JP2016210104A - 接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法 - Google Patents

接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法 Download PDF

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Tatsuji Azuma
達治 東
田代 宏
Hiroshi Tashiro
宏 田代
敏晴 増田
Toshiharu Masuda
敏晴 増田
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Seiji Tajima
誠司 田島
吉尋 川島
Yoshihiro Kawashima
吉尋 川島
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Abstract

【課題】作業性に優れ、高速回転でレーザー彫刻や印刷を行っても版が剥離せず、洗浄しても印刷版が剥離せず、印刷後は版胴から容易に印刷版を剥離でき、印刷版およびクッションテープを再利用でき、安価なフレキソ印刷版、フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】支持体の、レリーフ層またはレリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、裏面上の少なくとも一部に接着層を有し、接着層の水滴接触角が、77度〜93度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版および積層構造物、ならびに、接着層付フレキソ印刷版の製造方法、接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法および積層構造物の製造方法に関する。
樹脂製やゴム製の柔軟なレリーフ層を有するフレキソ印刷版は、印刷用の凸部(画像部)が比較的柔らかく、種々の形状に追従可能なことから、様々な材質の被印刷体や厚みのある被印刷体等への印刷に利用されている。
このようなフレキソ印刷版は、円筒状の版胴の周面に載置して、版胴を回転させつつ、フレキソ印刷版を被印刷体に接触させることによって、印刷版の凸部(画像部)の表面から、被印刷体に直接、インキを転写して被印刷体上に画像を形成する。
また、フレキソ印刷版のレリーフ層の形成には、レーザー彫刻法が用いられるが、レリーフ層を彫刻する際にも、フレキソ印刷版原版を版胴の周面に載置して版胴を回転させつつ、レリーフ形成層にレーザー光を照射してレリーフ形成層の一部を除去することにより、レリーフ層を形成する。
一般に、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版を、版胴に載置する際には、クッション性を有する両面テープ(クッションテープ)が用いられる。フレキソ印刷版と版胴との間にクッション層を有することで、印刷の際にフレキソ印刷版の画像部に掛かる印圧を分散して、印圧を均一化し、被印刷体上に印刷される画像の再現性を向上できる。
しかしながら、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版を版胴に載置する際に、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版と版胴との接着にクッションテープを用いるのみでは、高速で印刷を行った場合や、高速でレーザー彫刻を行った場合に、回転によってフレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版が版胴から外れてしまうという問題があった。
特に、印刷の際には、版胴に巻き回されたフレキソ印刷版のつなぎ目部分から、フレキソ印刷版とクッションテープとの間にインキが浸入して、フレキソ印刷版の端部で、クッションテープとの接着力が低下して剥離しやすくなる場合がある。
また、印刷後にフレキソ印刷版上のインキを洗浄する際にも、フレキソ印刷版のつなぎ目部分から、フレキソ印刷版とクッションテープとの間に洗浄液が浸入して、フレキソ印刷版の端部で、クッションテープとの接着力が低下して剥離してしまうという問題があった。
そこで、特許文献1には、印刷版(印刷版原版)の巻き付け始端と終端とを重ね代として予め薄くしておき、始端と終端とを重ね合わせて溶着して、継ぎ目部分の接合強度を向上することで、高速で印刷を行った場合や、高速でレーザー彫刻を行った場合に、回転によってフレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版が版胴から外れることを防止できることが記載されている。
また、このように始端と終端とを重ね合わせて溶着する構成は、インキや洗浄液がつなぎ目部分から浸入すること防止できると考えられる。
特開2010−076243号
しかしながら、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版の巻き付け始端と終端とを重ね代として予め薄くしておき、始端と終端とを重ね合わせて溶着する構成は、フレキソ印刷版(フレキソ印刷版原版)の端部の加工の手間がかかり作業性が悪いという問題があった。また、始端と終端とが溶着されているため、フレキソ印刷版を、元の形状を保って版胴から取り外すことが困難であり、取り外したフレキソ印刷版を再利用することができないという問題があった。
また、高速回転によりフレキソ印刷版(フレキソ印刷版原版)が版胴から外れることを防止するために、フレキソ印刷版と版胴との剥離力を大きくする、すなわち、クッションテープの接着力を高くすることが考えられる。しかしながら、クッションテープの接着力が高すぎると、剥離の際に、フレキソ印刷版および/またはクッションテープが破損してしまい、フレキソ印刷版およびクッションテープを再利用することができないという問題があった。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、作業性に優れ、高速回転でレーザー彫刻や印刷を行っても版が剥離せず、洗浄しても印刷版が剥離せず、印刷後は版胴から容易に印刷版を剥離でき、印刷版およびクッションテープを再利用でき、安価な接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、支持体のレリーフ層またはレリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートからなり、裏面上の少なくとも一部に接着層を有し、接着層の水滴接触角が、77度〜93度であることによって、作業性に優れ、高速回転でレーザー彫刻や印刷を行っても版が剥離せず、洗浄しても印刷版が剥離せず、印刷後は版胴から容易に印刷版を剥離でき、印刷版およびクッションテープを再利用でき、安価にできることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成の接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法を提供する。
(1)支持体、および、支持体上に形成されるレリーフ層を有するフレキソ印刷版と、
フレキソ印刷版の支持体の、レリーフ層が形成される面とは反対側の裏面上の少なくとも一部に形成される接着層と、を有し、
支持体の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、
接着層の水滴接触角が、77度〜93度である接着層付フレキソ印刷版。
(2) 接着層が、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を有する(1)に記載の接着層付フレキソ印刷版。
(3) 支持体、および、支持体上に形成されるレリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版と、
フレキソ印刷版原版の支持体の、レリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面上の少なくとも一部に形成される接着層と、を有し、
支持体の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、
接着層の水滴接触角が、77度〜93度である接着層付フレキソ印刷版原版。
(4) 接着層が、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を有する(3)に記載の接着層付フレキソ印刷版原版。
(5) 円筒状のスリーブと、
スリーブの周面に巻き回されて積層される、両面に接着性を有するクッションテープ層と、
クッションテープ層上の少なくとも一部に積層される接着層と、
少なくとも一部が接着層上に積層される支持体と、
支持体上に形成されるレリーフ層またはレリーフ形成層と、を有し、
支持体の、接着層側の面である裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、
接着層の水滴接触角が、77度〜93度である積層構造物。
(6) 接着層が、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を有する(5)に記載の積層構造物。
(7) 接着層は、支持体の裏面の、円周方向の2つの端辺側に形成される(5)または(6)に記載の積層構造物。
(8) 接着層の、円周方向における幅は、1mm〜100mmである(7)に記載の積層構造物。
(9) 支持体と、支持体上に形成されるレリーフ層とを有し、支持体のレリーフ層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成されるフレキソ印刷版を準備する印刷版準備工程と、
フレキソ印刷版の支持体の、裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、接着層を形成する接着層形成工程と、を有し、
接着層形成工程で形成される接着層の水滴接触角が、77度〜93度である接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
(10) 下塗り液は、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を含む(9)に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
(11) 下塗り液は、樹脂と、溶剤とを含み、
溶剤が、シクロヘキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ビニル、メチルアルコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、および、メチルイソブチルケトンからなる群から選択される少なくとも一種であり、
樹脂の濃度が、0.1質量%〜10質量%である(10)に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
(12) 支持体と、支持体上に形成されるレリーフ形成層とを有し、支持体のレリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成されるフレキソ印刷版原版を準備する印刷版原版準備工程と、
フレキソ印刷版原版の支持体の、裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
接着層形成工程で形成される接着層の水滴接触角が、77度〜93度である接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法。
(13) 下塗り液は、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を含む(12)に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
(14) 下塗り液は、樹脂と、溶剤とを含み、
溶剤が、シクロヘキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ビニル、メチルアルコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、および、メチルイソブチルケトンからなる群から選択される少なくとも一種であり、
樹脂の濃度が、0.1質量%〜10質量%である(13)に記載の接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法。
(15) (9)〜(11)のいずれかに記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法で作製した接着層付フレキソ印刷版、あるいは、(12)〜(14)のいずれかに記載の接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法で作製した接着層付フレキソ印刷版原版を、両面に接着性を有するクッションテープを介して、円筒状のスリーブの周面に巻き掛けて積層し、積層構造物を作製する積層構造物の製造方法。
本発明によれば、作業性に優れ、高速回転でレーザー彫刻や印刷を行っても版が剥離せず、洗浄しても印刷版が剥離せず、印刷後は版胴から容易に印刷版を剥離でき、印刷版およびクッションテープを再利用でき、安価な接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法を提供することができる。
図1(A)は、本発明に係る接着層付フレキソ印刷版の一例を示す概略上面図であり、図1(B)は、図1(A)のB−B線断面図である。 本発明に係る接着層付フレキソ印刷版原版の一例を示す概略断面図である。 図3(A)は、本発明に係る積層構造物の一例を示す概略断面図であり、図3(B)は、図3(A)の一部を拡大して示す部分拡大図である。 本発明の積層構造物を説明するための概略図である。 本発明に係る積層構造物を用いるフレキソ印刷装置の要部を概念的に示す図である。 フレキソ印刷版原版を作製するためのカレンダーロールを概念的に示す図である。
以下、本発明の接着層付フレキソ印刷版、接着層付フレキソ印刷版原版、積層構造物およびこれらの製造方法について、添付の図面に示される好適実施態様を基に、詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[接着層付フレキソ印刷版]
本発明に係る接着層付フレキソ印刷版は、支持体、および、支持体上に形成されるレリーフ層を有するフレキソ印刷版と、フレキソ印刷版の支持体の、レリーフ層が形成される面とは反対側の裏面上の少なくとも一部に形成される接着層とを有し、支持体の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、接着層の水滴接触角が、77度〜93度である接着層付フレキソ印刷版である。
以下に、本発明に係る接着層付フレキソ印刷版の構成を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1(A)は、本発明に係る接着層付フレキソ印刷版の一例を模式的に示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)のB−B線断面図である。
図1(A)および図1(B)に示すように、本発明に係る接着層付フレキソ印刷版の一例である接着層付フレキソ印刷版10は、支持体12と、支持体12上に形成されるレリーフ層14とを有するフレキソ印刷版11と、フレキソ印刷版11の支持体12の裏面の少なくとも一部に形成される接着層16とを有する。
フレキソ印刷版11の支持体12は、レリーフ層14を支持するための部位であり、好ましくはフィルム状物であり、少なくとも、レリーフ層14が形成される面とは反対側の裏面がポリエチレンテレフタレート(PET)で構成されている。すなわち、支持体12は、接着層16が形成される面がPETで構成されている。
支持体12の形成材料としては、少なくとも裏面がPETで形成されていれば特に限定はなく、PETフィルムを支持体12として用いてもよいし、あるいは、他のフィルム状物とPETフィルムとを積層した積層物を支持体として用いてもよい。
PETフィルムと他のフィルム状物の積層物を支持体12として用いる場合の、フィルム状物の形成材料としては、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属;ポリエステル(PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴムなどの合成ゴム;ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)などが挙げられる。
薄く形成でき、かつ、伸びに強い(寸法安定性が高い)等の観点から、支持体12としてPETフィルムを用いるのが好ましい。
支持体12の厚さには特に限定はないが、可撓性、強度等の観点から、60μm〜250μmが好ましく、80μm〜200μmがより好ましい。
フレキソ印刷版11のレリーフ層14は、従来のフレキソ印刷版で用いられるレリーフ層と同様のものであり、表面に凹凸が形成されて、印刷の際に、インキを凸部に付着させて被印刷体に転写して、被印刷体上に文字や図形等の画像を再現する部位である。
レリーフ層14は、支持体12の一方の面上に形成される。
具体的には、図1(A)および図1(B)に示すように、レリーフ層14は、凸状に形成され、印刷時にインキを着けてこのインキを被印刷体に転写する画像部14aと、凹状に形成され、印刷時にインキを着けない非画像部14bとを有する。
画像部14aおよび非画像部14bは、印刷する画像に応じて所定の形状に形成される。
また、画像部14aは、インキを全面的に転写することで、塗りつぶすように印刷するベタ部、および/または、多数の凸状の小点からなり、小点の大きさや密度を変化させることで、被印刷体上に印刷される画像の濃淡(グラデーション)を表現する網点部からなる。
なお、画像部14aの高さ(非画像部14bの深さ)、網点部の小点の形状、大きさ、密度等には、特に限定はなく、印刷する画像や印刷条件等に応じて適宜設定すればよい。
ここで、本発明において「レリーフ層」とは、レーザーにより彫刻された層をいい、レーザー彫刻する前の層を「レリーフ形成層」という。すなわち、後述するフレキソ印刷版原版の「レリーフ形成層」をレーザー彫刻した後の層が「レリーフ層」である。
レリーフ層(レリーフ形成層)の形成材料については後に詳述する。
接着層16は、フレキソ印刷版11の支持体12の裏面の少なくとも一部に形成される、後述するクッションテープ層34との接着性を有する層である。
図示例において、接着層16は、支持体の裏面の、対向する2つの端辺側それぞれにおいて、この端辺から所定の幅の領域に形成されている。すなわち、接着層16は、この端辺に平行な方向に延在し、この端辺に垂直な方向に所定の幅の矩形状に形成される。
ここで、本発明において、接着層16の、水との接触角(以下、「水滴接触角」という)は、77度〜93度である。
接着層16の水滴接触角をこの範囲とすることで、接着層付フレキソ印刷版10を、後述するクッションテープ層34に積層した場合に、接着層付フレキソ印刷版10とクッションテープ層34との接着力を適切な範囲とすることができ、高速回転で印刷を行ったり、洗浄したりしてもフレキソ印刷版11が剥離せず、また、印刷後はクッションテープ層34から容易にフレキソ印刷版11を剥離できる。そのため、フレキソ印刷版11、および、クッションテープ層34を再利用できる。
また、塗布により形成可能な接着層16を形成するのみで、端部の加工や溶着等が不要であるため、作業性に優れ、安価である。
これらの点については後に詳述する。
また、接着層の水滴接触角は、接着層の表面に直径3mmの純水の液滴を落とし、20秒後の表面と水滴のなす角を、接触角測定装置(FACE社製 接触角計CA-X)で測定して求められる。
接着層16の形成材料としては、接着層の表面の水滴接触角を77度〜93度にすることができる材料であれば特に限定されないが、支持体12を構成するPETと、クッションテープ層34との密着性を好適な範囲にできる等の理由から、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、エポキシ基などのうち少なくとも1種を含有する樹脂を含むのが好ましく、中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン(特に塩素)基、エポキシ基を有する樹脂を含むのがより好ましい。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を意味し、同様に、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
このように密着性が良好となる理由は、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、エポキシ基などのうち少なくとも1種を含有する樹脂を有することで、クッションテープの粘着剤層の材料であるアクリル樹脂等との密着性、あるいは、支持体12を構成するPET表面との密着性が向上するためと考えられる。
具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマーや塩素化ポリオレフィン等の極性樹脂を有することで、PET表面に極性基が付与され、クッションテープの粘着剤層の材料であるアクリル樹脂等との密着性が向上すると考えられる。また、エポキシ樹脂等のPETと反応する樹脂を有することで、PET表面との密着性が向上するためと考えられる。
したがって、接着層16の形成材料としては、極性樹脂である(メタ)アクリル酸ポリマーおよび/または塩素化ポリオレフィンと、PETと反応する樹脂であるエポキシ樹脂とを含むのが特に好ましい。
ここで、図示例においては、接着層16は、支持体12の裏面の、対向する2つの端辺側それぞれに形成される構成としたがこれに限定はされず、支持体12の裏面の4つの端辺側それぞれに形成されてもよく、あるいは、支持体12の裏面全面に形成されてもよい。
なお、クッションテープ層34に積層した際に、クッションテープ層34からの剥離をより好適に抑制するために、少なくとも、支持体12の裏面の端辺側に接着層16を設けるのが好ましい。
また、図示例のように、接着層16を支持体12の裏面の端辺側に設ける場合には、端辺に垂直な方向の幅は、1mm〜100mmとするのが好ましく、3mm〜50mmとするのがより好ましく、5mm〜20mmとするのが特に好ましい。
また、接着層16の厚さには、特に限定はないが、0.1μm〜50μmとするのが好ましく、0.5μm〜25μmとするのがより好ましい。
[接着層付フレキソ印刷版原版]
本発明に係る接着層付フレキソ印刷版原版は、支持体、および、支持体上に形成されるレリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版と、フレキソ印刷版原版の支持体の、レリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面上の少なくとも一部に形成される接着層と、を有し、支持体の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、接着層の水滴接触角が、77度〜93度である接着層付フレキソ印刷版原版である。
以下に、本発明に係る接着層付フレキソ印刷版原版の構成を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明に係る接着層付フレキソ印刷版原版の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、接着層付フレキソ印刷版原版20は、支持体12と、支持体12上に形成されるレリーフ形成層22とを有するフレキソ印刷版原版21と、フレキソ印刷版原版21の支持体12の裏面の少なくとも一部に形成される接着層16とを有する。
図2に示すように、接着層付フレキソ印刷版原版20は、彫刻された後の層であるレリーフ層14に代えて、彫刻前の層であるレリーフ形成層22を有する以外は、上述の接着層付フレキソ印刷版10と同様の構成を有するものである。
ここで、上述の接着層付フレキソ印刷版10と同様、本発明の接着層付フレキソ印刷版原版20の接着層16は、水滴接触角が、77度〜93度である。
彫刻前のフレキソ印刷版原版においても、水滴接触角が77度〜93度の接着層16を有することにより、接着層付フレキソ印刷版原版20とクッションテープ層34との接着力を適切な範囲とすることができるので、接着層付フレキソ印刷版原版20を、クッションテープ層34に積層してレーザー彫刻を行う際に、高速回転してもフレキソ印刷版原版21が剥離しない。
また、塗布により形成可能な接着層16を形成するのみで、端部の加工や溶着等が不要であるため、作業性に優れ、安価である。
これらの点については後に詳述する。
[積層構造物]
本発明に係る積層構造物は、円筒状のスリーブと、スリーブの周面に巻き回されて積層される、両面に接着性を有するクッションテープ層と、クッションテープ層上の少なくとも一部に積層される接着層と、少なくとも一部が接着層上に積層される支持体と、支持体上に形成されるレリーフ層またはレリーフ形成層とを有し、支持体の、接着層側の面である裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、接着層の水滴接触角が、77度〜93度である積層構造物である。
すなわち、この積層構造物は、周面にクッションテープが巻かれた円筒状のスリーブに、上述した接着層付フレキソ印刷版、または、接着層付フレキソ印刷版原版を巻き回して積層したものである。
なお、接着層付フレキソ印刷版を巻きつけた積層構造物と、接着層付フレキソ印刷版原版を巻きつけた積層構造物とは、彫刻されたレリーフ層を有するか、彫刻前のレリーフ形成層を有するかの構成が異なるのみである。したがって、以下の説明においては、両者を代表して、接着層付フレキソ印刷版をスリーブに巻きつけて作製した、レリーフ層を有する積層構造物について説明する。
図3(A)は、本発明に係る積層構造物の一例を模式的に示す断面図であり、図3(B)は、図3(A)の部分拡大図である。
図3(A)および図3(B)に示す積層構造物30は、スリーブ32と、クッションテープ層34と、接着層16と、支持体12と、レリーフ層14とを有する。
なお、図3(B)において、レリーフ層14の画像部14aおよび非画像部14bの図示は省略している。
ここで、接着層16、支持体12、および、レリーフ層14については、基本的に、上述した接着層付フレキソ印刷版10の接着層16、支持体12、および、レリーフ層14と同様であるので、異なる点に関してのみ説明を行う。
スリーブ32は、側面が開放された円筒状の部材であり、その外周面に、クッションテープ層34を介して接着層付フレキソ印刷版10を巻きつけられて支持する部位である。
また、スリーブ32は、中空部にシャフトを挿入されて、積層構造物30としてフレキソ印刷装置に取り付けられる部位である。すなわち、スリーブ32は、フレキソ印刷装置において、いわゆる版胴となる部位であり、印刷の際にシャフトと共に回転する部位である。
したがって、スリーブ32の内周面には、スリーブ32をシャフトに固定するための、凸部あるいは凹部からなる係止部を有してもよい。
スリーブ32の形成材料には特に限定はなく、従来のフレキソ印刷装置の版胴に用いられる各種の樹脂、金属等が利用可能であるが、強度、質量、加工精度、コスト等の観点から、ファイバーグラス、カーボンファイバー等を用いるのが好ましい。
クッションテープ層34は、両面に接着性を有し、接着層付フレキソ印刷版10をスリーブ32の周面に接着するための部位であり、スリーブ32の周面に巻き回されて積層される。
また、クッションテープ層34は、弾性を有し、印刷の際にフレキソ印刷版の画像部に掛かる印圧を分散して、印圧を均一化する作用を奏する。
クッションテープ層34としては、従来のフレキソ印刷装置に用いられる種々の公知のクッションテープが利用可能である。例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂や、ポリウレタン樹脂の発泡体などを基材とし、その両面にアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーなどからなる粘着剤層を形成したクッション性を有する粘着テープが利用可能である。
また、クッションテープ層34の厚さには特に限定はないが、印圧を好適に分散できる、強度、取り扱い性等の観点から、0.3mm〜1.6mmが好ましく、0.4mm〜0.6mmがより好ましい。
クッションテープ層34の外周面には、支持体12が積層され、支持体12の上には、レリーフ層14が形成されている。
ここで、図3(B)に示すように、クッションテープ層34と、支持体12との間の一部に、接着層16が設けられている。
図4に示すように、この接着層16は、支持体12の裏面の、円周方向の2つの端辺側それぞれに形成されている。
また、接着層16の水滴接触角は77度〜93度である。
前述のとおり、従来、フレキソ印刷を行う際や、版胴にフレキソ印刷版原版を載置してレーザー彫刻を行う際に、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版と版胴との接着にクッションテープを用いるのみでは、高速回転によって、フレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版が版胴から外れてしまうという問題があった。
特に、印刷の際には、版胴に巻き回されたフレキソ印刷版のつなぎ目部分から、フレキソ印刷版とクッションテープとの間にインキが浸入して、フレキソ印刷版の端部で、クッションテープとの接着力が低下して剥離しやすくなるという問題があった。
また、印刷後にフレキソ印刷版上のインキを洗浄する際にも、フレキソ印刷版のつなぎ目部分から、フレキソ印刷版とクッションテープとの間に洗浄液が浸入して、フレキソ印刷版の端部で、クッションテープとの接着力が低下して剥離してしまうという問題があった。
これに対して、印刷版(印刷版原版)の巻き付け始端と終端とを重ね代として予め薄くしておき、始端と終端とを重ね合わせて溶着して、継ぎ目部分の接合強度を向上することで、高速回転によってフレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版が版胴から外れることを防止することが提案されている。
しかしながら、始端と終端とを重ね合わせて溶着する構成は、フレキソ印刷版(フレキソ印刷版原版)の端部の加工の手間がかかり作業性が悪いという問題があった。また、始端と終端とが溶着されているため、フレキソ印刷版を、元の形状を保って版胴から取り外すことが困難であり、取り外したフレキソ印刷版を再利用することができないという問題があった。
また、高速回転によりフレキソ印刷版(フレキソ印刷版原版)が版胴から外れることを防止するために、クッションテープの接着力を高くすることが考えられるが、クッションテープの接着力が高すぎると、剥離の際に、フレキソ印刷版および/またはクッションテープが破損してしまい、フレキソ印刷版およびクッションテープを再利用することができないという問題があった。
これに対して、本発明においては、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21とクッションテープ層34との間に、水滴接触角が77度〜93度である接着層16を設けた構成を有する。
支持体12の裏面を構成するPETとクッションテープ層34とを好適に接着させるには、クッションテープ層34の粘着層とPETとがより強く接着することが重要である。一般的に、クッションテープ層34の粘着層はアクリル系の接着剤からなる。当然、クッションテープ層34の粘着層がPETに反発せず濡れた方が、強い接着力を発現する。この濡れ性を評価するには、材料表面に水滴を落とし、水滴接触角を測定することで、確認することが出来る。何も処理されていないPET表面の水滴接触角は74度程度である。そこで、PET表面に、水滴接触角が77度〜93度である接着層16を設けることにより、水滴接触角が増加し、クッションテープ層34との接着力が強まる。
したがって、このような構成により、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21の支持体12を構成するPETと、クッションテープ層34との間の密着力(剥離力)を適切な範囲とすることができるので、印刷の際、あるいは、彫刻の際に、高速回転によって、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21がクッションテープ層34(版胴)から外れることを防止できる。
また、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21と、クッションテープ層34との間の密着力がある程度高いので、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21と、クッションテープ層34との間にインキや洗浄液が浸入しづらく、また、インキや洗浄液が浸入して接着力が多少低下しても、十分な密着力を維持できるので、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21がクッションテープ層34(版胴)から外れることを防止できる。
さらに、フレキソ印刷版11またはフレキソ印刷版原版21と、クッションテープ層34との間の密着力を適切な範囲とすることで、印刷後などに、フレキソ印刷版11をクッションテープ層34から容易に剥離することができ、フレキソ印刷版11やクッションテープ層34を破損するがないので、取り外したフレキソ印刷版11およびクッションテープ層34を再利用することができる。したがって、印刷に伴うコストを低減できる。
上記の接着力がより強くなり、かつ、剥離可能である等の観点から、接着層16の水滴接触角は、80度〜91度が好ましい。
また、上記の接着力がより強くなり、かつ、剥離可能である等の観点から、水滴接触角が77度〜93度の接着層16を介して貼り合わされた支持体12とクッションテープ層34との90度剥離力は、3.3N/cm〜6.0N/cmが好ましく、3.5N/cm〜5.5N/cmであるのが好ましい。
ここで、90度剥離力は、JISZ0237に準じて測定した、支持体12とクッションテープ層34との間の剥離力である。
また、図3(B)に示す例では、接着層16は、支持体12の裏面の、円周方向の2つの端辺側それぞれに形成される構成としたが、これに限定はされず、支持体12の裏面の4つの端辺側それぞれに形成されてもよく、あるいは、支持体12の裏面全面に形成されてもよい。
なお、クッションテープ層34からの剥離をより好適に抑制するために、少なくとも、支持体12の裏面の、円周方向の2つの端辺側それぞれに接着層16を設けるのが好ましい。
また、図示例のように、接着層16を支持体12の裏面の、円周方向の2つの端辺側それぞれに設ける場合には、円周方向における接着層16の幅は、1mm〜100mmとするのが好ましく、3mm〜50mmとするのがより好ましく、5mm〜20mmとするのが特に好ましい。
また、図3(A)に示す例では、接着層付フレキソ印刷版10の、円周方向の長さは、クッションテープ層34の外周(スリーブ32の外周)とほぼ同じ長さとし、スリーブ32の周面の略全周に巻き回されて積層される構成としたが、これに限定はされず、接着層付フレキソ印刷版10は、スリーブ32の周面の一部に積層される構成としてもよく、複数の接着層付フレキソ印刷版10を、スリーブ32の周面に積層する構成としてもよい。
[フレキソ印刷装置]
次に、本発明に係る積層構造物(接着層付フレキソ印刷版)を用いるフレキソ印刷装置(以下、単に、『印刷装置』ともいう)の構成について詳細に説明する。フレキソ印刷装置は、上記積層構造物を用いる以外は、基本的に、従来のフレキソ印刷装置と同様の構成を有する。
図5は、本発明に係る積層構造物を用いるフレキソ印刷装置の要部を概念的に示す図である。
図5に示すように、フレキソ印刷装置50は、上記積層構造物30、シャフト51、搬送ローラ(圧胴)52、アニロックスローラ53、ドクターチャンバ54、および、循環タンク55を有する。
シャフト51は、スリーブ32の中空部に挿通されて、積層構造物30が取り付けられる回転軸である。シャフト51は、スリーブ32と共に版胴を構成して回転しつつ、フレキソ印刷版11を被印刷体zに接触させる。
搬送ローラ52は、被印刷体zを所定の搬送経路で搬送する搬送部(図示せず)を構成するローラであり、その周面が、スリーブ32の周面と対面して配置されて、被印刷体zをフレキソ印刷版11に接触させるものである。
シャフト51はその回転方向が、被印刷体zの搬送方向と一致するように配置されている。
アニロックスローラ53、ドクターチャンバ54、および、循環タンク55は、フレキソ印刷版11にインキを供給するためのものである。循環タンク55はインキを貯留しており、循環タンク55内のインキが、ポンプ(図示せず)によってドクターチャンバ54に供給される。ドクターチャンバ54は、アニロックスローラ53の表面に密接して設けられ、内部にインキが保持されている。アニロックスローラ53は、スリーブ32の周面に積層されたフレキソ印刷版11に当接して、スリーブ32(シャフト51)と同調回転し、ドクターチャンバ54内のインキをフレキソ印刷版11に塗布(供給)する。
このように構成されたフレキソ印刷装置50は、被印刷体zを所定の搬送経路で搬送しつつ、版胴に載置されたフレキソ印刷版11を回転させて、インキを被印刷体zに転写して印刷を行う。すなわち、フレキソ印刷版を載置するドラムの回転方向が印刷方向となる。
フレキソ印刷装置で用いられる被印刷体の種類には、特に限定はなく、紙、フィルム、段ボール等の、通常のフレキソ印刷装置で用いられる、種々の公知の被印刷体を用いることができる。
また、フレキソ印刷装置で用いられるインキの種類にも、特に限定はなく、水性インキ、UV(Ultra Violet)インキ、油性インキ、EB(電子線)インキ等の、通常のフレキソ印刷装置で用いられる、種々の公知のインキを用いることができる。
[接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法]
次に、本発明のフレキソ印刷版原版の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のフレキソ印刷版原版の製造方法は、
支持体と、支持体上に形成されるレリーフ形成層とを有し、支持体のレリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成されるフレキソ印刷版原版を準備する印刷版原版準備工程と、
フレキソ印刷版原版の支持体の裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
接着層形成工程で形成される接着層の水滴接触角が、77度〜93度である製造方法である。
〔印刷版原版準備工程〕
印刷版原版準備工程は、少なくとも裏面がPETで構成される支持体と、裏面とは反対側の面に形成されるレリーフ形成層とを有するフレキソ印刷版原版を準備する工程である。
本発明において、フレキソ印刷版原版の作製方法には特に限定はなく、公知の作製方法により、フレキソ印刷版原版を作製して準備すればよい。
一例として、フレキソ印刷版原版は、レリーフ形成層となる樹脂シートと、支持体となるフィルム状物を積層して貼り合わせることで作製できる。あるいは、支持体上に直接レリーフ形成層を形成して作製することもできる。
前述のとおり、支持体は、少なくとも裏面がPETで形成されたフィルム状物であり、PETフィルム、あるいは、PETフィルムと他の樹脂フィルムとを積層した積層フィルム等である。
<レリーフ形成層>
本発明で使用されるレリーフ形成層は、公知のフレキソ印刷用の樹脂版又はゴム版であれば特に限定はない。
レリーフ形成層(硬化層)は、以下の樹脂シートであるのが好ましい。
上記樹脂シートとしては、ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有するポリマーを少なくとも含有する硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂シート形成用樹脂組成物」ともいう。)をシート状にした後に、熱及び/又は光の作用により硬化させたシートであることが好ましく、後述する樹脂シート形成用樹脂組成物により形成されることがより好ましい。
また、上記樹脂シートは、レーザー彫刻可能であることが好ましい。
樹脂シートの形成方法としては、樹脂シート形成用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、この樹脂組成物から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法、又は、樹脂シート形成用樹脂組成物を調製し、上記樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブンなどの中で加熱乾燥して溶剤を除去する方法、図6に示すようなカレンダーロールを用い、上記樹脂組成物をシート状に成型する方法が好ましく例示できる。
図6中、カレンダーロール60は第1ロール62a〜第4ロール62dを有しおり、これらのロールの間隔、ロールの温度、及び、ロールの回転速度が設定可能となっている。このロールの間に混練物70をセットし、圧延成形することにより、樹脂シート71を得ることができる。
本発明に用いられる樹脂シート形成用樹脂組成物は、例えば、ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有するポリマー、重合性化合物、香料、可塑剤等を適当な溶剤に溶解又は分散させ、次いで、架橋剤、重合開始剤、架橋促進剤などを溶解させることによって製造できる。樹脂シートの形成の容易さ、得られる印刷版原版の厚み精度、及び、樹脂シートの取扱いの観点から、溶剤成分の少なくとも一部は、好ましくは、ほとんど全部を、印刷版原版を製造する段階で除去する必要があるので、溶剤としては、適度の揮発性を有する有機溶剤が好ましい。
次に、樹脂シート、及び、樹脂シート形成用樹脂組成物が含む成分について説明する。
(ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有するポリマー)
本発明に用いられる樹脂シートは、ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有するポリマー(以下、「特定ポリマー」ともいう。)を必須成分として含有するのが好ましい。
特定ポリマーの重量平均分子量は、0.5万〜160万が好ましく、1万〜100万であることがより好ましく、1.5万〜60万であることが更に好ましい。重量平均分子量が0.5万以上であると、単体樹脂としての形態保持性に優れ、160万以下であると、溶媒に溶解しやすくレーザー彫刻用樹脂組成物を調製するのに好都合である。
本発明において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ法(GPC)法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。具体的には、例えば、GPCは、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー株式会社製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー株式会社製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
特定ポリマーは、非共役ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有する特定ポリマーであってもよいが、共役ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有する特定ポリマーであることが好ましい。
(共役ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有する特定ポリマー)
共役ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有する特定ポリマー特定ポリマーとしては、共役ジエン系炭化水素を重合して得られる重合体、共役ジエン系炭化水素と他の不飽和化合物、好ましくはモノオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体等が好ましく挙げられる。また、上記の重合体及び共重合体は、修飾されていてもよく、例えば、末端に(メタ)アクリロイル基などの反応性基を導入してもよく、また、内部オレフィンの一部が水素添加されていてもよい。なお、以下の説明において、内部オレフィンの一部が水素添加されたポリブタジエンを「部分水素化ポリブタジエン」、同様に内部オレフィンの一部が水素添加されたポリイソプレンを「部分水素化ポリイソプレン」ともいう。更に共重合体は、ランダム重合体でも、ブロック共重合体でも、グラフト重合体でもよく、特に限定されない。
上記の共役ジエン系炭化水素としては、具体的には、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらの化合物は単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
上記のモノオレフィン系不飽和化合物としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、イソブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
上記の共役ジエン系炭化水素を重合させて得られる重合体又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体としては、特に限定されず、具体的にはブタジエン重合体、イソプレン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル−イソプレン共重合体、メタクリル酸エステルと上記共役ジエンの共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、イソブテン−イソプレン共重合体(ブチルゴム)等が挙げられる。
これらの重合体は、乳化重合させてもよいし、また、溶液重合させてもよい。
本発明において、特定ポリマーは、末端にエチレン性不飽和基を有していてもよく、下記式(A−1)で表される部分構造を有していてもよい。
(式(A−1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、AはO又はNHを表し、*は他の構造との結合位置を表す。)
すなわち、特定ポリマーは、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基を有していてもよく、式(A−1)中のAがOで表される(メタ)アクリロイルオキシ基を有することがより好ましい。なお、(メタ)アクルアミド基とは、アクリルアミド基またはメタクリルアミド基を意味する。
特定ポリマーは、式(A−1)で表される部分構造を主鎖末端又は側鎖のいずれに有してもよいが、主鎖末端に有することが好ましい。
耐刷性の観点から、特定ポリマーは、式(A−1)で表される部分構造を分子内に2個以上有することが好ましい。
式(A−1)で表される部分構造を有する特定ポリマーとしては、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、部分水素化ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、ポリイソプレンジ(メタ)アクリレート、部分水素化ポリイソプレンジ(メタ)アクリレートなど、水酸基含有ポリオレフィンの水酸基にエチレン性不飽和基含有化合物を反応させて得られたポリオレフィン(メタ)アクリレート(例えば、BAC−45(大阪有機化学工業株式会社製)、TEA−1000、TE−2000、EMA−3000(日本曹達株式会社製))が例示される。
また、ポリオレフィンを変性してエチレン性不飽和結合を導入した変性ポリオレフィン(例えば、メタクリレート導入ポリイソプレン(クラプレンUC−203、UC−102(株式会社クラレ製))も好ましく例示される。
(ブタジエン及び/又はイソプレンに由来する単量体単位を有するポリマー)
本発明において、特定ポリマーは、ブタジエン及び/又はイソプレンに由来する単量体単位を有するポリマーであることが好ましい。
具体的には、ポリブタジエン(ブタジエンゴム)、部分水素化ポリブタジエン、末端変性ポリブタジエン、ポリイソプレン(イソプレンゴム)、部分水素化ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン トリブロック共重合体)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン トリブロック共重合体)、イソプレン/ブタジエン共重合体等が挙げられる。
なお、末端変性とは、主鎖又は側鎖末端がアミド基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、グリシジル基等で変性されていていることを意味する。
これらの中でも、ポリブタジエン、部分水素化ポリブタジエン、水酸基末端ポリブタジエン、グリシジルエーテル変性ポリブタジエン、ポリイソプレン、部分水素化ポリイソプレン、末端変性ポリイソプレン、水酸基末端ポリイソプレン、グリシジルエーテル変性ポリイソプレン、SBS、SISが好ましい。
ブタジエン、イソプレン又はそれらの水素添加物に由来する単量体単位の割合が、合計して30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることが更に好ましい。
イソプレンは、触媒や反応条件により、1,2−、3,4−又は1,4−付加により重合することが知られているが、本発明においては上記のいずれの付加により重合されたポリイソプレンでもよい。これらの中でも所望の弾性を得る観点から、主成分としてcis−1,4−ポリイソプレンを含有することが好ましい。なお、特定ポリマーがポリイソプレンである場合、cis−1,4−ポリイソプレンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
また、ポリイソプレンとしては、天然ゴムを使用してもよく、また、上市されているポリイソプレンを使用することもでき、例えば、NIPOL IRシリーズ(日本ゼオン株式会社製)が例示される。
ブタジエンは、触媒や反応条件により1,2−又は1,4−付加により重合することが知られているが、本発明では上記のいずれの付加により重合されたポリブタジエンでもよい。これらの中でも、所望の弾性を得る観点から、1,4−ポリブタジエンが主成分であることがより好ましい。
なお、特定ポリマーがポリブタジエンである場合、1,4−ポリブタジエンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
なお、cis体とtrans体の含有量は特に制限はないが、ゴム弾性を発現させる観点から、cis体が好ましく、cis−1,4−ポリブタジエンの含有量が50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
ポリブタジエンとしては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、NIPOL BRシリーズ(日本ゼオン株式会社製)、UBEPOL BRシリーズ(宇部興産株式会社製)等が例示される。
(非共役ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有する特定ポリマー)
特定ポリマーは、非共役ジエン系炭化水素に由来する単量体単位を有する特定ポリマーであってもよい。
特定ポリマーとしては、非共役ジエン系炭化水素と他の不飽和化合物、好ましくはαオレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体等が好ましく挙げられる。共重合体は、ランダム重合体でも、ブロック共重合体でも、グラフト重合体でもよく、特に限定されない。
上記の非共役ジエン系炭化水素としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられ、ジシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネンが好ましく、エチリデンノルボルネンがより好ましい。これらの化合物は単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
上記のモノオレフィン系不飽和化合物としては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン等の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、エチレン及びプロピレンが好ましく、エチレンとプロピレンを組み合わせて用いることがより好ましい。これらの化合物は単独又は2種類以上組み合わせて用いられる。
上記の共役ジエン系炭化水素を重合させて得られる重合体又は共役ジエン系炭化水素とα−オレフィン系不飽和化合物とを重合させて得られる共重合体としては、特に限定されないが、エチレン−αオレフィン−ジエン共重合体であることが好ましく、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)がより好ましい。
上記の中でも、特定ポリマーとしては、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、又は、エチレン−プロピレン−ジエンゴムであることが好ましく、ブタジエンゴムであることがより好ましい。
また、特定ポリマーは、主鎖が主としてイソプレン又はブタジエンを単量体単位とするポリマーであることが好ましく、一部が水素添加されて飽和結合に変換されていてもよい。また、ポリマーの主鎖中又は末端が、アミド、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基等で変性されていてもよく、エポキシ化されていてもよい。
これらの中でも、特定ポリマーとしては、溶剤への溶解性や、取り扱いの観点から、ポリブタジエン、ポリイソプレン、イソプレン/ブタジエン共重合体が好ましく例示され、ポリブタジエン及びポリイソプレンがより好ましく、ポリブタジエンが更に好ましい。
特定ポリマーは20℃以下のガラス転移温度(Tg)を有することが、柔軟性とゴム弾性発現の観点から好ましい。
なお、特定ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いてJIS K7121−1987に従って測定する。
なお、特定ポリマーが2以上のガラス転移温度を有する場合、少なくとも1つが20℃以下であることが好ましく、全てのガラス転移温度が20℃以下であることがより好ましい。
本発明において、特定ポリマーはSP値が14.0〜18.0MPa1/2であることが好ましく、15.0〜17.5MPa1/2であることがより好ましく、16.0〜17.5MPa1/2であることが更に好ましい。
SP値は、分子の凝集エネルギー密度の平方根であり、分子間の凝集する力の大小を表し、極性の尺度となる。
SP値が上記範囲であると、ウレタン系接着剤との適度な接着性が得られるため好ましい。
上記SP値は、日本接着学会誌29(3)1993,204−211に記載の沖津法に基づき計算される。
特定ポリマーはエラストマー又はプラストマーであることが好ましい。特定ポリマーがエラストマー又はプラストマーであると、これから得られるレーザー彫刻用印刷版原版をシート状、若しくは円筒状に成形する際に、良好な厚み精度や寸法精度を達成することができる。また、フレキソ印刷版に必要な弾性を付与することができるので好ましい。
本発明において「プラストマー」とは、高分子学会編「新版高分子辞典」(日本国、朝倉書店、1988年発行)に記載されているように、加熱により容易に流動変形し、かつ冷却により変形された形状に固化できるという性質を有する高分子体を意味する。プラストマーは、エラストマー(外力を加えたときに、その外力に応じて瞬時に変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有するもの)に対する言葉であり、エラストマーのような弾性変形を示さず、容易に塑性変形するものである。
本発明において、プラストマーは、元の大きさを100%としたときに、室温(20℃)において小さな外力で200%まで変形させることができ、上記外力を除いても、130%以下に戻らないものを意味する。小さな外力とは、具体的には、引張強度が1〜100MPaである外力をいう。より詳細には、JIS K 6262−1997の引張永久ひずみ試験に基づき、JIS K 6251−1993に規定するダンベル状4号形の試験片を用いた場合に、20℃における引張試験で上記試験片を引張前の標線間距離の2倍に破断せずに伸ばすことが可能であり、かつ、引張前の標線間距離の2倍に伸ばしたところで60分間保持した後、引張外力を除いて5分後に引張永久ひずみが30%以上であるポリマーを意味する。なお、本発明では、試験片をJIS K6251−1993に規定するダンベル状4号形にすること、保持時間を60分、及び、試験室の温度を20℃とすること以外は、全てJIS K 6262−1997の引張永久ひずみ試験方法に準拠した。
なお、上記の測定ができないポリマーの場合、すなわち、引張試験において、引張外力を加えなくとも変形して元の形状に戻らないポリマーや、上記測定時の小さな外力を与えて破断するポリマーはプラストマーに上記当する。
更に、本発明において、プラストマーは、ポリマーのガラス転移温度(Tg)が20℃未満である。Tgを2つ以上有するポリマーの場合は、全てのTgが20℃未満である。なお、ポリマーのTgは、示差走査熱量測定(DSC)法により測定することができる。
本発明において、エラストマーとは、上記の引張試験において、標線間距離の2倍に伸ばすことが可能であり、かつ、引張外力を除いて5分後に引張永久ひずみが30%未満であるポリマーを意味する。
本発明の特定ポリマーの20℃における粘度は、好ましくは10Pa・s〜10kPa・sであり、より好ましくは50Pa・s〜5kPa・sである。粘度がこの範囲内の場合には、シート状に樹脂組成物を成形しやすく、プロセスも簡便である。本発明において、特定ポリマーがプラストマーであることにより、樹脂シート形成用樹脂組成物をシート状に成形する際に、良好な厚み精度や寸法精度を達成することができる。
本発明において、特定ポリマーは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる樹脂シートにおける特定ポリマーの総含有量は、樹脂シートの固形分全質量に対し、5〜90質量%が好ましく、15〜85質量%がより好ましく、30〜80質量%が更に好ましい。
また、本発明に用いられる樹脂シート形成用樹脂組成物における特定ポリマーの総含有量は、樹脂組成物の固形分全質量に対し、5〜90質量%が好ましく、15〜85質量%がより好ましく、30〜80質量%が更に好ましい。特定ポリマーの含有量を5質量%以上とすることで、得られた樹脂シートを印刷版として使用するに足る耐刷性が得られ、また、90質量%以下とすることで、他成分が不足することがなく、印刷版とした際においても印刷版として使用するに足る柔軟性を得ることができる。
なお、「固形分全質量」とは、樹脂シート又は樹脂シート形成用樹脂組成物から溶剤等の揮発性成分を除いた全質量を意味する。
本発明に用いられる樹脂シート、及び、樹脂シート形成用樹脂組成物は、重合開始剤、光熱変換剤、溶剤、及び、その他の成分を含有することが好ましい。以下、これらの成分について詳述する。
(重合開始剤)
本発明において樹脂シートは、重合開始剤を含有する樹脂シート形成用樹脂組成物を用いて形成されることが好ましい。重合開始剤を含有することにより、特定ポリマー、及び、後述する重合性化合物が含有するエチレン性不飽和結合同士の架橋が促進される。
重合開始剤としては、当業者間で公知のものを制限なく使用することができ、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれも使用することができるが、簡便な装置で架橋が形成できることから、熱重合開始剤が好ましい。以下、好ましい重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
本発明において、好ましい重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(l)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、彫刻感度と、樹脂シートに適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物がより好ましく、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
上記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、及び(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
また、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
(c)有機過酸化物
本発明に用いることができる熱重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシアセテートなどの過酸化エステル系や、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートなどの過酸化エステル系が好ましい。これらの中でも、相溶性に優れる観点から、t−ブチルパーオキシベンゾエートが特に好ましい。
(l)アゾ系化合物
本発明に用いることができる重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記(c)有機過酸化物が本発明における重合開始剤として、樹脂シートの架橋性及び彫刻感度向上の観点で特に好ましい。
彫刻感度の観点からは、この(c)有機過酸化物と、後述する光熱変換剤とを組み合わせた態様が特に好ましい。
これは、有機過酸化物を用いて樹脂シートを熱架橋により硬化させる際、ラジカル発生に関与しない未反応の有機過酸化物が残存するが、残存した有機過酸化物は、自己反応性の添加剤として働き、レーザー彫刻時に発熱的に分解する。その結果、照射されたレーザーエネルギーに発熱分が加算されるので彫刻感度が高くなったと推定される。
なお、光熱変換剤の説明において詳述するが、この効果は、光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合に著しい。これは、カーボンブラックから発生した熱が(c)有機過酸化物にも伝達される結果、カーボンブラックだけでなく有機過酸化物からも発熱するため、特定ポリマー等の分解に使用されるべき熱エネルギーの発生が相乗的に生じるためと考えている。
本発明において、重合開始剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる樹脂シート中の重合開始剤の含有量は、固形分全質量に対して、0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15%であることが更に好ましい。
本発明に用いられる樹脂シート形成用樹脂組成物中の重合開始剤の含有量は、固形分全質量に対して、0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましく、1〜15%であることが更に好ましい。含有量が上記範囲内であると、硬化性(架橋性)に優れ、レーザー彫刻した際のレリーフエッジ形状が良好であり、更に、リンス性に優れるので好ましい。
(光熱変換剤)
本発明に用いられる樹脂シート及び樹脂シート形成用樹脂組成物は、更に、光熱変換剤を含有することが好ましい。すなわち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することにより、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
本発明に用いられる樹脂シートを、700〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源とするレーザー彫刻に用いる場合、光熱変換剤としては、700〜1,300nmに極大吸収波長を有する化合物を用いることが好ましい。
本発明における光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
光熱変換剤のうち、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、700〜1,300nmに極大吸収波長を有するものが挙げられ、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が好ましく挙げられる。本発明において好ましく用いられる染料としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、フタロシアニン系色素及び特開2008−63554号公報の段落0124〜0137に記載の染料を挙げることができる。
本発明において使用される光熱変換剤のうち、顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。また、顔料としては、特開2009−178869号公報の段落0122〜0125に記載の顔料が例示できる。
これらの顔料のうち、好ましいものはカーボンブラックである。
カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。また、カーボンブラックとしては、特開2009−178869号公報の段落0130〜0134に記載されたものが例示できる。
本発明に用いられる樹脂シート及び樹脂シート形成用樹脂組成物における光熱変換剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂シート中における光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、固形分全質量の0.01〜30質量%の範囲が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
樹脂シート形成用樹脂組成物中における光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、固形分全質量の0.01〜30質量%の範囲が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が特に好ましい。
(溶剤)
本発明に用いられる樹脂シート形成用樹脂組成物は、溶剤を含有してもよい。
溶剤としては、有機溶剤を用いることが好ましい。
非プロトン性有機溶剤の好ましい具体例は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
プロトン性有機溶剤の好ましい具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールが挙げられる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましく例示できる。
(その他の添加剤)
本発明に用いられる樹脂シート及び樹脂シート形成用樹脂組成物には、公知の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、架橋剤、架橋促進剤、可塑剤、充填剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(重合性化合物)
本発明に用いられる樹脂シートは、架橋構造形成を促進するため、重合性化合物を含有する樹脂シート形成用樹脂組成物を用いて形成することもできる。重合性化合物を含有することにより、架橋構造形成が促進され、得られる印刷版の耐刷性に優れる。
また、上述のエチレン性不飽和基を有する特定ポリマーは、重合性化合物には含まれない物とする。
更に、重合性化合物は、分子量3,000未満の化合物であることが好ましく、分子量1,000未満の化合物であることがより好ましい。
重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましく、また、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
本発明に用いられる重合性化合物は、多官能エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。上記態様であると、得られる印刷版の耐刷性により優れる。
多官能エチレン性不飽和化合物としては、末端エチレン性不飽和基を2〜20個有する化合物が好ましい。このような化合物群は当産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に制限無く用いることができる。
多官能エチレン性不飽和化合物におけるエチレン不飽和基が由来する化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、ビニル化合物、アリル化合物、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
重合性化合物に含まれるエチレン性不飽和基は、反応性の観点でアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、アリル化合物の各残基が好ましい。また、耐刷性の観点から、多官能エチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和基を3個以上有することがより好ましい。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートが特に好ましい。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
上記エステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(i)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、短時間で硬化組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
ビニル化合物としては、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
本発明に用いられる樹脂シート、及び、その形成に用いられる樹脂組成物は、重合性化合物を1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明に用いられる樹脂シート中における重合性化合物の含有量は、樹脂組成物の固形分全質量に対し、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。
本発明に用いられる樹脂シート形成用樹脂組成物中における重合性化合物の含有量は、樹脂組成物の固形分全質量に対し、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。上記範囲であると、レーザー彫刻時に発生する彫刻カスのリンス性により優れ、得られる印刷版の耐刷性により優れる。
(各成分の配合量)
本発明に用いられる樹脂シートの固形分全質量に対し、樹脂シート中における特定ポリマーの総含有量は、5〜90質量%が好ましく、重合開始剤の含有量は、0.01〜30質量%であることが好ましく、光熱変換剤の含有量は、0.01〜30質量%の範囲が好ましく、重合性化合物の含有量は、0〜30質量%が好ましい。
また、本発明に用いられる樹脂シート形成用樹脂組成物の固形分全質量に対し、樹脂シート形成用樹脂組成物中における特定ポリマーの総含有量は、5〜90質量%が好ましく、重合開始剤の含有量は、0.01〜30質量%であることが好ましく、光熱変換剤の含有量は、0.01〜30質量%の範囲が好ましく、重合性化合物の含有量は、0〜30質量%が好ましい。
(樹脂シート硬化方法)
以下、樹脂シート硬化方法について説明する。
本発明に用いられる樹脂シートは、熱及び/又は光の作用により硬化させたシートであることが好ましい。
本発明に用いられる樹脂シートが光重合開始剤を含有する場合、光を照射することにより硬化することができる。
光の照射は、樹脂シート全面に行うことが好ましい。
光としては、可視光、紫外光又は電子線が挙げられるが、紫外光が最も好ましい。樹脂シートの支持体側を裏面とすれば、表面に光を照射するだけでもよいが、支持体が光を透過する透明なフィルムならば、更に裏面からも光を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下において架橋反応が阻害される恐れがある場合は、樹脂シートに塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、光の照射を行ってもよい。
樹脂シートが熱重合開始剤を含有する場合には(上記の光重合開始剤が熱重合開始剤にもなり得る。)、樹脂シートを加熱することにより硬化することができる(熱により架橋する工程)。熱による架橋を行うための加熱手段としては、樹脂シートを熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
上記樹脂シート硬化方法としては、樹脂シートを表面から内部まで均一に硬化(架橋)可能という観点で、熱による架橋の方が好ましい。
樹脂シートを架橋することにより、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
〔接着層形成工程〕
接着層形成工程は、準備したフレキソ印刷版原版の支持体の裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、乾燥して接着層を形成する工程である。
下塗り液の塗布方法としては、特に限定はなく、公知の塗布方法が適宜利用可能である。
(下塗り液)
下塗り液は、水滴接触角が77度〜93度となる接着層を形成するものである。
下塗り液は、溶剤と、接着層の形成材料となる樹脂とを含む。
接着層の形成材料となる樹脂としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、エポキシ基などのうち少なくとも1種を含有する樹脂を含むのが好ましく、中でも、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン(特に塩素)基、エポキシ基を有する樹脂を含むのがより好ましい。具体的には、樹脂として、(メタ)アクリル酸ポリマーまたは塩素化ポリオレフィンと、エポキシ樹脂とを含むのが特に好ましい。
また、溶剤としては、具体的には、例えば、シクロヘキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ビニル、メチルアルコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、下塗り液における上記樹脂の濃度、すなわち、固形分濃度は、0.1質量%〜10質量%であるのが好ましく、0.15質量%〜3質量%がより好ましく、0.2質量%〜1質量%が特に好ましい。
[接着層付フレキソ印刷版の製造方法]
次に、本発明のフレキソ印刷版の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のフレキソ印刷版の製造方法は、
支持体と、支持体上に形成されるレリーフ層とを有し、支持体のレリーフ層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成されるフレキソ印刷版を準備する印刷版準備工程と、
フレキソ印刷版の支持体の裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
接着層形成工程で形成される接着層の水滴接触角が、77度〜93度である製造方法である。
なお、接着層付フレキソ印刷版の製造方法における接着層形成工程は、上述の接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法における接着層形成工程と同様であるので、その説明は省略する。
〔印刷版準備工程〕
印刷版準備工程は、少なくとも裏面がPETで構成される支持体と、裏面とは反対側の面に形成されるレリーフ層とを有するフレキソ印刷版を準備する工程である。
本発明において、フレキソ印刷版の作製方法には特に限定はなく、公知の作製方法により、フレキソ印刷版を作製して準備すればよい。
一例として、フレキソ印刷版は、上記印刷版原版準備工程で準備したフレキソ印刷版原版のレリーフ形成層をレーザー彫刻により彫刻することにより、非画像部となる部分の硬化層を除去し、凸状の画像部を形成することで作製できる。また、画像部の作製の際には、画像部において、所定のスクリーン線数および所望の網点率等に応じて硬化層を除去して、多数の小点を形成し、網点部を形成してもよい。
具体的には、フレキソ印刷版の製造方法の一例として、まず、作製する印刷版の原画像データを取得し、この原画像データをレーザー彫刻を行うためのデータに変換するため、RIP(Raster Image Processor)処理を行い、さらに、RIP処理した画像データに、マスク処理等を行って、出力画像データを生成する。
この出力画像データを用いてレーザー彫刻を行い、フレキソ印刷版を作製する。
なお、レーザー彫刻の方法については、基本的に、従来のフレキソ印刷版の製造方法で用いられるレーザー彫刻の方法と同様である。
レーザー彫刻の方法としては、例えば、円筒形を有するドラムの外周面にシート状のフレキソ印刷版原版を巻き付けてドラムを回転させて、印刷版原版に向けて露光ヘッドから、上記出力画像データに応じたレーザー光を射出し、露光ヘッドを主走査方向と直交する副走査方向に所定ピッチで走査させることで、印刷版原版の表面に2次元画像を高速で彫刻(記録)する方法、等が利用可能である。
レーザー彫刻において利用されるレーザーの種類については特に限定はないが、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、硬化層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、硬化層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で硬化層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
赤外線レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましく、ファイバー付き半導体赤外線レーザー(FC−LD)が特に好ましい。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率且つ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、レーザー彫刻には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、「実用レーザー技術」電子通信学会編著等に記載されている。
また、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載されるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、本発明のフレキソ印刷版の製造方法に好適に使用することができる。
なお、本発明において、フレキソ印刷版の製造方法は、レーザー彫刻(DLE(Direct Laser Engraving)方式)に限定はされず、レーザーで印刷版原版の表面に画像を書き込み現像するLAMS(Laser Ablation Masking System)方式等の種々の公知の製造方法が利用可能である。
また、フレキソ印刷版の製造方法は、彫刻工程に次いで、更に、必要に応じて下記リンス工程、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
前記彫刻工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じて彫刻されたレリーフ層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されるレリーフ層をより強固にすることができる。
リンス工程に用いられるリンス液のpHは、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることが更に好ましい。また、リンス液のpHは14以下であることが好ましく、13.5以下であることがより好ましく、13.1以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、取り扱いが容易である。リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
また、リンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。また、リンス液は、水以外の溶媒として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶媒を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。なお、本発明において、アミンオキシド化合物のN=O、及び、ホスフィンオキシド化合物のP=Oの構造はそれぞれ、N+−O-、P+−O-と見なすものとする。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
作製したフレキソ印刷版が有するレリーフ層(硬化層)の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下が特に好ましい。
また、作製したフレキソ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
[積層構造物の製造方法]
次に、本発明の積層構造物の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の積層構造物の製造方法は、上述した接着層付フレキソ印刷版の製造方法で作製した接着層付フレキソ印刷版、あるいは、上述した接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法で作製した接着層付フレキソ印刷版原版を、両面に接着性を有するクッションテープを介して、円筒状のスリーブの周面に巻き掛けて積層し、積層構造物を作製する製造方法である。
具体的には、図4に示すように、周面にクッションテープ34を巻いた円筒状のスリーブ32に、支持体12側をクッションテープ層34に向けて、接着層付フレキソ印刷版10(接着層付フレキソ印刷版原版20)を巻き付けて、クッションテープ層34上に積層することで、積層構造物30を作製することができる。
なお、フレキソ印刷版原版を有する積層構造物は、その後、レーザー彫刻装置に設置され、レリーフ形成層をレーザー彫刻されて、フレキソ印刷版を有する積層構造物となる。
この場合、レーザー彫刻後のフレキソ印刷版は、積層構造物として、フレキソ印刷装置に設置されて印刷に用いられても良いし、クッションテープ層から剥離されて、他のフレキソ印刷装置での印刷に用いられてもよい。
また、積層構造物の製造方法は、フレキソ印刷版あるいはフレキソ印刷版原版の支持体の裏面に接着層を設けて、接着層付フレキソ印刷版あるいは接着層付フレキソ印刷版原版をクッションテープを介してスリーブに巻きつけて作製する方法に限定はされず、スリーブに巻きつけられたクッションテープ層上に下塗り液を塗布して接着層を形成し、この接着層上にフレキソ印刷版またはフレキソ印刷版原版を積層する方法で作製してもよい。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例におけるポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、特に断りのない限りにおいて、GPC法で測定した値を表示している。
<実施例1>
<樹脂シート形成用樹脂組成物の調製>
MS式小型加圧ニーダー(株式会社モリヤマ製)を用いて、ジエン系ポリマーとして、MITSUI EPT1045(EPDM(ムーニー粘度(ML1+4、100℃):38、エチレン含量:58質量%、ジエン含量:5質量%、ジエン種:ジシクロペンタジエン(DCPD))、三井化学株式会社製)と、カーボンブラックとして、シースト9(東海カーボン株式会社製(平均粒子径:19nm、窒素吸着比表面積:142m2/g))と、充填剤として、疎水性フュームドシリカ AEROSIL R−972(日本アエロジル株式会社製、窒素吸着比表面積:110±20m2/g)とを、80℃にて、前ブレード35rpm、後ブレード35rpmで10分間混練した後、60℃まで冷却し、熱重合開始剤として、パークミルD−40(有機過酸化物、ジクミルパーオキサイド(40質量%)、日油株式会社製)を添加して、60℃にて前ブレード20rpm、後ブレード20rpmで更に10分間混練し、樹脂シート形成用樹脂組成物を調製した。
<レリーフ形成層の作製>
上記で得た樹脂シート形成用樹脂組成物を、カレンダーロール(日本ロール製造株式会社製逆L型4本)でシート状に成形した。ウォームアップロールを50℃として上記樹脂シート形成用樹脂組成物を10分間予備混練し、ロールに巻き付いたものを途中でカットしてシート状に引き出し、一旦ロール状に巻き取った。その後、混練物をカレンダーロールの第1ロールと第2ロールの間にセットし、圧延成形した。カレンダーロールの各ロールの温度は、第1ロール温度を50℃、第2ロール温度を60℃、第3ロール温度を70℃、第4ロール温度を80℃とした。ロール間隔は、第1ロールと第2ロール間隔を1.0mm、第2ロールと第3ロール間隔を0.9mm、第3ロールと第4ロール間隔を0.8mmとした。搬送速度は1m/分とした。
第4ロールを通過後、シートを幅440mm、長さ1200mmにカットし、プレス機(テスター産業株式会社製SA−303)を用いて、4MPaの圧力で、160℃で20分間加熱して、平均膜厚0.92mmのレリーフ形成層を得た。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得たレリーフ形成層に対して、光硬化性組成物(株式会社スリーボンド社製:3030)を平均膜厚が100μmになるように塗設した後、125μm厚のPET支持体をニップローラにて貼り合わせ、20秒後にPET支持体側からUV露光機(アイグラフィックス株式会社製UV露光機ECS―151U、メタルハライドランプ、1,500mJ/cm2、14sec露光)にて光硬化性層を硬化させて、フレキソ印刷版原版を作製した。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版に対し、画像部の形状が所定の形状となるように、レーザー彫刻機(Hell Gravure Systems社製 1300S)により、解像度2540dpi(dot per inch)、レーザーパワー(Depth power)100%、ドット形状プロファイル:スロープ60°で彫刻し、その後、洗浄剤(The Procter & Gamble Company社製 ジョイW除菌の2%水溶液)を版上に垂らし、豚毛ブラシで擦り、流水にて水洗することで彫刻カスを除去して、フレキソ印刷版を作製した。
<下塗り液の調製>
下塗り液は、3M社製:94プライマーを酢酸エチルで10倍に希釈して、すなわち、3M社製94プライマーと、酢酸エチルとを1:9の質量割合で混合して調製した。
なお、3M社製94プライマーは、アクリル酸ポリマー、塩素化ポリオレフィン、および、エポキシ樹脂を固形分として含んでおり、固形分濃度は、約3.85質量%である。したがって、調製した下塗り液の固形分濃度は、0.38質量%である。
<接着層の形成>
調製した下塗り液を、上記フレキソ印刷版のPET支持体の裏面の、対向する2つの長辺側それぞれに塗布、乾燥して接着層を形成し、接着層付フレキソ印刷版を得た。
接着層の幅は、5mmとした。
また、形成した接着層の水滴接触角を、表面に直径3mmの純水の液滴を落とし、20秒後の表面と水滴のなす角から測定した。水滴接触角は、93度であった。
<積層構造物の作製>
次に、上記で得た接着層付フレキソ印刷版を、周面にクッションテープを巻いた円筒状のスリーブに巻き付けて、クッションテープ層上に積層し、積層構造物を作製した。
スリーブの大きさは、周面の円周が440mm、長さが1300mmとした。
また、クッションテープとしては、両面にアクリル系の粘着層を有するデュプロフレックス5.2(ローマン社製 厚さ5.5mm)を用いた。
ここで、接着層を設けたPET支持体とクッションテープとの間の90度剥離力をサンプルを用いて測定した。
サンプルの大きさは10×100mmとした。接着層を設けたPET支持体とクッションテープとをローラーを用いて貼り合わせた後、PET支持体の一端を剥がして、引張試験機のチャックに剥がした部分のPET支持体の片端を固定し、もう一方のチャックにクッションテープを固定する。試験機を運転し、PET支持体を90度方向に50mm/minで引っ張り、引き剥がされた50mmの長さの剥離力の測定値を平均して90度剥離力を求めた。
90度剥離力は、6.0N/cmであった。
<実施例2〜7、比較例1〜5>
下塗り液における、3M社製:94プライマーと酢酸エチルとの混合割合を下記表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、積層構造物を作製した。
<実施例8>
下塗り液として、東日本塗料株式会社製:スーパーエクセルプライマーを、MEK(メチルエチルケトン)で希釈した溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、積層構造物を作製した。
<比較例6>
接着層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、積層構造物を作製した。
〔評価〕
得られた積層構造物を用いて印刷を行った後、版上のインキ洗浄を行い接着性の評価を行った。また、印刷後に印刷版を剥離して剥離性の評価を行った。
(印刷工程)
印刷機は、TLF−270−4F型印刷機(株式会社太陽機械製作所製)を使用した。得られた積層構造物を、シャフトに挿通し、印刷機に設置した。その後、キスタッチ(画像全面が着肉し始める印圧)を0(基準印圧)とし、そこから、40μm押し込んだ条件で、印刷速度150m/minで、10分間、印刷を行った。
被印刷体としては、50μmOPPフィルム(株式会社阿部紙業製)を用いた。また、インキとしては、水性フレキソインキ、ハイドリックFCF(大日精化株式会社製)を用いた。
(接着性)
印刷後、印刷機から積層構造物を取り出し、印刷版上に残ったインキの洗浄を行って、洗浄中にフレキソ印刷版が剥離するか否かにより接着性を評価した。
インキの洗浄は、洗浄機(Flexowash社製 SL2200)を用い、取り出した積層構造物を洗浄機にセットして、洗浄液:ジョイW(The Procter & Gamble Company社製)5%水溶液、洗浄時間:5分間、乾燥時間:0.5時間の条件で洗浄を行った。
インキ洗浄後、フレキソ印刷版が剥離していない場合を『A』とし、フレキソ印刷版の接着層が形成された端部での剥離幅が、接着層の幅の10%未満である場合を『B』とし、剥離幅が10%以上である場合を『C』として評価した。
(剥離性)
接着性を確認した積層構造物から、フレキソ印刷版を標準的な剥離速度(40cm/sec程度)で剥離して、剥離後のフレキソ印刷版およびクッションテープの状態を、以下の基準で評価した。
A:印刷版、クッションテープの破損なし
B:印刷版および/またはクッションテープに若干のゆがみあり
C:印刷版および/またはクッションテープが破損(切れ、伸び、折れ)
評価結果を表1に示す。
表1に示す結果から、PET支持体の裏面に、水滴接触角が77度〜93度の接着層を設ける本発明の実施例1〜8は、比較例に対して、フレキソ印刷版とクッションテープとの接着性が良好であり、かつ、フレキソ印刷版を剥離する際の剥離性も良好であることがわかる。
比較例1〜3の、水滴接触角が93度超の場合は、90度剥離力が大きすぎるため、印刷後にフレキソ印刷版をクッションテープから剥離する際に、クッションテープが破損してしまう。
一方、比較例4〜6の、水滴接触角が77度未満の場合は、90度剥離力が小さすぎるため、洗浄の際に、フレキソ印刷版が剥離してしまった。
また、実施例1、7と実施例2〜6との対比から、接着層の水滴接触角は、80度〜91度がより好ましいことがわかる。
以上の結果から本発明の効果は明らかである。
10 接着層付フレキソ印刷版
11 フレキソ印刷版
12 支持体
14 レリーフ層
14a 画像部
14b 非画像部
16 接着層
20 接着層付フレキソ印刷版原版
21 フレキソ印刷版原版
22 レリーフ形成層
30 積層構造物
32 スリーブ
34 クッションテープ層
50 フレキソ印刷装置
51 シャフト
52 搬送ローラ
53 アニロックスローラ
54 ドクターチャンバ
55 循環タンク
60 カレンダーロール
62a〜62d 第1ロール〜第4ロール
70 混錬物
71 樹脂シート
z 被印刷体

Claims (15)

  1. 支持体、および、前記支持体上に形成されるレリーフ層を有するフレキソ印刷版と、
    前記フレキソ印刷版の前記支持体の、前記レリーフ層が形成される面とは反対側の裏面上の少なくとも一部に形成される接着層と、を有し、
    前記支持体の前記裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、
    前記接着層の水滴接触角が、77度〜93度であることを特徴とする接着層付フレキソ印刷版。
  2. 前記接着層が、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を有する請求項1に記載の接着層付フレキソ印刷版。
  3. 支持体、および、前記支持体上に形成されるレリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版と、
    前記フレキソ印刷版原版の前記支持体の、前記レリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面上の少なくとも一部に形成される接着層と、を有し、
    前記支持体の前記裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、
    前記接着層の水滴接触角が、77度〜93度であることを特徴とする接着層付フレキソ印刷版原版。
  4. 前記接着層が、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を有する請求項3に記載の接着層付フレキソ印刷版原版。
  5. 円筒状のスリーブと、
    前記スリーブの周面に巻き回されて積層される、両面に接着性を有するクッションテープ層と、
    前記クッションテープ層上の少なくとも一部に積層される接着層と、
    少なくとも一部が前記接着層上に積層される支持体と、
    前記支持体上に形成されるレリーフ層またはレリーフ形成層と、を有し、
    前記支持体の、前記接着層側の面である裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成され、
    前記接着層の水滴接触角が、77度〜93度であることを特徴とする積層構造物。
  6. 前記接着層が、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を有する請求項5に記載の積層構造物。
  7. 前記接着層は、前記支持体の裏面の、円周方向の2つの端辺側に形成される請求項5または6に記載の積層構造物。
  8. 前記接着層の、円周方向における幅は、1mm〜100mmである請求項7に記載の積層構造物。
  9. 支持体と、前記支持体上に形成されるレリーフ層とを有し、前記支持体の前記レリーフ層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成されるフレキソ印刷版を準備する印刷版準備工程と、
    前記フレキソ印刷版の前記支持体の、前記裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、前記接着層を形成する接着層形成工程と、を有し、
    前記接着層形成工程で形成される前記接着層の水滴接触角が、77度〜93度であることを特徴とする接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
  10. 前記下塗り液は、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を含む請求項9に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
  11. 前記下塗り液は、前記樹脂と、溶剤とを含み、
    前記溶剤が、シクロヘキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ビニル、メチルアルコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、および、メチルイソブチルケトンからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記樹脂の濃度が、0.1質量%〜10質量%である請求項10に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
  12. 支持体と、前記支持体上に形成されるレリーフ形成層とを有し、前記支持体の前記レリーフ形成層が形成される面とは反対側の裏面が、ポリエチレンテレフタレートで構成されるフレキソ印刷版原版を準備する印刷版原版準備工程と、
    前記フレキソ印刷版原版の前記支持体の、前記裏面の少なくとも一部に、接着層となる下塗り液を塗布し、前記接着層を形成する接着層形成工程とを有し、
    前記接着層形成工程で形成される前記接着層の水滴接触角が、77度〜93度であることを特徴とする接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法。
  13. 前記下塗り液は、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン基、カルボキシ基、水酸基、シリル基、および、エポキシ基のうち少なくとも1種を含有する樹脂を含む請求項12に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法。
  14. 前記下塗り液は、前記樹脂と、溶剤とを含み、
    前記溶剤が、シクロヘキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ビニル、メチルアルコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、および、メチルイソブチルケトンからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記樹脂の濃度が、0.1質量%〜10質量%である請求項13に記載の接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法。
  15. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の接着層付フレキソ印刷版の製造方法で作製した接着層付フレキソ印刷版、あるいは、請求項12〜14のいずれか1項に記載の接着層付フレキソ印刷版原版の製造方法で作製した接着層付フレキソ印刷版原版を、両面に接着性を有するクッションテープを介して、円筒状のスリーブの周面に巻き掛けて積層し、積層構造物を作製する積層構造物の製造方法。
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