JP2016193545A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に黒色染料層が設けられた熱転写シートにおいて、前記黒色染料層に所定の昇華性染料を含有せしめる。
【選択図】図1
Description
基材1は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
図1に示すように基材1上には黒色染料層2Bkが設けられていおり、当該黒色染料層2Bkには所定の昇華性染料と、バインダー樹脂とが含有されている。以下、これらについて具体的に説明する。
上記一般式(1)で示される昇華性染料は、イエロー昇華性染料に分類されるものであり、本実施形態にかかる黒色染料層2Bkに必ず含有されるものである。この昇華性染料は、ピラゾロンメチン骨格を有する昇華性染料であり、通常用いられるイエロー昇華性染料に比べて転写感度が高く、同量の添加量でも濃度が出しやすいので、黒色をよりきれいに再現することができる。また、この昇華性染料は長波長の光をよく吸収するので、イエローとマゼンタの間の吸収の谷を少なくすることができ、蛍光灯以外の様々な光源下においても黒色の再現性に優れている。
上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料は、マゼンタ昇華性染料に分類されるものであり、本実施形態にかかる黒色染料層2Bkに選択的に含有されるものである。より具体的には、上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料の何れか1又は2以上の昇華性染料が含有される場合もあり、一方で、後述するシアン昇華性染料に分類される上記一般式(5)で示される昇華性染料が含有されている場合には上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料の何れも含有されない場合もある。
上記一般式(5)で示される昇華性染料は、シアン昇華性染料に分類されるものであり、本実施形態にかかる黒色染料層2Bkに選択的に含有されるものである。より具体的には、上記一般式(5)で示される昇華性染料が含有される場合もあり、一方で、前述のマゼンタ昇華性染料に分類される上記一般式(2)〜(4)で示される昇華性染料の何れかが含有されている場合には上記一般式(5)で示される昇華性染料は含有されない場合もある。この昇華性染料は、シアノメチレン骨格を有する昇華性染料であり、通常用いられるシアン昇華性染料に比べて転写感度が高く、同量の添加量でも濃度が出しやすいので、黒色をよりきれいに再現することができる。また、短波長の光をよく吸収するので、マゼンタとシアンの間の吸収の谷を少なくすることができ、他のシアン昇華性染料と組み合わせることで蛍光灯以外の様々な光源下においても黒色を再現することができる。
本実施形態にかかる熱転写シート10における黒色染料層2Bkには、上述のような各種昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂が含まれている。このバインダー樹脂は特に限定されることはなく、ある程度の耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。
また、黒色染料層2Bkは、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を含有していてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等が挙げられる。
黒色染料層2Bkの形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、昇華性染料、必要に応じて添加される添加剤や、離型剤を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、染料層用塗工液を調製し、この黒色染料層用塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの従来公知の塗工手段により、後述する染料プライマー層3上に塗工・乾燥することで形成することができる。黒色染料層2Bkの厚みは、0.2μm〜2.0μm程度が一般的である。
図1に示すように、本実施形態にかかる熱転写シート10にあっては、基材1と黒色染料層2Bkとの間にプライマー層3が設けられている。プライマー層3は任意の層であるが、これを設けることで基材1と黒色染料層2Bkとの密着性を向上させることができる。
図1に示すように、基材1の黒色染料層2Bkが設けられている面とは反対側の面には、背面層5が設けられている。背面層5も前記プライマー層3と同様、任意の層であるが、これを設けることで、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上することができる。
ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗布し、プライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に下記組成の黒色染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるように塗布し80℃で2分間乾燥することで黒色染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 36部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 25部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・シリコーン樹脂微粒子(粒子径;4μm 多角形状) 1部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
・ウレタン樹脂(固形分26%) 9部
(スーパーフレックス650 第一工業製薬(株))
・アルミナゾル(固形分10%) 3.2部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 62部
・IPA(イソプロピルアルコール) 75部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 1.2部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 1.4部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 4.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液2を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例2の熱転写シートを得た。
<黒色染料層用塗工液2(D/B比=1.8)>
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.6部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.6部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 1.4部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 4.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液3を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例3の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.7部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(3−1)に示される化合物 1.8部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.2部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.7部
・メチルエチルケトン 42.7部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液4を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例4の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.7部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 0.8部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(3−1)に示される化合物 0.8部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.4部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.7部
・メチルエチルケトン 42.7部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液5を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例5の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.7部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 0.9部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(6−1)に示される化合物 0.9部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.2部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.7部
・メチルエチルケトン 42.7部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液6を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例6の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.7部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(3−1)に示される化合物 1.8部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.2部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.7部
・メチルエチルケトン 42.7部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液7を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例7の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.8部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.8部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(3−1)に示される化合物 1.0部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(6−1)に示される化合物 1.0部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 3.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液8を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例8の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.6部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.6部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 0.7部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 0.7部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 1.0部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 3.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液9を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例9の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 0.9部
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 0.9部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(2−1)に示される化合物 1.2部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 1.2部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 1.5部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.4部
・ニトロセルロース樹脂 4.0部
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.3部
・ネオエタノール 4.4部
・トルエン 44.1部
・メチルエチルケトン 44.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液10を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例10の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 1.4部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 1.8部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 5.2部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.7部
・メチルエチルケトン 42.7部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液11を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例11の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 1.6部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(7−1)に示される化合物 3.2部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 3.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.7部
・メチルエチルケトン 42.7部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液12を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により実施例12の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 1.4部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(3−1)に示される化合物 1.2部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(7−1)に示される化合物 1.2部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 3.4部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液13を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例1の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(8)に示される化合物 2.0部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(15)に示される化合物 1.4部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 3.8部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成の黒色染料層用塗工液14を用いたことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例2の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 1.2部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(7−1)に示される化合物 1.4部
・シアン昇華性染料として上記一般式(20)に示される化合物 4.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.2部
・ネオエタノール 4.2部
・トルエン 42.1部
・メチルエチルケトン 42.1部
上記実施例1において用いた黒色染料層用塗工液1に代えて、下記組成のイエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、およびシアン染料層用塗工液のそれぞれを用い、黒色染料層に代えて、イエロー染料層、マゼンタ染料層およびシアン染料層を面順次に形成したことを除き、すべて実施例1と同一の条件により比較例3の熱転写シートを得た。
・イエロー昇華性染料として上記一般式(1−1)に示される化合物 2.6部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.1部
・トルエン 47.2部
・メチルエチルケトン 47.2部
・マゼンタ昇華性染料として上記一般式(4−1)に示される化合物 3.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.1部
・トルエン 47.0部
・メチルエチルケトン 47.0部
・シアン昇華性染料として上記一般式(5−1)に示される化合物 3.8部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリオレフィンワックス 0.1部
・トルエン 46.6部
・メチルエチルケトン 46.6部
上記実施例1〜12および比較例1〜3それぞれの熱転写シートを用いて、16段階の諧調を有する黒色印画部を、下記の方法で作成した熱転写シートに、下記の印画条件にて印画し、16段階の諧調のすべてについて、分光光度計(GretagMacbeth Spectrolino:グレタグ社製)を用い、白色基準を絶対値とし、D50、D65、C、F6光源(蛍光灯白色)、観測視野2°を濃度標準として、色度値(a*、およびb*)を測定し、以下の基準にて評価を行った。なお、比較例3の熱転写シートにあっては、イエロー、マゼンタ、およびシアンを重ね印画した。
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株) 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC,日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T、信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510,信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
・発熱体平均抵抗値;5545Ω
・主走査方向印字密度;300dpi、副走査方向印字密度;300dpi
・印画電圧;29V
・1ライン周期;2msec/line
・印字開始温度;25℃
◎:全て光源で16個の階調の全てのa*およびb*値が−5〜5の範囲内である。
○:F6光源で16個の階調の全てのa*およびb*値が−5〜5の範囲内である。
△:F6光源以外で−5未満であるか、5より大きいa*およびb*値が存在する。
×:F6光源含めて−5未満であるか、5より大きいa*およびb*値が存在する。
1…基材
2Bk…黒色染料層
3…プライマー層
5…背面層
Claims (2)
- 基材上に黒色染料層が設けられた熱転写シートであって、
前記黒色染料層には、少なくとも下記一般式(1)で示される昇華性染料が含有されているとともに、
下記一般式(2)〜(5)で示される昇華性染料からなる群から選択される1または2以上の昇華性染料が含有されていることを特徴とする熱転写シート。
- 前記黒色染料層には、さらに、下記一般式(6)および一般式(7)で示される昇華性染料の何れか一方または双方が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
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