以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず本実施の形態の実装用基板の構成として、特に実装用基板に形成された放熱部材の構成について図1を用いて説明する。
図1を参照して、本実施の形態の実装用基板10は、複数(図1においては6つ)の後述するセラミックグリーンシートが積層および加圧により一体化されたものが焼成されることにより形成されたものである。実際にはセラミック基板11は一体であり積層された各層間に境界を有していないが、ここでは説明の便宜上、セラミック基板11が複数の層からどのように構成されるかを示す観点から、図1中に積層されたセラミックグリーンシートの各層の境界を点線で示している。なおセラミック基板11は平板状であり、図示されないがたとえば平面視において矩形状を有している。
セラミック基板11は、1つのセラミックグリーンシートの上側の主表面にその直上のセラミックグリーンシートの下側の主表面が接触するように積層されており、複数のセラミックグリーンシートこれらが一体となった状態で焼結されたものである。これにより、セラミック基板11を土台とする実装用基板10が形成されている。セラミック基板11にはこれを構成する複数のセラミックグリーンシートのそれぞれの上側の主表面から下側の主表面に達するようにこれを貫通する大径貫通孔3b(貫通孔)が形成されており、この大径貫通孔3b内には孔内金属材料層12aが充填されている。それらが積層され一体化されることにより、セラミック基板11全体の上側の主表面1fからその全体の下側の主表面1bに達するようにこれを貫通する大径貫通孔3b(貫通孔)が形成されており、この大径貫通孔3b内には孔内金属材料層12aが充填されている。
またそれぞれのセラミックグリーンシートにおける孔内金属材料層12aを覆うように、セラミック基板11を構成する積層前の複数のセラミックグリーンシートの各層のたとえば上側の主表面には、孔外金属材料層12bのパターンが形成されている。
セラミック基板11に形成された複数の孔内金属材料層12aの平面視におけるサイズ、位置および形状はほぼ等しく、またセラミック基板11に形成された複数の孔外金属材料層12bの平面視におけるサイズ、位置および形状もほぼ等しい。ただし孔外金属材料層12bは孔内金属材料層11よりもやや平面視におけるサイズが大きくなっている。
このためそれぞれのセラミックグリーンシート同士を積層することにより、形成されるセラミック基板11においてはそれぞれの孔内金属材料層12aおよび孔外金属材料層12b同士が互いに重なるように積層されている。これらの重なり合った複数のセラミックグリーンシート同士が主表面1f、1bにおいて加圧されることにより密着して一体となり、単一のセラミック基板11を有する実装用基板10が構成されている。そして当該実装用基板10内において、複数の孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに密着され一体となることにより、一体の放熱部材としての放熱ビア12が形成されている。それぞれの孔内金属材料層12a、孔外金属材料層12bのサイズはほぼ等しいため、放熱ビア12は、基本的にその全体において(実装用基板10のセラミック基板11の上側の主表面1fから、実装用基板10のセラミック基板11の下側の主表面1bまで)平面視においてほぼ等しいサイズを有している。
以上のような構成を有するため、放熱ビア12は、実装用基板10を構成するセラミック基板11の下側の主表面1b(一方の主表面)から、実装用基板10を構成するセラミック基板11の上側の主表面1f(他方の主表面)まで、その全体においてたとえば孔内金属材料層12aの平面積が目立って変化することなく、図1の上下方向に柱状に延びるように連続的に形成されている。孔内金属材料層12aは放熱ビア12の本体を構成し、孔外金属材料層12bはこれが挟む1対の孔内金属材料層12a同士を接続して互いに一体とする役割を有している。
放熱ビア12は、たとえば図1のセラミック基板11の上側の主表面1f上に載置(実装)されたICチップなどが発する熱を、複数の孔内金属材料層12aおよび孔外金属材料層12bを伝って、図1のセラミック基板11の下側の主表面1bにて放熱させる。このため孔内金属材料層12aおよび孔外金属材料層12bとしては熱伝導率の高い導電性材料(金属材料)が用いられることが好ましい。
なお後述するように、実際にはセラミック基板11にはこれらの他に、大径貫通孔3bよりも平面視におけるサイズの小さい小径貫通孔およびその内部を充填する小径ビアなどが形成されるが、図1においてはこれらの図示および説明が省略される。このことは以降の実施の形態においても同様である。
次に、図2〜図12を用いて、本実施の形態の実装用基板10の製造方法について説明する。
図2を参照して、まず焼結されていないセラミックシート、すなわちセラミックグリーンシート1が準備される。セラミックグリーンシート1は厚さがほぼ0.1mmである。図示されないが、セラミックグリーンシート1は平面視においてたとえば矩形状を有している。セラミックグリーンシート1は、アルミナなどのセラミック材料の粉末を用いて、ドクターブレード法などを用いて形成される。
図3を参照して、セラミックグリーンシート1の平面視における所望の位置、すなわち放熱ビア12を形成したい位置などに、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1fからこれに対向する下側の主表面1bに達するようにこれを貫通する貫通孔3が形成される。貫通孔3は、大径貫通孔3bと、小径貫通孔3sとを有しており、小径貫通孔3sは大径貫通孔3bよりも平面視におけるサイズが小さい。なお大径貫通孔3bおよび小径貫通孔3sの形成される位置および数は任意であるが、図3においては大径貫通孔3bは図の中央部に1つ、小径貫通孔3sは図の左右両側に2つずつ、形成されている。
図3においては一例として、大径貫通孔3bは平面視において直径が0.6mmより大きいほぼ円形を有しており、小径貫通孔3sは平面視において直径が0.2mmより小さい、たとえばほぼ円形を有している。大径貫通孔3bは、形成される実装用基板10の放熱経路となる放熱ビア12を形成するための貫通孔である。小径貫通孔3sは、形成される実装用基板10に形成される積層回路の各層間を電気的に接続する小径ビアを形成するための貫通孔である。セラミックグリーンシート1への貫通孔3の加工には、公知の穴あけ加工機が使用可能である。
その結果、最終的に焼結された後の放熱ビア12を構成する孔内金属材料層12aは、平面視における直径が0.6mm以上(焼結により収縮するので0.5mm以上)となっている。なおここでは一例として貫通孔3は(大径貫通孔3b、小径貫通孔3sともに)円形の平面形状を有するものとして説明するが、貫通孔3の平面形状はこれに限らず、たとえば後述の図13に示すように、矩形状であってもよい。平面形状にかかわらず、孔内金属材料層12aの平面視における最大寸法(すなわち円形であれば直径、長方形であれば長手側の辺の長さ)が0.5mm以上となっている。放熱ビア12は柱状であることから、孔内金属材料層12aは放熱ビア12の最上面(セラミック基板11の最上層)から最下面(セラミック基板11の最下層)までの全体にわたって上記のように平面視における最大寸法が0.5mm以上となっている。なお当該最大寸法は0.6mm以上となっていることがより好ましく、0.8mm以上となっていることがいっそう好ましく、1mm以上となっていることがさらにいっそう好ましい。
図4を参照して、貫通孔3の形成後に、セラミックグリーンシート1のたとえば下側の主表面1b(一方の主表面)にフィルム状材料4が貼り付けられる。フィルム状材料4は平面視においてたとえばセラミックグリーンシート1とほぼ同じサイズおよび形状を有する平板状の部材である。フィルム状材料4は後述する貫通孔3内に金属材料を供給する際に、供給した当該金属材料がセラミックグリーンシート1の主表面1b側から外部へ漏出(印刷機のステージ台へ脱落)することを抑制し、当該金属材料を下側から支えることによりセラミックグリーンシート1内に安定に保持する目的で貼り付けられる。フィルム状材料4は25mm幅の領域内における、セラミックグリーンシート1と密着するための粘着力がたとえば0.08N以上0.27N以下であることが好ましい。フィルム状材料4の好ましい厚さについては後述する。
図5を参照して、セラミックグリーンシート1のフィルム状材料4が貼り付けられた側の主表面1bとは反対側にある図の上側の主表面1f(他方の主表面)から、小径貫通孔3s内に小径金属材料層5が充填される。この小径金属材料層の充填には、公知のスクリーン印刷法が用いられる。これにより、当該小径貫通孔3s内にはペースト状の金属材料が供給され、これにより小径金属材料層5が形成される。
ここで充填される小径金属材料層5としては、電気伝導性が高い導電性材料が用いられることが好ましい。具体的には、小径金属材料層5は、銀、銀およびパラジウムの混合物、金からなる群から選択されるいずれかの金属粉末が溶媒中に分散されたペースト状の金属材料を小径貫通孔3s内に供給することにより形成される。しかし本実施の形態においては、一例として銀粉が溶媒中に分散されたペースト状の金属材料により、小径金属材料層5が形成される。
図6を参照して、次に小径貫通孔3sより大きい大径貫通孔3b内に金属材料を充填するための転写用基材6が準備される。転写用基材6は、たとえばフィルム状基材6aと、緩衝材7と、転写用金属材料層2a(孔内金属材料層)とを有しているがこれに限られない。
フィルム状基材6aは、セラミックグリーンシート1とは異なる材料により形成され、図示されないが平面視においてたとえば矩形状、特にセラミックグリーンシート1とほぼ同じサイズおよび形状を有している。ここでは一例としてフィルム状基材6aはポリエステルフィルムにより形成されるものとする。フィルム状基材6aの厚さはおよそ0.05mm以上0.1mm以下であることが好ましく、ここでは一例としてフィルム状基材6aの厚さは0.1mm程度であるものとする。
転写用金属材料層2aは、フィルム状基材6aの図6の下側の主表面上の少なくとも一部の領域(たとえば中央部であり、後の転写時における大径貫通孔3bに対応する位置)に、たとえば公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより形成される。ここで供給されるペースト状の金属材料は、たとえば銀粉が溶媒中に分散されたペースト状の金属材料である。たとえば大径貫通孔3bが円形の平面形状を有する場合、図示されないが転写用金属材料層2aも円形の平面形状を有している。
印刷により薄膜状に供給されたペースト状の転写用金属材料層2aは、たとえば50℃以上60℃以下の加熱温度で15分以上20分以下の時間保持されることにより乾燥される。このようにすれば、フィルム状基材6aを変形させることなく、転写用金属材料層2aを乾燥させることができる。乾燥後の転写用金属材料層2aの厚さは0.06mm以上0.08mm以下であることが好ましい。
なおここで乾燥とは、たとえば元々のペースト状の転写用金属材料層2aに含まれる溶媒が蒸発し、たとえば手で触れてもペーストが手に付着しない程度に転写用金属材料層2aが固化された状態を意味する。
転写用基材6においては、フィルム状基材6aの図6の上側の主表面上に積層されるように、たとえばシリコーンゴムからなる緩衝材7が載置されていることが好ましいが、このような態様に限られない。この緩衝材7はフィルム状基材6aと同じ平面形状およびサイズを有し、その厚さは大径貫通孔3bの平面視における孔径(大径貫通孔3bが矩形である場合は上記定義による最大寸法)の1/3以上1/2以下であることが好ましい。以上により、乾燥された転写用金属材料層2aを有する転写用基材6が形成される。
転写用金属材料層2aが乾燥された後に、形成された転写用基材6が、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1f(他方の主表面)に対峙するようにセットされる。具体的には、転写用基材6は、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1fのうち特に大径貫通孔3bに転写用金属材料層2aが対向する(平面視において重なる)ように位置合わせされる。この状態の転写用基材6がセラミックグリーンシート1上に積層された状態である。
次にこの状態で、転写用基材6の上方から下方へ、またフィルム状材料4の下方から上方へ、圧力Fが印加される。このとき特に、転写用金属材料層2aが大径貫通孔3b内に接触するように、転写用基材6とセラミックグリーンシート1とが加圧される。これにより、フィルム状基材6aの下側の主表面上の転写用金属材料層2aが、大径貫通孔3b内に転写される。
この加圧処理においては、転写用基材6が積層されたセラミックグリーンシート1が、あらかじめ真空パックにより密封され、その密封されたものに対して水圧を加えることにより加圧する水圧プレス機が用いられた。加圧処理の条件としては、液温が80℃以上90℃以下に加温された温水中に、真空パックにより密封された、セラミックグリーンシート1と転写用基材6との積層体が投入される。その状態で、30MPa以上40MPa以下のプレス圧(図6の圧力F)が20分以上30分以下の時間加えられる。
たとえば圧力Fが5MPa未満であれば、フィルム状基材6a上の転写用金属材料層2aはまったく大径貫通孔3b内に転写されない。圧力Fが10MPa以上20MPa未満であれば、転写後に転写用金属材料層2aの一部がフィルム状基材6a上に残存する。圧力Fを30MPa以上40MPa以下とすることにより、転写用基材6に形成された転写用金属材料層2aをフィルム状基材6a上に残存させることなくすべて大径貫通孔3b内に転写させることができる。
図7を参照して、大径貫通孔3b内が転写用金属材料層2aで充填されたところで、転写用基材6がセラミックグリーンシート1から剥離される。転写用金属材料層2aは大径貫通孔3b内の全体に充填されることが好ましいが、大径貫通孔3b内の最上部にこれが充填されない空間(空隙)を形成するように充填されてもよい。
なおフィルム状基材6aの上に緩衝材7が載置されることにより、図6の加圧工程において緩衝材7が変形する。この変形により、大径貫通孔3b内へ転写用金属材料層2aが転写されやすくなる。緩衝材7の厚さは、大径貫通孔3b内へ転写用金属材料層2aの転写状態の良否に影響する。具体的には、たとえば大径貫通孔3bのように直径0.5mm以上1mm以下の領域に良好に(転写用基材6に転写用金属材料層2aが残存しないように)転写する場合、当該孔径の1/3以上1/2以下の厚さの緩衝材7が用いられることがより好ましい。
図8を参照して、図6の転写させる工程の後、転写用金属材料層2aが転写された大径貫通孔3b、および小径金属材料層5が形成された小径貫通孔3sを覆うように、(基本的に大径貫通孔3bおよび小径貫通孔3sのそれぞれよりも平面積が大きい)配線パターン2bが形成される。この配線パターン2bは最終的に孔外金属材料層となるものである。
配線パターン2bは、セラミックグリーンシート1の貫通孔3(を充填する転写用金属材料層2aおよび小径金属材料層5)を覆うように、たとえば公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより形成される。ここで供給されるペースト状の金属材料は、たとえば銀粉が溶媒中に分散されたペースト状の金属材料である。
転写用金属材料層2aおよびこれを覆う配線パターン2bにより、大径貫通孔3bと平面的に重なる領域には、放熱ビアパターン2が形成される。
図9を参照して、放熱ビアパターン2が形成された後、セラミックグリーンシート1の下側の主表面1bに貼り付けられていたフィルム状材料4が、セラミックグリーンシート1の主表面1bから剥がされる。
図10を参照して、図2〜図9の工程、すなわちセラミックグリーンシート1を準備して貫通孔3(3b,3s)を形成する工程、フィルム状材料4を貼り付ける工程、転写用基材6を対峙させる工程および転写用金属材料層2aを転写させる工程などが繰り返される。これにより、図9と同様の態様を有する、すなわち大径貫通孔3b内に転写用金属材料層2aなどが転写され放熱ビアパターン2等が形成されたセラミックグリーンシート1が複数準備される。
なお基本的に図9に示すように、配線パターン2bはセラミックグリーンシート1の上側の主表面1fにおいて大径貫通孔3bなどを覆うように形成されることが好ましい(つまり下側の主表面1bには配線パターン2bが形成される必要はない)。しかし図10に示すように、最終的に最下層に積層されるべきセラミックグリーンシート1については、大径貫通孔3bなどを上下側の双方から覆うように、つまり主表面1fと主表面1bとの双方に、配線パターン2bが形成されることが好ましい。また基本的にいずれのセラミックグリーンシート1にも、平面視における同じ位置に(互いに重なり合うように)同じサイズの貫通孔3、転写用金属材料層2a、配線パターン2b、小径金属材料層5などが形成される。
次に形成された複数のセラミックグリーンシート1のそれぞれが重ね合わせ積層される。このときそれぞれのセラミックグリーンシート1の小径金属材料層5および転写用金属材料層2a、配線パターン2bなど同士が互いに重畳するように位置合わせされる。
このように複数のセラミックグリーンシート1が積層された状態で、たとえば上記図6の工程と同様に水圧プレス機を用いて、積層されたセラミックグリーンシート1の最上部の主表面1fの上方から下方へ、また積層されたセラミックグリーンシート1の最下部の主表面1bの下方から上方へ、圧力Fが印加される。このときの加圧工程の条件は、たとえば図6の工程における加圧工程の条件と同様(すなわち30MPa以上40MPa以下のプレス圧が20分以上30分以下の時間印加)とする。
図11を参照して、上記の圧力Fによる加圧により、互いに積層された複数のセラミックグリーンシート1のそれぞれの配線パターン2bが、その直上に積層されたセラミックグリーンシート1の転写用金属材料層2aと接触する態様となる。また同様に、上記の加圧により、互いに積層された複数のセラミックグリーンシート1のそれぞれの配線パターン2bが、その直上に積層されたセラミックグリーンシート1の小径金属材料層5と接触する態様となる。これにより、積層された複数の転写用金属材料層2aおよび配線パターン2bは一体化される。同様に、積層された複数の小径金属材料層5および配線パターン2bも一体化される。
図12を参照して、積層および熱圧着されたセラミックグリーンシート1が任意の形に切断された上で、これが焼結される。
焼結の処理は大気雰囲気中で行なわれる。焼結温度および焼結時間は、焼結後のセラミック焼結体が所望の形状となるように設定される。ここでは、焼結温度を900℃以下とし、焼結時間は1時間以上5時間以下とする。焼成炉内に図11に示す積層されたセラミックグリーンシート1が投入された状態で、セラミックグリーンシート1と転写用金属材料層2a、配線パターン2b、小径金属材料層5とが同時に焼結される。この焼結によりセラミックグリーンシート1は収縮され、それらが一体化された単一のセラミック基板11となる。また転写用金属材料層2aは焼結により孔内金属材料層12aとなり、配線パターン2bは焼結により孔外金属材料層12bとなり、小径金属材料層5は小径ビア15となる。孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに密着して一体の放熱ビア12を構成するのと同様に、孔外金属材料層12bと小径ビア15とは互いに密着して一体の配線領域を構成する。
以上により、本実施の形態の実装用基板10が完成する。つまり図12の実装用基板10は基本的に図1の実装用基板10と同一の態様であるが、セラミック基板11がセラミックグリーンシート1の積層により形成されることを強調する観点から、各層の境界部を実線で示している。
以上のように、本実施の形態においては、転写用金属材料層2aを大径貫通孔3b内に転写させたセラミックグリーンシート1が複数形成された後、これらが積層、加圧および一体化される前に、それぞれのセラミックグリーンシート1の下側の主表面1bに貼り付けられたフィルム状材料4がセラミックグリーンシート1から剥がされる。ここで、上記のように大径貫通孔3b内に転写用金属材料層2aを安定に供給する目的でセラミックグリーンシート1の下側の主表面1bに貼り付けられるフィルム状材料4について詳細に説明する。
フィルム状材料4は、貫通孔3内へ金属材料層2a,5を供給する際に金属材料層2a,5の脱落を抑制するとともに、最終的に形成される放熱ビア12の仕上がり形状(平面視における径)を左右する因子である。
以下の表1は、平面視において縦200mm、横200mmの矩形状を有し、平面視において0.15mm以上1.0mm以下の範囲内の様々な直径を有する複数の円形の貫通孔3があらかじめ孔加工機により形成された、本実施の形態のフィルム状材料4の厚さを様々に変えて試験がなされた結果を示す。つまり表1は、厚さの異なる複数のセラミックグリーンシート1のそれぞれの下側の主表面1bに本実施の形態のフィルム状材料4が貼り付けられた状態で、貫通孔3内に公知のスクリーン印刷法を用いてペースト状の金属材料が充填されたときの充填状態を示す。なお表1の試験において用いられたフィルム状材料4は、25mm幅の領域内における、セラミックグリーンシート1と密着するための粘着力が0.17Nであり、ポリエステルフィルムにより形成されている。なお表1中の充填状態の欄が「異常なし」とある場合、フィルム状材料4が貼り付けられペースト状の金属材料が充填された状態においてセラミックグリーンシート1の目立った反りまたは貫通孔3の形状崩れが発生していないことを示す。また当該試験に用いられたセラミックグリーンシート1の厚さは0.1mmであった。
表1を参照して、セラミックグリーンシート1の厚さが0.1mmである場合、フィルム状材料4の厚さが0.3mm程度まで厚くなれば、これをセラミックグリーンシート1の主表面1bに貼り付けた際にセラミックグリーンシート1自体が大きく反り、貫通孔3への印刷充填時に障害が発生した。具体的には、セラミックグリーンシート1の反りにより、印刷機のステージ台へセラミックグリーンシート1が吸着できなくなった。
一方、フィルム状材料4の厚さが0.02mmにまで薄くなれば、フィルム状材料4を貼り付けた後のセラミックグリーンシート1は剛性が小さくなる。このため工程間をセラミックグリーンシート1が流動する際に、そのセラミックグリーンシート1の取り扱いが著しく困難となった。具体的には、セラミックグリーンシート1に形成された比較的大きな貫通孔3(平面視における直径が0.6mm以上1.0mm以下)が形成された部分においてセラミックグリーンシート1の割れが発生した。したがって、セラミックグリーンシート1の厚さが0.1mmである場合、フィルム状材料4の厚さが0.02mmにまで薄くなれば、フィルム状材料4をキャリアフィルムとして用いることができないことが判明した。以上の結果より、本実施の形態においては、フィルム状材料4の厚さは0.05mm以上0.12mm以下の範囲とすることが好ましいとされ、0.05mm以上0.12mm以下の厚さを有するフィルム状材料4が用いられた。
次に、フィルム状材料4は、(一部上述しているが)ポリエチレンテレフタラートまたはポリエステルにより形成されていることが好ましいが、本実施の形態においては一例としてポリエステル製のフィルム状材料4が用いられる。フィルム状材料4はセラミックグリーンシート1に対する粘着性を確保するために粘着材が供給される。この粘着材としては、焼結直前のセラミックグリーンシート1の表面上に残存しない状態とすることが可能であれば、市販の材料を用いることができる。本実施の形態においては一例として、アクリル系の粘着材が塗布されたフィルム状材料4が用いられた。
次に、以下の表2に示すように、上記の粘着材の粘着力の最適値について、以下の各条件を前提に、以下のように導出した。第1の条件は、貫通孔3内に金属材料を充填する際にフィルム状材料4がセラミックグリーンシート1から剥離しないことである。第2の条件は、フィルム状材料4が貼り付けられたセラミックグリーンシート1が印刷機などのステージ台に吸着固定可能な程度に十分な粘着力を有することである。第3の条件は、焼結直前の処理(図11参照)によりフィルム状材料4をセラミックグリーンシート1から剥離することが可能であり、かつ当該剥離の際に貫通孔3内に充填されている金属材料が貫通孔3から脱落しないことである。
より具体的には、厚さが0.1mmであり、平面視において0.15mm、0.3mm、0.5mm、0.6mm、1.0mmおよび1.2mmの様々な直径を有する複数の円形の貫通孔3が多数形成されたセラミックグリーンシート1が複数(ここでは7枚)準備された。このセラミックグリーンシート1の下側の主表面1bに、粘着力の異なる様々なフィルム状材料4が貼り付けられた。この状態で、銀の粉末がペースト状にされた金属材料が、公知のスクリーン印刷法により、上記複数の貫通孔3内に充填された(いずれの貫通孔3もその下にセラミックグリーンシート1が貼り付けられている)。その後、フィルム状材料4が剥離され、その際に各サイズの貫通孔3内の金属材料の脱落(充填抜け)が起こるか否かについて調べている。これを異なる粘着力のフィルム状材料4が貼り付けられた7枚のサンプルのそれぞれに対して調べ、金属材料の充填抜けが発生した割合(%)を示している。なお多数の貫通孔3のうち互いに隣り合う1対の貫通孔3の間隔は、貫通孔3の平面視における直径の約2倍であり、各サンプルには各サイズの貫通孔3が50個または100個ずつ形成されている。
表2を参照して、貫通孔3の直径が0.15mmと小さい場合には、フィルム状材料4の粘着力の大小にかかわらず、金属材料の充填抜けは発生しなかった。これに対して、貫通孔3の直径が0.3mm以上である場合には充填抜けが発生した。セラミックグリーンシート1の厚さに対する貫通孔3の直径の比が大きくなるにつれて充填抜けが高い割合で発生した。すなわち、特に貫通孔3が大きくなれば、この内部に充填された金属材料が貫通孔3の内側面からの力だけでは十分に支えられないため、フィルム状材料4の剥離時に貫通孔3内に充填されている金属材料がフィルム状材料4に付着して充填抜けが発生した。
なお同じ直径の貫通孔3同士で比較すれば、粘着力の大きいフィルム状材料4を剥離する際にはより高い割合で充填抜けが発生している。これはフィルム状材料4を剥離する際に、これと接触する貫通孔3内の金属材料がより強い力でフィルム状材料4に引っ張られやすいためであると考えられる。
この結果を踏まえて本願の発明者は鋭意研究を行ない、充填抜けの原因となるフィルム状材料4の剥離工程に着目して、セラミックグリーンシート1の厚さ(0.1mm)に対して3倍から6倍程度の直径を有する貫通孔3内の金属材料についてもフィルム状材料4の剥離時に脱落しない手法について検討した。
一般的には上記のように、タングステンまたは銀などの粉末がペースト状になった導電性材料が供給されることにより、配線またはビアが形成される。しかし本実施の形態においては上記のように、貫通孔3(大径貫通孔3b)内にペースト状金属材料を供給する代わりに、転写用基材6に形成された乾燥された転写用金属材料層2aを供給する方法が用いられた。その結果、表示されていないが、貫通孔3の直径が0.6mm、1.0mmおよび1.2mmと大きい場合においても充填抜けの発生確率をゼロにすることができた。
次に、図13〜図15を参照しながら、本実施の形態の作用効果について説明する。
図13(A),(B),(C)を参照して、以上の製造方法により形成された実装用基板10は、(図1に示すように)全体の基材となる複数のセラミックグリーンシートが積層されることにより、複数の孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに間隔をあけずに密着するように接触している。これら複数の孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが一体の放熱ビア12を構成している。
なお図13においては、放熱ビア12を構成する、最上部および最下部以外の(1対のセラミックグリーンシート1に挟まれた)孔外金属材料層12bの図示が省略されている。このことは以降の実施の形態においても同様である。
放熱ビア12の最上部を構成する孔外金属材料層12bの上側の主表面には、半導体チップ8が載置され実装されている。この半導体チップ8には半導体素子が搭載されている。
本実施の形態により形成された放熱ビア12は、実装用基板10の一方の主表面であるたとえば図13(C)の放熱ビア12の最下面(孔外金属材料層12b)から、他方の主表面であるたとえば図13(C)の放熱ビア12の最上面(孔外金属材料層12b)まで柱状に延びている。つまり当該放熱ビア12の最下部の孔内金属材料層12aから最上部の孔内金属材料層12aまでの全体にわたり、その最大寸法が0.5mm以上となっている。つまり本実施の形態においては、(孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとの平面積の差はあるにせよ)たとえば放熱ビア12がその厚さ方向に関する下方に向けて平面積が次第に小さくなり尻すぼみのような形状(錘状)になっているようなことはない。
このため、たとえば放熱ビア12の下方が上方よりも平面積が小さくなる場合に想定される、放熱ビア12の下方での放熱効果の低下を抑制することができ、放熱ビア12の最上部から最下部まで同様に放熱効率を発揮することができる。したがって、図13(C)に示すように半導体チップ8が載置される放熱ビア12の最上部から、熱が外部に放出される放熱ビア12の最下部まで孔内金属材料層12aおよび孔外金属材料層12bが一体として連結され放熱性の高い放熱ビア12を提供することができる。
またそれぞれのセラミックグリーンシート1に形成された孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが一体となるように連結されることで放熱ビア12が形成されている。したがって放熱ビア12の最上部の熱が最下部に向けて伝えられる際に、その伝熱が遮断される部分がなくなるため、高効率に放熱することが可能となる。
次に、図14〜図15を用いて、上記の製造方法により形成された実装用基板10の特に放熱ビア12の態様について説明する。
図14を参照して、これは1枚のセラミックグリーンシート1に金属材料が充填された状態を平面視した態様を示している。具体的には、図14は、横方向の平面視における寸法が約1mmである大径貫通孔3b内に金属材料が充填された構成を有している。
図15を参照して、このグラフの横軸は図14の大径貫通孔3b内の金属材料が充填された部分の横方向の座標を示しており、このグラフの縦軸は図14の大径貫通孔3b内に充填された金属材料の、紙面に交差する方向すなわちZ方向の座標を示している。なお図14および図15において用いられたセラミックグリーンシート1の厚さは約0.1mmである。
図15においては、大径貫通孔3b内の金属材料が、比較例として公知のスクリーン印刷法により充填された例(図中「印刷法」と記載)および、本実施の形態における転写用基材6の転写用金属材料層2aにより転写された例(図中「転写法」と記載)のそれぞれにおける、当該金属材料の表面形状が示されている。なお印刷法のデータにおいては、ペースト状の金属材料がスクリーン印刷法により充填され、それが乾燥した後の当該金属材料の表面形状が示されている。印刷法および転写法のいずれのサンプルについても、金属材料を充填する前にセラミックグリーンシート1の下側の主表面1bにフィルム状材料4が貼り付けられた。
金属材料が充填された後にフィルム状材料4が剥がされたが、その際、印刷法により充填された金属材料は大径貫通孔3bから下方へ脱落した。これに対し、転写法により充填された金属材料は、フィルム状材料4を剥がしても大径貫通孔3bから脱落しなかった。
なお転写法のデータにおいて、横軸の座標が約0.5mmおよび約1.5mmの箇所に、Z方向上方に大きく突起した領域が存在するが、これは図14に示すように、転写用金属材料層2aの平面積が大径貫通孔3bの平面積よりも大きく、転写用金属材料層2aの転写の際に大径貫通孔3bの内側面において転写用金属材料層2aの一部がZ方向上方に大きくはみ出すためである。
上記の結果および表2の結果は、本実施の形態のように、特に最大寸法が0.5mmを超える大径貫通孔3b内を金属材料で充填する際には、ペースト状の金属材料が供給されるよりも、乾燥された転写用金属材料層2aが転写される方が好ましいことを示している。そして本実施の形態においては、大径貫通孔3b内には既に乾燥された転写用金属材料層2aが充填される。このため粘着性を有するフィルム状材料4の剥離時に、フィルム状材料4の粘着力によりフィルム状材料4が引き裂され大径貫通孔3bから脱落する可能性を低減することができる。
これは以下の理由による。ペースト状の金属材料がスクリーン印刷法により供給される場合も、転写用金属材料層2aが転写される場合も、フィルム状材料4の剥離時には金属材料が乾燥していることには変わりがない。しかしスクリーン印刷法によるペースト供給の場合、ペースト状の金属材料は流動性がよいため、フィルム状材料4の表面にまでペーストがいきわたりやすい。このためフィルム状材料4の表面と当該ペースト状の金属材料とが(乾燥後においても)接触するため、フィルム状材料4の剥離時に金属材料の脱落が起こりやすくなる。一方、既に乾燥された転写用金属材料層2aが転写供給される場合には、転写後において、転写用金属材料層2aとその真下のフィルム状材料4とは接触せず、両者の間にたとえば10μm程度のわずかな隙間が存在することになる。このためフィルム状材料4の剥離時に併せて転写用金属材料層2aが脱落する可能性を低減することができる。
なお本実施の形態においては小径貫通孔3s内の充填は転写工程を用いず、スクリーン印刷法で行なっている。これは小径貫通孔3s内のペースト状の金属材料は大径貫通孔3b内に比べて脱落の可能性が低いためでもあるが、そもそも小径貫通孔3s内には転写がしにくいためでもある。つまり転写用基材6においてフィルム状基材6aの上に配置される緩衝材7は、加圧工程の際に小径貫通孔3sの細い幅に追随するように変形することが困難である。このため小径貫通孔3s内に金属材料を充填する際にはスクリーン印刷法が用いられることが多い。
次に、本実施の形態においては、大径貫通孔3b内に転写される時点ですでに転写用金属材料層2aは乾燥されている。このため転写用金属材料層2aが大径貫通孔3b内に供給されても大径貫通孔3bの内側面(セラミックグリーンシート1)がペースト状の金属材料に含まれる溶媒により損傷を受けるリスクを排除することができる。したがってペースト状の金属材料に用いる溶媒の制約を減らすことができるため、その選択幅を広げることができる。また最大寸法が0.5mmを超えるような大径貫通孔3b内に転写用金属材料層2aが転写されるため、ペースト状の金属材料の設計時に、これが充填される貫通孔のサイズが小さいことによる溶媒の材質選択幅の制限を解消させることもできる。このことからもペースト状の金属材料の設計の自由度が大きくなる。
また本実施の形態においては、孔内金属材料層2aが転写された複数のセラミックグリーンシート1同士が積層された状態で加圧され、これらの孔内金属材料層2a同士が一体となるように加工される。これにより、大径貫通孔3b内に充填された孔内金属材料層2aと、大径貫通孔3bを覆う配線パターン2bとが一体化し、孔内金属材料層2aと孔外金属材料層2bとが緻密に結合された状態で焼結される。このため最終的に形成される放熱ビア12を構成する金属材料の密度を高くすることができ、当該放熱ビア12の放熱性をより高めることができる。
さらに、本実施の形態においては個々のセラミックグリーンシート1の貫通孔3に対して先に孔内金属材料層2aを充填してからこれらが積層され一体化される。このため、たとえばセラミックグリーンシート1の貫通孔3が充填されないまま先に複数のセラミックグリーンシート1が積層され、最後に一括して充填される場合に発生し得る、当該金属材料の斑な充填状態や、それに起因するセラミック基板の反りなどの不具合を抑制することができる。
その他、本実施の形態においては、各孔内金属材料層12a(転写用金属材料層2a)の間に挟まるように、孔外金属材料層12b(配線パターン2b)が形成される。これにより、各孔内金属材料層12a(転写用金属材料層2a)の間の平面視における位置ずれを補償することができる。また焼結工程においてセラミックグリーンシート1が縮んだ際に、大径貫通孔3bの周囲においてセラミックグリーンシート1(セラミック基板11)がひび割れを起こす可能性を低減することができる。以上により、孔外金属材料層12b(配線パターン2b)が形成されることにより、各金属材料層同士をより確実に密着するように一体化させることができ、結果として放熱ビア12の放熱性をより高めることができる。
仮に大径貫通孔3bの内壁面(その内部の孔内金属材料層12a)が露出すれば、焼結時に当該部分を起点とするひび割れが起こる可能性がある。しかし孔外金属材料層12bを孔内金属材料層12aよりも平面視においてやや大きくなるように形成することにより、孔内金属材料層12aは完全に孔外金属材料層12bに覆われ露出しなくなる。このため各孔内金属材料層12a(転写用金属材料層2a)の間の平面視における位置ずれを吸収し、ひび割れを抑制する効果がより高められる。
(実施の形態2)
本実施の形態において形成される実装用基板10および放熱ビア12の態様は基本的に実施の形態1の図1および図13に示す実装用基板10および放熱ビア12と同様であるため、ここではその説明を省略する。ここで図16〜図17を用いて、本実施の形態の実装用基板10の製造方法について説明する。
本実施の形態においても、まずは実施の形態1の図2〜図5の工程と同様の処理がなされる。これらの各工程については実施の形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図16を参照して、実施の形態1の図2〜図5の工程の後、実施の形態1の図6の工程と同様に、金属材料を充填するための転写用基材6が準備される。この転写用基材6は、フィルム状基材6aと、緩衝材7と、転写用金属材料層2aと、転写用金属材料層2c(孔外金属材料層)とを有している。この点において本実施の形態の転写用基材6は、実施の形態1(図6)の転写用基材6(フィルム状基材6aと、緩衝材7と、転写用金属材料層2aとのみを有する)とは構成上異なっている。つまり図16の転写用基材6は、放熱ビアパターン2が、転写用金属材料層2aと転写用金属材料層2cとを有している。
転写用金属材料層2cは、フィルム状基材6aの図16の下側の主表面上の少なくとも一部の領域に(複数)形成されている。転写用金属材料層2cは、転写用金属材料層2aと同様に、たとえば公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより形成される。ここで転写用金属材料層2cを形成するために供給されるペースト状の金属材料は、たとえば銀粉が溶媒中に分散されたペースト状の金属材料である。
転写用金属材料層2cは、最終的に大径貫通孔3b(転写用金属材料層2a)および小径貫通孔3s(小径金属材料層5)を覆う、実施の形態1の配線パターン2bと同じ役割を有するものとして形成される。したがって転写用基材6において転写用金属材料層2cは、後の転写時における大径貫通孔3b(転写用金属材料層2a)および小径貫通孔3s(小径金属材料層5)を覆うことを可能とする位置に形成される。
フィルム状基材6aに転写用金属材料層2cが形成された後に、たとえば図の中央部の大きい転写用金属材料層2cの少なくとも一部の領域(後の転写時における大径貫通孔3bに対応する位置)に、実施の形態1と同様に大径貫通孔3b内を充填するための転写用金属材料層2aが対応する位置に形成される。
なお、転写用金属材料層2c,2aを形成するための印刷および乾燥の条件等については実施の形態1の転写用金属材料層2aと同様である。また緩衝材7についても基本的に実施の形態1と同様である。以上により、乾燥された転写用金属材料層2a(孔内金属材料層)とともに乾燥された転写用金属材料層2c(孔外金属材料層)を有する転写用基材6が形成される。
転写用金属材料層2a,2cが乾燥された後に、実施の形態1(図6)と同様に、転写用基材6が、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1f(他方の主表面)に対峙するようにセットされる。つまり転写用基材6は、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1fのうち特に大径貫通孔3bに、転写用金属材料層2aおよび転写用金属材料層2cが積層された部分が対向する(平面視において重なる)ように位置合わせされる。また転写用基材6は、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1fのうち特に小径貫通孔3s(小径金属材料層5)に、転写用金属材料層2cのみが形成された部分が対向する(平面視において重なる)ように位置合わせされる。
この状態で転写用基材6の上方から下方へ、またフィルム状材料4の下方から上方へ、たとえば水圧プレス機により圧力Fが印加される。このとき印加される圧力Fは、実施の形態1の図6の工程において印加される圧力Fよりもやや強く、たとえば40MPa以上50MPa以下であることが好ましい。
図17を参照して、上記圧力Fの印加により、転写用基材6の転写用金属材料層2aが大径貫通孔3b内に転写されるのと同時に、転写された転写用金属材料層2aを覆うように大径貫通孔3b上および小径貫通孔3s上(上側の主表面1f上)には転写により転写用金属材料層2cが形成される。
これ以降の工程については基本的に実施の形態1の図9〜図12の工程と同様であるため、ここではその説明を省略する。最終的に焼結工程により、転写用金属材料層2aは実施の形態1と同じ孔内金属材料層12aとなるが、転写用金属材料層2cは実施の形態1の孔外金属材料層12bとなる。
なお、これ以外の本実施の形態の製造方法の手順は、実施の形態1とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態においては、実施の形態1の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
本実施の形態においては、転写用金属材料層2aのみならず、実施の形態1の配線パターン2bに相当する転写用金属材料層2c(孔外金属材料層)もが、転写用基材6に形成された乾燥された転写用金属材料層2cの転写により形成される。これにより、たとえば実施の形態1の配線パターン2bのように、溶媒成分を含むペースト状金属材料がセラミックグリーンシート1に供給されることによりセラミックグリーンシート1が損傷(変形または割れ)を受ける可能性を低減することができる。
また本実施の形態においては、セラミックグリーンシート1への転写用金属材料層2aの供給と同じ工程にて併せて転写用金属材料層2cを供給することができる。このため、転写用金属材料層2aと配線パターン2bとが別の工程により供給される実施の形態1に比べて、工程数を削減しコスト削減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態において形成される実装用基板10および放熱ビア12の態様は、基本的に実施の形態1の図1および図13に示す実装用基板10および放熱ビア12と同様であるため、ここではその説明を省略する。ここで図18〜図22を参照して、かつ一部上記と重複する箇所もあるが適宜実施の形態1の製造工程を示す各図を参照しながら、本実施の形態の第1例に係る実装用基板10の製造方法について説明する。
まず図2および図3を参照して、実施の形態1と同様に、貫通孔3(大径貫通孔3bおよび小径貫通孔3s)が形成されたセラミックグリーンシート1が準備される。図4を参照して、セラミックグリーンシート1のたとえば下側の主表面1b(一方の主表面)にフィルム状材料4(第1のフィルム状材料)が貼り付けられる。図5を参照して、小径貫通孔3s内に小径金属材料層5が充填される。
図6を参照して、乾燥された転写用金属材料層2a(第1の孔内金属材料層)を有する転写用基材6が準備される。この転写用基材6の転写用金属材料層2aが乾燥された状態で、転写用基材6がセラミックグリーンシート1の上側の主表面1f(他方の主表面)に対峙される。具体的には、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1fの大径貫通孔3bに転写用金属材料層2aが対向するように、転写用基材6が対峙される。
図7を参照して、転写用基材6とセラミックグリーンシート1とを加圧することにより、転写用金属材料層2aが大径貫通孔3b内に転写される。図8を参照して、図6の転写させる工程の後、転写用金属材料層2aが転写された大径貫通孔3b、および小径金属材料層5が形成された小径貫通孔3sを覆うように、配線パターン2b(孔外金属材料層)が形成される。配線パターン2bは、公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより形成される。
図18を参照して、図8のように転写用金属材料層2aが転写され、かつ配線パターン2bが形成されたセラミックグリーンシート1の上側の主表面1b上に、図2が示すセラミックグリーンシート1に形成された貫通孔3と平面視において重なる位置に同様のサイズおよび形状の貫通孔3が形成された他のセラミックグリーンシート1が載置される。これにより、転写用金属材料層2aが転写されたセラミックグリーンシート1と、図18において初出の他のセラミックグリーンシート1とは、それらの貫通孔3同士が互いに重畳するように位置合わせされた上で積層される。つまり下のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bと上のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bとが互いに重畳するように、かつ下のセラミックグリーンシート1の小径貫通孔3sと上のセラミックグリーンシート1の小径貫通孔3sとが互いに重畳するように、セラミックグリーンシート1同士が積層される。
他のセラミックグリーンシート1は、積層される時点では大径貫通孔3b、小径貫通孔3sともに金属材料は充填されていなくてもよい。次いで2つのセラミックグリーンシート1が重ね合わせられた状態で、たとえば上記図6の工程と同様に水圧プレス機を用いて、積層されたうち上層のセラミックグリーンシート1の最上部の主表面1fの上方から下方へ、また積層されたうち下層のセラミックグリーンシート1の最下部の主表面1bの下方から上方へ、圧力Fが印加される。ただしこのときの圧力Fは、上記の実施の形態1の図10の工程において印加される圧力Fよりも弱く、0.5MPa以上1MPa以下であることが好ましい。
本実施の形態においては後述のようにセラミックグリーンシート1を積層して加圧する工程を1回以上(通常は2回以上)繰り返すことによりセラミックグリーンシート1が複数積層された構成を得るため、個々の加圧工程において印加される圧力Fは、セラミックグリーンシート1同士が圧着可能な限りなるべく弱い力であることが好ましい。
図19を参照して、図18において他のセラミックグリーンシート1が積層され加圧された後、当該上層のセラミックグリーンシート1の貫通孔3内に、第2の孔内金属材料層が充填される。
具体的には、当該上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3b内および小径貫通孔3b内に同時に、公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が塗布および充填され、さらにこのペースト状の金属材料が乾燥される。これにより上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bが塗布金属材料層2d(第2の孔内金属材料層)により充填され、転写用金属材料層2aと配線パターン2bと塗布金属材料層2dとが互いに積層された構成が形成される。また上層のセラミックグリーンシート1の小径貫通孔3sを充填する小径金属材料層5が併せて形成される。
図20を参照して、図19の工程において転写用金属材料層2aが転写された大径貫通孔3b、および小径金属材料層5が形成された小径貫通孔3sを覆うように、再度配線パターン2b(孔外金属材料層)が形成される。配線パターン2bは、公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより形成される。
その後、上層のセラミックグリーンシート1の上側の主表面1b上に再度、図2が示すセラミックグリーンシート1に形成された貫通孔3と平面視において重なる位置に図2と同様のサイズおよび形状の貫通孔3が形成された他のセラミックグリーンシート1が載置される。そして積層された最上層のセラミックグリーンシート1の最上部の主表面1fの上方から下方へ、また積層された最下層のセラミックグリーンシート1の最下部の主表面1bの下方から上方へ、圧力Fが印加される。これにより最上層のセラミックグリーンシート1が、積層されたセラミックグリーンシート1の上に圧着される。ここでの積層および加圧工程の条件等は、図18の工程における積層および加圧工程の条件等と同様である。
図21を参照して、図20の工程において積層された最上層のセラミックグリーンシート1の貫通孔3に、第2の孔内金属材料層が充填される。具体的な手法は、図19の工程において上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3b内および小径貫通孔3s内に金属材料が充填されるのと同じである。すなわち大径貫通孔3b内および小径貫通孔3s内に同時に、公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が塗布および充填され、さらにこのペースト状の金属材料が乾燥される。これにより上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bが塗布金属材料層2d(第2の孔内金属材料層)により充填され、上層のセラミックグリーンシート1の小径貫通孔3sが小径金属材料層5により充填される。
以降、図18および図20のようにセラミックグリーンシート1を積層する工程と、(これを加圧したうえで)図19および図21のように当該セラミックグリーンシート1の大径貫通孔3b内および小径貫通孔3s内に同時に塗布金属材料層2dおよび小径金属材料層5が充填される工程とが1回以上(通常は2回以上)繰り返される。これにより、所望の積層数のセラミックグリーンシート1を有する構成が形成される。
図22を参照して、図21により形成されたセラミックグリーンシート1の積層構造のうち最後に積層された、すなわち最上部のセラミックグリーンシート1の上側の主表面1f上に、当該最上部の配線パターン2bを覆うように、フィルム状材料4(第2のフィルム状材料)が貼り付けられる。これにより、当該最上部の配線パターン2bがフィルム状材料4により保護される。このフィルム状材料4は、図4の工程において当該積層構造の最下部に貼り付けられたフィルム状材料4と基本的に同様である。
図22にて形成されたセラミックグリーンシート1の積層構造の天地を反転させ、図4の工程において貼り付けられたフィルム状材料4(第1のフィルム状材料)が剥離される。そしてフィルム状材料4の剥離により露出したセラミックグリーンシート1の主表面1bに、小径金属材料層5および転写用金属材料層2aを覆うように、配線パターン2bが形成される。この配線パターン2bは上記と同様に、スクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が供給されることにより形成される。
その後、たとえば図10の工程と同様に、複数のセラミックグリーンシート1の積層構造に対して、図に示す圧力Fが加えられる。これにより、互いに積層された複数のセラミックグリーンシート1のそれぞれの配線パターン2bが、その直上または直下に積層されたセラミックグリーンシート1の転写用金属材料層2aまたは塗布金属材料層2dと接触する態様となる。また同様に、上記の加圧により、互いに積層された複数のセラミックグリーンシート1のそれぞれの配線パターン2bが、その直上に積層されたセラミックグリーンシート1の小径金属材料層5と接触する態様となる。これにより、積層された転写用金属材料層2aと、複数の配線パターン2bと、複数の塗布金属材料層2dとが一体化される。同様に、積層された複数の小径金属材料層5および配線パターン2bも一体化される。このときの加圧方法は図10の工程と同様に水圧プレス機を用いてなされる。なおこのときの加圧工程の条件は、30MPa以上40MPa以下のプレス圧が10分以上20分以下の時間印加されるようにすることが好ましい。
以降は図示されないが、上記により図11のような構成が形成された後、(第2の)フィルム状材料4がセラミックグリーンシート1から剥がされる。その後、図12の工程と同様に、積層および熱圧着されたセラミックグリーンシート1が任意の形に切断された上で、これが焼結される。焼結温度および焼結時間の条件は図12の工程と同様である。これにより、焼成炉内に積層されたセラミックグリーンシート1が投入された状態で、セラミックグリーンシート1と転写用金属材料層2a、配線パターン2b、塗布金属材料層2d、小径金属材料層5とが同時に焼結される。この焼結によりセラミックグリーンシート1は収縮されてセラミック基板11となる。また転写用金属材料層2aおよび塗布金属材料層2dは焼結により孔内金属材料層12aとなり、配線パターン2bは焼結により孔外金属材料層12bとなり、小径金属材料層5は小径ビア15となる。孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに密着して一体の放熱ビア12を構成するのと同様に、孔外金属材料層12bと小径ビア15とは互いに密着して一体の配線領域を構成する。以上により図1と同様の態様を有する、本実施の形態の実装用基板10が完成する。
なお、これ以外の本実施の形態の第1例の製造方法の手順は、実施の形態1とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図23を参照して、本実施の形態の第2例に係る実装用基板10の製造方法においては、基本的に上記第1例と同様の製造方法が用いられる。しかしここでは、実施の形態2と同様に、最下層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3b内への転写用金属材料層2a(第1の孔内金属材料層)とそれが転写された大径貫通孔3bを覆うように形成される配線パターン2b(孔外金属材料層)とが同時に、いずれも転写により形成される。すなわち乾燥された、最下層の転写用金属材料層2aおよび配線パターン2bが、いずれも転写用基材6に含まれる。つまり図23は、図16および図17に示す工程の後の態様(工程)を示している。
本実施の形態における上記転写工程以降の工程については、本実施の形態の上記第1例の、図18〜図23に示す工程と同様である。
なお、これ以外の本実施の形態の第2例の製造方法の手順は、実施の形態1とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態においては、実施の形態1の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
本実施の形態においては、貫通孔3内に金属材料が充填されていない状態の他のセラミックグリーンシート1が積層され、その後で当該積層されたセラミックグリーンシート1の貫通孔3内に塗布金属材料層2dが充填される。つまり塗布金属材料層2dの供給時には既に、その供給される貫通孔3の真下にはセラミックグリーンシート1が配置されており、乾燥された転写用金属材料層2aによる土台が確立されている。このため供給される塗布金属材料層2dは、たとえペースト状であってもこれが印刷機のステージ台の上などに脱落する可能性を低減することができる。
なお本実施の形態においては、最下層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bのみ転写用金属材料層2aにより充填させるが、2層目以上のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bは塗布金属材料層2dにより充填させる。このように2層目以上は印刷法を用いて塗布金属材料層2dを供給すれば、上記のようにセラミックグリーンシート1の積層時に印加する圧力(0.5MPa以上1MPa以下)を、たとえば上記の転写用金属材料層2aの転写工程時に印加する圧力(30MPa以上40MPa以下)に比べて非常に小さくすることができる。
最下層のセラミックグリーンシート1と最上層のセラミックグリーンシート1とは、加圧を受ける回数がまったく異なる。このため仮にこれらの間の加圧履歴の差が大きくなれば、たとえば最下層のセラミックグリーンシート1の寸法が最上層のセラミックグリーンシート1の寸法と大きく異なり、両者が積層されても孔内金属材料層などの平面視における位置が揃わなくなる可能性がある。しかし本実施の形態のように2層目以降の金属材料層の充填時に転写を用いず大きな圧力を加えないようにすることにより、最下層と最上層とのセラミックグリーンシート1の間の加圧履歴の差を小さくすることができる。このため各層が積層された際に孔内金属材料層などの平面視における位置を揃えることができる。
本実施の形態においても実施の形態1と同様に、個々のセラミックグリーンシート1の貫通孔3内に1層ずつ孔内金属材料層2aなどが充填されながら放熱ビアの積層構造が形成されている。このため、たとえばセラミックグリーンシート1の貫通孔3が充填されないまま先に複数のセラミックグリーンシート1が積層され、最後に一括して充填される場合に発生し得る、当該金属材料の斑な充填状態や、それに起因するセラミック基板の反りなどの不具合を抑制することができる。
またたとえば実施の形態1のように、セラミックグリーンシート1を1層ずつ個別に準備して最後に一括して積層する方法を用いた場合、セラミックグリーンシート1の数の分だけフィルム状材料4を剥離する工程が発生する。しかし本実施の形態においては、フィルム状材料4は2枚しか貼り付けられないため、これを剥離する工程も2回のみとなる。したがって本実施の形態においては、実施の形態1に比べて、充填した金属材料が脱落する可能性の高い工程であるフィルム状材料4の剥離の回数を減らすことができる。このため金属材料の脱落のリスクをより低減させることができる。
なお本実施の形態においては、スクリーン印刷法により形成された大径貫通孔3b上の配線パターン2bを覆うようにフィルム状材料4が貼り付けられるが、これを剥がす際に当該配線パターン2bが脱落する可能性はない。フィルム状材料4の剥離時に併せて脱落する恐れがあるのはあくまで大径貫通孔3b内に印刷法により充填された金属材料層である。孔外金属材料層としての配線パターン2bなどは、むしろその上にフィルム状材料4が貼り付けられれば、配線パターン2b上の大径貫通孔3b内に充填された金属材料層がフィルム状材料4の剥離時に脱落する可能性を低減する(大径貫通孔3b内に充填された金属材料層を保護する)役割を有している。
なお本実施の形態においても上記第2例(図23)のように最下層の転写用金属材料層2aと配線パターン2bとが1つの転写用基材6により(図16参照)同時に形成されれば、実施の形態2と同様に工程削減、およびセラミックグリーンシート1の損傷を抑制する効果を奏する。
(実施の形態4)
まず本実施の形態の実装用基板の構成として、特に実装用基板に形成された放熱部材の構成について図24を用いて説明する。
図24を参照して、本実施の形態の実装用基板20は、実施の形態1〜3の実装用基板10と同様に、複数(図24においては7つ)のセラミックグリーンシートが互いに積層され加圧により一体化されたセラミック基板11を有する構成である。複数のセラミックグリーンシートのそれぞれには大径貫通孔3b(貫通孔)が形成され、大径貫通孔3b内には、その平面視における最大寸法が0.5mm以上の孔内金属材料層12aが充填されている。またセラミック基板11のたとえば上側の主表面1fには、孔内金属材料層12aを覆うように孔外金属材料層12bのパターンが形成されている。また複数の孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに密着され一体となることにより、セラミック基板11の一体の放熱部材としての放熱ビア12が形成されている。また当該放熱ビア12は、その全体において、その平面積が目立って変化することなく、セラミック基板11の下側の主表面1bから上側の主表面1fに向かう図24の上下方向に柱状に延びるように連続的に形成されている。以上については図24の実装用基板20は図1の実装用基板10と基本的に同様である。
ただし図24においては、放熱ビア12の最上部の孔外金属材料層12bが、実装用基板20のセラミック基板11の最上面としての主表面1f上に配置されるのではなく、それよりも低い(下側の)位置に配置されている。つまり図24のセラミック基板11は、放熱ビア12の最上部の孔外金属材料層12bが、焼成前の複数のセラミックグリーンシートのうち最上層のセラミックグリーンシートの上側の主表面上に配置されるのではなく、その1層下にあるセラミックグリーンシートの上側の主表面上に配置される。その結果、本実施の形態の実装用基板20は上記の態様を有している。放熱ビア12の真上の部分には焼成前の最上層のセラミックグリーンシートに形成された大径貫通孔3bが形成されるものの、当該大径貫通孔3bには孔内金属材料層12aが充填されていない。このため最上層の1層下の層として積層されたセラミックグリーンシートの上側の主表面上の孔外金属材料層12bが露出し、それが放熱ビア12の最上部となっている。
以上の点において実装用基板20は、放熱ビア12がセラミック基板11の最上層から最下層まで連続してセラミック基板11の厚さ方向に延びる構成を有する実施の形態1の実装用基板10と異なっている。しかし他の点については基本的に実施の形態1の実装用基板10の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に図25〜図37を参照して、かつ一部上記と重複する箇所もあるが適宜実施の形態1の製造工程を示す各図を参照しながら、本実施の形態に係る実装用基板20の製造方法について説明する。
まず図2および図3を参照して、実施の形態1と同様に、貫通孔3(大径貫通孔3bおよび小径貫通孔3s)が形成されたセラミックグリーンシート1が準備される。
図25を参照して、図5の工程と同様にスクリーン印刷法を用いてペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより、小径貫通孔3s内に小径金属材料層5が充填される。なお図25においてはたとえば図4のように、セラミックグリーンシート1の下側の主表面1bにフィルム状材料4が貼り付けられていないが、図25の工程においても図4の工程と同様にセラミックグリーンシート1の下側の主表面1bにフィルム状材料4が貼り付けられてもよい。
図26を参照して、図8の工程と同様に、たとえば公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより、小径金属材料層5を覆うように配線パターン2bが形成される。
図27を参照して、図26の工程により形成された配線パターン2bを覆うように、セラミックグリーンシート1の上側の主表面1f(他方の主表面)上に、フィルム状材料4(第1のフィルム状材料)が貼り付けられる。ここでは実施の形態1と同様に、厚さが0.05mm以上0.12mm以下であり、粘着力が0.08N以上0.27N以下(25mm幅の領域内)である、ポリエステル製のフィルム状材料4が用いられる。
その後、図27に示すように大径貫通孔3bと平面的に重なる領域において、フィルム状材料4に対して図27の厚さ方向に図のように圧力Fが加えられる。
図28を参照して、これにより、フィルム状材料4は大径貫通孔3b内において、下側の主表面1b(一方の主表面)側において、下側の主表面1bとツライチになるようにこれに沿いながら図27の左右方向に延びることにより大径貫通孔3bを塞ぐように変形する。この変形により、フィルム状材料4は大径貫通孔3bの内側面(側面および底面)の延びる方向に追随しながら当該内側面に密着される。ここで大径貫通孔3bの内側面との間に隙間が生じないように当該内側面に沿って十分に密着されるよう、フィルム状材料4に対して十分な圧力Fが印加されることが好ましい。なお、図28以降(図34まで)は図27以前の工程に対してセラミックグリーンシート1の天地を反転させている。
図29を参照して、大径貫通孔3b内において下側の主表面1bに沿って図の左右方向に延びることにより大径貫通孔3bを塞ぐフィルム状材料4の部分を覆うように、下側の主表面1bに、配線パターン2bが形成される。ここでの配線パターン2bは、上記の他の工程と同様に、たとえば公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が薄膜状に供給されることにより形成される。なお配線パターン2bは、大径貫通孔3bよりも平面視における面積が大きくなるように形成される。形成された配線パターン2bは、十分に乾燥されることにより、孔外金属材料層としての配線パターン2bとなる。
図30を参照して、図29のようにフィルム状材料4が大径貫通孔3b内に貼り付けられ、かつ配線パターン2bが形成されたセラミックグリーンシート1の下側の主表面1b上に、図2が示すセラミックグリーンシート1に形成された貫通孔3と平面視において重なる位置に同様のサイズおよび形状の貫通孔3が形成された他のセラミックグリーンシート1が載置される。これにより、フィルム状材料4が貼り付けられたセラミックグリーンシート1と、図30において初出の他のセラミックグリーンシート1とは、それらの貫通孔3同士が互いに重畳するように位置合わせされた上で積層される。ここでの積層態様は図18の工程と基本的に同様であるため詳細は省略する。
次いで2つのセラミックグリーンシート1が重ね合わせられた状態で、たとえば上記図18の工程と同様に水圧プレス機を用いて、積層されたうち図30における上層(天地反転しているため実際は下層だが以下同様に表現)のセラミックグリーンシート1の最上部の主表面1bの上方から下方へ、また積層されたうち下層のセラミックグリーンシート1の最下部のフィルム状材料4の下方から上方へ、圧力Fが印加される。このときの圧力Fは、図18の工程と同様の理由により、可能な限り弱いことが好ましく、0.5MPa以上1MPa以下であることが好ましい。
図31を参照して、図30において他のセラミックグリーンシート1が積層され加圧された後、当該上層のセラミックグリーンシート1の貫通孔3内に、孔内金属材料層が充填される。
具体的には、図19の工程と同様に、当該上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3b内および小径貫通孔3b内に同時に、公知のスクリーン印刷法によりペースト状の金属材料が塗布および充填され、さらにこのペースト状の金属材料が乾燥される。これにより上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bが塗布金属材料層2d(孔内金属材料層)により充填され、配線パターン2bと塗布金属材料層2dとが互いに積層された構成が形成される。また上層のセラミックグリーンシート1の小径貫通孔3sを充填する小径金属材料層5が併せて形成される。
図32を参照して、(図20の工程と同様に)図31の工程において塗布金属材料層2dが形成された大径貫通孔3b、および小径金属材料層5が形成された小径貫通孔3sを覆うように、再度配線パターン2b(公知のスクリーン印刷法により供給されるペースト状の金属材料)が形成される。
図33を参照して、その後、(図20の工程と同様に)上層のセラミックグリーンシート1の上側の主表面1b上に再度、図2が示すセラミックグリーンシート1に形成された貫通孔3と平面視において重なる位置に図2と同様のサイズおよび形状の貫通孔3が形成された他のセラミックグリーンシート1が載置される。そして積層された最上層のセラミックグリーンシート1の最上部の主表面1fの上方から下方へ、また積層された最下層のセラミックグリーンシート1の最下部の主表面1bの下方から上方へ、圧力Fが印加される。これにより最上層のセラミックグリーンシート1が、積層されたセラミックグリーンシート1の上に圧着される。ここでの積層および加圧工程の条件等は、図30の工程における積層および加圧工程の条件等と同様である。
図34を参照して、図33の工程において積層された最上層のセラミックグリーンシート1の貫通孔3に、孔内金属材料層が充填される。具体的な手法は、図31の工程における金属材料の充填方法と同じ(公知のスクリーン印刷法によるペースト状の金属材料の塗布)である。最上層のセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bが塗布金属材料層2d(孔内金属材料層)により充填され、上層のセラミックグリーンシート1の小径貫通孔3sが小径金属材料層5により充填される。
以降、図30および図33のようにセラミックグリーンシート1を積層する工程と、(これを加圧したうえで)図31および図34のように当該セラミックグリーンシート1の大径貫通孔3b内および小径貫通孔3s内に同時に塗布金属材料層2dおよび小径金属材料層5が充填される工程とが1回以上(通常は2回以上)繰り返される。これにより、所望の積層数のセラミックグリーンシート1を有する構成が形成される。
その後、セラミックグリーンシート1の積層構造のうち最後に積層された、すなわち最上部のセラミックグリーンシート1の上側の主表面1f上に、当該最上部の配線パターン2bを覆うように、フィルム状材料4(第2のフィルム状材料)が貼り付けられる。これにより、当該最上部の配線パターン2bがフィルム状材料4により保護される。
図35を参照して、図34にて形成されたセラミックグリーンシート1の積層構造の天地を反転させ、図28の工程において貼り付けられたフィルム状材料4(第1のフィルム状材料)が剥離される。
その後、たとえば図10の工程と同様に、複数のセラミックグリーンシート1の積層構造に対して、図に示す圧力Fが加えられる。この加圧により上記の他の実施の形態と同様に、互いに積層された複数の配線パターン2bおよび塗布金属材料層2dが互いに一体化される。また積層された複数の小径金属材料層5および配線パターン2bも一体化される。このときの加圧方法は図10の工程と同様に水圧プレス機を用いてなされる。なおこのときの加圧工程の条件は、30MPa以上40MPa以下のプレス圧が10分以上20分以下の時間印加されるようにすることが好ましい。
図36を参照して、上記加圧工程の後、(第2の)フィルム状材料4がセラミックグリーンシート1から剥がされる。図37を参照して、その後、図12の工程と同様に、積層および熱圧着されたセラミックグリーンシート1が任意の形に切断された上で、これが焼結される。焼結温度および焼結時間の条件は図12の工程と同様である。この焼結により、複数のセラミックグリーンシート1は一体化されたセラミック基板11となり、塗布金属材料層2dは焼結により孔内金属材料層12aとなり、配線パターン2bは焼結により孔外金属材料層12bとなり、小径金属材料層5は小径ビア15となる。孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに密着して一体の放熱ビア12を構成するのと同様に、孔外金属材料層12bと小径ビア15とは互いに密着して一体の配線領域を構成する。以上により図24と同様の態様を有する、本実施の形態の実装用基板20が完成する。
図38(A),(B),(C)を参照して、以上の製造方法により形成された実装用基板20は、(図24に示すように:実施の形態1と同様に)全体の基材となる複数のセラミックグリーンシートが積層されることにより、複数の孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが互いに間隔をあけずに密着するように接触している。これら複数の孔内金属材料層12aと孔外金属材料層12bとが一体の放熱ビア12を構成している。
実施の形態1との相違点は、放熱ビア12の最上部の孔外金属材料層12bが、実装用基板20全体の最上面(セラミック基板11の最上部の主表面)上ではなく、それよりも低い位置(焼成前の複数のセラミックグリーンシートのうち最上層よりも1層下のセラミックグリーンシートの上側の主表面上)に配置されている。これにより当該孔外金属材料層12bの表面上の領域は、あたかもセラミック基板11が部分的に凹んだような形状を有している。この凹んだ領域は、セラミック基板11を形成する際に最上層として積層されたセラミックグリーンシートの大径貫通孔3bが充填されなかったために形成されたものである。したがって当該孔外金属材料層12b上に載置(実装)された半導体チップ8は、周囲の(複数のセラミックグリーンシートのうち最上層のセラミックグリーンシートの焼結により形成された)セラミック基板11に囲まれるように配置される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。本実施の形態においては、実施の形態1,3の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
本実施の形態においては、セラミックグリーンシート1の主表面1bに沿いながら大径貫通孔3bを塞ぐフィルム状材料4の部分を覆うように、図29の工程において乾燥された配線パターン2bが形成される。その後その上に他のセラミックグリーンシート1が、大径貫通孔3b同士が重畳するように積層され、その大径貫通孔3b内にペースト状の塗布金属材料層2dが供給される。
つまり上に積層されるセラミックグリーンシート1の大径貫通孔3bは、その真下に乾燥された配線パターン2bが配置された状態となっており、この状態で塗布金属材料層2dが供給される。したがって当該大径貫通孔3bの下側が乾燥された強固な配線パターン2bの土台により支えられる。このため塗布金属材料層2dは、たとえペースト状であってもこれが印刷機のステージ台の上などに脱落する可能性を低減することができる。
またフィルム状材料4が、大径貫通孔3b内において主表面1bに沿う方向に延びてこれを塞ぐように貼り付けられる。このため、大径貫通孔3bが充填されていないためにその上に配線パターン2bを形成することができないなどの不具合の発生を抑制することができる。
なお実施の形態3,4においてはこのように大径貫通孔3b内にペースト状の金属材料を塗布することから、大径貫通孔3bの内側面(セラミックグリーンシート1)がペースト状の金属材料に含まれる溶媒により損傷を受ける可能性を低減することが好ましい。このため実施の形態3,4においては、実施の形態1のように乾燥された金属材料を転写する例に比べて、セラミックグリーンシート1に損傷を与えにくい材質からなる溶媒を含むペースト状の金属材料が用いられることが好ましい。
さらに、本実施の形態の製造方法によれば、上記のように半導体チップ8が周囲のセラミック基板11に囲まれるように配置されるため、半導体チップ8を周囲から保護されやすい位置に配置することができる。
その他、本実施の形態においても実施の形態3の2層目以上の大径貫通孔3bと同様に、ペースト状の金属材料が充填される。これにより金属材料の充填時に(転写工程のように)大きな圧力を加える必要がなくなり、最上層と最下層とのセラミックグリーンシート1の加圧履歴の差異による寸法形状の差異の発生を抑制することができる。
また本実施の形態においても実施の形態3と同様に、実施の形態1に比べてフィルム状材料4の剥離回数を減らすことができるため、金属材料の脱落のリスクをより低減させることができる。
(実施の形態5)
以上の各実施の形態の製造方法により形成される放熱ビア12の好ましい寸法について、実測により検証した。その結果について、図39〜図41および表3を用いて説明する。
図39(A),(B),(C)を参照して、ここでは一例として、実施の形態1に示す製造方法を用いて、図1および図15(A),(B),(C)と同様の態様を有する放熱ビア12が形成された実装用基板10が準備された。この放熱ビア12は、その最上面にランド導体パターン9が配されており、これは放熱ビア12全体を覆っている。
放熱ビア12は、ここでは一例として平面視において孔内金属材料層12aおよび孔外金属材料層12bが矩形状(長方形または正方形)であるものが準備された。今回の実測においては、孔内金属材料層12aおよび孔外金属材料層12bの平面視におけるサイズの異なる複数の放熱ビア12(実装用基板10)が準備された。
焼結後のセラミック基板11全体の厚さは0.6mmであり、セラミック基板11は横5mmで縦5mmのほぼ正方形の平面形状を有していた。以下の表3には、それぞれの実装用基板10の孔内金属材料層12aの平面視における横方向の寸法をLx(図39参照)、縦方向の寸法をLy(図39参照)として、各放熱ビア12のサンプルの寸法を示している。また当該表3には、各サンプルの放熱ビア12の半導体チップ8が搭載される面(最上部の孔外金属材料層12bの表面)の平坦度を示している。ここで平坦度とは、セラミック基板11の厚さ方向に関する当該表面の位置座標(z座標)の最大値と最小値との差を示している。
表3中のいずれの放熱ビア12についても、実施の形態1の製造方法の適用により、孔内金属材料層12aが脱落することなく形成されることが確認された。なお表3に示すように、放熱ビア12の平面寸法が大きくなるにつれて平坦度が劣化している。しかしこれは当然の結果であるため、平坦度がサンプルサイズに影響されて大きくなる分を相殺したうえで当該平坦度が許容できるか否かを判断するために、平坦度を規格値で除した相対値を求め、当該相対値を用いて判断する必要がある。
表3のように当該サンプルの放熱ビア12にはその平面形状が正方形ではないものもある。そこで図40を参照して、放熱ビア12の平面形状が正方形でない場合、孔内金属材料層12aが充填される大径貫通孔3bの面積の平方根を求め、いずれのサンプルの放熱ビアも正方形状であるものとみなしてその孔内金属材料層12aの平面視における最大寸法を求めた。なおここではすべて正方形状とみなしているため、その最大寸法はすべて図40に示す(仮想の)正方形状の1辺の長さとなる。
図41を参照して、当該グラフの横軸は孔内金属材料層12aの平面視における最大寸法(正方形状と仮定したときの1辺の寸法も含む)を示し、縦軸は各サンプルの表面の平坦度の相対値を示している。なお図41にプロットされるサンプル数と表3に示されるサンプル数とが一致しないが、これは図41にプロットされた値のうち一部(代表的なもの)が表3に抜き取り示されているためである。
基本的に放熱ビアの半導体チップ8などに対する放熱性を確保する観点から、表面の平坦度としては、上記相対値が1以下であることが要求される。図41より、そのためには(正方形と仮定された)孔内金属材料層12aの最大寸法としての1辺の長さは2.5mm以下であることが必要とされる。したがって、表3および図41に示す結果を総合すれば、大径貫通孔3bの充填により形成される本実施の形態の放熱ビア12は、孔内金属材料層12aの最大寸法としての1辺の長さが0.5mm以上2.5mm以下であることが必要であるといえる。したがって孔内金属材料層12aの部分の平面視における面積は0.25mm2以上6.25mm2以下となる。
以上に述べた各実施の形態の開示内容は、たとえ上記において明記されていなくても、技術的に矛盾しなければ、適宜組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。