JP2016190332A - 転写シート及びこれを用いた加飾樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャ、及び立体感を付与できる転写シートを提供する。【解決手段】転写シートは、第1の面10a及び第2の面10bを有する転写基材10と、転写基材10の前記第1の面側に積層された表面保護層4と、転写基材の前記第2の面側に積層されており、エンボス凹凸形状が転写基材とは反対側の表面に形成されている凹凸形成樹脂層1と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、転写基材の上に設けられた凹凸形成樹脂層によって、加飾樹脂成形品の表面にテクスチャや立体感を付与できる転写シート、これを用いた加飾樹脂成形品、及びこれらの製造方法に関する。
従来、車輌の内外装、建材内装材、家電筐体等の加飾方法として、転写型の加飾シート(転写シート)を用いた加飾が知られている。このような転写シートは、転写基材となるフィルムに表面保護層、絵柄層、接着層などを積層して生産されている。また、このような転写シートを用いて製造される加飾樹脂成形品のほとんどは、金型内で樹脂によって加圧され、平坦な表面形状を有する。
近年、テクスチャや立体感が大変重要視されている。このため、予め成形された樹脂成形品に対して後から加飾シートを積層する、オーバーレイ法と呼ばれる加飾方法の採用が増加している。これらの方法においては、金型内で加飾と成形を同時に行う射出成形同時加飾法などのように加飾シートの表面が金型に押し付けられた状態で大きな熱や圧力を受ける工程が不要であるため、加飾シートの表面のテクスチャや立体感を損なうことなく加飾樹脂成形品を生産できるという利点を有している。
しかしながら、これらの工法における後加飾は、加飾されていない樹脂成形品に加飾シートで加飾を行うことから、転写シートを用いて金型内で加飾と成形を同時に行う方法と比較して、工程が増加するという欠点がある。このため、転写シートを用いた加飾樹脂成形品において、加飾樹脂成形品の表面にテクスチャや立体感を付与する方法の開発が求められている。
従来、転写シートを用いて、加飾樹脂成形品の表面に凹凸形状を賦形する技術としては、転写シートの基材の上に盛り上げ印刷層を形成した方法が知られている(例えば、特許文献1〜4を参照)。しかしながら、盛り上げ印刷では、微細なパターニングが難しく、微細な凹凸形状が形成できない。このため、これらの転写シートを用いた方法によっては、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を形成することは困難である。また、転写基材の裏面にエンボス加工によりヘアライン状の凹凸を形成することで成形品表面に凹凸を賦形する方法(特許文献5)もある。しかしながら、転写用の基材としては耐熱性の高いPETフィルム等を用いることが寸法安定性やシワの発生抑制の観点から好ましいところ、耐熱性の高いフィルムはエンボス加工に不向きであるため、十分な凹凸感のある意匠が得られない。
特開昭60−264213号公報 特開昭60−264214号公報 特開2006−239967号公報 特表2008−510638号公報 特表2003−326552号公報
本発明は、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与できる転写シートを提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該転写シートの製造方法、当該転写シートを用いた加飾樹脂成形品、及び当該加飾樹脂成形品の製造方法に関する。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、第1の面及び第2の面を有する転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層されており、エンボス凹凸形状が前記転写基材とは反対側の表面に形成されている凹凸形成樹脂層とを備える転写シートによれば、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 第1の面及び第2の面を有する転写基材と、
前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、
前記転写基材の前記第2の面側に積層されており、エンボス凹凸形状が前記転写基材とは反対側の表面に形成されている凹凸形成樹脂層と、
を備える転写シート。
項2. 前記凹凸形成樹脂層が、電離放射線硬化性樹脂の硬化物または熱可塑性樹脂により形成されている、項1に記載の転写シート。
項3. 前記凹凸形成樹脂層の厚みが、10〜100μmの範囲にある、項1または2に記載の転写シート。
項4. 前記エンボス凹凸形状の高低差が10〜100μmの範囲にある、項1〜3のいずれかに記載の転写シート。
項5. 前記エンボス凹凸形状の凹部が、前記転写基材に達していない、項1〜4のいずれかに記載の転写シート。
項6. 前記表面保護層の前記転写基材とは反対側にプライマー層が積層されている、項1〜5のいずれかに記載の転写シート。
項7. 前記表面保護層の前記転写基材とは反対側に絵柄層が積層されている、項1〜6のいずれかに記載の転写シート。
項8. 前記表面保護層の前記転写基材とは反対側の表面に接着層が積層されている、項1〜7のいずれかに記載の転写シート。
項9. 前記転写基材が、前記第1の面側から順に、離型層と、基材フィルム層とを有している、項1〜8のいずれかに記載の転写シート。
項10. 前記転写シートには、前記基材フィルム層が1層のみ積層されている、項1〜9のいずれかに記載の転写シート。
項11. 項1〜10のいずれかに記載の転写シートを樹脂成形品に積層して、前記転写基材及び凹凸形成樹脂層を剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
項12. 項1〜10のいずれかに記載の転写シートの製造方法であって、
第1の面及び第2の面を有する転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層された樹脂層とを備える積層シートを用意する工程と、
前記積層シートの前記樹脂層側からエンボス加工を施し、前記樹脂層の表面にエンボス凹凸形状が付与された凹凸形成樹脂層を形成する工程と、
を備える、転写シートの製造方法。
本発明によれば、第1の面及び第2の面を有する転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層されており、エンボス凹凸形状が前記転写基材とは反対側の表面に形成されている凹凸形成樹脂層とを備える転写シートとすることにより、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与できる。また、本発明によれば、当該転写シートの製造方法、当該転写シートを用いた加飾樹脂成形品、及び当該加飾樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
本発明の転写シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の転写シートの一形態の断面構造の模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の製造工程を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の製造工程を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の製造工程を説明するための模式図である。 本発明の加飾樹脂成形品の一形態の断面構造の模式図である。
1.転写シート
本発明の転写シートは、第1の面及び第2の面を有する転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層されており、エンボス凹凸形状が前記転写基材とは反対側の表面に形成されている凹凸形成樹脂層とを備えることを特徴とする。本発明の転写シートは、このような構成を有することにより、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与できる。
本発明の転写シートは、転写基材及び凹凸形成樹脂層が最終製品から剥離されて用いられる転写用のシートである。具体的には、本発明の転写シートを、種々の被転写体、例えば樹脂成形品に積層し、転写基材及び凹凸形成樹脂層を表面保護層から剥離することにより、加飾樹脂成形品が得られる。このような加飾樹脂成形品は、表面に前記表面保護層が形成されると同時に、凹凸形状も形成されるため、優れた耐傷性と意匠性(テクスチャや立体感)を有する。
なお、本明細書において、特に言及しない限り、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味し、他の類似する表記も同様の意である。また、本発明の転写シートは、絵柄などを有する層を備えている必要は無く、例えば透明であってもよいし、単色により構成されていてもよい。
転写シートの積層構造
本発明の転写シートは、第1の面10a及び第2の面10bを有する転写基材10と、転写基材10の第1の面10a側に積層された表面保護層4と、転写基材10の第2の面10b側に積層された凹凸形成樹脂層1とを備える積層構造を有する。
表面保護層4の転写基材10とは反対側には、表面保護層4と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、プライマー層5が積層されていてもよい。また、表面保護層4の転写基材10とは反対側には、装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、絵柄層6が積層されていてもよい。さらに、表面保護層4の転写基材10とは反対側の表面に、必要に応じて、接着層7が積層されていてもよい。本発明の転写シートにおいては、転写基材10よりも表面保護層4側の層(すなわち、表面保護層4、必要時応じて設けられる、プライマー層5、絵柄層6、接着層7など)が加飾樹脂成形品と一体となる転写層11を構成する。
転写基材10は、表面保護層4に隣接して設けられており、当該表面保護層4から剥離可能である。転写基材10は、単層であってもよいし、複数層により形成されていてもよい。転写基材10が単層により形成されている場合、転写基材10は、通常、基材フィルム層2により形成される。基材フィルム層2は、転写基材10において、支持体として機能し得る層である。また、転写基材10が複数層により形成されている場合、転写基材10に含まれる層としては、基材フィルム層2に加えて、例えば、離型層3などが挙げられる。離型層3は、基材フィルム層2と表面保護層4との間に、これらの層間の剥離性を高めることを目的として、必要に応じて設けられる。
転写基材10の前記第2の面10b側には、凹凸形成樹脂層1が積層されている。凹凸形成樹脂層1には、転写基材10とは反対側の表面にエンボス凹凸形状が形成されている。
本発明の転写シートの積層構造として、凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/離型層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層/絵柄層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層/プライマー層/絵柄層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層/接着層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層/プライマー層/接着層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造;凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/離型層/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。図1に、本発明の転写シートの積層構造の一態様として、凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/表面保護層がこの順に積層された転写シートの一形態の断面構造の模式図を示す。また、図2に、本発明の転写シートの積層構造の一態様として、凹凸形成樹脂層/基材フィルム層/離型層/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層がこの順に積層された転写シートの一形態の断面構造の模式図を示す。
転写シートを形成する各層の組成
[転写基材10]
転写基材10は、表面保護層4に隣接して設けられており、表面保護層4から剥離可能な基材である。転写基材10の第1の面10a側に表面保護層4が積層されている。前述の通り、転写基材10が単層により形成されている場合、転写基材10は、通常、基材フィルム層2により形成される。また、転写基材10が複数層により形成されている場合、転写基材10に含まれる層としては、基材フィルム層2に加えて、離型層3などが形成される。
[基材フィルム層2]
基材フィルム層2は、転写基材10(さらには、転写シート)において、支持体として機能し得る層である。本発明で用いられる基材フィルム層2は、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
本発明においては、基材フィルム層2として、ポリエステルシートを用いることが、耐熱性、寸法安定性、成形性、及び汎用性の点で好ましい。ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、耐熱性や寸法安定性の点で特に好ましい。
本発明においては、基材フィルム層2として、耐熱性や寸法安定性の観点から、180℃で5分間加熱した際の熱収縮率が3.0%以下のものが好ましく、2%以下のものがより好ましい。このような基材フィルム層2を使用することで、凹凸形成樹脂層にエンボス加工を施す際の基材フィルム層2の熱収縮を抑えることができる。
また、基材フィルム層2には、作業性を向上させる目的で、微粒子を含有させてもよい。微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、カオリンなどの無機粒子、アクリル系樹脂などからなる有機粒子、内部析出粒子などを挙げることができる。微粒子の平均粒子径は0.01〜5.0μmが好ましく、0.05〜3.0μmがより好ましい。また、ポリエステル樹脂中の微粒子の含有量は0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。また、必要に応じて各種安定剤、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、蛍光増白剤などを配合することもできる。
本発明に用いられるポリエステルシートは、例えば以下のように製造される。まず上記のポリエステル系樹脂とその他の原料をエクストルーダーなどの周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してシート化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、必要に応じ、熱固定を施す前又は後に再度縦及び/又は横方向に延伸してもよい。本発明においては十分な寸法安定性を得るため延伸倍率を面積倍率として7倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、3倍以下がさらに好ましい。この範囲内であれば、得られるポリエステルシートを本発明の転写シートに用い、射出成形同時転写法に用いた場合、該転写シートが射出樹脂を射出する際の温度域で再び収縮せず、当該温度域で必要なシート強度を得ることができる。なお、ポリエステルシートは、上記のように製造してもよいし、市販のものを用いてもよい。
また、基材フィルム層2は、後述する凹凸形成樹脂層1や離型層3との密着性を向上させる目的で、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材フィルムの種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。また、基材フィルムは、基材フィルムとその上に設けられる層との層間密着性の強化などを目的として、易接着層を形成するなどの処理を施してもよい。なお、ポリエステルシートとして市販のものを用いる場合には、該市販品は予め上記したような表面処理が施されたものや、易接着剤層が設けられたものも用いることができる。
基材フィルム層2の厚みは、通常10〜150μmであり、10〜125μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。また、基材フィルム層2としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
[離型層3]
離型層3は、基材フィルム層2と表面保護層4との剥離性を高めることを目的として、必要に応じて、転写基材10の第1の面側10a側に設けられる層である。すなわち、転写基材10が離型層3を備えている場合、転写基材10は、第1の面10a側から順に、離型層3と、基材フィルム層2とを有している。
離型層3は、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であってもよいし、一部に設けられるものであってもよい。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
離型層3は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性したものが好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル系樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルションとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。これらの内、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有組成物で離型層3を構成することが特に好ましい。
離型層3の厚みは、通常、0.01〜5μm程度であり、好ましくは、0.05〜3μm程度である。
[転写層11]
本発明において、転写層11は、転写基材10と共に転写シートを構成しており、被転写体(成形樹脂層8など)に転写されるものである。被転写体に転写された後、転写基材10が剥離されて、転写層11と被転写体とが積層された加飾樹脂成形品となる。
転写層11は、少なくとも表面保護層4を備えており、表面保護層4が転写基材10と接面している。前述の通り、転写層11には、必要に応じて、プライマー層5、絵柄層6、接着層7などを設けることができる。
[表面保護層4]
本発明の転写シートにおいて、表面保護層4は、加飾樹脂成形品の耐薬品性、耐傷付き性などを高めつつ、優れたテクスチャや立体感を表現するために、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、転写シートに設けられる層である。
本発明において、表面保護層4を形成する樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などが挙げられ、転写シートの用途に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、転写シートの耐傷付き性を高めつつ、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与する観点からは、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。表面保護層4は、1層により形成されていてもよいし、2層以上により形成されていてもよい。
表面保護層4を熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂などの硬化性樹脂で形成する場合、表面保護層4は転写シートの製造時に硬化してもよいし、転写シートの状態では未硬化又は半硬化としておき、樹脂成形品上に表面保護層4を転写した後に硬化してもよい。
熱硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;などが挙げられる。
(電離放射線硬化性樹脂)
表面保護層4の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層4の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、かつ末端または側鎖に(メタ)アクリレート基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートであるポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートなどであってもよい。ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールと、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールやカプロラクトン系ポリオールやポリカーボネートポリオールと、ポリイソシアネート化合物の反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらの中でも、多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが特に好ましい。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の転写シートを三次元成形用に用いる場合、上記した電離放射線硬化性樹脂の中でも、優れた三次元成形性を得る観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。また、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートを組み合わせて使用することがより好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂として多官能性(メタ)アクリレートモノマーを用いる場合、優れた三次元成形性を得る観点からは、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂と組み合わせて使用することが好ましく、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、電離放射線硬化性樹脂組成物中の多官能性(メタ)アクリレートモノマーと熱可塑性樹脂との質量比を25:75〜75:25とすることがより好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂としてウレタン(メタ)アクリレートを用いる場合、三次元成形性と耐傷付き性を両立する観点からは、カプロラクトン系ポリオールとポリイソシアネート化合物の反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸によってエステル化することによって得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、上記したポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。特に表面保護層4を転写シートの製造時に硬化する場合、三次元成形時に表面保護層4に割れが生じやすくなるため、これらの三次元成形性に優れる電離放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
(添加成分)
表面保護層4には、表面保護層4に備えさせる所望の物性に応じて、他の添加成分として、無機粒子、有機粒子、各種添加剤を配合することができる。
無機粒子としては、特に制限されないが、例えば、シリカ粒子(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなど)、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子などの金属酸化物粒子が好ましく挙げられ、シリカ粒子及びアルミナ粒子が好ましく、特にシリカ粒子が好ましい。無機粒子は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
有機粒子としては、特に制限されないが、例えば、ウレタンビーズ、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、スチレンビーズ、メラミンビーズ、ウレタンアクリルビーズ、ポリエステルビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくはウレタンビーズ、ナイロンビーズ、アクリルビーズが挙げられる。有機粒子は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
他の添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
(表面保護層4の厚み)
表面保護層4の厚み(乾燥又は硬化後の厚み)については、特に制限されないが、加飾樹脂成形品の表面にテクスチャや立体感を付与する観点からは、例えば、1〜1000μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは1〜30μmが挙げられる。さらに、このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の保護層としての十分な物性が得られると共に、表面保護層4を、電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。また、表面保護層4の厚みが前記範囲を充足することによって、転写シートの三次元成形性が向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。
(電離放射線硬化性樹脂を用いる場合の表面保護層4の形成)
表面保護層4の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。表面保護層4の架橋硬化は上述の通り転写シートの製造時であってもよいし、樹脂成形品上に転写した後であってもよい。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、表面保護層4の下に位置する層(例えば、転写基材10)に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
本発明においては、調製された塗布液を、前記厚みとなるように、表面保護層4の下に位置する層の上に、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて表面保護層4を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、表面保護層4の下に電子線照射によって劣化しやすい樹脂を使用する場合には、電子線の透過深さと表面保護層4の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定する。これにより、表面保護層4の下に位置する層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による各層の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、表面保護層4の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
更に、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈、紫外線発光ダイオード(LED−UV)等が挙げられる。
かくして形成された表面保護層4には、各種の添加剤を添加することにより、ハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行ってもよい。
[プライマー層5]
プライマー層5は、表面保護層4とその下(転写基材10とは反対側)に位置する層との密着性を高めることを目的として、必要に応じて設けられる層である。プライマー層5は、樹脂により形成することができる。
プライマー層5を形成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。
上記ウレタン樹脂の中でも、架橋後の密着性の向上等の観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせ;さらに好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせが挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂が挙げられる。また、硬化剤としては、前述する各種イソシアネートが用いられる。アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂におけるアクリルとウレタン比の比率については、特に制限されないが、例えば、アクリル/ウレタン比(質量比)として、9/1〜1/9、好ましくは8/2〜2/8が挙げられる。
プライマー層5の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm程度、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。プライマー層がこのような厚みを充足することにより、転写シートの耐候性をより高めると共に、表面保護層4の割れ、破断、白化等を有効に抑制することができる。
プライマー層5は、プライマー層5を形成する樹脂を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層5や後述の接着層7の塗膜を形成し、その後に転写シート中の対象となる層表面に被覆する方法である。
[絵柄層6]
絵柄層6は、樹脂成形品に装飾性を与えるために、必要に応じて設けられる層である。絵柄層6は、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。絵柄層6によって形成される模様は、特に制限されず、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
絵柄層6に用いる絵柄インキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
着色剤としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
絵柄層6の厚みは、特に制限されないが、例えば1〜30μm程度、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
[接着層7]
接着層7は、転写シートと被転写体(成形樹脂層8など)との密着性などを向上させることを目的として、表面保護層4、絵柄層6などの下(成形樹脂層8側)に必要に応じて設けられる層である。接着層7を形成する樹脂としては、これらの層間の密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層7は必ずしも必要な層ではないが、本発明の転写シートを、例えば後述する真空圧着法など、予め用意された樹脂成形体上へ貼着による加飾方法に適用することを想定した場合は、設けられていることが好ましい。真空圧着法に用いる場合、上記した各種の樹脂のうち、加圧又は加熱により接着性を発現する樹脂として慣用のものを使用して接着層7を形成することが好ましい。
接着層7の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜20μm程度、さらに好ましくは1〜8μm程度が挙げられる。
[凹凸形成樹脂層1]
凹凸形成樹脂層1は、転写基材10の第2の面10b側に積層されており、転写基材とは反対側の表面にエンボス加工によって付与されたエンボス凹凸形状を有している。凹凸形成樹脂層1は、転写シートの転写時に、凹凸形成樹脂層1のエンボス凹凸形状に対応する凹凸形状を表面保護層4に形成するために設けられる層である。
凹凸形成樹脂層1を形成する素材としては、転写時に表面保護層4に凹凸形状を付与できるものであれば、特に制限されず、例えば、電離放射線硬化性樹脂の硬化物または熱可塑性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂としては、それぞれ、前述の[表面保護層4]の項目で例示したものと同じものが例示できる。
本発明において、加飾樹脂成形品の表面により一層優れたテクスチャや立体感を付与する観点からは、凹凸形成樹脂層1が熱可塑性樹脂または電離放射線硬化性樹脂により構成されていることが好ましい。凹凸形成樹脂層1が熱可塑性樹脂または電離放射線硬化性樹脂により構成されていることにより、エンボス加工により所望の凹凸形状が得やすく、凹凸形成樹脂層1の表面に形成された微細なエンボス凹凸形状が表面保護層4に精度高く反映され、加飾樹脂成形品の表面により一層優れたテクスチャや立体感を付与することが可能となる。
凹凸形成樹脂層1を形成する熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂がより好ましく、アクリルポリオールが特に好ましい。
凹凸形成樹脂層1を形成する電離放射線硬化性樹脂としては、上記の表面保護層に使用されるものと同様の樹脂が使用できる。
凹凸形成樹脂層1は、フィラーを含んでいてもよい。凹凸形成樹脂層1がフィラーを含むことにより、成形後に加飾樹脂成形品を取り出す際に、凹凸形成樹脂層1が金型側に付着し、表面保護層4から剥離することを抑制することができる。フィラーとしては、特に制限されず、シリカ粒子(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、反応性シリカなど)、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子などの無機粒子;ウレタンビーズ、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、スチレンビーズ、メラミンビーズ、ウレタンアクリルビーズ、ポリエステルビーズ、ポリエチレンビーズなどの有機粒子が挙げられる。フィラーは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。凹凸形成樹脂層1がフィラーを含む場合、その含有量としては、特に制限されず、例えば1〜10質量%が挙げられる。
凹凸形成樹脂層1の厚みは、特に制限されないが、例えば、好ましくは5〜100μm程度、より好ましくは5〜60μm程度、さらに好ましくは10〜40μm程度が挙げられる。なお、凹凸形成樹脂層1の厚みは、凹凸形成樹脂層1の裏面(表面保護層4側の面)から凸部までの積層方向の距離を意味する。
本発明の転写シートにおいて、凹凸形成樹脂層1のエンボス凹凸形状は、次のようにして形成することができる。まず、第1の面10a及び第2の面10bを有する転写基材10と、転写基材10の第1の面10a側に積層された表面保護層4と、転写基材10の第2の面側10bに積層された樹脂層とを備える積層シートを用意する。樹脂層は、凹凸形成樹脂層1に凹凸形状を付与する前の層であり、凹凸形成樹脂層1と同じ素材によって形成さている。次に、当該積層シートの樹脂層側からエンボス加工を施し、樹脂層の表面にエンボス凹凸形状が付与された凹凸形成樹脂層1を形成する。エンボス加工の条件の具体例は、以下の通りである。
エンボス加工を施す方法としては、通常、加熱加圧によるエンボス加工法が用いられる。加熱加圧によるエンボス加工法は、上記の積層シートの樹脂層の表面を加熱軟化させ、エンボス版で加圧してエンボス版の凹凸模様を賦形し、冷却して固定化する方法である。エンボス加工に使用されるエンボス版の形状が、凹凸形成樹脂層に付与されるエンボス凹凸形状に対応している。エンボス加工には、例えば、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機を用いることができる。
エンボス加工により設けられるエンボス凹凸形状の高低差としては、加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与する観点から、好ましくは5〜100μm程度、より好ましくは5〜60μm程度、さらに好ましくは10〜40μm程度が挙げられる。なお、本発明の転写シートにおいて、エンボス凹凸形状の高低差とは、凹凸形成樹脂層1の裏面(表面保護層4側の面)から凸部までの積層方向の距離と、凹部までの積層方向の距離との差を意味する。
加飾樹脂成形品の表面に優れたテクスチャや立体感を付与する観点から、本発明の転写シートにおいては、凹凸形成樹脂層1のエンボス凹凸形状の凹部が、転写基材10に達していないことが好ましいが、転写基材10に達していても構わない。
エンボス加工における加熱温度としては、特に制限されないが、好ましくは180℃〜220℃程度が挙げられる。
本発明の転写シートにおいては、以上のようなエンボス形状を備える凹凸形成樹脂層1と転写基材10とを備えているため、高い寸法安定性を備えており、所望の凹凸形状を加飾樹脂成形品に付与することができる。
2.転写シートの製造方法
本発明の転写シートは、以下の工程を備える方法により製造することができる。
第1の面10a及び第2の面10bを有する転写基材10と、転写基材10の第1の面10a側に積層された表面保護層4と、転写基材10の第2の面10b側に積層された樹脂層とを備える積層シートを用意する工程と、
当該積層シートの樹脂層側からエンボス加工を施し、樹脂層の表面にエンボス凹凸形状が付与された凹凸形成樹脂層1を形成する工程。
樹脂層及びエンボス加工については、前述の通りである。また、転写層11に、前述のプライマー層5、絵柄層6、及び接着層7などを設ける場合には、転写基材10の上に表面保護層4を形成した後、表面保護層4の上にこれらの層を積層すればよい。転写シートを構成する各層の組成、積層構造などは、前述の「1.転写シート」の項目で詳述した通りである。
さらに、本発明においては、以上のような製造方法を採用することにより、本発明の転写シートを、基材フィルム層が1層のみ積層されている構成とすることがでる。当該転写シートを用いることにより、表面に優れたテクスチャや立体感が付与された加飾樹脂成形品を製造することが可能である。
3.加飾樹脂成形品及びその製造方法
前述の本発明の転写シートは、種々の被転写体(例えば樹脂成形品)に転写する際に、転写基材10の第2の面10b側に形成された凹凸形成樹脂層1によって、加飾樹脂成形品の表面への凹凸形状の形成が可能であり、転写基材10及び凹凸形成樹脂層1を樹脂成形品から剥離することにより、表面に優れたテクスチャや立体感が付与された加飾樹脂成形品を製造する用途に用いることができる。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の転写シートに成形樹脂層8を積層することにより製造されてなるものである。本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の転写シートを樹脂成形品に積層して、転写基材10及び凹凸形成樹脂層1を剥離する工程を備える方法により製造することができる。より具体的には、例えば、本発明の転写シートを射出成形同時転写用のシートとして用い、当該転写シートと樹脂成形品(成形樹脂層8)を積層することにより、凹凸形成樹脂層1と、転写基材10と、表面保護層4を含む転写層11と、成形樹脂層8とがこの順に積層された、転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品を得る(図5を参照)。
次に、転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品から、転写基材10及び凹凸形成樹脂層1を剥離することにより、少なくとも、表面保護層4を含む転写層11と、成形樹脂層8とが積層された加飾樹脂成形品が得られる(例えば図6を参照)。
また、表面保護層4を未硬化又は半硬化の硬化性樹脂により形成していた場合、得られた加飾樹脂成形品に対してさらに電離放射線の照射や加熱を行うことにより、表面保護層4を硬化することができる。
また、前述のように、本発明の転写層11が、表面保護層4に加えて、プライマー層5、絵柄層6、及び接着層7などを有する場合、加飾樹脂成形品には、これらの層が含まれる。
本発明の加飾樹脂成形品の具体的な製造は、例えば、以下の工程(1)〜(5)の順に行うことができる。
(1)転写シートの表面保護層4側(凹凸形成樹脂層1と反対側)を金型内に向けて、熱盤によって表面保護層4側から転写シートを加熱する工程
(2)該転写シートを金型内形状に沿うように予備成形(真空成形)して、金型の内面20に密着させて型締する工程
(3)成形用樹脂(成形樹脂層8を形成する樹脂)を金型内に射出する工程
(4)該成形用樹脂が冷却した後に金型から加飾樹脂成形品(転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品)を取り出す工程
(5)加飾樹脂成形品の表面保護層4から転写基材10及び凹凸形成樹脂層1を剥離する工程。
上記両工程(1)及び(2)において、転写シートを加熱する温度は、転写基材10のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常はガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、転写基材10として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に70〜130℃程度である。あまり複雑でない形状の金型を用いる場合は、転写シートを加熱する工程や、転写シートを予備成形する工程を省略し、後記する工程(3)において、成形用樹脂の熱と圧力によって転写シートを金型の形状に成形してもよい。
上記工程(2)において、凹凸形成樹脂層1は金型の内面20に押し付けられるので、結果的に転写シートが変形し、転写基材10と、転写層11の少なくとも表面保護層4の表面が凸凹形状に成形される(図3〜図4を参照)。
上記工程(3)において、後述する樹脂(成形樹脂層8を形成する樹脂)を溶融させて、キャビティ内に射出して該転写シートと成形用樹脂とを一体化させる。この時、上記工程(2)において、凹凸形状が形成された転写層11と成形樹脂層8が積層されるので、通常、成形樹脂層8にも転写層11の凹凸形状に対応した凹凸形状が形成される。成形用樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融によって流動状態にして、また、成形用樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化の液状組成物を室温又は適宜加熱して流動状態で射出して、冷却して固化させる。これによって、転写シートは成形樹脂層8と一体化して貼り付き、転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品となる(図4、5を参照)。成形用樹脂の加熱温度は、成形樹脂層8を形成する樹脂の種類によるが、一般に180〜320℃程度である。
このようにして得られた転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品は、工程(4)において冷却した後に金型から取り出した後、工程(5)において転写基材10及び凹凸形成樹脂層1を表面保護層4から剥離することにより、凹凸形状が付与された表面保護層4を有する加飾樹脂成形品を得る。また、転写基材10及び凹凸形成樹脂層1を表面保護層4から剥離する工程は、加飾樹脂成形品を金型から取り出す工程と同時に行われてもよい。すなわち、工程(5)は工程(4)に含まれるものであってもよい。かくして、本発明の加飾樹脂成形品が得られる。
本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層8は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層8を形成する成形用樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の加飾樹脂成形品は、優れた耐傷性を有し、かつ、意匠性にも優れているため、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
PETフィルム(厚み75μm、180℃で5分間の熱収縮率が1.8%)の一方の面に、アクリルポリオールにより形成された樹脂層(厚み約20μm、添加剤として、シリカ粒子、被膜補強材、ポリエチレンワックスなどを含む)を積層した。PETフィルムの他方の面に、電離放射線硬化性樹脂組成物(アクリルポリマー/3官能アクリレートモノマー(質量比7/3)、添加剤としてUVA、HALS、レベリング剤、カップリング剤を含む)を硬化後の厚さが3μmとなるようにバーコーダーにより塗工し、表面保護層形成用塗布膜を形成した。この塗膜上から加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、表面保護層形成用塗布膜を硬化させて表面保護層を形成した。さらに、表面保護層の上に、プライマー層(材料組成:アクリルポリオール、厚み1.5μm)、絵柄層(材料組成:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体/アクリルポリマー、厚み2μm)、接着層(材料組成:アクリルポリマー、厚み2μm)をグラビア印刷によりこの順に積層し、樹脂層/PETフィルム/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層が順に積層された積層シートを得た。
次に、樹脂層側からエンボス加工(ストライプ状)を施し、凹凸形成樹脂層を形成した。エンボス加工に用いたエンボス版のエンボス版深(凹部底部から凸部上面までの高さ)は、20μmとした。かくして、凹凸形成樹脂層/PETフィルム/表面保護層/プライマー層/絵柄層/接着層が順に積層された転写シートを得た。
実施例2
樹脂層の厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。
実施例3
樹脂層の形成に電離放射線硬化性樹脂組成物(アクリルポリマー/3官能アクリレートモノマー(質量比7/3)を用い、且つ樹脂層の厚みを30μmとした以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。
実施例4
樹脂層の厚みを10μmとした以外は、実施例3と同様にして転写シートを得た。
比較例1
樹脂層を設けず、転写基材に直接エンボス加工を施した以外は、実施例1と同様にして転写シートを得た。
次に、転写シートを金型に入れて、真空成形で金型内の形状に沿うように予備成形して型締した(最大延伸倍率100%)。その後、成形用樹脂を金型のキャビティ内に射出し、該転写シートと成形用樹脂とを一体化成形し、転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品を得た。次いで、当該転写基材及び凹凸形成樹脂層付き加飾樹脂成形品から、転写基材及び凹凸形成樹脂層を剥離除去することにより、加飾樹脂成形品を得た。
<加飾樹脂成形品の凹凸形状の評価>
各加飾シートから製造された加飾樹脂成形品表面の凹凸感を視覚及び手触りで評価した。評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
〇:凹凸感が強く感じられる。
△:凹凸感を感じられる。
×:凹凸感が感じられない。
1 凹凸形成樹脂層
2 基材フィルム層
3 離型層
4 表面保護層
5 プライマー層
6 絵柄層
7 接着層
8 成形樹脂層
10 転写基材
11 転写層
20 金型の内面

Claims (12)

  1. 第1の面及び第2の面を有する転写基材と、
    前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、
    前記転写基材の前記第2の面側に積層されており、エンボス凹凸形状が前記転写基材とは反対側の表面に形成されている凹凸形成樹脂層と、
    を備える転写シート。
  2. 前記凹凸形成樹脂層が、電離放射線硬化性樹脂の硬化物または熱可塑性樹脂により形成されている、請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記凹凸形成樹脂層の厚みが、10〜100μmの範囲にある、請求項1または2に記載の転写シート。
  4. 前記エンボス凹凸形状の高低差が10〜100μmの範囲にある、請求項1〜3のいずれかに記載の転写シート。
  5. 前記エンボス凹凸形状の凹部が、前記転写基材に達していない、請求項1〜4のいずれかに記載の転写シート。
  6. 前記表面保護層の前記転写基材とは反対側にプライマー層が積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の転写シート。
  7. 前記表面保護層の前記転写基材とは反対側に絵柄層が積層されている、請求項1〜6のいずれかに記載の転写シート。
  8. 前記表面保護層の前記転写基材とは反対側の表面に接着層が積層されている、請求項1〜7のいずれかに記載の転写シート。
  9. 前記転写基材が、前記第1の面側から順に、離型層と、基材フィルム層とを有している、請求項1〜8のいずれかに記載の転写シート。
  10. 前記転写シートには、前記基材フィルム層が1層のみ積層されている、請求項1〜9のいずれかに記載の転写シート。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の転写シートを樹脂成形品に積層して、前記転写基材及び凹凸形成樹脂層を剥離する工程を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の転写シートの製造方法であって、
    第1の面及び第2の面を有する転写基材と、前記転写基材の前記第1の面側に積層された表面保護層と、前記転写基材の前記第2の面側に積層された樹脂層とを備える積層シートを用意する工程と、
    前記積層シートの前記樹脂層側からエンボス加工を施し、前記樹脂層の表面にエンボス凹凸形状が付与された凹凸形成樹脂層を形成する工程と、
    を備える、転写シートの製造方法。
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