cGASまたはことによると他のDNAセンサーが発現しないことによって、dsDNAによる刺激に対して応答性ではない(Sunら)。したがって、hSTING変異体がDNA刺激に応答し得るかどうかを試験するために、STING−ヌル(「ゴールデンチケット」)(Sauerら)、ただし(cGAS)マクロファージに、hSTING発現ベクターを形質導入した。興味深いことに、CDNに非応答性であるhSTINGREF変異体でも、dsDNAに対する応答性は示した(図1D)。したがって、hSTINGREFは、CDNおよびdsDNAに対する応答性を切り離していると以前に記載された(Burdetteら)マウスSTINGのR231A変異の表現型を模写している。mSTINGR231A変異体と同様に、hSTINGREFは、CDNにはなお結合し(図1E)(Huangら、Ouyangら、およびYinら)、このことは、この対立遺伝子が、CDN結合の下流のステップで損なわれていることを示している。
hSTING対立遺伝子での上記の結果と一致して、mSTINGのR231H変異体は、hSTINGTHPのR232AまたはR232H変異体と同様に、CDNに対して応答性が不十分であった(図3A)。したがって、アルギニン231/232は、マウス/ヒトSTINGにおけるCDNに対する応答性に重要であると結論付けられた。しかしながら、hSTINGREFへのH232R変異の導入は、CDNに対する応答性を回復するためには十分ではなく;実際に、第2の置換(G230A)も必要であることが観察された(図4)。再度、試験したすべての変異STING対立遺伝子は、環状ジGMPに結合し、これは、残基230および232が、CDN結合ポケットをカバーするがCDN結合ポケットを形成していないループに位置するという事実と一致した(図3B)(Burdette & Vance)。
重要なことに、mSTINGR231Aも、化学的に合成されたcGAMPに対して非応答性であった(図1F)(Kellenbergerら、J Am Chem Soc.(2013). 135:4906)。これによって、STINGのR231A/R232H変異は、cGAMPの産生を介してSTINGを活性化させると考えられるcGAS酵素に応答性であるのだろうかという疑問が生じた。ヒトまたはマウスcGAS発現は、非常に低レベルのcGAS発現でも、hSTINGREFおよびmSTINGR231A変異体を強く活性化させるために十分であるということが見出された(図5A)。この結果について、いくつかの説明が考察された。説明の1つは、この応答は、単に、哺乳動物細胞におけるシンターゼ過剰の発現によるというものであるが;しかしながら、cGAMPを産生する細菌酵素の過剰発現(DncV from V. cholerae)(Davies、Cell(2012)149:358)は、hSTINGREFまたはmSTINGR231Aを活性化させず、野生型mSTINGおよびhSTINGTHP−1は活性化させた(図5B)。代替の仮説の1つは、cGASは、STINGと物理的に相互作用し得、それによって、cGAMP産生とは独立に、STINGを活性化させるというものである。しかしながら、この説明も、不正確であると考えられる。以前に実証されたとおり(Sunら)、ヒトまたはマウスcGASの触媒活性のない変異体の過剰発現は、STINGを活性化させることができず(GS>AA;図2A)、cGASシグナル伝達が、STINGとの直接的な物理的相互作用よりも、セカンドメッセンジャーの産生に依存していると論じられている。この解釈を確認するために、cGASの酵素産物を、インビトロでATP、GTP、およびdsDNAを精製組換えcGASに供給することによって生じさせた。陰性対照として、dsDNA(cGAS活性を刺激するために必要とされる)を、平行反応から省いた。次いで、その結果生じたcGAS産物を精製し、STING変異体を発現する293T細胞に移入した。合成cGAMPとは逆に、cGAS産物は、hSTINGREFおよびmSTINGR231Aを活性化させることができた(図5C)。この実験によって、cGASが、直接的な物理的相互作用を介してhSTINGREFを活性化させるモデルが除外された。
したがって、cGASの実際の産物は、以前に提案された(Sunら、Wuら)とおりの標準CDNではないと仮定された。cGASは、変異STING対立遺伝子を刺激することができる新規の、2'−5'ホスホジエステル結合を含有するCDNを産生し得ると仮定された。重要なことに、そのような非標準CDNは、標準3'−5'ホスホジエステル連結CDNと同一の質量であり、したがって、これら2つの生成物を、以前に公開されたcGAS生成物の質量分光分析によって識別することは容易ではないと考えられる(Sunら、Wuら)。この仮説を試験するために、放射標識α32P−GTPまたはα32P−ATPを、組換え精製cGASまたはVに供給した。コレラDncVおよび産物を、薄層クロマトグラフィーによって分析した。以前に報告されたとおり、DncVは、ATPのみが供給されると、多少のc−ジ−AMPを産生し、GTPのみが供給されると、多少のc−ジ−GMPを産生したが、ATPおよびGTPの両方を供給されると、cGAMPを好ましくは作製した(Daviesら、細胞(2012)149:358)。(図6A)。興味深いことに、cGASは、ATPおよびGTP基質の両方を必要とし、その結果生じた産物は、DncVによって産生された標準CDNのいずれとも有意に異なって移動し、このことは、cGASが、新規の非標準CDNを産生することを示唆した(図6A)。
cGASおよびDncV産物を、特異的ヌクレアーゼ消化によって分析した。cGAS産物は、3'−5'ホスホジエステル連結を選択的に消化するヌクレアーゼP1によって部分的に切断され、cGAS産物が少なくとも1個の3'−5'ホスホジエステル連結(図6B)を含有することを示唆した。しかしながら、2'−5'および3'−5'ホスホジエステル連結の両方を切断するヘビ毒ホスホジエステラーゼでのcGAS産物の処理とは対照的に、GMPの生成をもたらさなかったので、ヌクレアーゼP1消化は不完全であった(図3B)。これは、cGAS産物が、1個の2'−5'ホスホジエステル連結を含有することを示唆している。
CDNは、ワクチンアジュバントまたは免疫治療薬として有用であると提案されている(Chenら、Vaccine(2010)28:3080)。合成STING活性化因子であるDMXAAは、新規の化学療法薬としてヒト治験において試験されている。残念なことに、DMXAAは、ヒトにおいて有効であるとは見いだされず、その原因は、hSTINGを刺激し得ないためである可能性がある(Conlonら)。この状況において、これらは、非標準2'−5'連結CDNが、標準CDNまたはDMXAAに対する応答性が不十分なものでしかない変異体を含めた多様なSTING変異体の強力なパンアゴニストとして機能することを示しているので、本発明者らの結果は重要である。
II. 材料および方法:
A. マウスおよび細胞系
THP−1細胞を、10%FBS、ペニシリン−ストレプトマイシン、およびL−グルタミンを補充されたRPMI 1640中で増殖させた。HEK293T細胞を、10%FBS、ペニシリン−ストレプトマイシン、およびL−グルタミンを補充されたDMEM中で増殖させた。Gp2レトロウイルスパッケージング細胞系を、10%FBS、ペニシリン−ストレプトマイシン、およびL−グルタミンを補充されたDMEM中で維持した。動物試験計画書は、University of California、Berkeley Animal Care and Use Committeeによって許可された。
B. STINGノックダウン
ヒトSTING(クローンID NM_198282.1−901s1c1)のノックダウンを、pLKO.1(The RNAi Consortium)を使用して達成した。ヒトSTINGのノックダウンでの配列は、
Figure 2016518140
であり、これは、
Figure 2016518140
フォワードオリゴおよび
Figure 2016518140
リバースオリゴに対応する。オリゴをアニーリングし、AgeIおよびEcoRI消化されたpLKO.1(Addgene)にクローニングし、スクランブルshRNA対照コンストラクトと平行して、THP−1細胞にレトロウイルスによって形質導入した。安定な細胞系を、ピューロマイシンで選択した。THP−1細胞を、1μg/mL PMAと共に24時間にわたって分化させた。細胞を24時間にわたって停止させ、次いで、示されているリガンドで6時間にわたって再刺激した。IFN誘導を、下記のとおり、qRT−PCRによって測定した。
C. 細胞刺激および試薬
骨髄マクロファージおよびHEK293T細胞を、Lipofectamine 2000(Invitrogen)を使用して刺激した。別段の指定がない限り、環状ジGMP、環状ジAMP、ポリI:C、およびワクシニアウイルス70マーDNAを、以前に記載されたとおりに調製し(Burdetteら)、同様の濃度で使用した。センダイウイルスを、Charles River Laboratoriesから購入した。cGAMPを、以前に記載されたとおりに合成した(Kellenbergerら)。
D. クローニング、突然変異誘発、およびプラスミド
5' hSTING HindIII
Figure 2016518140
および3' hSTING NotI
Figure 2016518140
を使用して、THP−1 STING対立遺伝子をcDNAから増幅した。その結果生じたPCR産物を、HindIII/NotI消化を使用してpCDNA3にクローニングした。THP−1 STINGを増幅し、上記で挙げた3'プライマーおよび5' hSTING XhoI
Figure 2016518140
およびXhoI/NotI消化を使用してMSCV2.2にクローニングした。IFN−ルシフェラーゼ、TK−Renilla、およびマウスSTINGプラスミドを、以前に記載されたとおりに使用した(Burdetteら)。ヒトSTINGにおける変異を、Quikchange Site Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を使用して導入した。マウスおよびヒトcGASに対応するcDNAクローン(MGC Fully Sequenced Human MB21D1 cDNA、Accession:BC108714.1、Clone ID:6015929;EST Fully Sequenced Mouse E330016A19Rik cDNA、Accession:BC145653.1、Clone ID:40130956)を、Open Biosystemsから入手したが、これは、以前に記載されたものに対応する(Sunら、Wuら)。マウスcGASを、フォワードオリゴ5'−mcGAS−KpnI
Figure 2016518140
およびリバースオリゴ3'−mcGAS−NotI
Figure 2016518140
を用いて、N末端フラッグタグと共に、cDNAクローンから増幅した。同様に、hcGASを、フォワードオリゴ5'−hcGAS−flag−KpnI
Figure 2016518140
およびリバース 3'− hcGAS−NotI
Figure 2016518140
を用いて増幅した。両方のPCR産物を、KpnIおよびNotI制限酵素部位で、pcDNA3にクローニングした。DncVを、DncV fwd BamHI
Figure 2016518140
およびDncV rev NotI
Figure 2016518140
を用いて増幅し、BamHIおよびNotIを使用してpCDNA3にクローニングした。MSCV2.2へのクローニングのために、DncVを、DncV fwd XhoI
Figure 2016518140
およびDncV rev NotIを使用して増幅した。その結果生じたDNAを、XhoI/NotIで消化されたMSCV 2.2にクローニングした。細菌mcGAS過剰発現のためのコンストラクトを、次のとおりに構築した。N末端His6−SUMOタグを、pCDF−Duet2テンプレート(M. Rape lab、UC−Berkeleyからの寄贈)からのHis6 SUMO Nco
Figure 2016518140
およびHis6 SUMO Sal
Figure 2016518140
を使用してPCRによって増幅し、NcoIおよびSalIを使用してpET28aにクローニングして、pET28a−H6SUMOを作製した。全長mcGASを、mcGAS fwd Sal
Figure 2016518140
およびmcGAS rev Xho
Figure 2016518140
を使用して、上記のマウスcDNAクローンからPCR増幅し、SalIおよびXhoIを使用してpET28a−H6SUMOにクローニングして、N末端His6 SUMOタグに融合している全長mcGASを発現するpET28a−H6SUMO−mcGASを作製した。
E. タンパク質精製
WspRコンストラクト(pQE−WspR)は、Steve Lory(Harvard)からの寛大な寄贈であった。WspR精製およびc−ジ−GMP合成反応を、以前に記載されたとおりに実施した(Merighiら、Mol Microbiol(2007)65:876)。DncVおよび変異DncVのための過剰発現株およびプラスミドは、J. Mekalanosから得た。DncVタンパク質を過剰発現させ、以前に記載されたとおりに精製した(Daviesら)。簡単には、DncVタンパク質産生を、1mM IPTGを用いて、37℃で3時間にわたって、対数増殖中期で誘導した。細胞を溶解し、DncVタンパク質を、変性条件下で精製した。透明溶解液をNi−NTAと共にインキュベートし、尿素溶離緩衝液(2M尿素、10mMトリス pH=8.0、150mM NaCl、250mMイミダゾール)中で溶離した。溶離したタンパク質を、25mMトリス−Cl、pH=7.5、300mM NaCl、5mM Mg(OAc)2、10%グリセロール、2mM DTTに対して透析した。H6SUMO−mcGASを、18℃で0.5mM IPTGと共に終夜誘導することによって、Rosetta(DE3)pLysS細胞中で発現させた。細胞を、フレンチプレスによって50mMトリス−Cl、pH=8、300mM NaCl、20mMイミダゾール、5mM BME、および0.2mM PMSFに溶解させた。透明溶解液を、Ni−NTAと共にインキュベートし、結合したタンパク質を、20mMトリス−Cl、pH=7.4、150mM NaCl、300mMイミダゾールで溶離した。溶離液を、10%グリセロールを含有する20mMトリス−Cl、pH=7.4、150mM NaCl、5mM β−メルカプトエタノールに対して透析した。タンパク質を急速冷凍させ、−80℃で貯蔵した。
F. cGAS産物の精製および構造特性決定
cGAS産物を、Agilent Polaris C18−Aカラム(5μm、250mm×10mm、180Å)を備えたAgilent 1260 Infinity HPLCでの逆相HPLCを使用して精製した。精製条件には、50℃および5mL/分の流速で20分かけての溶媒Aの100%〜0%の勾配が含まれ、この際、溶媒Aは、水中の100mM酢酸アンモニウムであり、溶媒Bはアセトニトリルである。過剰のアンモニアを除去するために、精製した溶離画分を複数回蒸発させた。共鳴帰属を、COSY、H−13C HSQC、NOESY、H−13C HMBC、および1H−31P HMBCを使用して行った。cGAS産物の特性決定:
Figure 2016518140
31P{デカップリングさせたH} NMR(600MHz、D2O、50℃、δ):(すべての共鳴が一重線である)−0.96、−1.86;HRMS(m/z):[M−H]−C20241013について計算された単一同位体質量、673.0927;実測値、673.0909。[M+Na 2H]−C20241013について計算された単一同位体質量、695.0752;実測値、695.0728。
G. ルシフェラーゼアッセイ法
HEK293T細胞を、0.5%〜%106%細胞%ml−1で、TC処理済み96ウェルプレート内で平板培養した。翌日、細胞に、IFN−β−ホタルルシフェラーゼおよびTKウミシイタケルシフェラーゼレポーターコンストラクトと一緒に、示されているコンストラクトを形質移入した。示されているリガンドで、6%時間にわたって刺激した後に、細胞を、25℃で5%分間にわたって、受動溶解緩衝液(Promega)に溶解させた。細胞溶解産物をホタルルシフェラーゼ基質(Biosynth)およびウミシイタケルシフェラーゼ基質セレンテラジン(Biotium)と共にインキュベートし、およびルミネセンスをSpectraMax Lマイクロプレートリーダー(Molecular Devices)で測定した。Ifnb相対的発現を、ウミシイタケルミネセンスに対するホタルルミネセンスとして計算した。
H. インビトロ環状ジヌクレオチド合成
インビトロDncV反応を、20mMトリス−Cl、pH=8、20Mg(OAc)2、10%グリセロール、および1mM DTT、0.1mg/mL BSA中で実施した。反応物は、図に示されているとおり、250μM GTP、250μM ATPまたは125μM GTP、および125μM ATPを含有した。加えて、示されている場合には、33nM α32P−GTP(3000Ci/mmol、Perkin−Elmer)または33nM α32P−ATP(3000Ci/mmol、Perkin−Elmer)が、反応物に含まれた。反応を、1μM精製DncVタンパク質を加えることによって開始した。インビトロcGAS反応を、40mMトリス−Cl、pH=7.5、100mM NaCl、10mM MgCl2中で実施した。冷ヌクレオチドおよびアルファ標識GTPは、DncV反応においてと同じ濃度である。反応を、200nM精製cGASを添加することによって開始した。示されている場合、ニシン精巣DNA(Sigma)を、0.1mg/mLの最終濃度で反応物に添加した。WspR反応を、以前に記載されたとおりに行った(14)。反応物を、37℃で1時間にわたってインキュベートし、95℃で5分間にわたって沸騰させ、13,000rpmで10分間にわたって回転させた。反応物を除去し、TLCランニング緩衝液(1:1.5(v/v)の飽和NH4SO4および1.5M KH2PO4、pH3.6)と1:5で混合し、PEIセルロースTLCプレート(Sigma)にスポットした。溶媒の移動の後に、TLCプレートをホスホイメージャースクリーンに露出し、Typhoonスキャナを使用して画像化した。293T細胞へのインビトロ産物移入では、反応を拡大し、放射標識されたヌクレオチドを省き、ATPおよびGTPの濃度を2mMに増加させた。
I. ヌクレアーゼ消化
ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)由来のヌクレアーゼP1およびクロタラス・アダマンテウス(Crotalus adamanteus)由来のヘビ毒ホスホジエステラーゼIを、Sigmaから購入した。α32P−GTPで標識されたインビトロ環状ジヌクレオチド合成からの反応物を、P1緩衝液(40mMトリス−Cl、pH=6、2mM ZnCl2)またはSVPD緩衝液(40mMトリス−Cl、pH=8、10mM MgCl2)のいずれかで1:5で希釈し、続いて、それぞれ2.5mUヌクレアーゼP1またはSVPDで消化させた。消化を37℃で45分間にわたってインキュベートし、ヌクレオチド産物を、TLCによって分離した。
J. NMRデータ
図6Cに示されているH−31P HMBCスペクトルにおいて、リン核P−11は、グアノシンの2'リボースプロトン(H−12)に、さらに、アデノシンの5'リボースメチレンプロトン(H−10)および4'リボースプロトン(H−9)に相関する。他のリン核(P−22)は、アデノシンの3'リボースプロトン(H−8)に、さらに、グアノシンの5'リボースメチレンプロトン(H−21)および4'リボースプロトン(H−20)に相関する。したがって、ホスホジエステル連結の位置化学は、環状[G(2'−5')pA(3'−5')p]であると決定された。上記のピークを帰属するためには、それぞれグアノシンおよびアデノシンに対応するリボーススピン系を正確に同定することが重要であった。アデニンヌクレオ塩基(H−2、H−5)およびグアニンヌクレオ塩基(H−17)に対応するプロトンを、個別のヌクレオ塩基のための参照スペクトル、1H−13C HMBCおよび1H−13C HSQC NMR(図7Aおよび7B)に基づき、帰属した。1H−1H NOESY実験によって、アデニンプロトンH−5と3'リボースプロトン(H−8)との間の、さらに、グアニンプロトンH−17と1'リボースプロトン(H−18)との間のスルースペース相互作用が示された(図7D)。対応するリボーススピン系における残りのプロトンを、1H−1H COSY(図7C)、および特に5'メチレンプロトン(H−10およびH−21)を識別する多重度編集1H−13C HSQC(図7Aおよび7B)によって同定した。
K. RNA、cDNA合成、および定量RT−PCR
哺乳動物細胞系からのRNAを、Trizol試薬(Invitrogen)またはRNeasy Mini Kit(Qiagen)を使用して抽出した。RNAを、RQ1 RNase非含有DNase(Promega)で処理した。RNAを、Superscript III(Invitrogen)で逆転写した。以前に記載されたとおりに、マウスifnBを、マウスrps17に対して定量化した(Woodwardら)。以前に記載されたとおりに、ヒトifnBを、ヒトS9に対して定量化した(Wuら)。
添付の項目もあるが、本開示は、次の項目によっても定義される。
1. 細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるための方法であって、
該細胞によるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるために十分であるように、該細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させるステップ
を含む、方法。
2. 前記細胞を前記環状ジヌクレオチドと接触させるステップを含む、項目1に記載の方法。
3. 前記環状ジヌクレオチドが、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目2に記載の方法。
4. 前記環状ジヌクレオチドが、1個の2'5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目3に記載の方法。
5. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目1に記載の方法。
6. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目5に記載の方法。
7. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目1に記載の方法。
8. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目7に記載の方法。
9. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目1に記載の方法。
10. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目1に記載の方法:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
11. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目10に記載の方法。
12. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目1に記載の方法:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
13. 前記細胞におけるcGAMPシンターゼ(cGAS)の活性を増大させることによって前記環状ジヌクレオチドのレベルを増大させる、項目1に記載の方法。
14. cGASをコードする核酸の発現を増強することによって前記cGASの活性を増大させる、項目13に記載の方法。
15. 前記cGASをコードする核酸を前記細胞に導入することによって該cGASの活性を増大させる、項目13に記載の方法。
16. 前記IFNがインターフェロンアルファである、項目1に記載の方法。
17. 前記IFNがインターフェロンベータである、項目1に記載の方法。
18. 前記細胞が哺乳動物細胞である、項目1に記載の方法。
19. 前記哺乳動物細胞がヒト細胞である、項目18に記載の方法。
20. 前記細胞がインビトロである、項目1に記載の方法。
21. 前記細胞がインビボである、項目1に記載の方法。
22. 対象におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるための方法であって、
該対象における該I型インターフェロンの産生を増大させるために有効な量の、2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチド活性作用物質を該対象に投与するステップ
を含む、方法。
23. 前記2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチド活性作用物質が、2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドを含む、項目22に記載の方法。
24. 前記環状ジヌクレオチドが、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目23に記載の方法。
25. 前記環状ジヌクレオチドが、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目23に記載の方法。
26. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目23に記載の方法。
27. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目26に記載の方法。
28. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目23に記載の方法。
29. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目28に記載の方法。
30. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目23に記載の方法。
31. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目23に記載の方法:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
32. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目31に記載の方法。
33. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目23に記載の方法:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
34. 前記2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチド活性作用物質が、cGAMPシンターゼ(cGAS)の細胞活性を増大させる作用物質を含む、項目22に記載の方法。
35. 前記作用物質が、前記cGASをコードする核酸を含む、項目34に記載の方法。
36. 前記IFNがインターフェロンアルファである、項目22に記載の方法。
37. 前記IFNがインターフェロンベータである、項目22に記載の方法。
38. 前記対象がウイルス感染症を有している、項目22に記載の方法。
39. 前記対象が細菌感染症を有している、項目22に記載の方法。
40. 前記対象が新生物疾患を有している、項目22に記載の方法。
41. 前記対象が哺乳動物である、項目22に記載の方法。
42. 前記哺乳動物がヒトである、項目41に記載の方法。
43. 1個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、環状ジヌクレオチド。
44. 2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目43に記載の環状ジヌクレオチド。
45. 1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目43に記載の環状ジヌクレオチド。
46. 1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目43に記載の環状ジヌクレオチド。
47. 2個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目46に記載の環状ジヌクレオチド。
48. 1個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目43に記載の環状ジヌクレオチド。
49. 2個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目48に記載の環状ジヌクレオチド。
50. 1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目43に記載の環状ジヌクレオチド。
51. 式
Figure 2016518140
によって表される、項目43に記載の環状ジヌクレオチド:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
52. 式
Figure 2016518140
によって表される、項目51に記載の環状ジヌクレオチド。
53. 式
Figure 2016518140
によって表される、項目43に記載の環状ジヌクレオチド:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
54. 2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドと、薬学的に許容される担体とを含む、組成物。
55. 前記環状ジヌクレオチドが、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目54に記載の組成物。
56. 前記環状ジヌクレオチドが、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結をさらに含む、項目54に記載の組成物。
57. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目54に記載の組成物。
58. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目57に記載の組成物。
59. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目54に記載の組成物。
60. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目59に記載の組成物。
61. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目54に記載の組成物。
62. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目54に記載の組成物:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
63. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目62に記載の組成物。
64. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目54に記載の組成物:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
65. 対象におけるインターフェロン遺伝子刺激因子(STING)媒介性応答を増大させるための方法であって、
該対象におけるSTING媒介性応答を増大させるために有効な量のSTING活性作用物質を該対象に投与するステップ
を含む、方法。
66. 前記STING活性作用物質が、2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドを含む、項目65に記載の方法。
67. 前記環状ジヌクレオチドが、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目66に記載の方法。
68. 前記環状ジヌクレオチドが、1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を含む、項目67に記載の方法。
69. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目66に記載の方法。
70. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目69に記載の方法。
71. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目66に記載の方法。
72. 前記環状ジヌクレオチドが、2個のアデノシンヌクレオシドを含む、項目71に記載の方法。
73. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む、項目66に記載の方法。
74. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目66に記載の方法:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
75. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目74に記載の方法。
76. 前記環状ジヌクレオチドが、式
Figure 2016518140
によって表される、項目66に記載の方法:
式中、XおよびYは、それぞれ
Figure 2016518140
である。
77. 前記STING活性作用物質が、cGAMPシンターゼ(cGAS)の細胞活性を増大させる作用物質を含む、項目65に記載の方法。
78. 前記作用物質が、前記cGASをコードする核酸を含む、項目77に記載の方法。
79. 前記STING活性作用物質が、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)の細胞活性を増大させる作用物質を含む、項目65に記載の方法。
80. 前記作用物質が、前記STINGをコードする核酸を含む、項目77に記載の方法。
81. 前記STING媒介性応答が、2個の3'−5'ホスホジエステル結合を有する環状ジヌクレオチドに対して非応答性である、項目65に記載の方法。
82. 前記対象がウイルス感染症を有している、項目65に記載の方法。
83. 前記対象が細菌感染症を有している、項目65に記載の方法。
84. 前記対象が新生物疾患を有している、項目65に記載の方法。
85. 前記対象が哺乳動物である、項目65に記載の方法。
86. 前記哺乳動物がヒトである、項目85に記載の方法。
前述は、本発明の原理を単に例示したものである。当業者であれば、本明細書においては明確に記載されていないか、または示されていないが、本発明の原理を具体化し、本発明の意図および範囲内に含まれる様々なアレンジを考案することができることは分かるであろう。さらに、本明細書において列挙されているすべての例および条件についての記載は、主に、本発明者らが当技術分野に提供する本発明の原理および概念を理解する際に、読者の助けとなることが意図されており、そのような具体的に列挙された例および条件への限定は伴わないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、さらにその具体的な例を列挙する本明細書におけるすべての言述は、その構造的および機能的等価物の両方を包含することが意図されている。加えて、そのような等価物には、現在公知の等価物および将来開発される等価物、すなわち、構造に関わらず、同じ機能を果たす、将来開発される任意の要素の両方が含まれることが意図されている。したがって、本発明の範囲を、本明細書において示され、かつ記載されている例示的な実施形態に限定することは意図されていない。むしろ、本発明の範囲および意図は、添付の請求の範囲によって体現されている。
本明細書において引用したすべての公報および特許出願は、それぞれの個別の公報または特許出願が、具体的に、かつ個別に、参照により組み込まれると示されている場合と同様に、参照により本明細書に組み込まれる。いずれの公報の引用も、出願日前のその開示に関するものであり、本発明が、先行発明によって、そのような広報に先行する権利がないことを認めるものであると解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 細胞におけるI型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるための方法であって、
    該細胞による該I型インターフェロン(IFN)の産生を増大させるために十分であるように、該細胞における2'−5'ホスホジエステル連結を含む環状ジヌクレオチドのレベルを増大させるステップ
    を含む、方法。
  2. 前記細胞を前記環状ジヌクレオチドと接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記環状ジヌクレオチドが、2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記環状ジヌクレオチドが、1個の2'5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のグアノシンヌクレオシドを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記環状ジヌクレオチドが、1個のアデノシンヌクレオシドおよび1個のグアノシンヌクレオシドを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記細胞におけるcGAMPシンターゼ(cGAS)の活性を増大させることによって前記環状ジヌクレオチドのレベルを増大させる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記IFNがインターフェロンアルファまたはインターフェロンベータである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記細胞が哺乳動物細胞である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記哺乳動物細胞がヒト細胞である、請求項10に記載の方法。
  12. 1個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、環状ジヌクレオチド。
  13. 2個の2'−5'ホスホジエステル連結を含む、請求項12に記載の環状ジヌクレオチド。
  14. 1個の2'−5'ホスホジエステル連結および1個の3'−5'ホスホジエステル連結を含む、請求項13に記載の環状ジヌクレオチド。
  15. グアノシンヌクレオシドおよびアデノシンヌクレオシドの少なくとも1個を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の環状ジヌクレオチド。
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