JP2016191163A - 衣類 - Google Patents

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啓 高柳
Kei Takayanagi
啓 高柳
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Abstract

【課題】優れた風合いを備えるとともに、防寒性および防水性を備えた衣類を提供する。
【解決手段】表側生地3と、裏側生地4と、当該表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物とを備え、上記表側生地と裏側生地が織成されることによって形成される多重織物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、多重織物からなる衣類に関するものである。
例えば、ダウンジャケットやダウンベスト又は化学繊維入りのスキーウェアは布地に充填された羽毛等の移動をなくすためにキルティングが施されている。しかしながら、キルティングでは生地布にミシン目ができることは避け得ず、そのために内部に溜まった暖かい空気がミシン目を通して逃げていくという欠点を有している。また、このミシン目から羽毛や化学繊維等の充填物が吹き出すという欠点を有している。さらに、キルティングを施した生地では、その縫着孔から雨水が浸入しやすいという欠点を有している。
このような課題を解決するために、羽毛を充填した小さな袋を用いて羽毛の片寄りを防止する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、このような方法では、羽毛のもつ風合いが損なわれるという問題がある。
また、表裏の側地に隔壁布を接着面で接着固定し、羽毛等を充填するための小区画室を設ける方法(特許文献2)や、主襠布と接着層を含む帯状体を重ねた直交襠布を接合して格子状にして表裏の側地と帯状材の接着層で接着し、複数の小区画を形成する方法(特許文献3)が提案されている。しかし、これらの方法では、風合いが硬くなるという問題がある。また、これらの方法では、表面の素材に物理的な力が加わった場合に、追従性がないため、着心地を損なうという問題がある。
さらに、これら特許文献1ないし3に記載のものは、防水性という点において満足できるものではない。
特開平5−103712号公報 特開平5−42029号公報 特開平10−234547号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、優れた風合いを備えるとともに、防寒性および防水性を備えた衣類を提供することを課題とするものである。
本発明は、前記課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、次のような手段を採用するものである。
(1)表側生地と、裏側生地と、当該表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物とを備え、上記表側生地と裏側生地が織成されることによって形成される多重織物からなる衣類。
(2)多重織物が複数の区画から構成される前記(1)に記載の衣類。
(3)多重織物の通気度が5cc/cm/秒以下である前記(1)または(2)に記載の衣類。
(4)多重織物の耐水圧が300mmHO以上である前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の衣類。
(5)多重織物のカバーファクターが2600以上である前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の衣類。
(6)表側生地および/又は裏側生地の少なくとも片面にカレンダー加工が施されている前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の衣類。
(7)表側生地と裏側生地において少なくとも2種類以上の原糸が配列され、表側生地と裏側生地の結合部分で表側生地と裏側生地の原糸が交差するか又は入れ替わることで、表側生地と裏側生地の織物の色と柄が変化する前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の衣類。
本発明の衣類は縫い目がないので、充填物が吹き出しにくい。また、本発明の衣類は縫い目がないので、衣類内部の空気が外部に逃げにくく、防寒性に優れている。さらに、本発明の衣類は縫い目がないので、外気が浸入しにくく、防水性に優れている。そして、表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物により優れた風合いを備えている。
図1は2重織物の一例を示す断面図である。 図2は図1のA部の織り組織を示す図である。 図3は図1のB部の織り組織を示す図である。 図4は3重織物の一例を示す断面図である。 図5は図4の織り組織を示す図である。 図6は本発明の実施例および比較例において製造したダウンジャケットを示す正面図である。 図7は従来の多重織物を示す斜視図である。 図8は従来の多重織物を素材とした服飾品の斜視図である。 図9は図8の服飾品の耳製造処理工程を示す断面図である。 図10は図8の服飾品の耳製造処理工程を示す断面図である。
《多重織物》
本発明の理解を深めるために多重織物について説明する。一般的な多重織物の一例としては、図7に示すように、経糸と緯糸とを交互に絡ませるように織り組した二枚の単位織物21、22を表裏に重ね合わせた状態で結束糸23で結束することにより製造される。結束糸23は紡ぎ糸のように綿の繊維を撚り合わせた撚り糸になっている。この多重織物 20は織機によって容易に織ることができることから、例えば、ベルト、コート、ジャケット、スラックス、バッグなどの服飾品などの素材として用いられる。
例えば、多重織物20を用いてベルトを製造するには、図8に示すように、素材としての多重織物20を所定形状に裁断した後、図9に示すように、裁断した多重織物20の周縁に存在する結束糸23を単位織物21、22の周縁を開きつつ鋏やナイフなどで切断Sする。そして、切断した糸屑を取り除く。次に、図10に示すように、各単位織物21、22の周縁部を互いに内側に折り返してアイロンでプレスすることにより耳24を作る。そして、この耳24として折り返された部分を縫い糸25で縫製する。
しかし、図7に示す多重織物20は結束糸23が紡がれた撚り糸であることから、多重織物20の機織り工程において結束糸23がかなりの張力で各単位織物21、22に織り込まれている。従って、単位織物21と22の重ね合わせ部の空気層が小さくなるので、保温性や嵩高性に優れているとは言えない。また、結束糸23による縫い目があるので、上記のような欠点がある。そこで、本発明者は、縫い目がない織組織からなる多重織物を縫製してなる衣類を作製することにより上記課題を解決しうることを見出したのである。
《本発明の衣類を構成する表側生地と裏側生地の織り方》
本発明の衣類を構成する表側生地と裏側生地を得るための織り方としては、「経糸と緯糸が交互に規則的に公差している織り方である」平織、「経糸と緯糸が交互に交差することがなく、1本公差したら次は1本飛ばして公差する1×2や、さらに1本飛ばして公差する1×3などの織り方がある」綾織、「緯糸の浮きが少なく、経糸のみが表に出ているように見える光沢が多い織り方である」朱子織、「平織や朱子織などの他の織り方をベースにして、その上に背景にしたい色糸を乗せる織り方である」ベタ織、「細かい絵柄や文字を表現するのに最適な織り方で、特殊な糸を使用したり、糸密度を高めることで通常の織り方では表現できない細かな絵柄や文字が再現できる織り方である」高密度織、「収縮やゆがみに強い織り方である」防縮織および「梨の表面のようなザラザラとして光沢のない表情の織り方である」梨地織などを挙げることができる。これらの織り方の中では、糸の交差が他の織り方と比較して多いため、生地としては薄いが丈夫である平織が好ましい。
《本発明の衣類を構成する表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物》
本発明の衣類を構成する表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物としては、羽毛(ダウン)、羽根(フェザー)、綿、ポリエステル等を用いることができるが、優れた保温性を得る上で、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維からなり、その単繊維繊度が0.1〜5.0dtexの短繊維が好ましい。また、係る充填物の目付けは、優れた保温性を得る上で50〜500g/mの範囲内であることが好ましい。
《本発明の衣類を構成する表側生地と裏側生地の構成繊維》
本発明の衣類を構成する表側生地と裏側生地は、マルチフィラメントを製織することにより製造することができる。マルチフィラメントは複数のモノフィラメントから構成される。得られる生地にある程度の強度を持たせるためには、マルチフィラメントの繊度は、3dtex以上であることが好ましく、5dtex以上であることがより好ましく、7dtex以上であることがさらに好ましい。また、マルチフィラメントの繊度は、25dtex以下であることが好ましく、16dtex以下であることがより好ましく、12dtex以下であることがさらに好ましい。マルチフィラメントの繊度が上記範囲であると、軽量薄地で所定の強度を有する生地が得られる。
マルチフィラメントの破断強度は、3.5cN/dtex以上であることが好ましく、4.5cN/dtex以上であることがより好ましく、10cN/dtex以下であることが好ましく、6cN/dtex以下であることがより好ましい。マルチフィラメントの破断強度が上記範囲であると、扁平度の高いフィラメントを用いる場合であっても、適度な引き裂き強力を有する生地が得られる。
マルチフィラメントの破断伸度は、35%以上であることが好ましく、50%以下であることが好ましい。破断伸度が35%未満であると、表側生地または裏側生地に所定の力がかかったときに、この力に対する応力が1本のモノフィラメントに集中するため、生地が簡単に引き裂かれる場合がある。一方、破断伸度が50%を超えると、各種製糸装置との摩擦に起因する強い張力によって原糸が伸び、断糸しやすくなる。
マルチフィラメントを構成するモノフィラメントについて具体的に説明する。
モノフィラメントの繊度は、0.5dtex以上であることが好ましく、1.0dtex以上であることがより好ましく、3.0dtex以下であることが好ましく、2.5dtex以下であることがより好ましい。モノフィラメントの繊度が上記範囲であると、適切な引き裂き強力を有し、且つ、通気性の低い生地が得られる。
マルチフィラメントおよびモノフィラメントは、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の種々の合成繊維で構成することができる。なかでも、強度や寸法安定性の点で、ポリエステル繊維が好ましい。ポリエステル繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等からなる繊維を挙げることができる。ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに、酸成分としてイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸やアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合させた共重合ポリエステルからなる繊維であってもよい。前記繊維によってマルチフィラメントを構成する繊維の組み合せは同じであっても異なっていてもよく、適宜組み合わせることができる。
《複数の区画から構成される多重織物》
表側生地と裏側生地が織成されることによって複数の区画から構成される多重織物を得るためには、両端のみがつながっているように織り上げる方法であって、出来上がった生地が袋状になっている、いわゆる袋織を採用して表側生地と裏側生地を織り上げることができる。この単位区画の面積は、表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物の量を考慮して柔らかい風合いを得るために、1平方インチ以上であることが好ましい。上記袋織の織機としては、例えば、エアージェットルーム、ウォータージェットルーム、レピアルームなどが使用可能で、開口装置はドビー、ジャガードなどが使用可能ある。本発明の多重織物は、表側生地と裏側生地からなる少なくとも2層を備えているが、2層に限定されるものでなく、用途に応じて3層またはそれ以上の層から構成することができる。
《多重織物の通気度》
多重織物の通気度は、フラジール形法によって測定される通気度において、5cc/cm/秒以下であることが好ましく、0.1cc/cm/秒以上であることが好ましい。通気度が上記範囲であると、表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物が抜けにくいからである。
《多重織物の耐水圧》
生地表面および織成部を含む多重織物の耐水圧は、浸水を防ぐために300mmHO以上であることが好ましい。また、本発明の多重織物からなる衣類の表面には、撥水加工を施すこともできる。撥水剤としては一般的な繊維用撥水加工剤でよく、例えば、シリコーン系撥水剤、パーフルオロアルキル基を有するポリマーからなるフッ素系撥水剤、パラフィン系撥水剤が好適に用いられる。中でも、フッ素系撥水剤を用いると、被膜の屈折率を低く抑えることができ、さらに、繊維表面における光の反射を低減できるため、特に好ましい。撥水加工の方法は、パディング法、スプレー法、プリント法、コーティング、グラビア法など一般的な方法を用いることができる。
《多重織物のカバーファクター》
多重織物のカバーファクター(CF)は、以下の式により求められる。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
上式において、TおよびWはそれぞれ織物の経密度および緯密度(本/インチ)を示し、DTおよびDWはそれぞれ織物を構成する経糸および緯糸の繊度(dtex)を示す。
上式より求められる多重織物のカバーファクターは、2600以上であることが好ましい。多重織物のカバーファクターが2600以上であると、軽量薄地で通気度の低い織物が得られるからである。
《カレンダー加工》
表側生地および/又は裏側生地の少なくとも片面にカレンダー加工を施すことが好ましい。カレンダー加工を施すことにより、カレンダー加工面においてモノフィラメントが配列し、圧縮・固定されるために、通気度の低い織物が得られるからである。カレンダー加工は表側生地および/又は裏側生地の少なくとも片面あるいは両面に施すことができる。カレンダー加工を施すことにより、生地表面のマルチフィラメントを圧縮して表面を平滑にすることができる。
カレンダー加工の温度は、モノフィラメントの原料樹脂が有するガラス転移温度より50℃以上高いことが好ましく、80℃以上高いことがより好ましい。また、原料樹脂の融点より20℃以上低いことが好ましく、30℃以上低いことがより好ましい。カレンダー加工の温度を上記範囲に設定することにより、通気度が低く、大きな引き裂き強力を有する織物が得られる。カレンダー加工の温度が原料樹脂の有するガラス転移温度に比べて+50℃より低くなると、モノフィラメントの圧縮度合が低く、通気度の低い織物を得るのが難しくなる。また、カレンダー加工の温度が原料樹脂の融点に比べて−20℃より高くなると、モノフィラメントの圧縮度合は高まるが、織物の引き裂き強力が低下する恐れがある。
カレンダー加工の圧力は、1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることがより好ましく、6MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましい。カレンダー加工の圧力が上記範囲であると、低通気度と引き裂き強力をともに備える織物が得られる。カレンダー加工の圧力が1MPa未満であると、モノフィラメントの圧縮度合が低く、低通気度を有する織物が得られないことがある。カレンダー加工の圧力が6MPaを超えると、モノフィラメントが過度に圧縮されて織物の引き裂き強力が低くなることがある。
《本発明の多重織物の断面図と組織図》
図1は2重織物の一例を示す断面図、図2は図1のA部の織組織を示す図、図3は図1のB部の織組織を示す図である。図1において、1は経糸、2は緯糸、3は表側生地、4は裏側生地である。図4は3重織物の一例を示す断面図、図5は図4の織組織を示す図である。図4において、5は経糸、6は緯糸、7は表側生地、8は裏側生地、9は中間層の生地である。図1および図4に示すように、表側生地と裏側生地の組織崩れによる隙間を生じにくくするために、経糸または緯糸が交差もしくは入れ替わることが好ましい。互いに色の異なる原糸を採用して図1および図4に示す多重織物を得ることで、様々な色や模様(柄)を実現することができる。図1に示す表側生地3と裏側生地4との間に段落0013に例示したような充填物を充填することができ、図4に示す表側生地7と中間層の生地9との間および裏側生地8と中間層の生地9との間に段落0013に例示したような充填物を充填することができる。図1において、表側生地3と裏側生地4とで囲まれた領域が1つの区画であり、図4において、表側生地7と中間層の生地9とで囲まれた領域および裏側生地8と中間層の生地9とで囲まれた領域が1つの区画である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な変形や修正が可能である。また、実施例および比較例の性能は次の方法で測定した。
(1)繊度(dtex)
JIS L 1013(2010)8.3.1 A法に従って、所定荷重0.045[cN/dtex]で測定される数値を繊度とした。
(2)カバーファクター
カバーファクターは、経糸または緯糸に用いる糸の繊度と密度から計算される値であり、TおよびWはそれぞれ織物または縫製品の経密度および緯密度(本/インチ)とし、DTおよびDWはそれぞれ織物または縫製品を構成する経糸および緯糸の繊度(dtex)としたとき、カバーファクター(CF)は、以下の式により求められる。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
なお、密度は、作製した織物または縫製品を円筒の長さ方向に切開して、その内壁面をキーエンス製マイクロスコープVHX−2000にて50倍に拡大した写真をもとに計測した。
(3)通気度(cc/cm/秒)
通気度は、JIS L 1096(2010) 8.27.1に規定されている通気性A法(フラジール法)に準拠して測定した。実施例1および2の二重織物は結束点が測定部の中央に位置するように取り付け、比較例1および2の縫製品はキルト縫製部が測定部の中央に位置するように取り付けた。
(4)撥水度(級)
撥水度は、JIS L 1092(2009)に規定されているスプレー法に準拠して測定した。
(5)耐水圧(mmHO)
耐水圧は、JIS L 1092(2009)に規定されている静水圧法に準拠して測定した。なお、実施例1および2の二重織物は結束点が測定部の中央に位置するように取り付け、比較例1および2の縫製品はキルト縫製部が測定部の中央に位置するように取り付けた。
(6)ダウン抜け重量(mg)
ダウン抜け本数は、カケンテストセンターが規定したカケンII法で測定した。具体的には、評価を行う衣類の表面に付着しているダウンを丁寧に除去し、その衣類によってJIS L 1076(2012)に規定されているピリング試験用のゴム管5本を包んで二つに折り畳み、家庭用洗濯機の洗濯ネットに5本のゴム管を包んで折り畳んだ衣類を収容する。次に、衣類を収容した上記洗濯ネットとJIS L 1076(2012)に規定されているピリング試験用のゴム管5本とを、内部フィルターの清掃を行ったタンブル乾燥機に入れ、50℃で30分間そのタンブル乾燥機を運転する。次に、同上衣類を裏返して、裏返した衣類によってJIS L 1076(2012)に規定されているピリング試験用のゴム管5本を包んで二つに折り畳み、家庭用洗濯機の洗濯ネットに5本のゴム管を包んで折り畳んだ衣類を収容する。次に、衣類を収容した上記洗濯ネットとJIS L 1076(2012)に規定されているピリング試験用のゴム管5本とをタンブル乾燥機に入れ、50℃で30分間そのタンブル乾燥機を運転する。そして、タンブル乾燥機から衣類を取り出し、衣類に付着しているダウンの重量(mg)と、タンブル乾燥機の内部および内部フィルターに付着しているダウンの重量(mg)を測定する。この合計のダウン重量がダウン抜け重量(mg)である。
[実施例1]
経糸(22dtex)および緯糸(22dtex)として、20D−24f−ナイロンFDYを用い、ウォータージェットルームにより、経密度と緯密度がともに400本/inchである経緯完全2重平織組織の図6に示すようなダウンジャケット10を作製した。得られた実施例1の衣類(ダウンジャケット)についての結束点間隔(mm)、カバーファクター、通気度(cc/cm/秒)、撥水度(級)、耐水圧(mmHO)およびダウン抜け重量(mg)を以下の表1に示す。ダウンは生地面積1m当たり50g充填した。図6において、11が結束点間隔である。なお、上記ダウンジャケットにはフッ素系撥水剤を用いて撥水加工を施した。後記する実施例2、比較例1、2のダウンジャケットに対しても同じフッ素系撥水剤を用いて撥水加工を施した。
[実施例2]
結束点間隔のみが異なる点を除いて、実施例1と同じようにして経緯完全2重平織組織の図6に示すようなダウンジャケット10を作製した。得られた実施例2の衣類(ダウンジャケット)についての結束点間隔(mm)、カバーファクター、通気度(cc/cm/秒)、撥水度(級)、耐水圧(mmHO)およびダウン抜け重量(mg)を以下の表1に示す。
[比較例1]
経糸(22dtex)および緯糸(22dtex)として、20D−24f−ナイロンFDYを用い、ウォータージェットルームにより、経密度と緯密度がともに200本/inchである平織組織の織物を作製し、この平織組織の織物を2枚重ねてヨコキルト縫製を行って、図6に示すようなダウンジャケット10を作製した。得られた比較例1の衣類(ダウンジャケット)についてのキルト間隔(mm)、カバーファクター、通気度(cc/cm/秒)、撥水度(級)、耐水圧(mmHO)およびダウン抜け重量(mg)を以下の表1に示す。ダウンは生地面積1m当たり50g充填した。図6において、11がキルト間隔である。
[比較例2]
キルト間隔のみが異なる点を除いて、比較例1と同じようにして平織組織の織物を作製し、その平織組織の織物を2枚重ねてヨコキルト縫製を行って、図6に示すようなダウンジャケット10を作製した。得られた比較例2の衣類(ダウンジャケット)についてのキルト間隔(mm)、カバーファクター、通気度(cc/cm/秒)、撥水度(級)、耐水圧(mmHO)およびダウン抜け重量(mg)を以下の表1に示す。
表1に示すように、実施例1および2の衣類は比較例1および2の衣類に比べて通気度が低く、ダウン抜け重量も少なく、耐水圧も高い。一方、比較例1および2の衣類においては、キルト間隔が短く縫製箇所が増えると、ダウン抜け重量が増加する傾向にあるが、本発明では結束点間隔の長短に関わらず、ダウン抜け重量は少ない。
本発明の衣類は、防寒着等の外衣や寝具として好適であり、具体的には、ダウンウエア、ダウンジャケット、ダウンコート、ダウンベスト、ひざ掛け、ふとん、寝袋などに用いることができる。
1 経糸
2 緯糸
3 表側生地
4 裏側生地
5 経糸
6 緯糸
7 表側生地
8 裏側生地
9 中間層の生地
10 ダウンジャケット
11 結束点間隔(キルト間隔)

Claims (7)

  1. 表側生地と、裏側生地と、当該表側生地と裏側生地のあいだに充填される充填物とを備え、上記表側生地と裏側生地が織成されることによって形成される多重織物からなる衣類。
  2. 多重織物が複数の区画から構成される請求項1に記載の衣類。
  3. 多重織物の通気度が5cc/cm/秒以下である請求項1または2に記載の衣類。
  4. 多重織物の耐水圧が300mm水柱以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の衣類。
  5. 多重織物のカバーファクターが2600以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の衣類。
  6. 表側生地および/又は裏側生地の少なくとも片面にカレンダー加工が施されている請求項1ないし5のいずれかに記載の衣類。
  7. 表側生地と裏側生地において少なくとも2種類以上の原糸が配列され、表側生地と裏側生地の結合部分で表側生地と裏側生地の原糸が交差するか又は入れ替わることで、表側生地と裏側生地の織物の色と柄が変化する請求項1ないし6のいずれかに記載の衣類。
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