JP2016216869A - 特殊仮撚加工糸およびその製造方法 - Google Patents

特殊仮撚加工糸およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸およびその製造方法を提供する。【解決手段】 第1の糸条1Aを仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度と第2の糸条1Bを仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造される特殊仮撚加工糸1およびその製造方法とした。【選択図】図1

Description

本発明は、仮撚加工糸およびその製造方法に関し、特に、意匠性に優れた色合いに染色できる特殊仮撚加工糸およびその製造方法に関するものである。
従来、ポリエステル繊維等の人工繊維を用いて、天然繊維が備える嵩高で柔らかで風合いに優れた糸質を得るために、仮撚加工糸を用いることが行われている。例えば、ポリエステル長繊維を仮撚加工して得られるポリエステル仮撚加工糸は、嵩高で捲縮性に優れており、天然繊維を用いた編織物に似た製品を作製可能になる。ポリエステル長繊維は、繊維原料を溶融し、微小な紡糸孔から引き出すフィラメントを複数本束ねて所定太さのマルチフィラメント糸として製造している。
仮撚加工糸は、マルチフィラメント糸を延伸して加撚した状態で熱を加えて一旦撚りを固定し、その後で解撚する仮撚加工を経て得ることができる。また、加撚する方向によりS撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸を製造できる。
すなわち、仮撚加工時の仮撚方向により糸に残留する残留トルクの方向(S方向とZ方向)が異なるため、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸がある。そのために、残留トルクを打ち消すことを目的として、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸を合糸したノントルク仮撚加工糸が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、S仮撚加工糸とZ仮撚加工糸を合糸してトルクのない糸を製造すること以外にも、それぞれ異なる特性を有する複数のマルチフィラメント糸を組み合わせて複合仮撚加工糸を製造することが行われている。
仮撚加工糸は、マルチフィラメント糸を延伸しながら仮撚・熱固定・解撚加工を施したものであり、糸に捲縮性を付与して天然繊維に似た色合いや風合いを出現させることができる。また、所定の色の繊維製品や布製品を得るために、糸の状態で染色を行う糸染めや、生地を織編成したあと染める生地染めなどの染色工程を経ている。
また、自然なムラ感を持つ複合加工糸を得るために、異なる2成分のマルチフィラメント糸を所定の糸長差をもって複合して、長手方向に不均一なムラを発現させる不均一複合加工糸が既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
長手方向に不均一なムラを有する複合加工糸であれば、長手方向に不均一な染色ムラを発現できて、自然なムラ感を持つ布帛を製造できる。
特開2003−166136号公報 特開平7−189065号公報
しかしながら、長手方向に不均一なムラを発現するために、わざわざ成分の異なる複数のマルチフィラメント糸を準備することは好ましくない。また、所定の風合いや色合いの布帛を得るために、複数の成分の異なる糸条を用いることは好ましくない。
すなわち、単一の同じ繊維素材から成るマルチフィラメント糸を用いて長手方向に不均一な染色ムラを発現できて、単一のマルチフィラメント糸から成る仮撚加工糸を用いても自然なムラ感を持つ布帛やゆらぎ調の色合いに染色できる布帛を製造できることが好ましい。
また、このような特殊仮撚加工糸を容易に製造できることが好ましく、同一の仮撚加工機を用いて同一の仮撚加工工程により前述した特殊仮撚加工糸を製造できることがより好ましい。
本発明は、上記問題点に鑑み、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、マルチフィラメント糸から成る第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工し合糸してパッケージに巻き取って製造される特殊仮撚加工糸であって、第1の糸条を仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度と第2の糸条を仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造されることを特徴とする。
この構成によると、第1の糸条と第2の糸条との延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異ならせているので、糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラを発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸を得ることができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸において、第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する際の加撚量を、第1の糸条と第2の糸条とで異ならせていることを特徴としている。この構成によると、さらに、仮撚工程中の加撚・解撚の量を異ならせているので、糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラをより大きく発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、ゆらぎ調の色合いを発現できる特殊仮撚加工糸を得ることができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸において、第1の糸条はS撚仮撚加工され、第2の糸条はZ撚仮撚加工糸されることを特徴としている。この構成によると、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを合糸することにより、残留トルクが抑制されてふくらみのある風合いにすぐれた特殊仮撚加工糸を得ることができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸において、第1の糸条と第2の糸条とを合糸する際に、合糸部に圧縮空気を吹き付けてフィラメント同士を交絡させる交絡処理を施すことを特徴としている。この構成によると、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを良好に交絡させて糸分かれしない一本の糸にすることができる。また、色合いや風合いが異なる糸条同士を糸分かれしないように合糸しているので、ゆらぎ感のある色調を呈することが可能になる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸において、第1の糸条と第2の糸条とは共にポリエステルマルチフィラメント糸から成ることを特徴としている。この構成によると、各種の衣料用素材となるポリエステルを用いた特殊仮撚加工糸となるので、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる衣服を作製できる特殊仮撚加工糸を得ることができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸の製造方法であって、マルチフィラメント糸から成る第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する仮撚工程と、第1の糸条と第2の糸条を合糸する合糸工程と、合糸された糸条をパッケージに巻き取る巻取工程とを有し、前記仮撚工程における第1の糸条の延伸率とヒーター温度と第2の糸条の延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造することを特徴としている。
この構成によると、第1の糸条と第2の糸条との延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異ならせているので、糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラを発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸の製造方法を得ることができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸の製造方法において、第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する際の加撚量を、第1の糸条と第2の糸条とで異ならせていることを特徴としている。この構成によると、さらに、仮撚工程中の加撚・解撚の量を異ならせているので、糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラをより大きく発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、ゆらぎ調の色合いを発現できる特殊仮撚加工糸を製造することができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸の製造方法において、第1の糸条の仮撚工程はS撚仮撚加工工程であり、第2の糸条の仮撚工程はZ撚仮撚加工工程であって、前記合糸工程がSZ合糸工程であって、これらの工程を一台の延伸仮撚機を用いて一連に行うことを特徴としている。この構成によると、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを製造して合糸し、自然なムラ感を発現できる特殊仮撚加工糸を製造する製造工程が一台の延伸仮撚機を介して実施可能になるので、特殊仮撚加工糸の製造工程が簡単になる。すなわち、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸を容易に製造することができる。
また本発明は、上記構成の特殊仮撚加工糸の製造方法において、前記SZ合糸工程において、合糸部に圧縮空気を吹き付けてフィラメント同士を交絡させる交絡処理を施すことを特徴としている。この構成によると、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを良好に交絡させて糸分かれしない一本の糸にすることができる。また、色合いや風合いが異なる糸条同士を糸分かれしないように合糸しているので、ゆらぎ感のある色調を呈する特殊仮撚加工糸を容易に製造することができる。
本発明によれば、第1の糸条と第2の糸条との延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異ならせて仮撚加工を行い、仮撚加工した後の糸条を合糸しているので、第1と第2の糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラを発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸およびその製造方法を得ることができる。
本発明に係る特殊仮撚加工糸の製造工程を示す概略説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。また、同一構成部材については同一の符号を用い、重複する説明は適宜省略する。まず本実施形態に係る特殊仮撚加工糸1について、図1を用いて説明する。
本発明に係る特殊仮撚加工糸1は、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bを合糸して製造される。第1の糸条1Aと第2の糸条1Bは、共に仮撚加工されて、その後で一本の糸条に合糸される。例えば、ポリエステルマルチフィラメントからなる未延伸糸を延伸仮撚加工されたポリエステル仮撚加工糸から成る。
また、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bのいずれか一方がS撚仮撚加工糸であって、いずれか他方がZ撚仮撚加工糸である。例えば、第1の糸条1AがS撚仮撚加工糸であり、第2の糸条1BがZ撚仮撚加工糸である。
また、本実施形態に係る特殊仮撚加工糸1は、マルチフィラメント糸から成る第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとを仮撚加工し合糸してパッケージに巻き取って製造される特殊仮撚加工糸であって、第1の糸条1Aを仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度と第2の糸条1Bを仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造されることを特徴とする。
この構成であれば、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとの延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異ならせているので、糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラを発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸1を得ることができて好ましい。
また、延伸率とヒーター温度に加えて第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する際の加撚量を、第1の糸条と第2の糸条とで異ならせるとさらに好ましい。例えば、仮撚ディスクの回転数を異ならせたり、仮撚ベルトの走行速度を異ならせたりすることにより、第1の糸条と第2の糸条の加撚量を制御できる。この構成であれば、さらに、仮撚工程中の加撚・解撚の量を異ならせることにより、糸条の伸縮度や捲縮度に微妙な差を生じさせることができて長手方向に不均一なムラをより大きく発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、ゆらぎ調の色合いを発現できる特殊仮撚加工糸を得ることができる。
また、例えば、第1の糸条1AはS撚仮撚加工され、第2の糸条1BはZ撚仮撚加工糸されている。この構成であれば、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを合糸することにより、残留トルクが抑制されてふくらみのある風合いにすぐれた特殊仮撚加工糸1を得ることができる。
第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとを合糸する際に、合糸部に圧縮空気を吹き付けてフィラメント同士を交絡させる交絡処理を施すことが好ましい。この構成であれば、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを良好に交絡させて糸分かれしない一本の糸にすることができ、色合いや風合いが異なる糸条同士を糸分かれしないように合糸しているので、ゆらぎ感のある色調を呈することが可能になって好ましい。
次に、本実施形態に係る特殊仮撚加工糸1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る特殊仮撚加工糸1の製造方法は図1に示すように、給糸パッケージPAから引き出した第1の糸条1Aと、給糸パッケージPBから引き出した第2の糸条1Bとを、それぞれ仮撚加工した後で合糸して1個のパッケージに巻き取るものである。
例えば、給糸パッケージPAから引き出した第1の糸条1Aと、給糸パッケージPBから引き出した第2の糸条1Bとを、供給ローラー2(2A、2B)、仮撚ヒーター3(3A、3B)、仮撚具4(4A、4B)、引取りローラー5(5A、5B)を介して仮撚加工し、合糸ローラー6、送りローラー8、巻取りローラー9を介して合糸しながら巻取りパッケージ10を巻成する。
すなわち、供給ローラー2(2A、2B)、仮撚ヒーター3(3A、3B)、仮撚具4(4A、4B)、引取りローラー5(5A、5B)までの製造工程が仮撚工程であり、引取りローラー5(5A、5B)から、合糸ローラー6、送りローラー8、巻取りローラー9までの製造工程が合糸工程および巻取工程(合糸巻取り工程)である。
ここで、同じ糸素材を用いて同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できる特殊仮撚加工糸1を得るために、本実施形態では、仮撚工程における第1の糸条1Aの延伸率とヒーター温度と第2の糸条1Bの延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造可能にしている。
第1の糸条1Aの延伸率は、供給ローラー2Aの送り速度と引取りローラー5Aの引取り速度との比により決定され、第2の糸条1Bの延伸率は、供給ローラー2Bの送り速度と引取りローラー5Bの引取り速度との比により決定されるので、本実施形態においては、それぞれの速度を個別に設定可能にしている。また、仮撚具4AはS撚仮撚具であり、仮撚具4BはZ撚仮撚具である。
また、仮撚ヒーター3Aと仮撚ヒーター3Bの設定温度をそれぞれ個別に設定可能にしている。これにより、仮撚工程における第1の糸条1Aの延伸率とヒーター温度と第2の糸条1Bの延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定可能とされる。
この構成であれば、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとの延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異ならせているので、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとが同じ糸素材から成る同じ太さの糸であっても、糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラを発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できる特殊仮撚加工糸1の製造方法を得ることができる。
また、仮撚具4A、4Bを用いて仮撚加工する際の加撚量を、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとで異ならせることにより、糸条の伸縮度や捲縮度に微妙な差を生じさせることができて長手方向に不均一なムラをより大きく発現できることは前述した通りである。
また、第1の糸条1Aの仮撚工程はS撚仮撚加工工程であり、第2の糸条1Bの仮撚工程はZ撚仮撚加工工程であり、合糸工程がSZ合糸工程であり、これらの工程を一台の延伸仮撚機を用いて一連に行うようにしている。この構成であれば、S撚仮撚加工糸とZ撚仮撚加工糸とを製造して合糸し、自然なムラ感を発現できる特殊仮撚加工糸1を製造する製造工程が一台の延伸仮撚機を介して実施可能になるので、特殊仮撚加工糸1の製造工程が簡単になる。すなわち、同じ糸素材を用いても自然なムラ感を発現できる特殊仮撚加工糸1を容易に製造することができる。
また、単に、S撚仮撚加工糸である第1の糸条1AとZ撚仮撚加工糸である第2の糸条1Bとを合糸するだけよりも、合糸部に図1に示す交絡ノズル7を設けて交絡処理を施すことにより、糸別れし難い一本の糸を容易に製造できる。
交絡ノズル7は、例えば、合糸した二本の糸に略直角に圧縮空気を吹き付けて、フィラメント同士を交絡させるインターレースノズルであって、このような交絡ノズル7を用いて交絡処理を行うことにより、第1の糸条1Aの多数のフィラメントと第2の糸条1Bの多数のフィラメントとを交絡させて、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとを略均一に混ぜ合わせて一本の糸にすることが可能になる。
すなわち、S撚仮撚加工糸である第1の糸条1AとZ撚仮撚加工糸である第2の糸条1Bとを単に合糸して、残留トリクが余り大きくない一本の糸に製造できる場合には、交絡ノズル7を用いる必要はないが、一本の糸ではなく、二本に別れる場合が生じる場合には、交絡ノズル7を用いて交絡処理することが好ましい。
また、本実施形態においては、前述した仮撚工程と合糸工程を、一台の延伸仮撚機を用いて実施する構成としている。この構成であれば、仮撚工程と合糸工程を別の装置を用いて行う製造方法に比べて、製造時間を大幅に短縮できると共に、設備コストも削減できるので、特殊仮撚加工糸1の製造コストを削減できる。
一台の延伸仮撚機にS撚仮撚具とZ撚仮撚具との両方向の仮撚具を備えた例としては、1枚の円盤と2本の仮撚ベルトからなる仮撚装置を備えた仮撚機や、1錘に2つのディスクフリクション仮撚ユニットを並列に配置した仮撚機が既に公知である。
また、本実施形態においては、一本の特殊仮撚加工糸1を二本の糸(第1の糸条1Aと第2の糸条1B)を合糸して製造しているので、従来の糸の半分の太さの糸を仮撚することになって、より小さいピッチの仮撚加工が可能になる。従って、より嵩高な仮撚加工糸を製造できて、より風合いに優れた高級感を発揮する特殊仮撚加工糸1を得ることができる。
次に、特殊仮撚加工糸1の実施例について説明する。
第1の糸条1Aとしてポリエステルセミダル糸のSD80/38(80デニール38フィラメント)から成るPOY(未延伸糸)を用いた。第2の糸条1Bも同じである。
第1の糸条1Aの延伸率(ドローレイシオともいう)と第2の糸条1Bの延伸率を異ならせたものと、延伸率は同じでヒーター温度を異ならせたものと、延伸率とヒーター温度を共に異ならせたものの3種のテストを行った。
第1の糸条1Aの延伸率は1.72としヒーター温度は270℃とし、第2の糸条1Bの延伸率は1.60と1.65の2種類としヒーター温度は170℃とした。
ヒーター温度に100℃の差を付けて、延伸率を2種類テストした結果、いずれも染めむらが発現したが、延伸率の差が大きい方がより安定した染めむらを確認できた。
第1の糸条1Aと第2の糸条1Bは共にポリエステルセミダル糸のSD80/38(80デニール38フィラメント)から成るPOY(未延伸糸)を用いた。
第1の糸条1Aの延伸率(ドローレイシオともいう)は1.72としヒーター温度は290℃とし、第2の糸条1Bの延伸率は1.60と1.72の2種類としヒーター温度は150℃(140℃の差)、190℃(100℃の差)、240℃(50℃の差)の3種類とした。
延伸率が同じ場合にもヒーター温度差が大きくなるにつれて染めむらが発現するが、高圧染めを行うと染めむらは小さくなってしまうことが判った。また、ヒーター温度差に加えて延伸率を異ならせることにより、高圧染めしても染めむらを維持できることが判った。
〈その他の実施例〉
第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとを仮撚加工する際の加撚量を異ならせることによっても、染めむらを発現することができることが判った。
上記したように本発明によれば、第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとの延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異ならせて仮撚加工を行い、仮撚加工した後の糸条を合糸しているので、第1と第2の糸条の伸縮度や捲縮度に差が生じて長手方向に不均一なムラを発現できる。そのために、同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色できる特殊仮撚加工糸1およびその製造方法を得ることができる。
また、上記の特殊仮撚加工糸1を用いて編織成された編織物から成る布帛、すなわち、マルチフィラメント糸から成り伸縮度や捲縮度が異なる第1の糸条1Aと第2の糸条1Bとを編織成されて成る布帛は、ぬめり感に加えてシャリ感を呈する。そのために、同じ糸素材を同じ色に染色しても不均一なムラを発現できて、自然なムラ感を発現できてゆらぎ調の色合いに染色でき肌触り感に優れる布帛を得ることができる。
特に、マルチフィラメント糸から成る第1の糸条1Aと第2の糸条1Bの捲縮度の差が所定以上あれば、編織成した後の布帛がぬめり感に加えてシャリ感を発現できることが判った。例えば、第1の糸条1Aの捲縮度が10%であり、第2の糸条1Bの捲縮度が15%〜20%であるように、5%程度以上の差を有する糸条同士を合糸して用いることにより編織成して得られる布帛はシャリ感を発揮する。
すなわち、特殊仮撚加工糸1を用いて編織成された布帛は、高級な天然素材に由来するゆらぎ調の色合いを発現できることに加えて良好な肌触り感を発揮する布帛となって、人が着用する衣料用素材として好適になる。
そのために本発明は、天然素材が有するゆらぎ調の色合いを発現して、しっとりと落ち着いた風情を醸し出すことが求められる衣類や布帛を製造するための糸およびその製造方法に好適に利用可能となる。
1 特殊仮撚加工糸
1A 第1の糸条
1B 第2の糸条
2、2A、2B 供給ローラー
3、3A、3B 仮撚ヒーター
4、4A、4B 仮撚具
5、5A、5B 引取りローラー
6 合糸ローラー
7 交絡ノズル
8 送りローラー
9 巻取りローラー
10 巻取りパッケージ
PA 給糸パッケージ(第1の糸条)
PB 給糸パッケージ(第2の糸条)
本発明に係る特殊仮撚加工糸の構成例を示す概略説明図である。 本発明に係る特殊仮撚加工糸の製造工程の概念を示す概略説明図である。
本実施形態に係る特殊仮撚加工糸1の製造方法は図に示すように、給糸パッケージPAから引き出した第1の糸条1Aと、給糸パッケージPBから引き出した第2の糸条1Bとを、それぞれ仮撚加工した後で合糸して1個のパッケージに巻き取るものである。
また、単に、S撚仮撚加工糸である第1の糸条1AとZ撚仮撚加工糸である第2の糸条1Bとを合糸するだけよりも、合糸部に図に示す交絡ノズル7を設けて交絡処理を施すことにより、糸別れし難い一本の糸を容易に製造できる。

Claims (9)

  1. マルチフィラメント糸から成る第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工し合糸してパッケージに巻き取って製造される特殊仮撚加工糸であって、
    第1の糸条を仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度と第2の糸条を仮撚加工する際の延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造されることを特徴とする特殊仮撚加工糸。
  2. 第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する際の加撚量を、第1の糸条と第2の糸条とで異ならせていることを特徴とする請求項1に記載の特殊仮撚加工糸。
  3. 第1の糸条はS撚仮撚加工され、第2の糸条はZ撚仮撚加工糸されることを特徴とする請求項1または2に記載の特殊仮撚加工糸。
  4. 第1の糸条と第2の糸条とを合糸する際に、合糸部に圧縮空気を吹き付けてフィラメント同士を交絡させる交絡処理を施すことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の特殊仮撚加工糸。
  5. 第1の糸条と第2の糸条とは共にポリエステルマルチフィラメント糸から成ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の特殊仮撚加工糸。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の特殊仮撚加工糸の製造方法であって、
    マルチフィラメント糸から成る第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する仮撚工程と、第1の糸条と第2の糸条を合糸する合糸工程と、合糸された糸条をパッケージに巻き取る巻取工程とを有し、
    前記仮撚工程における第1の糸条の延伸率とヒーター温度と第2の糸条の延伸率とヒーター温度とをそれぞれ異なる値に設定して製造することを特徴とする特殊仮撚加工糸の製造方法。
  7. 第1の糸条と第2の糸条とを仮撚加工する際の加撚量を、第1の糸条と第2の糸条とで異ならせていることを特徴とする請求項6に記載の特殊仮撚加工糸の製造方法。
  8. 第1の糸条の仮撚工程はS撚仮撚加工工程であり、第2の糸条の仮撚工程はZ撚仮撚加工工程であって、前記合糸工程がSZ合糸工程であって、これらの工程を一台の延伸仮撚機を用いて一連に行うことを特徴とする請求項6または7に記載の特殊仮撚加工糸の製造方法。
  9. 前記SZ合糸工程において、合糸部に圧縮空気を吹き付けてフィラメント同士を交絡させる交絡処理を施すことを特徴とする請求項8に記載の特殊仮撚加工糸の製造方法。
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