JP2016193674A - 車両の側部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】側突時にサイドシル側面部の折れが穴部に到達し、穴部が破断することによる車体侵入量増加の抑制を図ること。【解決手段】車両の前後方向に延在するサイドシル1と、車両の上下方向に延在するセンターピラー2と、該センターピラー2の下端部をサイドシル1に結合する結合部Cと、を備え、サイドシル1は、その側面部12Cの結合部Cの前方または後方にビード3を、その下面部12Bに電着孔4をそれぞれ有し、ビード3は、車両側面視でセンターピラー2から離れる程下方に延びるように形成され、車両側面視で、ビード3の延びる方向Dのサイドシル1面に沿った延長線L上に電着孔4が位置しないように、ビード3と電着孔4とが配設された。【選択図】図2

Description

この発明は、車両の前後方向に延在するサイドシルと、車両の上下方向に延在するピラーと、該ピラーの下端部をサイドシルに結合する結合部と、を備えた車両の側部車体構造に関する。
車両の側面衝突(以下、「側突」という。)時にピラーに荷重が入力した際には、ピラーが車室内へ折れ曲がる所謂、内倒れと呼ばれる現象が発生し、該ピラーの下部に結合されたサイドシルには捩じれによる折れが生じることで、ピラーが車室内へ侵入してくるおそれがあった。
ところで、一般に、サイドシルには、防錆処理として電着塗装が施されるため、電着塗装液の着き廻り(着き廻り性)を良くするために厚み方向に貫通させた電着孔が形成される等複数の穴部が形成されている。
このため、サイドシルに生じた折れは、応力が集中し易い上述した穴部に到達し易く、折れが穴部に到達することで脆弱な穴部の周辺部分が破断してサイドシルの捩じり強度が低下し、ピラーや、該ピラーとサイドシルとの結合部の車室内へ侵入量や侵入加速度が大きくなるおそれがあるため、サイドシルの板厚を厚くしたり、補強部材で補強する等で対策するが、この場合、重量が増加するという新たな問題が生じていた。
一方、従来より、下記特許文献1,2に例示されるように、車両の側突時にピラーに荷重が入力した際にピラーの車室内への侵入量を抑制するために、該ピラーに結合されるサイドシルにビードを設けてサイドシルの捩じり強度を向上させた構造が開発されている。
特許文献1には、サイドシルに、圧縮応力の作用方向に沿って延びる補強部を設けることで、サイドシルの捩じり強度を効果的に向上させた車両骨格構造が開示され、特許文献2には、サイドシルアウタの下面部に、サイドシルを横切る方向に線状に延びる横補強部が設けられた車両用フレーム構造が開示されている。
しかしながら、特許文献1,2の構造においては、いずれもビードを設けてサイドシルを補強するというものであり、側突時にサイドシルに穴部が設けられていることに起因してサイドシルの捩じり強度が低下し、ピラーの車室内への侵入量が増加するおそれがあるという上述した課題について何ら着目されておらず、さらなる検討の余地があった。
特開2011−143762号公報 特開2012−086692号公報
そこでこの発明は、側突時にサイドシル側面部の折れが穴部に到達し、穴部が破断することによる車体侵入量増加の抑制を図ることができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。
この発明は、車両の前後方向に延在するサイドシルと、前記車両の上下方向に延在するピラーと、該ピラーの下端部を前記サイドシルに結合する結合部と、を備えた車両の側部車体構造であって、前記サイドシルは、その側面部の前記結合部の前方または後方にビードを、その下面部に穴部をそれぞれ有し、前記ビードは、車両側面視で前記ピラーから離れる程下方に延びるように形成され、車両側面視で、前記ビードの延びる方向の前記サイドシル面に沿った延長線上に前記穴部が位置しないように、前記ビードと前記穴部とが配設されたことを特徴とする。
上記構成によれば、側突時にピラーに荷重が入力した際、その下部に結合されたサイドシルには捩じれによる折れが生じるが、その捩じれによる折れをビードによって穴部の無い方向へ誘導することで、穴部にその折れが到達しないので、サイドシルの捩じり強度を確保することができる。
従って側突時にサイドシル側面部の折れが穴部に到達し、穴部が破断することによる車体侵入量増加の抑制を図ることができる。
ここで、前記ピラーは、フロントピラー、ヒンジピラー、リアピラーのいずれであってもよい。
前記穴部は、例えば、電着塗装液の着き廻り性を良くするための電着孔に限らず、部品の組み付けやメンテナンスの際に用いる作業孔やスポット溶接をするためのスポットガンを挿入するなど溶接の際に用いる溶接孔等、厚み方向に貫通した貫通孔が含まれる。
この発明の態様として、前記ビードの上端部が、前記ピラーと前記サイドシルとの結合部近傍に配置されたものである。
上記構成によれば、ピラーとの結合部から伝達される荷重をより確実にビードに誘導することができる。
またこの発明の態様として、前記ビードが、前記サイドシルの内方に突出することにより形成されたものである。
上記構成によれば、軽量な構造でかつ簡易に生産可能な構造とし、さらにビードを内方突出させることで、確実に折れを誘導することができる。
この発明によれば、側突時にサイドシル側面部の折れが穴部に到達し、穴部が破断することによる車体侵入量増加の抑制を図ることができる。
サイドシルとセンターピラーとの結合部周辺の外観図。 サイドシルとセンターピラーとの結合部の車両前方部分周辺の外観図。 図1中のA−A線断面図。 図1中のB−B線拡大断面図。 ビードと電着孔との配設箇所の位置関係を示す説明図。 側突時の本実施形態の車両の側部車体構造が奏する作用説明図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
なお、図中、矢印(F)は車両前方向、矢印(R)は車両後方向、矢印(OUT)は車両幅方向外側方向、矢印(IN)は車両幅方向内側方向、矢印(U)は車体上方を示している。
図面は車両の左右各側面に備えた本実施形態の側部車体構造のうち、左側面に備えた側部車体構造V1を示し、図1はサイドシルとセンターピラーとの結合部周辺を車幅方向外側の車両後方側斜め上方から見た外観図を示し、図2はサイドシルとセンターピラーとの結合部の車両前方部分周辺を車幅方向の外側の車両前方側斜め下方から見た外観図を示し、図3は図1中のA−A線断面図であり、センターピラーとサイドシルとの結合部における該センターピラーと該サイドシルとの車両前後方向の直交断面図を示し、図4は図1中のB−B線拡大断面図であり、サイドシルの車両前後方向の直交断面図を示し、図5は、ビードと電着孔との配設箇所の位置関係を示す説明図であり、図5(a)はサイドシルとセンターピラーとの結合部の車両前方部分周辺の車両左側面図を示し、図5(b)はサイドシルとセンターピラーとの結合部の車両前方部分周辺の車両下面図を示す。但し、図1、図2、及び図5(a)、(b)では、サイドシルアウタ及びセンターピラーアウタを図示省略しているものとする。
図1に示されるように、本実施形態の車両Vの側部下端部には、車両前後方向に沿って略直線状に延びるサイドシル1が配設されている。
本実施形態のサイドシル1は、図1〜図5(a)、(b)に示すように、夫々鋼板のプレス成形等により成形され、車両外側に配置されるサイドシルアウタ11(図3、図4参照)と、このサイドシルアウタ11の車両内側に配置されたサイドシルインナ13と、これらサイドシルアウタ11とサイドシルインナ13との間に介在し、サイドシル1を補強するサイドシルレイン12によって略方形閉断面で構成されている。
サイドシルアウタ11は、図4に示すように、車両前後方向の直交断面視で車両幅方向に略平行に配置される上面部11A及び下面部11Bと、これら上面部11A及び下面部11Bの外端同士を繋ぐ上下方向に延びる側面部11Cと、上面部11A及び下面部11Bの内端から互いに離反する上下各側へ屈曲された上端フランジ部11D及び下端フランジ部11Eとで車幅方向内側に向けて開口した断面略ハット形状に形成されている。
同様に、サイドシルレイン12も、図1〜図5(a)、(b)に示すように、上面部12A及び下面部12Bと、側面部12Cと、上端フランジ部12D及び下端フランジ部12Eとで車両内側(車室側)に向けて開口した断面略ハット形状に形成されている。
さらに、サイドシルインナ13についても、図1、図3及び図4に示すように、上面部13A及び下面部13Bと、側面部13Cと、上端フランジ部13D及び下端フランジ部13Eとで形成しているが、車両外側に向けて開口した断面略ハット形状に形成されている。
そして、サイドシル1は、後述するセンターピラー2との結合部Cを除いて、図4に示すように、サイドシルレイン12の上端フランジ部12Dをサイドシルアウタ11、及びサイドシルインナ13の各上端フランジ部11D,13Dによって車幅方向の両側から挟み込むようにして3枚重ねに重合された状態で、夫々スポット溶接する等によって接合することにより、サイドシルアウタ11、サイドシルレイン12、及びサイドシルインナ13の3者を一体化して構成している。
上述したサイドシル1の車両前後方向略中間部には図1に示すように、車両上下方向に延びるセンターピラー2(Bピラー2)の下端部が結合されている。
センターピラー2は、図3に示すように、センターピラー2の車幅方向外側に配置されるセンターピラーアウタ21と、センターピラー2の車幅方向内側に配置されるセンターピラーインナ23と、センターピラーアウタ21とセンターピラーインナ23との間に介在し、センターピラー2を補強するセンターピラーレイン22とで閉断面構造とされている。
センターピラーアウタ21の上下方向に直交する直交断面形状は、開口部を車幅方向内側に向けたハット状とされており、側面部21A(図3参照)と、いずれも図示省略する前面部及び後面部と、前側フランジ部21D(図3参照)及び後側フランジ部(図示省略)とで形成されている。
センターピラーアウタ21の側面部21Aは、車両上下方向の直交断面視で車両前後方向に略平行に配置され、前側フランジ部21D及び後側フランジ部は、開口部の前後両端縁部から車両前後各側へ互いに離反する前後各側へ延びるように形成している。前面部は、該側面部21Aの前端及び前側フランジ部21Dの後端同士を繋ぐとともに後面部は、側面部21Aの後端及び後側フランジ部の前端同士を繋ぎ、いずれも車幅方向に略平行に形成している。
同様に、センターピラーレイン22の上下方向に直交する直交断面形状は、図1〜図3及び図5(a)に示すように、開口部を車幅方向内側に向けたハット状とされており、側面部22Aと、前面部22B及び後面部22Cと、前側フランジ部22D及び後側フランジ部22Eとで形成されている。
一方、センターピラーインナ23の上下方向の直交断面形状は、図示省略するが開口部を車幅方向外側に向けたハット状とされており、側面部23A(図3参照)と、いずれも図示省略する前面部及び後面部と、前側フランジ部23D(図3参照)及び後側フランジ部23E(図1参照)とで形成されている。
そして、センターピラー2は、図3に示すように、該センターピラー2の車両前側においてセンターピラーレイン22の前側フランジ部22Dをセンターピラーアウタ21、及びセンターピラーインナ23の各前側フランジ部21D,23Dによって車幅方向の両側から挟み込むようにして3枚重ねに重合された状態で接合する。一方、車両後側においてセンターピラーレイン22の後側フランジ部22Eをセンターピラーアウタ21、及びセンターピラーインナ23の各後側フランジ部によって車幅方向の両側から挟み込むようにして3枚重ねに重合された状態で接合する。これにより、センターピラーアウタ21、センターピラーレイン22、及びセンターピラーインナ23の3者を一体化して構成している。
ここで図3、及び図4中、仮想線で示したサイドシルアウタ11、及びセンターピラーアウタ21は、図示省略するフロントヒンジピラー、フロントピラールーフレールの各アウタパネルとともに、サイドフレームアウタ10として一体に構成した1枚のアウタパネルで形成されている。
なお、センターピラーレイン22の下端部よりも若干上方には、リヤサイドドアを開閉可能に支持するためのドアヒンジ(図示省略)が取り付けられ、図1中の符号25は、このドアヒンジ取り付け箇所に形成されたドアヒンジ取り付け用の貫通孔である。また、図3中の符号23Hはシートベルト装置(図示省略)を配設するためにセンターピラーインナ23の下部に形成された開口部である。
上述したセンターピラー2の下端部(裾部)は、図1、及び図2に示すように、下方程車両前後方向の各側に徐々に拡幅させて形成しており、特に図1に示すように、車両前方よりも車両後方がセンターピラー2の上部に対して車両前後方向に離間するようにより大きく拡幅させて形成している。
具体的に、センターピラー2の下端部は、図1に示すように、センターピラーレイン22の側面部11Cの下端に有する下端側面部22aと、図1、及び図2に示すように、センターピラーレイン22の前面部22Bの下端に有する下端前面部22bと、センターピラーレイン22の後面部22Cの下端に有する下端後面部22cとを備えている。
下端側面部22aは、拡大幅形状に形成されたセンターピラー2の下端部の前後方向の全体に亘ってサイドシルレイン12の側面部12Cと平行なフランジ状に形成され(図1参照)、下端前面部22b及び下端後面部22cは、下方程車両上下方向から車両前後各方向に延びるように、いずれも緩やかに屈曲しながら形成している(図1、図2参照)。
このようなセンターピラー2の下端部とサイドシル1の車両前後方向の略中間部との結合部Cでは、図1〜図3及び図5(a)、(b)に示すように、センターピラーレイン22の下端側面部22aとサイドシルレイン12の側面部12Cとが重ね合され、図1及び図5(a)に示すように、センターピラー2の下端前面部22b及び下端後面部22cと、サイドシルレイン12の上面部12Aとが重ね合されて、これら重合部分を複数箇所でスポット溶接することで接合している。
さらに、結合部Cにおいては、図3に示すように、センターピラーインナ23の下端部は、サイドシル1の閉断面空間を車幅方向に横切るように下端部に到達するまで下方に延設し、サイドシルレイン12とサイドシルインナ13との各下端フランジ部12E,13Eによって車幅方向両側から挟み込んで一体に接合している。
以上により、結合部Cにおいて、センターピラー2の下端部とサイドシル1の中間部とは一体的に結合されている。
ところで、図1、図2及び図5(a)に示すように、サイドシルレイン12の側面部12Cには、結合部Cの前方に脆弱部としてのビード3が形成されている。
このビード3は、車両左側面視でセンターピラー2から車両前方へ離れる程下方に延びるようにサイドシル1の車両前後方向(長手方向)に対して前方が下方へ傾いた直線状に形成されている(同図参照)。
本実施例においてビード3が延びる方向Dは、図5(a)に示すように、車両左側面視においてサイドシル1の車両前後方向に対して反時計回りに略60度(60±10度)の傾き(α)に設定されている。
一方、サイドシルアウタ11の下面には、図5(b)に示すように、防錆処理を施す際に電着塗装液の着き廻り性を良くするために厚み方向に貫通した複数の貫通孔としての電着孔4が車両前後方向に沿って複数配設されている。
これら複数の電着孔4は、夫々正円形状、長穴形状等様々な形状、大きさで形成され、適宜の間隔を隔てて配設されている。
ビード3と電着孔4は、車両左側面視で、ビード3の延びる方向Dのサイドシル1の側面部12Cに沿った延長線L上に電着孔4が位置しないように配設されている。
なお、本実施例において電着孔4は、サイドシルレイン12の下面に車両前後方向に沿って略等ピッチで複数配設されているが、ビード3の延びる上記延長線上に相当する箇所においては形成せずに略1ピッチとばして配設されている(図5(b)参照)。
また、ビード3の後端上端部3uは、図1、図2及び図5(a)に示すように、センターピラー2とサイドシル1との結合部C近傍に位置する。
詳しくは、ビード3の後端上端部3uは、図5(a)に示すように、サイドシルレイン12における、センターピラーレイン22の下端側面部22aと下端前面部22bとの間のピラー下端角部22t(ピラー下端稜線部22t)の前端22tfよりも前側、且つ下側に位置する前端近傍に配置されている。すなわち、ビード3の後端上端部3uは、サイドシルレイン12の側面部12Cにおける該側面部12Cと上面部12Aとの間の上端角部12t(上端稜線部12t)に達する手前側(下側)に位置する。
一方、図5(a)、(b)に示すように、ビード3の前端下端部3dは、サイドシルレイン12の側面部12Cと下面部12Bとの間の下端角部12s(下端稜線部12s)に達するまで形成している。
また、ビード3は、図4に示すように、サイドシルレイン12の側面部12Cにおいて車幅方向内側に突出されることにより形成されている。すなわち、サイドシルレイン12の側面部12Cの車幅方向外側の面は凹状に形成している(図1、図2参照)。なお、ビード3は、該ビード3の延びる方向Dに直交する断面形状が略半円弧突出形状に形成している。
上述した本実施形態の車両Vの側部車体構造V1は、車両前後方向に延在するサイドシル1と、車両上下方向に延在するピラーとしてのセンターピラー2と、該センターピラー2の下端部をサイドシル1に結合する結合部Cと、を備えた車両Vの側部車体構造であって、サイドシル1は、その側面部12Cの結合部Cの前方にビード3を、その下面部12Bに穴部としての電着孔4をそれぞれ有し、ビード3は、車両左側面視でセンターピラー2から前方へ離れる程下方に延びるように形成され、車両左側面視で、ビード3の延びる方向Dのサイドシル1面に沿った延長線L上に電着孔4が位置しないように、ビード3と電着孔4とが配設されたものである(図2、図5(a)、(b)参照)。
上記構成によれば、側突時にサイドシルレイン12の側面部12Cの折れが電着孔4に到達し、電着孔4が破断することによる車体侵入量増加の抑制を図ることができる。
詳述すると、側突時に、サイドシル1の中間位置から上方に延びるセンターピラー2に図1に示すように荷重Fが入力した際には、センターピラー2が車室内へ折れ曲がる所謂、内倒れが生じるが、センターピラー2の下端部がサイドシル1に結合されているため、該センターピラー2の下端部に結合されたサイドシル1には捩じれによる折れが生じるおそれがあった。
仮に、サイドシルレイン12の側面部12Cにビード3を形成していない場合、該サイドシルレイン12の側面部12Cに生じた折れの進行方向を誘導することができずにその折れは、下面部12Bに進み、電着孔4に到達するおそれがあった。さらに、たとえ折れの進行方向の延長線上に電着孔4が形成されていない場合であっても、応力が集中し易い電着孔4の有する側へと折れが誘導されるおそれがあった。
そうすると、車両の側突による衝撃エネルギーを十分に吸収しないままサイドシルレイン12が折れてしまい、センターピラー2上部の内倒れによる車室内への侵入量の抑制を図ることができないおそれがあった。
このため、サイドシルに生じた折れは、応力が集中し易い上述した穴部に到達し易く、折れが穴部に到達することで脆弱な穴部の周辺部分が破断してサイドシルの捩じり強度が低下し、ピラーや、該ピラーとサイドシルとの結合部の車室内へ侵入量や侵入加速度が大きくなるおそれがあるため、サイドシルの板厚を厚くしたり、補強部材で補強する等で対策するが、この場合、重量が増加するという新たな問題が生じていた。
これに対して、上記構成によれば、車両側面視で、ビード3の延びる方向Dのサイドシル1面に沿った延長線L上に電着孔4が位置しないように、ビード3と電着孔4とを配設したため、側突時に図1に示すように、センターピラー2に荷重Fが入力した際、図6に示すように、該センターピラー2の下部に結合されたサイドシル1に捩じれ応力fが作用しても、ビード3がサイドシル1に生じる折れ100(折れ変形部分100)の起点となり、該ビード3に沿って折れ100が進行するため、電着孔4を避けるように狙い通りに電着孔4の無い方向へ折れ100を誘導することができる。これにより、サイドシル1の折れが電着孔4に到達し、電着孔4が破断することがないのでサイドシル1の捩じり強度を確保することができる。
すなわち、サイドシルレイン12の折れによって側突による衝撃エネルギーを吸収することができ、センターピラー2上部の内倒れによる車室内への侵入量の抑制を図ることができる。
この発明の態様によれば、ビード3の後端上端部3uが、センターピラー2とサイドシル1との結合部C近傍に配置されたものである(図1、図2、図5(a)参照)。
上記構成によれば、センターピラー2との結合部Cから伝達される荷重をより確実にビード3に誘導することができる。
またこの発明の態様によれば、ビード3が、サイドシル1の内方に突出することにより形成されたものである(図3参照)。
上記構成によれば、ビード3をサイドシル1に形成することで上記効果を奏する本実施形態の車両の側部車体構造V1を部品点数が増大せずに軽量な構造でかつ簡易に生産可能な構造で実現することができ、さらにビード3を車幅方向内方へ突出させることで確実に折れを誘導することができる。
また、本実施例では、車両側面視でのビード3が延びる方向Lのサイドシル1の車両前後方向に対する傾き(α)が、略60度(60±10度)に設定されたものであるため(図5(a)参照)、側突時にセンターピラー2が車幅方向内側への衝突荷重を受けることで、センターピラー2側から結合部Cを介してサイドシルレイン12の側面部12Aに伝達される引張り荷重等の荷重が伝わる方向を見越してビード3を適切に形成することができる。すなわち、サイドシル1に生じた折れは意に反してビード3から逸脱して進行することなく、該折れをビード3に沿って確実に誘導することができる。
その他にもビード3は、本実施例のように、サイドシルレイン12の側面部12Cにおいて、その前端下端部3dが下端角部12sに達するまで形成されているため(図1、図2、図4、図5(a)、(b)参照)、電着孔4の無い方向へ折れをより確実に誘導することができる。
この発明のピラーは、上述の実施形態のセンターピラー2に対応し、以下、同様に、穴部は電着孔4に対応し、
ビードの上端部は、ビード3の後端上端部3uに対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上述した実施例のように、ビード3は、サイドシルレイン12の側面部12Cにおいて、その前端下端部3dが下端角部12sに達するまで形成することで上記効果を奏する点で好ましいが、本発明は、ビード3をサイドシルレイン12の側面部12Cにおいて、その前側下端部3dが下端角部12sに達しないように形成したものについても排除するものではない。
また、本発明のビードは、側面部12Cから下端角部12sを跨いで下面部12Bに至まで連続的に形成してもよい。このように本発明では、ビード3を少なくとも側面部12Cに形成していれば、上面部12A、下面部12B等他の面にも形成してもよく、また、複数のビード3を形成してもよい。
さらにまた、上記実施例においては、ビード3をサイドシルレイン12の側面部12Cにおける結合部Cに対して前方に形成したが、本発明は、この実施例に限定せず、ビードは結合部Cに対して前方と後方とのうち少なくとも一方に形成することができる。
また、本実施形態のビード3は、サイドシルレイン12の側面部12Cに車両内側に向けて突状に形成したものであるが、本発明のビードは、車両外側に向けて突状に形成したものでもよい。また、本発明のビードが延びる方向Dに直交する断面形状は、上述した実施例のように略半円弧字形状に限らず、例えば、U字形状、V字形状、台形等、他の断面形状であってもよい。
さらに、本発明は、センターピラー2が内倒れするに伴って生じるサイドシル1の捩じれによる折れを、電着孔4を形成していない方向へ誘導する脆弱部(折れ誘導部)として作用するものであれば、上述した実施例のようなビード3で形成するに限らず、例えば周辺部分と比較して薄肉である薄肉部等で形成することができる。
本実施形態では、穴部として電着孔4で形成したが、例えば、部品の組み付けやメンテナンスの際に用いる作業孔や、スポット溶接をするためのスポットガンを挿入するなどの溶接孔等の貫通孔についても本発明の構成の穴部に含み、また言うまでもなく、サイドシル1に形成した複数の穴部は、これら異なる用途の穴部であってもよい。
なお、上記実施例においては、サイドシルレイン12の下面部12Bにおいて配設した複数の電着孔4を略1ピッチとばして配設したが(図5(b)参照)、本発明では、車両側面視で、ビード3の延びる方向Dのサイドシルレイン12の側面部12Cに沿った延長線L上に電着孔4が位置しなければよく、複数のサイドシル1は、上述したように略1ピッチとばして配設せずに例えば、略等ピッチで配設してもよい。
以上説明したように、本発明は、例えば、車両の前後方向に延在するサイドシルと、前記車両の上下方向に延在するピラーと、該ピラーの下端部を前記サイドシルに結合する結合部と、を備えた車両の側部車体構造について有用である。
V…車両
V1…車両の側部車体構造
1…サイドシル
2…センターピラー(ピラー)
3…ビード
3u…ビードの後端上端部(ビードの上端部)
4…電着孔(穴部)
12B…サイドシルレインの下面部
12C…サイドシルレインの側面部
C…結合部
D…ビードの延びる方向
L…延長線

Claims (3)

  1. 車両の前後方向に延在するサイドシルと、前記車両の上下方向に延在するピラーと、該ピラーの下端部を前記サイドシルに結合する結合部と、を備えた車両の側部車体構造であって、
    前記サイドシルは、その側面部の前記結合部の前方または後方にビードを、その下面部に穴部をそれぞれ有し、
    前記ビードは、車両側面視で前記ピラーから離れる程下方に延びるように形成され、
    車両側面視で、前記ビードの延びる方向の前記サイドシル面に沿った延長線上に前記穴部が位置しないように、前記ビードと前記穴部とが配設された
    車両の側部車体構造。
  2. 前記ビードの上端部が、前記ピラーと前記サイドシルとの結合部近傍に配置された
    請求項1に記載の車両の側部車体構造。
  3. 前記ビードが、前記サイドシルの内方に突出することにより形成された
    請求項1、又は2に記載の車両の側部車体構造。
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